「んーっ、はぁーっ。今日は沢山遊んだよなぁ!」
日が傾き始めた時間。アンジュは満足そうに伸びをした。
「そんじゃ、ィゼ、ンジュ。一緒に帰ろか。」
「とこちゃん、家はそっちじゃないでしょ?」
その後ろでは別れたくない戌亥とそんな戌亥を宥めるリゼの姿がある。この三人は「さんばか」と呼ばれるユニットで、初配信デビューからとても仲が良いユニットで有名である。三人ともそれぞれ配信や仕事の予定で忙しいのだが、この日は丁度三人ともオフであった。
それならば一緒に遊ぼうとリゼが言い出し、今日一日で目一杯、ゲーセンで色んなゲームをして、プリクラで写真を撮ったり、洋服店で似合う服を探したり充実した一日になった。
「じゃ、私は公務が残ってるから、二人とも、じゃーねー♪」
「えー、嫌やぁー、帰りたない~。」
「いにゅい、明日また会えるって!」
リゼはヘルエスタ王国の第二皇女である。未成年だが、王族としての公務を家に帰ったら済ませるつもりだ。とは言っても、残りは書類整理のみでそれほど時間はかからないだろう。二人と別れたリゼはウキウキで小躍りしそうなテンションで帰宅していた。こんな時間がずっと続けばいいのに。そんな気分だった。
(今日は久し振りに三人で集まれて良かったなー♪えーと、今日はさんばかで遊んだことをツイートして、その後雑談配信か、リゼるるで話題に出してみたりも良いかもね。それと…)
リゼは今後の予定を組みながら思考の海に浸かりながら歩いていたら、首筋にツンツンと刺激が走った。ハッとなったリゼが肩を見ると、肩に乗っている片眼鏡を着けた黄色い小鳥がリゼの首筋を嘴でつついていたのだ。執事のセバスである。そのセバスが何かを伝えたくてリゼの首筋をつついたのだ。
「セバス?どうかしたの?」
リゼが肩に乗ったセバスに話しかけるとセバスは顔の向きを変えた。セバスの視線の先を追うと黒一色のバンがいつの間にかリゼの歩くスピードに合わせるようにゆっくりと進んでいる。
リゼがいる位置は車二台分の幅がある道路の端の方だ。それなのに黒のバンはリゼの横を通り過ぎず、後を着くように移動している。
(…何?あの車…。)
あからさまに不自然なバンの存在にリゼは警戒心を強める。運転席の窓は外側からは中が見えないようになっており、誰が乗っているのか分からない。それがより一層、リゼの警戒心を強める。
(は、早く人通りが多い所か、誰かに助けを…!)
身の危険を感じたリゼは逃げようと走りだした瞬間、ゆっくり進んでいたバンがエンジンを吹かして急にスピードを上げ、リゼの逃げる先に回り込んだ。リゼが驚いているとバンの中からスタンガンを持った男が飛び出してリゼの体にスタンガンを押し付けた。
「ぁがっ!?」
体中に走る電気ショックにリゼは叫ぶ間もなく崩れ落ちる。
(に、逃げ、なきゃ…。誰、か…。)
体を動かそうとしてもスタンガンの衝撃で四肢は動かせず、声も出ない。逃げたいという意思を断ち切るようにスタンガンを持った男はリゼを抱えるとバンの中に放り込んでしまった。意識がなくなる前、リゼが見たのは道路に放り出され、こちらを心配そうに眺めるセバスの姿だった。
大変な事になってしまった。
取り残されたセバスは突然の異常事態に慌てそうになったが、努めて冷静になり、その場を飛び立った。
まずはアンジュと戌亥にリゼが誘拐された事を伝え、にじさんじ全体に助けを呼ぶことにした。
幸い二人はリゼと別れた場所からそれほど遠くない場所で談笑していた。
セバスは懸命に翼をはためかせながら近付くと羽ばたく音が耳に入ったのか戌亥が気付いた。
「ん?あれ、ピヨエール伯爵やない?」
「へ?ピヨ…?あぁ、セバスか!」
戌亥とアンジュが気付いたのを見てセバスは一直線に飛び込む。
「ん、どしたん?リゼがなんか言い忘れたんか?」
アンジュは呑気にそんな事を聞くがセバスは構わずにリゼが拉致された事を伝えた。
「大変ですッピ!リゼ様が何者かにさらわれてしまいましたッピ!」
「…へ?」
セバスの報告を受け、さっきまで呑気な顔をしていたアンジュは呆然とする。
「そいつ何処に居るんや?地獄に送ったる。」
戌亥は驚いて目を見開いたが、すぐにさらった相手に対する殺意に満ちた表情になった。
「戌亥様、落ち着いてほしいですッピ。まずは他のライバーの皆様方に連絡をしてほしいですッピ。」
「わ、分かった!じゃ、私連絡入れるから、戌亥はさらった奴の情報を聞いて!」
「ぇん!なぁ、さらった奴はどんな奴やった?」
戌亥がセバスに事情聴取をし、アンジュがリゼがさらわれた事、そしてさらった相手の情報をにじさんじの全体チャットに伝えた。すると、直ぐ様返事が帰ってきた。
竜胆「あんじゅ、妾も助けに行くぞ」
花畑「どこのどいつだ?ぶち殺してやる」
鈴原「私、助けに行きたいです」
ベルモンド「俺も加勢する」
ニュイ「リゼちゃん大丈夫なの!?アンちゃん、アタシも行く!」
黛「リゼ様のスマホはさらった相手側にある?それなら位置を特定できるけど」
月ノ「さらった輩にはお灸を据えましょうかね…」
一気に返信チャットで埋まり、リゼの身の安全を心配する声、さらった相手に対して憤る声、手助けする声などがあった。
(リゼ…!無事でいてくれ!)
今アンジュ達に出来ることはリゼの身の安全を願うことだけだった。
「う…んん…。あれ?私…。」
意識を取り戻したリゼは未だに覚醒してない頭で現状を確認する。
(確か、今日アンジュととこちゃんと一緒に遊んで、帰り道で…!)
その途中で一気に我に帰ったリゼは起き上がり、逃げようとしたが、どうも上手く体が動かせない。自分の体に視線を落とすリゼ。
(し、縛られてる?)
逃げられないようにしているのかに手首と足首が縄で縛っていた。すり抜けられないのか身をよじってみるも、ほどけないようにキツく縛ってある。
「お、目ぇ覚めたか。案外早かったな。」
「ひっ!」
隣から声がした。リゼは咄嗟に距離を取るように離れ、声の主を睨み付ける。
「おいおい、そんな怖い顔すんなよ。」
声の主はリゼをスタンガンで気絶させた男だった。ヘラヘラと笑って無害な人間のように振る舞っているが、右手に持ったスタンガンの存在が物々しかった。
「…貴方達は、誰?何で私をさらったの?」
リゼは恐怖で身を震わせながらも目の前の男を睨む。だが、男は肩を竦めた。
「知らね。アンタをさらえって指示されただけだぜ俺ら。話ならそいつに聞け。」
まるでリゼの事など他人事のように振る舞う男。一体何故リゼをさらうなんて真似をしたのだろうか。そんな疑問が頭に浮かび、誰かに恨みを買われるような事をしたのか、記憶の引き出しを手当たり次第開けて見たが、全く心当たりがない。
すると、車のレバーを動かす音と、同時にエンジン音が止まった。どうやら男達の目的地に辿り着いたらしい。
「お、着いたか。じゃ、行くぞ。」
男はそう言うとリゼを肩に担ごうと動いたが、リゼは拒絶した。
「来ないで!」
「あ?これが見えないの?」
が、男が手に持っていたスタンガンをリゼの眼前でスイッチを押した。
目の前でバチチチチッ!と、けたたましい音が鳴り、リゼは息を飲む。
「そうやって大人しくしてろ。ま、気絶してた方が良いが、出来れば意識あるままが良いって言うからな。」
男はそうぼやきながらリゼを肩に担ぐと外へ出た。
外は360℃にあるものは木とその中にポツンとある小屋しかなく、何処かの山奥に連れていかれたようだ。
(ど、どうなるの?私…。)
リゼは震えるしか出来なかった。
リゼが誘拐された。その情報が入ったにじさんじの事務所はかなり張り詰めた空気になっていた。リゼが誘拐された事を知り、主にリゼと交流があるライバー達が一同に会していたが気軽に話せる雰囲気ではなく、全員がただ黙している。
「…アンちゃん、気持ちは分かるけどそんな怖い顔しちゃダメ。」
アンジュの酒飲み友達のニュイがアンジュを宥める。アンジュはいつの間にか自分の内なる感情が出ていたのかと思い、顔の筋肉を揉んでほぐした。
「ごめんなソシエ。でも、やっぱ我慢できないわ。」
アンジュは出来るだけ穏やかに話したが、やはり語尾に感情が乗ってしまう。
「あんじゅ。今、妾たちに出来るのは黛がりぜのすまほを特定できるのを待つ事じゃ。その怒りを秘めているのはお主だけじゃない。それだけは忘れるなよ?」
リゼとユニットを組み、歌を歌った事があり、アンジュとは寝泊まりした仲である鬼の女王、竜胆尊も宥める。
「…尊様、私はリゼを助ける事に集中します。尊様は…」
「分かっておる。邪魔者を伸せば良いのじゃろ?」
「アンちゃん、アタシもボコボコにしてやるからアンタはリゼちゃん助ける事だけ考えな。」
戌亥もアンジュと同じ気持ちのようで窓の外を見て落ち着こうとしているが、地獄の門番であるケルベロスの顔を出しており、戌亥に声を掛けようとしたコミュ強で戌亥の大ファンであるフレンが萎縮してしまうほどだった。
(あ、あんな、とこ先輩の顔、初めて見た…。)
「とこちゃん。」
そんな戌亥に声をかける人物がいた。
「…るるはんか。」
「はい。鈴原です。」
声をかけた人物はリゼとラジオをしており、とても仲が良い鈴原るるだった。戌亥の威圧に臆することなく、るるは黙って戌亥の隣に来て、一緒に外を眺めた。
「リゼ様の事が心配なのは、とこちゃんだけじゃありません。」
「…。」
ぽつりぽつりと言葉を紡ぐるるを戌亥は外を見たまま黙って聞く。
「私だって、昨日リゼ様から、明日アンジュさんととこちゃんと一緒に遊ぶんだって聞いて、今度のラジオでその話題を出そうかなって思っていたんです…。」
「…。」
そして、るるの穏やかで透き通った声に怒りが籠り、握った拳も震え出す。
「なのに、悪い人に捕まって、何処かに連れていかれるなんて、そんなの許せない。」
「…せやな。地獄に落とすだけじゃ足らんわ。ィゼを慰み物にした連中の四肢を食い千切って、地獄の餓鬼どもに食わせたる。」
もはや怒りが収まらない戌亥は段々と鋭く伸びた犬歯が露になり、犬が唸るような声も聞こえてくる。その威圧は後ろで話す機会を窺っていたフレンすら息を飲むほどだ。
「とこちゃん、落ち着いて。とこちゃんがそんな事をリゼ様の前でしたらダメです。」
しかし、そんな戌亥をるるは宥めた。自分の親友が悪人とは言え、殺したとなってはリゼが悲しむかもとるるは考えたのだ。
「なら、どう収まれ言うんやこの感情。」
「私がこんるるします。」
るるは戌亥の圧に臆することなく即答する。予想外の返答で呆気に取られた後、クスリと笑った。
「あっはぁー。そやな。ウチはィゼを助けることに集中するわ。」
「とこ先輩!私もいますよ!」
すかさずフレンが話しに割り込む。フレンもリゼと一緒にゲームをした仲なのだ。その事を知っている戌亥はニコリと笑った。
「分かってるって、おレン。頼りにしてるで。」
「やったー!」
フレンが無邪気にはしゃぎ、戌亥の威圧が少し和らいだところでモニターに黛が現れた。
『どーも、リゼ様のスマホの位置、特定できたよ。』
相変わらずダウナーな声のハッカー、黛灰はリゼのスマホをハッキングして位置情報を特定したのだ。その場にいたライバー達が集う。
「それで、リゼさんは何処に連れてかれたんや?」
生憎、案件の仕事で助けに行けなかった月ノ美兎に代わり、樋口楓が黛に尋ねると、モニターに地図が表示され、人里離れた山奥の地点に印が付けられていた。
『ここだね。東京郊外の山奥にリゼ様がいるね。』
「なるほど…。仮にりぜが悪漢の手から逃れたとしても、この場所なら、下手すれば遭難じゃな。」
『相手の素性が知れない以上、突っ込むのは得策ではないけど…俺らは悠長にさらった連中を調べ上げてる時間はないよね。』
黛の言葉に、その場にいたにじさんじのライバー全員が頷いた。
「わぁ~。本物のリゼちゃんだぁ~!」
「うっ…。」
一方、リゼは小屋の中にある一室に連れていかれた。そこにはダブルベッドと男がいた。男はリゼを見ると嬉しそうに近付くが、リゼは思わず一歩引いてしまう。男の容姿は体はブクブクと太っており、顔もまるまるしており、無精髭を生やし、ちゃんと洗ってないのかボサボサの髪。不潔という言葉が人間になったらこんな感じだと言わんばかりの容姿だった。
「やっぱ生で見ると違うねぇ。ちっちゃくて可愛いし、怯えてるの見てたら、僕のおちんちんが勃って来ちゃったよ。」
男は股間を膨らませ、鼻息を荒げながらリゼに詰め寄る。リゼは男から距離を取るように後退りするが、壁に追い詰められてしまう。
「あ、あなたが、私を…?何で、私をさらったんですか?」
「何で?そりゃあ決まってるでしょ!僕とリゼちゃんは結婚することになってるからだよ!」
「い、意味が分からないです!大体あなたなんて人は知らない…」
バチン
リゼが反論しようとした瞬間、頬に衝撃が走った。
「…え?」
その後、頬は熱を帯びヒリヒリと痛みがやって来た。リゼはそれがビンタされたのだと理解するのに数秒掛かった。
「何でそんなこと言うの!僕のお嫁さんになるんだからそんなことを言うな!そんなこと言うリゼちゃんにはお仕置きだ!」
リゼを叩いた男は突然意味の分からない言葉を捲し立てるとリゼのスカートを掴み、めくり上げた。
「ひゃ!?やぁっ、止めて!」
リゼの可愛らしいリボンが付いた水色のショーツが男の眼前に晒されてしまう。リゼは必死にスカートを押さえようとするが、男の力の方が強く、全く隠せない。男はしゃがみ、マジマジとリゼの下着を見つめ、ヨダレを垂らしながらうっとりした声で話し掛けてきた。
「はぁ~。やっぱり水色なんだね!リボンが付いてて可愛いねぇ。3Dでおぱんちゅが見えたときのシーンでシコシコしていたんだけど、急にパニエなんか履くから悲しかったよぉ。間近で見られて感激ぃ…。」
「だ、だってそうしなきゃBANされるかもだし…って言うか、放して!見ないで!」
リゼの必死の叫びは男の劣情をますます滾らせるだけだった。男はリゼのスカートの中に頭を入れ、腰を引かないように尻に手を添え、ショーツのクロッチ部分を舐め始めた。
「さーて、リゼちゃんの可愛い可愛いおぱんちゅ!どんな味がするのかなぁ~?」
「ひゃっ、んっ、やぁっあっ、やめてっ、変な、気分にぃっ。」
スカートの中に入った男のねっとりした唾液、生暖かい息、恥部を撫でるように動く舌、尻を揉む手、チクチクと内腿の肌を刺激する無精髭、それらの感触がリゼのスカートの中に充満する。それは不快としか言いようがない感触だった。スカートの中ではヂュパヂュパと吸う音と男の荒い息しか聞こえず、どんな事をしているのか分からないのが更にリゼに恐怖を与える。
スカートの中で男はすっかりヨダレと歯垢まみれになったショーツから太ももにターゲットを移し、足の付け根からついばむようなキスをし始めた。
「んーっま。ちゅっちゅっ、ぢゅ~っ、ぷはぁっ。太ももも肌触り良いねぇ。こんなにスベスベだと一生ここに住みたくなっちゃうよぉ。」
(嫌だ…下着が濡れて気持ち悪い…!た、助けて…とこちゃん…アンジュ…!)
「お、お願い、もう…。ひゃん!?」
「ここかな?それともここ?リゼちゃんはどこを弄ったらエッチな気分になるのかなぁ?」
次に男はリゼの敏感な所を探し始め、下着の食い込みを指でなぞったり、舌を股間にグリグリと押し込みだす。リゼはその度に体が反応してしまう。何とか我慢しようとするが、喘ぎ声が漏れてしまっていた。
「ふぁっ、あっ、あぁっ、んっ。はぁん。やんっ、あぁっ。」
「リゼちゃんのエロくて甘い声…!僕だけのもの…!」
興奮した男は段々と触る場所を腰、腹、胸と上げて行き、ついに男の顔と間近で向かい合ってしまう。男の荒げた息がリゼの頬を撫でた。
「ひっ…!」
「ふぅーっ、ふぅーっ!ねぇ、リゼちゃん。僕とキスしよ!」
男は息を飲むリゼの返答を待たずに、リゼの唇に吸い付いた。更に、男の舌がリゼの口の中に入ってきて口中を手当たり次第舐め回してきた。
「んんっ!?んむーっ!!」
「んん~っ、ぷはぁっ!リゼちゃんのお口の中美味しいね!何食べてきたの?」
「やだ…嫌だ…。誰か…。」
身体中をまさぐられ、口の中を男の唾液まみれにされたリゼは心身共に限界になりつつあり、その場でへたり込んでしまう。
「じゃあ、次はねぇ、ビンビンになっちゃった僕のおちんちんを舐めてちょーだい!ずっと洗ってないからリゼちゃんの綺麗なお口で綺麗にしてくれないかなぁ?僕のお嫁さんならできるよね!」
それでも男は休む間もなく、ズボンのベルトをカチャカチャと外し始め、ブリーフごと下ろすとむわりと嫌な臭いと共に垢が付いた肉棒がリゼの眼前にそそり立った。
「やぁ…そんなの…見せつけないでぇ…。」
「わがまま言わないの!ほら、お掃除しましょ!」
力なくリゼは拒絶するが、男は問答無用でリゼの頭を掴むと無理矢理肉棒を咥えさせた。リゼは叫ぼうとするが、リゼの口ほどの大きさの肉棒で口を塞がれてしまい、上手く声を出せない。
(やだやだやだ!不味いし気持ち悪い!)
「美味しい?僕のおちんちん美味しいんだね!僕はリゼちゃんのお口が暖かいし狭いからもう出そうだよ!」
(出すって何!?やだ!苦しい!)
「んーっ!!んんんーーーーっ!!!」
「あぁーっ、出すよぉ!ちゃんと飲み込んでね!」
リゼは必死に叫ぶが、全く無意味でリゼの口中に白く、ねばついた液体が射出された。
「うぇっ、ごほっかはっ。まずい…。痛い!?」
リゼは口の中にある液体を吐き出そうとする。が、突然髪の毛を引っ張られた。
「おい!ちゃんと飲み込めって言っただろ!僕の精子を吐き出すんじゃねぇ!僕のお嫁さんだから僕の全部受け入れろ!」
(誰か…誰か助けてぇ!)
「間違いありません!あの車ですッピ!」
戌亥の頭の上に乗ったセバスがモニターに映し出されたバンを見て叫ぶ。
リゼのスマホがあった場所へ桜凛月の協力で乗せて貰ったUFOで向かった一行、流石に事務所にいた全員で行ったらバレるかも知れないとの事で今日配信予定があるライバー以外はリゼの救出に向かったのだ。
「車ん中に人が居るみたいね。でもここにリゼちゃんはいない。」
凛月がUFOに搭載された機能で中にリゼがいるか確認したが、男二人が運転席、助手席に座って何かを話しているような様子だった。凛月は何を話しているのか確かめようと録音機を黒のバンの近くに飛ばした。
『にしても、こんな儲け話があるなんてな。女さらったら十数万払うって。』
『あぁ、全くだ。今頃あのガキ、ブチ犯されてる頃か?あんなキモい男に食い物にされるって可哀想だよなぁ。』
『は?本気で思ってんの?可哀想って。』
『言ってみただけ。』
その言葉を最後に男二人はゲラゲラと笑い出す。
「あんの野郎ぉ…!」
アンジュは男の会話に腸が煮え繰り返る思いだった。リゼをさらったのはただ金儲けのためだけ、そしてリゼを犯されることに関しては他人事だと言うことだ。そして、その会話に怒りを覚えたのはアンジュだけではない。
「凛月はん。はよウチらを降ろして。」
「うん、懲らしめちゃいますか!」
戌亥が唸るような低い声で凛月に言い、凛月も同調する。
この後、リゼをさらったグループはただ、楽な仕事で高額の金を貰えると言う有頂天から正真正銘の地獄へと叩き落とされる事になるとは思ってもいなかった。
「んーっま!リゼちゃんの綺麗な髪の毛美味しいし、シコシコするの気持ちいいーーーーっ!僕のおちんちんをリゼちゃんのサラサラ髪が優しく包んでくれてるよ!」
「いや…、いやぁ…。」
男はリゼの髪の一房を口に入れ、もう一房を自分の肉棒に巻き付け、しごいていた。
リゼは自分の髪で悦に浸る男の奇行にただ震える事しかできずにいた。
「二発目出すよ!リゼちゃんの綺麗な髪の毛に僕の精子いっぱい掛けてあげる!」
男が叫ぶと同時に精子がリゼの髪の毛に掛かる。
(わ、私の髪の毛が…早く洗い流して…いや、切りたい…!!)
「ひっく…ぐす…。うぇぇ…。」
髪の毛が片方がヨダレに、もう片方が精液で汚されたリゼは遂に泣き出してしまった。
「あれ?リゼちゃん泣いてる?そんなに僕の精子まみれになるのが嬉しかったんだ!じゃあ、今度は本番行こうか!」
男は自分に都合の良い解釈をしてリゼのスカートの中に手を突っ込むとヨダレまみれのショーツをずり下ろした。
男にショーツを脱がされたリゼはこれから何をされるのか理解して血の気が引き、叫び出した。
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!!止めてっ!!!!アンジュ!!とこちゃん!!委員長!!るるちゃん!!誰か助けてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
「うるっせぇんだよ!!!おいコラ!さっきから俺の何がそんなに気に食わねぇんだよ!?こんなに愛してんのに、何でそれが分かんねぇんだ!?あぁ!?」
リゼの拒絶に男は遂に豹変し、リゼの髪の毛を掴み、ベッドに押し付け、捲し立てる。
リゼは絶望するしかなかった。元々陰キャと自称していたが、そんな自分に一緒に笑い合える仲間ができた。
それがとても嬉しかった。
だが、この男はそれを許さないだろう。自分だけ見て貰いたい。そんな歪んだ愛情の食い物にされる。
「お前は俺だけ見ときゃいいんだよ!こんなにおまんこ濡らしといて何嫌がってんだ!?俺の事好きなんだろ!」
(あぁ…もうダメだ…。こんな好きでもない人にやられて…。)
リゼは観念して目を瞑る。目蓋の裏に浮かぶのは憧れの先輩である美兎委員長。ひょんな事からラジオ番組をすることになり、意気投合したるる。そして、幼い頃からの付き合いで悪態吐いたり、一緒に共同生活をしたアンジュとライバーデビューしてから最初に仲良くなった擬人化ケルベロスの戌亥。色んなライバーたちの姿が浮かんでは消えていく。
もうあの頃には戻れない。そう思った瞬間、
「許せない!」
「ぐげっ!?」
聞き覚えのある透き通った声と男が苦しむ声。まさかと思い、リゼが起き上がるとそこには男の髪の毛を掴みリゼから引き離す、鈴原るるの姿があった。
「るる、ちゃん?」
「リゼ様、大丈夫ですか?もう大丈夫ですから安心してください。」
リゼは唖然としていると、るるは男から視線を外さずに、リゼを守るように男とリゼの間に立つ。
「何だ!?邪魔すんじゃねぇよ鈴原るる!ブチ犯してやるぞてめぇ!!」
男は発狂しながらるるに襲い掛かるが、るるは男の首を片手で掴み、もう片手で頭を掴む形に持ち替え、大外刈のように地面に叩き付けた。
「これは、リゼ様に乱暴した分!」
更に追い討ちを掛けるように髪の毛を掴み、渾身のパンチを顔面に食らわせた。
「これは、リゼ様を怖がらせた分!!」
更に男を持ち上げ、窓目掛けて投げ飛ばした。窓をぶち破って男は外へ吹き飛び、るるはオーバーキルをする勢いで後を追って行った。
「リゼ!大丈夫!?」
「ィゼ!」
呆気に取られていると更に聞き慣れた二つの声が耳に入ってきた。
「アンジュ…とこ、ちゃん?」
入ってきたのは同期のアンジュと戌亥だった。二人はリゼの姿を見て息を飲んだ。
「ひどい…!」
「……!」
二人の顔を見たリゼは自分の惨めな姿でそんな顔をさせてる事を察し、泣き出してしまう。
「うぇぇ~…、アンジュ…とこちゃん…。私…汚されちゃったよぉ~…!」
子供のように泣きじゃくるリゼにアンジュと戌亥は黙ってリゼを優しく抱き締めた。
「ダメだよぉ…、二人とも服が汚れちゃうよぉ…!」
リゼの言葉を聞いても、二人は気にせずリゼが落ち着くまで黙って抱き締め続けた。
後に、リゼをさらったグループとリゼを犯した男はライバーたちに半殺しにされた後、桜第一惑星の技術で脳内に舞元力一のウェカピポ、社築のハカ、舞元の痙攣、力一のケチャがASMRで延々と流される処置をされてしまうのだった。