仕事でラハマにやって来たタミル
たまたま都合のあった二人がお茶をしているうちに学生時代の情事を思い出してしまい…
ラハマの一角にある古びた屋敷、その庭にある大きなソメイヨシノの木の下で紅茶を楽しむ一人の女性がいる。白いワンピースに青いコート状のアウターを身に纏う彼女の名はエンマ。彼女がこうして自分の生家で紅茶を楽しんでいるのは友人を待っているからだった。
「ごきげんよう、エンマ。お招きいただき感謝いたしますわ」
エンマの前に大きめなトランクケースを持ったラフな格好の女性が現れる。彼女こそがエンマの待っていた友人タミルである。
「あらタミル、ごきげんよう」
エンマが挨拶を返し椅子に座るように促す。
「久しぶりですわねタミル。最後に会ったのはいつ頃だったかしら」
ポットからカップに紅茶を注ぎながらエンマが言った。タミルが少し考えてから言った。
「以前コトブキとハルカゼに助けていただいた時以来ですの。エンマはあれ以来お変わりなく?」
「ええ、あちこち飛び回ってますわ。タミルは今何をしていますの?」
紅茶を注ぎ終わったエンマが椅子に掛けながら言った。
「ついこの間まではイヅルマのユーハングの工廠跡を調査してましたの。また面白いものが見つかりましたのよ」
「面白いもの?」
エンマが聞き返すとタミルはトランクケースの中から変わった形の物を取り出した。エンマにとっては初めて見る形のものだ。タミルがそれを机の中央に載せるがエンマにはこれが何をするための物か分からなかった。
「これは…一体何ですの…?」
「ふふ…こうやって使うんですの」
タミルはそう言ってカバンの中から卵を一つ取り出して装置にセットし基部に付いてるボタンを押した。すると機械が動き出し殻が割れる音がしたのち下部にセットされた皿に黄身が落とされた。
困惑した表情でエンマがタミルに聞いた。
「こ…これは一体?」
「全自動卵割り機ですの。一緒に見つかった設計図からして以前私たちが取り戻した全自動パンケーキ焼き機の付属機械の筈ですのよ」
「……こんな物を設計するなんて、案外ユーハングも余裕だったんじゃありません?」
ため息をつきながらエンマがそう言うとタミルが微笑んで返した。
「真相は神とユーハングのみぞ知る。ですわ」
一通り話終わったタミルが紅茶に口をつける。 そしてエンマの生家である古びた屋敷を見上げる。窓にはヒビが入り、外壁には植物が生えていた。こうして時々人がいることを知らなければ幽霊屋敷と言われてもおかしくない外観だ。
「屋敷は直しませんの?」
「両親を養いながらだと中々お金が貯まりませんの…外壁を直すまではまだもう少し時間がかかりそうですわ」
エンマが自分の紅茶に口をつける。タミルは先ほどの機械をカバンに戻しお菓子の箱をテーブルの上に置いた。
「こちらは?」
「イヅルマの知り合いからいただいたものですの。こうしてお茶を飲むのにぴったりでしょう?」
箱を開けるとそこには目付きのおかしい鳥のようなマスコットを象ったクッキーが入っていた。エンマはそのマスコットに見覚えがあった。
「この鳥のマスコットは…」
「さすがご存知ですのね。あのカナリア自警団のクッキーですわ」
箱の蓋を持ってタミルが微笑んだがエンマの方は頭に手を当ててうなだれていた。
「どうされましたの?」
「……知り合いというのはもしかしてエルのことではありません?」
「エルをご存知でしたのね。……どうしてそんなにうなだれてますの?」
首を傾げて聞いてくるタミルにエンマはため息を吐きながら答えた。
「以前に彼女とお仕事した時に一緒に酷い目にあったのを思い出しましたわ…」
「お二人でどんな酷い目に遭いましたの?」
「発動機の輸送護衛の仕事だったのですけれど睡眠薬入りの紅茶を飲まされたり感情が不安定になる薬を打たれたり……」
「あらあら大変でしたのね……さあどうぞ」
タミルがクッキーの箱をエンマの方に向けて食べるように促す。エンマが箱の中から黄色い鳥のような形をしたクッキーを一つ摘んで口に入れる。
「……見た目は少し変わってますけど味は美味しいですわね」
「イヅルマの一流菓子店に依頼したとエルは言ってましたわ。ただしこの鳥…カナリアくんが不気味なせいでかなり売れ残ってしまってるそうですわ」
「この見た目では売れ残るのも仕方ありませんわね」
エンマがそう言いながらもう一つ摘んで口へ運ぶ。見た目こそ変わっているが一流店のクッキーだけあって紅茶によく合う味だった。
二人がお茶を楽しんでいるうちに陽が傾いてくる。二人の体を冷たい風が撫でるとタミルが小さくクシャミをした。それを見てエンマが彼女に言った。
「寒くなってきましたしそろそろ家の中に入りましょうか」
エンマがティーセットを載せたトレイを持ち自宅のドアへと向かいタミルもその後に続く。
古ぼけた外観とは裏腹に屋敷の中は綺麗に片付けられていた。かつて置いてあったであろう装飾品などは既に無く日焼けの跡だけがそこに残っている。
「何もない家でごめんなさいね。今まともに使ってるのは私の部屋だけですの」
「うふふ、素敵な家だと思いますわ。ギラギラしてるより静かで落ち着いてる方が私は好みですの」
そんな話をしている間に二人はエンマの部屋へと着いていた。綺麗に整頓されて必要最低限のものが置かれている雰囲気は二人で過ごした学生寮の部屋を思い出させる。
エンマがテーブルにトレイを置くとタミルがエンマの背後から抱きついた。
「タミル…?」
タミルがエンマの肩に顎を乗せ彼女の香りを首筋の匂いを嗅ぎながら青いアウターで包まれた細い胴を細い指でなぞり耳元で囁く。
「こうして二人で部屋にいると学生時代を思い出しますわ。…エンマもそうでしょう?」
自分の身体をなぞるタミルの手に触れながらエンマが言った。
「タミル…急すぎますわ…まだ陽も落ち切ってないのに…」
エンマが肩に乗るタミルの顔から目を背けながら言った。タミルは吐息が耳にかかるように囁いた。
「お互いあの時とは違って多忙な身、こういう時間は大切にすべきだと私思いますの」
タミルが身体をなぞっていた手をエンマの実りある胸にかける。
「タ…タミル…んっ…」
タミルが服の上から優しく胸を揉み始める。張りの良い、けれども決して硬くない程よい柔らかさを持っていた。
「んっ…タミル…」
エンマが肩の上に乗るタミルの顔を向こうとすると彼女の紅潮した頬にタミルが先にキスをした。
「ふふっ…寮で初めてした時を思い出しますわ…」
タミルが再び吐息がかかるよう耳元で囁くとエンマの身体がびくりと震えた。タミルが胸を触る手をずらして乳首のあたりを服の上から擦り始めるとエンマが甘美な声を上げる。
「あんっ……」
耳たぶを甘噛みし胸を愛撫しながらタミルはエンマのスカートの中にもう片方の手を入れようとする。だがエンマが喘ぎながらもそれを止めようと震える手でタミルの手を掴んだ。
「タミル…んっ…これ以上はっ……ダメ…」
だが愛撫で力の抜けた手ではタミルの手を止めることは叶わずあっさり手が解かれ、スカートの下から手が入る事を許してしまう。タミルが下着の上からエンマの秘部を擦るように指を数度動かす。
「ひゃっ…タ、タミル…もうお止しに……」
擦られて情けない声の出たエンマがそう言おうとした時エンマの目の前にタミルの右手が差し出される。その指先はエンマの愛液で艶めかしく光っていた。
「本当にやめてもいいんですの……?」
再び吐息がかかる位置でタミルが囁く。
「せめてベッドへ行かせてくださいまし…」
「ふふっ…素直でよろしい…」
まるで彼女の教師のように言ったタミルがエンマの愛液のついた指を彼女の口へと運ぶとエンマが少し躊躇ってからその指を咥えた。
「はむっ…んっ…」
「そんなに指を舐めるなんてまるで赤ちゃんみたいですわエンマ…」
タミルのその発言にただでさえ紅潮していたエンマの顔がより紅くなる。タミルに促されたとは言え自分のしている事をそう言われるとエンマはとても恥ずかしくなった。
エンマが一通り指を舐め終わるとタミルがエンマの背後から離れベッドまで服を脱ぎ捨てながらすたすたと歩いた。普段の装いもそうだがとても良い家の出とは思えない仕草だ。甘い息を吐きながらエンマもベッドに近づいていく。その時先にベッドに座っていたタミルが思いついたように言った。
「…エンマ、その場で服を一枚ずつ脱いでいただけませんこと?」
「見…見せつけながらなんて…そんなの恥ずかしすぎますわ…」
「少しくらい良いじゃありませんの、既に一線は超えておりますし…これからもっと恥ずかしい事をしますのよ?」
そう言いながらタミルが先ほどエンマが舐めていた自分の人差し指を口元にやって舐める仕草をした。先程まで自分が赤子のようにタミルの指を舐めていたことを思い出してエンマの顔がまた赤くなる。
「わ…分かりました…」
エンマが観念してタミルの前に立ち、首元の青いリボンに手をかける。思えば最初にこれを最初に着けたのは学校を辞めタミルと離れた時だったとエンマは思った。
青いリボンを解き腰に巻いている革のベルトを外して白いワンピースの外に着ている青いアウターを脱ぎ落とす。少しの間の後にエンマはワンピースの上半身のボタンを外し始めた。純白のブラジャーに包まれた彼女の豊満な乳房とその谷間が露わになる。エンマの羞恥心が高まる。同室時代に身体を交えた事はあれどこうして自ら誘うように相手に脱ぐ姿を見せていくのは初めてだった。
ボタンを全て外し終わりエンマが袖から腕を抜くと彼女の足元に白いワンピースがはらりと落ちた。もう彼女の身につけているものは局部を隠す下着だけになった。ベッドに座るタミルの目線がエンマの身体をなぞる。思わずエンマは腕で胸と股間部を隠そうとした。タミルがふふっと笑いながら立ち上がってエンマに近づく。すでに丸裸な彼女だがエンマとは違い一切恥じらう様子は見せなかった。
身体を隠すエンマの前でタミルが彼女の顔に触れる。
「こんなに恥じらって…とても素敵ですわエンマ」
その言葉を聞いてエンマの顔がさらに赤くなり、自分を見つめるタミルの視線に耐えきれずに顔を背けた。するとタミルが逃がさないとでも言うように手で自分の方に向かせそのまま唇を奪った。
「んっ……はむっ……」
タミルが舌をエンマの口の中に滑り込ませて彼女の舌と絡める。唾液が混ざりあい二人の顔が蕩ける。一度唇を離して二人が見つめ合う。二度目はエンマから求めるようにキスを始めた。彼女の腕は自分の局部を隠すのを辞めタミルの身体に回される。息が苦しくなるほど長くキスが続く。久々のキスに二人とも虜になっていた。
息継ぎのために離れてはまたすぐに唇が交わるということが何度か繰り返されていた。何度目かのキスの最中にタミルが再びエンマの股間を下着の上からなぞった。舌を絡めてる最中で声は出ないが擦るたびにエンマは身体を震わせた。
「はぁ……可愛いですわ…エンマ…」
キスを終え抱き合っていた二人が離れる。タミルが先ほどまで触っていた部分を見るとエンマの白いパンティには染みの跡がくっきりとついていた。
「キスして下着の上から触るだけでこれだけ汚してしまうなんて…相当溜め込んでましたのね…エンマ」
タミルが耳元で再び囁く。久しぶりのキスで高まったエンマにはもうこの焦らしに耐えることができなかった。自ら下着を外し潤む目でタミルに懇願する。
「…直接…直接触ってくださいまし…タミル…」
「ええ、ベッドに行きましょう」
「あっ…んっ…やんっ…!」
部屋に嬌声と水の溢れるような音が響いていた。どちらも音の主は同じだった。エンマは鮮やかな金色をした髪を振り乱しながら喘いでいた。ベッドの上でタミルに背後から抱かれるような形でM字開脚したエンマは秘部を指で掻き回されていた。
「んっ……ああっ…!……そこっ…ダメっ」
久しぶりの味わう親友の指にエンマは秘部から蜜を振りまいて感じていた。長らく交わっていなかったとは思えないほどタミルはエンマの肉壺の癖を理解していた。リズムと強さを変えて飽きないようにエンマの肉壺を刺激する。
「ダメっ…来る…来てしまい…ますぅっ…!」
タミルが掻き回す手を激しくするとすぐにエンマが仰け反りながら絶頂を迎えた。女性器から噴き出した潮がシーツに染みを作る。
「はぁ……ハァ……」
絶頂を終え脱力したエンマを見て加虐心が擽られたのかタミルはそのまま彼女のクリトリスを指でつまみ上げた。
「ッッッ……!あああっ……!!」
エンマの身体が跳ね上がるように仰け反り再び絶頂し、少ししてタミルに寄りかかって脱力する。不意にクリトリスを摘まれて連続した形で絶頂したエンマは声も出せずにタミルに抱かれながら痙攣することしかできなかった。
「ふふっ…乱れる姿が素敵ですわエンマ…」
脱力しているエンマの頭を撫でながらタミルが言った。声は出ないがエンマもそれに恥ずかしそうな笑顔で答える。エンマが落ち着くまでのしばらくの間その状態で二人は余韻を楽しんだ。
10分程度の後エンマが息を整え終わるとタミルが言った。
「そろそろ私も気持ちよくしていただいてもよろしくて?」
エンマがそれを聞いてコクリと頷く。しばらく保っていた姿勢を崩して今度はタミルがベッドの上に横たわり脚を広げその間にエンマが寝そべる形になった。
「さあ、お願いしますわ」
タミルの股間へとエンマが顔を近づける。タミルの女性器も先ほどまでの行為で潤み始めていた。エンマがそこへ舌をつける。
「んっ……」
タミルがそれに反応して小さく喘ぎ声をあげた。それを見たエンマは本格的に舌で女性器を舐め始める。
「あっ……んんっ…さすがッ……お上手ですわ…」
エンマが舐め上げるたびにタミルの肉壺の奥から蜜が溢れ出てきた。それを潤滑材にしつつエンマは舐め続ける。少しの間でタミルの股間はエンマの唾液と自分の愛液でいやらしく光っている。
「あんっ…良い…気持ちいいですわ…んっ」
先ほどタミルに手でされたのと同じようにエンマもリズムを変えながらクンニを続けた。そのうちにタミルの身体が軽く痙攣する。絶頂を迎えたのだ。
「んっ…ああん…やんっ…んっ…!」
先ほどのエンマとは違う静かな絶頂だった。息を整えるタミルを見ながらエンマが口の周りの愛液を指で掬ってから舐めとる。
「タミル…そろそろ…」
エンマがクンニしていた位置から四つん這いで移動し仰向けに寝転ぶタミルの上に覆い被さるような位置に来る。
「エンマ…来てくださいまし…」
タミルの言葉を聞いてエンマが自分の秘部をタミルの秘部に擦り合わせ始める。
「んっ…エンマ…もっと強く…」
「ええ…っ…分かってますわ…」
タミルに懇願されてエンマがより密着するように押し付けながら腰を動かす。
「あっ…これっ……懐かしくて…好きですわ…」
二人の秘部がクチュクチュと音を立てる。二人共学生時代に戻ったような感覚になっていた。エンマが自分のクリトリスをタミルのに押しつけるように擦りつけ始める。
「あんっ…タミルの…硬くて……良い…好きぃ」
激しくなる快楽にエンマは普段から気をつけている言葉遣いも忘れてしまうほど没頭していた。そんなエンマにタミルがキスをする。それだけで快楽が倍に増える感覚をエンマは覚えた。
「タミル…んっ…ちゅっ…」
「エンマ…エンマぁ…」
激しい腰使いで性器を擦り合わせながら舌を絡めるキスを交わす。二人の頭はパンクしそうなほど快楽に満ちていた。お互いこれ以上耐えるのは限界だというのは二人とも分かっていた。キスしていた唇を離すとエンマが待ちきれないように言った。
「タミル…私そろそろ…」
「エンマ……一緒に気持ちよくなりましょう」
タミルの言葉を受けてエンマがより一層腰を激しく動かし始める。再びキスをしながらお互いのクリトリスを擦り合わせて絶頂へと一気に上り詰める。
「「んんっ……!!!」」
二人はキスをしながら同時に絶頂を迎えた。力の抜けたエンマがタミルの上に覆い被さる。二人とも絶頂の快感で動くことができなかった。お互いに息を整えようとしていたが目が合うと再びキスを始めた。窒息しても良いからこうして口付けを交わしていたい。二人の気持ちは一緒だった。
シャワーを浴び服を着たエンマは自室で頭を抱えていた。
「私としたことが…」
そうボソリと呟くと後ろからタオルを片手に持ったタミルが部屋に戻ってきた。
「あら、頭を抱えて一体どうしましたの?」
「……シーツを今朝洗ってしまっていて替えがありませんの…」
「たしかにこれでは寝心地は悪そうですわね…ふふ、かなり激しく乱れてましたものね」
「も…元はと言えばタミルが急に迫って来たのが大元の原因でしょうに!」
エンマが顔を赤くして言葉を荒げる。
「はぁ…今夜は羽衣丸に戻るしかなさそうですわね…」
それを聞いたタミルが思いついたように言った。
「あ、それなら私のとった宿で一晩過ごしましょう?まだまだお話しし足りないですもの」
「…本当にお話しだけでしょうねタミル?またああなってしまったら元も子もありませんわ」
「お約束しますわ。カナリアくんクッキーもたくさん残っていることですし」
ニコニコと笑顔で誘うタミルの笑顔を見てエンマは断れなかった。軽くため息を吐いてから言った。
「絶対ですわよ。…では行きましょうか」
「ええ♩」
二人が部屋から出て軽やかな足取りで玄関へと向かう。…結局二人は宿のベッドで寝ることも叶わなかったのだがそれはまた別のお話。