自ら招き入れた明智軍により阿鼻叫喚の地獄と化した。自らが愛した男、十兵衛こと明智光秀に
織田信長改め御長は喰われかけていた(物理的に)
「ふざけるな……ふざけるな……ふざっ」
意識が遠のく寸前、光秀殿の頭が
破裂しました。夜着を剥がれ、血の海のなかで
素肌をさらす私に「大丈夫か? 心配すんじゃねー
本能寺から出してやる」みたことない黒衣の
外套を背中から被せてきました。
目元が伺えない殿方は、肌身に黒い頭蓋骨が
大きく描かれた最新型の西洋鎧を付け
見たことない火縄銃かまえ私の手を握り
襖を蹴破って走り出します。
「信長がァァァァ!!」
「殿を~肉を食わせてくだせぇええええええ」
目を吊り上げて、鬼の形相でお互いを喰らい
合う光秀軍と護衛を、殿方が正確に頭を
撃ち抜いていきました。
私はただ、手を引かれていくしか
できません。
それから本能寺を出る寸前……
「痛っ!! ッてーな」控えの小性に脇を刺された
殿方は手から溢れる血を押さえながら、私に
こう言いました。
「
火縄銃と同じく初めてみる短銃を
差し出してきます。「使い方は~撃鉄を
親指でおろし、人差しを用心金(トリガーガード)に
そえて中指と薬指で引き金を絞れ。頭を撃てば
仕留められる」と使用法を教えられました。
私は言われたり「上様ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」と叫びつつ、刀を
振り回し駆け寄る小性のお蘭を撃ちます。
放たれた弾丸は眉間を貫き、蘭の背中から
血桜を散らしました。ああっ……許して
蘭丸。私はまだ生きなくてはならないのだ。
「ワリぃーけど立たせてくれ」片脚を
引きずり近づく殿方を支え、月が照らす場所まで
進んでいきます。
「ちょっと耳をふさげ」殿方は背中から
小さな大筒を夜空へ打ち上げました。
「ずいぶんと遅かったわねルシファー」
「マヤ──」
頭上に浮かぶ回転気球から降り立つやはり
上下黒づくめの女。『るしふぁ』と呼ばれた
殿方の友なのでしょう。
「アラアラ~まさか、信長さまがこんな
だったなんて予想外ね」
「手ェ出したらエラにどやされるぞ」
「ご心配なく。仕事とプライベートはわける
方だから」
「へーそうかよ」
どうしてか悔しく思ってしまう。だが、裸身しか
いまの私に何もできない。
「とりあえず鬼ヶ島第一前哨基地で匿うぞ」
「信長サマに状況説明がてら、異常事態の
説明もしましょうか」
「私は……信長ではありません」
「そうなの?」
「ああっみたいだ。男名前が信長で、本名が
御長らしい」
「なんで知ってるのよ」
「
私には理解できない話でした。ですが、鬼ヶ島
とやらに行けばこの状況を知れるかも
しれませぬ。
難しいことはすべて『原作を通し読み』で
すませる新世順文学スタイル。