「ねぇ、フブキ。」
「なに?まつりちゃん」
「……きれいだね」
「そうだねぇ、きれいだねぇ」
色鮮やかにライトアップされた、夢幻的なイルミネーションを二人は眺めた。ここは郊外で人の姿もほとんど見えず、ベンチに腰掛けているのも彼女らだけだった。
「あのね……フブキ」
「なぁに?」
「……何でもない」
まつりは、何も切り出せないまま言葉を飲み込む。
何とか別の会話で繋げようとするが、それすら出てこなくなった。
沈黙が流れる。フブキがイルミネーションを楽しんでる間、今一度気持ちを整理しよう。
私は、フブキのことが好きだ。
友情ではない。これは恋だ。
けれど、この気持ちは言えない。言わない。関係を壊したくないから。
少しだけでも、あなたのその世界に近づけるのなら。
フブキに気づいてもらえなくても、私が私でいられるのなら。
この気持ちは、誰にも言わずに押しつぶしてしまおう。
そう思っていた。そう意志を固めていた。
「ねぇ、まつりちゃん」
「ん〜?」
それなのに、まさかこんなこと言われると思わなくて。
「月、とっても綺麗だね。」
「……ぇ?」
思わず鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまった。
「あははは!まつりちゃんなにその顔〜」
整理が追い付かない。
違う。違うんだ。これはただ月が綺麗だと言っているだけなんだ。嘘なんだ。まやかしなんだ。そうやって振り払おうとして、思わず首を振ってしまった。そうしていたまつりにフブキは頭を支えるように両手を首の後ろに回し、こう畳み掛けた。
「いい?これは私の真剣な告白。だからまつりちゃんも真剣に答えて」
面と向かってそう言われてしまった。改めて告白された。やっとその実感がわいてきて、無意識に大粒の涙がこぼれる。
「わああ、まつりちゃん、泣かないで?」
「……私、今フブキに告白されたんだよね……それが、うれしくて、うれしくて……」
「そっか……ごめんね驚かせちゃって。返事は今じゃなくてもいいからね……」
「ううん……今答えたい……私のほうこそ……よろしくお願いします」
そういって止めどなく流れる涙を、拭う。
「もう泣かないの。」
「うん……」
今度はおでこをこつんとくっつけられた。
「まつりちゃんはもう私の彼女なんだよ?喜んで」
「うん……うん……うれしい……」
「実はね、まつりちゃんが私を好きなの、ほんとは気づいてたんだ。私もまつりちゃんの事大好きだったから嬉しかったんだけど、ちょっと意地悪しちゃった」
「うそ……バレてたの……?」
「うん。バレバレだったよ〜」
「ど、どこから!?いつから!?」
「教えな〜い♪」
そういってまつりから離れ、スキップで逃げていくフブキ。
自分の彼女を追いかけるまつり。
「ねぇ、教えて!教えてよフブキ!!」
「どうしよっかな〜♪」
追いかけていくまつりの目に、もう涙は無い。
クリスマスに別サイトで企画があったのでそちらのを遅ればせながら投稿。
次回は…何でしょうか。