ㅤ屋根もない天井に鈍色の門が現れ、紫紺の靄を切り抜けて降り立ったのは紅衣の少女。リボンのように柔和な光沢を放つブロンドの前髪を左右に分け、真っ白なおでこにチャーミングな鍵穴が空いているミニスカワンピのサンタこそは、今年のサンタサーヴァントであろう。
「メリークリスマス! 今年もたくさんお務めを頑張ったマスターにプレゼントを持ってきたわ! どれが貴方のお気に召すかしら……?」
ㅤ色とりどりのプレゼント箱や大きな鞄が無造作に置かれた床より、クリスマスらしい紅白カラーの触手が緑のリボンを巻き付けられて生えており、そこに抱えられた白い袋も何やらもぞもぞ動いている。だがそんなことはどうでもいい。
「アビー、俺はプレゼントなどいらない」
ㅤ俺がそう言うと、アビーは悲痛に目を見開き、眉を歪めた……だが、それは大きな誤解だ。
ㅤそれを証明するのに言葉は要らない。俺はおもむろに部屋着を上下とも脱ぎ捨て、靴下以外は全裸になった。
「強いて言えば、アビー。君がプレゼントだッッッ!!!」
ㅤ力強く突き出した指先と、逞しくそそり立つぺニスの先端が同時に“彼女が欲しい”と訴えた。
「嗚呼、マスター!」
ㅤ悲哀に彩られた彼女の顔が赤く綻び、瞳を潤ませながら俺のペニンニンに駆け寄った。
「私のために用意して下さったのね、赤鼻のトナカイさん!」
ㅤ彼女は俺の赤く濡れそぼる亀頭に鼻先を近付け、熱い吐息を吹きかけている。亀頭の左右には紙細工で作ったトナカイの角と、黒いお目々が貼り付けられていた。
────クリスマス・サプライズ!!!
「サンタさん……俺を君だけのトナカイにしてくれ」
ㅤ俺はアビーの両肩に手を添え、トナカイを小刻みに揺らしながら告白した。なるべくトナカイが喋ってるニュアンスを出してみたがうまくいった気がする。
「はい、私は貴方だけのサンタクロース……貴方だけに乗るライダーになります」
ㅤ透き通る声で契りを結び、彼女はトナカイの鼻先に口付けをした。
「ホワイト・クリスマスッッッ!!!!!」
ㅤ感極まった俺のトナカイはまるで、味を知らないままバリウムを一気飲みして噴き出した馬鹿のように精液を撒き散らした。それは上下にブランブランと揺れながらアビーの顔面をべとべとに染め上げた。鍵穴にもちょっと入ったが大丈夫。お父様、俺はかならず責任を取ります。
「わぷっ!……もう、マスターったら悪い人ね」
ㅤそう言いながら眼鏡を探す漫画のキャラクターのように手をあらぬところへ泳がせているアビーにハンカチをそっと渡した。
「ごめん、アビー。いい加減、射精のときに必殺技っぽく叫ぶのはやめるよ」
「たぶん貴方は反省点を間違えてると思うわ」
ㅤ顔を拭きながらとても要点を突いたツッコミを入れる彼女の賢さが愛しくて、おでこにそっとキスをした。
「今度は、俺がサンタさんにプレゼントしたいな」
「それは
「……いけない?」
「ふふ、いいわ。それがマスターの望まれる夢路なら、何処までもご一緒させて下さいな」
ㅤそう言いながらアビーはベッドに乗り、膝立ちのまま身を仰け反らせてサンタワンピのボタンを外してゆく。
「―――さぁ、いらしてマスター。いと聖なる夜ですもの、主もひと匙くらいの悪いことは目を瞑って下さるわ」
ㅤ少女の柔らかな肉と汗に薔薇の入り交じった匂いが広がり……骨の浮きそうなほど華奢な裸体が目の前に晒された。
「!!」
ㅤだが、ひときわ目を引くのは、露わになった所よりも隠れた所だ。平らかな胸に宿る二つの蕾を覆い隠す、黒い蛾を模したニップレス。それに反し、のたうつ触手のような渦模様を刺繍されたレース生地のパンティは肝心な部分……
「あ、アビー…………きき、君はすっっっごく悪いバッドなガール子だよ…………!」
ㅤ自分でもちょっと何を言ってるか分からないが、気付けばベッドの上に飛び乗り、その年端もいかぬ幼さと、早熟に過ぎる妖艶さが同居する痩躯を愛撫していた。
「まぁ、トナカイさんったらいけないわ! サンタさんに乗るトナカイなんて、おどけ話でも聞かないのに」
ㅤ無邪気な口調に、愉悦の色が滲む。俺はトナカイをヘコヘコとサンタさんのクリトリスイッチにひたすら擦り付けながら、胸に付いた蛾のニップレスを歯で引き剥がしていた。
「うふふ、今夜はマスターのサンタさんで、禁忌の魔女。それになんならママにだってなってあげるわ。年に一度のプレゼントに選んで頂けたのですもの」
「うわあああああん!!!ママーーーーッ!!!」
ㅤアビーの汗ばむ桃色の乳首に吸い付きながら、俺のヘコヘコトナカイムーブが加速する。
「んっ、はぁ……私も、気持ち、いい」
ㅤそう呟きながら、俺のヘコヘコに彼女のうねうねが合わさる。まるでこれはティグリス川とユーフラテス川の二つの流れの間に文明が生まれたような快感が、きて、
「マスター……軽く、イっちゃう」
「あああああ!!! メソポタミア!!!」
ㅤ痺れてびくびくと波打つ彼女の腹部に俺の二回目の射精が迸る。これはもう、二度あることは三度あるの法則が発動する。
「アビー、人理の繁栄しよっ!!!!!」
「そうね」
ㅤそう言うとアビーは私を押し倒し、そっとパンティを脱ぎ捨てた。ぬらぬらと糸を引く秘部が、準備はいらないと言っていた。
「今年は、私がサンタさんだから……私が、トナカイさんに乗るの」
ㅤ笑いながら、彼女はその未成熟な蜜蕾を私の角に押し当ててくる。
「アビー、入るようになったの最近だし、無理はしないでね?」
「んぅ…………でも、私も欲しいの」
ㅤ角の先を出し入れされながら、窮々と粘膜の襞が寂しげに蠢くのを感じる。
「マスターのトナカイさんに乗って、イっちゃいたいの……!」
ㅤぐぐぐっ、と肉棒を飲み込むアビーの膣内が激しく締め付け、吐精を急くように扱き抜いてくる。
「ん、ああぁ!」
ㅤ緩慢なストロークのたびに脳髄が騒々しく漂白されてゆく。その快感に抗ってか、抗えずか、俺もアビーの骨ばった臀部を掴みながら、奥へ奥へと突き上げていた。
「んっ、んっ、ふうぅっ!」
「はぁっ、はぁっ!」
ㅤ時間が溶解してゆくなか、互いの律動が徐々に拍数を上げる。肉と肉の打ち合う音、液と液が混ざり合う音が高まるにつれて、感覚が言葉よりもなお饒舌に物語るように思えた。
「あぁあぁ! マスタぁ…………っ!!」
「んぅっ…………アビぃ…………っ!!!」
ㅤ気付けば体位は騎乗位から体面座位へと移り、互いの口吻をも貪り犯していた。
「んんっ!」
「ん……!」
ㅤ互いが、互いの絶頂を予感していた。そして、互いに最も奥で結び付けるように身をくねらせ、
ㅤ精液と愛液の雨が、シーツの上に降り注いだ。
「メリー、クリスマス…………」
ㅤ耳元でそう告げるアビーの声が、鈴のようだとぼんやり思った。
ほぼリビドーだけで書きました。恥ずかしいですが悔いはありません。