人里と一口にいっても、様々な側面がある。見世物小屋は、間違いなく後ろ暗い部類に含まれる。住民達のガス抜きのため設けられたこの建造物には、珍奇で奇妙な事物が集められていた。
びっくり人間、人語を解する鳥、呪われた河童の腕。出し物はどれも低俗ながら、輝夜にとってはなかなか面白かった。なにせ、月都においては規制されていた興業形態だ。アンダーグラウンドな雰囲気に、好奇心が刺激される。
「姫様……まだご覧になられるので? 畏れ多くも申し上げますが、姫様には、こうした場所は似つかわしくないと言いますか、そのぅ……」
「おかしなことを言うわね、私は月では大罪人よ? むしろこういうところのほうがふさわしいと思わない?」
薄暗い展示廊下に並べられた品々を、興味深く見て回る。後ろから付いてきてきてゴチャゴチャ言っているのは鈴仙だ。仮にも元軍人だろうに、場の怪しい風情に呑まれているらしい。
提案に対して問い返せば、弱り果てたとばかりに眉尻を垂れ下げる。肯定しても否定しても無礼になるので、黙っているしかないのだった。
「よく見てごらんなさいな。結構楽しいものよ? ほらこれなんて、骨が透ける遠眼鏡ですって」
「内側に鳥羽を貼ってるやつでしょそれ。何が楽しいんです?」
「何がって、こんなチャチなのを堂々と見せびらかして小銭を稼ぐ根性よ。月都万象展じゃ出来ないでしょ、そんなの」
実際、並んだ品のおおよそは、月の技術水準からすればとんでもなく低レベルなインチキだった。それでも、娯楽に飢えた幻想郷の人々からすれば十分にスリリングなのだ。群がって人混みをつくる様に、鈴仙はいささか呆れているらしかった。
「帰りたい……」
「そう言わないの。せっかくのお招きなんだから」
むろん輝夜とて、こんな吹きだまりじみた場所を自分から訪ねたりはしない。永琳からチケットを渡されたのだ。患者からもらったものの、ちょうど用事があって行けないからと言っていた。
「それに。永琳いわく、メインの出し物はそりゃもう凄いらしいわよ? 色々とね」
「はぁ。それはそれは……」
気のない返事だった。ほんとうに「スゴい」のにと、鼻を鳴らす。これはオフレコ情報だが、今から見に行くのは、永琳直々にプロデュースした企画だった。
「うっわ。何この人だかり」
廊下を抜け、展示ルームに入る。中央の円形ステージを囲んで、大変な人混みができていた。もともと人間嫌いの鈴仙などは、一目見て踵を返そうとしたくらいだ。もちろん、首根っこを引っ掴んで止めたが。
群衆をかき分け、覗き込む。キャプションのパネルには、「ヒトウシ ご自由にお使いください」とだけ書かれていた。
「んぉおッ、ぉんッ、ぉうッ、ぉおんッ」
「へへッ、おら、もっと鳴いてみろよ牝牛がよぉ、きったねぇ声でよぉ!」
一種の体感型のアトラクションらしく、客がステージ上にあがっている。繰り広げられているのは、凌辱劇だった。ボンデージを着せられ、四つん這いで台座に固定された女性が、複数の男から容赦ない責めを受けている。
まごうことなきレイプだが、響くのは悦びの声だ。マゾヒズムの悦びに熱狂する、変態のよがり声だった。
尊厳など欠片もない姿だった。エナメル製の全頭マスクには、牛のそれを模した耳があしらわれている。開口器が噛まされており、喋ったり口を閉じるのはおろか、唾液を嚥下するのもままならない。だらだらと涎を垂らす口腔からは、品のない嬌声が漏れ続けている。
ボンデージがぴっちりと全身を包み、ボディラインを浮かべている。肌の露出こそほぼ皆無ながら、体の輪郭はもろにわかる。さらには、乳房や恥部だけは思いっきり曝け出されていた。たいへんインモラルだ。
全体は白を基調としており、やや大きめの黒いブチが配されている。まさしく牛柄だ。
腕・脚は、それぞれ折り曲げられて、革ベルトにて固定されていた。肘と膝を使って四つん這いで移動するしかない様は、四足歩行の獣――この場合は牛――を思わせる。
ボンデージに覆われていない数少ないパーツ、臀部からは、ぷらぷらと尻尾がぶら下がっている。根元は、尻肉の谷間と繋がっていた。アヌスにプラグがねじ込まれているのだろう。
なんとも趣味の悪い性玩具を、ステージ上の男が時折引っ張っている。排泄感とない交ぜの性感に、野太い声が女の喉から漏れている。
――やってるわね、永琳。
ヒトウシと名付けられ、お触りどころかレイプ自由の見世物として嬲り者にされているソレは間違いなく八意永琳その人だった。
全頭マスクを被され顔は見えず、全身ギチギチに拘束されているので、誰なのか分かりはしない。が、大事な従者なのだ。見間違えるはずもない。
永琳がずば抜けた美女なのも手伝っていた。もちろん、覆面を被されているので、顔は見えない。しかし、男なら放っておかず女ならハンカチを噛んで嫉妬するボディの持ち主など、彼女以外にありえなかった。
しなやかな首に、ゴツい首輪が嵌められている。ぶらさがった識別用タグはガワだけの玩具だろうが、人格を貶める演出として一躍買っていた。魅惑的な肩のラインをボンデージが強調している。
ほとんど覆われ、自由を奪われた肉体において、たわわなる乳房は無防備なほど曝け出されていた。こぼれ落ちんばかりのJカップバストは、まさしく視覚の暴力といえた。それだけの質量でありながら全く型崩れせず、完璧な曲線を描いているのだからすさまじい。広めの乳輪は、白い乳肉に対して実に馴染んだ褐色だ。
サイズ・形・バランス、どれをとっても芸術的だった。だからこそ、下品に飾り立てられた様は男の情欲を煽る。
今も、思い切り揉み潰されていた。指の圧力で自在に形を変え、確かな弾力で押し返す様は、淫靡としかいえない。観客達から歓声があがった。
腹回りは優雅にくびれている。溜息の出る肉体美は、ボンデージを纏ったことで不道徳的な淫猥さを醸し出している。
骨盤は大きく広がって、安産型の下半身を形成している。
本来であればきっちり覆われているべき秘部は、思い切り剥き出しになっていた。陰毛の茂みはかなり濃い。あの几帳面な八意永琳がだ。今日のために、わざと剃らずにおいたのだろう。ムダ毛だらけじゃねぇかと、男たちに嘲笑われている。
肉穴は今まさに、男のモノを咥え込んでいる。容赦ないピストンを受けて、ぢゅぽッ、ぐぽっと品性の欠片もない音をたてている。
突き入れられ引き抜かれるたび、狂いきった嬌声が艶やかな唇から飛び出す。まき散らされる雌汁は、白濁していた。すでに何人もの観客に使われ、精を注がれてきたことを示している。
尻肉の豊かさときたら、満月を二つ並べたかのようだ。勢いよく平手が叩き込まれるたび、ぷるぷると放埒に波打っている。パシィッ、パシィッと小気味よい音が響き渡っていた。
「おらッもっと吸い付けってんだよ便所がよォ」
「ぉゴッ、ぐッ、ンぐぅっ、ぐぼッ、ぉぐぅうッ」
目の前に立った男が、口腔へ男根をねじ込む。開口器を嵌められていては、抵抗などできるわけもない。顔も知れぬ誰かの肉棒を、喉奥まで迎え入れさせられる。
ごぼごぼと、排水口に水を流すのに似た音が鳴る。白い喉に亀頭のシルエットが浮かんでいるのが、ここからでも見えるくらいだ。
「おー締まる締まるッ、全自動ザーメン搾り機能付きかよ、よく躾けられた牛だなァおい?」
「んぉんッ! ぉうッ、んもぉッ、ぉごッ、んぐぅ、んぉおおおおんッ!」
次から次にピストンが繰り出されている。すぱんすぱんと、たわわな尻肉と下腹がぶつかり合う。よほど良いところを抉られているのだろう。嬌声には、普段の理知の一億分の一も感じられない。あれで八意永琳だと気付くのは、まず不可能だ。
「うっわぁ……気色悪いし趣味が悪いし穢らわしい。男共も大概ですけど、あの女なんて最低ですよ。同じ性別だとすら思いたくない。頭おかしいんじゃないの?」
熱烈極まる輪姦劇を見せられた鈴仙は、完全に引いていた。顔をしかめ、師たる人物をそれと知らず罵倒する。
「帰りましょうよ姫様……姫様?」
「何を言ってるの。月では絶対ありえないショーよ? 愉しまないともったいないじゃない」
人混みをかき分ける。そうだ。愉しまないと勿体ない。そして愉しむとは、ただ眺めることを意味しない。せっかくの、参加できるアトラクションなのだ。輪に加わらねば、十全に味わい尽くしたとはいえない。
「おーら出すぞ牝豚、いや牝牛か、なんでもいいや、そら中出しだ、ありがたく受け取れや!」
「んぉおおおんッ! が、ごぼッ、ぐぶゥうッ……!」
前後から精を注がれ、拘束された肉体が弓なりに反り返る。がくがくと全身を痙攣させ、浅ましい声をあげて悶える様を見て、誰が月の頭脳を連想しようか。
男は金玉の中身をたっぷりと永琳に吐き出し、肉棒を引き抜く。ヒクつく膣口から亀頭へ伝う粘液の糸は、牝牛への無責任種付けが行われた何よりの証拠だった。
「ぉっほぉ、出した出したァ、そら次は誰だァ? 早いもん勝ちだぜ、さっさとしねぇとガバマンになっちまうだろうなぁ! ギャハハ!」
「なら、次は私が。いいでしょう?」
次は自分の番だとばかりに、幾人もの男達が殺気立つ。が、水をかけたかのごとく静まりかえった。
鈴を転がす声は場違いを極めており、だからこそ注目を集める。そうして視線を向け、声の主の顔立ちに度肝を抜かれたのだ。なにせ、蓬莱山輝夜といったら、日本最古の物語に謳われるほどの美女なのだから。
誰もが目をむいていた。なんでこんな美人がこんなところに? と、表情に疑問を浮かべている。
周囲の目を気にもとめず、ステージに上がる。拘束台の上でぐったりと脱力した永琳に、耳元で囁いてやる。
「ハァイ永琳。いやヒトウシさん。今夜はお招きいただきどうもありがとう。お礼に、この私直々にたっぷり辱めてあげるわ。光栄に思うことね」
「ぁ、ぉ、あぅや」
「アハッ、なぁに? 何言ってんだか分かりゃしないわよ、畜生風情が喋ろうとするんじゃないの!」
「アァアッ!」
男達がしていたように、丸い尻を思い切り平手で打つ。すでに何度も叩かれたのだろう臀部は、猿宜しく真っ赤に染まっている。うっすら浮かんでいた汗が、珠となって散った。
「ああ、いい物が落ちてるじゃない。ちょっと拝借して……ホラ」
「んんぉおおおうッ!?」
床に転がっていた張型を拾い上げる。赤子の腕ほども太い、えげつないデザインだ。間違いなく上級者向けの一品だった。今まで散々使われてきたのか、粘液にまみれてドロドロだ。
ならば慣れているだろうし、手加減は不要だろう。だらしなくヒクついていた淫乱穴へ思い切りねじ込んでやる。ぶぢゅん、と無様な音が響くと同時に、裏返った声をあげて悶える。
「あははっ、この程度でそんな喘いで、喉が嗄れるわよ?」
「ぉんッ、ぉッ、くぉんっ、ふぐぅうッ、んぉおんッ!」
どちゅどちゅと、容赦なくほじくり倒していく。乱暴さでいえば、先の男のピストンをも上回っていた。同じ女であり、蓬莱人であるからこそ、どこまでやっていいかよく分かる。ギリギリのラインを叩きつけていく。
玩具を操る手を通じて、ゴリッ、ゴリッと感触が伝わってくる。今は牛となった彼女の、もっとも弱いところを抉っているのだ。狂った嬌声をあげながら、全身を跳ねさせている。
「節操のない下半身だこと。恥ずかしくないのかしら。この毛も……私に内緒で茂らせてたの? いやらしいこと」
張型を叩き込むたびに、牝臭い汁がまき散らされる。注ぎ込まれたスペルマ混じりの、粘っこい淫蜜が、すでにでろでろのステージを汚していく。駄目な獣だこと、と呟きながら平然と無慈悲な責めを繰り出す様は、凄まじく堂に入っていた。生粋のサディストのなせるわざだ。
突如として乱入した絶世の美女による凌辱ショー。観客達は昂ぶり、いいぞいいぞと野次を飛ばす。
「んぉッ、ぉうッ、ぉうッ、ぉおんっ」
「無様な声だこと。牛なんだかオットセイなんだか分からないわよ貴方」
「んぅううッ、んぉおっ」
「気付いてるか知らないけど、鈴仙も見てるわよ? ステージの下でドン引きしてるわ。よかったわね? 大事な弟子に見下してもらえて」
「んぐッ、んぅううッ!」
最奥部をゴスゴスとノックしながら、言葉でも嬲りたてる。別に嘘はついていない。嬌声は実際牛っぽくなかった。鈴仙は完全に顔を引きつらせて、姫様を止めるべきだろうけど関わりあいになりたくない――と言わんばかりの表情を見せている。事実を淡々と述べるだけで、言葉責めになるのだから、こんなチョロい相手もそういなかった。
「ほら、コッチも好きなんでしょ。本当にどうしようもない……」
「ッ、ぉおンッ! んグッ、ぐッ、んぅうん!」
尻肉の狭間からみっともなく垂れ下がった尻尾を引っ掴む。引っ張れば、ぬぽっ! と妙に小気味よい音を立て、アナルプラグが引っこ抜ける。
拡張された菊穴は、イソギンチャクのごとくくぽっ、くぽっと収縮を繰り返していた。ローズピンクの内部粘膜を晒しながら、饐えた匂いをほんのり漂わせている。とても元月の住人とは思えぬ有様だった。
尻尾が無いと大変よね? と、もう一度ねじ込んでやる。と見せかけて、気まぐれに引っこ抜く。繰り返せば、アナル狂いのできあがりだ。牝穴から汁を噴き散らかしながら、もっとほじくってほしいとばかりに臀部を差し出している。
「あはは。こんなのが私の従者だなんて思いたくなーい」
「ふっ、グッ、ゥううッ、ぉぉおんっ!」
吐き捨てる。流石に効いたのか、官能を堪えようとする様子を見せた。小賢しいと両穴を弄ってやれば、アッという間に陥落した。
「さて……と。ああ、こんなのもあるのね。素晴らしいこと」
ステージ上には大きめの化粧箱が置いてあった。中には諸々の淫具が放り込まれている。使えと言わんばかりだ。
取り出したるは、ペニスバンドだ。衆人環視の下で裸になるのは都合が悪いので、少々不格好だが、衣服の上から腰に巻き付ける。
伸びる張型は、恐ろしいデザインになっている。反り返りいきり立つ様は、そんじょそこらの男のモノよりもよほど立派だった。なにより普通の品と違うのは、二本ついていることだ。一人で両穴を責められるようになっているのだ。
「ほぉら、たっぷりよがりなさい」
「んぉッ、ぉおおおおおおんッ!」
二穴はぽっかり口を開けて、粘液を滴らせながら、くぽっ、くぽっと収縮を繰り返す。ムワムワと、どうしようもない淫臭を漂わせている。
そこへ、何の宣言も遠慮もなく、ディルドをねじ込んだ。ぼぢゅッ、とえげつない音を立て、異物が永琳の内側へと侵入する。
敏感粘膜を同時に穿たれた彼女の反応は、極めて分かりやすかった。聞き苦しい声を展示室中にこだまさせながら、全身を跳ねさせる。膣口から淫汁をぶしィッ、と音を立て噴き出させる。挿入しただけで達したのだ。
「なに? 躾のなってない畜生ね。少しぐらい堪えなさいよ、服が汚れたじゃないの!」
「んぉッ、ぉんッ! ぉッ、んぅうッ、ぉおんッ! ふぅうッ、ぉっおっ、ぉうッ!」
しゃくり上げるストロークで、抽送を始める。同じ女であるから、どこをどう穿ってやれば感じるかはよく分かる。的確なピストン運動は、体内のよいところをゴツゴツと突き・抉り・ほじっていく。
尻肉に下腹が打ち付けられるたび、永琳はどうしようもない嬌声をあげてよがる。衆人環視の下、敬愛する主に犯される興奮に、蕩けきっていた。見世物女がよがり狂う様を、観客達はニタニタといやらしい笑みを浮かべ見つめている。
ズボズボと、二つの穴がほじくられる。限界まで大口を開け、玩具をしゃぶりたてる性処理穴から、散々男達に注がれたのだろう白濁が逆流する。どうせなら全部掻き出してやるとばかりに、激しく腰をグラインドさせていく。
「ぉおッ、んぉおぅッ、ぉおんッ、んぐぅッ、ぉおん!」
叩きつけられる悦びに、家畜の肉体は本能で反応する。豊かな腰が、猛然とくねり始める。輝夜からの抽送に合わせて、うねっうねっと猥褻に踊る。娼婦よりも淫らで浅ましく、どうしようもない姿だ。
「あははッ、本当どうしようもない。知らない男に精液漬けにされて、身も心も家畜になりましたって!?」
「ぉーッ! んぅッ、んぉんッ、ぉおおおおっ!」
腰を叩きつけながら、スパンキングをも繰り出す。金閣寺の一枚天井を持ち上げられる腕力で、思い切り平手を打つ。散々嬲られた尻肉は、もはや牛だか猿だか分かりはしない。叩かれて涎を垂らし悦ぶ様に、知性のちの字もありはしなかった。
「あの~……姫様、お楽しみのとこ悪いんですけども……」
「あら鈴仙。どうしたの? 帰りたいっていうなら一人でどうぞ。私はコレでしばらく愉しむから」
「あ、いや、そうじゃなくてですね、そのう……」
声をかけられ、ピストンを中断する。鈴仙がステージにあがっていた。新たな乱入者へ、観客達は期待の目を向けている。彼女自身、頬を紅潮させていた。
「分かってるわよ。参加したいんでしょう」
「あっ、いえ、まあその、へへ。いや姫様がお楽しみの最中に悪いなとは思ってるんですけど、私もええっと、ちょっと興味があるといいますか、ねえ?」
鈴仙・優曇華院・イナバには、もともとレズの気がある。本人は自覚していないらしいだが、師を見つめる態度などで一目瞭然だ。
小心者すぎてそうした性嗜好を表にだすこともあまりないが、今は場が場だ。調子に乗りやすいたちもあって、理性の箍が幾分、緩んでいたらしかった。
「そうね。私ひとりじゃ正直、この変態をどうにかするのは大変だったのよ。手伝ってくれる?」
「姫様がそうおっしゃるなら、是非」
大義名分があれば、コロリと転ぶものだ。たとえば、上位者からお願いされるだとか。
化粧箱から同型のペニスバンドを渡してやる。二本のディルドがそびえたったソレを、慣れた手つきで装着していく。
「慣れてるのね」
「えーっと、まあその、玉兎の部隊にいるとこういうの、使ったりするので」
「なるほど。なら早速、コレの穴の躾け、やってみる?」
「いいんですかぁ?」
堂々と弱い者を嬲れる好機に、目がきらきらと輝く。もちろん、と返して、退いてやる。彼女はうきうきと、こちらに近づいていた。
気分が昂ぶっているのは、永琳も同じらしかった。自らの貞操を気軽にやりとりされる異様な状況に、興奮しているのだ。
「この牛女、アンタこんなとこで犯されて悦んでるなんて、ホント頭おかしいんじゃないの? ……あははっ、よかったわね、今からこの私が直々にレイプしてあげるわ」
「んぉおおぅん……」
弟子に犯される期待で、永琳はすでに感じているらしい。聞き苦しい声をあげて腰をくねらせる。鈴仙は気付きもせず、嘲笑しながら彼女の尻に平手を打ち込む。パァン! と破裂音が鳴る。
「ほら、挿入れてあげるんだから、感謝してヨがりなさいよ……ほらッ!」
「んぉッ、ぉあぁ、んぉおおおnッ!」
「あははッ! ほんっとうるさい声よねぇ!」
容赦なく挿入される。たっぷりとした腰を掴み、下腹を打ち付けていく。ぢゅぼッ、ぐぽっと激しいピストンサウンドが鳴る。いいぞいいぞと、観客達から野次が飛ぶ。
ビビりの臆病者だが、鈴仙は軍人だ。フィジカル面は相当に鍛えられている。その肉体から繰り出されるピストンは俊敏かつ強靱で、ゴリゴリと体内を抉っていく。
「ぉんッ! んぉッ! ぉんぉッ、んほぅッ!」
「はん、何そのきったない声! やかましいのよ、私の耳が腐っちゃうじゃない!」
衝動にまかせた、乱暴なストロークだった。己の嗜虐心を満たすためだけの、自己中心的な腰使いだ。それでも、両穴を引きずり出されては押し込まれる快楽混じりの苦痛。玩具のごとく弄ばれるシチュエーションに、永琳は恍惚を見出しているらしい。野太い声はなるほど確かに汚くあったが、同時に聞くものの情欲を煽る淫らさがあった。
「よかったわねぇ雌牛さん、その情けないグズッグズの穴っポコ、たっぷりほじってもらえて、ねぇ?」
「ぉッ、んぅッ、ぉ、ほッ、ぉおッ」
輝夜もただ眺めてだけはいない。従者同士の痴態を嘲り見つめながら、罵倒する。開口器を嵌められているので、言葉での返事はない――そもそも牛が話せるわけもない。代わりに、がくがくと首を縦に振ってみせた。
「でも、まだ足りないでしょう。ええ? 変態のアバズレ牛のことだから、ここも一緒に犯されないと満足できないんでしょう」
「んぁッ」
開きっぱなしの口の、ヌルつく舌を引っ掴む。ぐいっと引っ張れば、苦しげに顔を歪める。
そのわりに、喉から漏れるのは期待の吐息だった。先端をレロレロと蠢かして、挑発してくる。
大事な大事な従者のおねだりだ。聞いてやらねば主失格だろう。ペニスバンドのディルドを片方外して、一本のみにする。なにせ今から突っ込む穴は、一つしかないので。
「ほうら、自分のおまんこの味、ようく味わいなさいな!」
「ぉごおおッ!」
顔面に下腹を叩きつけてやる。えげつない長さの張型は口腔どころか喉にまで至り、粘膜を抉る。そのまま、セックスするかのごとく腰を振りたくる。白い喉に、張型のシルエットが浮かんでは消える。
「ぉぐぅッ、んぶッ、んぐぅゥ、んふッ、んぅうう」
万人を虜にする魅惑の腰使いだ。本来なら苦痛しか感じないはずの凌辱を、性交として成立させる。永琳も、確かな性感を見出しているらしかった。
「あは、いやらしい体」
喉奥はきゅんきゅんと締め付けてくる。到底想像もつかぬ時間を生きてきた蓬莱人は、およそありとあらゆる性技を納めているのだ。イラマチオによる喉輪締めの感触は、ディルドであっても興奮してしまうほどだ。男なら何の抵抗もできず射精まで導かれていたろう。
「はん、何よ牛女、姫様のお手を、いや腰を? 煩わせて。ホント生意気な女!」
「んごッ!? んぅううッ!」
鈴仙の白い手が、爆乳を引きちぎる勢いで揉みしだく。根元から先端にかけて搾り上げる動きは、まさしく家畜への搾乳だった。
「はん、牛ならミルクの一滴でも出してみろってのよ、それもできないんじゃ家畜すら失格じゃない!」
ぎりぎりと乳輪から乳首をつねり上げる。痛みとない交ぜになった快楽で、ビクッビクッと女体が跳ねる。
無慈悲なサディスティックショーに、男達から歓声があがる。アンタたちうるさいのよと返しつつも、鈴仙はさらに調子に乗っていた。
「それにこの毛! モッサモサでだらしないったら。男にウケるとでも思った? バカなんじゃないの?」
腰を打ち付け、両穴を抉りながら、責めるのは股座の毛のことだ。ふさふさと茂った――茂りまくった毛は、とても月の頭脳とは思えない様相を呈していた。
「ほおら、手入れしてあげるわよ、アッハハハ!」
「んんんんんんんんんんんんんんッ!」
「うっわ……」
伸び放題の縮れ毛を鈴仙は掴み、よりによって引きちぎった。ブチブチブチッ、と嫌な音をたて、銀の毛が根元から引き抜ける。
絶叫が響き渡った。いくら蓬莱人であっても、痛いものは痛い。どれほどか想像し、輝夜も思わず顔をしかめる。
「ォッ、くっ、んぅうッ、んぅうんッ」
ガクガクと、永琳は腰を震わせている。痛がっているが、同時に悦んでもいるらしかった。永遠の生の中であらゆる事物に飽いていく蓬莱人にとって、鮮烈な経験は得がたいのだ。
「は? 感じてんじゃないわよこんなことで、狂ってんじゃないのこの牝豚!」
「牛だけどね……」
激しく繰り出されるお仕置きのスパンキングを眺めながら、小さく突っ込みを入れる。――なにより、今夜豚になるのは、永琳のほうではない。
まあまあ愉しませてもらったし、そろそろもう一つの目的を果たすときだった。実のところ、この見世物はまだ完全でないのだ。完成させねばならない。
口腔からディルドを引き抜き、鈴仙に声をかける。
「鈴仙。私は他の出し物も見て回るけど、貴方は?」
「ええっ? どうしてですか姫様。ここからが面白いトコなのに」
「自分が愉しみたいだけでしょ? 貴方は残っていいわよ。ひとりで見て回るから」
「あらっ、そうですか? じゃそうさせてもらいますね、姫様も楽しんできてください」
現金な笑みを浮かべながら、どうぞ行ってらっしゃいと手を振ってくる。ペニスバンドを外し、ステージを下りる。観客達はいささかならず残念そうな反応を見せていたが、許してほしい。少ししたら、もっと楽しめるだろうから。
「ねえ、ちょっと……」
鈴仙は相変わらず、己の師をそれと気付かず嬲り、ステージ上で狂宴を繰り広げている。乱痴気騒ぎをよそに、スタッフへ話しかける。懐から取りだした、もう一枚の招待状を見せる。
「ああ、すると貴方が今日の、もう一人の……かしこまりました。こちらへどうぞ」
事情を理解した彼が案内する先は、次の展示室ではない。バックヤードだ。もともと怪しげな雰囲気満載の見世物小屋だが、裏手の通路はさらに猥雑だった。
「少々お待ちください、衣装係を呼んで参りますので」
導かれた先は楽屋だ。備品箱がごちゃまんと積まれ、半ば倉庫に近い。間違っても蓬莱山輝夜に似つかわしい場所ではなかった。
鈴仙には内緒だが、招待状は二種類あった。片方は客として入場するためのチケット。そしてもう一つは、出演者としてのものだ。
彼女は今夜、惨めな見世物として弄ばれる。己の従者と仲良くだ。
「うふふ……」
常軌を逸している。輝夜自身、認識している。だからこそだった。なにせ永遠を生きていると暇なのだ。なかなか悪くない刺激だった。
このあとどうせ、着替えることになる。ならば今のうちに脱いでしまうのが手っ取り早いだろう。衣服に手をかけ、素肌を晒す。
ちょうど部屋の隅に姿見があったので、己の姿を映す。かつて国中の貴族がこぞって押し寄せた、日本最古の物語にいまも謳われる美貌は、今日も輝いている。高貴なる花容は、しかしその一言では到底言い表せなかった。
映っているのは、美のイデアだった。輪郭には僅かな余分不足もない。一目見て息を飲まずにはいられない、絶妙な均衡を保っている。少女という、本来なら人生において一瞬しかありえない時間を、永遠に封じ込めているのだ。我が肉体ながら、惚れ惚れとした溜息が漏れてしまう。
透き通るほど白い首は、ほっそりとして、触れれば折れてしまいそうだ。ガラス細工のような印象を見る者に与える。肩と鎖骨が合流する優雅なラインは、世界一の絵師であろうとも描けまい。
ほんのりと膨らんだBカップバストは、柔らかで瑞々しく、つんと上向いている。最高の曲線は、ちらりと見ただけで一生目に焼き付いて離れないほどの魅力を放っている。
淡い桜色の乳輪は、染み一つない白い肌とはっきりしたコントラストをなしている。敏感なる乳頭は、隠してあげなくてはとハラハラさせられるほど無垢な姿をしていた。
腹回りは緩やかにくびれた、コケティッシュなカーブを描いている。寸胴ではないが、明確にくびれているわけでもない。この微妙なバランスが、まさに子供と大人の狭間にある存在、少女としての証明だった。
人体においては比較的、面積の広い部類であるゆえに、白皙の肌が照り映える。さながら視界いっぱいに広がる、朝一番の雪景色だ。くりっと窪んだ臍がなければ、己が今どこにいるかすら見失ってしまうだろう。
二次性徴を終えた瞬間で永遠に固定された骨盤は、広がりきる寸前で止まっている。ほんのり広がる腰回りが、子を孕めるのだと伝えてくる。
艶めく黒い毛がふんわり生えて、一本一本に至るまで丁寧に揃えられていた。ヒトウシに成り果てた永琳とは正反対だった。音にきこえし美の象徴は、見えないところまで身だしなみを整えるものなのだ。
後ろに回れば、艶めく髪の毛を堪能できる。この黒髪を、鴉の濡れ羽色と称するのは失礼だ。これを喩えきるには、鴉の濡れ羽ではしょうもな過ぎるという意味でだ。
さらに目を楽しませるのは、ぷりんとしながらも瑞々しく上向いた両尻たぶだ。さながら双子の満月だ。すらりとした、むしゃぶりつきたくなる脚も加わって、至高の下半身をなしていた。
「へへッ、どうもぉ~。すいませんね、衣装係のモンですよ。着替えの手伝いをさせてもらいに――うぉッ」
「ああ、ごめんなさい。どうせ着替えるからと、先に脱いじゃったわ」
「……あ、えっと、はい。これはどうも、お気遣いありがとうございます」
ノックも無しに、扉が開かれる。衣装係を名乗るのは、しょぼくれた中年男だった。女性出演者に女性スタッフを用意する気遣いなど、場末の見世物小屋にはない。どうせ男どもに嬲られるのだから別に構うまい? とばかりの処遇だった。
彼自身、そうして「役得」を得てきたのだろうし、今夜もそのつもりだったのだろう。顔を覗かせた瞬間のいやらしい表情が物語っていた。
けれども、輝夜を見るなり、すっかり毒気を抜かれたらしい。ずば抜けた美によって、ある種浄化されたのだ。
「ええと、それじゃその、出演の用意のほうをさせていただきますけども……。あの、本当にいいんです? 今日のスペシャルゲスト二人目の方で合ってますよね?」
「ええ。合ってるわ。『世にも珍しいヒトウシとヒトブタ』の、後者のほうね」
男はなおも、己が見ているものが信じられないらしい。なんでこんな美人がと、顔面で思い切り語っている。
にっこりと笑みを返し、肯定する。彼もようやく、現状が現実だと理解したらしかった。
「へ、へへ。そういうことなら、遠慮なくやらせてもらいますかね」
衣装棚から取り出されたのは、全身ボンデージだ。永琳が身に着けていたのとよく似ているが、あちらが牛を思わせる白黒なら、こちらはどぎついピンク色だ。
男の手を借り、装着していく。ボディラインにみっちりと吸い付くエナメルの感触は、さながら皮膚の上にもう一枚皮膚ができたかのようだ。それでいて、乳房や股座は無防備に曝け出されている。得体の知れない心細さに、ゾクゾクと腹の奥が疼く。
「ああ、あんたもあの銀髪の女とご同類だ。そっくりなマゾ面してやがったよ」
いまだ幾分かしこまっていた男の目に、見下す色が宿る。はん、と嘲り笑いながら、テキパキと作業を進めていく。
四肢をそれぞれ折りたたまれ、革ベルトで戒められる。肘と膝を支点にした四つん這いの姿勢を取らされる。まさしく、四つ足の獣だ。
「こんな美人が、家畜扱いされて悦ぶ変態とか。世も末だな。ほれ変態女、口開けろや」
「ええ。……あがっ」
言われるまま口を開けば、艶めく唇に金属製の開口器が嵌められる。革製ベルトで固定され、口を閉じることすらままならなくなる。浮かんだ涎が、口端から滴る。手が自由にならない現状では、拭えもしない。垂れ流すばかりだ。
準備は完成形に近づいていく。乱暴に、全頭マスクを被される。三角形の動物耳の付いたデザインで、口元だけが露出している、視界は一切奪われる。
「ぉごっ」
鼻腔に痛みを感じる。フックが引っかけられたのだ。そのままぐいっと、上に引っ張り上げられる。すっと通った日本一の鼻筋が、見るも無残に醜く歪められる。
「ほれ、動くなよぉ」
「ぉッ、ンッ、ぉ」
冷たい感覚が、腹の中に流れ込んでくる。ローションを肛門から流し込まれているのだ。
「動くなつってんだろ変態女」
「おんッ!」
妖しげな快感に、思わず腰がくねる。仕事の邪魔をされたことに苛立ち、男は臀部へ平手を打ち込んできた。先ほどの永琳そっくりの声が漏れる。
「おらッ」
「ぉほぅッ!」
潤滑油を注ぎ追えたら、次は尻尾装着の時間だ。野太いプラグが、勢いよくねじ込まれた。メリッ、と菊座が押し広げられ、腰が跳ねる。あがる声は、とても月の姫とは思えない、間抜け極まるものだった。
「お、ほっ、ほ、ぉ」
猿を思わせる嬌声が漏れる。強烈な排泄欲に、括約筋がヒクッヒクッヒクッと断続的に収縮を繰り返す。ぴくぴくと、豚の特徴的な尻尾が揺れていた。
ようやく、舞台衣装の完成だ。頭頂から爪先まで、エナメルのどぎついピンクに覆われている。本来隠すべき部位だけが丸出しになった姿は、あの展示室で見た永琳の姿によく似ていた。今日のダブルゲストの片割れ。ヒトウシと対をなす、哀れで淫らなヒトブタだった。
「ほれ行くぞ牝豚。てめぇの人生終了の場になぁ。ヒヒヒッ」
輝夜の美しさに対し当初抱いていた畏敬を、男は完全に喪失していた。彼女の体を拘束台の上へ乱暴に乗せると、縛り付ける。そのまま、出荷だとばかりにキャスターを押していく。バックヤードの通路を通り、再び展示室へと向かう。
「んぉぉおんッ! ぉううッ、んごッ、おぐッ、んぅうッ!」
ホールでは永琳の声が響いていた。だらしない穴が肉棒にほじくられる、えげつない水音もだ。
目隠しをしては見えないが、何人もの男が永琳に群がっているのを気配で感じる。牝肉を貪り、穴という穴をほじくって、女としての価値を地の底にまで貶めているのだ。
同じ性交用家畜として、なんて羨ましい――思わず、濡れてしまうほどだ。
「ほらもっと腰振りなさいよ男共、その変態に地獄を見せてやりなさい!」
鈴仙はステージ上で、他の参加者を煽りまくっていた。傲慢かつ高慢で、女王のごとき振る舞いだ。誰も歯向かおうとせず、言われるまま獣欲を永琳へ叩きつけている。会場全体が、狂気にあてられていた。
「さあさあ皆様、お待たせいたしました。今日のメイン展示のもう片方、世にも珍しいヒトブタでございます!」
そんな中に、特大の燃料が追加で投下される。惨めで淫らな家畜がもう一匹、ドナドナと連れてこられた。
永琳の真横に、仲良く展示される。むわぁ、と濃厚な性臭が鼻孔を通じて肺を満たす。誰もが顔をしかめる臭いに、しかし輝夜は恍惚を見出した。自分もこんな悪臭を放つ下品な存在になり果てるのだ。
「ふーん? メイン展示のもう片方って――係員さん、じゃあコイツも同じようにしていいわけ?」
「ええええ。もちろんですとも。本日お越しいただいた全てのお客様にたっぷり犯していただくのが、この牝豚の望みですので」
「なるほどねえ。ホント、地上の人間は何考えてるか分かんないわ。自分からレイプしてほしいって思うなんて……ちょっと聞いてんの、アンタのことよこのバカ豚!」
「ッんぅうんッ!」
パァンと、平手を打ち込まれる。まさか自分の師の主とは思ってもいないので、本気の一撃だ。
鋭い痛みに、背筋が反る。上がったのは嬌声だった。マゾヒズムの悦びに、胸が高鳴っている。
「は……あんたもお尻叩かれてよがるんだ。牛と豚で似た者……似た家畜同士ってわけ。ほんと、理解できない世界だわ」
「んんぅん……」
「うわ。しかも濡れてるし。触ってもないのにドロッドロじゃないの」
にちゃぁ……と、小さな蜜音が鳴った。曝け出された秘めやかなる貝を、鈴仙の指が割り開いていた。
この膣穴を見て、月の姫だと断定できる者は一人としているまい。だらしなく涎をしたたらせ、ヒクついている性粘膜は、まさしく発情期の牝豚のソレだった。
「ほんっと、何食べて生きてたらこんな風になれるんだか。頭の中開いて見てみたいわ」
意味分かんない、理解できないと言いながらも、鈴仙はかなり場に相応しい言動をとっている。責める言葉も振るわれる手も、二人のような淫乱変態マゾヒストを満足させるに足るものだった。
「そら豚女。アンタが欲しいのはこういうのでしょ」
「ンッんぅ」
淫裂に硬いモノが押し当てられる。覆面を被されていて見えないが、きっと張型だろう。こうして入口に当てられているだけでも、かなり太いのが分かる。女の穴を拡張させ、使い物にならなくする凶器だった。
「くくっ、そんなの被ってちゃ分からないでしょうけど、アンタの横にもう一人、女がいるのよ。下賎な男どものきったない精液にまみれた、無様な変態牛女がね。コレはそいつのお下がり。これから一緒に下品な見世物になるんだから、せいぜい仲良くすることね、あははッ!」
「んぉおんっ」
「んくうんっ」
ぴしゃりぴしゃりと、それぞれの丸尻に平手が打ち込まれる。すっかり真っ赤になったヒップが甘く疼いた。もっと虐めてほしいと、腰を高く掲げる。そこへ、玩具が叩きつけられた。
「ほら、たっぷり味わいなさい、気狂い女!」
「んぐぅうううッ!」
どぢゅんッ、とえげつない音が響く。いくら濡れていたとはいえ、解されてもいない狭穴だ。めりめりと、膣肉が拡張されていくのが分かる。黒光りする張型により、淫襞は無慈悲にめくり上げられていく。
膣とは要するに内臓だ。内臓にいきなり異物を突っ込まれるのだから、当然、痛い。もともと鼻フックで歪められていた顔が、引き裂ける苦痛でさらにくしゃくしゃになる。
が、喉から上がったのは苦悶の悲鳴ではなかった。むしろ、もっとしてほしいと誘う、淫らなる牝豚のいななきだった。
「何その声。感じてんじゃないっつうのよ! 本ッ当、あんたらみたいなのが居ると、私みたいなまともな女まで変な目で見られるの! 大迷惑なのよ! 反省しなさい!」
「ぉぐぅッ! んぉ! ぉッ、くぅッ、ぉ、ほッ、ぉおんッ、ぉおお!」
理不尽を喚きながら、鈴仙が手を繰り始める。玩具が激しく抜き差しされていく。
どちゅどちゅと、体内から肉の潰れる嫌な音が聞こえる。狭穴の最奥部、子を成すための神聖なる器官の入口を、容赦なくリンチする。
ポルチオは女性の性感帯においてもかなり上級者向けといえる。快感を得るためには開発が必須で、乱暴に扱えば痛いだけだからだ。
つまり、彼女の行為は常識に真っ向から喧嘩を売っている。ただし、やられる側の輝夜も、常識外れの存在だった。蓬莱人となって以来、子を成す機能は喪われている。最奥の小部屋は、快楽を得ることだけに特化した無駄器官と化していた。
そんなところを、ボコボコにされるのだ。ぶしぶしと、結合部から牝臭い汁が噴くのも当然の話だ。脳味噌に叩きつけられる快楽信号で神経がスパークし、奪われているはずの視界がチカチカと白熱している。あがるのは聞き苦しい、野太い嬌声だった。
「ほッ、ぉひッ、ぉおッ、んぉおッ、んぐうぅうんッ!」
「あーあ。こいつも牛女みたいにやかましく喚くんだから。私みたいにお淑やかさってものを身に着けなさいよね。ああいや、いらないか? 所詮ブタだもんね? でも、それならそれで豚らしく鳴けってのよ、ほらっ!」
「んごッ、ぶひッ、ぶぅううッ! んぶゥ、ぉッ、ほッ、おっおっ、ぉおおんッ!」
連続で繰り出されるスパンキングとポルチオ責めの快感に、膣ばかりか頭の中身までシェイクされていく。月の姫としての誇りもなにも投げ捨て、みっともなく鳴きちらすのは、最高に気持ちが良かった。
「あははッ……ホント馬鹿みたい。身も心も豚ってわけ」
よく言えましたとばかりに、ご褒美の平手を打ち込まれる。躾けられる悦びに、腰を軽くくねらせる。
「でもねぇ、だったらこの毛は何よ。なぁにお丁寧に整えてんの? アンタの友達の牛なんか、意味分からないくらいモッサモサにしてたのに。……ま、全部毟って無様なツルッツルにしてあげたけど」
「んぉおんッ」
永琳の官能の声が聞こえた。激痛と恥辱からなる、甘美な時間を思い出しているのだろう。頭おかしいんじゃないのと吐き捨てながら、鈴仙は話を続ける。
「おんなじように引きちぎってやってもいいけど。道具箱にいいもの入ってたし、もっと怖いことしてあげましょうか」
しゅぼ、とやや高い擦過音が聞こえた。どこかで聞いたことがあるのは間違いないが、記憶と結びつかない。その正体を、すぐに理解する。
「んぅううッ!?」
「暴れてんじゃないわよ。火傷したいの?」
――熱ぅ!
下半身を襲った強烈な熱に悶える。元軍人の膂力でもって押さえ込まれた。
さっきのは、マッチを擦った音だ。となるとこの熱さは、陰毛を炙られているのだ。
庭園のごとく整えられていた毛並みが、ちりちりと焦がされていく。きな臭い、見るも無残な縮れ毛になっていく。
「んぉッ、ふッ、んぅうッ、ぉおんッ」
「えっ、何、これで感じてんの? 怖……」
彼女の中で、何かが焦げる香りは死と結びついている。しょっちゅう燃やされて絶命・蘇生しているからだ。おかげで、炎の熱を感じるだけで、臨死の瞬間のを思い出すまでになっていた。
ドバドバと分泌され始めた脳内麻薬によって、顔がくにゃりと蕩ける。腰をくねらせよがる牝豚に、燃やした当人である鈴仙も顔を引きつらせていた。
「さてと。二匹も家畜がいるんじゃ手が足りないわね。……そうね、家畜は家畜らしく、その開きっぱなしのくっさい口で、男共の性処理でもしなさいよ。たくさん処理できたほうを可愛がってあげる」
鈴仙の言葉に、固唾を呑んで見守っていたステージ上の男達が沸き立つ。嬉々としてイチモツを曝け出し、哀れな牛と豚に群がっていく。鈴仙は瞳を赤く光らせながら、ニヤニヤと意地の悪い笑顔で、見つめていた。
「ぉッ、ご! んぶぅッ、おぼッ、んっぐッ、んぐごぉっ……!」
「んぶぅゥ! んぐッ! ぐぶぇッ、んんぐッ、んぅうう……!」
口内に肉棒が入り込む。何の遠慮もないどころか、一言かけることすらなく、摂食器官に挿入する。
誰かも分からない、顔すらうかがい知れない誰かから、口腔を性処理道具にされている。忌避されるべき状況であり、だからこそ昂ぶりを覚えた。
「ごッ、ぐぶッ、ぉごッ、んぐぅうッ、ふごッ、ぉぐッ」
顔面に、下腹が叩きつけられる。フックによって醜く歪められた鼻筋が、さらに押し潰される。陰毛の茂みに鼻孔が埋もれ、濃厚な汗臭が肺に流れ込んでくる。
男のピストンには容赦がなかった。肉竿の先端が喉を抉り続けている。粘膜が剥がされていく鋭い痛みに、しかし彼女が見出すのは恍惚だ。
「ングッ、ぶぢゅッ、ォグッ、んぐぅゥ、ぢゅるるッ、んぶぅうんっ」
もっと嬲っていただくべく、媚びへつらった奉仕を繰り出す。喉輪を締めて愛撫しながら、舌を蠢かし舐め回す。上がる声は、豚にそっくりだった。
罪人とはいえ輝夜は姫であり、こうした行為とは到底、関わりがなく思える。が、性技は的確で、男達を唸らせるに足りていた。地上の下賎な連中が、想像もつかないほどの長きを生きてきたのだ。こうした技術も、達人の域に至るまで修めるだけの時間はあった。
そこらの娼婦など足元にも及ばない、男惑わせの猥褻テクニックによって、肉棒は早くも頂点に近づいていく。睾丸の中に溜まった濁液をどこへ注ぐかなど、考えるまでもなく明らかだった。
「ぉッ、んぐぅううッ、んぶぅううんッ……!」
男が低く唸り、腰を突き出してくる。食道にまで至っている男根が、胃袋へと直接、濃厚極まるスペルマを吐き出していく。ずっしりと、腹のあたりが重たくなっていくのを感じる。
今から数時間かけて消化吸収されて、栄養素が全身を巡るのだろう。この高貴なる蓬莱山輝夜の肉体を、誰とも分からぬ馬の骨の精液が構成するのだ。
あまりにも最悪のシチュエーションに、興奮が抑えられない。剥き出しの牝穴が、キュンキュンと収縮を繰り返す。精神的な絶頂を迎えていた。
腰が多少、引かれる。肉棒はまだ脈動を続けている。口内にまで、濃厚精液を注いでいく。
舌で感じる苦味と臭みは、頭をクラクラさせる。月の酒とは比較にもならぬほど芳醇で豊かな味わいだった。
「んぼぉッ……」
男根が引き抜かれた。開口器より突き出された舌と、亀頭の間に、ねっとりした糸が伝っている。抉られた粘膜の残骸と、スペルマの混合液だった。
肉竿を押しつけられ、粘液を頬に塗りたくられる。この豚がどういう存在であるか示す、何よりの看板だ。ありがたさに、涙が出てきそうだった。
「一対一ね。気合い入れなさいよ家畜共? せいぜい頑張って、私に嬲り者にされる権利を勝ち取ることね、アハハ!」
「ぉんぅぅッ!」
「んぉおんッ!」
気合い入れなさいよ、のところで、本日何度目かも分からぬ平手を尻に打ち込まれた。悦び体を跳ねさせる様は、まさしく家畜だ。
「ぉほぉん……ッ」
活も入れていただいたことだし、本格的に頑張らねばなるまい。従者に負ける主など、格好がつかないではないか。
口腔から舌を突き出し、レロレロと踊らせる。次はどなたが使ってくださるのかしら? とアピールする。
それ自体が独立した生物かと思うほどの、猥褻で複雑な動きだ。舐め回されればどれほど気持ちよいだろうと、想像したに違いない。男達は我先にと、輝夜へ群がりはじめる。
「んぶぅッ!」
側頭部をがっしり掴まれ、腰を叩きつけられる。誰とも分からぬ男性の下半身と、本日二度目の口腔交尾が始まった。
「ごッ、グ、んぐぅゥ、おごッ、ぐぶッ、んぐぅうッ!」
先ほどのペニスと比べると真っ直ぐで、かなり太い。喉奥をストレートに突き上げてくる。
「んぐぇえッ、おぶぅッ、ぐッ、ぉごッ、んぐぅんッ」
本来ならばよく噛み砕かれた食物しか流れ込んでこないところを、鉄のごとく硬い固形物が荒らして回る。人体本来の機能が、己自身を守るため働く。横隔膜がせり上がり、食道が蠕動する。
異物を排除するための動きは、しかし男根へ複雑な快感を与える結果にしかならない。もっと味わわせろとばかりに、ピストンは勢いを増していく。どこの馬の骨とも知れぬ男の下半身が、顔面に叩きつけられていく。花のかんばせを、醜く歪めさせていく。
「ホラホラ頑張りなさいよ牝豚、お仲間は二本目も処理し終えたわよ」
「んぐぅうんッ!」
口虐の官能に溺れていたところに、ありがたい応援が飛んでくる。剥き出しのBカップバストの先端を摘まんでくださったのだ。
いや摘ままれたというか、半ば引きちぎる勢いだった。お前のようなマゾヒストにちょうど良いだろう、と言わんばかりだ。実際、正しい。輝夜の喉から溢れたのは、痛みからくる恍惚の声だった。
「ぉごッ、んぶッ、んぢゅるッ、ぐぷ……んごッ、ごッ、ぉごッ……!」
そんな風にされたら、しゃかりきになって当然だ。人参をぶら下げられた馬よろしく吸いつき、舐め回し、喉奥を締め付ける。急激に激しさを増した口淫奉仕によって、男はあっという間に昇天する。
「げぽっ」
濃厚なるスペルマを、喉を鳴らして嚥下する――否、胃袋への直射精ゆえ、飲み下す必要すらなかった。腰が引っこ抜かれる瞬間、排水口の詰まりをラバーカップで解消する瞬間を思わせる、下品極まる音が鳴った。そんな音がお似合いな存在に、成り果てていた。
「ごッ! ……んぐぅうッ!?」
間髪を入れず、三本目がねじ込まれる。相手に対する気遣いだとかは一切存在していない。当たり前だ。今の輝夜は家畜で性処理玩具。思いやるほうがどうかしていた。
そして、突っ込まれたモノに、目を白黒させる。散々口内をほじくり返されて、味覚も嗅覚もたいがい、麻痺している。にもかかわらず、猛烈な臭気を感じた。
肉棒はおぞましい様相を呈していた。カリ首あたりにはべっとりと恥垢が張り付いている。陰毛の根元あたりは汚れによって固まり、ゴワついて、目に染みる悪臭を漂わせていた。
どうやらろくに風呂にも入れていないらしい。そんなザマで、よくもまあ女の口にねじ込もうなどと大それたことを考えたものだ。――いや、そんなザマなせいで、どんな娼婦も相手してくれないからこそか。
「んぢゅるッ、れろッ、んぢゅるるるぅ」
であれば、すべきことは一つだった。どれほど下品な存在になり果てたとはいえ、己が月の姫である事実に変わりはない。ノブレスオブリージュだ。恵まれないペニスを救うのは、高貴なる淫乱女として当然の義務だった。
舌先を蛭のごとく蠢かし、雁首や肉幹を舐め回す。へばりついた汚れを舐め取っていく。
痺れるえぐみと強烈な臭みを感じる。味覚とは究極的には、食べてよいもの・いけないものを区別するための機能だ。本来の目的に従って、警鐘を鳴らしているのだ。輝夜はそれを、まるきり無視していた。ぢゅるぢゅると、ありえないほどの熱烈奉仕を繰り出していく。
「んごッ、んぶッ、んふぅううん……ッ」
ろくに行水もできない暮らしでは、女に飢えるどころの騒ぎではあるまい。男はあっという間に絶頂へいたり、精を解き放つ。いったいいつから溜め込んでいたのか、恐ろしくなるほど濃厚なスペルマが流し込まれていく。恍惚に目尻を垂れ下げて、嚥下していく。腐臭放つ汚濁を、己の血肉とする。
そうやって、次から次に男根を処理していった。視界が奪われている以上詳細は分からないが、永琳も同じように、雄に尽くしていたらしい。
人権を持たぬ牛と豚の熱烈なる性奉仕に、男達は興奮の極致にあった。次から次にステージへと上がっては、睾丸の中身を吐き出していく。飲ませるだけでなく、顔面や体にもぶちまけていく。一通り順番が回ったころには、もともとどうしようもなかった姿が、輪をかけて酷い有様になっていた。
「臭っ。ま、家畜ってそういうものよね。さて。どっちが何人相手したんだっけ? 面倒になっちゃってもうカウントしてないわ。どっちを相手してやろうかしら」
やれやれといわんばかりの声色で、鈴仙が語る。勝負の結果はうやむやになっていた。使っていただけるか否かは、彼女の胸三寸次第だ。
「そうね……家畜っぽく振る舞える、やる気のあるほうを虐めてあげようかしらね」
「んぉおッ、んぶぅッ、ぶぅっ、ぶぅっ、んぶぅっ」
「もぉおんっ、んもぉ、んもぉ、んぉお、んぉおん」
示唆されれば、すぐさまぶうぶうもうもうと鳴く。プライドも何もない姿から、月の姫と蓬莱の薬師を想像する者はいるまい。
みっともなくだらしなく腰をくねらせ、舌を突き出しレロレロと舐め回す。鳴き声は、老婆と声帯を取り替えたのかというほど嗄れていた。散々喉奥をほじくられたせいだ。
「はん。必死こいちゃって、恥ずかしいこと。……ま、こっちの豚穴を使ってあげるとしましょうか。牛のほうはさっき散々ほじって飽きちゃったし」
「あはぁあッ……」
「んもぉおっ……」
外食先を選ぶくらいの気軽さで、他人様の貞操を踏み躙る決意をする。漏れるのは、歓喜と悲嘆を示す、二つの溜息だった。
「そんなに悲しがってんじゃないわよ変態牛女。アンタはそこの汚い男共に払い下げ。私なら絶対嫌だけど、アンタはそういうのでも嬉しいんでしょうが、ええ?」
この台詞に沸き立ったのは男共だった。垂らされた糸へ群がる亡者のごとく、永琳を貪り始める。
「んぉおッ! ぉほぉ、んごッ、ぉぐッ、んぉおおおッ!」
とはいえ、聞こえてくる抽送音や、そしてなにより悲鳴混じりの嬌声を聞けば、どれほど激しいレイプショーが繰り広げられているかは察せる。
覆面を被されているため、凌辱劇を直接見ることはできない。穴という穴をほじられ、めくり返され、女としての尊厳を一切、否定されているのだ。
自分は選んでもらえた側だが、それでも、羨ましくてたまらなかった。きゅんっ、きゅんっと、発情牝穴が疼き、粘っこい汁を滴らせる。
「お仲間が犯されて嬉しいって? 倫理観終わりすぎでしょ。ま、安心しなさいよ。すぐにアンタも、似たようなザマにしてあげるから」
「んぉおんッ!」
尻尾を引っ掴まれ、アナルプラグを引っこ抜かれた。
ぬぽんッ! と音を立てた瞬間に走った排泄快楽に、ぷしっ、と尿混じりの潮が噴く。
「臭っ。ホント地上の生き物っていうのは、これがいけないわよね……」
ほんのりと漂った饐えた臭いに、鈴仙は吐き捨てる。埋めてくれるモノを喪った肛門は、拡張されてその内側を晒していた。ローションをたっぷり注入され、セックス用器官となった直腸をだ。
「ぉんッ」
剥き出しの二穴へ、後ろからディルドの先端が押し当てられる。参加者側であったときに使っていた、両穴責め用のペニスバンドだ。今度は、自分が使われる側になったのだ――因果応報という言葉が、脳裏をよぎった。
「んふぅん、ンッ、んぅんっ」
「っ……」
くねくねと、腰をくねらせる。誰もが振り返る美体から繰り出される、誘惑の腰つきだ。調子に乗りまくった今の鈴仙も、流石に魅入られたらしい。が、やがて己を取り戻した。
「動いてんじゃないわよ、挿入れにくいでしょうが」
「ぉんッ!」
パシィッと、もう何度目かも分からぬスパンキングが繰り出された。ご褒美に、悦びの声が漏れた。
「ったくどうしようもない。月の兎である私が、卑しい地上家畜ごとき相手にしてやるなんて本当ならあり得ないんだから、感謝しながらよがり狂いなさい、そらッ!」
「んぉッ、ぉおおおおおおッ!」
鈴仙の腰が、前方へ突き出される。二本のディルドが、期待にヒクついてやまぬ淫乱穴を割り開き、体内に侵入する。
膣粘膜、肛門粘膜が、赤子の腕ほどもある凶器によってゴリゴリと抉られていく。肉が割り広げられ、押し広げられ、強制的に拡張されていく。強烈な衝撃の前に、肉襞が服従し、白羽をあげる。
従者の弟子に犯される悦びで、輝夜は早くも絶頂する。背筋を反らし、聞き苦しい喚き声をあげながら、全身を痙攣させる。結合部からぶしぃと、熱い雌汁を噴き出した。
「あははッ! 何、もうイッたの!? 堪え性のない豚ね、あっちの牛はもうちょっと持ったわよ!」
「んぉおッ! んぶぅッ、ぉおんッ、んぐッ、ぉゥッ、ぉおッ、おほぉッ!」
相手がどうなっていようと、気遣うだけの思いやりが今の鈴仙にあるはずもなかった。それが、輝夜の望みでもあった。
罵りたてながら、抽送を繰り出してくる。下から上へしゃくり上げる腰使いで、ゴリッ、ゴリッと二穴を抉り立ててくる。視界を白く染め上げるソリッドな性感。脳味噌を甘く腐らせる退廃的な官能。二種の快楽に襲われ、ひたすら喚きたてる。
ぶぽぬぽぐちゅぬぼずぼと、下品極まる抽送音が響き渡る。今の輝夜がどのような存在に成り果てたか、端的に示している。粘膜をめくり返され、引きずり出されながら、交尾用家畜として躾けられていく。
「あははッ、ほらッ、もっとよがりなさいよ、変態女ァ!」
「んぉおッ、ぉお。んぅうん、んぉおおおッ!」
命じられるまま、よがり狂う。といっても、演技などしていない。本気だ。エクスタシーで意識は揺さぶられ続けていた。
実際のところ、鈴仙は下手糞の部類だった。ストロークは独り善がりで、自分が愉しむことしか考えていない。勢いばかりで乱暴な腰使いは、普通の行為であれば顰蹙を買うだろう。
そう、普通の行為であればだ。これは目もくらむほどの凌辱だ。そして犯される側の輝夜が、どうしようもなく穴をダメにされることを望んでいた。
興奮の極致にある彼女は、風が吹いただけでも感じる有様だ。つまり、何の問題もなかった。
「んふぅうッ、んぉッ、んぅうッ、んぅッ、ぉおんッ」
くねくねと、腰を振りたくる。下品なる姿を見て、蓬莱山輝夜を連想する者は宇宙を隅から隅まで探しても見つかるまい。
「あははッ。そんなにイイなら、もっとレイプしてやるわよ、ほらほらほらッ、さあイきなさいよ牝豚……!」
「んぉおッ、ぉッ、ほッ、んっぉッ、ぉぅッ、んぅうううッ……!」
下手に出た、媚びきった腰使いで、鈴仙も大いに嗜虐心を刺激されたらしい。粘膜が擦り切れる勢いで、激しく腰を繰り出してくる。両穴がぐぼぬぼずぼとほじくり倒され、猥褻汁をまきちらしていく。
視界は塞がれており、真っ暗だ。だというのに、白く輝き始める。脳味噌で受容しきれない快楽信号が、視覚神経に逆流しているのdさ。
「そぉら、イけッ! イけッ! イけッ!」
「んぉッ……」
三連続で、腰が叩きつけられる。悦びのためにある最奥部を突き上げ、腸粘膜を擦り上げる。まさしく、駄目押しの一撃だった。
対する輝夜は、一瞬、静かになった。息が詰まったのだ。次の瞬間、一気に吐き出された。
「んぉおおッ、ぉぅうッ、んぶひぃいいいいいいいいッ!」
快晴の昼間に太陽を直視したがごとく、視界が真っ白に染まる。背筋が反り、全身の筋肉が収縮し、痙攣を繰り返す。脳味噌はピンク色に染まっていた。どうしようもない性快楽に、家畜そのものの声をあげ狂い果てる。貫かれる牝穴から、濃厚極まる雌汁が音を立てて噴き出した。
「あーあ。みっともなくイッて。汁で汚れたじゃないの! 穢れた地上の変態風情が!」
「んぉおおお……ッ!」
ぐりぐりと、腰を押しつけてくる。未だ絶頂の最中にある子宮を押し潰され、溢れるのは涙だ。悲しいわけではない。受容しきれない感覚から脳を守るために流れた、生理的な涙だった。
「はーぁ。やれやれ……何をどうしたら、こんな頭おかしくなれるんだか」
腰が引かれていく。ぶぽッ、と下品極まる音をたて、二本のディルドが引っこ抜かれた。
麗しく閉じていたヴァギナは、散々弄ばれたことですっかり緩みきっている。今やグロテスクなほどに大口を広げており、ぐぱっ、ぐぱっと内部構造を晒している。ネバついた牝臭い汁を滴らせる様は、なるほど穢らわしいと呼ばれても仕方ない。
秘めやかなおちょぼ口といった風情だったアヌスも、見るも無残に破壊されていた。ローズレッドの直腸を晒しながら、ほんのりと饐えた臭いを漂わせている。排泄器官から交尾器官に成り果てたことが、一目で分かる有様だった。
「あーあ。豚も牛も似たような反応ばっかり。なんだか飽きちゃった。っていうか姫様どこ行ったんだろ。お戻りにならないけど、もしかしてもう帰っちゃったかな……」
狂乱に等しい交尾を終え、頭に上った血もいくらか下りてきたらしい。冷静さを取り戻した鈴仙は、展示室内をキョロキョロと見渡す。主の主がいないことに、今さら焦りを覚え始めたらしい。見つかるわけがない。ここにいるのだから。
「ま、ちょうどいい区切りだし。……あんた達! この豚も下げ渡すわ。好きにしていいわよ」
地獄の餓鬼のごとく永琳へ群がっていた男達が、気色ばむ。あぶれていた連中が、目の色を変えてこちらへなだれ込んでくる。口、乳房、穴という穴を弄ぶために。
「じゃあ下品家畜ども。私は姫様探してくるけど。せいぜい卑しい地上の人間同士、気合い入れて繁殖交尾でもしてることね」
「んぉッ、ぉんッ、ぅうう、ぶひぃッ、んごッ、ぉぐぅうッ!」
「ぉぼッ、んぐぅッ、んっぐ、ぉひッ、んぉ、んもぉおおッ!」
言うだけ言って、居ない主を探すべく、鈴仙はその場をあとにする。別れの挨拶は、二人に届いていなかった。何本もの男根に貫かれて、狂った快楽に浸っていた。
***
「……んあ」
意識が戻る。多分、気を失っていた。気絶からの蘇生とリザレクションの区別が付かないのは、蓬莱人特有のあるあるだ。
ボンデージ姿のままだったが、四肢の拘束だけは解かれていた。覆面を剥ぐ。視界へ入り込んでくる光に、思わず顔をしかめる。
どうやらどこかの路地裏らしい。うずたかく積まれたゴミ袋の山に寝かされていた。見世物小屋の営業が終わって、そのまま放り捨てたのだろう。
なよ竹のかぐや姫をゴミ扱いとは恐れ入るが、まあ、そう言われても仕方ない有様ではあった。ボンデージは全身、精液にまみれてどろどろだ。洗っても落ちないだろうし、破棄するしかない。
散々弄ばれた乳房は、噛み跡まで残っている始末だ。麗しかった乳首も、鬱血して変色している。
整えていた陰毛はちりちりに焦げて、見るも無残な有様になっている。両穴からはでろでろと、粘液が滴り続けていた。何人分、何発分かもわからぬ汚濁が垂れ流されている。それでもなお、イソギンチャクの口のごとくぐぽぐぽと収縮を繰り返す様は、貪欲と呼ぶほかない。
「あはッ」
気を失うまでの狂乱が思い起こされる。イナバも、調子に乗せるとなかなか良い働きをしてくれる。今度褒美でもくれてやろう――自覚がないので、困惑するだろうが。
「さてと」
横に転がされていたヒトウシに手をかける。覆面を剥げば、露わになるのは従者の顔だ。呼吸はしているので生きてはいるらしい――瞳は虚ろで、快楽の恍惚で頭が壊れているらしいが。
「あは。ありがとうねぇ永琳。おかげさまでとっても楽しい夜が過ごせたわ。ほら、いつまで寝てるの」
「んぉほおッ!」
自分たちの身柄同様、そこらに転がされていた張型を拾い上げる。開きっぱなしの股へ雑にねじ込む。これだけ緩みきっていれば、解す必要もなかった。
「ほら。これはご褒美。せいぜいイき狂いなさいな」
「ぉっほッ! おんッ、あぉゥ、んぉおおッ!」
路地裏のゴミ捨て場に、下品な声が響き渡る。ぐちょぐちょと粘膜をこね回しながら、家畜の二人はいつまでもレズの快楽に浸り続けた。