何十人と被害者を出してきた凶悪な強姦魔を裁こうとした四季映姫・ヤマザナドゥさんが彼のテクとチンポに堕とされてしまいセックス至上主義の男根崇拝者に成り果て彼の奴隷となることを誓ってしまうスケベ

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被虐雌穴肉穴裁判長 四季映姫・ヤマザナドゥ

 休廷時間となり、控え室に戻る。人の目がなくなって早々、深い溜息をついた。

 閻魔の仕事は過酷だ。他人の人生に白黒をつけねばならないのだから。浄玻璃の鏡で覗き見るのはあくまで一生のダイジェストに過ぎないが、それでも精神的負担は大きい。

 悲しいかな、誰しもが善良とはいかない。場合によっては、悪人のなした凄惨な場面を直視することもある。今日の被告は、特にひどかった。見慣れている四季映姫をして、辟易させるほどには。

 一言で表現するなら、最悪の性犯罪者だ。生前、何十人もの女性をレイプしては人生を滅茶苦茶にした、下衆中の下衆だ。女を人とも思っていない。

 考えるまでもなく、真っ黒だ。普段なら、さっさと地獄送りにしている。が、そうもいかない事情があった。

 没前、男は誰にも捕まらず、最期まで逃げおおせた。正確には、捕縛の試みすらなされなかった。被害者たちが、揃いも揃って合意だったと主張したからだ。状況から考えて、明らかにそんなわけはないのに。

 とはいえ、決めつけてかかるのは厳禁だ。実際、現世の司法では裁かれていない。であるなら、万に一つとはいえ、本当に和姦だった可能性もある。死後の裁きに、誤審は許されない。だから、酸鼻極まる凌辱の場面を、ひとつずつ丁寧に確認する羽目になった。

 女児じみた体型であろうと、精神的には一人の女だ。強姦シーンを延々見せられるのは、端的にいって辛かった。腹の底からこみ上げる、グツグツと煮えるような怒りに駆られては、自制するのを繰り返した。ひどい精神修行もあったものだ。

「はぁ……」

 また、溜息をつく。心に鉄の仮面を被り、目を覆いたくなる光景を直視する彼女を、男はずっと異様な目で見つめていた。ねじくれきった性欲でギラついた目を。仕事柄、敵意や害意を向けられるのには慣れている。とはいえ、獣と称するのも不適切な視線に晒され続けるのは、堪えた。

 何年かに一度くらいは、こういう酷い仕事が舞い込んでくる。閻魔は公平無私でなくてはならないが、今日ばかりはそのスタンスも揺らぐ。奴ばかりは、なんとしても地獄へと送らねば。決意を新たにする。

「でへっ。お疲れみたいだなぁ?」

「ッ!?」

 不意に、背後から声をかけられた。反射的に振り向けば、控え室の入口に、くだんの男が立っていた。公判の最中も見せていた、気色の悪いニタニタ笑いを浮かべながら。

 醜い男だ。瞼は爛れたかのごとく垂れ下がっており、瞳には害意や敵意こそあれど、知性を感じない。鼻は途中から曲がっているし、鼻頭にはイボが浮かんでいる。頬は土気色をしているし、唇の形は肥大した蛞蝓を連想させた。

 でっぷりと太った身体もあいまって、生理的嫌悪感をもたらす。人の色恋に首をつっこむつもりはないが、コイツ相手に和姦はありえない、と断言できるほどに。

「なぜここに……」

 普通の霊ならともかく、彼のように注意の必要な魂には、休廷中も厳重な監視がつく。腕力や口先で、どうにかできたりはしないはずだ。

「へへ。アンタに気を遣ってんのか、ココの連中は女ばっかだったからよう。女はいいねぇ? ちょっと『お話』するだけで、すぐ素直になってくれるんだからなぁ」

 言外に、警備の人員を毒牙にかけたと言っている。次はお前の番だ、とも。真夏のドブ川よりも濁りきった目は、閻魔をして身を竦ませる。

「警備の姉ちゃんが教えてくれたんだよなぁ。アンタは、あの鏡やら何やらがないと、大したことねぇらしいじゃねぇか」

 図星だ。四季映姫の能力は閻魔の権能であり、外付けだ。公判中にのみ、手元に置ける規定となっている。すなわち、丸腰の今は、見た目通りの少女の膂力しかなかった。

「それ以上、近づかないでください。人を呼びます。閻魔に害をなせば、地獄送りでは済まなくなりますよ」

 警告する。が、男は意にも介さない。やれるもんならやってみろと、分厚い紫の唇を歪めた。

「話聞いてたかぁ? 警備連中はもうオちてんだよな。騒いでも、誰も来やしねぇ。あと地獄送り云々ってのも、怖かねぇ。それはアンタが下すんだ。じゃあ、アンタにお願いすりゃ、全部解決だ。そうだろぉ?」

「私がそれを聞くと?」

「女だからなぁ。俺がチンポ突っ込んだ女みんな、俺のお願いを聞いてくれんだ」

 身体でいうことをきかせる、と言っている。先ほどまで散々見せられてきた光景の犠牲者に、自分がなるのだ。一歩後ずさる。追従するかのごとく、男も一歩、足を踏み出す。

 じりじりと、追い詰められる。男を突き飛ばし、隙を突いて脱出するのは難しそうだ。扉に外から鍵がかけられている節があるからだ。警備全員が男の手中にあるとは考えがたいが、協力者がいるのは間違いなかった。

「もう逃げられねぇぞ?」

 とうとう、壁に押しつけられる。獲物を甚振る猫のごとき目をしていた。もっとも、猫のような可愛らしさは皆無だが。

「やめなさいッ」

「やめねぇよぉ?」

 醜悪な赤子を連想させる、でっぷり太った手が、下半身へと伸びてくる。拒もうとするも、両脚の間に、膝を割り入れられた。

「だいたい、裁判長サマの制服がこんなミニスカでよぉ。コスプレ大会かっちゅうの」

 スカートがまくり上げられ、脚どころか秘められるべき部位まで曝け出される。手で隠そうとしても、あっさりと振り払われてしまった。

 ホワイトレースの、シンプルなショーツだ。仕事中に穿く以上、華美さはないが、彼女の外見的幼さもあいまってコケティッシュだった。少女の三角地帯を守る姿は、柔らかな太腿もあいまって、大変魅力的だ。

 男も、そう感じたのだろう。色気がねぇなぁ、と呟きつつも、瞳にはありありと異常性欲を浮かべていた。下服に、ぎんぎんとテントが浮かんでいる。

 喉が引きつる。裁判長席と被告人席の距離からなら、その目を向けられてもまだ堪えられた。届かないと分かっているからだ。

 だが、今はそれが届いてしまう。何十何百と見せられた凌辱シーンと同じことをされるのだと思うと、女として恐怖を覚えずにはいられなかった。

「ひッ」

 人差し指と中指が、プライベートゾーンに触れる。今まで、他人になど触れさせたことのない部位をだ。

 ゆっくりと、擦り上げてくる。毛虫に這われているようだ。鳥肌が立つ。

 おぞましさに、男の肩を押し、突き飛ばそうとする。少女の膂力ではびくともしなかった。

「へへ、このマンコに、俺のよさってもんをたっぷり教えてやるからなぁ」

「っく、ぅ、う」

 裂け目の形を、布越しに確かめてくる。くいッ、くいッと引っ張って、食い込ませてくる。喉奥から、引きつった吐息が漏れる。

「ッは、く、ぅ、あ」

「お、感じてんじゃねぇのか? でへへ」

「そんなの……知りませんッ」

 認めたくない。が、否定もできない。

 閻魔の仕事を抜きにしても、彼女は周囲が呆れるほどクソ真面目だ。男性経験がないどころか、自慰すらほとんどしていない。感じているかどうかと尋ねられて、回答するだけの判断材料をもちあわせていなかった。

 だからこそ、「知りません」だ。ただ、触れられるたび腹の奥からぞくぞくとこみ上げてくる感覚は、決して油断してはならないものだと感じていた。

「ッふ、ぅ、く、ぅ」

 下丹田に力を込め、唇を噛み締めて声を殺す。嘲笑うかのごとく、男はさらなる刺激を与えてくる。

「おほ。無駄な頑張りだなぁ。ホレ」

「ああぁ!」

 女体においても特に敏感な、淫らなる豆。嬲られ充血しはじめたソレを、指の腹で布越しにぐりぐりと圧迫したのだ。

 女性最大の「鳴きどころ」を、容赦なく弄くられるのだ。まして、もともと快楽に不慣れともあれば、いかに閻魔であっても堪えられない。身体が小さく跳ね、高い声がこぼれる。

「ッあ、あ! やめ、待っ、は、っく、ぅう、あぁ……っ」

「閻魔つってもオンナだよなぁ、えぇ?」

 目に嗜虐の色をうかべながら、男はウインナーじみた指でもって四季映姫を責め立てる。びく、びくと、筋肉は本人の意思と関係なく痙攣する。声も、とても抑えられない。ならばせめてと、自ら口を塞ごうとした瞬間、そうはさせじと男が動いた。

「おぉっと。ぶぢゅぅッ、んぢゅるっ、ぢゅる」

「はッ、あ……んむぅ!? んぐッ、ぐッ、ぅうッ、んぅうう……ッ!?」

 視界が塞がれた。口もだ。接吻されたのだ。

 しかも、ただ唇を奪われただけではない。生暖かい、ナメクジかヒルのごときものが、口内に入り込んでいる。男の舌だと気付いたときには、すでに手遅れだった。

「ッ、ぐッ、ぐ、ぅッ、ふ、んぐッ、ぅううッ」

「ぢゅるッ、れろッ、ぢゅるるッ、れろれろれろッ、むぢゅぅう」

 抵抗するも、男のでっぷりした身体を押しのけるには膂力が足りない。ヌルヌルと、舌は口腔粘膜を隅々まで舐め回してくる。粘膜同士が擦れ合い、おぞましい感覚をもたらしてくる。

 キス――恋人同士の行為だ。それをこんな、醜い最低の男相手に。嫌悪に表情は歪み、全身に鳥肌が浮かぶ。

「ぅッ、ふ、ぅッ、く、ぅうッ、ッ! く、ぅ」

 その間にも、指は彼女の秘部を撫で回してくる。眠っている者を優しく揺り起こしてやるかのごとき、見た目からは想像もつかない丁寧な指使いだ。触れられるほど、腹の奥がじわじわと熱くなっているのを感じている。

「むぢゅるぅッ、れろッ、ぢゅるる、んぢゅるっ」

 少女の艶めくリップが、容赦なく蹂躙される。ぢゅるぢゅると音をたて、唾液を啜りあげられる。喉を鳴らして嚥下している。他人の体液をわざわざ味わおうなど、正気を疑うし、羞恥を覚えずにはいられない。

「ングゥッ――!?」

 啜るばかりか、送り込んでもくる。生臭さを伴った粘液を、口内に流し込まれる。恐怖と気色悪さから、身をよじり逃げようとする。肩をがっしりと押え込まれた。

「ッ、く、ぅッ、ぐ、んぅうッ! ふぅ、ッ、ん、んぅうッ!」

 おぞましい行為の間も、指は止まらない。執拗なまでに、彼女の秘裂を、陰梃を嬲る。ビリビリと痺れる電気的刺激が、中枢神経を通じて脳まで伝わってくる。

「ぅッ、く、んぅう……ッ」

 本人は自覚していないが、腰が小さく前後に動いている。膝がかくかくと笑っている。全身が熱を帯びて、汗腺が開き始めていた。

「んぢゅるぅう……ぶはぁ。でへっ。いやぁ、楽園担当の閻魔さまとベロチューできるなんて、ツイてるなぁ、俺」

「ぷは……ッ、うぇッ、ぅうッ、うううッ」

「おいおい、そんな嫌がることないだろぉ~? 閻魔サマも喜んでたくせによぉ」

 喉に指を突っ込み、嘔吐反射を起こす。先ほど飲まされたおぞましい体液を、吐き出すためだ。あれが胃を経由して消化され、己の血肉となるなど、冗談ではなかった。

「ふざけないでください!」

 閻魔が感情に駆られるのは、褒められたことではない。それでも、怒りと苛立ちのまま叫ばずにはいられなかった。恋人同士の行為を、同意もなしに無理矢理やるなど、あっていいはずがない。

 そんな四季映姫の剣幕にも、男はひるみも悪びれもせず、どこ吹く風とばかりに返す。

「だってよぉ、濡れてんだぜ? えぇ?」

「ッあ!」

 なおもしつこく、三角州を指が擦り上げる。男の言葉どおり、ショーツは、しっとりと湿り気を帯びつつあった。

 四季映姫は、性の経験が極めて浅い。しかし閻魔であり、人々の一生を覗き見つづけてきたことで、すさまじいまでの耳年増となっている。だから、股穴の濡れることが何を意味するか、もちろん知っていた。

「感じてたんだろうが、えぇ?」

「それは、……そのようなことは……ッ」

「お? いいのか? 閻魔様が嘘ついて」

 勝ち誇った声色に対して、断じて違うと言い切れたならば、どれほどよかったか。閻魔とは職業であり、種族であり、生きかたであり、制約だ。問われれば、公明に答える。嘘をつけず、沈黙も許されない。

 だからこそ、言葉に詰まった。濡れたという事実をもって、男の愛撫に性感を覚えていたと気付かされてしまった。

「え? どうなんだ? 言ってみろよ」

 葛藤はあった。だが結局、悟ったままを口にするしかなかった。

「……はい。感じていました……」

「だよなぁ? へへ、ならもっと、気持ちよくしてやるからなぁ?」

「結構です! 今すぐ私を放しなさい!」

「まぁそう遠慮すんなよ。せっかくの厚意を無碍にしちゃぁ駄目だろぉ?」

 ショーツのサイドに指がかけられる。脱がすつもりだと気づき、手で押さえる。が、簡単に振り払われてしまう。

「おわぁ。思った以上だ。へへ、糸ひいてんぜ? 澄ました顔してドエロいな、えぇ?」

 布が肌から離れる瞬間、にちッ……と、小さく音が鳴る。男の言葉どおり、秘裂から滴る蜜が糸をひいていた。身体がどういう状態にあればそうなるか、知識としては知っている。まさか己がそうなるとは、思ってもみなかったが。

「へへ、これが閻魔サマのマンコか。まぁ分かっちゃいたけど、全然使ってないな? マンズリもろくにしちゃねぇなぁ、この調子だと」

「ッ……」

 露わになったYゾーンには、ほんのりと陰毛が茂っている。よく整えられているあたり、本人の性格がうかがえる。

 秘裂はぴっちり閉じた一本筋を描いている。異性の侵入を一度たりとも許したことがないと、一目瞭然だ。

 口を閉ざした二枚貝が、わずかに綻びつつあるのは、じっくりと弄ばれたからだ。今も奥から滴りつつある蜜が、彼女の身体がどういう状態にあるか示していた。

「おうおう、ずいぶん寂しそうなマンコだな? でへっ、すぐ満足させてやるからなぁ」

「やめ、待ってッ、ッ、はッ、あッ、あぁッ!」

 指が、また裂け目に触れてくる。今度は、布越しではなく直接だ。

 にちゃぁ……と、小さな音が鳴る。ただ皮膚に触っただけなら、決して聞こえないたぐいの音だった。己がはしたなくも濡らしていると、思い知らされるかのようだった。

「ぅッ、あッ、はっ、ひ! アッ、あぁッ、くぅうッ……!」

 指はそのまま、筋にそって前後に動く。膣口の形をなぞり、性感神経に刺激を与えてくる。

 行為自体は、先ほどと同じだ。布を隔てているか否かの違いしかない。それにしたって、わずか数ミリあるかないかだ。

 にもかかわらず、与えられるエクスタシーのレベルがまったく違っていた。ゾクゾクと、快感信号が全身を駆け巡る。腹の奥がきゅうきゅうと疼いているのを、自分でも感じていた。

「そぉら、大好きなクリも虐めてやろうなぁ」

「やめ、ッ――あぁああッ!」

 ビクンと、身体が跳ねる。背筋が反り、焦がれた嬌声が飛び出す。

 何か特別なことをされたわけではない。ただ、肉豆を親指でグッと押し込まれただけだ。たったそれだけで、目の裏に火花が散った。

「クリが勃起してんなぁ。なんでだ?」

「ッ、感じているからです」

 言いたくなどあるものか。が、閻魔は嘘をつけないのだ。せめてもの抵抗に、男を睨み付ける。もちろん効果などない。おおこわ、と肩をすくめるばかりだった。

「ッ、あッ、はッ、あ、あぁッ、く、ぅうッ、あ……あッ!」

 人差し指と中指が、なおもしつこく裂け目を這う。にっちゃにっちゃと、粘っこく耳裏にへばりつく音が鳴っている。脳味噌を冒し思考を蕩かす官能信号が、絶え間なく送られてくる。切ない声が、室内に反響していた。

「や~らしい音だなぁ。こんだけ濡らしてよぉ、自分でどう思うよ、えぇ?」

「はしたなくて、だらしないと思います。こんなのが私だとは、認めたくない」

「認めたくなくても、それがお前なんだよ、でへへ。認めたくなるように、もっとよくしてやるからな?」

「結構で――ッ、ひッ、あああッ!」

 四季映姫は、異性交遊どころか自慰すらほぼしていない。そのヴァギナはキツく硬く、普段なら指一本入れるのにすら難儀するだろう。

 とはいえ、あれほどたっぷり嬲られ、解されたなら話は別だ。指先に、グッと力が込められる。ぬるり……と、粘膜内部へ侵入を果たした。

「ッは、ッ、あッ、あ」

 体内から押し広げられるのは、まったく経験がない。圧迫感に、ぱくぱくと喘ぐ。対する男は、なんでもないとばかりにヘラヘラと笑っていた。

「ひッ、あ、あぁッ、! くぁッ、はぁッ、ぅううッ!」

 ヌチュヌチュと淫音を鳴らしながら、体内の形を確かめてくる。といっても第一関節から先が潜ったくらいだが、四季映姫には相当強烈に感じられた。

「やめ、ぁぁッ、あ、あぁッ、ああッ」

「やめろって? そんな声あげといてよぉ。気持ちいいんだろうが、えぇ? 答えてみろ」

「ッ、気持ちいい、気持ちいいです、でも、こんなのはッ!」

「でへへ。レイプ魔にレイプしないでって言って、許してもらえるわけがないだろぉ?」

 未開拓の土地に鋤を入れるかのごとき指使いで、肉畑を耕してくる。誰も「使った」ことのない穴だ。弄ぶのはさぞ楽しかろう。実際、男のねっとりした口調は、獲物を嬲る愉悦に満ち満ちていた。

「エロい音も鳴らしてよぉ、してほしいんじゃないのか、えぇ?」

「そんなわけが、あるものですか!」

 嘘偽りのない本心だ。強姦されて喜ぶ嗜好など、己にはない。睨み付け、唇を一文字に引き結ぶ。が、それもすぐ、嬌声によって崩れる。

「あぅ、っくは、ぅッ、ふぅ、あぁああ……ッ」

 ゆっくりと馴らしていた指の動きが、だんだんと勢いをつけてくる。ちゅぽッ、ちゅぷっと、リズミカルな水音が室内に響く。

 与えられるエクスタシーも大きくなっていく。膝が笑って、脚に力が入らない。壁に背中を預けていなければ、崩れ落ちていてもおかしくなかった。

「ぅ、ぁッ、はッ、ああ、アッ、あッ」

 己のナカが、どんどん拡張されていくのを感じている。指は奥へと入り込んでくる。異物を排除しようとしていた膣肉が、違うのでないか? と疑問を抱く。むしろ、この心地よい刺激を与えてくれるモノを、受け入れるべきなのではないかと。

「やだッ、いや――許して……」

「許してもらえるわけがないよなぁ?」

 硬く不慣れだった襞が、だんだんとこなれていく。柔らかくほぐれて、指をふわふわと抱きしめ締め付けはじめる。閻魔らしからぬ、淫ら肉に仕立て上げられていく。

「ッ、はッ、ぉッ、ひっ、あっ、……っひッ!」

 肉洞深くを探る指先が、なにかに触れた。とたん、ひどく不安な気持ちにさせられながらも、薄暗い期待を覚えてしまう。喉奥が引きつり、悲鳴が漏れた。

「お? 分かるか? へへ、これがお前のヴァージンだ」

「ッ、アッ、あ、アッ、ひ、やめッ、アァッ、ゆるして……ッ」

「あんまり動くなよ? ついうっかり破っちまうかもしれねぇからな?」

 男の言葉で、何に触れられているか悟る。無垢たる証、処女膜を弄ばれているのだ。

「ひッ、アッ、ぅ、うううッ――」

 一ミリにも満たない薄膜を、ゆっくりと、なぞりあげてくる。ゾクゾクとこみ上げてくる感覚に、はくはくと口を開閉させる。

 ほんの少し力加減を間違えただけで、純潔が奪われてしまうかもしれない。愚行であり、今すぐ止めさせるべきだ。けれども、止めさせることすら事故に繋がるかと思うと、それもできなかった。恐怖や緊張と裏返しの快感に、気が狂ってしまいそうだ。

「ッ、はッ、アッ、ッ、ぅう」

「ぉおっと、口塞ぐぐらいなら、ベロチューしようぜぇ? んぢゅるッ、ぢゅるッ、れろッ」

「んぐッ、ンッ、くぅッ、ぅ、ぅうッ」

 またしても、唇を奪われる。生暖かい舌が、ヌルヌルと気色の悪い動きで口内を探ってくる。

「ぅッ、う、ふッ、く、ぅッ、ぅううッ」

 そうしている間も、肉穴は耕されていく。人差し指と中指が互い違いに動き、ぐちゅぐちゅと狭穴を解し蕩かしてくる。

 ゾクゾクとこみ上げる感覚は、嵐の海に一人放り出されたかのような心細さを与えてくる。閻魔をして、何かにしがみついてなければとても堪えられないと感じさせる。

「ッ、く、ぅうッ、ふ、んぢゅるッ、ちゅく、んぅぅ、ッ、んぅ……!」

 気付けば、自ら舌を絡ませていた。あれほど嫌悪していたにもかかわらずだ。無我夢中で、気付いていないのだ。

 粘液同士を擦り合わせ、唇の隙間からぬちゅぬちゅと粘っこい音を響かせる。舌遣いは稚拙きわまりなかった。それでも、破瓜の恐怖を忘れさせてくれるような、蕩ける官能をもたらしてくれた。

「んちゅぅッ、ぢゅるっ、ぢゅくッ、んふぅッ、ンッ」

 唾液を啜られ、送り込まれる。先ほど、あれほど吐き出したいと思っていた体液を、今度は進んで飲み下していく。親鳥に給餌される雛鳥のようだった。

「ンッ! く、ふッ、ぅうッ、ふ、ぅうううッ……!」

 その間にも、男に指は膣内をほじくり・襞をめくり・純潔の膜を嬲ってくる。誰の侵入も許したことのない隘路に、快楽の味を教え込んでいく。

 上下から与えられる性感に、理性が腐らされていく。道徳心が薄れ、本能が前に出はじめる。この原始的快楽をもっと味わいたいと感じ、男の手に自ら腰を押しつける。ぢゅくぢゅくと、繋がった口端から唾液が滴り落ちた。

「ぶはぁ……へへへ、だぁいぶ素直になったなぁ? 厳格な閻魔サマも、一皮むけばいやらし~いメスってこったなぁ?」

 どれだけのあいだ口交していたろう。息苦しくなってきたころ、ようやく口腔粘膜が離れる。

 唇同士を、とろりとした糸が伝う。ちょうど今、彼女の股穴から滴っているのよりは、いくらか粘性が低い。

「ぅ、あ、は」

 眉尻は垂れ下がり、頬は紅潮している。額にほんのりと汗が煌めいている。瞳には恍惚の色が浮かんでおり、表情は蕩けきっていた。

「どうだったぁ? 二回目のベロチューはよぉ」

「……」

「ダンマリのままじゃ分かんねぇなぁ。知ってんだぞぉ? 閻魔が嘘もダンマリもできねぇのは」

「……変です。間違いなく嫌だし、気持ち悪いと思っているのに、こんなふうに感じさせられて、まだ足りないとすら思ってしまう」

 曝け出したくもない心中を、曝け出さされる。自らの手で、自らを辱めさせられる。男も、分かってやっているに違いなかった。

「しおらしいこと言うねぇ。でへっ。ホレ、ならもっと虐めてやろうなぁ? ココが好きなんだろ、えぇ?」

「ッ、あッ、はッ、あ、アッ!? ぅッ、あ、そこッ、アッ、あ、あぁッ!」

 膣道半ばの腹側を、指の腹でゾリゾリと擦り上げられる。今まで感じていたのとは一つレベルの違う、ソリッドな性感が後頭部を突き抜ける。

「ほぉれ、どうだ? 気持ちいいんだろうが? 言ってみろよ、え?」

「はいッ、アッ、は! きもちいッ、きもちいいです、ぅうッ」

「そうだろうなぁ? 腰がヘコついてるもんなぁ? いやらしい女だよ、お前」

 発言を誘導されている。なんの偽りもないところを述べさせられるたび、己がどういう存在か思い知らされてしまう。男がいうところの、いやらしい女なのだと。

「ま、今のとこはこんなもんか」

「あぁ……ッ」

 乙女の秘部をほじりにほじって、指はようやく引き抜かれる。ちゅぽッと、コルク栓を抜くのに似た音が狭穴から鳴る。

「ほぉれ、見ろよこのスケベ汁」

 目の前で、指を見せつけてくる。ウィンナーじみた人差し指と中指の間を、ねっとりと糸が伝っていた。

「っは、ぅ、あ」

 他人に貞操を弄ばれるなど、嫌だしとうてい認められなかったはずだ。にも関わらず、解放された途端、ヴァギナは猛烈な切なさに震えていた。

 腹の奥がじゅくじゅくと疼いては、あの気持ちよさがまたほしいと訴えてくる。よく観察すれば、膣口がひくひくと蠢いているのがわかるだろう。

 無意識のうちに、太腿をモジモジと擦り合わせてしまう。にちッ、にちッと、溢れる蜜が小さく音を立てる。はしたないと分かっていても、堪えられなかった。

「すっかり出来上がってんなぁ? どうだ? 今の気持ちは。マンコが切なくてしょうがねぇんだろ?」

 これが切ないというのなら、そうなのだろう。頷くほかになかった。また一つ、己のはしたなさを思い知らされる。

「まっ。こんだけ出来あがってんなら、もう服なんか着てる意味ねぇだろ。脱がせてやろうなぁ?」

「あっ、あっ。待って……」

「何言ってんだ。こんなひらひらのスカート穿いておいて、駄目もクソもないだろぉ」

 衣服に手をかけられ、剥ぎ取られる。ろくな抵抗もできぬまま、素っ裸にされてしまった。

 ぱっちりした瞳と、理性を湛えた瞳。きゅっと引き結ばれた唇。職場でも陰で噂される美少女っぷりは、今は性の昂ぶりで蕩けている。

 平らかな体も同様だった。染み一つない滑らかな肌は、うっすらと紅潮している。大人の女性らしいセックスアピールには欠けるが、健気さと可愛らしさを兼ね備えていた。あどけない顔立ちに、実にマッチしている。

 首は細く、肩幅は小さく柔らかだ。閻魔としての威厳ある振る舞いからは意外に思えるほどだった。

 普段かっちりした服を着ているので分かりにくいが、乳房は存外に豊かだ。体格に比して考えれば、巨乳といってもいいほどだ。いわゆる、隠れ巨乳だった。胸郭あたりには、肋骨の線がわずかに浮かんでいる。

 乳輪は控えめで、色も淡い。ろくに触れておらず、未開発であるのがよく分かる。先端はぷっくりと膨らんでおり、硬く尖っている。性的興奮を覚えているのだ。

 腹回りにくびれはない。むしろぽっこりしている。まだ腹膜の力が弱いため、内臓が低い位置にあるのだ。いわゆるイカ腹だった。セクシーではないが、つるりとしたなだらかさやクリッと窪んだ臍には、独特の愛くるしさがある。

 骨盤も広がっておらず、全体の寸胴な印象を強めている。幼さを感じさせる体躯において、しかし下腹は淫らなる姿を晒していた。

 うっすら茂る陰毛は淫ら露を帯び、ぬらぬらと輝いている。解され耕されてしまった肉穴は、花開き快楽を求めてヒクついている。とろとろと淫汁を溢れさせて、太腿に筋をつくっている。

 男の視線が全身を這う。舐め回すという表現がぴったりの目つきだった。

 気色悪く嫌なはずであるのに、じくじくと身体の疼きを感じている。もっと見てほしいと、薄暗い欲望がこみ上げてくる。乳頭もクリトリスもぴぃんと尖り、昂ぶりを示している。漏れる吐息には熱が籠もっていた。

「エロいよなぁ。ホレ、せっかくだからオナニーしてみろよ、今、ここで」

「は……!? そのようなこと、できるわけがないでしょう!」

 目の前に立っているのは、女を女とも思わぬ輩だ。常識を問うほうが間違っている。とはいえ、正気を疑う発言だった。

「しょうがねぇなぁ。なら言うこと聞きたくしてやるか」

「アッ、……ッ! はッ、あっ、やめ、あっ、あぁッ!」

 両脚の間に、手が差し込まれる。耕された裂け目に、指先を差し込み、ほじくってくる。弱いところをゾリゾリと指先で虐められれば、もう声が抑えられない。

 快楽を教え込まれた膣穴は、ほんの少し弄られただけで切なく、甘く蕩けてしまう。くっちゅくっちゅと、体内を通じて聞こえる蜜音は、己がどれだけ淫らになってしまったか物語る。

「ほぉれ、こっちも躾けてやろうなぁ?」

「やッ、あっ、はッ! んッ、く、ぅ、はぁッ、あぁッ!」

 柔らかな乳房を撫で回される。先端の尖りを、親指と人差し指で摘ままれ、クリクリとダイヤルされる。ヴァギナへの性感とはまた異なる、甘くじんじんと響くエクスタシーに、身体はカクカクと跳ねる。

「わ、わかり、分かりましたから……ッ」

 とうとう立ってもいられなくなり、その場にへなへなと崩れ落ちる。当初の彼女なら、まだ毅然と立ち向かえていただろうに。すっかり、快楽に逆らえなくなっていた。

「……っ、く、ふ、ぅ、っ、は、ぅ」

 閻魔は嘘をつかないし、己の口にしたことを守る。勢いだったとはいえ、分かりましたと言ってしまった以上、自涜するほかに道はなかった。

 おそるおそる、己の肌へ指を這わせる。敏感な裂け目の、特に敏感な豆へ、人差し指で触れる。

「ンッ、は、ひッ!」

 ゾクッと、脊椎を通じて快楽信号が叩きつけられる。浮遊感を伴うエクスタシーに、喉の奥から引きつった嬌声が漏れる。

「ふッ、ぅ、はッ、ひっ、うっ、あぁ!」

 とんとんとんと、リズムをつけて陰梃を刺激する。ゾクゾクとこみ上げてくる性感に、はしたない声を堪えられない。

「ふーん。普段はそうやってんのか?」

「ッ、は、いっ」

「どれくらいだ?」

「どれくらいと、言われても。ほんとうに、滅多にしないので」

 そうだろうなぁと、男は溜息交じりに呟く。自分のやりかたは何か間違っているのだろうかと、不安に思わされる。

「まぁ、不慣れなのは予想もついてたからなぁ。続けろよ? 今日ここで、オナニー上手になって帰ろうなぁ?」

「あぁああッ……」

 そんな技術は必要ない。客観的事実のはずなのに、口にできなかった。そうなりたい、必要な技術だと訴える自分がいたからだ。

「ひッ、はッ、あぅ、ぅうう~ッ」

 人差し指の先端で、カリカリカリと肉豆を引っ掻く。神経の集中した性感帯を、自らの指で執拗に嬲る。堪えがたいエクスタシーが、全身を駆け抜けていく。

 男の視線が、容赦なく浴びせられている。粘っこく、不躾で、ヘドロをぶちまけられているかのようだ。だというのに、見せたい、見てほしいと感じる己がいた。

 秘裂を――怖くて自分では触れてこなかった裂け目を、指先で擦りあげる。ぬちっ、ぬちっと、蜜が摩擦されて卑猥音をあげる。

 不慣れな、しかし甘美なる性感がゾクゾクとこみ上げてくる。もっと味わいたいと思わずにはいられない。はしたないし、なによりいっときの欲望に溺れるなど閻魔として言語道断だと分かっているのに。

「あ――あぁッ!」

 指先に、グッと力を込める。耕されほぐされきった肉穴は、彼女の細い指程度なら簡単に受け入れる。

 生暖かくうねる感触が、指先に伝わってくる。うごうごと蠕動して、奥へ奥へと誘い込んでくる。色事に疎い四季映姫ですら、いやらしいと感じるうねりだった。己の肉体の一部だと思うと、愕然とさせられる。

「はぁッ、あぅんっ、あはぁあんっ」

 だが、とうてい我慢などできなかった。白魚のごとき指を踊らせ、己の体内をこね回す。男によって気付かされた、自らの弱いところを責め立てる。くちょッ、ぐちゅっと猥褻な音が響き、蜜が膣口からしぶく。ぞりぞりと襞をこね回せば、痺れる官能に腰がカクついた。

 それでも、足りない。己の指では、真に気持ちよくなれないでいる。やはり他人の指で、目の前の男の指で弄られなくては。そこまで考えて、己の思考がとんでもない方向へ進んでいたと思い至る。

 男はこちらの痴態を眺めながら、嘲りの色を浮かばせている。何を考えているかなど、全てお見通しだぞと言わんばかりだった。

「でへっ。まぁ指使いのヘタクソさは置いとくとしても、ずいぶんと熱心だなぁ?」

「アッ、ぅっ、ああッ」

「恥ずかしがるなよ、ずっとシたかったんだろぉ? 知ってんだぜ、お前があの鏡で、俺の昔のオンナどものことを見てたとき、何を思ってたか」

「何を……?」

 ガマガエルよりも醜い顔を、男はニタニタと歪めている。四季映姫には、彼の意図するところが分からなかった。

 職務に従って、この強姦魔が働いた悪事のシーンを浄玻璃の鏡でもって一つ一つ見てきた。義憤に駆られ、怒りを覚えては自制する、しんどい時間だった。

 結果、気疲れして、休憩室に忍び込んでくる男に気付かなかったのは己の油断だ。とはいえ、そんなつまらない失態を指摘しているわけではなさそうだ。

「なんだぁ? 分かってねぇのか? なら教えてやるよ。お前はな、アレを見て、羨ましいと思ってたんだよ」

「は……? そのようなことは、断じて」

「ならよう、なんであんな風に腰モジつかせて、膝擦り合わせてたんだよ。ありゃぁお前、スケベを我慢してるオンナの仕草だぜ。腹の奥からイライラがこみ上げてきたって感じじゃないか? そりゃ、子宮が発情してしょうがねぇときの感覚だよ。俺にマンコ弄られて、似たような感じになってたろうがよ?」

「――」

 絶句する。男の主張を否定しようとしたが、実際には完全に正しかったからだ。

 確かに腹の奥から、苛立ちに似たものがこみ上げていた。抑えろと己に言い聞かせたし、それでも据わりがわるくて膝を擦り合わせたり、何度も姿勢を正したりしてみた。膣を弄ばれたときに覚えた、腹の奥の疼きとそっくりだったのも間違いない。

 ならば、自分は。

「言ってみろよ。俺のレイプシーン、あんなに熱心に見て、お前はどう思ったのか」

 ああ、言わされてしまう。自らの心に、閻魔にあるまじき嘘をついてまで塗り固めてきた、とうてい認めがたい真実を。

「わ……私は。貴方が女性にひどいことをしている光景を見て。……興奮、しました。どうしてあれらの女性が、私ではないのかと。あんな風に蕩けてよがらされ、強姦も和姦と主張してしまうほどの快楽をその身に刻まれるのは、どれほどのものか羨みました。かなうなら私もああなりたい、同じようにしてほしいと願いつつ、裁判長と被告の関係ではかなわないと惜しんでいました」

「はぁ~……。そりゃ、ずいぶんとまぁ酷い裁判長もいたもんだな? 他人のレイプシーン見て発情してたわけだ」

「はい。そうです。閻魔失格であり、言語道断です。けれど、浄玻璃の鏡を通じて、男根が膣を貫くさまを何度も見て。己もああして串刺しにしてほしいという願いを、抑えられなくなっていたのです」

「そうかそうか。最低最悪だわお前。罰せられるべきだなァ?」

 隠し通すべき事実を、全て口にしてしまった。もう終わりだと、ほとんど自暴自棄だ。そんな彼女に、男はさらなる言葉を投げかける。

「これから俺が特別に、お前に罰をくれてやるよ。罰なんだから、全部受け入れるんだぞ?」

 へたり込む彼女の目の前で、おもむろに下服をおろす。もっこりと膨らんでいたテントの、その内側が曝け出される。ギンギンといきり立つペニスは布に引っかかり、姿を現わす瞬間にはバネ仕掛けのごとくブルンッ! と跳ね上がった。

 目と鼻の先に、イチモツがある。何十人もの女性を食い物にし、貞操を踏み躙ってきた、最低最悪の陰茎が。眼球からほんの二、三〇センチほどの距離で、己の存在を主張している。

「嗚呼……ッ」

「へへ、どうだぁ? 感想を述べよ! ってなぁ?」

 先ほどまでなら、言えるわけがないなどと抗議していただろう。だが、これは罰なのだ。レイプ被害者の姿で興奮するどうしようもなさを戒めてくださっているのだ。であれば、全ては当然のこととして受け入れなくてはならない。

「浄玻璃の鏡で見ていたのとは、全然違います。その、想像以上という意味で。男性的で、逞しくて、殿方の力強さをぎゅっと形にしたかのようです。亀頭も私の握りこぶしくらいあるし、幹のところなんて、この反り返った形、なんておそろしいの……。はしたないと分かっているのに、視線が外せません。それにこの、ニオイ。臭いはずなのに、なぜかもっと嗅ぎたくなるなんて……」

 熱に浮かされた末の、譫言のごとき口調だった。たどたどしさは、凜然と判決文を読み上げる普段の姿からは想像もつかない。まごうことなき本心からの言葉でもあった。一目見ただけで、オンナとして服従してしまうほどのイチモツが、目の前にあったのだ。

 そうした思いを、一言でまとめるなら、こうだ。

「こんなの。見せられたらもう、我慢ができません」

 全長にして10インチ近く。力強く張り出した肉傘に、千尋の谷のごとく深いカリ首。ビキビキと威圧的に充血して威容を示す海綿体のフォルムは、中東の曲刀を思わせる。根元の玉袋はずっしりと膨らんでいて、中身を溜め込んでいるのだと感じさせる。

 まさに、大業物中の大業物だ。生物学上のメスとして、これほど優秀そうなオスを前にしたら、傅かずにはいられなかった。

「でへ。嬉しいこと言ってくれるじゃねぇかぁ?」

「あぁんッ……」

 柔らかな頬を、亀頭でペチペチと叩かれる。男性器の熱が、皮膚を通じて伝わってくる。魂を絡め取られてしまうかのようだ。

 他人のシモを押しつけられている。なのに、嫌な気がしなかった。むしろ、もっとしてほしいとすら感じてしまう。目を閉じて、恍惚とともに、蛋白質系の臭気を愉しむ。鼻孔がひくついていた。

「チンポが好きで好きでしょうがないってツラだぜ、今のお前」

「好きかどうかは、まだ分かりません。けれど、本物を目の当たりにして、とても惹きつけられています」

「それを好きって呼ぶんだよ。ほれ、言ってみろ、私はチンポが大好きですってよ」

「私は、ち……チンポが、大好きです」

 命令だ、とでも言わんばかりに、亀頭を頬に擦りつけてくる。無数の凌辱映像の女性たちと、似たような台詞を口にさせられる。自分では恥ずかしくて、とても口にできなかった。ありがたくて涙が出そうだった。

「そうだろうなぁ? そんなチンポ大好き閻魔様に、おしゃぶりも初体験させてやるよ」

「おしゃぶり……」

 浄玻璃の鏡に映った女性たちが、涙を流してえずきながら、この醜男のモノをしゃぶらされるのを見てきた。なんてひどいと憤りながら、唇を噛みしめ義憤に燃えていた。

 あれも、思い返せば嫉妬だ。唇の疼きを堪えるのは、本当に大変だったのだ。

「お作法は、覚えてるよなぁ? あんだけ熱心に、他人様のレイプシーン眺めてたんだからよ」

「はい」

 万一にも誤審を下してはならない、徹底的に検証しなくてはと己に言い訳しながら、何度も何度も繰り返し眺めた。だから、やりかたは知っている。猛々しき肉魔羅に、そっと手を添える。火傷しそうな熱が指に伝わり、思わず息を飲む。実際に体験してみなくては、分からなかったことだ。

「は……んちゅッ……」

 ギンギンと己を主張するモノに、優しく口づける。むちゅッと、柔らかな唇がキッスノイズをたてた。

 考えてみれば、自分は強姦魔にファースト・キッスを奪われ、そして今ファースト・フェラチオを捧げようとしている。彼の被害者にも、それほどの者はほとんどいなかった。己がどれほど異常な境遇にあるかを自覚し、股座を熱く疼かせる。

「んちゅッ、んちゅ、ちゅむっ、ちゅっちゅ、んふぅ……」

 興奮のまま、気付けば何度も唇を奉じていた。ちゅっちゅっと、唇が独特の音をたてる。とても、脅され犯されているとは思えぬ熱烈さだった。和姦だと言われても仕方のない有様だ。

「オイオイ、念入りな挨拶はご立派なことだけどよぉ、それだけじゃ駄目だろぉ?」

「はい、――えぁあ」

 道を歩けば十人中十人が振り返る美少女による、ペニスへの情熱的ベーゼ。素晴らしい行為を受けてなお、男は傲慢にも、満足していなかった。

 躾がなってねぇな、とばかりに、頬をペチペチと竿で叩かれる。意図するところを汲み取り、大口を開ける。

 閻魔としての厳格さゆえ、彼女は行儀作法にもうるさい。こんなに口を開く無作法は、普段なら決して働かない。とはいえ、今だけは仕方なかった。こうでもしなければ、彼の巨根はとても咥えられないのだから。

「あむぅッ……んふぅうう――ッ」

 ぱくりと、口腔に迎え入れる。他人の性器を、粘膜で包み込む。

 途端、おぞましいまでの雄臭が口内いっぱいに広がる。蛋白質を基調とした、生臭いニオイと味が。

 快いとは決していえないが、メスとしての本性をときめかせ、彼女を魅了する。女を一瞬で虜にし、もっと味わいたいと思わせる、魔性の香りだった。

「どうだぁ? 美味いか? 俺のチンポは」

 勝ち誇った声が上から降ってくる。美味かを客観的に評価するなら、絶対に否だ。排泄器なのだから、当たり前だ。

 けれども、彼女の主観はそう思っていない。この心惹かれる感覚は、間違いなく美味にあたると主張していた。

 閻魔が嘘をつくわけにはいかない。こくりと頷けば、そうかそうかと満足げに頷いた。

「ならもっと味わっていいぞ。ホレ、とびきりスケベに吸い付けよ」

「んむぅ……ッ、ぢゅるッ、ぢゅぷ。ぢゅぽッ、くぷ、んふぅ」

 命じられるがままに、口淫奉仕を始める。モノにしゃぶりついたまま、ゆっくりと頭を前後させていく。被害者の女たちがしていたように。

「んぢゅるッ、れろッ、ぐぷ、ぐぽッ、んふぅぅ、んぅうん」

 頬はひょっとこのごとく窄められている。とても他人には見せられない、無様な表情だ。そうした顔こそが、レイプシーンにおいては男を興奮させるのだと、彼女は学んでいた。だからこそ、積極的に下品顔を晒す。

「ぐぽっ、んぢゅ、ちゅむッ、くぽッ、んふぅッ、んぢゅぅん」

 くぽっ、くぷっと、口端から音が響く。熱烈なフェラチオサウンドが、室内に響いている。とても、命じられて嫌々やっているとは思えない。本当に強姦か? と疑いたくなってしまうほどだ。

 熱心であるべきだと、彼女は考えている。これは己の嘘に対する、罰なのだから。そうした大義名分をもって、とびきり淫らに振る舞う。

「ぬるっ、れろッ、んぢゅる、レロレロレロレろぉ……」

 たとえば口内では、舌が踊り回っていた。カリ首や裏筋のあたりを、ヌルヌルと舐め回して唾液まみれにしていく。ただ命令されたことをするだけではなく、自主的に男を愉しませていく。

 言うまでもなく、四季映姫にとっては初めてのフェラチオだ。にも関わらず、舌遣いも唇遣いもかなり巧みだった。娼婦として働いていると言われても、信じてしまえそうなほどに。

「予習」の成果だった。何十人もの被害者たちが、教材になってくれていた。無数のレイプシーンをもって、彼の好みを学んでいたのだ。

 犯されてくれてありがとう、おかげでこのおチンポを悦ばせられます――被害者たちに、あまりにも不謹慎な感謝を抱く。そうして、あまりにも心のない発想だったと、己をさらに「罰する」。積極的に、猥褻行為へと己を駆り立てていく。

 もじもじと擦り合わされ閉じられていた膝が、ゆっくりと開かれる。小さな手が、またしても秘部を弄び始める。

「ンッ、ふ、んぅ――んくッ、んぅんっ、んっんっ」

 指は躊躇いもせず、体内へと入り込む。くちゅくちゅと猥褻音を上げながら、粘膜を自ら耕していく。

「んふぅッ、ぢゅる、ぢゅぷ……ンッ! く、ふっ、んっんっ、くぅうん」

 命じられたわけでもないのに、己を嬲るのをやめられなかった。疼きがわずかにでも癒えていくのを感じながら、甘い雌の声を喉奥から漏らす。はしたない姿を晒すことが、嬉しくてたまらない。

「れろッ、ぢゅぷ、ぢゅる、んちゅぅ……ぢゅぷ、ぢゅく、んふぅん」

 快楽にふけりながらも、フェラチオを投げ出しはしなかった。むしろ、より熱心になってすらいる。ぢゅぽ、ぐぽっと響く猥褻サウンドは、部屋の外にまで届きそうなほどだ。

 性感を求める浅ましい本能に、突き動かされていた。事前知識なしで今の彼女を見て、閻魔だと思う者はそう居るまい。

「そぉら、そろそろ出すぞ? ザーメンの味ってのが気になるだろぉ? 飲ませてやるよ。でへっ」

 そのとおりだった。浄玻璃の鏡で強姦映像を見続けて、なによりもどかしく感じたのは、その快楽や味を体験できない点だ。ろくな性経験のない四季映姫には、想像すらできない。だから、今から本物を味わわせていただけるのが、嬉しくて仕方ない。

 口内で、剛直が膨れ上がっている。熱量が増しているのを、はっきりと感じる。宣言通り、射精が近いのだろう。

 四季映姫には、自ら考えて行動できるだけの知性がある。己がすべきことは、彼に少しでも気持ちよくお射精いただくことだと判断していた。

 口内で、ヌルついた舌が踊り狂う。瑞々しい唇はぢゅるぢゅると肉竿に吸いつき、男根奉仕のための道具として捧げられる。いまどき娼婦でもしない、情熱的きわまる口淫奉仕だった。何十人と女を食い散らかした強姦魔といえど、流石に限界を迎える。

「出すぞ出すぞぉ、おっ、おおッ、ぉおおッ!」

「んぶっ、んくぅうっ……!」

 腰が突き出される。同時に、ぱんぱんに膨れたペニスが弾けた。どっ、どっと脈動しながら、内部に溜め込んだ白濁を吐き出していく。

 目を白黒させて、欲望汁を受け止める。口内のあらゆるところに、餅のごとく張り付いてくる。ギトギトとして脂っこく、舌を麻痺させるえぐみがある。放たれる蛋白臭は、むせてしまいそうなほどだ。

 最低最悪の味で、臭いだ。なのに、胸がときめき、高鳴る。腹の奥がきゅんきゅん疼いて、もっと欲しいと訴えてくる。いっぱい出してほしいとばかりに、舌先で裏筋からカリ首にかけて舐め回しまくる。射精の真っ最中にある男根をちゅうちゅうと吸い上げ、一滴でも多く搾りとっていく。

「んふぅうううっ……」

 肉棒の脈動が収まっていく。鼻から深く息を吸い、吐く。胸いっぱいに流れ込む空気は、激烈な精臭を纏っている。

 煙草は肺で味わうんですよと、むかし部下に教えてもらった。むせて煙いだけだし、何が楽しいのかと思っていた。多分こういうことなのだと、今になって理解できた。

「おっ、おっ、おお~……ッ……。でへっ。いやぁ、出した出した。ホレ、見してみ」

「んぽっ……ぇあ」

 半萎えになった男根が、口腔から引き抜かれる。唇は、ペニスから一瞬だって離れたくないと吸いついていた。ぢゅぽっ! と、栓の抜ける音が響く。

 そのあとどうすべきか、四季映姫はもちろん予習していた。被害者の女たちと同様に、顔を上向けて、口を大きく開く。ねっとりしたスペルマが、少女の口内で白濁プールをつくっていた。

「飲め」

 逆らうわけもない。口を閉じ、他人のシモから出た――出していただいた汁を、喉を鳴らして嚥下する。いつまでもしつこく喉に絡みつく、最低最悪の味だ。なのに、官能を刺激される。股穴を弄る指が止まらなかった。

「んはぁ……」

 たっぷり一分ほどもかけて、飲み干す。再び、彼に口を見せつけた。精虫一匹だって、もはや口内には存在していない。茶碗に盛られた飯は、お米一粒までいただくべきなのと同じだった。

「いやはや、閻魔のくせにフェラチオ大好きで、ゴックンまでするとかなぁ? しかもお前、フェラの最中、何してたよ」

「その……オナニーを、していました。申し訳ありません」

「なんでだ?」

「おチンポをしゃぶって、興奮したからです」

「でへっ。とんだ変態だなぁ? ホレ、そのぶんの罰をくれてやるから、四つん這いになれ」

「あはっ……! はいっ」

 男の命令は、まったくもって理不尽だ。が、返答の声は弾んでいた。

「そのぶんの罰」が何であるかは、だいたい想像がついている。まさに今しがた射精したばかりだというのに、ギンギンといきり勃つ魔羅を見れば、アホでも推察できる。

 純潔を、奪っていただける。あの映像で食い散らかされた、無数の女たちの末席に加えていただける。どうして、拒もうとなど思うだろうか?

 命じられるまま、男の前で四つん這いになる。いそいそと、望んで雌犬の姿勢をとる。肉付きは薄くもぷりっとした可愛らしいヒップを、男へと向ける。

 曝け出された雌穴は、今もとろとろと粘っこい涎を垂らしていた。わずかに白く濁った、本気の発情汁だ。粘膜はしきりにヒクついて、どれほど助平な状態にあるか、端的に示している。

「おぉ~。こりゃマンコしたくてたまらねぇって感じだな」

「はい、性交したいです。今すぐにでも、貴方のモノで貫いてほしいです。今まで貴方が色んな女性にしていたように、畜生以下のひどいセックスで、おチンポがどれだけ気持ちいいか、私のおマンコに教えてほしいです……嗚呼……っ」

 いったい何を口にしているのだ、自分は。してほしいんじゃないかと言われて、そんなわけないと一度は答えたのに。しかもそれが、なんら偽るところのない心情なのだから、本当にどうしようもない。恍惚に、溜息すら漏れる。

「今のは独り言だったんだけどな。まあいいや。味見させてくれや」

「味見? っ、あっ、あはぁっ!」

 秘部を、得体の知れないものが這う。指ではない。もっと怪しい、蛭のような感触だ。

「ぢゅるっ、れろっ、レロレロレロッ」

 男の舌が、恥部を探っていた。綻んだ花弁をヌルヌルと舐め回している。ぢゅるりと音を立て、蜜を――スケベ汁を啜られる羞恥が、快楽とともに襲い掛かってくる。どうにかなってしまいそうだ。

「アッ、あ、おねがい、お願いします、はやくぅっ……!」

 己は一体、何を言っているのか。けれども、本心を偽り隠すことこそ、閻魔にとっては罪だ。だから、仕方ない――己に言い訳しながら、どんどんはしたない行動に出る。

「ぶはぁ……。なんだぁ、根性のねぇ女だな? まぁいいぜ。お望み通り、お前も俺のコレクションにしてやるよ。でへへへっ! 閻魔なんてレアもん、マンコできるなんてなぁ?」

「あぁあっ……!」

 やはりこの男は、女を性処理用の道具くらいにしか思っていない。そんな最悪の輩に、今から強姦されて、純潔を喪うのだ。なんて素晴らしいんだろう。考えるだけで、感じてしまうほどだった。

「ホレ、お望みのチンポだぞ? 今からコイツが入るんだ、チンポに挨拶しとけ」

「アハッ、アッ、あっ、こんにちは、よろしくおねがいします、アッ、あぁっ」

 剥き出しの裂け目に、被せ物なしの生ペニスが押し当てられる。つい数分前射精したばかりなのに、むしろ熱量を増している。火傷してしまいそうなほどだった。

 つんつんと、入口をつつかれている。切なさに、腰がくねる。みっともなく尻をぷりぷり振る姿に、楽園の最高裁判長としての威厳など欠片もなかった。ただの好色な雌犬だ。

「そぉら、入ってくぞ、入ってくぞぉ……」

「アッ、アッ、はぁあっ」

 はくはくと、息を飲む。腰がゆっくりと押し出され、亀頭が狭穴を割り広げていく。

 いくら解されてきたといっても、体格が体格だ。十インチほどもある大業物の鞘となるには、ヴァギナはあまりに狭かった。めりめりと、肉が押し広げられていくのを感じる。猛烈な圧迫感と悦びに、今にも気をやってしまいそうだ。

「そらっ!」

「アッ……はっ、あぁああああッ!」

 腰が前方に突き出される。快楽粘膜に肉竿が突き立てられ、ぼぢゅッと特徴的な音を響かせる。

 体内では、雄槍によって膣襞が捲られ、メリメリと押し広げられていく。その刺突を阻むのに、純潔の薄膜ではまったく足りていなかった。ぶぢりと嫌な音を立てて、あっさりと破られる。彼女の無垢さは、永遠に喪われた。

 鋭い痛みと、身体を真っ二つに裂かれるかのごときショック。そして何より、初めてのペニスによって与えられる、視界が白熱するほどのエクスタシー。それら全てに襲い掛かられ、意識がぐわんぐわんと揺さぶられる。

「はぁあぁん……ッ」

 ぽろりと、涙がこぼれた。悲しいからではない。羨ましくてしょうがなかった立場に堕ち、ほしくて仕方なかったモノが手に入ったことへの、感動の涙だった。

「おほっ、こりゃとんでもねぇ名器だ、コイツいいわァ~」

「あんっ、あっ! あっ! はぁ、ひんっ、あぁ、いい、あっ、あぁああっ!」

 もっとも、そういった感動や衝撃など、男にとっては至極どうでもいいことだ。四季映姫にとって彼は初めての相手だが、彼にとって、四季映姫は何十もの「タレ」の一人でしかない。せいぜい、特に具合が良くて気に入った、ぐらいなものだ。

 発情しきった雌穴へ欲望を吐き出すべく、腰を振りたくってくる。パンッ! パンッ! と、薄い尻肉と分厚い腹肉がぶつかり、軽快な音をたてる。反り返る雄棒が肉沼をほじくり、ぢゅぐっ、ぬぢゅっとえげつない音をたてる。結合部から、蜜がしぶいている。破瓜血混じりの、薄赤い蜜だ。

「あはぁあっ、ああぁっ、ひっ、はっ、あぁああ……ッ!」

 ゴリッ、ゴリッと、体内から音が聞こえている。赤子の拳ほどもある亀頭が、肉襞を抉り捲って蹂躙しているのだ。

「はひぃっ、あぅっ、あはぁっ、はひっ、あぁあッ」

 ガクガクと、全身を震わせる。灼けた鉄の棒を突っ込まれているかのようだった。にもかかわらず、覚えるのは強烈なエクスタシーだ。涎すら垂らしながら、よがり狂う。

「おい、自分ばっかよがってんじゃねぇぞ!」

「あぁあんっ!」

 ピストンサウンドとはまた異なる破裂音が、室内に響いた。鋭い平手が、ヒップに打ち込まれたのだ。座り仕事でぷりぷりとした尻肉に、掌の痕が残るほどの一撃だった。

「あんっ、あぁっ、あはっ、ひんっ、あぅっ、ああッ!」

 ぱぁんっ、ぱぁんっと、ストロークに併せてなんどもスパンキングしてくる。痛みとない交ぜになった快感で、目を白黒させる。じんじんと、ヒップがヒリつく。尻肉が燃え上がっているかのようだった。

「あぁっ、あはぁっ、アッ、あぁっ、あぁっ」

 これは、端的にいって暴力だ。女を犯すだけで飽き足らず、どうしてこうまで酷いことができるのか。己の心すら偽る、どうしようもなくいやらしい己へ、罰を与えてくださるだなんて。嬉しくて仕方がなかった。あがるのは、至福を示す嬌声だ。

「はぁっ、あぁ、いい、セックスきもちいい、おチンポきもちいい、っ、いいのぉっ!」

 もちろん、してもらってばかりではいられない。浄玻璃の鏡で見た女たちに、そんなマグロは一人としていなかった。ペニスの王といってもいい業物に、心からの忠誠を誓い、傅いていた。

 ならば、自分もそうすべきだ。くねっくねっと、腰を振りたくる。男が少しでも気持ちよくなれるよう、自らのヴァギナでもって男根を扱きあげていく。

 はっきりいって、拙い腰使いだ。彼女は初心者だ。どれほど予習していたとしても、見るとやるでは全く異なる。まして、破瓜交尾の快感に酔いしれている最中に、精密な所作などとれるわけもなかった。

 一方で、情熱的だった。繰り出されるグラインドからは、どれほど交尾を望んでいるかを示している。

「よっと」

「あぁんっ……」

 それほどセックスを希求している相手に対し、男は実につれない態度をとる。腰を引き、彼女をオンナにした一物を、あっさりと引き抜いてしまったのだ。ヂュポンッ! 鳴った音は、膣穴が快楽を求めてぢゅうぢゅうと吸い付いていたことを示している。

「あっ、は。おねがいします、もっとぉ……っ」

 肉穴が、じんじんと、切なく疼く。つい先ほど破瓜したばかりだというのに、今や埋められていない状態のほうが不自然なくらいだった。

 どうぞココをほじくってくださいませ、ココは貴方のための穴ですとばかりに、淫裂を指先で割り広げる。破瓜血混じりの淫蜜を滴らせながら、尻をぷりぷりと左右に振る。

 淫らで、はしたなく、だらしのない姿だった。男たるもの、これを見て手を出さずにいるのは不能の証といっていいほどの据え膳だ。

 が、男は手を出してこない。よっこらせと、部屋の隅にあったソファへ座り込む。ギシッと、スプリングが音をたてた。

「セックスしてほしい側が、相手に腰を振らせるってのも変な話だよなぁ? おめぇが自分で入れて、腰振るべきだと思わねぇか?」

「……あはっ、はい、そのとおりです。そう思います」

 他人様をレイプしておいて、むちゃくちゃな物言いだ。けれども、頷く。なぜって、彼は自分をレイプしてくれて、気持ちよくしてくれる人だ。セックスについて教えてくれる、快楽行為の先生だ。その言葉は、常に正しいに決まっている。

「んっ、失礼します……っ」

 ソファでふんぞり返る男に、自ら跨がる。対面座位の姿勢だ。もっとも、四季映姫はその名を知らないが。顔が近いからよがる顔を見られてしまうな、と羞恥を感じていた。

 指先で肉棒をそっとつまむ。ヌルついているのは、はしたない雌汁にまみれているからだ。己のいやらしさを見せつけられているようで、たまらなかった。

「あ、っ、は、あぁん、あ」

 腰の位置を調整して、入口に亀頭を押し当てる。キュンッ、と粘膜が収縮するのを感じる。恋する少女のときめきに震えていた。

「アッ、あ、は、あぁあ~っ……は、あぁあああッ……」

 腰を下ろしていく。

 芯まで凍える寒い日に肩まで熱い湯に浸かったときのような、安堵の声が喉から溢れる。

「あぁあんっ……は、アッ、あんっ! アッ、はぁッ、あぁッ」

 やがて、みっちりと体内が埋められる。埋められるべき場所が埋められた感覚に、恍惚の溜息が漏れた。

 もちろん、蕩けてばかりもいられない。腰を振りたくり、ペニスに尽くしていく。己の肉壺を、純潔を無残にも奪われたヴァギナを、男根奉仕の道具にする。

 細い腰が、前後・上下・左右へ自由自在に踊る。淫裂は最愛のモノともう離れたくないとばかりに、肉竿へ絡みつき搾り上げる。膣口からぢゅくッぢゅぽっと音が響いては、蜜をしぶかせていた。

「おう、いいじゃねぇか? ホレ、ご褒美に、お前の一番弱いとこってのを、教えてやるよッと!」

「え――アッ、はぁあんッ!」

 弱いところ。それなら、先ほど指でほじられたときに教えられている。膣道半ばの、腹がわのザラついたところだ。

 ――と、思っていた。いや、必ずしも間違いではない。だが正確でもなかった。一番は、もっと別にあった。

 コッ、と体内から音が聞こえた。亀頭の先端が、肉穴の最奥を小突いたのだ。子を孕み育む聖域への入口、子宮口を。

 乳首、クリトリス、Gスポット。いわゆる性感帯は、女体に星の数ほど存在する。ポルチオこそ、その頂点に立つ部位だ。雄のシンボルたる男根の、そのまた王のごとき一物で突かれたとなれば、もはや意識すらトぶほどの快楽が押し寄せてくる。

「あぁッ、ぉッ、お、ひっ、あっ、ぉん! はっ、ぉん、んぅうッ、アッ、ァっ、あぁあんっ!」

 知性も理性もかなぐり捨てて、ただただだらしない声で喘ぐ。コッコッコッと体奥を穿たれるたび、芯から響く肉の悦びに酔いしれるばかりだった。

「あぁんッ、おねがい、お願いします、キスして、させてくださいっ、あぅ、ッ、あぁッ」

 訳も分からないままに、叫ぶ。これほどの快楽を教えてくださった目の前の男が、愛しくてたまらなくなっていた。

 彼を強姦魔のままにしてはおけない。ならばこの行為を、和姦としなくてはならない。だから、接吻するのだ。それは恋人同士の行為であり、するならば恋人同士だ。恋人同士がセックスをしたなら、れはもう、和姦と言って差し支えなかろう。「いいぞぉ? ほぉれ、んぢゅッ、ぢゅるッ、ぢゅるるぅ」

「んちゅッ、んふぅ、んちゅむっ、んぅッ、んくぅん……!」

 下半身で繋がりながら、上半身でも繋がり合う。舌と舌がヌルヌルと絡み合い、情熱的なベーゼ音をあげる。体液を互いに交換し、唾液を嚥下していく。

 そうして気付いたが、先ほど自分はペニスをしゃぶり、精液を飲み干した。彼からすれば、己のモノを突っ込んだ口だ。接吻するのは、まあまあ勇気の要ることだったのではないか。

 なのに気にも留めず、こちらの求めに応じてくれた。ますます好きになるし、欲望を受け止めるべく腰をくねらせていく。男のピストンも、輪を掛けて激しくなっていく。

「ぢゅるぅッ、れろッ、んぢゅる、ふッ、んぅ! くふ、ッ! んくぅッ、んぅうう……ッ!」

 ぱんぱんぱんぱんと、下から突き上げられている。柔らかな乳肉がぷるぷると弾むほどのストロークだ。ゴッゴッと肉棒で蹂躙されるたびに、オンナとして最上級の悦びが全身を駆け巡る。彼のための「コキ穴」に成り果てていくのを、はっきりと感じている。

 そんな彼女だから、ペニスの変化をはっきりと感じられた。次第に熱量を増し、膨れ上がり、今にもはち切れんばかりになっている。

「ぶはぁッ、でへへっ、ほぉれ、分かるか? 分かるよなぁ? お前なら」

「んはっ。はいッ、あはッ、あ、お射精、お射精するんですよね、あっ、あんっ、あぁあ……ッ!」

 何の兆候であるかは、先ほどのフェラチオで学んでいた。男が口を離し、問うてくる。察したままを答えながら、男に抱きついていた。そうでもなくては、意識ごとどこかに吹き飛ばされてしまいそうだった。

「中出ししてほしいか? してやってもいいぞ? その代わり、中出しされたらお前はもう一生、俺のマンコ奴隷だ」

「アッ、あ、そんな、奴隷、だなんてっ」

「悪い話じゃぁないぞ? いやらし~いお前のための立場だ。毎日毎日気持ちいいことしてやるぞ? どうだ?」

「そんな、そんなの、ぉッ」

 そんな素敵なこと、どうして断れようか。まして、受け入れなければ中出ししてもらえないとなれば、なおさらだ。

「はい、なりますッ、私四季映姫・ヤマザナドゥは、貴方のおまんこ奴隷として、おチンポ様に奉仕することを誓いますッ。やらしい穴で貴方様のことをいっぱい気持ちよくして、毎日ずぽずぽおまんこしていただきますッ。ですからどうか、どうか従順な奴隷の四季映姫に、いっぱい中出ししてくださいぃッ、――あはぁあッ……!」

 仮に一時の迷いであろうと、閻魔による誓いだ。絶対に破られることはない。彼女は、自らを奴隷として貶めたのだ。

 もっとも、破るつもりもなかった。こんなに気持ちいいことをしていただける素晴らしい立場なのだ。一体どうして、裏切る必要があろうか?

「でへっ。よく言ったじゃねぇか。ホレ、奴隷就任祝いだ、出すぞ出すぞ、ぉッ、おッ、ぉおおおおッ――!」

「あぁあんっ、きて、だして、中出しでイかせてくださいぃッ、あ、ッ、はッ、あぁっ、ぉッ、あぁあああッ!」

 腰を掴まれ、ぐいと引き下ろされる。反対に、肉棒は突き上げられる。二つの相反するベクトルが、彼女の最奥でぶつかり合う。どちゅんっ! と、ひときわえげつない音が響いた。

 同時に、男根が弾ける。睾丸が収縮し、尿道へスペルマを送り込む。脈動する肉竿が、それを鈴口より放出する。二度目の射精にもかかわらず、濃厚を極めた白濁が、勢いよく注ぎ込まれていく。

 精液はただ一様に半透明な汁に見えるが、実際には無数の精子からなる。それら一匹一匹が、四季映姫・ヤマザナドゥを受精させこの世に誕生するべく、鞭毛を蠢かして卵子へと殺到する。

 その運動から生まれる熱は、さながらマグマを腹の奥に流し込まれているかのように感じるほどだった。にもかかわらず、苦しいと感じることは一切ない。むしろ、今までこのために生きてきたのだと悟らずにはいられないほどの官能をもたらしてくれた。

 となれば、アクメに至って当然だ。引き絞られた喉から、今日一番の嬌声が上がる。視界は白熱し、バチバチと火花があがる。

 ガクガクと全身を痙攣させ、背筋を弓なりに反らす。結合部から熱い雌潮がぶしぃっと噴き、どれほど気持ちよいかを歌いあげた。

「あはッ、あぅッ、あはッ、はひッ、あはぁああッ――」

 至福の時間だった。涙が溢れてとまらない。

 けれども、いつまでもは続かない。嵐の海でもみくちゃにされるがごとき時間は、やがて終わりを告げる。快楽の波が退いていき、心地よい余韻だけが残される。

「おっ、おッぉ……。でへへ。悪くなかったぞ? マンコ女三四号」

「はひ、ありがとう、ございますぅ……っ」

 男の調子に乗ることときたら際限を知らない。他人をマンコ女呼ばわりするのも、番号で呼ぶのも、到底許されるわけがない。けれども四季映姫は、それを指摘もせず、むしろ嬉しげに受け入れた。己はもはや、性奴隷なのだ、主人の言動にケチをつけるなどもってのほかだった。

「あんっ、あ、はぁ……ッ」

 一物が引き抜かれる。半萎えの亀頭が膣口から抜ける瞬間、ちゅぽんッ! と音が鳴る。一瞬遅れて、とろぉ……と粘液があふれる。スペルマと破瓜血が混じった、ピンク色の汁だ。

「ホレ、いつまでもほおけてる場合かぁ? 仕事しろよ、マンコ奴隷がよ」

「あは、はぁい」

 軽く頬を叩かれて、ようやく恍惚の世界から戻ってくる。相変わらずソファで偉そうに――実際、奴隷である四季映姫よりよほど偉い――ふんぞり返る男の、股の間へ跪く。

 己をほじくってくださったペニスは、様々な汁にまみれてどろどろになっていた。あんなにも逞しくて、格好良かったモノなのに、見ていられない。汚した己が清めるのは、当たり前のことだった。

「んむちゅっ、んふッ……あむっ。ちゅむぅ、んちゅる、んぅ……」

 濃厚なキッスで挨拶し、大口を開けて咥え込む。ねっとりした優しい舌遣いで労りながら、汚れを舐め取っていく。中出ししていただいた者として、当然の作法だった。

 そろそろ休廷時間も明ける。そうなれば、彼に判決を下すことになるだろう。もちろん、無罪をだ。

 なんといってもご主人様には、末永く自分を可愛がってもらわなくてはならない。だから通常の輪廻には乗せず、是非曲直庁で己の助手として雇うのだ。そうして毎日嬲りものにしていただきながら、ときに良さそうな女霊が来れば、彼に捧げる。こんなに素敵な御方を独り占めするなど、閻魔としてあるまじき傲慢さであるから。

「んちゅぅ、……ご主人様、どうぞ末永くこの四季映姫を、お使いくださいませぇ……」

「おう、穴がユルむまでは使ってやるよ」

 なんてひどくて、素敵なお言葉なのだろうか。愛すべきペニスに唇を捧げながら、彼女はこれからの素晴らしい生活に思いを馳せるのだった。

 


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