※この作品はR-18です。

痛いのは流すので防御力はいらないと思います。   作:吉貝 雷

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戦わない系主人公。


防御無振りと初パーティー

3日後、黄錦龍(ファンジンロン)は2人の女性プレイヤーとパーティーを組んでいた。

パーティーメンバーには、カルラ、ユキンコと表示されている。

中華系の顔立ちをした和装のプレイヤー、ユキンコは彼に問いかける。

「冒険は順調だと言ってましたが、ステータスを聞いていいですか」

その問いに、

「どうみてもマトモなプレイングはしていないだろう」

侍風の少女が言葉を挟む。

 

「よせよせ、そんなに褒めるな。照れるじゃないか」

そう返答をしつつ、黄錦龍(ファンジンロン)はステータスを読み上げる。

 

黄錦龍

 

Lv6

 

HP 40/40

MP 16/16

 

【STR 0】

【VIT 0】

【AGI 50】

【DEX 70】

【INT 0】

 

 

装備

 

頭 【空欄】

体 【空欄】

右手【見習いの竪琴】

左手【見習いの竪琴】

足 【空欄】

靴 【空欄】

装飾品 【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

【楽器演奏】【酒場演奏】【管弦楽】【博愛精神】【インディーズ】【楽器の心得Ⅲ】【ポーション中毒無効】【無法者の秩序】

 

 

「やはりな!そのレベル帯だと、いくつか装備欄空いているプレイヤーはいるが、武器しか更新してないではないか!」

「武器とステータスを更新していて、フィールドで使えるスキルを持っているあたり進歩を感じます。レベルも上がってるんですよ」

「おか......ユキンコ、一度日本に帰ってこないか?こいつへのハードルが幼児でも躓かないレベルまで下がってるぞ」

 

二人、娘の雪麗と孫の石神静乃が彼のステータスについて言い合う中、黄錦龍(ファンジンロン)は不可解そうに問いかける。

「どうした、何を争っている?争いは辛いだけだろう。共に遊ぶために補助スキルも持ったぞ、お前たちの望む冒険に行けば良いだろう」

ハードルの下がりきった娘と不毛さに諦めた孫は、彼を連れて草原で連携の確認をするためにフィールドに出た。

 

しかし、すぐにカルラが彼に突っ込む。

「攻撃をしろ、攻撃を。MMOをなんだと思ってる」

「誰も不幸にならないとは知っているが、傷つけられるのは苦しいだろう?」

「レベルは上がっているんだから、一度ぐらい倒しているだろう?そのときの感じで良いんだ」

「んぅ?フィールドには何度も出ているが一度も攻撃はしていないが......、お前がそういうのなら攻撃していたのかもしれんな」

「まあまあ。死に戻らないだけ良いでしょう」

「それも意味が分からん、こいつに攻撃が当たってもHPが減ってないんだが。ここは邯鄲や現実じゃないんだぞ」

「見たことのないスキルがいくつかありますし、それの効果でしょう。

マナー違反ですが、スキル詳細を聞いてもいいですか?」

 

「善哉善哉、好きにしろ」

そういって、ステータスをメールで送った。

 

【管弦楽】

管楽器または弦楽器での【楽器演奏】が自身の一番高いステータスにも効果を発揮するようになる。

 

取得条件

特定カテゴリーの楽器を他の楽器演奏の効果範囲内で50回演奏する。

 

【博愛精神】

自身の受けるあらゆるダメージを無効化しヘイトを軽減する。

攻撃スキルと通常攻撃が使用できなくなる。

 

戦闘フィールドからいつでも離脱できる。

 

取得条件

一切攻撃せずに100回死に戻りする。

 

【インディーズ】

【楽器演奏】の効果範囲内のプレイヤーがモンスターを倒したとき、そのLVの1%の経験値を得る。

 

取得条件

PTを組まずに【楽器演奏】を200回行う。

 

【ポーション中毒無効】

ポーション中毒の効果を無効化する。

 

取得条件

中毒状態で24時間経過し、かつ戦闘を30回行っている。

 

「お前らしいスキルではあるが......運営は何を考えて、実装したんだ」

「俺のことが好きなのだろうよ」

「あの神座所有者がか?いや、四四八さんもピンポイントなスキルを取得したらしいし、邯鄲事件をモチーフにしている可能性はあるか」

余りにもおあつらえ向きなスキルに疑問を持つも、黄錦龍の起こした事件を参考にしている可能性に至った。

 

「なら、他の二人にもあるかもしれませんね。この構成なら、私とカルラが戦える場所ならどこにでも行けそうです」

「待ってくれ。回復型魔法使いのユキンコに、攻撃能力皆無の楽器使いと言うことは、長剣使いの私が攻守共に受け持たなければならないのでは?」

「私は攻撃魔法持ってますよ」

「ユキンコは悪くないが、パーティにはバランスというものが有って......。四四八さん、誘っていいか?」

ヘイトが低く壁にできない無敵バッファー、回復能力重視のヒーラー、全てのステータスを多少はあげているものの回避アタッカーというちぐはぐな構成に少しは役得が欲しくなるカルラ。

 

結果として、ユキンコと四四八の反対で3人でボスの出ない採取クエストを受けることになり、森に向かう。

黄錦龍は娘たちに勧められ、このクエストに便利なスキル『採取』を購入している。

「森の薬草を20本でしたね」

「ここのモンスターは草原よりは強いが厄介なのは毒ぐらいだ。私がモンスターを引き受けるから、2人で採取してほしい」

 

モンスターの方へ向かうカルラに【楽器演奏】をかけ、黄錦龍は採取を始める。

森の薬草はわからないが、薬効のあるものは何となくわかるので、段々と数を増やしていく蜂に刺されていることに気付くことなく、見つけ次第摘んでいく。

 

しばらくたって、カルラが迎えに行くと、彼は十数匹の蜂を引き連れていた。

「おい。そこを動くな、黄錦龍。トレインはやめろ、ユキンコが死ぬぞ」

言われた通りに止まると、彼は凪払うような斬撃を蜂諸とも受ける。

「どうかしたか?言っていた薬草は18本拾っていたな」

カルラに護衛されていたユキンコが遅れてやってくる。

「こちらに6本あるので、達成ですね」

 

そして3人は町に帰り、薬草を納品して報酬を受け取った。

「疲れた......。次があれば、絶対に四四八さんか大盾を入れる」




この世界の運営は神座勢でゲームバランスは女神の懐の深さと戦闘狂たちが主な原因だと良い(゚∀。)y─┛~~
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