※この作品はR-18です。

困惑   作:EKAWARI


原作:鬼哭街
タグ:R-18 ボーイズラブ 精通 兜合わせ 孔濤羅 劉豪軍
精通が来たばかりの少年時代の兄様が兄弟子・豪軍に相談した結果「自慰の手解き」を受ける話。
兜合わせとか少年同士の性描写があります、ご注意ください。
ただ、恋愛感情はありませんのでそっち目的だと多分肩透かしくらいます。
この作品はピクシブにもアップしています。

1 / 1
 ばんははろ、EKAWARIです。
 この話は大体3年ぐらい前に鬼哭街をプレイして兄様に萌え滾った勢いで書いたはいいものの、恋愛感情があるわけではないとはいえ、ジャンルエロゲ原作話で男同士の性描写あり二次なんて出していいものか……とうわけでPCの中にお蔵入りさせていた作品ですが、なんか俺以外にも兄様萌え者いるくさいのでまあいいやと思い、今回アップすることにした次第です。
 つか鬼哭街二次自体滅多に見かけないわけですが、兄様はおいしすぎると思っています。
 なので鬼哭街二次もっと増・え・ろ。


困惑

 

 それは内家剣術の流派が一つ、戴天流道場にて、いつも通りの型稽古をつけた帰り道のことだった。

「豪軍(ホージュン)!」

 幼い頃から何度も聞いてきた耳慣れた声が聞こえ、豪軍と呼ばれた十代半ば程の少年が振り返ると、そこには彼より2つ、3つ年下の少年が立っていた。

 耳慣れているのは当然と言えば当然だ。この少年もまた彼と同じく戴天流内家剣を学ぶ弟弟子の1人なのだから。自分を呼び止めたどことなく思いつめたような顔をした年少の少年に対し、豪軍は怜悧にすら見える目じりを和らげ、落ち着いた声を出して訳を問う。

「濤羅(タオロー)、どうした?」

 先も述べたが、豪軍と濤羅は同じく戴天流を学ぶ兄弟弟子の関係である。先ほども木剣で打ち合っていたばかりで、濤羅は豪軍にこそ勝ったことこそ無いが、同年代の子供と比べると明らかに剣にも功夫にも頭1つ飛び抜けた才能を感じさせる程には優れており、その大いなる資質から将来が楽しみな子供だ。また真面目で真っ直ぐで何事にも熱心に取り組む性質や、豪軍に対する尊敬の眼差しなど、こそばゆいながら一番可愛い弟分だとも言える存在で、自然彼に対する声にも柔らかいものが混じる。

 そんな兄弟子の対応に対し、濤羅はちょっとほっとしたような、困ったような落ち着かない顔を見せた。

 豪軍はそれに少しだけ意外そうに整った片眉を上げるが、すぐにもとのどこか不思議な笑顔に戻した。

 豪軍と濤羅の付き合いは長い。幼馴染だし、兄弟弟子であると同時に友人でもある。

 元々濤羅は闊達な性質ではないし、鍛錬中はともかくとして、素はどちらかというと気弱なほうだ。幼い妹相手にもほとほと手を焼いて困った顔をしている姿を見かけることだって珍しいことではない。しかし、自分相手には心を開いて、比較的遠慮なく言葉を酌み交すのが常なのに、自分で声をかけておいて、続きを渋っている。そこから、あまり人に聞かれたくない話をしたいのかもしれないと思い、豪軍は自分より歳の差分だけ小さい彼の身体に近寄り、声のトーンを落として言葉をかけた。

「今日はこの後の予定はなくてな。お前の家に寄らせてもらう。それでいいか?」

 豪軍の気遣いにちゃんと気付いたのだろう、弟弟子である少年は、上目遣いで兄貴分を見上げ、ほっとしたような声の調子で「すまん」と告げた。

 

 濤羅のフルネームは孔濤羅(コン・タオロー)といい、孔家は中国マフィアの一つである青雲幇(ちんわんぱん)に所属する凶手(暗殺者)の名家だ。そのことを誇示するかのように建てられた彼の家も立派なもので、この大気汚染が進んだ時代の中、大きく広々とした桃園を維持し続けていることからもその財力が伺える。

 しかし、凶手などという職業についている以上命をいつ落としても文句を言えないのも確かなもので、故に彼の両親もまた早くに職に殉じることとなり、今ではこの家で生活しているのは、濤羅自身や幼い妹と数人の使用人たちのみとなっていた。

「おかえりなさいませ、濤羅様、おや? 劉様もご一緒ですか」

「ああ」

 元々あまり濤羅は愛想は良くはない。人見知りだといえるし、一部のものにしか心を開かないタチだ。そのため長年仕えてくれている使用人頭の言葉にも濤羅はそっけなく返事を返す。けれど、それはいつものことだ。

 しかし続いて聞こえた、ぱたぱたと可愛らしい靴音を前にして、横目で見る間に濤羅の仏頂面といってもいい顔が、ふわりと綻ぶのが見え、それに豪軍は由来のわからぬ、ちりりと焦げるような錯覚を胸に覚えた。

「おかえりなさい、兄様(あにさま)」

 ぱぁと、花の咲くような笑顔とはこのことを言うのだろう、そんな笑顔で駆け寄った言葉が闊達な幼い娘は、そのまま濤羅の胸元へと身を投げ出した。

「ただいま、瑞麗(ルイリー)」

 抱きつかれたほうも、それはそれは柔らかい笑顔でその小さな身体を優しく抱きとめる。この瑞麗と言われた娘、彼女こそが濤羅の歳の離れたたった一人の妹であり、濤羅はただ1人自分に残されたこの肉親のことを蝶よ花よと目に入れても痛くないほど可愛がって大事にしており、戴天流道場に通うもので彼の妹溺愛ぶりを知らないものはいないくらいだった。

 くりくりと大きくて可愛らしい彼女の目が自分を見上げているのに気付き、豪軍は端整なその顔に笑みを浮かべながら「今晩は、瑞麗」とにこやかに挨拶をする。

 瑞麗は、その小さな手できゅっと兄の袖を握り締めながら、にっこりと幼い外見とは裏腹に淑女の笑みを浮かべつつ、貴婦人の如き気品を纏いながら「あら、今晩は、劉さん」と、挨拶をした。

 ……そこに、敵意めいたものが一瞬ちらついた気がしたのは気のせいということにしたほうがいいのか。馬鹿な、こんな子供相手に何を考えているんだと、豪軍は心の中で苦笑する。どう考えても考えすぎだろう。愛くるしい彼女の笑顔はこんなに、守ってあげたいと思わせるものだというのに。

「ねえねえ、兄様。今晩は劉さんも一緒にお食事なの?」

 ぐいぐいと、食堂に濤羅を先導しながら、瑞麗は言葉を弾ませる。

「そうだよ。瑞麗」

 言いながら、濤羅はちらりとすぐ後ろを歩く兄弟子を振り返る。それは構わないよな? との承諾をとるための動作だ。その暗黙の了解を前に、豪軍は目じりに笑みをのせることで返事に変える。それにほっとしたように濤羅は豪軍と視線を交わしながら、妹のさらさらとした細い髪を優しく撫でてやり、そんな兄の自分を慈しむ仕草に瑞麗もまた嬉しそうに笑った。

 そんな兄妹のたわいない日常の光景が、とても眩しいものに見えて、豪軍は自分の心が我知らず和むのを感じた。

 その夜の夕餉は、濤羅にとっても、豪軍にとっても、とても楽しいひと時だった。

 

 

 * * *

 

 

「瑞麗は、もう寝たのか?」

 濤羅の自室で待っていろといわれ、15分後入ってきた部屋の主に対して豪軍は静かに問う。それに濤羅は苦笑を浮かべながらも照れくさそうに頬をかき返事を返す。

「ああ」

 まったく、瑞麗は俺にべったりで困ったものだよと続ける濤羅だったが、その顔はとても幸せそうに見えた。豪軍はふっと笑むと、それを見咎めたのか、濤羅は「なんだ?」と怪訝そうな顔をした。

「いや……」

 豪軍は続きは自分の胸のうちに仕舞い、それからすうっと雰囲気を入れ替えた。濤羅もそれに気付き、ぴんと背筋をのばす。

「それで? 話があったから俺を呼び止めたのだろう? なんだ、話してみろ」

 そういうと、濤羅は最初に呼び止めたときのように、言いにくそうに唇をきゅっと結んで、視線を揺らす。埒があかないなと、半ば呆れのため息を吐きながら、豪軍は「濤羅」と、至極柔らかい発音で少年の名を呼んだ。それにもごもごと歯切れ悪く、濤羅は言葉を押し出した。

「その、知っているとは思うが、俺の父は既に亡くなっていてだな……他に誰に聞けばいいのかわからなくて……」

 何が? と続きを促すことも出来ただろう、しかし、豪軍は無理に急かすような真似はせず、辛抱強く濤羅が続きを言うのを待った。

「最初は……その、もらしてしまったのかと思って、動揺して、でも何か違うな、と……」

 もらしたかと思った? その単語で豪軍はもしやと、何を相談しようとしているのか大体予測がついてきていた。

「……白いし、だな」

「精通がきたのか」

 豪軍は言葉を歪曲することなく、直接的に問うた。それに言われた側である濤羅は動揺しながらも、自信なさ気な声で「……多分」と付け加える。

 なるほど、わからんでもない話だ、と豪軍は思った。

 初めての事象に戸惑うのは人間として当然だろうし、元々寡黙で朴訥、あまり他人に心を開けない濤羅には他に頼れる人間などいなかったのだろう。いくら身近な同性の年輩とはいえ、使用人に尋ねるなどという選択肢は濤羅のプライドが赦すまい。だから俺を頼った。光栄じゃないか。く、豪軍は秀麗な唇の端をほのかに吊り上げて笑った。

「それで、何を困っているんだ? 良かったじゃないか。元気に育っている証拠だ」

「……起きたら、服とシーツが汚れていた、では、困る」

 言いながら濤羅はきゅっと唇を引き結ぶ。その様子に、相談してはみたももの、明確になにをどう相談したいのかまでは上手くまとめられていないのかもしれない、と豪軍は思った。

「夢精は嫌か?」

 諭す様な優しい口調で言うと、言葉の意味を理解しているのかが少し危ういが、濤羅がゆるく頷いた。

「なら、溜めなければいい」

「ためる?」

 ひょっとしてそこからしてわかっていないのか。まあ、無理もないか。昔から剣一筋だったこの弟分は女に興味を示したこともなかったのだから、性的な知識に欠けていたとしてもおかしくはない。そう思いながら豪軍は安心させるような笑みを浮かべ言う。

「いい機会だ。安心しろ、俺が教えてやる」

 手を差し出し、ベッドへ誘う。濤羅は戸惑いながらも、その自分より少し大きな手を取った。

 

 

 * * *

 

 

「……ん……っ」

 ぶるりと黒髪を揺らし、濤羅は困惑めいた声を漏らす。

「なあ、豪軍……」

「なんだ?」

「何か……変じゃ、ないか?」

 濤羅がいつも休むそのベットの上に二人の姿があった。濤羅は抱え込まれるように兄弟子にすっぽりと背中から包まれ、ズボンからいまだ未発達な性器を出され、その性器を、豪軍の骨ばった器用な手に緩く握られていた。

 碌に知識もない濤羅であったが、それでもこれは何かが間違っていやしないだろうか? との違和感はある。それが故の質問に対し、いつも通り自分達兄妹ぐらいにしか見せない優しげな笑みを目の端に浮かべて、兄貴分たる少年は言う。

「言ったろう、教えてやると」

「しかし……ぅ……ぁ」

 豪軍の右手がゆるゆると濤羅の性器に絡まり、丁寧な仕草で根元から先端までを擦り上げていく。自分でも碌に弄ったことのない場所を他人の手が這いずっていく慣れぬ感覚に、濤羅は身悶えしそうになりながら、その刺激に薄く声をもらした。

「ふ……っ……ぅん……」

 骨ばった右手は変わらず濤羅の性器を優しく擦り上げながら、豪軍のもう一方の手が彼の睾丸へと伸びる。

「ぁ……」

 そこは急所だ。そこを握りこまれる本能的な恐怖感は、いくら武術の達人でも男である限りは抜け切れない。だが、そこを痛みを感じぬ程度に力を制御しつつも強弱をつけて揉み込まれると、竿への動きも合いまり、なんとも言えぬ疼きが腰の奥から這い上がった。

「は……っふ……、く」

 兄弟子に性器を弄われる見るも恥ずかしい現状に、濤羅は目を瞑ろうかと思ったが、しかしそれをするには後ろから飛んでくる豪軍の視線があまりにも気になって、つい彼に声をかけた。

「……っあんまり、じろじろ見ないでくれないか……?」

「なにがだ?」

 豪軍はさらっと流れるように言葉を返しながら、濤羅の性器を扱く手を早める。その刺激にびくりと背を震わせながら、濤羅は言葉を押し出した。

「何か、……ぅ……変だ」

「男同士で、恥ずかしがることもあるまい」

 ぐりっと豪軍の右手親指が尿道の入り口を押しつぶすように刺激する。それに透明な先走りがその骨ばった指を濡らす。

「う、ぁ……っ!」

 濤羅の幼い一物はもう、半分勃ち上がっている。本人は認めたいことではないのかもしれないが、濤羅がこの行為に快楽を感じているのは明らかであった。それを後ろから見つめる、豪軍の目も声もあくまで優しいものだ。しかしだからこそ、余計に弟弟子たる少年は困ったのだ。

「遠慮するな。ただの自慰の手解きだ、そうだろう?」

「そうは言うが……ひゃ」

 豪軍の手が濤羅の手を掴んで、その半勃ちの幼い雄を握りこませ、濤羅の右手ごと一緒に濤羅の一物を擦り上げる。その光景に目のやり場に困った濤羅が視線を迷わせると、豪軍は「いけないな」と囁きかけるようにその耳元で漏らした。

「俺はあくまで教えているだけだ。学ぶ気がないようでは、困るぞ?」

 にぃっと、意地悪げな笑顔。しかし楽しげな笑みはそのままに、その手の動きは巧みに濤羅の幼い欲望を追い詰めていく、その落差に濤羅は困惑する。

「……ん……っ、ほーじゅ……いっ!?」

 笑うな、と言おうとして兄弟子を振り返った瞬間、タイミングを見計らったように豪軍の繊細な指が、濤羅の未熟なペニスを覆う皮をずるりと引き摺り下ろした。その痛みが刺激となって背筋を駆け抜け、腰がひける。しかし、背後から濤羅を抱え込んでいる体勢の豪軍によってそれ以上の後進は許されず、濤羅の行動はその刺激の強さをこの涼しげな顔をした兄貴分に伝えるだけに終わった。

「まだ若いからいいが、いつまでも皮が被ったままというのは感心出来ないな。膀胱炎、尿道炎など、将来の病気の元だ。清潔感も失われる」

「あっ、ぅ、やめ、……っ、耳元で、言うなっ」

 豪軍の手が掴んだ濤羅の右手ごと、皮の上げ下げをしつつその一物を擦り上げる。睾丸を弄っていた左手も今は濤羅の亀頭のあたりをしつこいほどに弄り倒しており、濤羅の一物は膨張し、その尿道から滲んでいる先走りにも白いものが混ざり始めていた。限界がくるのは時間の問題だった。

「遠慮せず、イケばいい」

 言うなり、扱く手を早めながら、先端の割れ目を強く爪弾いた。その刺激に耐え切れるはずもなく、びくりと、大きく身体を揺らし、濤羅は「っ、う、ぁあああ」と悲鳴めいた喘ぎを漏らし、己の腹に思いっきり白濁した幼い欲を吐き出した。

「はあ、はぁ、は……っ」

 まさに息も絶え絶え。功夫の修行とはまた異なる種類の疲労と、開放感を前に、目の奥がちかちかするようだ。

 しかし、初めての手淫の余韻に浸る暇もなく、濤羅は自分の尻を圧迫する感触に気が付いてしまった。

 ……硬い、そして熱い。

 性的なことにいくら不慣れで知識も碌にないとはいえ、その自分の尻に当たっているそれがなんなのか、わからないと答えられるほど濤羅は残念ながら純粋培養でもなかった。

「……豪軍」

「なんだ?」

 おどおどと、意を決したように、小さな声ながら後ろにいる兄弟子に呼びかける、それに豪軍はとぼけたような返事を返す。

「その……」

「はっきり言え。言わんとわからんぞ。濤羅」

 くっくと、愉しげな笑い声が聞こえる。それがなんとも恨めしい。出来るなら口にしたくはない。それでも、まるで押し付けるように……実際その通りかもしれないが、自分の尻に当たっているその熱の塊を無視するのは、濤羅にとってはそれもそれで難しいことだった。

「……当たっているんだが」

 お前の息子が。最後のほうは消え行くように小さな声だった。

「ああ、すまない。俺も若いからな。木の又を見れば欲情する年頃ってやつさ」

 いや、そういう問題か? と濤羅は心の中で突っ込みを入れた。

 それに……濤羅には、豪軍がそのような劣情に突き動かされるタイプには到底見えなかった。今も、目元には涼しげな微笑を浮かべており、話す言葉も余裕に満ちた響きがあり、とても、自分の尻に怒張した欲望を押し付けているようには見えなくて、その落差に濤羅は困惑する。

 いや、そもそも初歩的な問題として、今までの行為の一体どこに、この兄弟子が一物を膨らませるような要素があったのか。

「ホージュ……っ……!? あんた、何して」

「うん?」

 首だけ後ろにむけた体勢のまま、濤羅は驚愕に目を見開いた。豪軍は合いも変わらず涼しげなとぼけたような笑みを湛えたまま、自分の身体全体と左手で濤羅の身体を動けないように固定し、右手で己が下腹部の衣服をずらして、自身の性器を取り出そうとしていた。

「わからないか?」

 いや、わかるはずがない。濤羅は心の中で叫んだ。あまりに驚きすぎて、声にすらなっていなかった。

 そうも思っているうちに、豪軍の下半身が完全に露わになった。

「……ッ」

 でかい。そして、なんだか自分のモノとは形とか色とか色々と、違う。濤羅は動くことを忘れたようにその身体を堅くして、じっと、思わず豪軍のペニスを凝視してしまった。なので、兄弟子の伸びる手に対する反応も遅れた。

「ひっ、ぁ……ッ!?」

 今はもう出すものを出して、萎えきっている一物を掴まれた。

「さて、お前だけ気持ち良くなるのは不公平だとは思わないか? 濤羅」

「な……に?」

 何がどうしてこうなったのか、ついていけなかった。そもそも、豪軍が一体何を言ってるのかも濤羅にはさっぱりだ。

 そんな風に内心パニックに陥っている弟分を尻目に、豪軍の繊細な指がするりと萎えた濤羅の雄の裏側の辺りを絶妙な力加減で擦り上げてくる。そんな兄貴分の少年の所作を前にして、萎えきっていた筈のペニスが僅かにぴくりと反応を返した。その感覚に濤羅は僅かに息を呑んだ。

 その僅かな隙をついて、豪軍は後ろからすっぽりと抱え込んでいた弟分の身体を開放し、お互いが正面から向き合う形に変えた。思わず、濤羅の腰が後ろに逃げる。それを逃がさないというように、豪軍は濤羅ににじり寄り、互いの性器をこすり合わせた。

「っぁ!?」

 カリ同士が擦れる感触に、びくりと大きく身体を揺らした濤羅は、更に一歩後ろに背を引こうとして失敗、とんと胸を押されることにより、ベットに身を横たえることとなった。その上に豪軍の年齢差分だけ大きな身体がのしかかり、またも身動きがとれなくなった。

「……っ、豪軍」

 キス出来そうなくらいすぐそこに豪軍の端正な顔がある。その顔はやはり薄っすらと笑いを模っており、その目はどこまでも優しい。それにどうしても濤羅は戸惑う。

「ただの性欲処理だ、そう堅くなるな」

 いや、無理だ。また心で叫ぶがそれは言葉になっていない。その間も豪軍の手は動き、濤羅のペニスに再び絡む。

「……んっ……!」

 濤羅は生来より性的衝動はあまり強いほうではない。色事などよりも剣の道に対しての興味と熱意のほうが彼にとっては強く、春絵などを読みふける暇があれば修行をしたいというのが濤羅の本音だった。おまけに精通だってつい最近きたばかりなのだ。そんな幼い少年にとっては、イったばかりでまた追い上げられるというのはたまったものではない。

「っ、い、やだ」

 巧みな指捌きで再び快楽の波に強制的にのせられそうになる、その過ぎた快楽が与える苦痛に、濤羅は反射的に拒絶をもらし、豪軍の腕を掴むことでやめさせようとした。

「濤羅……」

 弟分を呼ぶその声は呆れたような、幼い子供に諭すような響きをもっている。それに益々濤羅は困惑する。

「良い子だから、暴れてくれるな」

 あ、と気付いた時にはもう遅い。トン、と身体の力が抜けるように穴道を突かれていた。

「豪、軍……っ」

 手馴れた動きで扱き上げられる己が一物は、濤羅の心などお構いなしに雄の生理現象を見せ始める、それを濤羅は怖いと思った。自分の思うようにならない身体が怖い。過ぎた快楽には眩暈すらする。

 そして、自分の未だ幼い一物にひたひたと当てられる、豪軍の赤黒いペニス。

 半分ほど自分の雄が勃ち上がったところで、自分が先ほど吐きだした精液をローション代わりに使われ、その豪軍の自分のものよりでかい其れごと纏めて握りこまれた。

「……っ」

 ぐっ奥歯をかみ締めて声を耐える。痛くは、ない。寧ろ凄く気持ち良い。それが却って辛い。裏筋同士を擦り合わせ、豪軍のカサが濤羅の尿道にひっかかる。先端と先端が叩き合い触れ合い、先走りが互いを濡らす。その合間を縫うように豪軍の指が蠢く。濤羅の雄を追い込む。

「……ぅ……」

 幼馴染の……聞き逃しそうになるほど小さなうめきが聞こえ、濤羅は我知らず閉じていた目を開け、上を見上げた。ほんの数cmのすぐ間近、自分の上にのしかかって人の制止も聞かずに好き勝手振舞う兄弟子の顔がある。その目じりは僅かに紅潮し、口元だけは微笑んだまま、いつも涼しげな笑みを湛えたその目は薄っすらと快楽の愉悦に歪んでいる。そのことに驚いた。

 いつも兄貴然とした豪軍が、性欲に恍惚となるなど、濤羅にとっては想像だにしたことのない事だった。だが、そんな驚愕に浸る暇もなく、濤羅の幼い雄は再び追い詰められ、意思に反して高みに追い上げられていく。

「うぁ……、はっ、ぁ、あ、ぁあ!」

 激しくなる豪軍の手淫、自分の一物をびたんびたんと叩く、熱くて太く、どんどん硬度と大きさを増していっている豪軍のペニス。自分の太ももにヒタヒタと当たる豪軍の睾丸の感触。

 性的快楽という観点から見れば、それは圧倒的に気持ちが良かった。醜くておぞましかったけれど、精通を迎えたばかりの体にとっては過ぎた悦楽が、絶えず濤羅を追い上げる。己の身体が自分のものにならないその恐怖や畏れすら、極上のスパイスとなって濤羅自身を追い込んでいく。自ら性欲を満たそうと考えた事すらない性的に不慣れな身体は、悲しいほどに過敏だった。

「あ……ぅ、く、だ……、ンァ、あぁッ!!」

 もう、駄目だ。そう思った時には豪軍の肉棒を叩くように、互いの腹の間にむかって本日二度目の精を放っていた。

 一拍遅れて豪軍のペニスからも勢いよく精液が迸り出る。二度目の精の放出で一度目より透明に近い色をした濤羅のザーメンとは違って、それは濃くて、匂いも強く、量も多かった。それが濤羅の精液と交じり合い、どろどろに濤羅の腹を、胸を、豪軍の腹を汚す。

 しかし、濤羅にはそれどころではない。限界を超えた快楽の捻出に、精神が磨り減り、荒い呼吸を繰り返すのみだ。

「濤羅」

 びくりと、濤羅の黒髪が揺れる。

「……豪軍」

 濤羅の眦には涙の膜が浮かんでいる。呼ぶ声には恨めしそうな響きがあった。それに、そういえば濤羅は昔から泣き虫だったな、と豪軍はぼんやり思った。

「すまなかったな」

 どこまでも優しい声色だった。いつもの、劉豪軍の声色だった。くしゃりと、濤羅は泣きそうに顔を歪める。

「…………こんなのはおかしい」

 慣れぬ種類の疲労で頭がクラクラする。それでも濤羅は、ずっと行為の最中思ってきたその言葉を放った。

「……ただの性欲処理だ。お前があんまりにも気持ちよさそうな顔をするから、俺もしたくなった。それだけだ」

「男同士で……そんなのは、変だ」

 顔を横に背けながら告げる濤羅の頭の上に、そっと手がのびる。豪軍の指、それが濤羅の若さ独特の柔らかな黒髪を梳く。

「俺はお前のことは可愛く思っている。だから、互いに気持ちよくなればいいと思った。お前も気持ちよかっただろう? ……変か?」

「変、だ」

 濤羅はゆるゆると眠りそうな意識の中、それでも拒絶を吐く。それに梳く手はそのままに、豪軍は「……そうか」と答える。

「なあ、濤羅」

「……二度と、御免だ」

 その言葉を後に濤羅は完全に眠りに落ちた。豪軍は困惑し、溜息を吐く。

 ……精液を拭いもせずに放っておくとどうなるか、知らないのだろうか。全く、手間のかかる弟分だ。そんなことを心の中で零しながら豪軍はティッシュで、互いの腹などについた白濁汁を拭い、自身も濤羅の横に身体を横たえる。

 明日、この光景を見た人間は驚くかもしれないが、そんな事知るものか。客人である自分の寝床をちゃんと用意もせずに先に寝たこの家の主人が悪い。

 さて、明日自分の隣で寝ている兄貴分を見て、濤羅はどんな顔をするかな? そんなことを楽しく想像しながら、豪軍も眠りに落ちた。

 願わくば、瑞麗に見つかる前に起きてくれればいいのだが。

 

 END

 

 




 ご覧いただきありがとうございました。
 尚、この話の裏設定として、個人的に俺は豪軍は瑞麗と結婚してその本心を知るまでは、孔兄妹のことはどっちも同じぐらい好きというよりかは、理想の兄妹の憧憬を抱いて羨望していたイメージだったりするんですよね。その後原作時空で瑞麗の心がどうあっても手に入らないことも知り、可愛さ余って憎さ100倍+男としての嫉妬がゴチャゴチャになって濤羅に対し、あの態度化したのではないかと思っているというか。なので昔は本当に手間の掛かる可愛い弟弟子と思ってたんでないだろうか。と思いこんな描写になりました。
 瑞麗については、昔から実は豪軍のことさり気に大嫌いだったんじゃないかなと思っています。理由は大好きな兄様に慕われているから。実際原作でもそれっぽい台詞ありますしね、瑞麗。大嫌いだったからこそ、あそこまでぼろくそに使い捨てたんじゃないかなあ。
 尚、今回アップした話は少年時代の豪軍と濤羅ネタですが、個人的に鬼哭街で本命なのはキモウトルイリー攻めの兄様受けな妹×兄ですYO。兄様なんて妹に逆レイプされちまえばいいのさっていうか、見たいです、見たかったです、畜生原作はなんで最後までやってくれなかったんだ……! って感じで某シーンで本気で悔しがりながらプレイしてた俺がいましたよ。1番マトモな論理観もってたのに、多数決で自分が悪いことにされちゃった不憫な兄様ウメエその涙を舐めてえ。
 お前なんぞ妹に陵辱されてまえ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。