「んしょ……これだけ濡れてれば、きっと……」
上に乗っていた温かな重みが無くなったことに意識を引き戻されると、ちょうどあかりが腰を浮かた所であった。
何をして――そう訊こうとしたところでて、張りのあるヒップが顔のすぐ前まで持ち上げられる。
前傾姿勢な為にすべっとして触り心地の良さそうなお尻の間から、ぐしょ濡れになったクロッチが見せつけられていた。
尤もあかりはそんな事になっていると気づいていないのだろう。股の間から手を差し入れ、ぐしょ濡れになったクロッチの端へと指を引っかけて――ぐいっと横へと引っ張った。まるで見せつけるように。
「――っ!」
顔から十センチも離れていない至近距離に、初々しい渓谷が晒される。
産毛すらない、つきたての餅みたいにつやっとした土手の間に走る桜色の一本筋。
何度も挿入れたはずのそこは、間近で見ても未だ割れ目の奥にうっすら粘膜の色がのぞくだけで、大きな胸とは対照的に幼く可愛らしい。
そのくせ、太もも近くまでじゅくじゅくの雌果汁が溢れて滴っていて、しっかり雄を受け入れる準備が整っているというギャップが、余計エロさを引き立てていた。
そんな桃源郷がゆっくりと真下にそびえる赤黒い火山に近づき――
「――って待った!」
どんなに陶然としていても、ここまでされればあかりが何をしようとしているのかは一目瞭然だ。
挿入しようとしている彼女を止める為、尻たぶを下から支え上げる。
「ひゃんっ!?」
しまった。むちっとしたお尻に触った瞬間反射的に指が動いて揉んでしまい、あかりが驚き交じりの嬌声を上げる。
胸と違って適度な皮下脂肪の下に筋肉のハリが感じられて――じゃなくって!
「挿入れてしまって、本当に大丈夫か?」
「大丈夫です! お互いこれだけ濡れてますし……きっと、大丈夫なはず……」
最初こそ強く言い切ったあかりだったが、ちらりと下で待ち構える肉槍を見下ろすと、自分に言い聞かせるような声音になってしまった。
……あかりには本当に申し訳ないのだが、溜まってしまっているせいなのか、自分でもちょっと大きくなっている気がするくらいだ。体格差も考えれば、あかりにはより凶悪に見えてしまっている可能性だって十分あるし、怯んでしまうのも無理はない。
「あかりが俺を気持ち良くしたいって気持ちは凄く嬉しいんだけど、無理はしなくてもいいんじゃないかな?」
「っ! 無理なんて、別に……」
やはり一昨日の事を思い出してしまうのだろう。否定したい気持ちと躊躇してしまった自覚に板挟まれ、あかりは気まずそうに視線を落とす。
「時間はあるんだから、焦らず少しずつ……っていうのじゃ駄目か?」
「……でも、それじゃあおにいさんのここが苦しそうなの、楽にしてあげられないじゃないですか……」
確かに前回よりお互いしっかり濡れているのは事実だったが、それでもやっぱりまだ挿入して大丈夫と思えるほどの自信は無かった。
不正なパッチのせいとはいえ、今まであかりは触られるだけで快感を感じていたらしい。果たして、今日の自分はそれほどあかりを良くしてあげれていただろうか、知識も経験も碌に無い自分が――そう考えてしまうと、やっぱり痛い思いをさせてしまうかもしれないという恐怖は拭えなかった。
けれど昨夜の話を聞いて、気持ち良くしてあげたいという思いがあかりにとって大事なのも理解している。だから――
「いや、それについてはちょっと考えがあるんだけど……ちょっと布団の方行こうか」
表情を曇らせたままのあかりを一度立たせて自分も立ち上がり、布団の上へと横たわる。
「それで、あかりは下着脱いでこっち向いて体を跨いで――」
疑問符を浮かべてながらもショーツを脱いだあかりの手を取り、太腿の上へと向かい合わせに座らせた。
「これで、いいんですか?」
「そうそう。それで後はちょっと上にずっていって……」
言われるままにそろそろとあかりは腰を進ませるが、そそり立つ肉幹の手前で止まってしまう。
「うぅ、やっぱり……おっきい……」
「そんな心配しなくて大丈夫、あかりには挿入れるんじゃなくてそこに乗っかって欲しいんだ」
「の、乗るって……?」
「こんな感じに――」
意味を計りかねているあかりの脇腹へと手を伸ばし、ゆっくりと腰を落とさせる。穴に杭を打ち込むのではなく、棒に溝を添わせるように。
「んっ――」
肉幹へ唾液より熱い恥蜜塗れの粘膜が触れた瞬間、あかりがきゅっ、と布団に突いた両手を強張らせて握りしめた。
「大丈夫だから」
後はあかりにもどうすればいいか分かっているだろう。横腹から手を離し、小さな手に手を重ねる。
あかりはハッとしたように接触部を凝視していた視線をこちらへ向け、小さく頷いてから体重を預けてきた。
にゅちっ――あかりの小柄な体重が粘液を帯びて逸物へと下ろされた。
「っく……あかりのココ、めちゃくちゃ熱くてぬるぬるだな」
「あぁっ、ビクビクしてっ――おにいさんの方こそ、熱くて、固くて、おっきくて……」
うっとりしたようにあかりは目を細める。ペニスの事を褒められてるという気恥ずかしさも、そんな表情で自信を帯びた悦びへと変換されてしまった。
「このままでもいいんだけど、そろそろあかりに気持ちよくしてもらおうかな?」
熱に浮かされるままそう言うと、あかりはそうだったと目を丸く開いてぐっと両拳を握り込んだ。
「あ、はいっ、頑張ります!」
胸をたぷんっ、と揺らしながら可愛らしく気合を入れるあかりを見ていると、ほほえまエロいという謎の感情が湧いてきそうである。
内心ほっこりムラムラしている間に、あかりは上体を倒し、手を布団について腰を前後に揺すり始めた。
「んぅ……こう、でいいんですよね?」
確かめるように小刻みな動きに合わせて、あかりの胸がふるふると眼前で揺れる。
「そうそう……ッ」
目の前の絶景も興奮ものだが、それ以上に逸物へと与えられる快感の衝撃はすさまじかった。
あかりの体重で押し付けられた秘所は、あったかくて、ぬちゅぬちゅしてて、それが擦りつけられているのだからたまらない。まるでディープキスみたいにちゅうちゅうと肉棒に小陰唇が吸い付き、絡みついてくるのだ。気持ちだけでなく躰でも求められている感覚に、頭がかあっと熱くなる。
「あかり、もっと……」
「――はいっ!」
熱に浮かされるまま求めると、あかりの表情がぱっと輝いた。秋空みたいにどこまでも晴れやかな笑顔。安堵に胸の奥を仄かな温かさが満たす。
が、それと同時に腰が大きくグラインドされ、亀頭冠まであかりの体温が上がってきた。一擦り毎に薄皮が剥かれ、敏感な神経をむき出しにされるように甘い痺れが男根を熱くする。
「くぅっ……!」
性欲に身を任せ堪らず声を上げると、あかりはますます嬉しそうに頬を緩ませた。それに合わせて、腰の動きも早くなる。
ぢゅぐっ、ぢゅちゅっ、ぶぢゅっ――
粘液同士が擦れる音がより鋭く大きくなり、泡が爆ぜてお腹に興奮の余韻が飛び散った。
「んっんっんっ……どうですか、ぁんっ、私……おにいさんの事、気持ちよく出来てます?」
「当り前っ、だろ……そのまま、頼む……っ!」
体温に摩擦熱まで加わって、溶けそうなほど気持ちいい。
あかりのおっぱいが目の前で暴れまわって、凄く興奮する。
精液を絞り出そうとするみたいに、前へ強めに動かしてくれるのが最高だ。
……言いたいことは沢山あったが、それらを言う余裕すらないほど良かった。
けれど、そんな状況でもこれだけは確認しておかなくてはいけない。
「あっ、あかりは……大丈夫、か?」
歯を食いしばる合間に何とかそれだけ聞くと、あかりは動きを止めて困ったような表情を浮かべた。
「大丈夫です。私も気持ちいいですから、おにいさんは心配性すぎです」
「そっか、それならいいんだ」
その言葉に嘘は無さそうだ。喉につかえた小骨が漸く取れたような安堵が、独りよがりに気持ちよくなってはいけないという枷を外した。
今まで我慢していたものをようやく解放していいんだと認識した瞬間、射精感が爆発するように沸き立った。
「ひゃっ!? あっ、ごめんなさい。すぐ再開しますから」
思わずむずむずする愚息をあかりの秘所に押し付けてしまうと、すぐにあかりは前後動を再開してくれた。
けれど射精を目前にした欲深棒は、それでは足りないと更なる刺激を求めてくる。
「あかり、ごめんっ……!」
確認する間すら惜しくて、あかりの腰を両手で捕まえながら吠えた。そのまま貪るように腰を押し付け前後に揺する。
「んんっ?! あ、ああっ、やっ、ひゃうぅぅぅんっ!」
突如ペースを乱されたあかりが、思わずこちらへと倒れてくる。胸板におっぱいが押し付けられて、熱い吐息が顔にかかって、余計に手が止まらなくなってしまう。
「あっあっ、駄目っ……これじゃっ、動かせ……んんっ!」
そう言いつつも必死にあかりは汗で滑る肩を掴んで、自分でも腰を動かそうとしてくる。
結果、予想外の動きが混じって、断続的に振り切れる程の快感が海綿体を痺れさせた。
「あっ、それヤバ……っ」
素股と言うより、もはや躰全てを擦り合わせるように快感を貪る。
乳首同士が擦れて、愛液と先走りが塗り混ぜられて、相手の体温が残る吐息を吸う。
お互いの身体がどろどろに溶けて混じっていくような密着感。近づくほどにもっと近づきたいという衝動も強くなり、よりペースが上がってしまう。
けれど同時に、溜まりに溜まった欲望が塊となり、我慢が出来ないところまで登ってきていた。
「射精る……っ! 射精すからな、あかりっ……!」
「はぅっ、あんっ! 射精して、下さい……っ! いっぱい、いっぱいぃ……!」
腰の奥から腹を突き破ろうとするかのような脈動に限界を察し、うわごとの様に宣言すると、あかりも最後の力を振り絞ってそれに答えるように、全体重を腰へと押し付けてくる。
これ以上ないほどの密着。粘膜同士が一体化して、あかりと自分の性器が一体化してしまったかのように、彼女の全てが分かってしまう。
弾けんばかりに張りきったペニスに擦り付けられる肉芽が快感に膨れ上がっているのも、膣口がキスマークを付けるように吸い付いてきているのも。
あかりも感じて、求めてくれている――それが、最後の一押しになった。
「くあっ……ぐっ……」
あかりの体重をものともせず、腰がアーチを描いて逸物をぐりっと彼女の割れ目へとはめ込んだ。
「あぁっ! やっ――んんんんんぅっ!」
圧迫感と痺れに一瞬陰茎の感覚がなくなって、
どぐんっ! どぐどぐっ! どくっ、どくっ、どくっ――
心臓が腰に行ってしまったかのように全身を揺さぶり、真っ白な衝動が思考のすべてを押し流す。
放出感と快感だけが理解できる全てだった。
「――――は、あぁっ」
漸くチカチカと煌めく脳裏に意識が戻ると、恐ろしいまでの息苦しさに慌てて息を吐く。呼吸するのすら忘れてしまっていたらしい。
ゆっくりと暗闇の中心から開けていく視界にあかりの蕩けた顔が目に入り、堪らずその唇にむしゃぶりついた。
「んんっ――ちゅぴっ、ぢゅるるぢゅっ、ちゅぅぅ……っ」
舌まで余韻で痺れているのか、上手く動かなくてもどかしいキスになってしまう。
けれど、たどたどしい中でもお互いの舌を求め、ほの甘い唾液を啜りあうキスは十分に心地よかった。
「――ぷぁっ……はぁっ。いっぱい、射精ましたね」
唇を離したところであかりに言われて、漸くお腹に汗と違う強いぬめりが広がっているのに気づく。
いつの間にかあかりの背をしっかりと抱きしめていた両手を離し、彼女が上体を持ち上げると、途端に濃厚な性の匂いが立ち上った。
自分の腹と、そしてあかりのお腹。両方ともにべっどりと精液でまみれて、いやらしい糸が幾筋もてらてらと線を引いていた。
「うわ……この量は、自分でもちょっと引くな……」
溜まっていたのは確かだが、それにしても凄い量に思わずそう独り言ちた瞬間、あかりの顔がぐいっと近づいて来た。
「そんな事無いです! いっぱい射精してくれた方が、私も嬉しいですし!」
息が上がり切っているにも拘らず、力強くあかりは断言する。
射精を褒められるなんて、なんだかむずむずとくすぐったいような、でも凄く嬉しいような……変な感じだ。
だがそんな複雑な事を考える頭とは逆に、股間は素直に喜びで震えてしまう。
「あっ……まだ射精てる……」
その弾みで尿道に残っていた精液が押し出されたのに気づいたあかりは、再びぴとりと鈴口にお腹をくっつけて、んんっ、と鼻を小さく鳴らした。
そんな最後の最後まで受け止めようとして貰えるなんて……気だるくゴミ箱へ捨てられ、散っていった精子たちも報われよう。
下がったIQでそんな馬鹿な事を考えているうちに、あかりは再び上体を起こす。泡立った白濁液が、お腹の上を滑って、臍へと零れ落ちた。
それを見た瞬間、射精したばかりだというのにより欲深い衝動が脳裏を過る。
中に射精したい――
白濁であかりにマーキングするのは確かに興奮するし、征服感もある。だけど、もっと。もっとより深くで受け止めて欲しい。今白濁にまみれているお腹のその奥で。
そんな思いが顔に出てしまったのだろう。
「――今度は、挿入れますか?」
腰に乗っかっている熱が無くなったのに気づいて見上げると、腰を浮かせたあかりが自らの割れ目を押し広げて見せつけていた。
興奮と摩擦で赤く色づいた控えめな花弁に、その奥で引くついて愛液を零す蜜穴。下腹から垂れてくる雄の粘液に侵されても、なお美しく淫靡な秘華を見せつけるように、あかりは腰を突き出している。
多分、これだけ濡れていれば大丈夫な筈。そう思って手を伸ばしかけ――けれど傷つけてしまうかもという可能性が脳裏をちらついた瞬間、最後の最後で急ブレーキがかかった。
「――っ。や……今日はもう一回射精しちゃったし、明日も用事あるからさ」
欲望を呑み込んで。それでも挿入れないとは言えず、言葉を濁して苦笑した。
後から考えてみれば、きっとこれは『逃げ』だったんだろう。