人里において、霊夢は相当な器量よしとして認識されている。強い意思を感じさせる瞳、柔らかな頬、通った鼻筋に瑞々しい唇。独り立ちして凜々しくありつつも、どこかあどけない顔立ち。そうした怜悧な美貌の持ち主でありながら、ややものぐさで抜けているあたり、付き合いやすくもある。
にも関わらず、アプローチをかける男は少なかった。なにせ相手は博麗の巫女、特殊すぎる身上だ。住所からして、里人が通うには荷が重い。おかげで、隠れファンばかりが増えている状態だった。
とはいえ、誰もが憧れる小町娘であるのに代わりはない。抱くチャンスが転がってきたとなれば、性欲を丸出しにする輩だっているだろう。つまり、今彼女の肩を抱いている、中年男のことだった。
「ンッフフ、今日はよろしくねぇ、霊夢ちゃん」
里でも指折りの、商家の旦那だった。齢五十前半、そろそろ枯れてきてもよかろうに、ギラギラと脂ぎっている。肉が余りぎみの頬をニンマリと歪ませ、どんぐり眼の奥に欲望をうかがわせている。
連れ込まれた彼の寝室には、すでに布団が敷いてあった。神社で使っている使い古しとはまるで違う、ふかふかの新品だ。完全に、そういう行為をする気まんまんだ。猿かよと、呆れずにはいられなかった。
今から霊夢は、この男に抱かれる。むろん、嫌々だ。昼間、妖怪退治の仕事中、外れた陰陽玉が彼の所有する蔵へぶち当たってしまったのだ。壁いちめんに空いた綺麗な風穴を見て、途方に暮れた。
当然、弁償を求められる。が、神社の運営もカツカツなのに、修理代など出せるわけもない。金貸しを頼るにも、返すアテがなかった。
代わりに提示されたのが、身体での支払いだった。修理代分、抱かれろということだ。もちろん嫌だ。天井の染みを数えてれば終わるよ、猫撫で声で「説得」されたときは、なかなか身の毛がよだった。とはいえ、受け入れる以外に選択肢などなかったのだ。
「約束は守りなさいよ」
「当然さ。挿入はなし。ペッティングまで。おじさんみたいな商売人にとって、約束の大事さってのは骨身に染みてるからねぇ。裏切ったりしないさ」
睨み付けるも、柳に風だった。何が約束の大事さだ。彼のあくどいやり口は、里では有名だった。
「さぁほら、これを飲むんだ」
「……何コレ」
「いい気分になるよ。なぁに変なモノは入っちゃいない。ささ、グイッと」
取り出したのは茶色の薬瓶だ。甘ったるい香りの薬液がちゃぷちゃぷ揺れている。いい気分になる時点で、十分に変なモノじゃないのか――思いつつも、こちらは結構な借金を抱えている身だ。拒否は許されなかった。
ままよと、ぐいっと飲み干す。あまりの甘ったるさに、顔を顰めた。甘味は好きだが、あまりにも人工的でケバケバしかった。
「ッ……は」
味が悪いぶん、効果は覿面だった。途端に、身体が熱を帯び始める。毒を疑ったが、違うとすぐに理解する。じゅくじゅくと腹の奥が疼く感覚を、霊夢は女として知っていた。肉体が発情しているのだ。
「こんなものでもないと、女の子一人、手込めにできないわけ?」
「いやぁ、どうせなら気持ちよくなってもらうほうがいいだろう? さあ霊夢ちゃん。まずは言うとおりにしてきたか、見せてもらおうかな」
「見せる……って」
「スカートたくし上げてさ。できるだろう?」
耳にへばり付く声色は、できないとは言わせないぞと暗に語っていた。ニヤニヤと、目は逆三日月型に歪んでいる。
「ロクな死に方しないんだから、クソ野郎……」
どのみち、やらねば借金を返せない。屈辱に奥歯を噛みしめながらも、下衣へと手を伸ばす。スカートの裾を摘まみ上げ、彼の目の前で、ゆっくりと持ち上げていった。
ほんのり赤らんだ膝、二次性徴を終えて柔らかく脂を纏い始めた太腿が、露わになっていく。普通なら他人に――まして、心を許してもいない中年男には、絶対に見せないところまで。
やんごとなき三角地帯が露わになる。彼女は下着を穿いていなかった。「言うとおりにしてきた」からだ。
大人ほどではないが、骨盤は広がって、妊娠できると示している。しっかりとバランスのとれた、安産型の下半身だ。子宮に種を植え付け子を孕ませてやりたいと思わせる、魅惑の恥部だった。
普段のぐうたらさから忘れがちだが、巫女とは本来、清浄なる存在である。清い身体でなくてはならないので、純潔のままだ。裂け目はぴっちりと閉じた一本筋だ。さながらもっと幼い童女のごとしだった。
童女のようといえば、毛もそうだ。一本たりとも生えていなかった。恥丘はつるりと滑らかで、毛根もほとんどうかがえない。
「おやおや。これはどうしたことかなぁ? あの凜々しい博麗の巫女様ともあろうものが」
「ッ……」
男は数度、目を瞬かせた。が、想定外のパイパン姿に、何か興奮を見出したらしい。下衣に思い切りテントを浮かべながら、ニタニタといやらしい顔を浮かべ詰ってくる。
「まぁ~さか、博麗の巫女様が、こんなつるっつるの、五歳児みたいなおまんこしてるなんてなぁ。いやあ、驚きだ」
「仕方ないでしょうが。……そういう決まりなんだから」
陰毛は不浄の毛であるからして、すべからく剃り上げるべし。
巫女の仕事は面倒だが、幻想郷において必要であるのもわかっている。が、この規則に関しては、本当に理解しかねていた。なんでそんな、小っ恥ずかしい真似をしなくてはならないのか。とはいえ、ルールはルールなのだ。週一で丁寧に剃っていた。
何度も刈られるうちに、毛根は次第に痩せ細っていく。そうして、つるつるの無毛地帯が生まれた。
「いやぁ、いいと思うよ、いやらしくて最高だ、フフッ」
「好きでやってるんじゃないもん……」
物怖じしない霊夢も、流石に恥じ入っていた。
魔理沙くらい親しい相手でも、たとえば一緒に温泉に入るのも避けたいと感じるほどだ。
まして、知らない男に見られるなど、屈辱極まれりだ。
にもかかわらず、奇妙な胸の高鳴りを感じていた。見られているのは、恋した相手ではなく、身体目当ての助平親父だというのに。いやむしろ、だからこそだろうか。そんな輩に恥部を晒している事実に、背徳を見出していた。
「っ……は」
小さく、溜息が漏れた。じくりと、股穴が疼く。
「どぉれ、中までじっくり観察してあげないとねぇ」
「あっ、ちょ、っと、触るんじゃないわよ」
「触るなって、いやいや……これからヤることヤるんだからさぁ」
男が屈み込む。陰唇に、指をかける。当然のごとく、割り開いてくる。誰からも秘められるべき体内が、中年男の視線に晒される。
「ほぉ~。こりゃ綺麗なおまんこだ。全然使ってないねぇ」
露わになった肉襞は、外気へ晒された驚きゆえにキュッと収縮していた。初々しい反応から、男は穴の「利用頻度」の少なさを見抜く。
何より、その奥に、彼女が清らかなままである証拠が鎮座していた。
すなわち、処女膜が。膣道全体の蠕動にあわせて、ひくっ、ひくっと蠢いていた。
「ダメだよ? 霊夢ちゃんくらいの年頃の子は、もっと男と遊んでパコパコしまくって、ゆるゆる穴にしてもらわなくちゃさぁ。まあ巫女さんだから仕方ないけど」
「ッ、く、は」
見られているだけで、触れられているわけではない。少なくとも、まだ。にもかかわらず、実際に触れられているかのようだった。性欲にまみれた粘っこい視線は、質量をともなっているかのごとく感じさせた。そうして生じる羞恥と快感は、彼女をじわじわと追い詰めていく。
「おっ、エロ汁が溢れてきたねぇ。感じてるのかな? いやらしいお嬢ちゃんだ」
「や、っ。違うぅ……」
首を左右に振り、否定する。が、体奥からにじみ出る蜜は、ごまかしようもなかった。陰唇付近を、指で撫でてくる。スリットから溢れた愛蜜をすくい取る。にちゃにちゃと糸をひく様を、見せつけてきた。
「こんなにヌレヌレにさせておいて、違うは無理があるでしょ。素直になるまでたっぷり弄ってあげないとねぇ」
「ッ、は、アッ、ッ、く、あっ、あぁあッ……」
指の腹で、秘唇を擦り上げてくる。どちらの立場が上であるか、思い知らせてくるかのような指使いだった。
ぬちっくちっと、小さな音が聞こえてくるたび、甘い官能が腹の奥からこみ上げてくる。あふれる声を、唇を噛みしめて押さえようとするも、次々こぼれ落ちていく。
清いままだとはいえ、霊夢も年頃の娘だ。一人寝の寂しさに、自らを慰めたりもしてきた。今されているのように、裂け目を擦った経験だってある。
他人に触れられるのは、そうした自慰行為とは一線を画していた。じんじんと下腹が甘く疼く感覚は、オナニーでは決して得られない。ふぅふぅと、荒くも甘い声を漏らしながら、人生初の快感に戸惑う。
「ひんッ!」
不意に、身体を跳ねさせる。あがる声は情けない。妖怪退治に挑むときの、凜とした姿からは想像もつかなかった。
「おやおや、敏感だねぇ」
「だれのッ、アッ、ぅ、んッ、はああッ!」
誰のせいだと、抗議することすら許されなかった。性的興奮によってぷっくり膨れていた陰豆を、キュッと摘まみ上げられたのだ。今も、親指で押し潰しつつ、ぐにっぐにっと転がしてくる。
自分ではあまり、触れてこなかった部位だ。なんといっても、あまりに敏感すぎた。刺激が強すぎて、ちょっと怖かったのだ。
「あぅッ、アッ、アッ、あぁあッ、ひぃんッ!」
今まさに、忌避してきたエクスタシーを叩きつけられている。脳天を貫くソリッドな性感に、びくッ、びくっと身体を震わせる。とろっ、とろっと裂け目から溢れてきた蜜が、太腿を伝いぽたぽたと床を汚していく。
「はは、処女でこれだけ濡らすのは、エロ女の才能があるなぁ、どれどれ。中はどんな具合かな」
「あ、やだッ、中は――っひ、ッ、くぅうううッ……」
「ああ、心配しなくていいよ。約束はちゃぁんと、守るからねぇ」
膣口を押し広げ、指が体内に侵入する。自分でだって、怖くて入れたことがなかった。圧迫感に息が詰まり、掠れた悲鳴のようなものが漏れる。
「いやぁ、ホント狭いな。さすが未使用おまんこだ。ブチ破りたいなぁ……」
「ひッ、い、や」
純潔を奪われる恐怖に、身が竦む。さすがに、旦那様との初めての夜に――というほど夢想家ではない。だからといって、こんな脂ぎった中年親父に奪われたいとは毛ほども思わない。
「ああ、大丈夫大丈夫。繰り返しになるけど、約束は守るよ。ハジメテは残しておいてあげよう」
破りさえしなきゃセーフだよね? と、ニタニタ意地悪く笑う目が告げている。ぬちっくちっと、未開拓の処女地を、指先がゆるゆる耕してくる。
「く、ひっ、はッ、あぅッ、ひ、ぅううッ、は――ッ」
未だ硬さを残す、無垢なる襞を、ほぐすかのごとくゆっくりと抜き差ししてくる。ぬるッ、ぬるるっと、発情汁が潤滑油代わりとなる。はぁ、はあと、荒い呼吸を繰り返す。たった指一本入り込んでいるだけなのに、腕でもねじ込まれているかのごとく感じていた。
「はひ、くっ、は、あぅ、あっ」
肉壁を擦り上げられるにつれ、声に甘さが混じり始める。柳腰が緩やかにくねり始める。本人も気付いていない、無意識の動きだった。さらなる快楽を求める、雌犬の動きだ。
頃合いを見計らったのだろう。指が、より奥へと入り込んでくる。膣道半ばにて、侵入者を遮る門番――すなわち純潔の幕に、指先で触れる。
「ひッ!?」
ソレは、物理的には本当にただの膜にすぎない。ほとんど神経も通っていない。にも拘わらず、びりりと痺れる感覚が、体奥から伝わってきた。彼がほんの少し力加減を間違えるだけで、巫女であり続けるための条件が永遠に喪われる。緊張感に、思わず息が詰まった。
「はッ、や、だ。やめて、あっ、あっ」
ゆっくりと、形を確かめるがごとくなぞってくる。ぞくぞくぞくっと、得体の知れない感覚がこみ上げてくる。身を委ねてはならないと分かる、危険な感覚だ。にもかかわらず、奇妙なほどに気持ちを惹きつける。
「あっ、はっ、あぅッ、あっあっ、や、あぁッ、あぅッ」
空いたもう片手が、身体中を這い回ってくる。太腿から尻へ至り、臀部を揉みしだいた後、背中から腹へ回る。衣服の内側に潜り込んで、乳房をやわやわと揉みしだいてくる。
ぷっくりと膨れていた先端を、くりッ、くりっと転がしてくる。
そうした全てに、霊夢は敏感に反応した。始まる前に呑まされた、あの薬のせいもあるだろう。けれども何より、性の悦びを覚え始めた年頃――すなわち少女の肉体が、貪欲に快感を求めていた。
「こんなに感じて。霊夢ちゃんはいやらしい子だねぇ?」
「ちがっ、違うもん。アンタが弄るからっ」
「そうかい? でも霊夢ちゃんおじさんのこと嫌いだろう? 嫌いなおじさんの手で弄られたら、普通はもっと嫌がるもんさ。なのにこんなにアンアンやらしく喘いで、もっとしてって腰くねらせて。変態だよねぇ」
「あっ、はッ、あぁああッ」
反論したくとも、与えられる快楽によって言葉を紡げないでいる。そうだろう・そうに違いない・そうなのだと刷り込むがごとく、指を蠢かしてくる。膣に併せて、頭の中までぐちゃぐちゃに掻き回されているかのようだ。変態と罵られて気持ちよくなるなんて、もしかして自分は本当に変態なんじゃないか――。そんなことまで、ぼんやりと考えてしまう始末だった。
「まあ、違うっていうならやめてあげよう」
「アッ……」
不意に、指が引き抜かれる。ちゅうちゅうと指に吸い付いていた肉襞は、ちゅぽんっ、と音をたてた。
己を埋める異物がなくなったことで、狭穴は甘くうずき始める。じんっ、じんっと響く切なさに、腰を小さくくねらせている。もっとしてほしい、嬲ってほしいと言っているも同然だった。
「はん、マゾ娘が……」
男の口から、小さな呟きが漏れる。独り言を装った、明白な罵倒だ。が、反論する気持ちになれなかった。ひどいことを言われているにもかかわらず、胸の奥がキュン、と高鳴っているのを感じていた。
「そら、もっと脚を開きなさい」
「だ、誰が」
「開くんだ。いいね?」
「……分かったわよ」
強い口調で繰り返される。言われるがまま、脚を広げる。強い屈辱に震えながらも、ぞくぞくとこみ上げてくる官能を覚えていた。
「あっ、ちょ、えっ、何して――あっ、アッ!?」
男が屈み込む。淫裂のすぐ側に、顔を近づけてくる。文字通り、目と鼻の先の距離まで。
「あっ、あっ、あぁっ……」
「おいおい、汁があふれて止まらないじゃないか。やっぱり変態だねぇ、そうだろう?」
先ほど以上の至近距離で、裂け目を見つめてくる。奥からとろとろと溢れてとまらない汁の、芳醇なる香りを愉しみながら、言葉で嬲ってくる。
「どぉら……ぢゅるるッ」
「っひッ!?」
突如として走った、生理的な嫌悪感を伴う性感に、身体を強ばらせる。男はあろうことか、霊夢の裂け目に自らの舌を這わせていた。滴る蜜を、れろっ、れろっと舐め回している。
「れろ、ぬちゅっ、れろぉっ」
「あっ、アッ、待って、やだッ、ひっ、あぁッ、あぅッ」
陰唇が割り開かれる。体内を覗かれながら、入口付近を舐め回される。すんすんと、呼吸音が聞こえてくる。漂う処女雌臭を嗅がれているのだ。
「やっ、やだ、やだやだ」
弄られるだけならまだしも、舐められて、嗅がれるなどと。彼女の常識と照らし合わせて、ありえないことだった。羞恥に、己の顔が真っ赤に染まっているのを感じていた。
「ま、まって、やめッ、あぁ、はっ、ひッ、あぁああああッ!?」
「んぢゅるッ、ぢゅるぅッ、ぢゅるるッ、レロレロレロレロッ」
子供のように駄々をこねるも、もちろん男がやめたりはしない。むしろ、生意気を抜かすなとばかりに、勢いよく吸い付いてくる。お前はこれほど濡らしているのだと思い知らせるかのごとく、音を立て吸い上げる。舌は体内をほじくっては、時折クリトリスをも責め立ててくる。
容赦ないバキュームクンニに、腰が跳ねる。他人に「大事なところ」を舐め回されるなど、気色悪いはずだというのに、官能が止められない。
「アッ、くる、きちゃ、あっ、アッ、アァアッ……!」
腹の奥から、衝動がこみ上げてくる。それが何であるか、霊夢は知っている。人並みに自慰をして、何度か経験もあった。性感の頂点が近い。
うねり来る波は今まで味わってきたのよりずっと大きかった。
呑み込まれたらどうなってしまうだろうと、戦慄せずにはいられない。同時に、期待もあった。
「んぢゅるぅッ、れろッ、ぢゅるるるっ」
「ッ、は、ッ、アッ、イ、くうううううううううううッ!」
女を食い散らかしてきた中年男からすれば、小娘一匹の絶頂が近いと見抜くくらい、造作もなかったのだろう。とどめだとばかりに、恥丘から狭穴の奥に至るまでたっぷりねぶり倒し、彼女をアクメに叩き込んだ。
目を見開き、焦がれた声をあげる。背が反り返り、筋肉は痙攣する。男の頭を、柔らかな太腿でぎゅうと締め付けながら、はしたないオーガズムに酔いしれる。
「ッ、は、あぅっ、はッ、あぁっ、はぁあ……っ」
全身を突き抜けていった衝撃に、ぐったりと脱力する。呼吸のたび、肩や胸郭が上下している。
「そら見たことか。嫌いなおじさんにオマンコ舐められてイき散らかすなんて、よっぽどの雌犬じゃなきゃできないね」
「ち、がうぅっ……」
愛蜜に濡れた鼻先を拭いながら、男は見下した視線を向けてくる。お前はこういうふうに言われるのが好きなのだろう、とばかりだった。
「ふん、そうかい? それより、エロ汁まき散らかしたせいで、服がべちょべちょになってるね? 脱ぎなさい」
「……っ」
「脱げ」
目には冷たい輝きがあった。もっと殺伐とした目を、妖怪退治や異変解決でいくつも見てきた。にもかかわらず、身体が竦み、何も言えなくなった。できるのは、ただ己の衣服に手をかけて、柔らかな肌を晒すことだけだった。
整った顔立ちゆえに、里において霊夢のファンは多い。体つきも、花容に負けず劣らずの素晴らしいものだった。
二次性徴を終えたボディは、数年前と比較指定いくぶん大人びつつある。一方でまだ熟し切っていない、凹凸の少ないところも残っており、あどけなさを感じさせる。その絶妙なバランスが、彼女の美を形作っていた。
白く細い、締めれば折れてしまいそうな首には、うっすらと汗が浮かんでいる。光を反射し煌めく様は、宝飾品を身に着けているかのようだ。
ほんのり膨らんだ乳房は、荒い呼吸のたびふるん、ふるんと震えている。弾力と柔らかさ、両方を感じさせる光景だった。先端は充血しきって、ぷっくりと尖っている。どれほど興奮しているかを、端的に示している。
ほんのりくびれた腹回りも、汗で濡れていた。はぁ、はあと息を吸っては吐くたび、腹部が小さく膨れては縮む。縦に走った臍が、微妙に形を変えていた。
下腹の淫猥なる様ときたら、もはや説明も必要ないほどだ。唾液と愛蜜の混じった汁にまみれ、てらてらと輝いている。散々弄くり倒された雌穴は、未だ清いままであるというのに、そんなことは知らぬとばかりにヒクついていた。
「こっちに来るんだ」
手を引かれ、部屋の隅に連れてゆかれる。立てかけてあった姿見で、己の姿を見させられる。
「ッあ……ッ」
自分がどれほどいやらしい姿になっているか、思い知らされる。腰が砕け、立っていられなくなるほどだった。
「君みたいな子には、これがお似合いだからねぇ……」
「え、あっ」
男が引っ張りだしてきたのは、麻縄だった。するすると、明らかに手慣れた様子で、霊夢の珠の肌へ巻き付けていく。拒もうとは思えなかった。先ほどの絶頂で、どこか彼に屈してしまっている。
鬱血しない程度のギリギリで締め上げられている。いわゆる菱縄縛りだ。両手両脚の自由は残っているので、拘束する意味合いはない。肌に食い込む感覚は、普通は苦しさしかもたらさないはずだというのに、どこか甘く感じられた。
「……嗚呼……」
「やっぱり雌犬だよ、君は」
再び、鏡に映る己を見つめる。ぎちぎちと戒められた肌が、いやらしく強調された肉が、どうしようもなく胸を高鳴らせる。目尻を垂れ下げる様を、男は嘲笑っていた。
「さぁ、霊夢ちゃん。さんざん気持ちよくしてやったんだ。次はそっちが奉仕する番だ」
散々好き放題やっておいて、恩着せがましい態度だった。男は衣服を脱ぎステイルと、敷かれた布団に、仰向けで寝そべる。男はすでに勃起していた。硬く反り帰った棒が、雄々しく天を衝いている。
「は……ッ」
硬く膨れた、鉄兜のごとき亀頭。曲刀を思わせるカーブを描き、びきびきと張り詰めた竿。いきり立つイチモツは、長さにして二十センチほどだった。あんなものぶら下げて邪魔じゃないのか? と思わずにはいられない、威容を晒していた。
「奉仕……って」
「素股だよ。分かるだろう? おまんこでチンポを擦るんだ」
当然のように言ってくる。分かるだろう、だって? 知るわけもない。
「でも、入れるのは」
「入れない。擦るだけだ。できるだろう? やれ」
「……まあ、入れないなら」
どうせ、やると言うまで許されないのだ。なにより、命令されると、拒むという考えすら浮かばなかった。
男に跨がる。重くないだろうか? と不安に思うも、特に顔を歪める等なかったので、大丈夫なのだろう。霊夢のように浮世離れていようとも、乙女にとって、体重は最大の関心事のひとつだ。
「っ、は、あ……っ」
指先で肉竿を摘まみ、自らの裂け目へ押し当てる。途端、びくんっ、と身体が震えた。
肉棒は、人体がいったいどうやったらと思うほど熱く、硬かった。特に、粘膜で感じる熱量は、圧倒的といっていいほどだった。
思わず、息を呑まずにはいられない。期待に、腹の奥がきゅうきゅうと疼いていた。
「は……んっ、あん、はぁぅ、んぅ、っくぅ」
腰を、ゆっくりと蠢かし始める。当たり前だが、こんな馬鹿馬鹿しいことをした経験などない。動きは固く、ぎこちなかった。
「ふッ、は、ぅ、んっ、はぁ」
くちゅ……ぬちゅっと、粘液の音が小さく響く。曖昧な声が、喉の奥から漏れていた。
「あんっ! はっ、ふぅっ、あん、はぁ」
膣粘膜に亀頭がひっかかり、ぬるんッ、ぬるんッと刺激してくる。生じるのは、先ほど、指や舌でほじられたのよりは、ずっと微妙な官能だ。にもかかわらず、はるかに良いと感じられた。男性器が本来持つ、女を魅了・誘惑し堕とす作用が、素股とはいえ発揮されているのだ。
「くっ、んっ、はぁッ、あんッ、はぁッ、あっあっあっ……!」
「そぉら、こうやってすぐ喘ぐようになるんだ。天性の雌犬だよ」
ぎくしゃくしていた腰の動きが、次第に滑らかに、大胆になっていく。三角州と太腿との間に生じる魅惑の空間で、男根を悦ばせていく。蜜の摩擦音も、ぬちゅぬちゅと大きくなる。粘膜摩擦による嬌声も、はなはだしいものに代わっていく。
「あんッ、はぁッ、アッ、あっあっあっ、あぁあッ」
相手が下衆な中年男であることも、自分が凌辱に等しい行為をされているのも忘れて、くねっくねっと腰を躍らせる。自らの純潔穴で彼の裏筋を刺激しながら、自らも悦びを貪っている。身体を躍らせるたび、麻縄で戒められ強調されたCカップバストが、ふるんふるんと小さく震えている。奉仕の熱心さを示すとともに、男の目を楽しませた。
「フン、縛られて感じて、素股でよがって。どうしようもないマゾだな。そら! そんな子にはお仕置きだ!」
「あっ、痛、あんッ! あっ、待って、やだ、ッ、あぁっ!」
ぱぁんと、破裂音が響く。尻肉に、平手を打ち込まれたのだ。結構な一撃だった。少女のぷりんとしたヒップが、小さく弾むくらいの威力はあった。
「あっ、やだッ、なんで叩くの、そんなッ、あっ、あぁっ」
「なんでって、霊夢ちゃんがいやらしいからだ。現にケツ叩かれて感じてるじゃないか」
「ちがッ、違うもん、感じてなんかぁっ」
ぱぁんぱぁんと、何度もスパンキングされる。逃がれるべく、尻が左右に躍るが、何の意味もなしていない。むしろ、腰の下にある肉棒を、より悦ばせる結果にしか繋がっていなかった。
「はん、この期に及んで嘘をつくのか。恥を知れ! 恥を!」
「アァああっ!」
スパンキングの頻度が上がる。ぱぁんぱぁんと、そういうパーカッション楽器であるかのようだ。可愛げな尻が、赤く染まっていく。ぷりぷりとしたヒップが、猿を思わせる色に染められていく。
己の尻を、恥ずかしい臀部に造り替えられながら、しかし霊夢は官能の声をあげていた。本人は気付いていないが、叩かれるたびに、腰は猛然とくねる。ご褒美をぶら下げられた馬のごとしだった。
「そぉら、出すぞ出すぞ、イけ雌犬、そら!」
「え、ちょ、待って、何、入れちゃやだッ……!?」
男は口汚く喚きながら、陰茎を垂直に立て、もはや壊れた蛇口のような様を晒す膣口に押し当てる。入れられるのかと恐怖するのも刹那、浅く肉穴に押し当てた竿は、そのまま絶頂を迎える。
「あっ、アッ、何、中に出てっ、アッ、ああああッ……!」
亀頭が数ミリほど、膣内に入り込んでいる。そのまま男は、射精を始めたのだ。確かに約束通り、挿入はせず、処女も奪わない。代わりに、精液だけを流し込んでいた。
どくどくと、マグマのごとき灼熱が体内に注がれている。男性の精液について、一般的な性教育レベルの知識はあった。けれども、こんなに熱いだなんて、知りもしなかった。
駄目押しとばかりに、ぷっくり膨れていたクリトリスを、キュッ! と摘まみ上げてきた。途端、快楽の頂点に至る。
「ひ!? はッ、アッ、ああああああッ――ッ!?」
縄によって戒められた身体を反り返らせて、本日二度目のアクメに至る。頭の中を突き抜けていった衝撃が、何もかも押し流していく。縛られ叩かれ、マゾの本性を剥き出しにされながら、あられもない姿を晒す。ぷしっぷしっと膣口から噴き出した雌汁が、「これは私の」とマーキングするがごとく、射精している最中の男根を濡らしていった。
「はひ、ひぃっ、あぅ、はっ、あぅ、ぅうう……っ」
アクメの波が退き、ぐったりと身体を弛緩させる。全身は汗にまみれ、胸郭は荒い呼吸に合わせて激しく上下していた。とろぉ……と股の間から滴る白いものは、彼女が性欲のはけぐちとなったことを示している。
「おやおや、博麗の巫女ともあろう人が、これくらいでヘバるとは……仕方ない、今日はこれくらいにしておいてあげよう」
対する男は、まったく余裕といった風情だった。軽く汗を拭うと、霊夢に退出を促す。
「ああ。縄は縛ったまま帰るように。くく……次もたっぷり楽しませてあげるから、覚悟しておきなよ」
「あはぁ……はいぃ……っ」
ニタニタと底意地の悪い笑みを浮かべ、告げる。次はどう嬲ってやろうかと、顔に浮かんでいた。次はどんな風にしてもらえるのかという期待に、彼女の意識は蕩けきっていた。
***
「あンの男、好き放題しくさって……!」
風呂場で身を清めながら、彼女はぷりぷりと憤慨していた。
次もたっぷり楽しませてあげるだって? 冗談じゃない。約束通り、挿入はされなかったし、純潔も保たれた。だからといって、あれはないだろう。
「ああもう、痕になってるし。寝て起きたら消えてるかしらね、これ」
神社に戻って、身体を清めるべく風呂を入れて、いくらか冷静になってきた。約束を守ればいいってものではないだろうと、憤慨する。身体には麻縄の痕が残っていたし、叩かれまくった尻には赤みが残っていた。いつもの温度の湯をかけるとヒリつくので、今日はぬるめだ。
「それに、この――こんなの」
身体を洗いながら、自らの股に指を這わせる。ヌル……と、粘っこい感触が指に伝わってくる。見れば、白いものが付着していた。
「……」
無意識のうちに、まじまじと見つめる。脳裏によぎるのは、男の寝室でされたことだ。
指でほじられ、舐め回され、大事なところでアレを擦って、擬似的とはいえ中出しまでされた。
犬に噛まれたとも思えない、最悪の思い出だ。なのに、胸がきゅう、と疼いて止まらない。指は、再び股座に向かう。
「ンッ、は……あっ」
ゆっくりと、膣口を擦り上げる。違う。ぜんぜん足りない。
「あっ、ん、あっ……あっ! はぅ、はぁ、あぁんっ!」
指を、性器へと潜り込ませる。男の行為を思い返しながら、くちゅッ、ぬちゅっとほじくっていく。注ぎ込まれた白濁を、膣壁へ塗り込めて馴致させていく。
「あはぁッ、あっあっあっ、あぁあ! んっ、はっ、あぁうっ!」
風呂場に、はしたない嬌声が響き渡る。
自分は失敗したのだと、霊夢は感じていた。確かにあの男は、純潔を保ったかもしれない。けれども、身体も心も清らかさを奪われ、雌犬に堕とされてしまった。
次もたっぷり楽しませてあげる――別れ際の台詞を反芻し、口元はにやりと、薄暗い笑みを形作っていた。