本小説は自作『転生地球人が宇宙最強になるまで』の第三十三話中に起きた出来事を元とした、R-18外伝です。
本編を知らずに読むと意味不明なので、その点だけご注意を。
また、タグや原作については、本編と同様のものを表示しておりますが、ほとんどその要素はありません。

喰うのか、それとも喰らわれるのか……。

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転生地球人が地上最強になるまで:特別編-SAGA-

 「ぷぁ……、はぁ……はぁ……」

 

 「フゥーッ……」

 

 二回目の長いキスを終えた俺とプリカは、互いの呼気まで交換するような距離で息をつく。

 酸欠で頭にかかる小さなもやと、目の前で同じもやに襲われる相棒の姿、鼻にはわずかなアルコールと、ツバの匂い。

 俺はその興奮と朦朧のままに、プリカの腕と背を取ってベッドに押し倒した。

 

 「…………!」

 

 俺と並んで寝転ぶような形になったプリカは、何を言うでもなく、押し黙って目を泳がせた。

 赤らんだその顔は、未だ残る酒精からか、二度続いた接吻と酸欠からか、あるいは、これから始まる行為への期待と不安からか。

 首から下に目をやり、二人の身体が重なった部分に意識をやれば、7年前から変わらぬ赤いジャージの奥から、高まった体温がじわりとにじみ出た。

 いい。

 

 「あ、あの、な……ソシルミ、その、するのは、わかったんだけど……服、脱いだ方が、いいよな?」

 

 「俺はこのままでも構わん」

 

 「に!?」

 

 俺の神経をくすぐる、プリカの素っ頓狂な声。

 泡立った背中の寒気を温めるように、俺は、プリカの背に回した手と、腕を掴む手に意識を集中し、ジャージ越しのままさわさわと撫でた。

 いい、実にいい。

 

 「おまえ……ジャージ好きだったのか……」

 

 「そうだ、悪いか」

 

 プリカは切羽詰まったようなジト目で俺を睨む。

 若干涙ぐんでいる気すらするが……泣かせた、という感じじゃない涙だ。

 

 「悪くはないけど、……い、いや! 普段の格好はちょっと、いや……じゃないけど……!!」

 

 「どうしたいんだ」

 

 「わ……わかった、脱ぐ、脱ぐから……立って脱ぐ、インナーつけてるからな、ブラジャーじゃなくて」

 

 何が分かったのか分からないが、とにかく、プリカはもそもそと俺の腕から抜け出して、ベッド脇に立った。

 そして、俺に背を向けて、ジャージの上下を脱ぎ、次に、インナーへと手をかける。

 ……プリカがジャージの上を脱ぐ頃には、俺はすでに、全ての服を脱ぎ捨て、シワにならない程度にそこらのイスに引っ掛けていた。

 我ながらなんと必死なのだ。

 

 「……あのな、ソシルミ、あんま、ジロジロ見るもんじゃないぞ、こういうの」

 

 「おかまいなく」

 

 視線を感じて振り返ったプリカだが、暖簾に腕押しの俺を見ると、諦めた様子でため息をつき、『わかった、観念した』と……!

 体ごと振り返り、俺と向き合うプリカ、その足元にはジャージが無造作に重ねて脱ぎ捨ててある。

 俺はゆっくりと視線を上げる。

 足元からその付け根までの肉体を見れば、女サイヤ人らしい、健康的でありながらも、筋肉が表出せず、『女性らしい』ラインが保たれた美しさ。

 手で隠された股間……のことはひとまず忘れ、更に視線を上げれば、骨盤や腹筋が形成するくびれから肋骨に至るライン、手で隠されたふくらみ。

 隠されたままでも、腕からはみ出て分かるその大きさ!

 おそらく、普段は戦闘に支障のないよう、高度な科学力で開発したインナーで押さえつけているのだろう。

 

 「…………プリカ」

 

 俺は一言だけ、プリカを呼ぶ。

 何を言おうにも、野暮な気がする、名前を呼ぶしかない。

 意味するのは称賛、そして、要求だ。

 

 「…………」

 

 プリカは目をうるませるでもなく、嫌がるでもなく、笑みと苦悩を組み合わせたような顔で俺を見て、ゆっくりと手を降ろし……。

 ……そのままの勢いで、ぱっと俺に駆け寄り、腕をとった。

 俺は驚くよりも先にその掴んだ手に、意識が集中してしまう。

 柔らかく、短い手だ、タコの一つもないしなやかさで、それでも、俺の腕をしっかりと掴んで、離さない。

 

 「ふっとい腕だなあ、オレじゃ、手首だって握りきれない」

 

 「結構鍛えたからな」

 

 俺のそっけない答えに、愛しむような視線だけで返して、プリカは俺の腕を掴んだ手を段々持ち上げていく。

 前腕から、肘、二の腕と上腕二頭筋、肩、上がるごとに、プリカの身体と腕は上へと伸びる。

 それと同時に、プリカの身体は段々と俺に近づいてきて……。

 自覚しているのか、無自覚なのか、プリカの乳房が俺の臍辺りに、つんと触れた。

 

 「プリカ!!」

 

 「う、うわっ!?」

 

 俺は、たまらずプリカを抱き寄せ、慎重に、負担をかけぬよう……要らぬ心配をしながら、ベッドに転がりこんだ。

 プリカを抱いたままベッドに倒れこむと、プリカのベッドに溜まった匂いと、プリカ自身の、僅かな石鹸の匂い、アルコールと汗の混ざりあった匂いがする。

 そのままプリカに覆いかぶさった俺は、驚いたままのプリカの頬を見て、そっと撫でた。

 それは、いきなりの行為を誤魔化したかった気持ちもあるが、なにより、愛しさが膨らむとともに、俺達にとっては愛し合うことと同義とも言える『あの』行為を思い出したからだ。

 

 「ここ、ここだ、丁度……ここだった」

 

 「む、むぁ、なにがだよ、いきなり、オレのほっぺたに……ああ、あの技を最初に受けたのは、オレの、ここだったな」

 

 「そうだ、なぜか急に、触りたくなった」

 

 俺達が参加した最初の天下一武道会、その準決勝の決まり手は、輝く手の拳による全力の打拳だった。

 この柔らかい、今では傷一つないこの頬を俺が殴り飛ばし、そのままノックアウトしたと思うと、何が何だか分からないが、とにかく、たまらない気分になる。

 

 「おまえ、本当に色気のないやつだな」

 

 「お前と最初に言葉を、拳を交わしたあの日のことを思い出しているんだ、色気がないなんてこと、あるか」

 

 プリカは呆れたような様子で微笑み、そのまま、自分の頬に当てられた手を撫でる。

 

 「オレよりずっと貧弱なくせに、ずっとゴツくて、ずっと綺麗な動きをする手だよ、今日はあんまり、痛くしないでくれ」

 

 「それは……保証はできん、俺も分からん」

 

 「普段の自信はどこ行ったんだ、まったく」

 

 プリカは、俺の手に添えた手をゆったりと動かす。

 

 「傷だらけだ、オレのつけた傷もある」

 

 「俺に刻みつけたいならいつでも言え、相手になる」

 

 「やっぱり色気ないな、おまえ」

 

 流石にむっときた俺は、何かやり返してやる手段がないかと探す……思いついた。

 プリカとに覆いかぶさった姿勢のまま、ゆっくりと頬に添えた手を降ろし……、プリカが気付かないように慎重に手を滑らせ、腰に回し、尾底骨の末端続く、それを手に取る。

 

 「うっひゃああ!?」

 

 予想外にでかい声が出た。

 手に取ったのは、プリカの尻尾だ。

 柔らかく、ふさふさとした毛の生えた尻尾、俺は獣耳だとかそういう性癖はないのだが、プリカについているサイヤ人の象徴というだけで、俺の興奮を煽るには十分だった。

 尻尾は力なく俺の手の中で踊り、それに合わせるように、プリカもまた、身じろぎする。

 

 「お、おまへ……」

 

 「なんだ、鍛えたんじゃないのか」

 

 「ち……ちがう、びっくりして、ちょっときもちよかっただけだ……」

 

 …………。

 まあ、手足の代わりに使えるほどの神経の塊、そういうこともあるのだろう。

 俺は力ない声に自分の怒張が力を得ていくのを感じながら、そこから意識を反らし、手から尻尾を引き抜くようにして、尻尾を手放す。

 すると、またプリカは気の抜けた声を上げて、後ずさりして上体を上げ、尻尾をかばうようにへたり込んだ。

 

 「ゆ、ゆだんも隙もない!」

 

 「俺も、油断している余裕はないんだ」

 

 そして、へたり込んだプリカの、これまで身長差から意識が及ばなかった部分、閉じられた股座を見る。

 視線に気付いたプリカはビクンと肩を震わせて、膝を持ち上げ、鉄壁の構えを作った。

 俺は膝に手をやり、プリカの脚を軽く掴む、それにも軽く身体を震わせるプリカ。

 興奮を隠さぬまま、俺はプリカの膝を広げるように、ごく軽く力を込める。

 

 「は、はは、は……、ソ、ソシルミ?」

 

 プリカは、急に、何やらニコニコ……いや、引きつった笑顔を浮かべて、俺を、やけに猫なで声で呼ぶ。

 聞いていると背筋に走るものがあるが、ごまかされてやるわけにも……。

 そう思いつつ、力で開くわけにはいかないし、そもそも無理だ、俺はひとまず、それを諦めることにした。

 

 「ご、ごめ……」

 

 「じゃあ、上から、いいな」

 

 プリカの謝罪を打ち消したのは怒っているからではなく、正直そのいじらしさに更に煽られて、我慢が効かなくなったからだ。

 俺はプリカの頬にまた手を添えながら膝を下げさせ、プリカを膝立ちでまたぐように姿勢になる。

 そして、プリカを寝かしたまま、その胸へと手をやる。

 

 「……ん……」

 

 やはり、俺も男だ、興味がある。

 プリカは自分に胸があり、大きくなっていくということにどんな気持ちでいたのだろうか。

 

 「お、大きくなるのは、イヤじゃなかった」

 

 「……そんな、顔に出てたか」

 

 「おまえ、結構オレが女の身体になってくの、気にしてただろ」

 

 バレていたのか。

 プリカはもともと男だ、それが、段々自分の身体が女のそれに変わっていくのを、それを感じながら何も手を打たずにいたのを、俺はずっと横で見ていた。

 神のもとに迎えられ、鍛錬と学問の日々を過ごすようになっても、プリカのことを振り切り、3年後の再開を心の支えとするようになった後も、結局、その念は消えなかった。

 

 「オレはな、結構楽しかったよ、二度目の人生だしな、別の身体を楽しむのも悪くない、別の身体に合わせて、前とは違うような人を好きになるのも、な」

 

 「あの、おい、プリカ、お前……」

 

 「ははは、いつから好きだったのか聞きたいのか? いいぞ、答えてやろうか?」

 

 顔を赤くして言葉に詰まるのは、今度は俺の役割だった。

 だが、それでも俺の手は止まらない、プリカの、戦闘民族らしからぬ柔らかい乳房、硬い筋肉の存在を感じさせぬ、うっすらと、しかし、しっかりと全身を覆う柔らかい脂肪。

 健康的、という言葉では形容しきれないほどに美しく、しなやかで強い肌。

 それらに触れたいという気持ちは、理性では、いや、愛情そのものでも止めることができない。

 

 「フゥ……!」

 

 「コーフンしてるなあ、ソシルミ……、オ、オレもだけど……」

 

 胸から、全身を周り、更に胸に帰ってきて、ようやく踏ん切りのついた俺の手は、おずおずとプリカの胸の尖端へと滑る。

 柔らかい中、わずかに硬い、これが本当に自分の身体に付いているものと同じ部位なのか?

 あくまで、傷付けないよう……何度も繰り返される杞憂は、俺自身のためらいなのか。

 

 「……ん! あ、ふぅ……」

 

 「プリカ……!」

 

 「あ、ああ、いい、気持ちいい、その調子だ、ソシルミ……!」

 

 プリカは、わざとらしく、というより、身体に走る快感やくすぐったさをあえて堪えず、俺に伝えてくれるような感じで、息を漏らして、時折アドバイスを飛ばしてくれる。

 かつてはする側だったのだろうか、度胸がないと言っていたから、したことはないのだろうか。

 いや、知りたいと言ったけど、今は関係ない、目の前にいる愛しい人が、その愛し方を教えてくれているのだ。

 他の何を考える必要がある、俺は胸から離れ、再びプリカの全身へと意識と、手を巡らす。

 

 「はぁ……はぁ……ん! も、もうちょっと、指先でなでる感じで……あっ♥」

 

 乳房に、腿に、顔に、手に、腹に、腕に、背に、必死になりながらも、その身体を楽むため、プリカを楽しませるために手を、顔を、身体全体を滑らせてゆく。

 美しい皮を触ると、わずかに皮膚同士が擦れる音が響く、顔を近づければ、甘ったるいとか表現される、女性特有の匂いが鼻を撫でる。

 だが、長く続けていると、次第に膝がベッドシーツに沈み込んできた。

 俺はシーツを振り払うべく、脚を持ち上げる。

 

 「プリカ、ちょっと姿勢を……あ」

 

 「うわっ!!」

 

 同時にプリカも上体を起こそうとしたことで、俺の腰と、プリカの頭がニアミスし、そのまま、膝立ちで股間を突きつけるような形になる。

 ま、まずい!

 

 「すまんプリカ! しまおうか!?」

 

 「落ち着け、オ、オレのを散々見といて……ちょっと、見せろ、おまえのも」

 

 どこか上ずった声のプリカが、俺の男根に手を添える。

 幾度も意識してきた、柔らかく小さい手だ、俺は軽く、呼吸を整えた。

 

 「フゥーッ……」

 

 「で、でかいな……前世の漫画だと、女として見るとでけーってよくやってたけど、ホントだ」

 

 プリカは手を広げ、俺の陰茎の大きさをしきりに測るような仕草をしている。

 手の大きさによって違ってくるのは、確かだろう。

 そんな事を考えて気を逸らす。

 

 「まあ、そもそも20年ぶりだからなあ、元々どんなだったのかも、今やっと思い出してるとこだ」

 

 「20年ぶりだな……ああ、ちんこだ……」

 

 はたかれた。

 それも、かなり強めに。

 

 「まったく、おまえは……!」

 

 「いや、すまん……こういう状況になると、どうしても、な?」

 

 「オレはそりゃ、おまえのことを知ってるけど、そうじゃなきゃ落第だぞ、バカ」

 

 「最初に茶化したのはお前だろうに……」

 

 緊張に耐えきれず行為を茶化してしまった俺達の間に、微妙な空気が流れる。

 だが、プリカも、そして俺も、俺の股間とプリカの手との間で起きている接触から目を離せない。

 プリカはおそらく、俺のモノの存在感に、俺は俺のモノに触れるプリカの手の感触に。

 プリカは俺のモノに触れることに、俺は触れられていることに。

 そして……。

 

 「そ、それで、ソシルミ、おまえ、は……その……」

 

 「したい」

 

 俺はこれを使いたい、プリカはどうだ、使われたいと思っているのか。

 思っているに違いないと思う。

 だから、更に、もう一度プリカに迫る。

 

 「プリカ、お前としたい」

 

 「…………は、はは……や、やっぱ……」

 

 プリカはまた、膝をきつく閉じて、そして立てる。

 俺も、膝に手を当てて、ゆっくりと開きにかかった。

 

 「プリカ」

 

 「は、はい……」

 

 緊張でおかしくなったプリカのことを笑うことは出来ない、しないのではなく、もうプリカが何をしてもかわいいとしか、愛しいとしか思えない。

 俺自身、限界に達しているのを感じながら、俺は更にプリカに語りかける。

 

 「プリカ、開いてくれ、おまえのそこを見たい」

 

 「な、なんで?」

 

 理由を問うプリカに、俺は何も答えない、言葉で通じることばかりではないが、言葉を使う意味のないこともある。

 何もかも無言で伝えようとすればすれ違うのと同じように、何もかも言葉で伝えなくてもいい。

 

 「プリカ」

 

 「……う、うん……わかった……」

 

 プリカの力が、ゆっくりと抜けていく。

 がっちりと結ばれた膝から力が抜け初めて、十何秒かたってようやく、1キロほどの力もかけていなかった俺の力と、プリカの力が拮抗し始める。

 そして、ときおり船をこぐように力が戻るプリカに、俺は根気よく呼びかけつづけ、何分かやりとりを繰り返した末……プリカのそこが、ついに俺の前にあらわれた。

 

 「も……もういいだろ、全部、見えてるだろ?」

 

 「ああ」

 

 膝の開き具合を見ていた目を、脚に沿って下ろす。

 そうしてまず見えたのは、幼なめの顔に似合った、薄めの陰毛。

 次に、勇気を出して視線を少し下に動かすと、ぴったりと閉じた、一切の黒ずみもない裂け目が目に飛び込んでくる。

 視界を支配する映像と、わずかに香ってくる形容詞しがたい匂いに思考を持っていかれそうになり、サイヤ人は身体が強いから粘膜も丈夫なのか、だとか、よく見ればわずかに見える肛門もごく綺麗だ、とか、わざと野暮なことを考える。

 だが、駄目だ、いざ見てしまえば思考を回すよりも、どんどん目の前にあるそれへの想いが滾ってしまう。

 それに、気になるのが――――

 

 「湿っている……」

 

 「ぅあ……!? み、見るな……もういいだろ!! するなら、さっさとはじめろ!」

 

 プリカのそこは、かなり濡れていた。

 基準が分からないので、そう言うしかない、だが、そこはぴったりと閉じながらも赤らんで、自分から愛液を漏らしている。

 それが分泌される理由は数多くあるが、この場合は、俺が必死に行った愛撫と、この状況がプリカを興奮させているのだ。

 そう思うと、また、俺自身のものが膨らむのを感じた。

 

 「まずは、しっかりと触っていく、そうだな?」

 

 「いらない! おまえの言う通り、十分湿ってるから、な! もういい! 恥ずかしいんだよ、もう! くそ……!」

 

 顔を上げると、プリカは頭ごと目を逸らして、そこから更に、腕で顔を隠している。

 

 「そこまで恥ずかしいのか、元から女だったわけでも――――」

 

 「今言うなよそれ! どう見られてるのかも、自分がどういう身体してるのかも分かってて、それを、おまえに見せてるから恥ずかしいんだよ!!」

 

 「俺に……」

 

 「そうだよ、おまえにだよ、ちょっとでも嬉しいと思うなら、早くしてくれ、オレも……し、したいから、さ」

 

 プリカは腕に隙間を作って俺の顔をのぞいた。

 

 「分かった」

 

 「…………う、うん」

 

 「顔、できれば見せて欲しいんだが……!!」

 

 俺はプリカの膝をしっかりと掴み、挿入の邪魔にならないように脚をどけた。

 そして、自分の腰を持ち上げ、片手で陰茎を持ちながら、プリカの同じ場所に向けて動かしてゆく。

 感じるのは、なんとも言えない高揚感、そして、一種の不安感というか、絶対にしくじれない仕事をする緊張感のようなものだろうか。

 無防備に晒されたプリカの秘所にたまらなく興奮し、その無防備に支配された空間を押しつぶして、俺の男根が迫っていることに、更に高ぶってゆく。

 

 「ふ……ふぅ……はぁ……!」

 

 プリカは腕の中から吐息を漏らす、俺が感じる興奮と不安をプリカも共有しているのだろうか。

 俺は今男としてプリカを犯そうとしている、プリカは、男がそういう気分だと知っていて、自分はその男に犯されると知って、ここに居るのか。

 ならば、プリカの不安は凄まじいものだろう、それとも……興奮、しているのだろうか。

 ……俺と、プリカとの距離はもう、触れていないのがおかしいという程までに近づいていた。

 

 「い、行くぞ、プリカ!」

 

 「…………」

 

 プリカは、頭を覆う腕を、ゆっくりと、極めてゆっくりと外してゆく。

 そして、そのまま手は身体の横に降ろされ……置き場所に悩むように、すがる場所を探すようにふらついた後、ぎゅっとシーツを掴んだ。

 明かされた顔は、こちらを見つめようとして、やはり直視できず、かわいらしくパチパチとまばたきをしている。

 そして、最後に、コクッと不器用に頷いた。

 

 「ッッッ!!!」

 

 最後に勇気を出すのは俺だ。

 満身の力を振り絞り、ほんの数センチだけ、腰を前にやる。

 陰茎の先、そして、ガイドした手に、まずは湿り気だけが伝わった。

 

 「ッハァ……!」

 

 「くぅ……」

 

 俺とプリカは、同時に息を強く吐く。

 湿り気だけを感じた俺のモノは、もうそれだけ、プリカの湿り気を感じたというだけで達してしまいそうだ。

 一方のプリカも、絞り出すような、か細い声を上げて、大変なことが起こったのだとアピールしている。

 

 「ひゅ……ふぅ……もうちょっと、勢い……つけて、いいから、な?」

 

 「あ、ああッッ!!」

 

 上ずった声が交叉する、プリカを気遣おうと、もっとゆっくりやると言おうとした言葉が詰まって、代わりに、渡りに船とプリカの言葉に乗ろうとする欲望だけが溢れた。

 その欲望は口だけではなく、俺の腰も支配しつつある。

 湿り気だけでは、僅かな接触感だけではいけない、もっとだ、互いにそれを望んでいるのだ。

 目をぎゅっと閉じた俺の……俺の、恋人を前に、俺は再び、満身の力を振り絞った。

 

 「フ……ッッ!!」

 

 「ぁうっ……!」

 

 小さなうめき声に、俺は一瞬、何かをしでかしたのか、プリカを傷付けたのかと、必死で目を逸らしていたそこ、股間に目をやる。

 だが、そこにあるのは、半ばながら、しっかりとプリカの裂け目に突き刺さった俺の男根と、そこを濡らす液体……透明のそれを割ってにじみ出る、赤い液体。

 血液、プリカの……破瓜の血だった。

 

 「で、出るのか、お前も」

 

 「……運動してるからって、ことだよな?」

 

 必死だったはずのプリカが、すがるように、あるいは、信じられないものを見るように俺を睨む。

 俺はそれに対し、全力で頷く。

 処女膜と呼ばれるものは弱い器官で、スポーツなどの摩擦で消え去ってしまうこともあるという。

 それを言おうとしたのだ、と付け加えようとして、俺が言葉に詰まると、プリカはごく小さく笑った。

 

 「い、いいからさ、サイヤ人だから強いとか、おまえっぽく納得しとけ」

 

 「だが……大丈夫なのか?」

 

 俺が今度こそ、プリカを気遣うと、プリカはそれにも笑って、俺の、まだ膝に残されていた方の手、右手を取って自分の頬に添えた。

 

 「続きをしてくれ、痛いのなんて平気だ」

 

 その言葉にたまらなくなった俺は、背中を大きく曲げて、プリカの顔に自分の顔を近付けてゆく(俺の身体はとても柔らかいのだ、ヨガのおかげだ)。

 そして、それと同時進行で腰をゆっくりと、だが、もう遠慮はせずに前にやった。

 血は、さっきよりも溢れているのを感じる。

 だが、プリカは、もう小さくもうめかない、その代わりに、引き寄せた俺の手を、いっそう頬に押し付け、俺が近づけた顔に、額を押し付けてきた。

 そのわずかなシャンプーの香りを楽しむ余裕すら俺にはなく……。

 

 「…………ッ!」

 

 「ふ……はっ……!」

 

 俺とプリカは、一言も言葉を発さないまま、ゆっくりと互いの腰を押し付け合う。

 そして、俺の体格相応の陰茎がプリカの、やはり体格相応の……それでも、かなり差のある小さな割れ目を埋め、互いの脚がゆっくりと触れ、繋がった所から、小さく水音が立つ。

 ……途端に、それまでは、ちゃんと俺のものを入れられるのか、プリカは大丈夫か、そんな悩みだけに集中していた全神経の緊張がほぐれ、俺のモノも、自分自身に与えられた環境を、刺激を意識し始めた。

 

 「く……ゥッ……!」

 

 「ん……ふ、う♥」

 

 柔らかい肉の筒、俺はまだ一度も見ることの出来ていない、ヒダに包まれたそこが俺のペニスを締め付け、ゆっくりと撫でる。

 プリカは自分のそこが俺に何をしているのか感じているのか?

 それとも、突き刺された感触に手一杯なのか……。

 急に、目の前の、繋がっているはずの相手が分からず、不安に襲われる。

 

 「ソシルミ」

 

 プリカが、荒い息を感じさせないまっすぐな声で、俺の名を呼んだ。

 

 「プリカ」

 

 俺も、努めて冷静に、そうであることで想いが伝わるよう、しっかりとプリカを呼ぶ。

 そして、小さく腰を引き、ゆっくりと、しかし、ただ動かしたいだけなのだと説得するように動かした。

 

 「ん♥ ……ふぅ……な?」

 

 プリカは俺に何かを促すように言って、胸板を小さく叩く。

 身体を曲げて無理に顔を近付けるなんてことはもうしなくていい、代わりに胸板をよこせ、そう言っているのだ。

 俺はそれに従って、代わりに、両手をプリカの枕にするように回す。

 そうすると、プリカは俺の胸に顔を押し付けてゆっくり呼吸し、続く行為に備える。

 体勢は整った、慣らすまで痛い、という話もあるが、もう俺達には関係ない。

 なら、後はもう進むだけだ。

 

 「プリカッッ……!!」

 

 「くぁっ♥ ふぅ……ふっ♥」

 

 ゆっくりと、だが、確実に、プリカの柔らかな穴に、俺の固くなった肉棒を突き込み、引き抜く。

 よくぬめった粘膜同士のかすかな刺激と、筋肉やヒダに揉みこまれる感触を味わいながら、プリカがそれを楽しんでいるのか、じっくり様子を伺う。

 ……そうできれば理想的なのだが、俺の腰は時折、快楽に震え、プリカに予期せぬ動きを与えてしまっている。

 

 「クッッ………ハッ……!!」

 

 「ふぁっっ♥ ひ♥」

 

 だが、その動きが、プリカにとっては、いいらしい。

 それとも俺が余裕なくうっかり振ってしまった腰が、プリカにとっては自分が俺に快楽を与えているという証で、それが心地いいのか?

 なら、俺ももっと求めなくては。

 

 「フゥーッッ」

 

 「っ♥♥ そ、ソシルミ!?」

 

 俺は快楽に耐え、プリカを抱きしめたまま、ぐっと腰を振り下ろす、その動きとともにプリカはひときわ大きな声を上げ、疑問とともに俺を呼ぶ。

 いきなりなんだ、もう始めるのか、終わらせるのか、そんな問いだ。

 だが、俺は、言葉では答えない。

 

 「プリカッッ!!」

 

 「………………♥」

 

 プリカもまた、俺の叫びに答えず、ごく小さく、かわいらしい吐息を漏らした。

 もう止まらない。

 正しいやり方なんて分からないが、これでプリカが気持ちいいなら、それが正しいのだ。

 俺は腰を振る、快楽を味わうための動きを忘れず、しかし、プリカがより心地いいと感じる動きを、常に反応から模索する。

 そういう行為の訓練は、半生をかけてやってきた。

 

 「プリカ、プリカ、プリカッッッ!!!!」

 

 「ソシルミ! ソシルミ!! ソシ……♥ ル、ミぃ♥♥♥」

 

 ゆっくりと、優しく、そっと。

 すばやく、激しく、強く。

 動かし方はもう、身体に任せる、心は、頭は、相手のことだけを思って、ただ、互いの口から漏れ出る声を聞いて、反芻する。

 

 「あ、く、くああっ♥♥♥」

 

 「――――ッッッ!!!!」

 

 肉同士が叩き合う音、擦れ合う音もまた、耳に入る。

 それに興奮するヒマもなく、それでも、大きく立つ音の度、俺の怒張とプリカの湿りは更に高まる。

 俺のモノはもう限界だ、プリカはどうなるのか、どうなれば、プリカは満足なのか。

 分からない、教えてくれ、そう聞くように、強く穴の底を叩くと、かすかに、ひくひくと震えが返ってくる。 

 

 「プ、リ……カァ……!!」

 

 「ソシルミっ!! ソ、ソシルミ……♥♥♥♥♥」

 

 俺の身体はそれに答えるため、その震えを抑え込むように、腰を叩き落として、そのまま捻りこんだ。

 その瞬間、肉の壁に尖端を擦り付ける感触の余りの心地よさを前に、ついに俺の性感に限界が訪れ……。

 ……その壁が、俺の肉棒を絞り上げた!!

 

 「ァッッ!! クァ……!!」

 

 「………♥♥♥ …………♥♥♥♥♥」

 

 甘い、甘い感覚とともに、俺はプリカの中にどくどくと精を放った。

 プリカは、まるでそれを絞り出すように肉壁を激しく収縮させている。

 俺達は多分、同時に……。

 

 「ふ、ふぅ……♥」

 

 「大丈夫か、プリカ」

 

 俺は力を失った陰茎をそっと抜いて上体を上げ、行為が始まる前の姿勢に戻って、同じく、仰向けになったまま、幸福そうな表情でぐったりしたプリカに、小さく問う。

 プリカはまだ朦朧としていて、しかし、俺の問いには、ゆっくりながら答えてくれた。

 

 「う……うん、あ、でも、中に出させちゃったな……」

 

 「それは、大丈夫だ」

 

 そう言って、とりあえず俺は、こぼれた精液と愛液と血液の混合液をティッシュで拭う。

 

 「大丈夫か、じゃあ、いいか……へへ」

 

 プリカは、口をくにゃっと歪ませて笑った、俺の言った言葉を、妊娠してもいいと取ったのか、俺が妊娠しない手段を持っていると取ったのかも曖昧で、聞き返しもしないまま。

 一応、後者のつもりだ、俺はヨガの秘法、そしてミスター・ポポから教わった秘術や秘薬がゴマンと持っているのだ。

 ……賢者タイムというやつか、急に思考が冷えてきた気がする。

 

 「なあ、ソシルミ」

 

 「何だ、プリカ」

 

 「まだ、できるよな」

 

 そう言って、俺の股間に、プリカは手を添える。

 途端に、俺の男根は、強く力を取り戻し、控えめながら膨らみ始めた。

 

 「な? オレはダメになっちゃったけど、サイヤ人だからな、体力あるから」

 

 「俺も……」

 

 プリカの言葉は、なぜだか、不思議と、俺にとって決定打になってしまったようで、勃起の勢いは一気に最高潮に達し、男根はさっきまでの膨らみきった姿を取り戻してしまった。

 

 「……俺も、範馬だから、体力あるな」

 

 「じゃあ、今度は、オレから触る」

 

 そう言って、ぎゅっと腕を掴んだ小さな手。

 その手が持った地球最大のパワーを全く発揮しない、一キロも力が込められていないその拘束を前に、俺は抗う手段を持たない。

 体液の匂いと体臭が渾然一体となった空気が、部屋に充満してゆく。

 長年を過ごした修行場の匂いに勝るとも劣らない、最高の芳香。

 ああ、現金すぎて口にはできないが、これは間違いなく、俺の欲した生きる喜びの姿だ。

 

 

 

 

 手のひらに柔らかい……豆腐を乗せ、包丁を手にとって、使うのはやめて、戯れに手刀を作り、それで切る。

 すでに、豆腐、お麩、ナメコ、ワカメ、そして味噌を入れ、煮立たせた鍋は、泡に乗せて赤味噌の香りを家中に広げてゆく。

 いつものご機嫌な朝飯、その中核たる料理、そう、味噌汁だ。 

 俺は沸騰を止めた鍋に豆腐を鍋に入れ、そのままゆっくりとかき混ぜる。

 すると、遠くの部屋から『ギュルルルルルル』と爆音、そして……。

 

 「うわああっ!?」

 

 自らの腹鳴を聞いて跳ね起きたプリカの絶叫が響いてくる。

 ドアを開け放っておいた甲斐はあったというわけだ。

 しばらくバタバタと慌てるような音が響いた後、ペタペタと素足の音が近づいてきた。

 

 「おはよう、ご期待通り、そろそろ出来るぞ」

 

 「……やっぱ、わざと嗅がせたのか」

 

 プリカは俺をジト目で見る、3日前に見た、様々な感情に翻弄された意味を為さないジト目ではなく、まっすぐ恥ずかしさと非難を向けてくる、いいジト目だ。

 うむ。

 ……行為はあれから、いわゆる『三日三晩』の間続き、ひたすら補給を繰り返しながら続いた行為の後、俺達が寝入ったのは3日目の夕方……起きたのは今、4日目の朝だ。

 

 「食え、途中に補給を入れたとはいえ、さすがに腹が減っただろう」

 

 俺が器を差し出してやると、プリカは何やら満足げな顔で笑って頷いた。

 

 「何だ一体」

 

 「いや、そのな、いい顔してるな、って」

 

 「範馬は美形なのさ」

 

 「作りの話じゃねえよ、わからないなら、だまって自分も食え」

 

 分からないので、さっさと朝飯を食い始めることにした。

 この人生始まって以来、類を見ない程、ゴキゲンな朝飯だ。

 

 筋斗雲に乗った悟空が窓を叩いて、講師の仕事を受けると叫んできたのは、その数分後のことだった。

 

 

 

→『転生地球人』第三十三話にもどる




ということで、二人の初体験でした。
これからも二人は行為を繰り返すでしょうし、いずれはその結果として、いわゆる、愛の結晶を授かることになるでしょう。
ただし、それは、彼らが考える、大きな『不安』が取り除かれた後のお話。

いずれ来るその日と、次回を、お楽しみに。

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