「いったぁ」
「どしたのフブキ」
「手のひら切っちゃった」
「うそ、大丈夫!?」
「うん、全然大丈夫」
フブキの小さく白い手を鮮血が赤く染めている。痛みは全く感じないがみ少し深めの傷のようで、見ていて痛々しい。
「あっちゃ〜、結構出てるなぁ。どうしよう……」
数秒、その血を眺めたが、溢れるばかりでそう簡単には止まる気配はなかった。
「とりあえず、水で流して圧迫止血かな」
フブキは独り呟きながら椅子から立ち、血を濯ぎに水道へ向かおうとした。
その時だった。
「手貸して」
まつりが強引にフブキの手を引く。
「え?」
「いただきます」
まつりは舌なめずりし、流れる大量の血を犬のように舐めた。
「ちょっ……何してるの!」
驚きの声など胃に介さない。
「まつりちゃんやめっ」
フブキは振り払おうと試みたものの、力強くロックされ無意味に終わる。
「ねぇやめて、いたい、いたいっ」
ビクビクし始め、腰砕けになりぺたん。と床に座り込んでしまったフブキ。対して無我夢中で血に飢え、引かれる手に口付けながら屈んで追いかけるまつり。
「あ゙、ああ……いたい、いたいよぉ」
フブキが目に涙を浮かばせたのを見て、口の周りを血で染め、夢中だったまつりはハッとした。
「あ……フブキ、ごめん……」
自分がいままで行っていた事態をを理解し、冷や汗が額に滲む。
「うぅ……まつりちゃんがヴァンパイアになっちゃった……ぐすっ」
「ほんとにごめん、フブキ、泣かないで。本当にごめん。ごめんね。」
「本当にごめんなさい。まつり、フブキになんてことしてるんだろ。本当にごめん。」
息を荒くして涙ぐむフブキに、まつりはただ謝ることしかできなかった。
ああ、やってしまった。密かにずっと好きだった子に、一瞬の気の迷いでこんなことをしてしまうなんて。落ち着いたら、どれだけ怒られるんだろう。どれだけ叱られるんだろう。どれだけ嫌われるんだろう。 もう、二度と話してもらえないのかな。 そうまつりはフブキに謝りながら思っていた。
フブキは落ち着きを取り戻した頃、謝り続けるまつりにフブキが口を割った。
「まつりちゃん」
「は、はい。」
「なんで、血を飲んだの?」
「あの、えっと……美味しそうだったから……つい」
「美味しそう、だったの?」
「うん、とっても」
「そっか……」
しばし沈黙が流れる。ここにいたくない。逃げてしまいたい。まつりは罪悪感に襲われ、ばつが悪くなっていた。独りよがりになっているまつりにフブキはこう言った。
「まつりちゃん、血を出したのがわたしだったから、飲んだの?」
「うん…ごめんね……」
「他の人にはこんなことしない?」
「絶対しない」
「わたしがまつりちゃんにおなじようなことしても、怒らない?」
「うん、怒らない」
「じゃあ、におい、嗅がせて」
「へ?」
「まつりちゃんのにおい、嗅がせてほしい」
フブキは返答を待たずに、まつりの首に鼻を近づけ、大きく息を吸う。
「ひゃあ!」
後ずさりして床に手をつくまつり。
「……だめ?」
フブキがまだうるっとした目で訴えてくる。
「だっ、ダメじゃ……ないけど……」
そうまつりが口走った瞬間、すごい勢いでフブキは駆け寄り、獣のように首元のにおいを嗅ぐ。
「あっ…ちょっと……ああっ」
振り払うことも出来ずただ喘ぐまつり。恥ずかしさからか、耳が熱くなってきた。
未だにフブキは止まらない。獣のまま、においを堪能している。ふと、目の前に映った赤い耳に誘われ、お次は耳を、カプリ。
「ひっ!あっ♡フブキッ♡やめぇ♡」
流れで耳を舐め始めた。
「ああ♡き、気持ちいい♡フブキ、もっと♡」
しばらくこの情事は続き、やっとフブキが事を終えたころにはまつりはもうドロドロだった。
「ねぇ……ここまでしておいて……終わり……?」
「もっと、シよ……」
我慢出来なくなったまつりは、フブキを誘う。
2人はもう、止まらない。
他の作品もよろしければ。
コメント頂けると凄く嬉しいです。
Twitterやってます。