人里は大きく、東西南北の区に分かれている。貧民窟はどこにも属さない。日陰者やならず者が集まり自然発生した、「自称」地区だ。住人は、公的には住所不定の浮浪者となる。
ごみごみした路地が蜘蛛の巣よろしく張り巡らされ、治安も悪い。自警団の目も届かないので、女子供が立ち入るべきではない。特に、夜間の一人歩きは自殺行為といえた。
咲夜はお構いなしだった。すれ違うのも難儀する隘路を、堂々と闊歩している。
石膏像を思わせる、染み一つない滑らかな肌。薄群青の冷たく澄んだ瞳に、大理石から削りだしたかのごとき通った鼻筋。高い鼻頭はつんと尖って、気品を感じさせる。頬はなんとも柔らかく、唇は艶めいて見る者の視線を惹きつける。銀髪が青白い月光に照らされ、輝いている。
誰が見ても絶世の美女と評するほどのかんばせだ。纏ったメイド服も、彼女にとっては仕事着でも、高級仕立ての値打ちものだ。はっきりいって、悪目立ちしまくっている。
あちこちの暗がりから、物陰から、危険な色を孕む視線が送られている。次の瞬間に、なにか間違いが起きてもおかしくない。
いくら時間を止められるとはいえ、フィジカル面は人間の枠を出ない。最大限の警戒をすべき、もっといえば今すぐ脱出すべき状況だ。
それでも、咲夜は平然としていた。自分が襲われないと理解しているのだ。銀髪のメイドに手を出すべからず――そういう不文律が、貧民窟には存在していた。たとえば森、たとえば水源。そうした「共有の財産」を毀損するのは、共同体においては重罪なのだ。
やがて咲夜は、目的地へと辿り着く。路上生活者どものねぐらの隅、いまにも倒壊しそうな公衆便所へ。
場所が場所ゆえ、掃除などされていない。床のタイルは黒ずんでカビており、ところどころ割れている。壁面には得体の知れない染みが浮かび、モルタルが剥がれている。流し台の半分は破壊されているし、無事な残りも鏡などは割られ、さび付いていた。
便器は汚れがこびりついており、目に染みる臭いを漂わせている。羽虫がぶんぶんと飛び回っていた。
紅魔館の完全で瀟洒なメイド長には不釣り合いに思える。有り体にいって場違いだ。が、ここが彼女の目的地だった。
「おう、来やがったなぁ」
しばらく、汚臭の充満した空間で待っていた。五分ほどして、ぞろぞろと人が入ってくる。両手の指で数え切れない男達が。
貧民窟の住人の中でも、最底辺の連中だ。みすぼらしいという言葉ですら足りない。
顔は醜く歪み、弛んでいる。肌は土気色をして、栄養状態の悪さをうかがわせる。病でも患っているのか、鼻筋や唇あたりを中心に得体の知れないできものが浮かんでいる。髭は汚れによって固まり、ゴワついている。
痩せ細っており、地獄絵巻に描かれる餓鬼を思わせる。ろくに行水もできない生活ゆえ、全身垢や土埃にまみれている。爪は伸び放題で、指との隙間に詰まったゴミで黒ずんでいる。
いちおう服は纏っている。ぼろきれを無理やり巻き付けました、といったほうが近い有様だが。衛生観念は薄く、そもそも洗濯する余裕もない中で、たった一着をひたすら使い回す暮らしだ。老廃物・排泄物を吸い続け、ほとんど肌と癒着していた。
二三度、まばたきを繰り返す。彼らが現れるなり、涙が滲んだからだ。
原因は体臭だ。目に染みてくる。汗や垢をベースとした刺すようなアンモニア臭は、嗅覚ばかりか視覚にも攻撃していた。
「よう変態女。今日も懲りずにマンコされに来たのかよ? 終わってんなぁ、相変わらず」
酒精に灼かれ、しわがれた声で、舐め腐った口をきく。ニタニタと底意地の悪い笑みを浮かべ、隙間だらけの黄ばんだ歯を見せつける。
悪魔の従者にして度肝を抜く美貌の持ち主を相手に、まったく気後れしていない。それどころか、目はこちらをひどく見下していた。
里で誰かががこんな口をきいたら、相応の目に遭ってもらう。館の面子を保つためにも必要な処置だ。
が、今ばかりは例外だった。報復しようとは、欠片も思っていない。むしろかしこまって、恭しく頭を下げる。本心からの最敬礼をしながら、挨拶を述べる。
「皆様。今宵も淫乱変態チンポ掃除便女の十六夜咲夜がまかり越しました。このお口で、おまんこで、身体中のありとあらゆる穴で。チンポ掃除婦として、キンタマの中に溜まったザーメンを搾り取らせていただきます。どうしようもない、しょうもない色狂いのあばずれユル穴でよろしければ、どうぞ心ゆくまで輪姦してくださいませ。一晩中ズッポリパコパコしまくって、私めを女として終わらせてくださいませ。おキンタマの中の濃厚ザー汁を吐き出して、スッキリしていってくださいませ。誠心誠意尽くさせていただきます」
どこを切り取っても狂った台詞を、よどみなくつらつらと並べ立てる。口にするだけで品格が貶められる言葉の数々だ。たとえ嘘でも憚られる。しかも、本心だった。心の底から、彼らの便女となりたいと願っていた。
頭がおかしくなったのではない。至って正気だ。レミリア・スカーレットにふさわしい従者であるための、自己研鑽の一環だ。
「完全で瀟洒」の通り名に、違和感を抱いたのが始まりだ。自分は穢れを知らない。清らかであるといえば聞こえはいいが、結局の所は知らないのだ。それでは、完全とは呼べまい。
泥の中を転げ回り、ぐちゃぐちゃに終わってなお美しくあれたら、初めて真に完全で瀟洒を名乗れるだろう。
なら、汚していただけばいい。自ら貧民窟に足を運び、男達に声をかけては、自ら股を開いた。
当初は彼らも躊躇していた。色街を隅から隅まで探しても見つからない美女が、自分から抱いてくれとせがむのだ。なにかの罠と疑って当たり前だ。
とはいえ、咲夜ほどの女が肌を晒し、下品な言葉とともに快楽をねだるのだ。精神が鋼でできていようが、理性などすぐ決壊する。ねっとりした舌使いで魔羅をしゃぶりあげてやれば、目の色を変え押し倒してきた。
はじめは一人だったのが二人・三人になり、今では両手で足りない数に増えた。最底辺の連中すら見下すような輩から、便利な性のはけ口とされている。上下から精や汚物を注がれ、何度も絶頂を迎えた。吐き気のする下卑た欲望を悦んで受け止めては、へりくだって卑しく感謝した。堕落していく営みの中で、咲夜は目論見通りに輝きを増していた。
「相変わらずペラペラよく回る口だなぁおい。けどちょっと間違ってンなぁ。女として終わらせろ? お前はとっくに終わってるだろ!」
げらげらと、品性の欠片もない哄笑が反響する。ぞくぞくと、腹の奥が疼いた。こんな連中に見下されている――目的にまた近づいていることに、薄暗い悦びを見出していた。
「まあいいや。それがお望みなら今日も使ってやるよ。分かったらとっとと脱げバカマンコ」
「かしこまりました。ありがとうございます」
横柄に顎をしゃくってくる。対する咲夜は、どこまでも下手に出ていた。
初めは彼らも、ここまでおごり高ぶってはいなかった。珠の肌に触れるのは畏れ多いと、気遣いすらしていた。とはいえ、慣れるのが人間の性だ。極上の女体は、いつしか彼らの中で、ちり紙くらいの価値しかもたなくなっていた。今では心底馬鹿にして、鼻で笑う有様だ。
レミリア・スカーレットの従者たる己が、ゴミのような扱いを受けている。憤怒とともに期待を覚え、ぞくりと身体を震わせた。
「では皆様、淫乱便女の十六夜咲夜の、どうしようもない雌犬ストリップショーを、まずはご覧くださいませ」
あくまで己を貶めながら、自らの衣服に手をかける。十を越す男達が見ている前で、堂々と己の肌を晒しはじめた。
十六夜咲夜といえば、ずば抜けた美貌の持ち主として有名だ。澄んだ瞳に通った鼻筋。染み一つない肌。どれも文句のつけようがない。
身体のほうも、服を着ていても分かるほど優れたプロポーションをしている。まして裸身となればなおさらだった。悪魔が造形した抜群のボディラインに、一切の瑕疵もない。
肌は雪に晒したかのごとく白く、一目見るだけで心臓を掴まれたかのごとく感じる。月光を浴びれば血管の青が透けて見えるほどでありながら、不健康な印象は受けない。ほんのり朱に染まっているのは、今の状況に性的興奮を覚えているからだ。
しなやかな首は細く、非常にフェティッシュだ。くびれば折れてしまいそうで、実際締められたこともある。脳に酸素が行き渡らなくなる感覚は、恐ろしくも病みつきにさせる魅力があった。ああいうものを一つ一つ学んでいくのが、完全に近づく道なのだ。
肩の稜線は優雅に伸びている。並行して走る鎖骨の窪みは、思わずキスをしたくなるほど見事だった。
視線を下に向ければ、乳房へと行きつく。柔らかで女性らしいDカップバストは、涙滴を連想させる、完璧な曲線を描いていた。わずか一ミリの狂いもなく設計されているかのようだ。
もっと豊かな胸は世間にいくらでもあろうが、これと比較すれば贅肉・蛇足に思えてしまう。まさに乳房のイデアといえた。
乳輪はほんのりと桜色に染まり、風光明媚たる丘陵のランドマークとなっている。肌の白さと、素晴らしいコントラストをなしちえる。乳頭は充血して、ぴぃんと尖っていた。有り得べからざる現状に、興奮を覚えているのだ。彼女のどうしようもなさを、確かな説得力とともに伝えていた。
腹回りはわざとらしくない程度にくびれている。健康的な肉体美とセックスアピールをギリギリのバランスで両立させる、絶妙な輪郭だった。よく磨いた大理石のように滑らかなウェストにおいて、臍の窪みのセクシーさは群を抜いていた。
下腹では緩やかに骨盤が広がり、女性らしさを湛えている。頭髪の銀色をやや濃くした色合いの陰毛は、本人の几帳面さゆえ、よく整えられている。いつまでも眺めていられた。
裂け目の花弁は綻びつつあり、彼女が現状になにを見出しているか暗示している。ひくっ、ひくっと時折ヒクつく様は、匂い立つほど淫猥だ。
くるりと後ろをむき、背中を見せる。人体においてもっとも面積の広い部位だ。染みの一つもない様は、新品のキャンパスを思わせる。鎖骨・脊柱のシルエットが、メリハリを与えていた。
上体を倒す。下半身を、彼らにじっくり見ていただくためだ。
曝け出されたヒップは、「球」の概念を形にしたかのごとき、蠱惑的な曲線を描いていた。十六夜咲夜の肉体において、欠けざる満月を連想させる。適切に鍛えられた大臀筋へ脂肪が覆い被さって生まれた、一種の奇跡だ。
尻たぶを、惜しげもなく割り開く。恥部を曝しながら、腰を左右に躍らせる。パーフェクトボディから繰り出される猥褻ダンスに、ぴゅう、と口笛が鳴らされる。
素晴らしき下半身の支えとなるのが、魅惑のレッグラインだ。大腿四頭筋・内転筋・ハムストリングスが、しゃぶりつきたくなる太腿を形作っていた。
総合して、まさに極上の女体。王侯貴族でも手に入れられないほどであり、まして彼らのような最底辺の民には贅沢どころの騒ぎではない。
にもかかわらず、咲夜は堂々と、己の肉体を見せつけていた。自らを積極的に安売りする。浅ましく、どうしようもない存在になり果てるべく。
「へへ。ホントエロいカラダしてやがる。色狂いのパープリン女にゃもったいねぇよ」
「いや、むしろ都合がいいだろぉ? おかげで俺らにマンコが回ってくるんだからよぉ」
「ちげぇねえや」
勝手なことを囁きあいながら、差し出された裸体を思う存分眺めている。性欲まみれの、下卑た目つきだ。熱烈かつ濃厚でギトギトした視線は、質量すら感じられる。さながら、精液を浴びせかけられているだった。
「あは。あぁん……」
十を超す男達に、欲望とともに見つめられている。今この瞬間にも、間違いが起き、悲惨な事態になってもおかしくない。おぞましいし恐ろしい。だからこそ、恍惚の溜息を零す。
艶めかしく、身をくねらせる。彼らを挑発し、情欲を煽り立て、後でより激しく穢していただくために。
「おらバカマンコ、何ぼけっとしてんだ、ぉお?」
「はい。いかがいたしましたか?」
本来ならば咲夜に話しかけるどころか、姿を遠目に見ることすら憚られる輩が、高圧的に言い放つ。対する彼女は、あくまで慇懃にふるまい続ける。
「いかがもタコがもあるか。マンコしてほしいんだろうが? だったらセックス代を払えよ、セックス代をよぉ」
彼らに男性として、人間としての価値はない。本来なら、こちらが金を受け取るべき場面だ。思い上がりも甚だしかった――もっと思い上がっていただくのが、己の勤めだ。
「どうぞ。このようなもので恐縮ですが、進呈致しますわ」
差し出すのは金銀財宝ではない。ペニスで思考する連中にとって、それ以上に価値ある品だ。すなわち、ついさっきまで着ていた衣服。ヘッドドレスから靴下まで、綺麗に畳んだ一切合切を、彼らに対して差し出した。
「おっほ、雌くせぇ! たまんねぇな!」
「おいコラ何自分のモンにしてやがる! ぶち殺すぞ!」
「アア!? やれるもんならやってみろや!」
すぐさま争奪戦が始まる。さながら、垂らされた糸に群がる亡者だ。
特に人気なのは下着類。特にショーツだった。上等なレース仕立ての布きれが、黒ずんだ手で乱暴に扱われ、すぐに台無しになっていく。他の衣類も、ぐちゃぐちゃに汚されていく。
あれでは二度と着られまい。まあ、仮に丁寧に扱われたとして、やはり袖を通すことはないだろう。なにせ差し上げたわけだから。
替えの服は持ってきていない。コトが終われば、紅魔館まで素っ裸で帰らなくてはならない。下衆共のせいで、とんでもないことをさせられる羽目になった――怒りとともに、感謝すら覚える。
「へへへ、おめぇの気持ちはよぉく伝わったぜ。こりゃたっぷり可愛がって、クソマンコに分際ってもんを思い知らせてやんねぇとなぁ!」
「あはッ!」
代金の支払いも終わり、男達はいよいよその気になったらしい。無数の手が、咲夜めがけて伸びる。何に触ったかも分からない、不潔極まる手が。
「はっ、アッ、アッ、あぁん」
首、肩、腕、乳房、腹、腰、下腹、脚。全身を、乱暴に撫で回してくる。
爪は伸び放題だし、指は黒ずんでいる。肌の白さゆえ、汚れが付着すればよく目立つ。さながら、真っ白なノートにラクガキをするのに似ている。
少しでも美しくあるべく、肌の手入れは欠かしていない。その努力を全く解さない者どもに、好き放題に汚されている。嫌悪とともに、被虐の悦びがゾクゾクとこみ上げてくる。
「へへへ、たっまんねぇなぁ!」
餌を奪い合うハイエナのごとく、男達は目の前の女体に群がる。最後に行水できたのが数ヶ月、という連中だ。身体のあちこちから汚臭が漂っているし、今のように一つ所に固まればなおさらだ。
「お? なんだ泣いてやがんのかぁ? 今さら遅ーわバカ女!」
「安心しろや、すぐいつもみてぇに豚みてぇに鳴かせてやるからよぉ!」
目に涙が浮かんでくる。犯される恐怖によるものと勘違いされたらしいが、違う。ぷんぷんと漂うアンモニア臭が、目の粘膜を刺激したのだ。本人達は嗅覚が麻痺して気づかないらしいが、相当の汚臭だった。
「ペッ」
「っぁ……!」
特に、口内環境などは最悪だ。滑らかな頬めがけて、唾を吐きかけられる。べちゃりと付着した唾液は、ほとんどヘドロも同然だった。真夏のドブ川よりもひどい臭気が、執拗に鼻を刺す。
「あはぁあ……ッ」
「おうおう俺らみたいなのにタカられてよがってやがる。やっぱ頭イカれてんぜコイツ」
「そりゃココみてぇなとこにも来るわな。頭終わりすぎててフツーの男になんか相手されねぇわ」
人を人とも思わぬ扱いに、咲夜は確かな興奮を覚えていた。こうやって酷いことを繰り返して、下卑た存在に仕立て上げてほしい。もっととばかりに、熱く潤んだ息を漏らす様を、男達は嗤い捨てた。
「ほぉれ、その気取ったオキレーなツラ、台無しにしてやるよぉ」
「っひ、ぃッ」
大口を開き、舌を突き出して顔を近づけてくる。雑菌まみれの口内粘膜を、顔に接触させる。れろぉおおお、と、粘つく唾液を直接、頤から頬・こめかみあたりにかけて塗りつけてくる。
「ッぅえ」
普通の相手にやられても、結構な抵抗のある行為だ。まして彼ら相手ではなおさらだった。引きつった声が歯の隙間から漏れる。やはり目に染みる悪臭だ。横隔膜がせり上がり、えずく。予告通り、美貌を台無しにされながら、薄群青の瞳は恍惚を浮かべている。
「レロッ、レロレロレロォ」
咲夜の反応に、男は気を良くしたらしい。もっと嫌がれとばかりに、顔面を舐め回す。腐臭ただようヘドロでもって、マーキングしていく。
「口開けろブス」
「かしこまりましたぁ、えぁ」
罵倒も当然のものと受け止め、命じられるまま口を開く。下品なほどの大口だ。舌を突き出すおまけ付きだ。ピンクの粘膜は男達のソレと違って清潔で、魅力的だった。
「カァ、ペッ」
「あっは……!」
痰混じりの唾が、今度は舌へとぶちまけられる。苦臭い地獄じみたヘドロを、しかし咲夜はうっとりと味わう。雑菌まみれの汚汁を、悦んで嚥下する。より最低の存在に近づけた気がして、ぞくりと身を震わせる。
「おら、お次はラブラブキッスの時間だぞぉ? 便女がよぉ」
「はい、どうぞ私のお口を堪能くださいませ……んふぅううッ」
「ぢゅるっ、ヂュルルルッ、レロレロレロォ」
にこやかに返答するなり、唇を奪われる。ガーデンローズのルージュ艶めくリップが蹂躙される。
「むぢゅるぅんッ、レロレロッ、ムフゥッ、ぢゅるッ、グポッ」
「んっ、ふ、んっんっ、くぷっ、んぅん、ちゅむぅ、ん」
もちろん、ただ触れあわせて終わりではない。強引に、舌をねじ入れてくる。口腔を探り、隅から隅まで味わってくる。
咲夜も、されてばかりではない。お返しとばかりに、こちらから彼の口内へ舌を差し込み、ドロドロした粘膜を舐め回す。歯と歯の隙間にいたるまで、丁寧に奉仕していく。
放置していた水槽を思わせる、腐敗した臭いがプンプンと漂ってくる。胸が悪くなってくる悪臭だ。だからこそ素晴らしいと、彼女は目尻を垂れ下げる。チェリーのヘタを結びもできる器用な舌先で、彼を精一杯愉しませる。
「ンヂュルッ、レロレロッ、グフフ」
「んぷっ、んぅ、んっんっ、んくっ」
雑菌まみれの涎が流し込まれる。抵抗もせず、素直に受け入れる。反対に、こちらからも送り込んだ。繋がった唇の間で、二人分の体液がミックスされていく。
「へへへ、たまんねぇなぁオイ」
「んふぅん! んっんっ、ふぅう……っ」
ぢゅるぢゅると猥褻な音が響けば、周囲の男達も色めき立つ。スレンダーな肢体へ指を這わせ、鷲づかみ、撫で回し、快楽を無理やり引き出していく。喉の奥から漏れるのは、引きつりつつも甘い声だった。
「んぶはぁあ……」
「んふぅん」
長々と一分ほども続いた口交が、ようやく終わる。ねっとりした唾液の糸が、唇の間を伝っていた。
咲夜は瞳をうっとりと蕩かしている。頬は紅潮していた。彼女だけ見て、相手が化け物じみた醜男だとはとても思えまい。
「ほぉれ、儂ともキスするぞぉ色狂い」
「はい、たっぷり愛してくださいませ……んちゅるッ、ぢゅるぅう……」
「その次は俺だぜぇ、へへ、ここに相応しいオンナにしてやるよぉ」
ぐるりと取り囲む男達と、次から次へ口腔で繋がる。粘膜を擦り合わせ、唾液をやりとりしては嚥下していく。
ここに相応しいオンナ。なんとも素敵な表現だった。誰もが顔をしかめ、近づくことすら嫌がる公衆便所に相応しい女。どれほど終わっていれば、そこまで堕落できるのか。今から楽しみでならなかった。
「んはッ、はぁッ、はぁ」
「完全に出来上がってんなぁ淫乱が。ええ?」
何人と接吻したろう。男の言葉通り、咲夜はすっかり出来上がっている。瞳には、肉欲の炎が燃え上がっていた。身体中触れられ、白い肌はところどころ薄汚れている。
股の間に指が這わされる。女性を女性たらしめる部位を、黒ずんだ指で擦り上げてくる。ヌチッ、ヌチッと粘っこい音が鳴った。彼女が発情している、なによりの証拠だった。
「どうだオイ、そろそろマンコ弄ってほしいんじゃねぇのか、あーん?」
「おっしゃる通りです。どうぞ私めの卑しい、いやらしいおマンコを弄ってください。皆様の逞しくて気持ちよい指でほじくって、弱いところを擦りまくって、たっぷり感じさせてくださいませ」
「『はい』一つ言うのにどんだけ喋るんだよおめぇは。セックスのときだけ早口になりやがってよ。俺らは三文字以上は理解できねぇぞ」
自ら腰をくねらせ、アピールする。女として終わらせていただくべく、最低最悪の連中の前で恥部を割り開き、嬲り者にしてほしいとねだる。
「立ったままじゃイマイチ弄ってやりにくいな。オイ、そこに寝転がれや」
言って指さしたのは床だ。裸のまま地べたに寝転ぶという時点で、抵抗を感じる者はいるだろう。ましてここは、誰からも打ち捨てられた、汚臭漂う公衆便所だ。タイルには得体の知れない汚れがこびりついてヌルつき、隙間の目地はカビて黒ずんでいる。
覚えたのは生理的な嫌悪感だ。つまり、今の彼女なら、喜んで実行するということだった。
「はい、どうぞ……こうでよろしいですか? 私めの発情した雌犬便女おマンコを、皆様どうぞご覧くださいませ」
背中におぞましいベタつきを感じながら、言われるままに寝転ぶ。大きく股をおっ広げ、陰唇を割り開いてみせる。
肉襞は潤んで、月光を反射しヌラヌラと輝いている。男達の視線を浴びて収縮を繰り返す様から、どれほど快楽を望んでいるかうかがえる。
「おーおー、相変わらずのドスケベマンコだな。引くわ。こんな見境なく濡らしてるんじゃ、そりゃあココの連中くらいしか相手してくれねぇわな」
「あはァ……」
舐め腐った言葉を吐きかけながら、男が眼前に屈み込む。目と鼻の先ほどの距離で、誰からも秘められるべき裂け目を凝視している。ヒクッヒクッと襞が蠕動し、とろりと蜜を分泌させた。
「ペッ!」
ベチャッと、痰混じりの唾を吐きかけられる女性にとってもっとも大切な部位を、汚物で汚される。唖然としていると、男はにたりと意地の悪い笑みを見せた――側切歯が欠けている。
「ローション代わりだよ。おめぇも痛ぇのは嫌だろぉ? 俺の汚ぇツバで申し訳ねぇけど、別に構わねぇだろ? どうせてめぇのマンコなんざ、タンツボくらいの価値しかねぇんだからよぉ!」
「はい、お気遣いありがとうございます……っ」
己の価値が、暴落していっているのが分かる。病気になってしまうのではないかという不安・嫌悪に、被虐の恍惚を見出し、心からの礼を述べた。
「おーっと、感謝するのはまだ早いよなぁ? たっぷりイきまくってからにすんだなぁ!」
「あっはッ……あぁあッ!」
人差し指・中指がねじ込まれる。何に触れたかも分からない、ろくに洗いもしていない指がだ。
「ひッ、ぃッ、あ! アッ、ぉッ、ああ!」
繰り広げられるのは、愛撫とも呼べない行為だった。乱暴に、乱雑に、ぐっちゃぐっちゃと体内を掻き回してくる。愛汁がまき散らされていく。
爪も伸び放題なら、垢にもまみれた指だ。膣壁を引っかかれ、不潔さへの嫌悪と痛みに顔が歪む。
普通なら、泣き叫ぶところだ。が、今まで彼らの便女として散々嬲られてきた肉体は、確かな悦びをも見出していた。
「っひぃ! あっはッ、あぅうッ、あぁッ、はぁあ!」
「うるっせぇ声だよなぁ。近所迷惑って言葉を知らねぇのか?」
「さぁ。学がなくて四文字熟語は分かんねぇんだろ」
苦痛とないまぜのエクスタシーに、悲鳴じみた嬌声が飛び出す。ぐぽっぐちょっと膣口からえげつない音が鳴るたび、腰が浮かぶ。
甚だしい反応を、男達は鼻で笑っていた。もっと喘げ、苦しめとばかりに、指の動きを激しくする。誰からも嫌われる彼らにとって、自由に踏みにじられる存在である咲夜は大変貴重だ。日頃の鬱憤を晴らすべく、ここぞとばかりに虐め倒していた。
「デカクリ女が、恥ってもんはねぇのか?」
「ッィイイイイッ!」
ひときわ高い、裏返った声が上がる。性的興奮で充血していたクリトリスを、ピンッと弾かれたのだ。
「アッ、ああッ! はぅッ、あぉッ、あッ、はぁあ!」
リアクションを面白がったのか、男は親指でぐりぐりと肉豆を捏ね潰してくる。神経の集中した女性最大の弱点を責め立てられては、悶える以外に道などない。ビタッ、ビタッと、水揚げされた魚のごとく身を震わせる。
「あんま暴れんなよバカ女。弄ってやりにくいだろうが」
「ッあ! もうしわけありませんッ……」
破裂音が響いた。頬を張られたのだ。掌の痕が残るほどの勢いだった。ヒリつく痛みも、今の彼女にとっては性感を煽るアクセントだ。
「ほぉれ、ココが弱いんだよなぁお前は」
「あはぁッ! あぉッ、っひ、ッくはッ、あぁあ!」
ぞりぞりぞりっと、膣道半ばの腹の辺りを擦り上げられる。
淫乱女の鳴きどころ、Gスポットだ。
ザラついた天井を責め立てられては、正気でなどいられない。おんおんと淫ら声を上げながら、身をくねらせる。
乱暴かつ性技の「せ」の字もない責めだが、弱いところは的確に突いていた。何度も股を開く中で、咲夜の肉体的プロフィールは男達に全て開示されている。彼女を感じさせるのは、彼らにとっては鼻クソをほじるよりも簡単なことなのだ。
「エロ声あげやがって、淫乱マンコ女がよぉ、手がびっちゃびちゃになるじゃねぇかよ」
「あはぁッ、もうしわけございまッ、あーッ!」
罰とばかりに、またも淫豆を転がされる。脳天を痺れさせる快感を堪えかね、床の上で転げ回る。汚さなど、もはや頭のなかになかった。
ぶっちゅぶっちゅと、指を咥え込んだ膣口から淫猥きわまる汁音があがる。飛び散る淫蜜は、どこか黒ずんでいた。手垢・土埃・爪の間に挟まっていた汚れ。そうしたもので、肉穴が汚染されている何よりの証拠だ。
「あはぁあッ、もっと、もっと虐めてくださいませ、嬲って、慰み者にしてくださいませぇッ」
「ははは、コレでもよがんのかよ。何ならNGなんだ逆に」
自らの体内がおぞましい有様になっていると、咲夜は自覚している。嫌悪感とないまぜの、薄暗い悦びに浸っていた。興奮のまま、さらなる快楽を求める。言われずともそうするつもりだと、男達の顔が語っていた。
「おら、もっと喚け喚け! 鳴いてマン汁まき散らせや!」
「あぁあああああッ!」
がしがしと、勢いよく手淫してくる。
自分勝手で独り善がり、普通なら痛がられて嫌われる手つきだ。が、咲夜は悦んでいた。
嫌だし、恐怖も覚えている。はっきりいって最低だと思っている。だからこそ素晴らしかった。そんな連中に好き勝手される自分は、一体何なのか――考えるだけで、子宮がキュンキュンと疼いた。
「へへへ、どうだァ、まいったか、あぁ?」
「はい……あなた様にはかないません、おマンコを捧げますので、どうか許してくださいませぇ……」
たっぷり彼女をよがらせて、指が引き抜かれる。疲れたとばかりに、男は手をぷらぷらと振っている。
乱暴にほじくり倒された肉穴は、口をくぱくぱと収縮させながら、内部構造を晒していた。とろとろと、汚れ混じりの淫蜜が滴っている。
だらしなく涎を垂らす牝穴に、男はまたも唾を吐きかける。眉を逆立てていた。
「馬鹿女がよ。おマンコを捧げますだぁ? んなモンは当たり前だろうがよ。てめぇは便女なんだからよ」
「アッは、申し訳ございませんッ」
顔面を掴まれ、後頭部を床に押しつけられる。彼の言うことは正しかった。便女たる者、穴を使っていただくのは大前提なのだから。
「ったくこのパープリンは、頭の出来がお悪くていらっしゃいますね。ホレ腐れマンコ、俺ァ手が疲れたからよぉ、一人寂しくマンズリでもコいてイけや」
「かしこまりました。どうか私めの、どうしようもない淫乱変態おマンズリをご覧くださいませ」
言いながら、思い切り脚をおっ広げる。自ら恥部を見せつける、下品きわまる開脚だ。品性の欠片もない。だからこそ、この場には相応しかった。
「あはッ」
陰唇に指をひっかけ、割り開く。ヒクつく肉襞、猥褻なる性粘膜を見せつける。とろぉ……と涎が滴る。
「相変わらずのエロオマンコしやがってよ。俺らみたいなのに見られてよがるとか、頭イかれてんのか?」
「今さらじゃろ。イかれとらんかったら、そもそもこんなとこに来とらんわい」
「違ぇねぇ」
口々に好き放題を呟きながらも、男達の視線は曝け出された淫洞へと向けられていた。どろどろとした、獣欲を隠そうともしない目線を好ましく感じながら、次の行動に移る。
「アッ、ぉ! んっ、はっ! はぁん!」
先ほど散々虐められた肉豆を、今度は自らの手で嬲る。クリクリクリ……と指先で転がせば、ソリッドな刺激が後頭部を駆けていく。ビクッ、びくっと身体を震わせながら、熱い声をあげてよがる。
繰り広げられる痴態を、男達は下卑た目で見つめている。ただし、満足はしていなかった。
「この馬鹿女が、ンなもんがマンズリと呼べるかよ」
「あぁん……!」
唾を吐きかけられる。Dカップの乳房を打たれる。柔肉はふるんっと揺れ、彼の目を愉しませた。
「お上品ぶりやがってよぉ、もっと下品にやれや。便女のくせしてお高くとまってんじゃねぇぞ」
人前で大股をおっ広げて、勃起したクリトリスを擦り上げる。一般的にはどうしようもなく猥劣なはずだが、求められる水準には全く達していなかった。
なにせ今の咲夜は、誰もが目を背ける貧民窟においても、最底辺をゆく便女なのだ。ほんの僅かな品性ですら、残っていてはならなかった。
「あはぁ……申し訳ございません。気づかせてくださって、ありがとうございます」
「ったく、出来の悪ぃマンカスがよぉ……」
どうやら未だ、羞恥や自尊心といったものが存在しているらしい。真に完全で瀟洒たるためには、全て捨て去ってどうしようもなくならねばならない。本心からの謝罪と感謝を示しながら、あらためて公開自涜にふける。
「では、改めまして……あはッ! あぉん、おッ、ぉぅう!」
人差し指と中指を、肉穴へと叩き込む。指先で肉襞をめくり返して嬲り、自ら快楽を貪る。Gスポットをぐりぐりと抉るたび駆け抜けるのは、目の裏がチラつく性感だ。
指が踊るたび、グッチョグッチョと下品きわまる音が膣口から鳴り響く。柳腰をくねくねと躍らせてアピールする。ぴぃんと伸びた脚は、正面から見ればVの字を描いている。
襞という襞をめくり、膣肉を擦り上げていく。快楽を貪りつつ、彼らが残していった汚れを塗り込んでいく。先ほどぶちまけられた唾、痰。手垢。そういったものを。貧民窟に相応しい存在へとなり果てるために。
「あはッ、ぅぐッ、ぉっひッ、あはぁァッ、あぉッ、んはぁあッ!」
嫌悪感にえずきながらも、狂った嬌声を垂れ流し続ける。品性の欠片も存在しない、発情したトドのごとき声を。
乳房を震わせ、雌汁をまき散らしながらよがる様は、とても紅魔館のメイド長とは思えない。目的と照らし合わせれば、良い傾向といえた。
男達はニタニタと、意地の悪い笑みを浮かべながら、咲夜を見つめている。興奮しているのは、血走った目を見れば明らかだ。
――いや、それよりもっと分かりやすいバロメーターがある。すなわち股間だ。皆、一様に勃起していた。着ているのが擦り切れた襤褸なぶん、勃てば非常に目立つ。
何人かは、自ら一物を扱き上げている。汚らしいペニスだ。亀頭からカリ首にかけてペースト状の汚れがべっとりとこびりついている。擦り上げるたびにこねられて、ニチャッ、ニチャッと音がしていた。
手の動きが団扇のように空気を攪拌する。陰茎の漂わせる激臭が、咲夜の鼻にまで届く。
ここで便女になるたび、何度も嗅がされてきた汚臭。腐敗したタンパク臭と放置したアンモニア臭が混ざった、目に染みてくる毒ガス。
「ッぅ、っぐ、あはッ、あはぁ」
衛生観念に基づいた、生理的な嫌悪感によるえずき。幾度となく経験してきた快楽による、子宮の疼き。咲夜の肉体は、二種類の相反する感覚を示した。
「あはぁ、どうぞ、どうぞもっとおチンポ扱いてくださいませ、私めの痴態でぇッ」
オナペットにされている。こんなどうしようもない連中に。性のはけ口にされているのだ。
そうしてくれと頼んだのは自分だが、実際にされてみると、退廃的な悦びを覚える。もっと肉欲をぶつけてほしいとねだる。
「あっはッ! あぉッ、ォおんっ、あはぁ、っひ、はぁあ!」
「おうおうもっとマン穴ほじれよぉ! オカズにしてやっからよぉ」
言われずとも、穴を弄くる指はもう止まらない。汚物混じりの雌汁をあたりにまき散らしながら喘ぐ。男の自慰も、いっそう激しくなっていく。狂ったように、相互手淫に没頭していく。
「あっはぁあッ、はぁッ、ぉうッ、あはぁッ、あぁあんッ……」
互いに互いを欲望のはけ口として見なす、素晴らしい時間。けれども咲夜は、なおも満足していなかった。というか、不満だった。当たり前だ。せっかく自由にできる穴が目の前にあるのだから、使っていただきたかった。
「えぁあ、レロッ、レロレロレロッ、んふふぅ……」
空いていた片手の、親指と中指で輪を作る。手首のスナップを効かせ繰り出すのは、身振りで棒を扱きあげる。
口を開き、唇を窄めつつ、頭を前後させる。舌を突き出して、レロレロと中空で躍らせる。熱烈極まる、フェラチオのジェスチャーだ。
「っへへへ、そんなにしゃぶりてぇのか? アァ?」
「はい、どうぞしゃぶらせてくださいませ。口マンコが疼いてしかたないのです」
髪を鷲づかみにされ、引っ張られる。言葉に嘘偽りがないと、股穴をほじくるぢゅくぢゅくという音で証明する。マジで終わってんなと、本日何度目かの表現で、男はこちらを貶めた。
「なら咥えさせてやるよォ、俺のきったねぇチンポをなァ。イヒヒ、ゲロ吐いてもしゃぶらせっからなぁ?」
「ぅぶ、あはぁあッ……」
眼前に、勃起した竿が突き出される。サイズ自体は立派だし、反り返ったフォルムも勇ましい。ただやはり、貧民窟の住人の多分に漏れず、汚らしかった。
カリ首を中心に、スメグマがびっちり張り付いている。根元の陰毛は老廃物をたっぷり吸って固まり、ゴワついている。
えげつない刺激臭が目を刺す。嗅いだだけで人体の防衛機構が危険信号を鳴らし、横隔膜がせり上がってきた。
もっとも、臭いがなかったとしても、目の前のモノが危険であるのは分かる。亀頭や裏筋にぼこぼこと浮かび上がるイボは、明らかにまともなものではない。じゅくりと、半透明の汁が滲んでいる。何かしらの病に冒されているに違いなかった。
「あはあぁッ……とっても素敵、逞しくて男性的で、見ているだけ口マンコが疼いてしまいます……」
ぬちょぬちょと膣粘膜をほじりながら、賞賛する。お世辞ではなく、本心からだった。逞しいとか男性的の部分は主観が混ざるにしても、口が疼いているのは事実だった。じゅわじゅわと、口内に唾が湧いている。おしゃぶりしたい、させてくださいと主張している。
もちろん、思っているだけでは無意味だ。態度として示さなくては伝わらない。
「レロッ、レロレロレロォ……」
「ぎゃはは! そいつのチンポを舐めたいって!? 本気で頭おかしいぜこのオンナ!」
舌を突き出し、舐めるジェスチャーを繰り返す。卑猥な口内粘膜を見せつけ、どうぞこちらへくださいませと訴える。
ゲラゲラと、便所に哄笑が響く。明らかに病を患ったモノを、嫌がりもせず欲しいとねだる様は、彼らからしても滑稽だった。
「へへへッ、そんなに欲しいか? あ? ああーん?」
「はい、くださいませッ、おしゃぶりさせてくださいませ、どうかお願い致します」
ペちっ、ぺちっと、頬を肉幹で叩かれる。おぞましい生暖かさが伝わってくる。
スメグマのペーストが擦りつけられる。ぐちゅ、とイボから滲んだ膿が音をたてる。漂う腐臭に収縮する胃袋を押さえつけた。
こんな風にされたら、醜いペニスの臭気が取れなくなってしまう。女の命とも形容される顔から陰茎臭をプンプン漂わせる、下品な存在になり果てるのだ。えずきながらも、口元は笑みを形作っていた。まさしく、己の望み通りになっていたから。
「へっ、そんなに言うならしゃぶらせてやるよ。しょうがねぇなぁ」
「あはぁ……ッ。ありがとうございます」
咲夜ほどの美女に傅かれるなど、王侯貴族でも過ぎた栄誉だというのに、あまりにも傲慢な態度だ。奉仕してもらうのがどちらであるか、分かったものではない。
それで良かった。深々と頭を下げる。額を地べたに擦りつける勢いだ。
奉仕せよと突き出された魔羅を、あらためてまじまじと眺める。茸の傘を思わせる先端はビキビキと力強く張り出している。赤いイボがぼこぼこ浮かんでおり、見るからに危険だと分かる。
曲刀のごとく反り返る幹には、白いペーストが張り付いていた。鼻の曲がる臭気をぷんぷんと振りまいて、嗅覚に攻撃してくる。
もはや性器と呼ぶのすら憚られる、汚物と称したほうが近い有様だった。にもかかわらず、ソレを見つめる咲夜の瞳は、愛しさすら孕んでいた。
「では、失礼して……んちゅぅううッ」
まずは先端にキスをする。食事の前に手を洗っていただきますと言うのと同じ、当然の作法だった。
むっちりした唇を触れさせれば、ぶちゅぅと音がした。イボから黄ばんだ汁が滲み、艶めかしいリップを容赦なく汚す。
いったん口を離す。唇に付着した汚濁を、這い出た舌がれろりと舐めた。膿に混じったえげつない菌を、体内に取り込んでいく。
「ッぐ」
まさしく、反吐が出るような味だ。嫌悪感もあいまって、今日何度目か、えずく。
どんどん、便女に相応しい存在へ堕ちていく。素晴らしい気持ちだ。うっとりと、目尻を垂れ下げていた。
「れぇ……ろ、れろっ、んちゅんちゅ、えるぅうう……」
「おほッ、ぉうッ、ぉッ、おおおッ」
桃色舌を細長く伸ばし、カリ首に這わせる。円運動でもって、れろりれろりと舐め回す。
丁寧な奉仕だった。たっぷり唾液をまぶして、へばりつく恥垢のペーストをふやかしていく。
今まで何度も便女となってきた中で磨かれた、彼ら好みの奉仕だ。男は腰を震わせ、聞き苦しい声を上げる。
唾液を含み、スメグマがふやけはじめる。恋人にするようなキスを繰り返しながら、ゆっくりとこそぎ落としていく。
「んふッ……んっ、んぅう……」
口内に取り込んだ老廃物の固まりを、舌と口蓋に挟んで押し潰す。強烈なえぐみと猛臭に、舌が痺れ、涙が滲む。今すぐにでも吐き出したくてたまらないソレを、じっくり噛みしめながら味わっていく。
「んくッ! ふぅッ、んっ! ふっ、んぅう」
グッチョグッチョと、片手は自らの肉穴を耕し続けている。先ほどまでよりも、動きが激しくなっていた。愛汁を床にまき散らしながら、はしたない声を反響させる。
「何まどろっこしいことしてんだ馬鹿女。さっさとしゃぶれっつうの。テメエも舐めただけで満足なんかしねぇんだろうが、ああ?」
「あっ! は、ありがとうございますぅう……っ」
べちんと、頬をペニスで叩かれる。最悪の往復ビンタによって、両頬を汚される。美貌が汚れにまみれ、台無しにされていく。ぐりぐりと押しつけられ、染みつかされていく。
胸に満ちる屈辱が嬉しくてたまらなかった。おかげで、返答を間違えてしまった。怒られたのだから、申し訳ございませんと返すべきだ。つい、感謝してしまった。
「えぁあっ……あむぅうんッ。ッぶぇ」
大口を開ける。正面から覗き込めば、口蓋垂まで丸見えの勢いだ。品位などない。まさしく、貧民窟に相応しい存在だった。
ぱくりと、一口でかぶりつく。こういうモノをいただく際には、上品であってはいけない。はしたなく、だらしなく、みっともない振る舞いこそがフォーマルなのだ。
口内に迎え入れた途端、脳天を金槌でぶん殴られたかのごとき衝撃が、意識をぐらつかせる。瞳が揺れる。
満ちる臭いと味は、先ほどまでと比較にもならない。還元ジュースの原液を味わわされたようなものだ。だからこそ、素晴らしい。もっと欲しいと、本能が主張しはじめる。逆らう咲夜ではなかった。
「んぢゅるぅッ、ぐぷッ、ぢゅるるッ、んふぅッ、ぐぽッ、んぷぅ」
頭を前後させ、口淫奉仕を開始する。根元から先端までしゃぶり尽くす、熱烈極まるフェラチオだ。
ぢゅっぽぢゅっぽと、口端から唾液と空気の混じった淫音が響く。どれほど夢中になっているか窺える。相手が汚物同然のモノとは、とても思えないふるまいだった。
口内では舌が自由自在に蠢いている。幹へ唾液をたっぷりとまぶしながら、ヌルヌルと愛撫する。舌先をカリ首に這わせて、円運動で舐め回す。挑発するように、鈴口から裏筋にかけてちろちろと刺激する。病原菌を帯びた膿のエグみが、味覚を襲った。
「んもっ、ぢゅるぅっ、んぷっ、んぽッ、くぷッ」
眉尻を垂れ下げ、瞳を蕩かし、口端から涎が滴るのも気にせず尽くす。猥褻極まる口腔奉仕だった。もごもご蠢く頬の動きが、繰り広げられる愛撫の激しさと卑猥さを物語っていた。
「っぉッ! おぉッ、おほッ、おッおッ、すげぇ、ぅぉおおおッ」
男はときおり声を裏返らせながら、やかましい声で唸る。超一流の口淫の前では、どんな男もただのアホになるしかないのだ。
「っへへ、そんなにチンポが好きかよあばずれ。ぉっ、ならもっと深くまで、ォウッ、味わわせてやるよぉ」
男は際限なく調子に乗る。彼女の頭を乱暴に掴む。
何をされるのか、していただけるのか、咲夜はもちろん理解していた。裏筋を舌先でつんつんと突き、情欲を煽る。次の瞬間に来たるだろう口虐のため、喉を開いて待ち受けた。
「そらよぉ!」
「ぉぐぅうッ!」
抱えた頭を引き寄せる。反対に、腰を突き出す。
肉棒は物理法則に従って、彼女の口腔を刺し貫く。ごつっと、頭の奥から音が聞こえた。亀頭の先端が、喉の粘膜を小突いたのだ。
喉奥では飽き足らず、食道にまで入り込んでくる。噛み砕かれた半固形のみが入場を許される空間へ、鉄兜がどうどうと侵入する。ゴリゴリッと、己の中から音が聞こえた。肉が拡張され、割り開かれる感覚、被虐性感をもたらした。
「ンッ、ぐ、ふ、ぐぇ」
誰もが羨む美貌は、男の下腹に押し潰されている。ゴワついた陰毛の茂みに埋もれている。鼻筋が圧迫され醜く歪んでいた。
茂みの根元あたりの臭いを、ダイレクトに嗅ぐ羽目になる。汗と垢と尿を中心とした、老廃物・排泄物の臭気だ。脳味噌をかき混ぜられるエクスタシーに、半ば白目をむく。
見出したのは、あろうことか恍惚だった。頭蓋骨を切り開いて、中身をペニス漬けにされているかのようだ。中毒性のある法悦に震える。
頬が窄まる。ぢゅぅう、と肉幹に吸い付く。彼女が今、何を感じているかを示していた。
「ぉごッ! ぐぼッ、んぶッ、ぉえッ、ゥグゥゥ!」
もちろん、喉奥に突っ込んで終わりではない。サッカーボールでも扱うかのごとき雑さで、男は咲夜の頭を前後させる。ぼぢゅッ、ぼぢゅっと、唇から濃厚なイラマチオサウンドが鳴る。肉棒が引き抜かれては、異物の入ってはならぬ場所まで貫いていく。
ゴリゴリと、喉粘膜が抉られていくのが分かる。覚えるのは鋭い痛みと、マゾヒスティックな快感。便女になるたび施していただいた、イラマチオ調教のなせるわざだった。
「んふぅうゥ、んぶぅ! ぉッ、んふぅッ、んもッ、ぉおん!」
口腔を性処理道具にされる悦びは、彼女の指を動かした。
ヒクヒク疼いていた牝穴を、ぐちょぐちょぐちょと掻き回す。
身体の内側からめくり返る勢いだ。
へっこへっこと、柳腰が情けなくくねっている。変態的なマスターベーションを繰り返し、淫猥汁をまき散らしてなお、満足していないのだ。
「ぎゃはは、ドがつく美人も、あんなふうにイラマされちゃ意味ねぇな」
「まあいくら顔が良くても、頭がイッてっから差し引きゼロだけどな。聞いてみろよあの声。発情期の豚みてぇじゃねぇか」
「すると今はプラス分がなくなったから、マイナスってか。便女にゃお似合いだなぁ!」
みっともなく情けない様を、男達はゲラゲラと嘲笑う。一方で、興奮も覚えているらしかった。股間に浮かんだテントが、何よりの証拠だ。
「んぼぁッ!」
脆弱な粘膜を穿ちに穿って、男はある程度満足したらしい。咲夜の頭を解放する。
酸素を取り込むべく、魔羅から口を離す。唇から亀頭にかけて、でろりと粘っこい糸が伝った。破壊された食道粘膜の残骸だ。
「はぁッ、はあ、げほッ、げほ」
肩を上下させ、むせながら、新鮮な空気を取り込む。新鮮といっても、場所が場所なので淀んではいる。とはいえ、今の咲夜の吐息も、似たような臭いを漂わせているのだ。似た者同士である以上、問題にはならなかった。
「ホレ、何ボケッとしてんだ変態口マンコ。続きをすんだよ続きをよぉ」
「ッ、かは、もうしわけ、ございません」
澄んだよく通る声は、幾分しゃがれていた。その出所たる器官をほじくり倒されたのだから当然だ。未だヒリつく痛みが、甘い官能となって咲夜を揺さぶっていた。
まったくよぉ、とボヤきながら、男は彼女の頭に肉竿を乗せる。さながらちょんまげのごとく。とんでもなく屈辱的な扱いに、自分がどれほど見下されるべき存在になり果てたかを自覚する。嬉しさに、目尻が垂れ下がった。
ここで再び口淫を始めるのは、二流の仕事だ。手を変え品を変え肉棒に尽くせてこそ、最低の淫乱便女であれる。
再び、男の下腹に顔を埋める。陰毛の饐えた激臭は、今の彼女にとっては催淫アロマだ。鼻孔をヒクつかせながら、狙うのは竿の根元からやや下。ぶらぶらとぶら下がる玉袋だった。
「んれろぉおおっ……」
老婆の顔面のごとく皺くちゃなソレに、舌を這わせる。唾液をたっぷり纏った舌で、表面をそっとなぞる。フェザータッチと呼ぶにも優しくだ。男性の肉体における最大の弱点だ。最大級の丁寧さをもって扱ってしかるべきだった。
「むちゅっ、むっちゅ、んちゅっ、んふぅッ、んんっ、ちゅむぅうっ」
「ぉほッ、ぉうッ、ぉおッ、いいぞいいぞ、もっと舐めろキンタマ女ァ」
口づけながら、舐め回す。陰嚢をふやかし、シワに詰まった垢まで残さずこそぎ落とす勢いだ。
玉裏あたりは特に臭いも濃厚だ。会陰の蒸れた雄香に、うっとりと目尻を垂れ下げる。激臭でくらくらと揺れる意識のなか、朦朧としながら、睾丸奉仕を続ける。
「おいおい変態マンコよぉ、愉しんでるとこ悪いんだけどな?」
「そいつばっかり相手するのは不公平ちゅうもんじゃろ、ワシらの相手もしてくれるかのぉ」
むっちゅむっちゅとリップサウンドをまき散らしながら行われるのは、あまりにも熱烈な奉仕だった。たまらなくなったのは、周囲で見ていた男達だ。
陰茎を露出し、咲夜へと突き出す。その口を己のペニスにも捧げよと、亀頭を見せつけながら命令する。
「ッは……」
息ができない。両手で数え切れない醜悪棒が、周囲をぐるりと取り囲んでいる。一本だけでも鼻が曲がるほどのモノが、十を超える数あるのだ。肺まで腐り果ててしまいそうな勢いだった。
だからこそ、なんて素晴らしいのだろうと感じる。道具は使われてこそだ。こんなにたくさんの人から使っていただけるなど、穴冥利につきる。彼らに感謝すら覚えていた。
どれだけありがたく思っていようとも、言葉にしなければ伝わらない。いや、彼らのおつむを考えると、言葉でも伝わらない。ならば、態度にするのだ。具体的な行動で示すのだ。
つまりは、濃厚極まる猥褻フェラチオで。
「あはぁ、かしこまりました、十六夜咲夜のお口便器へ、どうぞたっぷりドピュドピュヌキヌキしてくださいませぇ、あもっ、んぢゅるぅう」
己の品位を貶めながら、手近なモノにしゃぶりつく。埃や垢で黒ずみ、包皮が半ば癒着した竿に。
頭を前後させ、窄めた唇でむぢゅむぢゅと吸いあげる。むっちゅりと唇で愛しながら、大量の唾液をまぶしていく。へばり付くスメグマをふやかしていく。
「んもっ、ぢゅるッ、レロレロレロレロッ、んちゅるぅう」
「ほほッ、ぉおゥ、ぉっほ、おっおっ」
淫猥音を上げながら、男根を口内で舐め回す。水分を帯び、濃厚な臭気をムワムワ振りまき始めた恥垢を、優しくこそぎ落としていく。固まっていた垢がペリペリペリ……と剥がれる感覚は、なんともいわない掻痒感を与えたらしい。裏返った聞き苦しい声を上げている。
「んぽあっ」
もちろん、一本に奉仕して終わりではない。傅くべき御竿は、他にも沢山あるのだから。
適当なところで口を離す。ほう、とペニス臭い息をつくと、また新たなモノにかぶりついた。
「ぢゅるッ、ぢゅるるッ、ぐっぷ、ぐっぽ、ぢゅるぅッ、ずよよよッ」
同じように、汚れを落としていく。――いや、同じというのはいささか語弊がある。
人には個性があり、ペニスの造形も異なる。繰り出すのは、一本一本の形にあった、丁寧なおしゃぶりだ。紅魔館のメイド長として学んだホスピタリティをフル活用して、彼らの下半身を清めていた。
「へへへ、ォウ、ホントいい便女だよなぁ」
「この生活も悪くねぇ気がしてきたぜ、最高の全自動チンポ掃除機つきだもんなァ?」
「んふぅう……」
全自動チンポ掃除機。性処理にしか価値を認めない、女を女と思わないどころか、人とすら考えない物言いだ。だからこそ、今の咲夜にとっては、最高の褒め言葉だった。褒められた嬉しさで、ただでさえ赤い頬へさらに朱が差した。
ポジティブな感情は、仕事をよりいっそう熱心なものにさせる。モノは何本もあるのだからと、手も使うことにする。
「ぉッ、おおうッ、ぉッおッ」
白くたおやかな指を、反り返りいきり立つ汚らしいモノに絡める。根元から先端にかけてゆっくりと扱きたてれば、ニチャッ、ニチャッと聞き苦しい音が鳴る。
日頃のナイフ捌きを存分に活かして、手首のスナップを効かせた手淫を繰り出す。最上級の絹よりも滑らかな掌で擦り上げられる感覚は、世界中の男性が求めてやまない。
「おっほ、おぅッ、いいぞぉ、玉も揉めェ、もっと気合い入れてチンポ扱けェ!」
命じられるまま、男根に尽くしていく。それでも、両手は使わなかった。もう片手は、自らの股座を慰めていた。一人寂しくマンズリでもコいてイけ――命令を、忘れたわけではなかった。
「んふぅッ、ぶぢゅるっ、レロロロ、んっぷ、んくぅん、ォッ、ォンッ!」
どうしようもない淫音をあげ、黒ずんだ雌蜜をまき散らしながら、肉穴をほじくり倒す。喉の奥から漏れる声は、発情期の獣のようだ。便女のマナーコードに沿った、下品なる嬌声だった。
「おぉっ、オッオッ、射精るぞ雌豚、全部飲み干せよォ、こぼしやがったら歯ァ全部引っこ抜いて売りさばくからなァ!」
暴言を吐き散らしながら、男は唸る。男根が膨れている。
今にもはち切れんばかりのソレにちゅうちゅうと吸い付く。蠢く舌は、さながら独立した意志をもつ別の生物のようだ。ぢゅるぢゅるむしゃぶりつけば、あっというまに男は絶頂を迎えた。
「ぉうッ、おおおッ、ぉおおうッ!」
「んふぅん……!」
腰を突き出し、十六夜咲夜の口腔を味わいながら濁液を吐き出していく。あがる声はガマガエルの鳴き声に似ていた。聞き苦しく、やかましい。
ドッ、ドッと口内で肉棒が脈動を繰り返すたび、鈴口から汚濁が解き放たれていく。触れるだけで病気になってしまいそうな不潔なモノであろうと、雄のリキッドは熱く、逞しい。
無数の精虫が泳ぎ回って生まれる熱は、女を狂わせ、性奉仕のための肉穴に堕とすため存在している。舌の上で転がし、噛みつぶして、おぞましき熱量を心ゆくまで堪能する。
刺すようなえぐみと猛烈な雄臭は、性的酩酊とでも呼ぶべき感覚をもたらす。素敵さに股を痺れさせながら、雌犬の表情を浮かべる。
「んぢゅるぅッ、ちゅるるるッ……んぽっ」
肉竿の脈動が収まっても、数秒間、ずっと吸い付いていた。余韻までたっぷり味わった後、ようやく口を離す。尿道に溜まった残りカスまで、しっかりと啜っていた。せっかく射精していただいたものだ。無駄になど、出来るわけがなかった。
当然、口の中に溜まったモノも、大事に飲み下す。スペルマを己の血肉とすれば、より便女として相応しい肉体になれるだろう。精臭をぷんぷんとまき散らす、最低最悪の下劣ボディに。
白い喉が蠢く。生暖かく、粘つく汚汁の喉越しは、はっきり言って最悪だ。だからこそ素晴らしかった。
「オイ、こっちもだ淫乱、出すからしゃぶれや」
「待て待て俺が先だ、俺だよ、オレオレ!」
「何を言うかぁ若造が、ワシが先じゃワシが!」
一人を皮切りに、次々絶頂に近づいていく。こちらを向け、いやこっちだと、口々に主張する。
困ってしまう。できれば一人ひとり相手してさしあげたいけれど、流石に時間がかかって仕方ない。
だからここは、セルフサービスだ。そもそも便器というのは、個々人が勝手に排泄物を吐き出していくものなのだから。
「皆様、どうぞ私の口マンコに、ぶちまけてくださいませ……」
顔を上向け、大きく口を開ける。口蓋垂や扁桃までよく見えるよう、喉を開いた。舌を限界ぎりぎりまで突き出す。手を添え、万一にも溢れないようにするおまけ付きだ。
「へへっ、そういうことならお望み通りにしてやるよ」
「そのおキレーなツラ、ザー汁まみれにしてやる、イヒヒッ!」
「はっはぁあッ……!」
絶頂寸前の一物を、男達は自ら扱き上げる。次から次に、咲夜へと精を放ち始めた。びゅるびゅると、どくどくと、男根が汚濁をぶちまけていく。ピンク色の口内粘膜が、あっと言う間に真っ白に染まっていく。
そうして口腔につくられたのは、何人分かも分からぬスペルマのプールだ。何十億という精虫が泳ぎ回るおぞましき生命のスープは、もはや毒ガスに近い臭気を容赦なく振りまいている。嗅覚などアッという間に麻痺させて、それでもなお鼻が曲がりそうだと感じさせるほどだった。
「あは、アハッ、あぁあ」
白い水たまりで、舌が泳ぎ回る。狂った味覚から、後頭部が痛くなるほどの苦味が伝わってくる。唾液が溢れまくっていた。
「ほれほれ、お化粧の時間だ」
「ザーメンパックだ、どこに出しても恥ずかしいツラにしてやるよぉ」
もちろん、口腔を埋め尽くしただけで、彼らが満足するわけもない。何人かはわざと狙いを外して、彼女の顔面に汚汁をひっかけていく。誰もが振り返る美貌が、誰もが見下し唾を吐きかけるほど台無しにされていく。顔面を埋め尽くすおぞましい生暖かさ、堕落していく恍惚に、蕩けた声が漏れる。
「おーっと、便器は便器っぽく使ってやるかァ、ぎゃははは!」
「えぁッ、あはぁッ、あふぅッ、あぶっ」
ぶちまけられたのは、精液だけではない。小便もだ。差し向けられた尿道口から、ツンと鼻を刺す黄金水が放たれる。白い肌、艶めく銀髪が、腐敗した排泄物にまみれていく。顔面にかけられ、鼻孔に流れ込む。口内のスペルマと混ざって、最悪のミックスジュースとなる。
「あッは、あっは、ぁはぁあああッ……」
「おいおいなんだコイツ、嬉ションしてやがる」
「オイオイ、意味不明すぎるだろ。怖ッ」
嬉しさのあまり、尿道括約筋が緩むのも当然といえた。溜まっていた黄金水が、しゃぁぁ……と漏れはじめる。雌汁混じりの小水は、とても十六夜咲夜から出たとは思えぬほど濃い色をしている。パルファムのごとき芳しき香りを、むわりと漂わせていた。
「あー、出した出した」
「くっせぇなコイツマジで。鼻が曲がるわ」
「俺らが言うかそれ」
ようやく、狂った時間が終わる。咲夜の姿は、ひどいという言葉では到底形容できなかった。頭頂から爪先まで汚物にまみれ、口腔に欲望を溜め込んだ様は、完全とか瀟洒といった表現からほど遠い。――本人が望んだとおりに。
ひとをそこまで貶めておいて、男達はまったく悪びれもしなかった。むしろへらへらと嘲笑う始末だった。
「あっ、は、あぁ……」
なんて奴らだ――と、激情を抱く。と同時に、だからこそ天にも昇るほどの感謝を捧げていた。
さしあたって、出していただいたものを飲み下さなくては。口を閉じる。頬はハムスター、もしくは怒ったフグのごとく膨れていた。いま頬をつつかれれば、えげつない汚汁をぴゅうと噴き出す一発芸になるだろう。
「んぐっ、ンッ、ぐッ、ぅぐぇッ、ぉエッ」
ゆっくり、嚥下していく。といっても、非常に困難だ。性病持ちも混ざった男達からの、何十発分ものスペルマ。危険な病原菌も含まれている。さらには黄金水まで混じっているのだ。
身体の防衛機構が、これはヤバいぞと告げる。嘔吐感が容赦なくこみ上げ、何度もえずく。だからといって、吐き出すなど許されるわけもない。小便器で用を足したら、いきなり逆流したなど、利用者からすれば嫌すぎるだろう。
なにより、吐き出したくなるものだからこそ、良いのだ。最低最悪のバルジを自らに取り込み、血肉とすれば、価値はどんどんと下がっていく。そうして穢れ果てる感覚を知って初めて、完全であれるのだろうから。
「んっぐッ、ぉぐッ、んぅう」
精液は、なかなか喉を下りていかなかった。いちいち横隔膜がせり上がるのもあるが、あまりにも粘っこすぎるのだ。金玉の中で煮えたぎりに煮えたぎっていた雄の欲望は、ゲルかと思うほど濃厚だった。もはや液体より餅に近い。詰まらせかねなかった。
でろでろと喉に、食道に絡みつく、最低の喉越しを愉しむ。たっぷり数分かけて、どうにか、全てを胃袋に収めた。胃の辺りが、心なしか膨らんでいるように見える。おぞましいミックスジュースが溜まっているのだ。
「ぐぇっぷ……」
せり上がってきたガスが、喉の奥から音を伴い溢れた。要するにゲップだ。漏れた息は、嗅げばその場に崩れ落ち身悶えするほどの精臭を纏っていた。
「おうマンカス女よぉ、ずいぶん便女らしくなったんじゃねぇか?」
「あは、ありがとうございます……」
「でも、まだ終わりじゃねぇよなぁ? てめぇみてえなド変態が、フェラだけで満足できるわきゃねぇもんなぁ?」
「はい、おっしゃるとおりです。恐れ入りますが今一度皆様にご協力願いたく……」
顔面も口腔も胃袋も、たっぷり汚していただいた。今の姿で道を歩けば、誰もが顔をしかめ、石を投げつけてくるだろう。なんとも素晴らしい成果だ。しかし、まだ足りなかった。大事なところを踏み躙っていただいていない。
「皆様、どうぞ私の、十六夜咲夜めの卑しくいやらしくはしたない、どうしようもないおマンコをお使いくださいませ。何の価値もないユル穴ではございますが、精一杯ご奉仕させていただきますゆえ」
自ら四つん這いになる。得体の知れぬ汚れにまみれた、手袋越しにも触れたいと思わぬタイルの上にだ。別に構いはしない。この床ですらお上品で贅沢に思えるくらいの女になることこそ、己の望みなのだから。
「オラ、もっと頭下げろよ」
「んぶぅうッ」
後頭部に圧がかかる。踏みつけられたのだ。雄のヘドロにまみれた顔面が、地面とキスをする。
屈辱的な扱いを受けて、しかし彼女はもがきすらしなかった。むしろもっと嬲ってほしいとばかりに、身をくねらせる。尻を高く掲げて、ここを貫いてほしいのだとアピールする。
「おうおう、舐めさせるなら、床よりもコッチだろォ!」
「んんぅううううっ!」
髪を引っ掴まれる。ダンクシュートの勢いで頭を突っ込まれた先は小便器だ。無数の男達が排泄し、しかしろくに清掃されていない。尿石がこびりつき、焦げ茶色にまで変色している。吐き気を催す饐えたアンモニア臭に、目から涙がぼろぼろとこぼれた。
「んぐぇッ、ぅぐッ、んはぁ、あはぁぁ、あぁぁ」
なんて酷い扱いだろう。人を人とも思わぬとは、こういうことをいうのだ。が、むしろ咲夜は悦びを見出していた。目標地点は、人を辞めた先にあるからだ。
ぷりぷりと尻肉を躍らせる様ときたら、とても非人道的な虐待を受けている最中の態度ではない。あげく、陰唇に指を引っかけ、割り開くおまけ付きだ。
ナイアガラかと言いたくなる勢いで、とろとろと雌蜜が溢れだしている。むわむわと、どうしようもなくはしたない、雄誘いの淫猥臭をまき散らしている。内部の襞は恥知らずにもヒクヒクと収縮を繰り返し、早く虐め倒してくださいと主張している。
彼女がセックスを本気で心待ちにしていると、百の言葉よりも明確に伝わってくる。だらしなく、さもしく、浅ましい雌犬の姿だ。
「ぎゃーははは! なんだお前、マンコがしゃべってんじゃねぇか!」
「ほぉれ、ここか? ココ弄ってほしいんだろうが、ええ?」
「んふぅうッ! ンッぐぅうう、ォおおんっ!」
意地悪くゲタゲタと嘲笑う。曝け出された肉穴に指を突っ込み、ぐっちょぐっちょと掻き回す。性粘膜への刺激に、熱く蕩けた声をあげる。けれども、まだ足りないと感じた。もっと熱くて硬くて長くて太くて逞しいモノでなくては、決して満足などできない。
「はん、どーやら本気でハメてほしいらしいな? ならしょうがねぇ、使ってやるか。あーあー、ザーメンがもったいねぇなァ~!」
「あはぁ、ありがとうございますッ、ありがとうございますぅ!」
いかにもわざとらしい口調とともに、肉棒を押し当ててくる。きたるべき快楽への期待に、陰唇はキュンッと収縮した。
膣口から、猛烈な熱が伝わってくる。女などろくに抱けない、というか近づく機会すらない暮らしの中で、歪み煮えたぎった欲望の象徴。垢や雑菌に塗れた、汚物同然のモノ。そんなもので貫かれるのだ。恐怖と恍惚で頭がおかしくなってしまいそうだった――いや、語弊がある。頭は、すでにおかしくなっているのだから。
はぁはぁと、熱い吐息を零しながら、腰を上下にくねらせる。性病膿のへばりつく亀頭と陰唇が、熱烈なキスを繰り返す。
どうぞソレで貫いて、膣穴に取り返しのつかない刻印を施してほしい。十六夜咲夜を終わらせてほしい。そういうメッセージだった。
「そぉら、本日初チンポだ、たっぷり味わえイカレマンコが!」
下半身が繰り出す猥褻ダンスを楽しんだ後、男はようやく、彼女を使う気になったらしい。腰を勢いよく、前方に突き出した。ぶぢゅんッ! と、濃厚な蜜音が響く。
見ているだけで病気になりそうなえげつないモノが、物理法則に従って肉穴を割り広げていく。めりめりと肉襞をめくり返し、蹂躙する。下腹と尻が、ばつんっ! と音をたててぶつかった。体内では、イボの浮かぶ亀頭が子宮口をノックする。
「ほぉッ、あひッ、ぉおおおおおおんッ!」
発情期の豚を連想させる、淫乱まるだしのいななきが反響した。人生を終わらせる、最低最悪のセックス開始の合図だった。
「ぉっほッ、すっげぇ締まるッ、脳味噌の栄養ぜんぶマンコに吸われてんじゃねぇかコイツッ」
熱い声をあげながら、ピストンを繰り出してくる。先端が抜けるギリギリまで腰を引いたかと思いきや、根元まで差し込んでくる、勢いあるストロークだ。その腰使いにはテクニックの欠片もない。極めて独り善がりで、相手への気遣いも、悦ばせてやろうという気概も感じられない。
「あっはッ! あぉッ、んぉおッ、ぉっひッ! は、ああっあっ、ぉおんッ! はぁあ!」
にもかかわらず、咲夜はオーバーなほどよがっていた。演技ではない。本気で感じているのだ。
ゴリゴリと肉襞を抉る不潔亀頭。恥垢が擦りつけられ、体内へとそぎ落とされていく。完全で瀟洒だったヴァギナが、誰もが顔をしかめ唾を吐く最低穴にお成り果てていく。己が台無しにされていく恐怖に、マゾヒスティックな性感を見出していた。
「あはぁあッ、ぁおんッ、はぁッ、あっあっ、あっはぁあッ」
「ほッ、おほほッ、裏筋に絡むっ。いいぞぉ、もっと締めろ便女がァ」
ゾリゾリといいところを擦られるたび、キュンッ、キュンッと牝肉は収縮する。自らを貫くモノを歓待する。レイプ紛いの行為の最中とはとても思えぬ反応だった。
男は気を良くしたか、いっそうピストンを激しくする。 どぢゅッどぢゅっと、耳裏にへばり付く音が結合部から響いている。凌辱まがいなセックスの激しさを物語っていた。
「あはぁあッ、ォんッ、あっはッ、あは、あぁあんッ!」
もちろん咲夜も、していただいてばかりではない。最近はなんだって全自動な世の中だ――便器がペニスを悦ばせるのも例外ではない。
うねっ、うねっと、柳腰を躍らせる。ぷりぷりしたヒップが、独立した生物のごとくくねりまわる。
瀟洒さのかけらもない、下品極まる腰振りだった。セックスにおいては、そのようなふるまいこそが正しいのだ。
「おら便女、床掃除しろ床掃除! そのオキレーなパイオツでよぉ! ぎゃはは!」
男達の嗜虐心は、なおも満足していなかった。彼らが目をつけたのは、突かれるたびにぷるんぷるんと揺れていた乳房だ。
組み伏せられ、床に上半身を押しつけさせられる。柔らかなDカップバストが、圧力によってむにゅんと形を変える。
「あぁんッ、ぉんッ、あはぁ、ぉっおっおっ、ぉほぉッ、はひッ、あはぁあッ」
ピストンのたび、上半身がずれる。柔肉が床べたを擦る。白い肌に汚れが付着していく。
人の乳肉をモップに見立てているのだ。悪趣味極まる発想だ。桃色の乳輪も白皙の肌も台無しにされていくのを目の当たりにしながら、深い悦びの声をあげる。
「まぁだ足りねぇだろ。ホレ便女、ケツ舐めの時間だぜェ!」
「ッア!」
本日何度目か、髪を鷲づかみにされる。顔を上げさせられた先にあったのは、男の下半身――それも、後ろ側だ。薄黒く汚れた、できものだらけの臀部が目の前にあった。
「ほぉれッ」
「むぐぅう……ッ!」
最悪の部位を、あろうことか顔面に押しつけてくる。ろくに風呂に入れもしない浮浪者の尻をだ。
なにをするのかと、抗議するつもりはなかった。むしろ、初恋のごとき胸の高鳴りに震えていた。咲夜が次に取った行動は、余人にとっておよそ理解しがたいものだった。
えくぼの浮かんだ硬い尻たぶを、白い指で左右に割り開く。現れたのは、地獄の門だ。焦茶色をした内臓への入口は、外気に触れてうごうごと蠢いている。周囲には縮れ毛が生えており、得体の知れぬ――およそ想像はつく――カスがこびりついている。
先ほどの玉舐めで感じた会陰の臭気をさらに強烈にした、反吐の出る汚臭が鼻孔に流れ込む。目からはぼろぼろと涙が流れる。悲しいのではない。激しすぎる悪臭が、目に染みているのだ。
「んぶぅ――んちゅうぅんッ、むちゅッ、むちゅッ、んちゅうッ」
そんな最低最悪の部位に、あろうことか、自ら唇を触れさせた。いや触れさせたどころか、熱烈に押しつけていく。何度も何度も、恋人に捧げるような、音がたつほどのキッスを繰り出していく。
「ッグ、ぉえェッ……!」
とたん、胃袋がひっくり返りそうになる。脳味噌が揺さぶられる。なにせ相手は、どれだけ洗っていないかもわからない排泄器官だ。感じるのは、僅かでも胸が悪くなる臭みとえぐみだ。堪えられるわけもなかった。
一方で咲夜は、麻薬をキメたかというほどの恍惚をも覚えていた。目の奥がスパークし、口元がえへえへと歪む。
相反する感覚に、気が狂ってしまいそうだ。けれども、やめるつもりはなかった。
「ちゅぅぅッ、ちゅむッ、んちゅッ、れろれろれろれろ……んちゅぅううんッ」
「ぉッ、ぉうッ、ぉおッ、ぉおほ、ぉおッ」
何度も、男のアヌスへ接吻する。肛門自体に飽き足らず、その周辺へまで舌を這わせる。ちょろりとみっともなく生えた毛、何かのカス、垢といったものを舐めとっては嚥下していく。
こうまで熱心に奉仕されるとは、要求しておいて思っていなかったのだろう。肛門を押しつけた男は、裏返った声をあげ腰を震わせる。
これだけやって、咲夜の奉仕精神は未だ尽きていなかった。唇の隙間から這い出た舌でもって、刺激に固く閉じる門をつんつんとつつく。わずかに力を込めて菊座をこじ開け、内部へと侵入する。
「おっほぉおおおおッ――」
「んぐぅうううううッ――」
男から、魂が抜けたかのごとき間抜け声が上がる。対する咲夜は、嘔吐する一歩手前で踏みとどまった。
胸糞悪いものや虫唾の走るもの。忌々しいもの、むかむかするもの、気色悪いもの、下卑たもの。それらを世界中からかき集めて、鍋に放り込んで三日三晩に詰めた味がした。おぞましいの一言だ。
発狂しそうになりながらも、やめようとは思わない。ヌルヌルレロレロと、不快の二文字では到底表現できない腸内を舐め回す。反吐が出る生暖かさを堪能する。前立腺を舌先でこねて、男性機能を刺激する。
「おうコラ、何気ッ色悪いことしてやがんだ、マンコに集中しろやボケカス女!」
「んっぉ、んぉおぉおうんッ!」
たまらないのは、肉穴を突き上げるほうの男だ。不愉快なものを見せられたとばかりに、苛立ちを込めたピストンを繰り出してくる。
最奥部が、亀頭にゴツゴツと突かれている。垢や膿を纏った肉棒で、子宮口がノックされている。衝突のたび、目の裏のチカチカする快楽が駆け抜けていく。
女として最上級の悦びと、病を移されるかもという恐怖が、同時に襲い掛かってくる。気が狂ってしまいそうだ。
「んぉおぅッ、ぉうん、ッ、ぉうッ、ぉッおっ、んぉおおッ!」
「はん、牛みてぇな声だな」
ぢゅるぢゅると尻穴をねぶり回しながら、牝穴交尾の快楽に蕩ける。上がる声は、男達が嘲笑ったとおり、発情期の牝牛を連想させた。畜生なみの脳味噌に成り果てながら、彼女はただただ、快楽を貪っていく。
「ぉッ、オッ、おッ、キタキタッ、上ってきたァ……!」
そうして性快楽を貪欲に求めていたからこそ、分かることがある。体内で、ペニスが膨らんでいた。何を示す兆候か、何度も便女に堕ちてきた咲夜はもちろん知っている。射精が近いのだ。
使っていただく身として、卑しく下手に出て膣内射精をねだるのが正式な作法だ。とはいえ、今は口が塞がっている。無理に喋ろうとして、アニリングスを疎かにするわけにもいかない。
なので、代わりに腰使いで示す。くねりうねる淫猥テクニックと、キュンキュン締め付ける膣肉の具合は、種付けをねだる何よりのメッセージだ。
「おほッ、この女マンコで搾り取ってきやがる! へへ、そんなにザーメンが欲しいかよ変態女、ならお望み通り、ド濃ゆいのをぶちまけてやるッ、おッ、オッ、おおッ……!」
「んぉおうッ、ぉんッ、ぉッおっおッ、ぉおんッ……!」
擦り切れる勢いで腰を繰り出してくる。ぼぢゅぼぢゅと、結合部からえげつない音がする。比例して、咲夜の動きもいっそう激しくなっていく。恥しらずのヒップが、腰の打ち付けられすぎでサルのごとく赤く染まる。そうしてとうとう、最後の瞬間が訪れた。
「ォッ、オッ、おッ、出る出る出る、おぉッ、ぉおおおおお――!」
下腹と尻が、ぴったり密着する。体内では亀頭が子宮口を思い切り小突き上げ、一ミリたりとも逃げられないようがっちりロックする。そのまま男は、己の欲望を、十六夜咲夜の腹へと勢いよく解き放った。
ドッドッと、力強い脈動を繰り返し、肉棒が性欲をぶちまけていく。おぞましい病原菌混じりの無数の精虫が、彼女の聖域にて縦横無尽に泳ぎ回る。十六夜咲夜を人間として終わらせるべく、鞭毛を蠢かす。
「んぉおッ、ぉおおおおおおおおおおぅんッ!」
牛のごとき悲鳴を白い喉から上げる。結合部から、ぶしぃっと熱い蜜が噴き出す。ぶるぶるがくがくと、全身の筋肉が痙攣する。脳天を突き抜けた快楽信号がオーバーフローしているのだ。レロレロレロと、舌が蠢きまくっている。子宮を駄目にしていただけたことを感謝するかのごとく、激しい肛門舌奉仕を繰り返していた。
「ぉッ、おおッ、おぅ、いやぁ……出した出した」
「ったくコイツ、どんだけ熱心にケツ舐めるんだよ。ふやけるっちゅうの」
「んぉッ、おほ……おひッ、ぉぅうッ、ぉお……」
やがて、体内での肉棒の脈動が収まっていく。子宮は浮浪者の子種で、ぱんぱんに膨れ上がっていた。ぎとぎとのスペルマが、体の中から咲夜を狂わせていく。
アニリングスから解放された彼女は目を白黒させ、床に突っ伏すばかりだ。顔面は得体の知れない汁で汚れ、口元には縮れ毛がへばり付いていた。男の尻毛だ。
「おうお前、何中出ししてんだよ。俺が後で使うんだぞ?」
「ほうじゃほうじゃ。貴様がチン汁ぶちまけたオメコに突っ込めっちゅうんか」
「ああ? なんだよ、そんなこと気にするような玉かよお前ら」
無責任な膣内射精を、周囲の男達も咎める。咲夜の貞操を気遣っていたわけではない。自分にとって気分が悪いからだ。誰も彼も、彼女を「使う」つもりで一物をおっ勃てていた。
「しょうがねぇ、なら、ナカを綺麗にしてやらねぇとなぁ?」
「んは……っひ!? おッ、は、あぁあッ……!?」
裏返った声が、白い喉から漏れる。膣内の肉棒が、精液とはまた違うものを放ち始めていた。
精液と同じくらい熱いが、ずいぶんさらさらしている。おぞましい熱量を孕んだソレは、黄金水だ。あろうことか男は、咲夜のヴァギナにて放尿しているのだ。中出し汁を洗い流すためという、ふざけた理由で。
「あはぁんっ、あぁん、おべんじょ、おべんじょにされてるぅう……っ」
「あーあーアレで感じてやがるぜ、どうしようもねぇなマジで」
泣き叫んで嫌がるべきシーンだろう。今の彼女が、そんな普通の反応を示すわけもない。熱い悦びの声をあげながら、うっとりと身体をくねらせる。子種と尿の混ざった、最低最悪のカクテルを子宮で作られながら、堕落の興奮に酔いしれていた。
「あー。出した出した。キンタマも膀胱もスッカラカンだわ、マジで」
「ぁんッ!」
排泄を終え、男は腰を引く。肉棒が抜ける瞬間、ブポッと品格の欠片もない音が膣口から響いた。
「あは……ッ。このたびは、どうしようもない淫乱変態マゾ便女の十六夜咲夜の、下品な黒ずみユル穴をお遣いくださいまして、どうもありがとうございました」
さんざんほじくられた肉穴は、己を埋めてくださっていたモノを喪ったことで、じんじんと甘く疼き始める。絶頂の余韻に浸りたいところだったが、我慢する。セックスしていただいたうえに、中出しまで授かったのだ。まずはお礼をすべきだ。
もっといえば、今は他にも一つ、すべきことがある。
「では皆様。どうぞ雌犬の咲夜の、惨めな排泄姿を、ご覧くださいませ」
たっぷり注がれ、腹をぽっこり膨らませている黄金水。今もヴァギナからぽたぽたと滴っているソレを、解き放つのだ。
「あはッ……あっ、あっ」
四つん這いのまま、小便器めがけて大きく片脚を上げる。ちょうど、犬がマーキングするときと同じ姿勢だ。品性の欠片もない姿勢のまま、剥き出しの股間に指を伸ばす。膣口を割り開いて、溜まっていた汚汁をぶちまけていく。
「あーあー。くっせぇくっせぇ、くっせぇな」
放物線を描き、しゃああ……と音をたてて、白濁混じりの小便が便器へぶちまけられていく。虹ができそうな勢いだった。
男達はこれ見よがしに、鼻を摘まんでひらひらと手で扇ぐ。自分たちのほうがよほど汚いにもかかわらずだ。
「嗚呼……嗚呼、あはぁあ……ッ」
ぶるりと、全身が震える。今の自分は、どれほど無様だろうか。
紅魔館のメイド長として仕え、培ってきた誇りが、ズタズタに引き裂かれている。心が痛みに泣き叫んでいる。マゾヒズムの骨頂に、精神的なアクメを迎えていた。
もともと女性器というのは、こんな使い方を想定した形状になっていない。まして今は、肉体を満たす恍惚のせいで、狙いが定まらない。当然狙いは逸れ、黄金水は床へとぶちまけられる。
「おいおいおい、便女が便所汚してどうすんだっつうの」
「ああんッ……申し訳、ございません……っ」
当然、見逃す彼らではない。罵り、踏み躙る口実ができたと、目に喜色を浮かべている。
喜んでいるのは、咲夜もだった。罰として何を言いつけられるのだろうか――嫌悪と期待にうっとりと震えている。
「床掃除の時間だ、ホレ」
「え? あ、はあ……」
男は掃除用具入れからモップを取り出し、渡してくる。こんな場所に置いてあるだけあって古びてはいるが、何の変哲もない。メイドたるもの扱いは熟知しているが、あまりにも普通すぎて、拍子抜けしてしまう。
「アッ!」
肩透かしを食らっているのを見抜いたのだろう。男からビンタが飛んできた。首が曲がる勢いの一撃は、頬にあかあかと掌の痕を残す。
「バカが。フツーだなとか思ったろお前? 舐めてんのか? あ? ケツ使うんだよケツを。ホレとっとと尻突き出せや」
掃除にケツを使う。およそ意味不明な表現だ。咲夜以外には。口元がにたりと歪んだ。とんでもなくこっ恥ずかしいことをやらせていただけるのだと分かったかrだ。
「はい、お掃除いたします。どうぞ、こちらへねじこんでくださいませ……」
その場で中腰になり、彼らに向けて尻を突き出す。割り開いたのは牝穴ではない。そのすぐ側、秘めやかなる菊の窄まりだ。むにぃ、と尻たぶが開かれれば、快楽をもとめるかのごとくヒクついてみせた。
「かぁああッ、ペッ! へへへ、ローション代わりだ」
「あはぁ……ありがとうございます……っ」
痰混じりの唾が吐きかけられる。己が痰壺になったように感じ、嫌悪とプライドの疼きに心を蕩かす。
「ぉほッ、ぉうッ、ぉッ、ぉおおん~ッ」
汚物でヌルついた尻穴に、モップの柄がねじ込まれていく。無機物の冷たい感覚は、直腸の肉を驚かす。肛門がキュンッキュンッと蠕動し、異物を排出しようとする様は、愛撫しているようにも見えた。
上がる声はとても咲夜と思えぬほど間抜けだった。およそ知性を感じない。肛門性感の前には、人間はバカになる。彼女とて、例外ではなかった。
「では、雌豚便女メイド十六夜咲夜のお掃除をお見せ致します……おっ、ぉんっ、ぉほっ」
モップで汚れた床を拭いていく。中腰のまま、ぷりぷりした尻を躍らせることで。柄がグリグリと、腸内を刺激してくる。菊門まわりの性感神経をズボズボと刺激されて、太い嬌声が漏れた。
「ギャハハ、いい一発芸じゃねぇか!」
「そのまま尻文字やれ尻文字! 自己紹介してくれや!」
「あはぁッ、あはんッ、ぉッ、あぁあんッ」
求められるまま、尻を上下左右にくねらせる。十六夜咲夜の五文字を、ヒップで描いていく。ダイナミックな筆、もとい臀部使いだった。そうして痴態を晒すほど、モップの柄がアヌスに食い込み、肛門快楽が知性を削っていく。
「おひッ、んひぃいッ、ぉぉッ、ほひッ、ぉんんッ、あっはッ、ぉおおんッ!」
気づけば、本来の目的もおっぽり出して、アナルオナニーにふけっていた。ずぽずぽと、自らの排泄器官を快楽器官に変えてほじくり倒す。疼いていた牝穴も、指でグチョグチョとこねくり倒す。
掃除という建前があったわりに、そこらじゅうに雌汁がまき散らされている。が、今さら誰も気にはしない。ただただ、目の前で繰り広げられる淫猥マスターベーションショーを下卑た目で見つめていた。
「おーら雌豚、掃除は終わりだ、とっととひり出せ」
「はひ、かしこまりましたぁッ……ぉ、ん、っ」
言われるがまま、括約筋を緩める。強烈な羞恥に身を焼かれながら、ねじこまれていたものをひり出していく。
「ぉッ、おおぉおん……っ」
太いクソを出している瞬間の、原始的性感がぞわぞわとアヌスから上ってくる。むりむりと、モップの柄が排出されていく。やや饐えた香りのする、透明な粘液に塗れている。
「んぉおっ」
やがて柄の先端が抜け、床に落ちて乾いた音を立てた。さんざんほじくられた肛門は、ヒクついてディープピンクの内部構造を晒していた。
「よーし掃除もおわったなァ? ホレ雌豚、セックスの続きだぞ」
「あは。かしこまりました。なんでもさせていただきます……」
どうしようもない屈辱にまみれながら、頭を下げる。侮蔑の視線に、股からの蜜が止まらない。
男のうち一人が、床に寝そべった。仰向けの姿勢だ。勃起した汚ペニスが天を衝く様は、さながら凸の字を思わせた。
背中が汚れてしまうのでは、と心配する必要はない。ちゃんと敷物はあった。咲夜が着てきたメイド服だ。乱暴に扱われぐしゃぐしゃになったソレは、浮浪者用の敷物として最後の役目を果たしていた。
「ホレ、何ボケッとしてんだ? とっとと跨がれや。自分でチンポ咥え込んで、腰振るんだよ」
婦女子一人をレイプしておきながら、尊大極まる発想だった。もちろん、逆らう理由などない。今さら、どのような恥も恥ではなかった。
「失礼いたします……あぁんッ……」
男に跨がる。猛々しくいきり立つ肉棒の先端を摘まみ、緩みきった入口に押し当てる。肉竿は例によって恥垢まみれだった。なにかしらの病気ももっているらしく、全体にイボがブツブツと浮かんでいる。
そんな最低の魔羅でも、女を犯すという機能は失っていない。びきびきと反り返る威容を通じて、おぞましい熱が伝わってくる。どんな女でもたちどころに狂わせ、官能の雌豚に貶める熱が。
こんなものを、よりにもよって自分から咥え込むのだ。言い訳のしようもない、真のどうしようもない便女と成り果てるのだ。――つまり、拒む理由がなかった。
「ンッ、はッ、あ――ッはあああああッ!」
軽く腰の位置を調整する。万が一にも、狙いがズレないように。修正が終わり次第、真っ直ぐ腰を落した。
物理法則に従い、肉棒が膣穴を貫く。ぶぢゅんッ! と聞き苦しい音をたてて、本日二度目のセックスが始まった。
ゾリゾリゾリッと、膣肉がめくり返されていく。カリ首にこびりつく恥垢を、肉襞が削り取っていく。
ぶぢゅっと、イボから噴き出た膿が狭穴を汚していく。まさしく便所穴として造り替えられる。
「アッ、は、ぉお、あぁあん……ッ」
あがるのは、心からの恍惚の声だった。女として終わった悦びを、歌いあげていた。
「あはぁッ、あぉッ! ぉおんッ、あっはッ、あぁあッ!」
もちろん、挿入れて終わりではない。便女たるもの、熱烈な肉穴奉仕で男性を射精へ導いてこそだ。自らの仕事を忘れる咲夜ではなかった。
くねくね、うねうね、へこへこと、自由に腰を踊らせる。多種多様、変幻自在の動きだ。共通しているのは、ひどく下品で、瀟洒さなど欠片もないことだった。
「ぉほぉッ、ほひッ、あっひ、ッ、ぉんッ! あっはぁあ!」
身体を動かすたび、汚れが染みつき黒ずんでしまった乳肉が、ぷるんぷるんと弾む。男達の目を楽しませ、さらなる興奮を煽る。
雄杭を咥え込んだ下唇からはしきりに、粘っこい愛液がしぶいていた。垢や痰・膿・恥垢、先ほど出された精子などが混じった、汚物同然の雌汁が。
喉から溢れるのは、品性など欠片もない嬌声だ。TPOを弁えた、淫乱なる雌豚ボイスだった。
「おっほ、ぉおッ、オイコラ豚女、どんだけチンポ搾るつもりだ! 反省しろ!」
「あぉおおおッ! あはァッ、申し訳ございませぇんッ!」
男も、ただ横になっているだけではない。理不尽を喚きながら、下から容赦なく突き上げてくる。どちゅッ、どぢゅっと、悪辣きわまる音が響く。
「ぉおんッ、あっひぃッ、あォッ、ぉッ、おっおッ、ほぉおおッ……!」
膣肉が抉られている。亀頭がぐりぐりと、最奥に押しつけられる。脳味噌が痺れる悦びに、舌を突き出して身悶える。
「へっへへ、一本一本ヌいて回ってんじゃ、ちっとコーリツが悪いよなぁ?」
後ろからのしかかられ、押し倒される。上下から浮浪者にサンドイッチされている形だ。アンモニアまじりの体臭に包まれ、危険なくらいの幸福が脳を満たす。鼻孔がしきりにヒクついていた。
「だぁ、重いんだよボケ!」
「あぁんッ、申し訳ございません……!」
不服を唱えるのは下に寝転ぶ男だ。体重を預けられたことを口実に、彼女の頬を張る。鋭い打擲音とともに、またも頬に掌の痕を刻まれる。被虐の悦びを受け、あがるのは悲鳴ではなく嬌声だった。
「お前のユル穴なら、別に二本くらい突っ込んでも問題ねぇだろォ?」
「え? ――ッひ!?」
尻穴までも犯され、激しい二穴ファックの果てに何度も絶頂させていただけるのだと思っていた。ゆえに、覆い被さられたあたりから、アヌスがしきりにヒクついていた。
けれども男が取った行動は、もっととんでもなかった。すでに穢らわしいモノをねじ込まれ、凌辱されている最中の牝穴の入口に、己のモノまでも押し当てたのだ。
二つの穴に一本ずつ挿入れるのではない。一つの穴に、二本纏めてねじ込もうとしている。普通に考えて無理、無茶、無謀だ。たしかに、最終的には赤子が通る器官である以上、ヴァギナはある程度に柔軟に出来ている。とはいえ、雄々しき肉竿を二本も咥えるなど、常識外れにもほどがあった。
下手をすれば、本当に壊れてしまうかもしれない。肉が引き裂け、二度とセックスできない穴になってしまうかもしれない。恐怖に、表情は引きつった。
同時に、だからこそ、ヤってほしくてたまらなかった。乱暴に使い捨てられることこそが、精液便女の本懐である。
「あっはっ、どうぞくださいませ、おマンコ、おマンコ同時ズボズボしてッ! ぶっといおチンポ二本ハメして、淫乱グズグズ駄目おまんこブチ壊してェエエッ!」
「ああ言われなくてもそのつもりだよバーカ、おら食らえ穴ポコ女が!」
「アッ――」
狂った声で挿入を求める。どうぞココを破壊してくださいとばかりに、腰をくねらせ肉竿に擦りつける。男は咲夜を罵り捨てながら、腰を前方に突き出す。いきり立つ男根が、狭穴に無理やりねじ込まれた。
「ぉッ、は、ッ、アアアアアアアアアアアッ!」
絶叫があがる。幾度となく貫かれ、肉棒しゃぶりの達人となった膣穴でも、同時に二本を相手するほどのキャパはない。肉が強引に広げられ、ギチギチと音を立てる。
全身を真っ二つにするような痛みに、涙がぼろぼろと零れる。けれども、決して苦しいばかりではなかった。一本でも気持ちいいものが、二本になったのだ。快楽も当然、倍になるに決まっていた。
「うっわ、ギッチギチだ、処女マンコみてぇじゃねぇか!」
「ギャハハ、てめぇのどうしようもねぇ穴も、こうすりゃあちっとは使い道も出てくるなァ!」
彼女の肉体は限界だ。が、他者への思いやりなど欠片ももたない男達が、気に掛けるわけもなかった。
ねじ込まれたペニス二本が、えげつない勢いのピストンを始める。どちゅぶぢゅぬぼぐぽどぶと、聞き苦しい音を立てて、膣穴がほじくり倒されていく。
「あーッ! あぉッ、ぉひぃいッ! ひぃッ、ひぃいッ、あっがぁああッ!」
肉が引き裂けるギリギリのところで留まっている。脳味噌を転がすのは、子を成すための器官を文字通り無茶苦茶にされる恐怖。そして何より、人格を破壊して駄目にするほどのエクスタシーだった。
「はっひぃいッ、壊してェッ、もっと壊してくださいぃいいッ!」
最低の便女にしてマゾヒストと成り果てたのが今の咲夜だ。悦ぶに決まっている。猛然と腰を振りたくり、二人の男から繰り出される抽送を受け止めていく。
「うーわ。チンポ二本突っ込まれてよがるとか。マジでどうしようもない女だな」
「はひッ、そうなの、咲夜はどうしようもない女ですゥゥッ、だからもっと、もっとひどいことしてぇエッ!」
「おうおう、お望み通りにしてやるよぉ、ホレッ」
「もがっ」
突然、視界と口が塞がれた。なにか布を被されたのだ。
正体はすぐに分かった。貧民窟に来るまで穿いていて、彼らにセックス代として売り渡した、ショーツだ。
ぐちゃぁと、ただの布ならありえないヌメり気を感じる。男達の欲望のはけ口にされ、雄汁をぶちまけられたのだ。呼吸をすれば、自らの恥部の香りと猛烈な精臭が、肺に流れ込んできた。
「むぐッ、んむぐぅッ、んうぉおおッ」
「うわ、コレで興奮すんのか。マジで変態だな」
喉の奥から漏れる声は、発情期の牝豚よりもよほどやかましかった。自らのみじめさを思い知り、乳首は石のごとく硬くしこっていた。
「んぉおッ、ぉうッ、んっぉおッ、ぉううううッ」
「ほーら変態女。チンポが余ってんだよ。真面目に奉仕しろやグズがよ」
両手を取られ、何かを握らされる。火傷しそうなほど熱く、反り返ったモノ。正体が何であるかなど、考えるまでもない。
すぐさま、扱き始める。無意識の仕草だった。今まで培ってきた便女としての所作が、ここに発揮されている。
「ほーれ、全身でチンポ感じさせてやるよぉ」
なおも男は余っている。彼らは己のモノを、咲夜の滑らかな肌に擦りつけていく。
恥垢が全身に塗り込まれていく。皮膚細胞の隙間に至るまで、雄臭が染みついていく。
鈴口から滲んだ先走りが塗り伸ばされていく。さながらオイルエステだった。
「んふぅうッ、んぅうッ、んぅうううッ」
通常のエステがより美しい存在になるための営みなら、これはより下卑た最低の存在に成り下がるための営みだ。貧民窟の便所として相応しい女になれている。嬉しくて仕方なかった。
「おーおー、きったねぇオンナだねぇ~」
それにも参加し損ねた連中が、自らの汚竿を扱き上げる。猛烈な臭気が、ぶわぶわと散っている。手の上下動が、団扇代わりになっているのだ。
「オラオラクソバカオンナが、もっと喘げよ、ォッオゥッ、ぉお……ッ!」
「そぉら出すぞ出すぞォ、中出しでマンコぶち壊してやるからなぁ……!」
「んぉおおぅッ、ぉおッ、んぐぅうッ、んぉッ、んぅッ、んぅうううう!」
抽送のペースが上がっていく。ねじ込まれたピストンのリズムは、時に協調し、時に反目しあって、咲夜の肉穴を破壊していく。
膣内で、ペニスがそれぞれ膨れ上がっていく。比例して、頭の中が白く染まっていく。真っ白になる一歩手前で、勢いよく弾けた。
「そおら、中出しだ! 人生終了しろ豚女!」
ごぢゅんッと、オンナとして終わる音がした。逞しすぎる肉槍のツープラトンで、子宮口が叩き潰された音だ。
二本の魔羅が、同時に射精する。濃厚極まるスペルマが、ぼびゅるぼびゅると体内に注ぎ込まれる。
腹の中が、膨れ上がっていくのが分かる。二種類のDNAが混ざり合い、おぞましいミックスジュースになる。精子が鞭毛を蠢かし、泳ぎ回り、子宮に染みこんでいく。二度と消えることのない刻印を、彼女の聖域に刻み込んでいった。
「ムグッ、ング、んぅううううううううう――ッ!」
快楽信号が下半身から全身を突き抜ける。世界にペニスとヴァギナのことしかなくなった。脳味噌が腐り果て、知性も理性も全て喪われていく。
危険な病の発作でも起こしたように、あらゆる筋肉が痙攣する。結合部から、むわりと薫る雌汁がぶちまけられる。
周囲で見ていた男達から、次々にスペルマがぶっかけられていった。さながら、最低の便女になった咲夜への餞別だった。
「ぉ、ぉおッ、んぉ、ぉぅう……」
「あー出た出た……オラ、重いんだよクソオンナが! 下りろカス!」
丸一日も絶頂していたかのごとく感じられた。実際には十秒にも満たない時間がそれほど長く感じられるほど、濃密な経験だった。
放り投げるかのごとき勢いで、乱暴に床に転がされる。アクメの余韻に浸り続ける咲夜の肉体は、受け身を取ることもできずべちゃりと床に突っ伏す。
ピクッピクッと、痙攣を繰り返している。二本挿入で破壊され、緩みきって閉じなくなった肉穴からは、もう誰のものともつかなくなった汁がでろでろと溢れだしていた。
「ぉぅ、んぉ、おおおお……」
「おい寝てんなや便女がァ」
「ンぐぅッ!」
背中を踏みつけられ、意識が覚醒する。ぐりぐりと体重が掛けられる。かはっと、肺から酸素が漏れた。
「寝てる場合かよ。てめぇがまき散らしたくっせぇくっせぇ汁で、床が汚れたじゃねぇか。便女風情が俺らのキレーなトイレを汚しやがってよぉ」
言って男は、床を指さす。確かに、激しい性交の最中にまき散らされた汁が、あちこちに染みを作っていた。
地べたはもともと不潔を極めていた。それでもなお、汁で汚れたという。つまり、自分がより汚い存在になり果てたことに他ならない。悦びと屈辱に、瞳がどろりと蕩ける。
「かしこまりました……お掃除、させていただきます」
幸い、掃除は得意だった。素敵なマスクを外し、返事する。今度は、モップは使わない。溢れた汁を拭うのに、もっと適した道具が、人体には備わっているではないか。
「れろッ、れるっ、ウグッ、れろぉ、ぉえッ……」
地べたに這いつくばり、舌を這わせていく。薄汚れたカビだらけの便所の床を、べろべろと舐め回していく。
「うーわ、マジで舐めやがったぜコイツ」
「もう何でもやるって感じだな。ぎゃははは」
薄汚れてしまった尻をぷりぷりと振り、えずきながらも、タイルへ幾度となくキスをする。男達はそんな彼女を嘲笑い、わざわざ痰や唾を吐き捨てていく。もちろん、きっちり舐め回していく。
「れろッ、ぢゅるッ、れろぉおッ、んぁあんっ、んちゅぅ、んちゅんちゅぅっ」
手は、己の裂け目をこね回していた。射精していただいた子種を、塗り込んでいる。人差し指・中指・薬指をねじ込んでいるが、まったく満足できそうもない。二本挿入で破壊された肉穴は、拳だろうと簡単に呑み込みそうなほどに緩みきっていた。
「あーあ。もういいよお前。掃除は終わりだ終わり」
「はい、かしこまりました」
許しを受け、顔を上げる。とはいえ、解放されるわけではない。次のセックスが始まる、というだけだ。
「さぁて、次は俺がハメてやるかぁ」
「おいふざけんな、コッチが先だろ」
「いいやワシじゃ、ワシがオメコするんじゃッ」
男達がにじり寄ってくる。下卑に下卑た性欲を目に浮かべている。
唾や痰、尿、精液を浴びせられ、地べたを転げ回った今の咲夜は相当汚い。が、彼らはおかまいなしだった。どうせ自分たちも同じくらい汚いのだから、という理屈だった。
「あはぁッ――どなたからでも構いません。どうぞ私の腐れおまんこをお使いくださ――ぉおおおんッ!」
地べたに寝そべり、股を開いてねだる。とたん、亡者共が群がってくる。誰のモノとも分からぬペニスを受け入れながら、彼女の意識は快楽に蕩けていった。
***
「――は、あ、げほッ、ぉえッ」
あれから何度、犯していただいたのか。いつの間にか、気を失っていたらしい。
意識を戻してすぐ、目蓋がろくに開けられないことに気づいた。乾ききった精液が、張り付いていたからだ。
口の中がモサモサする。指を突っ込むと、黒い縮れ毛が何本も出てきた。男達の陰毛だろう。散々しゃぶらせていただいた記憶が、おぼろげながら残っている。
後頭部が穴にはまっている――身を起こして観察する。大便器に突っ込まれていたのだと気づいた。
便所の入口から、光が差し込んでいる。いつの間にやら、朝になっていたらしい。当然、誰もいない。甲斐甲斐しく解放してくれるほど親切なら、貧民窟で浮浪者などやっているはずもない。
「うっ」
立ち上がろうとして、猛烈な違和感を覚えた。性交した後特有の、何か挟まっている感じとも異なる。見てみれば、棒状のものが刺さっていた。ラバーカップの柄が、深々とねじ込まれていた。
「んぅ!」
案外簡単に引っこ抜ける。あの後も散々使われて、膣穴はいよいよ緩みきっている。陰唇はグロテスクなほど花開き、異臭を放っていた。
ふらつきながら、今度こそ立ち上がる。壊れた洗面台に向かい、錆びきってひび割れた鏡に己の姿を移す。
「あぁ……」
涙が出てくるほど、惨めな姿だった。気に入っていた銀髪は精液でガビガビになっているし、肌は黒ずんで饐えた匂いを放っている。乳房には噛みつ枯れたのか歯形が残っている。女性器も肛門ももはや閉じず、ネバついた汁を垂らしながらぐぱぐぱと収縮していた。
「あはッ、あはぁ、あああ……」
興奮たまらず、ラバーカップを拾い上げる。大きく脚をあげ、疼く牝穴にねじ込む。ズボズボと差し込んでは引き抜き、嬌声を上げる。汚れた掃除用具だろうと、気にも留めない。どうせ、自分の方がもっと汚いのだから。
「あーッ、おチンポ、おチンポ、おチンポほしいのぉおッ……」
この程度では全く足りない。本物のペニスが欲しくて欲しくてたまらない。ないものねだりを繰り返しながら、誰もいない便所でおんおんと鳴き続けた。