※この作品はR-18です。

喰われなければ、解るまい   作:アンデッド

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『女信長』なかなかぶっ飛んでおります。


逃げろ

 

城砦に等しい本能寺は、

自ら招き入れた明智軍により阿鼻叫喚の地獄と化した。自らが愛した男、十兵衛こと明智光秀に

織田信長改め御長は喰われかけていた(物理的に) 

 

 

「ふざけるな……ふざけるな……ふざっ」

意識が遠のく寸前、光秀殿の頭が

破裂しました。夜着を剥がれ、血の海のなかで

素肌をさらす私に「大丈夫か? 心配すんじゃねー

本能寺から出してやる」みたことない黒衣の  

外套を背中から被せてきました。

 

目元が伺えない殿方は、肌身に黒い頭蓋骨が

大きく描かれた最新型の西洋鎧を付け

見たことない火縄銃かまえ私の手を握り

襖を蹴破って走り出します。  

 

「信長がァァァァ!!」

 

「殿を~肉を食わせてくだせぇええええええ」

 

目を吊り上げて、鬼の形相でお互いを喰らい

合う光秀軍と護衛を、殿方が正確に頭を 

撃ち抜いていきました。

 

私はただ、手を引かれていくしか

できません。

 

 

それから本能寺を出る寸前……

 

 

 

 

「痛っ!! ッてーな」控えの小性に脇を刺された

殿方は手から溢れる血を押さえながら、私に

こう言いました。

 

「御(・)長(・)、これで介錯してやれ」

 

火縄銃と同じく初めてみる短銃を

差し出してきます。「使い方は~撃鉄を

親指でおろし、人差しを用心金(トリガーガード)に

そえて中指と薬指で引き金を絞れ。頭を撃てば

仕留められる」と使用法を教えられました。

 

私は言われたり「上様ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」と叫びつつ、刀を

振り回し駆け寄る小性のお蘭を撃ちます。

放たれた弾丸は眉間を貫き、蘭の背中から

血桜を散らしました。ああっ……許して

蘭丸。私はまだ生きなくてはならないのだ。

 

「ワリぃーけど立たせてくれ」片脚を

引きずり近づく殿方を支え、月が照らす場所まで

進んでいきます。

 

「ちょっと耳をふさげ」殿方は背中から

小さな大筒を夜空へ打ち上げました。

 

 

「ずいぶんと遅かったわねルシファー」

 

「マヤ──」

 

頭上に浮かぶ回転気球から降り立つやはり

上下黒づくめの女。『るしふぁ』と呼ばれた

殿方の友なのでしょう。

 

「アラアラ~まさか、信長さまがこんな麗(・)人(・)

だったなんて予想外ね」

 

「手ェ出したらエラにどやされるぞ」

 

「ご心配なく。仕事とプライベートはわける

方だから」

 

「へーそうかよ」

 

 

どうしてか悔しく思ってしまう。だが、裸身しか

いまの私に何もできない。

 

「とりあえず鬼ヶ島第一前哨基地で匿うぞ」

 

「信長サマに状況説明がてら、異常事態の

説明もしましょうか」

 

「私は……信長ではありません」

 

「そうなの?」

 

「ああっみたいだ。男名前が信長で、本名が

御長らしい」

 

「なんで知ってるのよ」

 

「原(・)作(・)を(・)通(・)し(・)読(・)ん(・)で(・)っ(・)か(・)ら(・)だ(・)」

 

 

私には理解できない話でした。ですが、鬼ヶ島

とやらに行けばこの状況を知れるかも

しれませぬ。

 

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難しいことはすべて『原作を通し読み』で
すませる新世順文学スタイル。
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