散華するスズラン ~五十鈴れん、喪失~ 作:megaNeiL
原作:魔法少女まどか☆マギカ
タグ:R-18 残酷な描写 マギアレコード マギレコ 五十鈴れん いじめ 凌辱 レイプ
無理やりカップルにされ戸惑う二人。
だが本当の悲劇はここから始まった――
「ぼ、ぼくと…つきあってください…」
放課後の教室で一人ぼーっと窓の外を見つめていた五十鈴れんは、何の脈絡もなく唐突に告白を受けた。
告白…?なんで…私なんかに…?
突然のことで頭がうまく回らない。
相手の子とは数回しか話したことが無かったけれど、私はよく知っている。私と同じようにいじめられてる男の子。
「あ…、ぇ、え…?」
「あの…ぼくと…つき…あって…」
「うわーコイツホントに五十鈴にコクりやがったーーー!!」
「ギャハハハ!!お前すげーよキモ谷!ハハハ!」
教室に男子たちの笑い声が響く。その騒がしい声を聞いて、私は全てを察した。
告白「させられ」たんだ…、罰ゲームで…
「うっわ男子サイテー!こんな奴にコクられたら五十鈴さんカワイソーじゃん!ねぇ?」
「ぁ…えっと…その…」
彼が不本意で告白させられたのは私でも分かる。
ここで私が変な答え方をすると、彼が余計傷付いてしまう…そんなのダメ…
私が回答に困っていると、これはチャンスとばかりに相手の女子ががまくし立てる。
「五十鈴さんオッケーだって~!良かったじゃんキモ谷ぃ~!」
「うっわありえねー!見る目ないわー!」
「はいカップル成立おめでとー!」
私達を嘲笑するように拍手が起こる。
どうしよう…彼も困っているみたい。
でもこの後に起こる地獄に比べたら、こんなのはなんてことなかった。
「じゃあさー、二人でセックスしなよ」
何を言ってるのか分からなかった。
「ぇ…?」
「二人カップルなんでしょ?普通カップルならセックスするんだよ?セックスしなよ、ほら。今ここで」
言葉の意味を理解した私を、おぞましいほどの寒気が襲う。
これまでどんな酷いことをされても、奪われても、守り続けてきた最後の一線。私が私であるためのもの。
彼女は私に、それを自ら差し出せと言っているのだ。
悪意が満ちた教室に、季節外れのひぐらしの鳴き声だけが、いやに響き渡っていた――。
「せっ…、ちょっと…待って、ください…はい…!」
「ぶはっ!お前すげーこと考えるな!」
「だってこの二人セックスさせたら面白くない?」
「いいじゃん俺賛成ー!ほらキモ谷行けって!」
「えっ、いや…」
彼が男子たちに押し出されて私にぶつかり、ちょうど抱き合うような体勢になる。
囃し立てるいじめっ子たち。
「はいじゃあまずキスからね~!」
「ぇ…」
「ほら早く!行けよキモ谷!」
どうしたらいいか分からなくて顔を伏せる私。
「あの、流石にやりすぎだよ…五十鈴さんも僕なんかとするの嫌がって…」
彼の抵抗の言葉はすぐに掻き消された。
彼が男子の一人から飛び蹴りを受け、壁まで吹っ飛ばされたのだ。
彼は壁に背を預け、お腹を抑えてうずくまっている。だけど男子はなんの躊躇もなく彼を追い込み続ける。
「お前さぁ、奴隷に発言権あると思ってんの?」
「でも…五十鈴さんが…」
「は?じゃあしねよ」
男子が彼を殴りつける。何度も、何度も…
「アッハハ!男子厳しすぎー!」
彼の唇が切れて血が流れる。もうやめて…
「待ってください!私、やりますから!やりますから!」
男子の腕に掴みかかり必死になって懇願する。
「おっ、なんだコイツノリノリじゃん」
「あっついねー!ヒューヒュー!」
「五十鈴さん…」
「私のことは、気にしないでくださぃ…はい……どうぞ…」
周りに急かされながら、私は目を閉じる。
私の唇に、震える彼の唇が微かに触れた。
初めてのキスは、血の味がした。
唇を離した私達は、恐る恐る主犯格の女子の顔を窺う。
これで終わりにしてほしい、そう懇願するように。
だがその願いが聞き入れられることはなかった。
「はぁ?五十鈴さんさぁ、そんなのがキスとかなめてんの?」
そう吐き捨てた彼女は、隣にいる彼氏と思しき男子に絡み付くように抱きすがり、見せつけるようにその唇に食らい付いた。
周りから歓声が沸き起こる。
クチュクチュと音を立てて食らい合う二つの唇、唇の端から見え隠れする舌同士の絡み合い…
それは洋画のキスシーンでも観たことない、これからセックスをする者同士の、前戯としてのキスだった。
名残惜しそうに唇を話した彼女はこちらを見下すように淫らに微笑み、こう囁いた。
「キスっていうのはさぁ…こうやるんだよ」
これを、やらなきゃいけないの…?
震えながら隣に立つ彼をちらりと見る。
彼も震えていた。だがその震えは恐怖からではなく、これから起こる行為への興奮からくる震えだということに、私は気付かなかった。
「もう、終わりにして…ください…はい…」
「ダメに決まってんでしょ。」
「…っ」
「もうアンタがヤられるのは決まったことなんだわ。ウチらにアンタの服ひん剥かれてボロッボロに犯されるのと、そこのキモ谷にやさしくエッチしてもらうの、どっちがいい?」
そんなの選べない…。
「ほら早くしろよ!はい、ディープ!ディープ!ディープ!ディープ!ディープ!」
目に涙が滲む。どうしたらいいの…?
でも考える必要は無かった。
隣で震えていた彼が、私を抱き寄せて強引に唇を合わせてきたから。
彼の舌が私の唇を割って入り、私の口腔を犯す。
今まで味わったことのない感覚に背筋をびくつかせる私。
なんで…?なんであの人の言うこと聞くの…?
「うおおおお!!」
「ヤるじゃんキモ谷ぃ!五十鈴が興奮してんぞ!」
いじめっ子達から猿のような歓声が上がる。
そっか、私達が従わないと終わらないんだ…
観念した私は頑張って彼の口の中に舌を付き出す。
彼が鼻息を荒げて夢中で私の舌を吸う。
「ほらもっと舌絡めて~!」
「おいその角度じゃカメラ映んないだろ!」
罵声と歓声とカメラのシャッター音が響く中で私達は必死で舌を絡め合う。
光と轟音と快感が同時に押し寄せ、私は腰砕けになりながら尚も彼に食らい付く。
もう、頭がどうにかなっちゃいそう…。
長いキスが終わり、互いの身体に身を預け息を切らす私達。
「やっべちょっと勃った!」
「俺も!」
これでやっと終わる…。そう思った私に、現実が襲いかかる。
「じゃ、そろそろ始めよっか」
「よっ!待ってました!」
「ぇ…?」
「え?じゃないよ。本番、挿入。セックスなんだからさぁ、処女膜ブチ破って射精して孕ませなきゃダメでしょ」
本当の地獄は、ここからだった――。
「いやっ…やめて…!やめてください…!」
「さっきまでノリノリだったくせに何ぶりっ子してんの?男子ちゃんと抑えてー!」
抵抗する私を男子たちが抑えつける。
「ほら、好きにしていいよキモ谷!」
「……っ」
彼が服の上からぎこちなく乳房を揉む。
「ほら下も攻めないとさぁ!五十鈴さん寂しがってるよ?」
上も下も彼に攻められて息も絶え絶えになる。
彼も初めてのことなんだろう。触れる手は力加減ができず、気持ちよさなんて感じない、ただただ辛いだけの行為。
「こいつ嫌がってるくせにめっちゃ濡れてるんだけどウケる!」
「いいよキモ谷、入れちゃって」
あぁ…こんなところで私、終わっちゃうんだ…
こんな私を好きになってくれる人なんていないのは分かってる。
でも、せめて初めてだけは、好きな人としたかったなぁ…
勃起したそれを見せられ、私は希望を捨てる。
でもそのモノは、私の入り口でぴたりと止まった。
「五十鈴さん…ごめん…」
「ぁ…え…?」
「僕がもっとちゃんとしてたら、五十鈴さんがこんなことしなくて済んだのに…」
「いや、そんなこと…ないです……はい…」
彼のせいじゃない。彼はいじめられて無理やりさせられてるだけなんだ。
むしろ悪いのは私。私が始めからあの人たちに従っていれば、彼は殴られることなんてなかった…
私が、ダメなせいで…
「僕…ホントに五十鈴さんのこと好きなんだ…」
「えっ…」
「僕と同じようにいじめられてる五十鈴さん見てさ…なんか、仲間だなって思ったんだ」
「たまに一言話せただけでもすごく嬉しくてさ…あぁ、この子と毎日一緒にいられたら、どんなに楽しいんだろうって…こんな苦しい生活も、どんなに綺麗になるんだろうって…思ってさ」
「だから、さっきオッケーだって言われた時…嘘だって分かってても…嬉しかった」
「僕、ホントに最低だけど、やさしくするから…痛くないようにするから…!だから…もう少し、もう少しだけ、我慢してて…くれないかな…?」
「これで、全部終わるから…もう何もしないから…お願い…します…」
自然と涙が零れる。
そっか…私は、一人なんかじゃなかった…
私のこと、ちゃんと見てくれてる人がいたんだ…
「いい…ですよ……はい」
「え…?」
「好きにしてくれて…いいです」
「でも…」
「あなたなら…大丈夫だから…はい…」
この人なら、初めての相手でもいい…
私の初めては、私の人生は、不幸なものなんかじゃない…
だって私は、こんなにも、愛されてるんだから…
「くっせえ台詞吐いてんじゃねえよバーカ」
横腹に蹴りを入れられ、彼は私から離れて床に転がる。
「あのさぁ、俺らお前らの傷の舐め合いなんてまったく興味ないんだわ」
男子はうずくまる彼にそう吐き捨てた。
「そーそー、アンタらのしょっぼい生活の楽しみなんてマジどうでも良いし。アンタら虫みたいなもんなんだからさ、ただウチらに従って虫みたいに交尾してりゃいいわけ。なのになにラブラブしちゃってんの?気持ち悪い」
やめて…私達の気持ちを、そんなふうに言わないで…
「なぁ、俺らそろそろ我慢できなくなってきたんだけど。ヤっていい?」
「いーよもうシラけたし。どうせ最後は男子たちにマワそうと思ってたから」
「ぇ…まってください…!約束が…違いま…」
その言葉は遮られた。
男子の一人のモノを強引に口の中に押し込まれる。
「待て」を解かれた犬のように男子たちが私に群がってくる。
「正直キモ谷じゃないけど俺も五十鈴良いと思ってたんだよな」
「それな!顔良いしヤるだけならこんな良いモンないでしょ!」
「ぶっちゃけ俺五十鈴で抜いたことあるんだよねー!ほらキモ谷、大好きな五十鈴のエロい顔見せてやるよ!」
女子たちに抑えつけられながら私の痴態を見せられる彼。
「よっし!まずは俺な!」
「あっ、待っ…い゛ぃっ!!」
私の初めては、好きな人でもなんでもない男子にあっさりと奪われた。
彼の怒り狂った叫びが遠くで聞こえる。
「うおっ、やっぱ処女だわこれ!」
男子たちの怒張したそれが私の手に、口に、群がってくる。
気持ち悪い…やめて…!
まだ入れられて間もない私の中を、男のそれが、なんの情も躊躇もなく蹂躙する。
痛い…痛い…!
痛い!痛い!痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
たすけて…
「んじゃ、また遊ぼうね五十鈴さん♪」
服も身体もめちゃくちゃにされ、ぼーっと天井を見つめる私を夕陽が紅く染め上げる。
それはまるで、破瓜の血に溺れ、壊れた人形のように――
「ごめん…ごめん…」
啜り泣きながら彼は私に謝り続ける。
「そんな…もういいですから…はい…」
服を着直した私は、彼を心配させないように努めて明るい声で答えた。
「あの…」
「……」
「あなたの気持ち…嬉しかったです…はい…」
「五十鈴さん…」
「じゃあ、私、かえります…はい」
「さよなら、中谷くん…」
廃ビルの階段を一段一段踏み締めるように登りながら、これまでの人生を思いだす。
今にして思えば、私の人生は辛いことばかりだった。
その最たるものが今日。
でも、最後に良いことがひとつだけあった。
私のことを好きだと言ってくれたあの子。
この気持ちだけで、もう充分だ。
もう心残りは無い。
中谷くん、私がこんなこと言う資格はないけど、あなたには生きていてほしい。
私のことを忘れて、いつか誰かと幸せになってほしい。
それが私の、この世界での最後の願いです…はい…。
屋上の柵を越えて、深呼吸して目を瞑る。
そこには自分をいじめる人なんて誰もいない、私一人だけの安らぎの世界。
今その世界に、一歩踏み出そう…。
月の光に照らされた儚げな少女が、闇に飛び込み命を散らそうとする。
神秘的とも言えるこの光景を、一匹の白い小動物だけが見つめていた――。