ゴブリンガービッジ~恋人が苗床廃人になったので格安娼婦に仕立て上げます~ 作:幻闇
――ヒュパッ
「ギャアアアアア!!」
「ナンジャアコリャアアア!!」
「イヤダ……アア……シニタクネェ――」
美しく弧を描く刀身。
生物を切り裂く形に特化した片刃の長剣が、ゴブリン族の屈強な男三人を一刀の元に斬り伏せる。
半ば呆然とした表情で自分達の胸元に走った朱色の斬線を確認したゴブリン達は、それぞれに断末魔の叫びを上げて上下二つに分断され、崩れ落ちていく。
幼さがわずかに残るものの、鍛え上げられた体躯と刃の様に鋭い瞳を持った青年が周囲の気配に気を配り――それ以上の敵手が存在しない事を確認して残心を解く。
「ん。不浄なる者の気配も無い、お疲れ様、アッシュ」
「ああ、索敵あんがとな。アンデッドにでもなったら面倒だし、助かるよユナ」
「それが私の
ダンジョン内で殺された生物、魔物や冒険者を問わずに死した直後の死体に死霊が憑依し、敵を殺したと油断したその直後に、殺したはずの存在に殺される事例は枚挙に暇がない。
反りのある細身の刀身を持った
一見、人の目を引きそうにない地味な外見の女。美形に分類されるであろう青年と二人で並ぶとやや不釣り合いにも見えてしまう彼女であったが……それは彼女の野暮ったい髪型のせいであろう。
両の瞳が隠れてしまう程に伸ばされた前髪、鼻の半分くらいまでを覆うその黒髪が無ければ印象は激変するに違いない。
隠された大きめの瞳とすっきりとした鼻梁、やや厚めの唇は艶っぽく桃色に濡れ光っている。更にはゆったりとした神官服の下に隠された巨大な双丘と折れそうな程に細い腰……むっちりと豊かな臀部とあいまって、その肉体の破壊力は凄まじいものであったのだから。
「確か、もう少し進んだところに
「うん、それが良さそうかも。まだ余裕はあるけど休めるうちに休むべき」
二人が今居る場所はダンジョン。
規模としてはそこまで大きくは無いものの比較的最近になって発見されたという事で、内部の情報はまだ詳しく判明していないダンジョンであった。
大陸の各地に存在するダンジョン。
最下層にて強力な魔物を討伐する事によって無害化する事が可能であるが、ダンジョンそのものが無くなる事はあり得ない。それらは今も産まれ続けているからである。
「しっかし此処はハズレかもなぁ……魔物も大したことが無いしお宝も少ない。せめて魔導具の類でもあれば嬉しいんだが」
「んー……この規模だと難しいんじゃないかなぁ……。中級ダンジョンにギリギリ届かないくらいの手応えだもの、今の所」
「この辺りの冒険者たちには悪いが、サクッと攻略させてもらうか」
「辺境部だし、そんなに強い冒険者もいないだろうから私達で攻略した方がいいかもね。万が一にも
自分達の腕に自信の有りそうなその会話の内容通り、二人はベテランの冒険者であった。
冒険者たちの位階、10段階存在するそれにおいて二人の位階は6。これは中級冒険者を越え上級に達しつつある実力を持つという証左である。
そして
「っと、話している内に着いたな。セーフエリアだ」
「先にテント張ってるパーティさんも居るね。離れた所に設営しようか」
背負った背嚢の上に括り付けてあるテント設営用の天幕を降ろし、先にエリアに居た者達から離れた場所に設営を始めたアッシュとユナ。
ダンジョン内での冒険者同士のトラブルは多い。いつしか自然と、マナーとしてそういった暗黙の了解が生まれたのである。
それほど時間も掛からずにテントの設営を終えた二人。
すぐ中に入って休む……かと思ったがそうではない様だ。アッシュが武装を解除し、先着していた冒険者パーティたちに近付き挨拶を行う。
「アッシュという。すまないが端の方を使わせてもらうぞ」
アッシュがそう声をかけるとニヤニヤとした笑みを浮かべていた男ばかりの冒険者達四人が次々に声をかけてくる。
「おお! こっちこそ宜しくなあ!」
「にいちゃん女連れで二人とは剛毅だね。そうとう腕に自信があると見たぜ」
「羨ましいっスねー! ヒューヒュー! ――あーあ……うちらにはむさい男やおっさんばっかだってのに」
「世に平等は無いのである。神に祈りを捧げ、悔い改めるのである。されば
「また始まったよ……この戦神官の言う事は半分以上戯言だから聞かなくて良いぞ」
「中々に個性的なメンバーだな。なんとも楽しそうだ。そうだ、どうせなら皆で食事と酒を楽しまないか? そこそこ良い酒があるんだが、生憎と二人だけでは寂しくてな」
アッシュの誘いに銅鑼がねの如く大音声で参加の意思を示しだした男達。なかなかに気持ちの良い男達なのであろう事が伺えた。
話しかけるアッシュの口調はユナと二人の時と比べて硬い様だが、幼馴染でもある恋人との気安い口調と外向けの硬い口調が同じわけが無いのは当然の事だろう。
「一時間後に料理と酒を持参しよう。宜しく頼む」
「アイアイサー! こっちも食い物用意して待ってるぜ」
男達と挨拶を済ませ、宴の約束まで取り付けたアッシュは内心で踊り出しそうな気分を辛うじて抑えながら、相棒であるユナの待つテントに戻っていく。
「どうでした? 聞こえてくる話を聞く限り善良そうな方々みたいでしたが」
「ああ、大分面白そうな奴等でな、メシと酒を持ち寄って盛り上がろうぜって流れになった」
「ふふ、冒険の醍醐味ですね」
「違いない」
魔物に襲われる事の無いセーフエリアと云えど行儀の良い冒険者ばかりでは無い。駆け出しの冒険者であれば無防備に過ぎるというものであるがそこはベテランの彼等である。正体を無くすほどに酔う訳も無く、またその程度で後れを取るつもりもないといった具合であろう。
ーーーーーーーーーー
防具を脱ぎ、私服に着替える二人。共に動きやすい恰好で武器のみを帯びた軽装であったが特にユナの印象はがらりと変わっていた。ゆったりとした神官服から一転、身体のラインがくっきりと出たシャツ姿はそれだけで男の視線を集めずにはいられない程に扇情的である。
着替えた二人は荷物を点検整理して必要な準備を済ませると魔導鞄から食材を取り出して調理を行い、宴席の支度を行っていく。
「こっちはこんなもんか。ユナ、準備は出来たか?」
「問題ないですね。あとは仕上げにこれを……」
料理の乗った皿や酒を持ったアッシュがユナに声をかけると、背中に背負っていた錫杖を手に取って構えたユナが詠唱を始める。
「愛を司る女神カーマよ、我が祈りに応え給う……
神官がその精神力と引き換えに行使する
ブレスの神聖魔法は対象とした者に攻防におけるボーナス補正を与えるが、高位の神官ともなればさらに、信仰する神格に応じた特殊強化を付与する事も可能である。
「はい、これで準備完了です」
ブレスの効果により一時的に神秘的なオーラを纏ったユナが微笑みながらアッシュに告げた。オーラはすぐに宙に溶け消えていくが祝福の効果は数時間ほど保つ。
「おう、毎度の事ながら祝福の付いたユナはヤバいな……いやまぁ元々ヤバイんだがな」
「ふふっ、勿論知ってます。昔から……ね」
悪戯っぽい笑顔でからかう様にそう告げる恋人の姿に、長い付き合いだというのにドキリとさせられてしまうアッシュであった。
ちなみにであるが愛神カーマによるブレスの特殊効果はその名の通り……掛けられた者が愛されやすくなる――というモノである。
先程約束した冒険者パーティのテントまで来た二人は外から到着した旨を伝える。敵意がない事を証明する為に、セーフエリア内では大事な事だ。
返事を貰った二人は大きめのサイズのテントの垂れ布を上げて内部に入った。途端にユナの扇情的なカラダのラインがくっきりと出た私服姿を見た男達が大歓声を上げて最高潮の盛り上がりを見せる。
「うほあ! オッパイでけえええ!!」
「うひょー! 彼女さんメチャクチャスタイル凄いっすね! 羨ましいなあ」
「こらこら、余り女性の容姿をあげつらう物ではないぞ、そんなだからお主はモテぬのだ」
「うふふ、褒められるのに悪い気はしないので大丈夫ですよ。それに、これも女冒険者の立派な武器ですので」
冒険者として長いユナはそのあたりにも慣れているし、時折り勘違いした男が口説き始めても巧に躱してしまう。野卑な男社会でそれなりに長く活動しているのだ。あしらい方も堂に入ったものであった。
互いに持ち寄った酒や食料をテントの床に並べていく二組のパーティ。冒険中の食事というと干し肉などの保存性の高い質素な物……といったイメージがあるかもしれないが実際はそんな事は無い。
中堅以上の冒険者ともなれば焜炉型の魔導具や三次元空間拡張術式の付与された魔導鞄を所持する者も珍しくない、故に調理に集中できるセーフエリア内であれば調理者次第ではあるもののそれなりの食事を摂る事も可能なのだ。
「おっ! 旨そうだなあこりゃあ……嬢ちゃんが作ったのかい?」
「ええ、冒険中も美味しい物が食べたいので頑張って練習したんです。それと私の名前はユナです、嬢ちゃんって言われる程若くも無いのでちょっと恥ずかしいですねぇ」
「ははっ! 充分若く見えるがな。俺はクライトン、
男達が出してきた旨そうではあるものの豪快な男料理、ステーキや魔物肉の串焼きに、野菜と肉を雑多に刻んで煮込まれた濃厚そうなシチュー。
それらに対して色とりどりの野菜や新鮮な肉や魚を使ったタタキやカルパッチョを用意してきたアッシュとユナであったが、その料理を眼にした男達はユナの料理の腕もそうだが、二人が食材の鮮度を保てる程の高級な魔導鞄を所持している事にも驚くのであった。
酒も料理も行き渡り、乾杯の時間だ。男達のパーティの中でも年かさの、戦神の神官が立ち上がり音頭を取るつもりの様だ、順当であろう。
「わしの名はブレーヴァス! 戦神アテナに仕える者だ! 魔宮に挑みし我らの仲間との出会いに乾杯!」
乾杯の音頭とともに互いに酒杯をぶつけあって干していく冒険者達。互いに自己紹介をしつつそれぞれに情報交換も兼ねて武勇伝を語り合っていく。
「先程も言ったが戦神を信仰しておる。武器は自作のメイスじゃ、これでもドワーフじゃからのう。ユナ殿も神官とお見受けしたが?」
「愛神カーマを信仰しております。まだまだ若輩の身です」
「過ぎた謙譲は嫌味ですぞ。相当に徳を積まれているとみましたが……まぁ自ら話すならば兎も角、詮索は不躾でしたな」
ユナとブレーヴァスは神官同士というのもあり、早々に打ち解けているいる様だ。
アッシュたちの方はというと他の男達三人に質問攻めといった様子で集中砲火を浴びている。
「俺はゴエモン、
「ゴルドリーオだ。獅人族最強の戦士――になる予定だ。……なぁユナさんとは結婚してるのか? 恋人か? どうすりゃあんなドスケベボディの姉ちゃんと組めるんだよ……教えてくれよ兄弟」
「だあああがっつくなお前ら! ……とはいえ気にならない訳がない。前髪で隠れて解り辛いがありゃ相当の美人だぞ、ベッドの上で一手御指南願いたいくらいだ」
苦笑しつつも内心では、自慢の恋人を褒めちぎられて嬉しくない訳が無いアッシュ。
しっかりと名乗りつつユナとの馴れ初めなどを、必死な男達に聞かせてやるのであった。
「オレの名はアッシュ。長剣と小型の盾を使う軽戦士だ。んでユナだが、彼女は生まれた村の幼馴染でな。一応恋人ってやつだな、あんまり参考にはならなそうだが……」
アッシュの言葉にガクリと肩を落とす三人の男達。
「幼馴染いねぇわ……」
「居たけど普通に他の男と結婚してたわ」
「幼馴染と付き合ってたけど金持ちの商人に寝取られた――死にてぇ」
「そっ……そうか。ほらこの酒、持って来た奴なんだが良い酒だぞ! 皆で呑もうや」
どんよりと沈んでしまった三人の雰囲気を前に空元気で元気付けようとするアッシュであったが……この場面では逆効果でしか無い。
と、そこに。
「あらあら、皆さん暗いですねぇ。お注ぎしますから、冒険譚など聞かせてくださいな」
可愛らしい声音で話しかけ、固まってしょぼくれていた男達の酒杯に酒を注いで絡んでいくユナ。流石は愛神カーマの神官といった所であろう。
途端にデレデレとし始めた男達のなんとわかり易い事か。落ち込んでいた男達の相手はユナに任せ、恐らく向こうのパーティーの纏め役だろうブレーヴァスとダンジョンの情報交換などを行う為に席を移動してアッシュ。
互いのマッピング地図を合わせ空白を埋め、宝箱の出現しやすいポイントや魔物の多かった場所等を教えあい、より完璧な地図を仕上げていく。
ここが何階層まであるのかは解らないが、出来立てのダンジョンであれば10階層が良い所だろう。三層までの詳細な地図が出来た事は双方にとって実に喜ばしい事であった。
「ふむふむ、これは助かりますな……お二人だけだというのにこの情報量、冒険者としては貴方がたの方が格上と見ました。差し支えなければ位階を教えて頂いても?」
「単に貧乏すぎて早くに独り立ちしなきゃいけなかっただけさ。位階は二人共6だ、そこそこ自信はあるつもりだよ」
「なんと……それ程の腕前であれば都市部でも困らぬでしょうに、我らは皆4の位階でございます」
魔物を倒し、ダンジョンを制覇し経験を積めば位階が上がる。記録において人類種の到達した最高の位階が10である。4の位階といえば冒険者としては中級といった具合であるが、6の位階ともなれば相当に上位の冒険者であり、二人の若さでそこまで到達している事にブレーヴァスが驚きを隠せないのも無理からぬ事であった。
歴史上の大英雄と呼ばれる者達。龍と心を通わせ魔神王を討った龍王アンディールや古代魔導王国時代から存在し続けていた邪悪なノーライフキングを浄化した聖女ルナフレアらが、英雄と呼ばれる10の位階に到達していたと歴史書には記されている。そこまで及ばずとも6の位階ともなれば複合魔獣キメラや亜竜種すら討伐可能なのだ。旨味の少ない辺境のダンジョンには少々似つかわしくない存在であるのは間違いない。
「元が貧乏農家の出だからなぁ。あまり贅沢をしても落ち着かなくてね、装備くらいにしか金を使わないからそれほど金銭には困って無いんだ」
「拙僧も教会で長く勤めていましてな、贅沢は慣れぬのでその気持ち解りますぞ」
「あとの理由は……ガキの頃にダンジョンから溢れた魔物に村が襲われてね。運よく冒険者が滞在してて被害は殆ど無かったんだが……もし居なかったらどうなってた事か。だから余裕が有る時は辺境のダンジョンを攻略してるだけさ」
「……素晴らしい。貴方がたの様な冒険者が後の世で英雄と語り継がれるのでしょうなぁ」
「坊さん持ち上げ過ぎだぜ。もう高い酒は無いぞ」
「ははは! しかし本心ですぞ。ささっ、未来の英雄殿、良き出逢いに乾杯といきましょう」
他のメンバーとはやや離れた位置で情報交換をしていた二人は、もう堅苦しい話は終わりだと軽口を交わしながら酒杯をぶつけあい、満たされていた琥珀色の液体を呷る。
強い酒精が喉を灼く快感と芳醇な麦の香りが鼻に抜けていく感覚にひと時酔いしれる二人、カッと熱くなった喉の奥が冷めぬ内に皿に盛られていた半生程度に焼かれた肉を口に放り込んで噛み千切り飲み下す。
「くあああ……旨い! 濃い味付けの肉に良く合うな!」
「なんと馨しき香りと旨味。相当上物のウィスキーですな! 我らドワーフの火酒と比べてもこれは素晴らしい」
暫しの間、旨い酒と料理を堪能しながら旅の面白おかしいエピソード等を開陳しあっては笑い合うアッシュとブレーヴァス。
尽きぬ会話の合間にアッシュが良い気分で酩酊感を味わいながら酒杯に満たされた液体を呷り、ふぅと息を吐く。するとなにやら相対しているブレーヴァスの面相がやや気まずそうに変化しているではないか。酒精によって冴えぬ頭でアッシュが訝しがると、ブレーヴァスが小声でアッシュに囁き掛けて来た。
「その……アッシュ殿……どうかお怒りになられぬ様お願い申し上げます。彼等も余りの艶やかさに少々羽目を外してしまっている様でして……ええ、あちらの様子が少々……――」
「あん? ――ああ、そういう事か」
アッシュがユナたちと男達三人の方に目を向ける。そこにはアッシュの予想した通りの状況、すなわち若い女に飢えた三人の獣達が、一線は超えぬ迄もその豊かな双丘や太もも、股間部分などを手で弄繰り回しながら酒を呑ませ合うという淫靡な有様になっていたのだ。
「ユナちゃんの注いでくれた酒うめえええ」
「ユナちゃんそんな無防備な恰好してたら危ないよー、悪戯されちゃうよー」
「ふふ、私は愛神カーマの神官です。愛の有る悪戯でしたらいくらでも……良いのですよ? うふっ」
そこそこの酒を干している筈なのに普段となんら変わらない様子のユナ。そんな彼女の挑発に欲情を刺激された若手有望株の冒険者達は、更に過激に彼女のカラダを弄び始める。
「あッ……んっ……はぁン……」
明らかな嬌声が、男好きのするユナのぷっくりとした桃色の唇から漏れ出し、若者たちの理性が蹂躙されていく。
より大胆に、シャツの上から重量感たっぷりの巨乳を揉みしだくゴルドリーオ。座ったままの両脚を開かせ、ホットパンツからこぼれるムチムチの太ももの感触をそれぞれに愉しんでいるゴエモンとクライトン。
「私が一喝してお止めしますか? ……いやしかしユナさんがそもそも嫌がられておられない?」
「ウチの相棒は奔放でね。俺もたまに苦労する…………眠い……ちょっと一休みさせて貰おう。なんだったらブレーヴァスさんも愉しんでくれて良い……むにゃ……むにゃ――」
振り得ない現象である。
セーフエリアというど悪意ある冒険者とて存在するのだ。
だが事実としてアッシュは轟沈してしまった。よほど疲れていたのだろうか? どちらにせよこれでは解散だろう。と、そう思っていたブレーヴァスであったがいつのまにか傍に来ていたユナが相棒を一瞥するなり告げた。
「アッシュ寝ちゃった? 私まだ楽しんでるのになぁ……すいません、少し寝床をお借りしますね」
テント奥の毛布が敷いてある場所に軽々とアッシュを担ぎ上げたまま運んでいくユナ。丁寧に寝かせると相棒の耳元でなにやら囁くと、彼等の所に戻り宴の続行を宣言したのである。
「寝かせて置けば大丈夫ですよ。アッシュは一度寝ると自分で起きるまではうるさくしても起きないから大丈夫です。さあ続きを楽しみましょ、戦神官のおじ様もこちらへどうぞ」
アッシュを欠いても宴は続いた。
パートナーの戦士が退場したからか、より過激になっていく若者たちのボディタッチ。堅物に見えるブレーヴァスでさえ、背後から抱き着きながら酌をするユナの行動と背中に当たる幸せの感触の前に理性を蕩かされていく。
「むぅ……ユナ殿、酔っておられるのか? そのぅ……少々無防備に過ぎるのではないかと……」
綺麗に整えられたドワーフ族自慢の髭に埋もれた口許をもごもごとさせながら、顔を赤らめさせているブレーヴァス。酔いのせいだけでは勿論無いのだろう。
「まぁまぁ、良いじゃねぇか。冒険者同士堅苦しい事は無しだぜ!」
「がははは! ユナ殿も嫌では無いようだぞ」
ユナの後ろに回った
ライオネスの大きな掌ですら掴み切れない尻肉はホットパンツがはち切れそうな程に大きく、太ももの付け根部分に食い込んでいる様子を見ている二人の瞳はぎらぎらと欲望に輝いていた。
「んっ……はぁン……駄目ですよぉ♡」
「おいおいユナちゃん、そんないやらしい声で言われても説得力が無いぜぇ……」
傍らでにやにやと眺めていたスカウトのクライトンが、甘い声で嫌がる素振りを見せたユナの胸元に手を伸ばし……シャツの上からでも解る程にツンと存在を主張している突起を指先でピンと弾く。
「ひゃふぅン! ダメだったらぁ……流石においたが過ぎますよぉ」
三人の若者たちにカラダを好き放題に弄ばれているユナが、鼻にかかった様な甘い声でやんわりと拒絶の意思を示すと、そんな様子をおどおどと困り顔を浮かべて眺めていたブレーヴァスが恐る恐る声を掛ける。
「流石に不味いんじゃないかのぅ……ユナ殿も嫌がっておるぞ。儂はこのパーティでは新参者じゃが、神官として見過ごすわけには……」
「ブレーヴァスの旦那、大丈夫っすよ。そもそも神官とはいえ6の位階の冒険者に本気で抵抗されたらヤバイのは俺達だって解ってますって。まぁ見ててくださいよ」
ブレーヴァスに向かい自信ありげにそう言い切ったクライトン。
確かに口では嫌々と言いながらも抵抗する様子のないユナの様子を見れば、最近まで教会に所属していて俗世間に疎いブレーヴァスの目から見ても違和感があるのは事実であった。
「んはぁ……だめぇ……あンッ♡ もうやめて♡♡」
「そうは言ってもよぉ……ほんとに嫌なのかねぇ? ほれほれ」
ユナの豊かな双丘を衣服の上から弄っていたクライトンがついにその服の内側に手を潜り込ませて直接乳房を弄び始める。併せてゴルドリーオとゴエモンも、カチャリと音を立ててホットパンツのフロントボタンを外してジッパーを降ろしていく。
「やっぱノーブラじゃねぇか! パンティはピンクって可愛い趣味してんだなぁユナさん」
押し殺した様な嬌声を上げて乳房を揉みしだかれているユナ。その瞳は長い前髪に隠されて表情を解り難くしているものの……軽く弧を描いた厚めの唇は確かに笑みを浮かべているのだった。
「ひああッ♡ 乳首摘まんじゃだめぇ! 嫌ぁ♡♡ギルドにいいつけますよぉ♡♡」
「ダンジョン内の揉め事は切った張った以外じゃあんまり受け付けてくれないんだぜ? 勿論査定にゃ響くだろうが……でもよぉユナさん、本当に止めてもいいのかい?」
「…………んぅ♡ いやあ♡♡」
「解った解った。ほらお前ら、止めてくれってよ。これ以上はダメだそうだぜ」
ユナの言葉を聞いたクライトンがパッとその身をユナから離して仲間達に声をかける。
あっさりと身を引いたクライトンに続く様に、ホットパンツをずり降ろそうとしていた二人の仲間もおとなしくホットパンツの位置を戻してジッパーを上げてやり、フロントボタンを留めて身を離した。
「あっ…………」
あっさりと身を引いた男達にむかって手を伸ばしかけ……くたりと落ちたユナの手。やや呆然としている様にも見えるその姿を一顧だにせず、男達は宴の後片付けを始めていた。
「後片付けはやっておくからよ。アッシュさんを運ぶのはゴルドリーオに任せてユナさんも戻ると良いぜ」
「ああ、力には自信があるぞ。ちゃんと送って行こう」
あっさりと引き下がった男達がテント内を片付けている間、その場にしゃがみ込んだまま俯いているユナ。その様子を気の毒そうに見ていたブレーヴァスがユナの震えている肩を抱いて慰めるように声をかける。
「すまんユナ殿。彼等もまだまだ若くてな……立てるかの?」
「………………」
「んっ、すまん、よく聞き取れなんだ」
なにやらぼそぼそと呟いているユナの傍にしゃがみ込み、優しい声で聞き直すブレーヴァス。その優し気な顔を見上げる様に顔を上げたユナの前髪がはらりとズレて、その下に隠されていた瞳が露わになる。
「ッ!」
刹那、言葉を失ったブレーヴァス。
その瞳をまともに直視してしまった戦神の神官は仲間たちの言葉が正しかったことを悟る。
(なんという淫らな顔じゃ……濡れた瞳が物欲しげに語り掛けてきおる……ゴクリ)
「…………して……」
「ユナさんそんな小さな声じゃ聞こえないぞ? なんだって?」
いつのまにか傍らに来ていたクライトンがにやにやといやらしい笑みを浮かべたままユナに聞き返す。その言葉にビクリと大きく肩を震わせたユナが我慢できないとでもいう様にテント内に響く程の声で叫び始めた。
「犯してえええええ! あんなやらしい手付きで私に火を付けといて放置なんてずるいですっ! ダメッ! 許せない! 寝てるアッシュの横で私のカラダメチャクチャにぶち犯してぶっ壊してぇ♡♡♡♡ んはああああんっ♡♡ 我慢できないですぅ……自分で弄っても全然物足りないのぉ!! おちんぽっ! おちんぽ欲しいの! 女日照りでチンカス溜まってそうなくっさいおちんぽ四本もあるのにお預けなんて嫌ああああああ! 四本のガチムチおちんぽでアッシュにとって大切な私をモノみたいに犯してぐちゃぐちゃにしてぇ♡♡♡♡♡」
今までのやや天然染みた無防備さは、ユナは演技であったのだろう。
本音をぶちまけながら自らの手で乳房を揉みしだき、もう片方の手で股間を擦り続けるユナの様子に男達は――堅物であったブレーヴァスさえも含めた四人は即座に獣と化した。
「エロ過ぎる! 予想はしてたが……いやこりゃ予想以上のドスケベ女だぜ」
「なんたる艶めかしさ……これは男が狂うのも栓無き事か」
「順番きめっぞ! 恨みっこなしのダイスロール一発勝負。高い順に頂こうぜ! ゴエモン、今回はイカサマ無しだぞ。それはユナさんへの冒涜だからな」
「わあってるよ。こんな大当たりの美女相手にイカサマしたらお前らに殺されちまうわ!」
ダイスを転がし始め、その結果に叫んだり歓喜している男達を眺めながら、満足そうに唇を笑みのカタチに曲げたユナ。まもなく始まるだろう凌辱の嵐の前に、その被虐に満ちた心は否応なく高ぶるのであった。
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tips
愛神カーマ
愛を司る女神として一般的には有名であるが、高位の神官は試練によってかの神のもう一つの側面を知ることになる。愛を司る神カーマの
愛と欲は表裏一体なのだ。神聖魔法ブレスによる任意の追加効果も愛されやすくなる、といったものだが淫神マーラとしての観点から言えばそれは……異性に対する性愛の媚薬の効果そのものであった。
この特殊効果は自分にしか付与することが出来ない。効果は一定時間の間、近寄る男達に自らの魅力値補正を掛けた判定を行い、抵抗に失敗した者は悉く獣と化して性的に襲い掛かって来る。