前世男だった自己肯定感を全く持たない愚図な聖女が魔王に襲われて闇堕ちし、味方をも闇堕ちさせる話です。仲間も一緒なら安心だね。
ノクタにマルチ投稿してます。えちち部分は修正する可能性があります。

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全ての元凶たるひなび様、誠にありがとうございました


TS転生内気聖女味方巻き込み闇堕ちモノ

 前世男であった記憶を保持する聖女など、誰が認めるものであろうか。きっとこれは何かの間違いだ。オレは聖女なんかじゃない。だから、だから──誰か助けて。

 

 そんな小さな心の叫びは誰にも届かない。

 

 

※

 

 

 勇者を旗印にした旅に同行している聖女は、いつも背を丸めてオドオドとしていた。美しい金の髪が滅多に切られることはなく、前髪によってその美貌を覆い隠している。彼──いや彼女は、いつも他人の視線を恐れるようにして勇者の後ろに隠れていた。

 

 聖女と認定される前はごく普通の神官だった彼女は、個性豊かな旅の一行の中でも特異な存在であった。魔女のようにその名を轟かせていたり、戦士のように名声を集めていたわけでもない。日々祈りを捧げ、質素な暮らしを送っていただけだ。ある日突然聖なる剣を授かった勇者と同じ様な境遇であったが、勇者は人々を導く才能に恵まれていた。

 

 だから彼女だけが戦いにいつまで経っても慣れず、旅の合間にも訓練を余儀なくされた。魔王を打倒しようとする志は一行と同じく彼女も持ち合わせている。苦しむ民草を救済しようという思いはあったが、自分より適任がいるのではないのかというもしもが頭についてまわっていた。

 

 惚けているつもりはなかったが、戦闘の初心者である彼女が世界でも頂点に立つような実力者の集団に混じって常に最適に動けるわけではない。いつもいつも味方に謝り通しで杖を振り回していた。

 

 彼女にできるのは癒すことだけだ。前線に立って敵に切り込む彼らと比べれば責任は軽い。だからこそ聖女の癒しを疎かにする訳にはいかないのだ。

 

 彼女は毎日魔力をギリギリまで使い込んでは癒しによって仲間を支えていた。聖女として与えられた加護は圧倒的で、どんな怪我だろうがたちまち癒してしまう。だから味方も無理にでも敵を倒す戦いかたにシフトしていってしまう。その度に聖女としての実力不足を感じ泣いて皆の怪我を癒し、味方は聖女を泣かしてしまったことを反省していた。

 

 味方は聖女のことを慈悲深く涙もろい女性だと勘違いしてしまっていたのだ。旅の合間の訓練も、真面目な性格から来るものだと勘違いしてしまっていた。

 

 そのすれ違いが致命的になるのは、もうすぐ。

 

「そろそろ休憩も終わるよ、大丈夫かい?」

「はい、問題、ありません……」

 

 勇者に言われて息を切らしながら返事をした彼女は、顔から垂れる汗を拭いた。

 

「訓練も大事だけど、やりすぎないようにね」

「私が、好きで……やっていることだから」

「その言葉、あの飲んだくれにも言い聞かせてやりたいわね!」

 

 そう言ったのは魔女だ。飲んだくれとは戦士のことで、街に寄っては酔い潰れている。

 

「さ、準備をして行こうか」

 

 勇者に手を差し伸べられて、聖女は手を取る。硬い勇者の手に触れると剣ダコに気づく。

 

(オレに付き合って訓練してくれて、いつも悪いなあ)

 

 生真面目な勇者は聖女の訓練に付き合って、度々指導していた。訓練中のこと、前世男だというのに、勇者の筋肉質な身体と密着して指導されると胸の鼓動が高まる。淡い恋心を抱いているのだと自覚するのにそう時間はかからなかった。

 

 だが彼女はその心を明かすつもりは微塵なかった。

 

(勇者は誰にでも優しい……。それに、オレみたいな前世男が告白したって、気持ち悪い……よな)

 

 赤く染まる頬を誤魔化すように俯きながら、彼女は頭につけられた花の髪飾りに触れた。

 

 ある街の市場を勇者と歩いていた時だ。買い出しのためであったが、二人並ぶ姿は他人から見ればデートにしか見えない。市場の商人が彼氏、彼女にどうです? と声をかけてくる。

 

「そうだな、これなんか君に似合うんじゃないか?」

 

 そう言って選んだのが、可愛らしい白い花の髪飾りだった。

 

「で、でも」

「これはいくらだ?」

 

 あっという間に購入してしまった勇者は、優しい手つきで彼女に髪飾りをつける。

 

「すまない、嫌だったか?」

「ううん、そんなことない。すごく……嬉しい」

 

 珍しく勇者と目線を合わせて聖女が綻んだ。勇者は顔を真っ赤にして、これまた珍しく聖女から目を背けて手で口元を押さえた。

 

 

※

 

 

 人の精神に干渉をする術を魔王は持っていた。過去、それによって壊された勇士たちが多くいた。しかし今代の魔王がその術を使うことはなかったし、もしも何かあれば優れた魔法の使い手である魔女が手をうつだろう。男の前世をひた隠しにすべく心を閉ざしていた彼女も、そのような干渉は今まで感じられなかった。油断、といえばそうなのかもしれない。

 

「ちょっとアンタ、髭伸びすぎじゃない? 剃ったらどう?」

「うるせぇ、先週剃ったばっかだってーの」

「油断するとお髭、あっという間に伸びますもんね」

「よく知ってるね」

「そっ、そうですか? かっ、勘違いじゃないです?」

「そうよ。聖女が男の髭のこと詳しいなんておかしいでしょ」

 

 魔女としては聖女を擁護したつもりであった。しかし、魔女の放った《おかしい》という言葉が心に棘のように刺さった。

 

「どうかしたかい?」

「いっ、いいえ」

「……この後、ちょっと話したいことがあるんだ。いいかい?」

「は、い。大丈夫です」

 

 勇者に告げられた聖女の頭には、ネガティブな単語が次々と浮かぶ。怒られるかも、とか、なにか悪いことをしただろうか、とか。それだけ彼女は自己肯定感を持ってはいなかった。一行にとって聖女はかけがえのない存在だ。しかし、聖女にとって自分とは一行のお荷物に過ぎない。それが聖女と一行の心の距離を生み、一行は親しくしているつもりでも彼女は一行に馴染んでいるとは思えずにいる。

 

 お互いにもっと心根を伝えられていたら、運命は違ったのかもしれない。

 

 

※

 

 

 幾度もの戦闘で魔物を倒し、身体についた血を洗うべく、一行は川辺で服を着たまま軽く水浴びをしていた。輝く太陽の元で透き通った水に浸かるのはこの上なく心地よい。聖女は魔物の血を浴びることはなかったので、スカートの裾を掴んでチャプチャプと川岸を歩いた。ほら、疎外感。

 

「この時期の水浴びはいいね」

「はい、お魚さんも元気に泳いでいるのが見えますね」

「お、じゃあ槍持ってきて魚狩るか! なぁ勇者!」

「ちょっ、空気読めない奴ね! アタシが付き合ったげるからあっち行くわよ!」

 

 魔女と戦士は二人して川上へ魚を取りにいった。戦士は槍で豪快に魚を捕らえ、魔女は魔法で水球を作り魚を閉じ込める。

 

 聖女はぼぉっと遠くの二人の様子を眺めていると、勇者が意を決したようにして声をかけてくる。

 

「君に言いたいことがあるんだ」

「は、はい……」

 

 悪い予感で冷や汗を出している聖女は、勇者が何を言おうとしているのかさっぱりわからなかった。

 

 もし聖女が俯いていなければ、勇者が緊張して固くなっている様子や、ゆでだこのように真っ赤な顔を確認できただろうに。むしろいつもより視線を下げて俯いていた彼女は、ただ水に浸かった自分の足元を見ていた。

 

「き、きみ、きみの……きみのことが……」

 

 勇者にしては珍しく歯切れが悪い。不思議に思うも、それだけ言いづらいことだと思った聖女は、君のことを迷惑に思っている、とか、そんなことを言われるのではないのかと身体をこわばらせた。

 

「きゃぁ!」

「うぉっ!」

 

 遠くから魔女と戦士の叫び声が聞こえた。どうやら川に棲む魔物を起こしてしまったらしい。

 

「二人ならすぐに斃せる敵だ……と思う……」

「で、でも……」

 

 心配する聖女の優しさに揺らいだ勇者は、向かおうか迷いを見せた。聖女がそう言ったのは、少しの間ただけでも告げられる言葉から自分を守ろうとしてのことだったのだが。そんな利己的なことを考える自分に腹が立つ。

 

「みんなのところ……行ってきたほうがいいよ」

「すぐ戻って来るから、聖女はここにいて」

「うん……」

 

 大した怪我を負わないのなら、戦闘力のない聖女を連れて行く必要はないだろうと勇者が判断し、聖女は一人待たされた。ほら、またひとりぼっち。

 

 聖女は川岸から離れ、木陰に腰を下ろした。一人だとネガティブな思考が加速する。だから辛い。勝手に自己嫌悪に浸っていると、頭がくらりとした。熱中症かもしれない、と前世の記憶からあたりをつけた彼女は皮で作られた水筒に手を伸ばす。

 

 しかしその手が水筒を掴むことはなかった。聖女の意識はプツンと途切れ、倒れる。

 

 

 次に目が覚めたのは、暗い世界。真っ黒で何もない。空っぽで、オレの心みたいだと聖女は笑う。しかし、頭がどうにも働かない。お酒をたくさん飲んだみたいにクラクラとして、思考が弱まる。

 

「初めまして、聖女」

 

 低く耳障りのいい声が聞こえてきた。何も考えられず、反射的に口を開く。

 

「なぁ、オレ、聖女って呼ばれるの、嫌いなんだ」

「じゃあなんと呼べばよい?」

「アレでもお前でもなんでも。前世はそうやって指差されてたから」

「ほう、前世を持つとは数奇な聖女だな」

「だから聖女って呼ぶな!」

 

 せりあがってきた激情のままに怒鳴ると、声は真摯にすまないと詫びる。傲慢そうな口調のわりに意外にも腰は低いようだ。

 

「オレも……怒鳴って悪かった。嫌だな。前世の親父みたいだ……。オレがこんな性格だからパーティーのみんなにも馴染めないし……ホント、自分が嫌になる」

「しかし貴様は並外れた治癒術が使える。冷遇されているというならもうすこし厚遇されるよう申し出るべきではないのか」

「いいや、冷遇なんてされてない。みんな優しいんだ。でもオレが愚図なばっかりに迷惑をかけてしまう。この力も神様からの授かり物ってだけだよ。オレの力じゃない」

「なんだ? つまり貴様本人を見ている人間など誰もいないということではないか」

「違うよ、オレ本人を見ているからこうなんだ。オレがこんな奴だから……」

「ははは! 歴代でも最も秀でた聖女と呼べる者がどんな人物だと思えば、自らを『こんな』とは! 人は誠に愚かだな!」

「みんな愚かなんかじゃない! それに勇者は……!」

「ほう、勇者」

 

 その言葉が出た途端、声音が変わった。より低いものになり、不穏な気配がする。

 

「なるほど貴様、勇者に惚れているのか」

 

 ドキリとする。誰にだって明かしたことのない心の一番奥底にしまった想いを一瞬で見破られた。

 

「な、なんだお前は! で、出て行け! ここから出て行けッ!」

 

 強い拒絶をもって叫ぶと、暗い世界はあっという間に壊れて、聖女は木漏れ日の下で覚醒した。

 

「ハッ……ハッ……」

「なんだ、もう終わりか。つまらんな」

 

 目の前には角を持った男がいた。魔人だ。そしてその声は明らかに先程聞いたばかりの声と同じであった。

 

 溢れんばかりの圧倒的な魔力。相当押さえつけているのだろうが、それでも目の前にいると色濃く感じる。そこまでの魔力を個人で保有できるのは、勇者の他には魔王しかいない。勇者と日々旅をしているからこそ聖女は即座に判断できた。

 

「ゆっ、ゆうし……」

「静かにしていろ」

 

 魔王は聖女の口を手で押さえつけた。聖女の小さな身体は、男としても長身に入る強靭な魔王の身体にすっぽりと覆われて、木漏れ日すら届かなくなった。

 

「ほう、なかなかに美しい顔ではないか」

 

 魔王はもう片方の手で聖女の前髪を除けて、聖女と見つめ合う。魔王の瞳は煌々と輝き、聖女の知らない魔法が視線を通じて掛けられる。

 

「ふ、ぇ……」

 

 言葉が話せなくなった。赤ん坊が言う喃語のような声しか出せなく、身体に力が入らない。

 

「……!」

 

 魔王は遠慮なく聖女のスカートを捲り上げて、パンツに手を伸ばす。真っ白なパンツのクロッチを優しく撫で上げる。

 

「色気のない下着だな。次回は下着を贈るとしよう」

「や……め……!」

 

 聖女としては魔王を睨みつけたつもりであったが、魔王は熱い視線を送られたかのようにニヤリと笑った。

 

 魔王という圧倒的な強者を前にどうすることもできず、ただその身を好き勝手にされてしまう事実に身体が震える。

 

「この反応、さては処女か」

 

 魔王はあやすように聖女の髪をすく。惚れた女にするように優しげな表情で、凌辱の雰囲気から一転、まるで愛し合うもののする行為のような絵が出来上がった。

 

「大丈夫だ。すぐに貫きはしない。貴様がオレに善がるまでは快感だけを与えよう」

 

 そう言って、クロッチの横からゆっくりと侵入してくる。

 

「ぁ……」

 

 聖女の抵抗も虚しく、魔王は柔らかな処女おまんこに手を伸ばした。前世から性的な接触など経験したことのない聖女は、ただ女として備えられた見知らぬ器官を自覚させらただけで顔を歪める。

 

 それは現在の性別への違和感。彼女が成人の歳を迎えても未だ向き合ってこなかった部分。

 

 魔王はそのふにふにとした感触を楽しむに留め、聖女の様子を伺っていた。

 

 聖女はというと、これから異性に凌辱されるというのにその実感に乏しく、ただ与えられる感触の奇妙さに困惑するほうが上回っていた。

 

 ゆえに恐怖で本能的に濡れるということはなく、さらに魔王の手練手管だろうが簡単に濡れることもなかった。処女を抱くにふさわしい繊細な動きで以って責め立てようが、おまんこの筋はぴっちりと閉じている。

 

「仕方ない。俺が慈悲を与えてやろう」

 

 そう言うと魔王は聖女の口に指を突っ込み、その後強引に舌をねじ込んだ。催淫効果でもあるのだろうか。魔王の長い舌が聖女の小さくて真っ赤な舌に絡ませられると、心地が良く、いつまでも触れ合っていたいと感じさせる。

 

「ん……♡」

 

 聖女は自然にじゅるじゅると魔王の唾液を啜り、体格差から聖女の小さな口の端にはべっとりと唾液がつく。聖女はそれを舐めとるように舌を動かすと、再び魔王を求めて舌を伸ばす。

 

「あ……♡」

「気づいているか? かけた術が解けていることに」

「そんな……ふぇっ……?」

 

 たしかに聖女は自由に声が出せる。本気になれば大声で勇者を呼ぶことが可能だろう。

 

「じゃあ、これは……♡」

 

 しかし、聖女はそれを選べない。いや、選ばなかった。生まれて初めて感じる甘い痺れを伴った快感は、この先があることを教えてくれている。

 

「きもち、い♡」

 

 じゅくじゅくに濡れた聖女のおまんこに指を挿し入れると、魔王の長く節ばった指が浅く抜き差しされる。ただの慣らしだというのに、それだけでも聖女は甘い吐息を吐き、瞳が潤みはじめる。

 

「んひゃぁ♡」

 

 魔王がグッと指を曲げて聖女の膣内を拓き、聖女の欲するところを探り当てた。

 

「なるほどここか」

 

 実のところ、魔王はさっさと聖女を犯して去るつもりであった。ここまで丁寧に扱おうなどとは聖女と顔を合わせるまで思っても見なかった。

 

 魔王には時間がない。これ以上は勇者がやってきてしまう。ここでの全面戦争は魔王も望んではいない。

 

 よって、魔王は早急に聖女をイかせてやることにした。魔王の印を刻みつけるために。身体に快楽を教え、聖女の証を失わせる切っ掛けを作り出す計画を進めるために。

 

「イク……♡ダメ……♡」

 

 魔王は探り当てたGスポットと呼ばれる箇所だけではなく、クリトリスをトントンと刺激する。

 

 最初から激しくしてはならない。じわじわと上り詰める様子に合わせて速度を上げる。

 

「あっ、イクッ♡やっ♡イカされるっ♡ダメだっ♡こんな♡きもちいの♡んっ♡やっ♡」

 

 聖女は可愛らしい声を上げ、腰を揺らす。そこに魔王が追い討ちをかける。

 

「──イけ」

「──〜〜〜〜〜〜♡ ♡♡」

 

 ビクビクビクッ──身体の反応は膣内のうねりとなり魔王の指をきゅっきゅっと健気に締め付けた。

 

 

 

 

 

 聖女は、気がつくと寝ていたところを勇者に起こされた。

 

「……怪我、なかった……です?」

「ああ。時間はかかったが強さ自体はそうでもなかったよ」

「そう……ですか。ふぁあ、ちょっと眠いから仮眠とって来る、ね……」

 

 まるで何もなかったみたいに──夢? それとも本物? その判断は聖女にはつかない。ただ、魔王の精神干渉が存在することは事実であるし、事が重大であることは間違いない。しかし──

 

(どうして魔王のことを勇者に言えないんだ。どうして……)

 

 自分でも不思議に思いながら聖女は一人天蓋に入り、透明な液体の垂れている太腿をみる。

 

 天蓋の周りにも誰もいないことを確認してこっそりとおまんこに触れる。グジュグジュに蕩けたおまんこはすんなりと指を受け入れて、これまでの何も知らなかったおまんこではなくなっていることを伝えている。しかし、聖女の子供のような小さな細い指では膣の喜ぶところに伸ばすことは叶わない。

 

(ああ、勇者が好きなのにどうして魔王の指を思い出してしまうんだ)

 

 自己嫌悪に陥った聖女は、何も考えたくなくなってブランケットを頭からかぶり眠ることにした。

 

 

※

 

 

 あれから聖女の身体には異変が起きた。激しい戦いの後の夜、高揚によって股の間がぬるぬるとマン汁で濡れているのだった。

 

 その度に聖女はあの日の魔王の指を思い出して、健気におまんこをいじめてみる。しかし、相変わらずあの日のような絶頂を味わうことができるはずもなく。

 

 次第にクリオナに移行し、聖女はかつて男であった前世を慰めるようにクリトリスを指の腹でおしつぶす。ここの気持ちよさも魔王に教えられた。充血してぷっくりと腫れると、クリトリスは聖女の熟していないおまんこの筋の間から顔を覗かせるまでになった。

 

 満たされない。足りない。でも、以前には戻れない──

 

 どこか歯車が狂った中で、聖女は旅を続けた。

 

 

 

 その日も聖女は快楽を求めて、一人天蓋の中でぱんつを脱ぎ始めていた。最近は激しい戦いでなくとも夜になると自然にマン汁が溢れてくるようになった。聖女は女の性知識に疎い。だからどれだけオナニーに耽ろうとも、自分が気持ちいいことに弱く、性欲の強い淫乱な女であるという自覚が生まれることはなかった。男と違って精液を貯める必要がないぶん、女ならば皆毎日オナニーをしまくっても大しておかしくはないらなんて考えて、どこか自分を誤魔化していた。

 

 マン汁が外気に晒されてスースーとした感覚を鋭く伝えてくる。おまんこに触れると糸を引き、どれだけ溜まっていたのかを指の感触で理解できる。

 

 

 またいつものように小さな指をおまんこに入れて、あの日を思い出す。

 

 するとおまんこからマン汁がますます溢れてきて、小さな指はあっという間にマン汁でベタベタに濡れてしまった。

 

 

 次にクリトリスに指を動かして、円を描くようにゆっくり回す。

 

「……ふ……♡」

 

 慣れたもので、興奮の上げ方や、クリオナでイキやすくする方法は熟練の域に達していた。

 

 充血したクリトリスが顔を出したのを目視で確認すると、とんとん、とんとん、と叩く。その度にビリビリとした快感が背筋から登ってくる。

 

 だんだんと叩く速度を上げて、かける力を強くする。そして快感がイクところまで辿り着きそうになったタイミングで──

 

「んあっ♡イクっ♡イクっ♡」

 

 ぎゅっと親指の腹で潰しながら人差し指とともにつまみ、クリトリスをイジメ抜く。

 

「あぁッ────♡」

 

 しかし、クリオナと中イキは全く違う。聖女が思い出すのは、中イキの深い快感。

 

 クリオナのようにすぐ何度も達すすることができるわけではなく、全身が快楽に支配され身体から力がなくなるあの感覚だった。

 

「はっ……はっ……♡」

 

 もう一度イこうかと、達したことで溢れ出したマン汁を手に馴染ませながら聖女が考えていた時。

 

「魔王……! なっ、なんで……」

「ほう、すぐにハメられるよう準備して待っていたとは忠義なやつめ」

 

 目の前には夢にまで見た──いいや、違う、待ってない、またイかされたいなんて、そんな──聖女は魔王を眼前に混乱して、足をおっ広げたまま魔王を迎えた。

 

「欲しかったんだろ」

 

「ほしいわけ……♡ない……っ♡」

 

 魔王がその冷たく太く節ばった指でおまんこに触れると、それだけで期待感がいっぱいになって濡れてしまう。まるでお漏らししたみたいに魔王の指をマン汁で染めた。

 

「ほら」

「ひゃっ……♡あっ……♡」

 

 指をつき挿れられると、聖女の膣は大喜びで締め上げる。まるで飼い主の帰宅を喜ぶ犬だ。

 

「そんなに俺を待ち望んでいるとは。待たせて悪かったな」

 

 よしよし、と。小馬鹿にしているようで、実に真剣に聖女をあやしていた。

 

「そっ、そんなっ、待ってるわけ……♡」

 

 口では違うと言いながら、聖女は魔王の腰に脚を絡めてねだった。

 

(だって本当はずっとずっと欲しくて。気が狂いそうなほど待ってたんだ)

 

 発情した雌の顔を隠すことなく、聖女は魔王の手マンに喜びだらしなく口を開いた。

 

「お願い……♡ご褒美、くれ……♡」

 

 聖女が涙ながらにした願いを聞き届けると、魔王は心から嬉しそうに笑った。

 

「ああ、勿論だ……それ、イけ」

 

 言うや否、魔王は容赦なくぬるぬるとした膣内からGスポットを探り当て、押した。

 

「ひぁ────♡」

 

 いとも簡単に聖女はイき、だらしないアクメ顔を隠すことなく晒す。

 

「いい顔だ。だがまだ終わりではないぞ」

 

 そう言って、魔王は聖女の手を取り自身の股間へ押し当てた。勃起した魔族チンポはズボンの上からでもわかるほど凶悪な代物だった。聖女の前世と比べると、まるで大人と子供のサイズ差だ。大きさだけではない。極悪非道のカリ首がわかるほど浮き出ていて、その存在感を一層高めている。

 

「あ、ふぁ……♡」

「今すぐちんぽが欲しくてたまらないという顔だな。安心しろ。すぐにこのちんぽでお前のおまんこをズコズコしてイかせまくってやる」

「うん……♡」

 

(魔王様が俺で勃起して……カウパーだらだらにしてくれてるんだ……嬉しい♡)

 

 宣言通り魔王は天を射抜くようなバキバキのちんぽを取り出し、聖女へグッと挿入する。

 

 正に待ち望んでいたちんぽの到来に、未だ処女まんこだというのにグジュグジュになっていて、魔王の凶悪ちんぽをすんなり迎え入れた。

 

「さあ処女喪失だ。聖女よ、ありがとう。ここまで俺を想っていてくれて。お陰ですんなりと人間を支配できそうだ」

「あっ……♡そんなっ……♡ダメッ♡オレそんなこと思ってない♡人が大事で……♡ダメっ♡頭の中もめちゃくちゃにしちゃ♡」

 

 聖女の言葉だけの抵抗も虚しく、処女はあっさりと魔王に奪われた。

 

「────ー♡♡♡」

 

 だが聖女の全身が歓喜し、おちんぽを挿れられてだらしなく再びアクメを決めてしまった。

 

「まだまだこれからだぞ」

「ズコズコされちゃ♡またすぐイく♡あっ♡また来る♡気持ちいの♡んっ♡イく♡イくから見てて♡まおーさま♡見てて♡イキます♡イクの♡イク──♡〜〜〜〜♡♡♡」

 

 あっさりアクメを決めた聖女は可愛らしく小さな唇の端から涎を垂らし、みっともなくビクビクと身体を痙攣させた。

 

「聖女のまんこは名器だな。初めてなのに俺のちんぽにここまで絡みつき、すぐにイかせようとするとは」

 

 言いながら、腰を止めることなく聖女を責め立てる。

 

「あひゃっ♡イってるの♡ダメッ♡おかしくなる♡そんなにしちゃダメ♡気持ちいいの♡あっ♡またイくの♡イきます♡まおーさま♡イくの♡イっちゃう♡またアクメします♡んっ♡イく────♡♡♡」

 

 連続してのアクメに耐えられずぷしゅっ、と潮を吹いた聖女。荒い息を吐きながら魔王にキスをねだる。

 

 魔王は聖女に、まるで愛し合う夫婦のような濃厚なキスを贈った。潮を吹くまで気持ちよくなったご褒美とでもいうようなキスに聖女は喜び、おちんぽを欲しがって腰をくねらせた。

 

 しかしキスが終わると魔王はおちんぽを抜いてしまう。

 

「ザーメンが欲しくて欲しくてたまらないという顔だな。だが、俺は欲張りでな。聖女の全てが欲しい以上、今ザーメンをくれてやるわけにはいかない」

「やらっ♡すぐにちんぽちょうらいっ♡」

「冷静な決断の元、俺についてくるのを選んで欲しいのだ。決してつまらぬ一瞬の判断ではなく、な。次の都市に寄った時、黒い風見鶏が目立つ宿屋に来るといい。そこでたっぷりと味合わせてやる」

 

 そう言って魔王は、全てが幻であったかのようにかき消えた。

 

 

※

 

 

 次の都市までの道中、聖女の動きは目に見えて上達し出した。聖女の力自体は魔王によって処女を奪われたことで消失した。しかし、今までコツコツと積み上げてきた治癒の力は彼女を裏切ることはしなかったのだ。むしろ以前より上達したんじゃないか、と仲間に褒められるほどに聖女はやる気に満ち溢れていた。聖女の美貌を隠していた前髪も横に流されて、勇者がかつて送った白い花の髪留めが輝かしく添えられていた。

 

「この前はごめんね」

「ううん、いいの」

 

(なにがいいの、だ自分)

 

 勇者が去らなければ魔王に合わなかったかもしれない。そうだったならどれだけ幸せだったろう。何も知らず、ただ世界の平和のために杖を振るえたのだ。その場で反射的にいい子を繕ってしまう自分の態度に腹が立つ。

 

「その、埋め合わせじゃないけど、次の都市ちょっと一緒に出かけないかい?」

「……う、ん。わかった……」

「僕と出かけるのは嫌?」

「ち、違うよ! ただ、その、あの、やっぱり私、人が人混みが苦手だから、ちょっと尻込みしちゃって……」

「大丈夫だよ。僕がついてる」

「うん、ありがとう」

 

 上手く笑えただろうか。そればかりを気にして、これから勇者と魔王、どちらかを選ばなければならないか決断を迫られていたなどとは考えもしていなかった。

 

 

 ──だって、答えは決まっていたから。

 

 

「魔王様……オレ、来ました。仲間を裏切って……勇者との約束を破って……世界を捨てて……来ました…………。だから……褒めて?」

 

 泣きながら聖女は魔王のおちんぽを求めていた。

 

 魔王は心から喜ばしいとばかりに聖女を抱きしめて、お臍の下を撫でる。

 

 すると聖女の忠誠に呼応するように、下腹部に淫紋が刻み込まれた。これは魔王への隷属の証であり、人族を魔人族に作り替える秘術であった。

 

「よくぞ決断してくれた。さぁ、たっぷり愛してやろう」

 

 言うや否やおちんぽを取り出した魔王は、聖女がハメられたくてたまらないぬれぬれのおまんこに挿入すると、慈悲なくズコズコと激しくピストン運動を始めた。

 

「これがっ♡これが欲しかったのぉ♡まおーさまのっ♡極太凶悪魔人族ちんぽ♡あっ♡イクッ♡イクよっ♡見てて♡まおーさまのおちんぽで♡イくッ────〜〜♡♡♡」

 

 待望の魔王のザーメンを注がれた聖女。もう、戻ることは叶わない。

 

 

 聖女はある都市で行方不明になり、その後どれだけ捜索しようとも見つかることはなかった。これに最も動揺したのは勇者であり、なんとかして聖女を見つけ出そうと四苦八苦した記録が各地に残っている。

 

 

※

 

 

 それから数ヶ月後。勇者一行は聖女が抜けた穴を埋めることができず、魔王軍は人類への侵攻を激化させていた。

 

 せめて侵攻を足止めしようと戦争に参加した勇者一行は少数精鋭で敵の拠点を制圧すべく侵入。

 

 ついに司令室へと辿り着いた──はずであった。

 

「嘘だ……!」

「あれ、誰だった? なーんて。ちゃんと覚えてるよゆーしゃサマ」

 

 そこにいたのは、魔人族へと変わり果てた聖女を侍らせた魔王であった。

 

 魔人族になろうが聖女の美しさが損なわれることはなかった。むしろ磨かれたと言う方が正しい。

 

 素朴な美を備えていた聖女の顔は、妖艶で見るものを惑わすものへと変わり果てていた。唯一そのままの輝きを見せているのは、勇者より頂いた白い花の髪飾りだった。

 

「まおーさまぁ♡」

 

 聖女は魔王に挿入されたまま勇者と再会を果たした。魔王が戯れに腰を動かすたびに、聖女から甘い嬌声が上がる。

 

「なんで……どうして……」

「勇者、お前は知らないだろう? すっかりオスの味を覚えたコイツを」

 

 魔王は半裸になった聖女の丸出しになったおっぱいにしゃぶりつく。

 

「いつもより締まりがいいぞ? 仲間だったオスを前に情のない奴だな」

「そうしたのはまおーさまのくせにっ♡もっと♡もっとしてっ♡」

 

 媚びた声を出して自ら腰を振る。これがかつて歴代でも最も聖女に相応しいと民からの信頼を集めた聖女の末路だと、その場にいる一行はとても受け入れることができず、放心状態にあった。

 

「ほら、さっき注いだばかりなのにまたバキバキに勃ってしまった」

「ん……ちゅっ♡オレの♡オレのせいだから♡責任っ♡取るっ♡」

「いいのか? かつての仲間が見ているぞ?」

 

 聖女はかつての仲間──戦士、魔女、そして勇者を順番に目で追う。その視線に昔の面影はない。どこかおどおどして勇者の影に隠れていた聖女は今や自信に満ち溢れ、誘惑の目線を送った。

 

「ね──魔人族と停戦条約、結びたくない?」

 

 一行の視線は懐疑的だが、話を聞く気はあるようだった。あるいはまだ混乱の最中で判断がついていないだけかもしれないが。

 

「一人こっちにつくたび30年。三人合わせてなら停戦条約と言わず和平交渉。それもこちらが全面的に譲歩しての、ね」

 

 どう、と聖女は一行に投げかける。三人は目線を合わせてすぐに答えを出し、代表として勇者が口を開く。

 

「断る。魔人族にかける情などない」

 

 きっぱりとした声は、聖女との決別を意味していた。しかし聖女はそれで食い下がらない。名残惜しげに魔王の膝から立ち上がって、一行の前にやってくる。

 

 まずは、戦士。最初は軽く。

 

「戦士くん、思ったことあるでしょ? 優秀な魔人族の戦士と戦うたびに、切り捨てるたびに、惜しいなって……でも私と一緒に来れば、魔族の戦士と切磋琢磨できるよ? コロッセウムよりよっぽど凄いよ?」

「そんなんで俺が揺らぐわけねぇだろ」

「ふふふ、今はね」

 

 次に魔女。仲間だったからこそ弱味は知り尽くしている。

 

「知ってるよ、私。魔法使いは優秀な者同士での子作りをサバトで強制されること。それで魔女ちゃんは力が強すぎて親に捨てられたって昔教えてくれたよね。このままだと魔女ちゃんがそれを繰り返すかもしれないよ? そ、れ、に、魔女ちゃんは戦士くんのこと好きなのに、戦士くんの赤ちゃんを孕めないなんておかしくなぁい?」

 

 かなり揺らいだようで、魔女の魔力の揺れを感じる。戦士は驚いた顔で魔女を見ていた。魔女が戦士のことを好いていたことを知らなかったのだろう。屈強な戦士のくせに顔を赤くして照れている。

 

「ねえ♡一緒に居ようよ♡みーんな一緒♡戦いも大事だけどさ♡一緒にえっちして一生楽しく暮らそう♡私みんな大好きだよ♡こんなオレでも一緒にいてくれるみんなが好き♡今なら言えるよ! 素直に言える! オレみたいな愚図でも旅をしてくれるみんなだから、幸せになって欲しいんだ♡」

 

 これで2人がかなり揺れるも、堕ちないことなど聖女は掌握済みだ。

 

 最後に、大好きな勇者。

 

「ゆーしゃさま♡すき♡すきなの♡ね、一緒にまおーさまの下にいこ?」

「なんで、なんで俺たちを裏切った!」

 

 勇者の慟哭が悲痛さを伴って響く。それを聞いた聖女は、ぽつりと呟く。

 

「ゆーしゃさまがくれた髪飾り、嬉しかった。人からプレゼントを貰うの、生まれて……いいや、前世から数えても初めてだったの。こんな素敵なもの」

 

 髪飾りを外し、両手で大切に持つ。聖女は勇者の元に歩み寄り、髪飾りを捧げた。

 

「ゆーしゃさまがオレと違う道を歩むなら、オレの大事な想いごと……全部、全部壊して?」

 

 聖女に渡された髪飾りを見ると、身体が裂かれたような苦悩が勇者を襲う。未だに勇者は聖女を愛している。その未練が勇者を雁字搦めにしていた。

 

「そんなの……そんなの、できるわけないだろ!」

 

 泣き崩れる勇者の耳を聖女がはみ、舌を出してねっとりと舐める。

 

 だんだんと勃ち上がってきた勇者のちんぽを愛おしげに撫でると、躊躇なくズボンを下げておちんぽに触れた。

 

「ゆーしゃさまは人間にしてはおっきいね♡」

 

 本人の意思に反し、愛する人に触れられて自然と勃ち上がる勇者のおちんぽ。己の情けなさに嗚咽が漏れた。

 

「大丈夫、大丈夫だよ♡幸せになれるから♡ね?」

 

 勇者の鬱勃起したちんぽに舌舐めずりした聖女は、前世男であった記憶を利用した熟練の手コキによって勇者ちんぽを堕としにかかる。

 

「ねー? 楽しいし、気持ちいし、一緒に居ようよ♡」

 

 勇者の耳元で囁きながら、強すぎず弱すぎず絶妙なテクニックの手コキを止めることなく動かし続ける。

 

「だしちゃって♡ちょーだい♡」

「くそッくそッ!」

 

 びゅるびゅるびゅる。勇者ちんぽはあえなく聖女の攻めに耐えきれずザーメンを吐き出した。

 

「くっさぁ♡肉ばっかりたべてるんじゃないの? ちゃんと野菜も取らないとダメだよ〜」

「なにを、よその、オスを味わってるんだ?」

「ひゃあ♡まおーさまっ♡」

 

 聖女は手についた勇者のザーメンを口に運びながら魔王と再び繋がった。そして、ザーメンを舐め取り空いた手で勇者と手を繋ぐ。

 

「大丈夫ですよ♡みんなでしあわせになりましょーね♡みんな一緒♡大好きだよ♡」

 

 

 手はほどかれず、繋がれたまま夜の夜の帳が下りた。

 

(オレ、こうなるためにこの世界に生まれてきたんだ……♡)

 

 

 歴代で初めて魔族との和平を結んだ勇者一行は、しかし二度と人の領域に戻ることはなかった。そののち魔族による文化的侵略が始まり、人の世は変革を余儀なくされるのであるが──それはこの物語には関係のない話であるので割愛させて頂こう。

 


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