俺は分からせおじさんで、彼女はメスガキ。
いつまでも会えるなんて思ってなかった。
でも、思ってたより別れは唐突だった。
今日も胸に開いた穴を埋めるために情欲に塗れる。
いないだろう者を、あの子との再開をどこか期待して。
俺は敗北したい。
分からせ山から眺める光景も、もう飽きてしまった。
日々やってくるメスガキと戦っては分からせ下山させる。
こんな日々がいつまで続くのか…。
リストを眺める。ここ最近やって来ているのはA級~B+級だ。
先月はC+級からD級ばかりだったので豊作と言えば豊作だ。
S級は年に1度あるかないかぐらい。
メスガキ養成所のメンツにかけてそういう等級を与えられたとしか思えない様な、
そんなA級と大差を感じない仕上がりのものだ。
そう考えているうちに誰かがやって来た。
今日はもう3人目だ。そんな気分じゃないと言うに…。
「よお、分からせおじさん」
「あんたは…種付けおじさんじゃないか」
彼は所謂俺の師匠に当たる人だ。駆け出しのヒヨッ子だった俺を鬼畜おじさんまでしごきあげてくれた。この名声を得る事ができたのも、この地位を守る事ができる事も全て彼があってこそのものだ。感謝はしきれてもしきれない。
でん、とお酒を置いてコップに注ぐ。
「まあ飲もうや」
「それじゃあ、いただきます」
種付けおじさんの注いだ酒を飲む。相変わらずいい趣味の酒だ。
いつもどこで仕入れてきてるのか聞くが教えてくれない。
彼はポリポリと腹を搔いて遠くを眺める。
「もう、お前の所に来るのもこれが最後になりそうだな」
「え、どうしてです?」
「ん…、俺もなぁ。種付けおじさんを引退しようと思うんだ」
「ええっ!?」
「…最近、一物は元気ないし前ほど量も質も保てなくなった。そろそろ頃合いだと思うんだよ」
「そんな……」
俺の周りにもたくさんのおじさんがいた。でも、日々いなくなって行って…知らない兄ちゃんが増えて行ったりしていた。そんな中でも彼だけは変わらずそこにいてくれた。そんな彼が、もう引退してしまうというのか。
「まだまだ現役ですって、悲観しすぎですよ」
「よしてくれ。何事も引き際が肝心なんだ。今日がその日だと思ってる」
長い沈黙が訪れる。何年もの間、ずっとずっとこうして週に1、2度ぐらい2人で笑いあったりバカをやったりしていた。それが、もう今後は訪れなくなるだなんて。
「なぁ…お前は分からせおじさんのまま一生を終えるつもりか?お前はメスガキ専門で留まる器じゃない。最強もモブおじさんになれるかもしれないんだ。山を降りたら…」
…俺だって山を降りたい。
種付けおじさんはそこまで言いつつ、言葉を切った。
「まだあの娘を待ってんのか」
「ああ」
「…お前は変わんねえよな。本当」
彼は置き土産にお酒を残していってくれた。
この銘柄を作る酒屋が潰れてしまい、もうこれしかない事も教えてくれた。
これが今生の別れになるかもしれない。
それでも、俺はあの日に会ったSS級のあの子に会うまでは…。
「さよなら、種付けおじさん」
「…おう。あばよ」
俺は小さくなっていく師匠の背中をいつまでも見届けていた。
『ばっかみたい』
またあの夢だ。
SS級のメスガキのあの子がいつも口癖のように言っていた言葉。
侮蔑と、愉悦と…いつもそんな表情で俺に言い捨て行った。
でも、そんなある日彼女はいつもと違う物悲しげな表情で俺にそう言った。
それ以来会ってない。勝ち逃げされた。
俺は彼女に心を束縛されてしまった。
マゾ堕ちへの喜びを教えてもらった。あの子になら負けても、無様な醜態を晒してもいいと思った。
でももう彼女は俺の元に戻ってこない。心に開いた風穴から今日もビュウビュウと風が吹き通っている。
「もう、クソ雑魚おじさんの癖に何で山のてっぺんなんかにいるの」
新しいメスガキがやって来た。腕の腕章…またA級か。
「奇襲もかけないなんて最近のメスガキは礼儀正しくっていけないね」
全身の服を乱暴に引きちぎると深く踏み込んで距離を詰める。
メスガキはストローを加えると言霊のシャボン玉を飛ばしてくる。
S級ほどになると術も回避を要するがA級程度なら何の事はない。
シャボン玉を払いのけメスガキの眼前に迫る。捕った。
「ばあか」
「!!」
この強力な反応…足元だ。しまった、目先のシャボン玉に気を取られ足元に投げられたナップサックに気が付かなかった。足を滑らせて転倒してしまう。その隙に馬乗りにされてしまった。
くそう、この程度のミスリードに気付けずイニシアチブを譲ってしまうとは何たる不覚。
「おじさん、真っ裸で女の子にマウント取られてなっさけな~い♡」
テンプテーション付与…、馬鹿なこいつはA級じゃないのか!?
魅惑の声に被虐心が感応し一物が立った。
ぐっ…、メスガキは尿道から迸る先走り汁を掌に塗り付け一気にストロークさせる。
「うっ、く…この動きA級じゃないな貴様!どういう…」
「ランク付けなんて養成所のメンツのための発表だって馬鹿にしてたじゃん…?してたよねぇ??あはは、真に受けちゃってマジウケる♡」
間違いない、この肌にひり付く感覚は間違いなくSS級…!
メスガキは靴を脱ぎ捨てると靴下ごと足を俺の口元に踵を押し付ける。
こ、これは…。登山時に染みた独特の足の匂い。絶妙な臭いが俺の脳を犯していく。
いかん…これはまずい。
容赦のないしごき、靴下の臭い…。俺は歯を食いしばって理性を留めた。
まだだ、まだまだ。このまま負けては分からせおじさんの名折れ。
俺は…負けたい。だが、それは全力を尽くした上での事なのだ。
妖怪に身を落とした俺だが、こんな最低な俺にも散り様という物がある!!
俺は自分の頭を後ろにやって地面に叩きつけ、痛みで正気を保ちながら体を起こす。そして指をメスガキの口の中に突っ込んだ。言霊さえ奪ってしまえば体格差は圧倒的有利。
このままペースを持って行く!!
口から指を抜き、両手首の自由を奪って押し倒す。
一転攻勢、相成った!一物をパンツの上からメスガキの秘所にあてる。
手応えありだ。僅かに濡れている。
わずかに頬を赤らめたメスガキは尚も挑発的な笑みを浮かべる。
「…なりたいんでしょ、もっと気持ちよく」
俺は僅かに躊躇ってしまった。
長らく、攻めに攻めてきた俺になら分かってしまう。
被虐心に身を任せ、堕ちる事の喜びを。
圧倒的、性への快楽に飲まれ白濁液をまき散らす事の快楽を。
この世の何よりも深い、黒い絶頂を…!
ガンッ!
俺の金的が蹴り上げられた。
内臓を鷲掴みにされる様な痛みに襲われる。
この時、最も恐ろしい事はこの痛覚ではない。
痛みを与えられる事への喜び。加虐への渇望。
脂汗を垂らしながら、この状況に理性と本能が板挟みになり摩耗していた。
辛うじて姿勢を保っていた俺だが、メスガキはするりと拘束を抜けると太ももで俺の一物を挟んだ。
「ほぉら…出しちゃいなよ。ここに一生懸命溜めたせーし♡四つん這いのまま、子供に弄ばれて、情けない声をあげて♡♡」
「あっ、はっ、んんっ…」
「出しちゃえ…♡出しちゃえ♡♡…無駄撃ちせーしをぶちまけて…♡」
負ける…。一方的に攻めて買って来た俺は攻められる事への対処法がわからない。
勝つばかりの俺の戦いには、防戦の経験が殆どないから。
身体が熱い。頭が熱くなってまともな思考ができない。
快楽の波が理性を押し流していくのを感じる。
メスガキは更に俺の乳首を弄って追い打ちをかける。
ラストスパートをかけてきた。
俺は負けるのか…。
いや、俺はこれまでも敗北を求めてきたじゃないか。
この子がそうなのだろう。俺が求めていた、俺をも倒せるメスガキ。
こんなに強い子が俺の最後を飾るのなら、それでいいじゃないか。
もうマゾ豚でいい。
「負けちゃえ♡」
その言葉を聞いて、俺は欲望の全てを――…。
『ばっかみたい』
脳裏にその言葉が蘇った。
あの悲しみに満ちた目を。侮蔑でも、愉悦でもない…。
ああ…負けられない。この期に及んでも負けられない。
俺は自身の愚かさを呪った。ここで負けられない俺を。
「お前は最高のメスガキだ。でもな、俺を倒すのはやっぱりお前じゃない」
射精しない。メスガキはポカンとした表情を浮かべる。
地面を殴って反動で距離を取った。
「な、何さ寸止めだなんて往生際の悪い。躾のなってない豚ね!!」
俺への逃げを許さない、ヘアゴムでの追撃。
付属したアクセサリーに術が施してあり俺の足を奪った。
そのまま後ろ向けに倒れる。
メスガキはパンツを脱いで俺の顔に投げる。
更に速度をつけて俺の体に抱き着くと両ふとももと股に挟んだ。素股という訳か。
容赦のない攻め…。俺の亀頭は擦り付けられる。こみ上げる射精感。
寸止めからのクールダウンを許さない攻め。
鼻に引っ掛かったパンツから漂うメスの臭いに気を失いそうだ。
「このまま逝かせてあげる」
「事を急きすぎたな」
「何を…」
メスガキに抱き着かれたまま一緒に地面に倒れた。俺の一物とメスガキの秘所は勢いよく擦られる。
「んうっ…、あっ」
ハッとして気が付いた。俺を攻めていたつもりだろうが、その攻めは自身の性感をも刺激する技なのだ。俺も抱きしめ返して離さない。メスガキを腹の上に乗せたまま腰を使って一気に攻め立てる。秘所を擦り付け絶頂へ持って行く。
飛び散る汗、紅潮する顔、弾ける肌…。
「こんなの…気持ちよくなんかない。全然、おっさんのキモイ自慰なだけで…」
揺さぶられながら、涎を俺の上に垂らして負けまいと俺を睨む。
俺も油断すれば快感に飲まれる。飽くまで奴をイかせた上でイかせねばならない。
お互いに余裕がない。これで決める…!!!
俺は少しずつだらしのない顔つきになってきたメスガキを抱き上げて口づけをする。
「-----っ!!!」
上唇を、下唇を…。歯、歯茎、舌の順番で味わい尽くす。
彼女の思考回路を焼き切った。俺はその瞬間に一気に一物を貫き通した。
ズ、ズププ…グニュゥゥウウウウ…。
「おっ、んあっ…あっ♡♡」
小鳥の鳴く声の様に小さな声で喘ぐメスガキ。膣圧よし、収縮を確認。俺は射精した。
「んっ…んんっ、んあっ。おじさんの、汚いせーしが…流れ込んできて…」
俺の一物から精液が搾りとられて行く。
何度も何度も、収縮と弛緩わ繰り返しながら。
お互いにぐったりして、繋がったままぐったりする。
「…あは、私のお◯んこ、おじさんのを咥えて…、形を覚えちゃいそう」
俺は黙ってメスガキの頭を撫でた。
「……おじさん、負けちゃえば良かったのに。私にさ」
「おじさんにはね、探してる人がいるんだよ」
「ふーん」
しばらくそうしていたが、不意にメスガキが動いて腰を8の字に動かした。
「あっ、ふぐっ」
ビュルルルゥッ、ドプッ…。
メスガキはふらふらしながら立ち上がる。一物が秘所から抜け、自身の下腹部にビタンと伸びた。彼女の股からは白濁液が漏れる。そしてまた俺の胸板に倒れた。
それから挑発的な笑みを浮かべて言った。
「へへ、ざぁこ♡」
そのまま寝てしまった。
…この子には敵わないな。
さすがにメスガキ養成所に赴く訳には行かないし、俺は何時間も起きないメスガキを寝かせてこれからどうするか考えていた。
この勝負はこの子の勝ちでいい。俺もきっと、過去を振り切る時が来たのだろう。
とにかくこの子が起きるまで待とう。
「…うちの子が世話になったようで」
声が聞こえた。いずれのクラスでもない腕の腕章…。どうやらメスガキ養成所のお偉いさんらしい。俺は枯れた笑みを浮かべる。
「俺の負けだよ。その子は最強のメスガキだ」
「そう。それじゃ引き取って行くわね」
彼女はメスガキを抱えてそのままさっさと歩いて行く。
もう会う事もないだろう。
それにしてもあっけないもんだ。
今日まで躍起になって俺にメスガキを仕向けて来たと言うのに、ちっとも嬉しく無さそうだ。
俺は種付けおじさんから貰った酒をひっくり返す。
ああ、いよいよ空だ。くそ。
「…ばっかみたい」
その言葉に思わず視線をやった。
さっきのお偉いさんだ。でも今の声…。
「私の事、覚えてる…?」
振り返ると彼女は目の前で留めていた髪を、眼鏡を外す。
ああ、ああ…まさしく彼女はあの日見たSS級のメスガキ…。
夢を見ているみたいだ。もう会えないと思ってた。
いや、既に諦めたはずだった。
俺は酒瓶を置いてゆっくり彼女の元に歩み寄る。
「もう会えないかと思ってた。ずっとずっと会いたかった。この日を何度夢見たことか…」
彼女はゆっくりとメスガキを降ろしてからこちらに来る。
「あなたになら負けていいと思った。最後はいつも私が勝ってたけど。負けるために戦ってた」
どちらから共なく抱きしめ合う。
そんな、こいつが俺に負けたがってただなんて…。
「でもね…、私はいつまでもメスガキじゃいられなかったの」
あの時に見た悲し気な表情だった。
「あなたは分からせおじさんだから…メスガキじゃない私は相手にしてくれない。それが怖くなって」
「馬鹿だな…、君は君じゃないか」
「そうね…」
メスガキでいられなくなった彼女はNTR系純真彼女に転職していたらしい。
多々の苦労を重ね、メスガキ養成所に転職して昇りつめた。
分からせ山でかつてのメスガキを待つ俺をも倒せるメスガキを養成するために。
もう会えない、身体を重ねられない自分の代わりに。
彼女は横たわるメスガキの頭をなでる。
「この子なら必ずあなたを討つと思っていたわ。私が直接指導してあなたに備えさせたんだもの」
「ああ、強かった。文句なしの敗北だったよ」
「良かった」
お互いに笑いあう。
「…これからどうするの?」
「妖怪分からせおじさんは引退するからね。…君と一緒にどこか行きたいな」
「残念。私は独身じゃないの。君みたいな独身チ〇ポとは違うの。ばーか」
ギンッ!俺の一物が反応した。
「メスガキじゃない私に反応するの?」
「決めた。俺、NTRモブおじさんに転職するよ」
「ばっかみたい」
笑われた。俺も笑った。
山を降りたら地元の自転車屋に雇ってもらおうかなぁ…。
そんな風に考えていると急に彼女は俺に馬乗りになって口づけをしてきた。
そして彼女は挑発的な笑みを浮かべて涙を浮かべた。
「…今の、本気にしていい?」
「ああ…もちろんだ」
どうやら俺の夢物語には、まだまだ続きがあるようだった。
書いてる途中で正気に戻ると続きが書けない気がして変なテンションのまま書ききった。書き終えた今だからこそ言いたい。なんだこれ