「…………分かった。頼む……いや、お願いしま――痛っ!?」
頭を下げようとしたところで、びしっ、額に衝撃が走る。弾かれるように顔を上げると、目の前でゆかりさんがニッといたずらっぽい笑みを浮かべていた。
「はいはい、あんま気に病まない♪」
そのまま反論する間もなくベッドの上に引き倒される。
「っと――!?」
「同じ練習するなら、そんな悩んで苦しそうな顔でするより、楽しんでやった方が得だと思いません?」
「いや、楽しんでなんて……」
「失礼、間違えました。楽しんでヤった方が得だと思いません?」
「いやいや、そこは言いなおさなくていいから……」
ニヤッと更に口角を持ち上げていたゆかりさんは、そこでふっと表情を儚げなものにした。
「それに、私だって仕事とはいえ一応自我個体なんですから、少しくらい一人の女性としてみてくれてもいいんじゃないですか?」
「あっ……」
言われるまで、あかりと自分の事でいっぱいいっぱいで、彼女の事を考えていなかったことに気付く。普段はどこまでが本当でどこまでが演技か分からないゆかりさんの言動だが、不思議とその寂しそうな表情が演技には見えなくて。
だが何を言ったらいいのか悩んでいる間に、ゆかりさんの人差し指が唇に押し当てられた。
「ふふ、冗談です♪ さあ、それじゃあ弟くんが折角覚悟を決めたんですし、その覚悟が鈍らないうちに始めちゃいましょうか」
それとも、やっぱりあまり気に病まないようにさせるための演技だったのだろうか。だがそれを考える間は無かった。とっくにベルトを外されていたズボンがするりと降ろされる。
「あれ? あんなこと言ってたのに、こっちはもう元気みたいですけれど?」
「っ……仕方無いだろ、生理的な反応なんだから」
偉そうなことを言っておきながら、肉幹は天に向かって屹立し、トランクスに大きなテントを作っていた。
悲しき雄の性である。
情けなさに視線を逸らすも、ゆかりさんはそれ以上からかってきたりはせず、むしろ少し気遣うような声色で優しく語り掛けてくる。
「そうですね、特にここ最近は忙しかったみたいですし、そういう意味でも少しすっきりさせておいた方がいいかもしれません。少し余裕があった方が、あかりちゃんの事を見てあげる余裕も出来るでしょうし」
……確かに素股で一度射精したとはいえ、本来出すべきところに出していないせいか、肚の底に燻りつづける欲望の塊がある気はしていた。
ゆかりさんの言う「すっきりさせる」という意味がそう言う事なら――ビクンと愚息が期待に身悶えして、トランクスの前開きからペニスが顔をのぞかせる。
「っ――」
「……ゆかりさん?」
一瞬彼女の顔がこわばったような気がして名前を呼ぶが、ゆかりさんは不思議そうな表情でこちらを見上げただけだった。
「どうしました?」
「あ、いや……別に」
部屋も暗いし、見間違いだったのだろう。そう結論づけようとしたところで、ゆかりさんはペニスに顔を寄せると、スンスン小鼻をひくつかせて顔をしかめた。
「ちょっと、弟くんちゃんとお風呂で洗ってます? 匂いがきつい気がしますけど」
「えっ!? 嘘だろ、ちゃんと洗ってるつもりなんだけど……」
「あ、そうなんですか? まあ、匂いと言うのは個人差がありますから、私の気にしすぎかもしれないです……話の腰を折ってしまってすいません。さ、さっさと始めましょうか」
「いや、そんな事言われても……ちょっと風呂場借りていいか? 洗って来る」
全く気にせず服を脱がせ続けようとするゆかりさんだが、こっちの方が気になってそれどころじゃない。
ズボンをずり上げて立ち上がると、ゆかりさんは申し訳なさそうな表情を浮かべながらも、部屋の入り口を指さした。
「うーん、私が過敏だっただけだと思うんですけどね……すいません。お風呂は弟くんの部屋と同じ感じですから。タオルは積んでるのを好きに使ってください」
――――
「――これから、ゆかりさんと……か」
シャワーを浴び終えて身体を拭きながら現状を独り言ちる。
洗面台の鏡に映った自分の顔は苦し気にくしゃっとしていて、そのくせ下半身はシャワーを浴びている最中からずっと萎えることなく滾ったままだった。
「ひっどい偽善だな」
罪悪感を感じているつもりで、激しく興奮しているという現実をまざまざと見せつけられて、思わず皮肉な笑いが漏れた。これならゆかりさんの言う通り、楽しんでやってる方が幾分マシだ。
(……それに、練習って言ったってゆかりさんだってやっている最中に自分以外の事を考えられるのは気分がいいものじゃないだろうし)
と考えてはみたものの、正直ゆかりさんの本心は分からない。
辛うじてころころ変わる表情の裏に、彼女が言った通り『あかりと自分が上手くいくようにする』――ひいては『与えられた仕事を達成する』という一貫した目的が察せられる程度だ。
自我個体は自身が作られた目的を存在意義とする、というのはあかりの様子から本当なのだろう。だが、それを差し引いてもゆかりさんはあまりに手段を選ばなさ過ぎな気がする。
目的が全てというより、目的以外は全て手段に過ぎないというように。
(ああ、そうか)
今更ながら、ゆかりさんのそういう所が苦手だったのかもしれない。
表情すら道具として使っているような、本心や本音と言ったものをまるで感じさせない所が。
……言い方は悪いが、自我個体らしくないとすら思えてしまう。
そもそも自分とセックスすること自体、ゆかりさんはどう思ってるんだろうか。もし、本当にただ仕事の一環としてなら、それで自分だけ気持ちよくなるのは――
「――はっ、また言い訳か」
いつの間にかまた言い訳になり始めているのに気づいて、思わず失笑する。
ゆかりさんがどうであれ、自分の意志で彼女とセックスすることに変わりはない。
これ以上悩んでもどうせ同じような堂々巡りになるだけだ。だったら楽しんで……は無理としても、せめて、余計な事を考えないくらいは出来るだろう。
「よしっ」
パシッと頬を叩いて脱衣所を出て、寝室へ続くドアを開ける――と、
「んぅっ……あっ……」
そこでは一糸まとわぬ姿になったゆかりさんが、右手を胸に、左手を秘所に、大股開きで自らを慰めている最中だった。
……いやぁ、ドアを開けるまで全然気づかなかった。思ったよりここ防音性がいいんだなー……ではなくて。
「いや、ゆかりさんが自分でやってたら練習にならなくない?」
「んんっ、そんなことは、ないですよっ……。弟くんは優秀みたいですからね、前までやったところをもう一回する必要はないだろうと思って、んくっ、こっちで準備してって事です。今日のメインは、こっちですから……はぁっ」
熱い吐息交を吐き出したゆかりさんは手を止めると、改めてこちらに腰を突き出し、臆面もなく秘裂を両指で割り開いた。
ぬちっ――
自慰による刺激で既に濡れそぼった秘所は、赤く色づいてひくひくと小さく痙攣している。
当たり前のことだが女性器も人、もといボスロイドによって大分形が異なるようだ。ゆかりさんは体型もスレンダーだからだろうか、大陰唇の肉付きは薄く、全体的に小ぶりな印象を受けた。
「……どこかおかしいですかね? 申し訳ないですけど、他の方と比べるなんて機会がないもので」
「ああいや、そういう訳じゃなくて……ちょっと見入っただけだから」
思わず無言でまじまじと観察してしまっていたらしい。
「もう……別に童貞じゃあないんですから、見慣れてるでしょうに」
「いや、まあ、そうなんだけど……」
それでもやっぱり普段まじまじと見るようなところではないからか、気づけばついつい視線を吸い寄せられてしまう。
「ふふっ、全然目逸らせてませんよ? ……まあ、目を逸らされるよりは見たいと思ってもらえる方がいいですけどね。折角ですし、おまんこの構造でも確認しますか?」
「ぶほっ、おまんこって……」
あまりにも直接的な表現に思わず咽る。が、ゆかりさんは気にした風もなく首をかしげただけで。
「もしかして、おめこの方が興奮します? それともまんこ派ですか?」
矢継ぎ早に形のいい唇から女性器の俗称が飛び出すさまは、なんだか現実離れしてて妙にエロかった。そんな事言わなそうなのに……という一種のギャップ的なものなのだろう。
「ふむ、やっぱりおまんこ呼びが一番反応がいいと思うんですけど」
エロ考察に耽っていたせいで気づかなかったが、どうやらゆかりさんはこちらの半身にじっと注目していたらしい。
「いや、そんな呼び方一つで変わる訳……」
「そんな事無いですよ、弟くんのここは露骨に一番興奮してましたから。『おまんこ』って呼んだ時に」
ビクンッ――
今度ははっきり肉幹が跳ねるさまを目撃してしまった。
「ね?」
「……はい」
愚息の失態に思わず両手で顔を覆うと、ゆかりさんが少し咽そうになりながら笑った。
「あははっ……ちょっと、なんで弟くんの方が恥ずかしがってるんですか。客観的に見れば、私の方が恥ずかしい状況だと思いますよ?」
言われてみれば確かに、ゆかりさんは自分の秘所を開いて見せている訳で……こっちだけ恥ずかしがってる訳にもいかない。顔に当てていた手を彼女の太ももへと伸ばし、屈んで秘所へと顔を近付ける。
「どうですか、ゆかりさんのおまんこは?」
「いや、どうって言われても……」
より見やすいようにという事だろうか、ゆかりさんは花弁を改めて押し広げてくれる。
改めて見ると彼女の秘所は全体的に赤味が強い。(黙っていれば)瀟洒な外見に反して、情熱的に咲く南国の花の様だ。
「――どこか変なら、遠慮なく言ってくれていいんですよ?」
「ああいや、そんなことは全然。ただ……その、エロいなって」
「別に気は遣わなくていいんですよ? ちゃんと挿入できるくらいには興奮出来そうですか?」
「興奮て……いや、まあ……はい」
そんな冷静に言われると逆にこっちまで冷静になりそうなんですが。
……尤も、少しくらい冷静になった方がいい程度にはガチガチなんだけど。
「それなら良かったです。でも、いきなり挿入しちゃ駄目ですからね? ヘタレて挿入までこぎつけれない弟くんの為に、今日はおまんこを直接愛撫する練習から初めてもらうつもりだったので」
「いやヘタれては……いるな」
前までは普通に出来ていた――と反論しようとして、そういえばパッチがあったなと思い出してトーンダウンする。
「そうですよ、あかりちゃんは入れていいって言ってたんですから、色々考えず欲望に任せてれば――って済んだことに対して言ってもしょうがないですし、弟くんだってそれが出来れば苦労は無いでしょうからね。なので、ここはいっそ弟くんには女の子をドロドロに蕩かせるようになってもらおうかな、と」
「いやいや、ドロドロて……」
流石に冗談だよなと視線を彼女の顔の方へ上げるも、彼女は至って真面目な表情で続ける。
「だって弟くんはあかりちゃんが辛そうなのが嫌なんですよね? だったら、それを上回るくらいの快楽を与えれるようになるしかないでしょう」
「……成程?」
乱暴な気もするが、確かにそれ以外いい方法が思いつく訳でも無い。消去法的に頷くと、ゆかりさんの脚が後頭部の後ろで交差され、秘所までの距離が一層近づけられた。
「それでは改めて、おまんこの愛撫の仕方から行きましょう。前回はパンツの上から触ってもらいましたけど、やっぱり敏感な場所ですから、最初は舌でペッティングするのがおすすめです」
「クンニからって事ね、了解」
目についたクリへと舌を伸ばしかけて――ふと思いなおし、小陰唇の付け根をへくすぐる様に優しく舌を滑らせる。
「ひゃっ……!? い、いきなりそんなところからですかっ?」
「いや、だってこの間敏感な所だけじゃなくてその周囲もって言ってたからさ――れるっ」
答えながらも敏感な部分は避けつつ、重箱の隅をつつくような感じで舐め続ける。
「んぅぅっ、あっ……そ、でしたねっ。早速活かしてくれてるみたいでっ、ゆかりさんもっ、嬉しいです……ひぅっ」
今度は口を大きく開いて大陰唇全体を大きく舐め上げた。産毛すらないハリのある滑らかな肌は、舐めているこちらも心地がよい。感触を愉しむようにそのまま数度ゆっくりと舌を這わせていると、後頭部を圧される力が強くなる。
「もぅ……焦らすのも確かにいいですけど、そろそろもっと分かりやすい所もっ……ね?」
そう言いながらゆかりさんはクリトリスを強調するように、大陰唇へ添えた指へと力を入れる。遠回しなおねだりと遠慮がちに顔を覗かせる肉芽に、下腹で欲望が熱を帯びる。
誘われるまま舌を女核に伸ばして、掠る様に素早く舌先を跳ねさせた。
ビクン、とゆかりさんの腰が小さく跳ねる。
「あぁっ……! んぅ、もう少しっ、優しく舐められると思ってたんですけど……っ」
「そっか、じゃあ今度はご要望通り優しくするから」
「んっ……別にこのままでも十分気持ちは、いいんですよ……?」
そうは言われても、女の子をドロドロに蕩かせられるようになるために練習しているのだから、少しでも要望には答えた方がいいだろう。現に舌の動きを変えてから、嬌声のトーンが上がっている。
「んくっ――はぁっ、やっ……!」
ゆっくりと飴を転がすようにして舐めまわすと、一段高い悲鳴と共に、ぐっと後頭部を秘所に向けて押し付けられる。
「あっ、息、かけるのは……や、んっ、くふぅんっ……」
息がかかっているのは主にゆかりさんが押し付けているせいだと思うのだが……まあ、それだけ余裕がない状態に出来ていると思えば悪くはない。
細い脚が快楽に震えるのを後頭部に感じながらそのまま舌を蠢かせていると、とろりと粘液が顎を伝う。
自分の唾液かと思って拭う為顔を離すと、ゆかりさんの膣口がパクパクとおねだりするように開閉を繰り返しており、その度毎に大量の愛液が湧きだしていた。
「っ――もう……駄目です、はぁっ、性急すぎです」
と、刺激が止まって話せる余裕が戻ったのか、ゆかりさんがこちらを睨みながら文句を言って来る。
「駄目だったか? 言われたみたいに、女の子を蕩けさせるつもりでやってみたんだが」
「……いえ、そういう意味では駄目じゃないですけど……。今は教えられてる側なんですから、勝手な事をされたら困るという意味です」
「……それもそうか、悪い」
本来の目的を忘れかけていた事を謝ると、「まったくもう……」とため息交じりに荒い息を整えて、ゆかりさんは後頭部の拘束を外した。
「確かにクリトリスは性的な快感を感じやすい部分ですけど、弟くんの目的は入れる事なんですから、そこだけで終わっちゃ駄目なんですからね。膣の方も愛撫してみてください」
無言で頷いて、今度はしとどに果汁を溢れさせる膣口に舌を伸ばす。
「はあぅっ――んんんっ!」
ちゅぷんっ――舌先が窄まりに接した瞬間、膣襞が招き入れるように舌を奥へと引っ張りこむ。様子見のつもりだったのに、思いっきり舌全体でゆかりさんの膣内を味わう形となってしまっていた。
熱々の膣襞が舌に吸い付いて、締め付けられる。鋭敏な舌先から肉襞の詳細が鮮明に脳裏へ刻み込まれ、期待に肉棒が一層滾る。
もっと詳しくどうなってるのか知りたい……そんな下腹部の衝動の赴くまま膣内をマッピングするように舌を捩じりまわしていると、ゆかりさんの酷く切なげな声が降ってきた
「あっあっ、あ……っ。もうちょっと奥、お腹側まで、入りませんか?」
試そうにも、もう舌は全力で突き出されていて根元が少し痺れる程だ。それでも心底もどかし気な彼女の要望に応えるべく、攣りそうになりながらも舌をさらに伸ばしてみる。
「あとちょっと……っ、やっ、もう……少しッ」
だがそれでも彼女の求めるとこまでは届かなかったらしい。中途半端さに苛々したような、苦しいような嬌声と共にゆかりさんの太ももが痙攣する。
「ちゅぷっ――悪いけど、舌だとあれが限界だから指でいいかな」
珍しく心底懇願するような震え声に、思わず舌を引き抜き彼女の顔を見上げると、紫の瞳は切なげに細められ、潤んでいた。
「そうでしたか……。分かりました。十分濡れてますし……大丈夫だと思います」
快楽に蕩けそうになりながらも、なんとか普段通りの話し方を保とうとしているのが、頑張って教えてくれようとしているみたいでいじらしい。
(何考えてるか分かりづらくて苦手なのには変わりないけど、真っすぐっぽい所とか……悪い人ではないんだよな)
手段を選ばないきらいがあるだけで、根は真面目なのだろうか。ふとそんな考えが頭を過ったが、ゆかりさんの潤んだ瞳が視界に入って思考を戻す。
さっきまでは仕方なかったとはいえ、これ以上は本当に焦らしていることになる。
「じゃ、入れるぞ――っと」
指を入れた瞬間ふやけそうなほどの熱に包まれた。舌より指の方が体温が低いせいか、それともより奥まで届くせいか。どちらにしろ、彼女の要望通りの場所まで指がたどり着く。
他の膣襞が複雑にくねって絡みつくような中、動きが少なくざらりとした感触。でも圧すとぷっくり指を押し返してきて――と、その瞬間ゆかりさんの脚がピンとつま先まで一直線に跳ねた。
「はぅっ……! はっ、はっ……はぁっ、そこ、がっ――んんっ」
「……Gスポット?」
声が詰まったゆかりさんに代わって言うと、彼女は目を優しく細めて頷く。
「はぁ……何だ、知ってるんじゃないですか……っ」
「……まあこれ位は」
確かエロ漫画辺りで知った記憶がある。あかりを部屋に上げた際に封印しっぱなしのコレクションにまだあるはずだ。
「人によって場所はちょっと違うので……そこはあかりちゃんの反応をしっかり見て判断してあげて下さいね? んっ、後は触り方も、擦るって言うより優しく小刻みに叩くように――くぅんっ、はぅっ……んっ、そ、です」
トントントン――内側からクリトリスの裏を押すように指を動かすと、それに合わせてドクドクドクっ――と愛液が指と穴の隙間から染み溢れる。
まるで雌蜜を分泌させるスイッチみたいに敏感な反応に、思わず内心が口に漏れた。
「……ゆかりさん、こっちの方は素直なんだな――あいたたたっ」
「どういう意味ですか、それは」
すぐさま頬の両側を太ももでぎゅーっと絞められた。と言っても実際にはそこまで痛くは無かったのだが。
「全く、余計な事は言わなくていいんです! ……それはさておき、場所も知ってましたし、最初の触り方だって特段乱暴だったとは思わなかったんですが、あかりちゃんにはしてあげなかったんですか? それとも、あかりちゃんの方が感じにくいんでしょうか……?」
「あー……その、恥ずかしながら久しぶりという事もあって全然そこまで気が回って無かったな……」
今思い出すと失敗した時は、久しぶりで溜まりすぎていたせいか逸りすぎていた。あかりも気持ちよくなって欲しいとか言いながら、行動が伴ってないというか。
嫌味を言われるだろうかと気まずさに目を逸らしたものの、ゆかりさんはふむ、と顎に人差し指を当てて考え込んだだけだった。
「成程、だったらやっぱりついでに一回しっかり抜いたほうがよさそうですね」
抜く――期待に肉茎がビクンッと蠢動した。
「ふふっ、もう我慢できない、って感じですね♪ 弟君こそ、ここは素直で可愛いですよ?」
そんなところを可愛いなんて言われるとは思わず、顔に血が上る。
さっきの意趣返しだろう。唇に薄い弧を浮かべたゆかりさんは、上体をおこして先端をちょんっ、とつつきながら唇で弧を描いた。
「~~っ、こんなの可愛くもなんともないだろ。ああもう、入れるからな!」