業の深い星宮らいちの話。
僕、星宮らいちはとあるものを手に入れてしまいました。
催眠アプリです。スマートフォンにインストールしたそのアプリはノエルちゃんに試したところ大成功。
ノエルちゃんはなんでもしてくれました。
なら、次やることは決まってる。
「あおい姉さん!」
ソレイユのライブの後アイカツ新聞の取材という名目で近づきます。
「あおい姉さん! 見て欲しいものがあるんです!」
あおい姉さんは笑って僕に応じてくれます。
「なあに、らいち。いちご、蘭、先行ってて」
あおい姉さんと二人きりになれました。いつもなら、普通に取材をして終わりです。けれど、それでは僕が望むことは永遠に叶わないでしょう。
このあおい姉さんの笑顔はあくまで『星宮いちごのかわいい弟』として向けられているだけ。男『星宮らいち』として見て欲しい。だから僕はポケットに握りしめたスマートフォンの画面を見せました。
「これを見てください」
「なに? え…… なにこれ……」
画面を見たあおい姉さんの表情がみるみる失われていき、瞼は下がり、虚ろな目でその場に固まりました。
「いつものところへいこう。姉さん」
「……はい、わかりました」
あおい姉さんの声は抑揚がありませんでしたが、返事をしてくれました。そして、僕は心の中でガッツポーズを決め、いつもの取材室へ向かいました。
そこでいつも通りアイカツ新聞用の質問を重ねていきます。
「今日のライブはどうでしたか?」
さりげないライブの質問。
「今日も満員御礼。いつもより子どもが多かったかな」
何気ない会話の数々。しかし、今日はいつもと違うことがたくさんありました。
まず、1つの白い机と2つのパイプ椅子の配置。いつもなら向かい合って座りますが、今日は椅子を横にくっつけました。そのほうが都合がいいから。
さらにあおい姉さんをゼロ距離で感じつつ指示。僕はズボンを脱ぎます。
「それで、今日はいちごが帰ったらジャンボいちごパフェ作るって堂々と会場で宣言したんだ。笑っちゃう」
あおい姉さんは取材の質問に答えつつ無自覚に僕のあそこを上下に動かし始めました。
ライブ衣装のままなので白い手袋をしています。さっきまでマイクを持っていた手が僕のあそこを持っています。
僕は快感に脳が溶けそうでした。僕の往年の夢が叶ったんだと。だって、あおい姉さんに男として見てもらいたかったけど、対等に見て欲しいわけじゃない。
あくまで僕は弟分として、姉さんは姉さんとしてこのままの関係を維持したままこの僕の高まる心のビートを処理して欲しかった。
(僕は姉さんの気持ちを無視して…… こんな手段を取って、催眠術で僕の思いのままに姉さんが……)
卑怯だと、卑屈だと僕は思いました。けれど、この背徳感が最高に気持ちよくてやめられませんでした。
魂の叫びが下半身から湧き上がってきました。そして無自覚に僕のあそこを刺激し続けるその人の名を叫びました。
「あ、あおい姉さん!!!」
「ん、何?」
その叫びは霧矢あおいにとってただの呼びかけでした。普通に返事をする間に、彼女の手袋は白い液体でいっぱいになりました。表情は1つも崩しません。なんなら気づいてさえいません。無自覚です。ただただ、僕が続きを話すのを待ってます。
その無自覚が僕の背徳感と快感をさらに高め、下半身がさらに熱くなりました。
勢いが増した白い液体は手袋を飛び出して姉さんの顔にかかりました。
「……やってしまった」
白く濡れた無表情なあおい姉さんの顔を僕は見つめて激しい後悔に襲われました。だけど、そんな心境とは裏腹に僕の顔は笑っていました。
「……シャワー室で汚れた部分綺麗にして、今日僕とあったことは忘れて」
「……はい、わかりました」
そう指示するとあおい姉さんは室内のシャワー室へ向かいました。
僕は歩いていく霧矢あおいの白く汚れた後ろ姿を見ながら達成感に浸っていました。天井をあおいで高笑い。もう星宮らいちは元に戻れません。
シャワー室の蛇口をひねり、虚ろな目で霧矢あおいは今日あったこと全てを水へと流します。
水音だけが室内に響いた。
深夜の情動。今連載中のアイカツの小説とは一切関係ありません。