※この作品はR-18です。

お隣りゆかりさんとのセイカツ!!   作:真喜屋五木路

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※十二、実践演習

指を引き抜き、すらりとした太腿を掴んで腰同士を寄せる。そしてそのままいつものように粘膜を触れ合わせようとしたところで、ゆかりさんが慌てたように手を突き出した。

 

「あっ! ちょっと待ってください……はい、ゴム付けてないですよ?」

「え? あぁ……」

 

ゆかりさんはベッド脇のナイトテーブルへもう片方の手を伸ばすと、銀色の薄いパッケージを手渡してくる。

普段あかりとする時はゴムを付けるなんて選択肢がそもそも無い物だから、存在自体を忘れていた。面食らいながらも、促されるままに封を切る。

 

「なあ、もしかして……ボイスロイドも妊娠とか、するのか? 今まであかりとずっと付けずにやってたんだけど」

「いえそれは大丈夫ですよ。ボイスロイドが如何に人間らしく見えると言っても、人間ではないですから」

「……そうか」

 

安心したような、少し残念なような感情に、中身を取り出したところで手が止まる。

 

「……言っときますけど、妊娠しないからって使わなくていいとか、やめてくださいよ? 後処理が面倒なんで」

「いやいや、勿論ちゃんと付けるから――って、すまん。どっちが外だっけ?」

「……うわぁ、そうやって『分かんないから付けずにやってもいいよね?』って嫌がってる私を押し倒して中出しする気なんですね……弟くんの鬼畜」

「違うから! 冤罪! 間違って付けて外れたりしないように聞いてるんだって!」

 

誤解を解こうとだんだん大声になっていく抗議を、ゆかりさんは途中からくすくす笑って聞いていた。

 

「ふふっ、冗談ですよ、冗談。膨らんでる方を外にしてくるくるーって……そうだ、最初ですし代わりにやってあげましょう」

 

言うが早いか彼女はコンドームを受け取り、先端にぴとりとくっつけた。

ラップみたいな薄い膜越しに、彼女の指が亀頭をくすぐる。

 

「もう、そんなにビクビクさせたらずれちゃうじゃないですか」

「いや、だってこんな――っく」

 

巻かれたコンドームの端を伸ばそうと、小刻みに人差し指と中指が先端から根元まで陰茎をマッサージしていく。余計海綿体に血が集まり、小さな皺が浮いていたゴムの表面が突っ張って、鏡のように薄明かりを照り返す。

 

「――これで良し……はい、お待たせしました。どうぞ」

 

優しい刺激に意識が浮いていたのだろう。ゆかりさんの声で我に返ると、既にゴムを付け終わった彼女が、M字開脚で秘所を広げていた。

 

「じゃあ、いくぞ……」

 

両太ももを掴んで先端を入り口へとあてがい、腰をゆっくりと押し出す。が、ゴムのせいだろうかなかなかすんなりと入っていかない。

 

「んっ……あっ……」

 

ゆかりさんは直接文句こそ言わないものの、押し殺された切なげな声が、焦らすなと催促しているようで。

 

「――悪い、ちょっと強めに行くから」

 

一旦肉槍を構えなおし、太腿を掴んでいた片手をゆかりさんの腰に、もう片方で竿を支えてしっかりと狙いをつけて――

――ずにゅるるっ、ぷちゅん!

 

「んんんんぅっ! ――はぁっ、はっはっはっ……」

 

勢いをつけすぎた。

軽く先端が入るだけで良かったのに、蜜壺の底を割りかねない勢いで彼女の奥を穿ってしまう。

ゆかりさんも背筋が折れそうなほどに逸らしていて、玉のような汗がうっすら筋肉の浮いたお腹を滑り落ちた。

 

「くぅっ――ごめっ……加減、がっ……」

 

けどしまったと思えたのは一瞬で、陰茎から昇ってくる熱を帯びた粘着感が、快感の津波となって思考を押し流す。

ゆかりさんの膣内は突然の侵入にびっくりしてか、歓迎するというより圧し潰して、捩じ切ろうとするかのように反撃してくる。

尤もその程度の抵抗、獣欲でパンパンに張り詰めた雄の象徴の前では、仔犬の甘噛みみたいに無力などころか逆に極上の快感を与えて来るだけなのだが。

 

ただ少しでも動けばその瞬間射精してしまいそうで、抜くどころか動くことも出来ず、腰を戦慄かせながら暫く快感に耐えるほかなく。

漸く正気に戻ったのは頬に痛みを感じて、それが抓られていると分かってからだった。

 

「はっ、はっ、はぁ――弟くんのドS、鬼畜、強姦魔……」

 

いつの間にか閉じていた目を開けると、ゆかりさんが真っ赤になった頬を膨らませながら睨んでいる。

 

「う……すまん、そんなにか?」

「感覚初期化してるんですから、実質処女みたいなものだったんですよ? それなのにいきなり突っ込むとか……言っときますけど、今弟くんがほっぺたに感じてる痛みの数倍、数十倍は痛いです」

 

言いながらゆかりさんはぎゅーっと一際強く頬を引っ張ってきた。

 

「ごめん、そんなつもりは無かったんだけど勢いが付きすぎて……一回抜こうか?」

「……この状態でヌくとか、弟くんは自分が気持ち良くなることしか頭にないお猿さんですか?」

「そっちのヌくじゃないから! ああもう、ゆっくり抜くからな?」

 

名残惜しさを感じながらも熱々の粘膜洞から半身を引き抜こうとして――頬を引っ張っていたゆかりさんの手が腕を掴んだ。

 

「待ってください。弟くんはこの状態からあかりちゃんを感じさせなきゃいけないかも、なんですよ?」

 

引き抜こうとした腰が止まる。

――そうか、今まで入れても大丈夫なよう感じさせることばかり意識していたけれど、前戯と挿入はやっぱり違う訳で。

 

「だから、ちょっと予定とは違いますけど……痛い状態からどうやって感じさせれるか、その練習と思って続けませんか?」

「いや、けど……それじゃゆかりさんが……」

 

だが、彼女は逆にニッといつものいたずらっぽい笑みを浮かべて。

 

「何で弟くんの方が辛そうな表情を浮かべてるんですか。痛いのは私ですよ? それに言ったじゃないですか、私にとって痛みは苦痛ではないですから」

 

そういえば前回もそんなこと言っていた。酔ってない今なら、なんとなくそれが意味する事は分かる。

例えるなら怪我をしたら、どこがどの程度怪我をしたのかは分かっても、その痛みに苦しむことは無い――おおよそそんなところだろう。

だが、理解はできても納得は出来ない――けれど、ゆかりさんがここまで言ってくれてるのにやらないのは……。それに、ここで続けられなければあかりの時も……。

長々とした逡巡の間、重い口を開く。

 

「……分かった。その代わり、どうすれば気持ちよくなれるか遠慮せずに言って欲しい」

「勿論です。弟くんにとっては好きなように動けなくてじれったいかも知れないですけど、頑張ってくださいね?」

 

ゆかりさんは満足そうに頷いて、腕から手を離した。

 

「それでは、さっき確認したGスポットを刺激するみたいに浅く抽送してみてください」

 

意識を下半身に向けると、入れっぱなしで少し馴染んできたのだろうか。膣壁は相変わらず噛みつくように力強く締め付けていたが、先ほどと違って排除しようというより締め付けてくるような感じに変わっている。

ゴムが引っ張られて取れるんじゃないかとひやひやしながら陰茎を亀頭近くまで引き抜き、浅く突き返す。

ちゅく、ちゅく、ちゅくっ――

控えめな水音が薄暗い部屋に響く。

 

(これはっ、これで――)

 

確かに根元から先端まで膣襞でしごき上げる時の、ダイナミックな快感は無い。けれどその物足りなさと、竿の根元が冷たい外気に晒されていることで、逆に亀頭が敏感になっている気がする。

膣壁の小さな肉粒をつぷつぷっ、と掻き分ける感触。火で焼かれていると錯覚する程の熱さ、突き入れるたびに増えていく愛蜜のぬめり、それらが脊髄を駆け上がって脳を快楽に浸す。

もし、コンドームをしていなかったら既に暴発してしまっていたかもしれない。

練習だという事を忘れて、自分勝手に腰を振って快楽を貪りたい気持ちを噛みしめながら、ゆかりさんに確認する。

 

「――これで、どうっ?」

「んっ、あぅっ……もう少し、くふっ、お腹側、押すみたいにっ……」

「こうっ……か?」

 

ゆかりさんの腰を掴む手に力を入れて少し浮かすよう、逆に自身の腰は少し落として突き上げるように意識して――と、掴んだ太ももがふるふると小さく戦慄いた。

 

「んぅっ! あぁっ、やっ……ん――――ッ!」

 

ゆかりさんは唇を引き結んで声を押し殺す。だが、赤らんだ頬と握りしめられたシーツ、そしてそれ以上に快感へ蕩けて細められながらも見つめてくる瞳が、はっきりと快感を物語っていた。

ちゃんと感じさせられている……そう安堵すると、思い出したように興奮が湧きだす。

 

「……ペース、上げてくからな」

 

確認ではなく宣言して、抽送を加速する。

しかし腰を低くしているという不自然な体勢も相まって、腰遣いが荒々しくなりそうになっては落ち着かせようと減速し、また速度を上げようとして――もどかしさだけが募っていく。

 

(くそ、もう少しスムーズに動ければもっと気持ちよくなれそうなのに――)

「――いいっ、ですよ?」

 

ゆかりさんの声に、接合部に集中していた視線を上げると、彼女は快感に眉を垂らしながらも優し気な笑みを浮かべていた。

 

「溜まってて、んっ、上手く動けないんですよね? 順番、前後しちゃいますけど、集中して練習できるよう、一回好きに動いていいですよ?」

「――いや、でも……そんな……」

 

ゆかりさんは大丈夫なのかとか、気遣われるほどぎこちなかったのかとか、色々聞きたいことが頭を過る。

しかしそれを聞く前に、逸った腰が勝手にゆっくりと動き始めていた。体の支配権は脳から下半身へととっくに移ってしまっていて、今更何を言ったところで説得力も何もない状態だ。

 

「すまん……本当に、いいんだな?」

「大丈夫です。遠慮なく、それこそオナホだとでも思って好きに犯しちゃってください♪」

 

瀟洒な美人が、汗だくになって笑みを浮かべながら、自身を性処理道具として扱っていいと言っている。

 

「あ、オナホなんですから『犯す』じゃなくて、ヌく、って言った方が良かったですか?」

 

徴発するように悪戯っぽく出された舌が、理性を溶かして本能を剥き出しにさせた。

腰を大きく引いて――後はもう、止まらない。

 

「ひぅっ……?! んやっ、あっ、凄いっ……我慢、してたんですねっ……! 激しっ、んんっ、あっ……奥まで、抉られて……っ、んうぅっ!」

 

ただひたすら、自分が気持ちよくなるためだけの抽送。どこが感じるかなんてのは一切考慮せず、自分が擦りつけたいところに擦りつけ、突きたいところを突く、蹂躙するようなセックス。

すっぽ抜けない限界ギリギリまで抜いた肉槍をくまなく膣口に絞らせ、膣壁の小ぶりな肉粒を潰すように圧し擦り、本能が求めるままに最奥を、子宮口を文字通りに犯す。

 

「う、ヤバっ……すっごい気持ちいい……っ」

 

久々に感じる膣内でペニスを扱く感触に、どんどん抽送は加速していく。

 

「んぅっ、あっ、ゴリゴリ来て……っ、身体の内側からっ……んっ、削られてるみたいっ……」

 

眉をハの字に歪めながら、ゆかりさんがうわごとの様に呟く。けれど、削られているみたいなのはこちらも同じだ。

遠慮なくぎゅうぎゅう締め付けてくるゆかりさんの膣内を往復する度、敏感なエラの裏がぞりぞりと擦られて暴力的な快感が生み出される。このまま続けていたら肉棒を全部削り取られてしまうかもしれない……そんな恐怖すら湧いてくるほどの快感に、だが、腰はいよいよ止まらなくなる。

 

「ゆかりさんこそっ……締めすぎで、こんなの長く持たない……っ」

「はぁっ……いいじゃ、ないですかっ……今、してるのは、んあっ……弟くんの、溜まりすぎた性欲を『処理』してるんですから……っ」

 

そう言われると同時、今までも十分強かった膣圧が更にぎゅーーっと肉棒を締め上げた。

 

「がっ……!?」

 

精液が上りかけていた尿道があまりの膣圧で圧し潰されて、無理矢理精巣へと逆流させられるような錯覚。

痛もどかしい抑圧を何とかしようとより腰の動きは激しく荒く、抽送は遠慮のないものになっていく。

 

「あっ、やぁっ……まだ、激しくっ……」

「だってっ、ゆかりさんが……締めるからっ……」

 

言い訳にもなってない言い訳を口にしながら、ゆかりさんの腰を捕まえる手にますます力を込める。腰骨の形がはっきりわかる程の強さに、流石の彼女も少し眉根を寄せた。

 

「んんっ、それはちょっと……あっ、痕が残っちゃうかもっ、なのでっ……」

「あっ……悪い」

 

慌てて手を離して、ついでに一度落ち着こうと腰も離そうとしたところで、ゆかりさんの脚が腰に巻きついた。

 

「ふふっ、そこまで慌てなくても、んっ、大丈夫です。ちゃんと弟くんがすっきりするまで……はあっ、付き合いますから……」

 

自分本位に犯されて尚、献身的な笑みを浮かべるゆかりさんに、精液がマグマのように泡立つ。引き抜きかけた肉槍が、ビクンと大きく脈動する。

 

「ゆかりさん……っ!」

 

バチュンッ!

 

「んひゃぁっ!」

 

腰を脚で固定してもらっているのをいいことに、閉じかけていたゆかりさんの膣洞を引き剥がすように突きこんだ。突然の衝撃に、ビクビクとゆかりさんの四肢が戦慄く。

 

「んく――ッ……もぅ、仕方ない弟くんですね……っ」

 

ゆかりさんは目を眇めてそう言いつつも、より動きやすいよう手で体を支えて腰を突き出してくれる。

 

「この体勢だとっ……本番の時も、暴走しちゃうかも、あふっ、なので……後でちゃんと、練習も、しましょうねっ?」

「ああ……勿論……っ」

 

悲鳴を上げるように大きく軋むベッドの音に紛れて、そんな会話を交わしたのを最後に、あとはもう無言で快感を貪った。

控えめだった接合部の水音はいつの間にかバヂュッ、ヂュパッ! と派手な音へと変わり、部屋に漂っていたどことなく甘いエキゾチックな香りは、汗と愛液の香りが混じって鼻の奥を痺れさせる催淫香へとなって脳を侵していく。

陰茎だけでなく全身を快感が蝕み、燻り溜まっていた性欲はあっという間に限界を迎えた。

 

「くぅっ、そろそろっ……出そう……っ」

「んんっ、それなら、ひゃうっ……弟くんの、好きな場所で……っ」

 

そんなこと言われたら、出す場所なんて決まっている。

 

「なら、奥でっ……!」

 

そう言いながら汗で滑る細腰を掴みなおすと、ゆかりさんも答えるように腰へ回した脚へと力を入れてくれた。

仙骨越しに腰裏から、奥に溜まった精液を押し出されるような錯覚に意識が白み――

――ぶびゅっ、びゅるるっ、びゅぐっ、びゅぷっ!

 

「ひぅっ……! あっ、んんんっ……しゅごっ、熱、いぃっ……!」

 

ゆかりさんの甲高い悲鳴が部屋中に響く。

久しぶりの膣内射精。

溜まっていた欲望の澱が爆ぜて飛び散るかのように、腰の奥から噴き出した。奥底で熟成され、液体と言うより固体となった白濁が尿道を駆け上る感覚に、思わず呻いてしまう。

 

「あぁっ……くぅ、キツっ……絞られ、るっ……」

 

もう痛いのか気持ちいいのかすら分からない。

 

「やっ、あぁっ!? ゴムしてるのにっ、ひぐっ……奥、叩かれてるぅっ……」

 

震える声に、天井を仰いでいた視線を落とすと、先ほどまでこちらをしっかり見ていたゆかりさんが、顔を真っ赤にして目をきつく閉じていた。内側からあふれんばかりに浴びせられる刺激に耐える為に。

意識が朦朧としているからか、耐えているのが快感なのか苦痛なのかは分からない。けれど。

 

(ゆかりさんも……せめて、気持ちよくなってくれたら――)

 

射精が止まり少し冷静さを取り戻したところで、そんな考えが頭を過った。

一拍遅れて、自嘲が唇を歪める。

 

(――なんてな。もともとは自分があかりと上手くいかなくて……それで練習なんてことになってるのに、もうこれじゃ練習ですらないな)

 

終わってしまったからこそ、自分が本能だけに任せて腰を振っていたことが重く背に圧し掛かる。

今までは練習だという言い訳があったのに、自分が気持ちよくなる為にここまでやってしまってはもはや言い訳にもならない。

あかりに対する罪悪感と、ゆかりさんに対する申し訳なさ。

疲れた体がそんな後悔で鉛のように重くなって倒れ込みそうになった瞬間、びしっ! と額に軽い痛みが走った。

 

「――ほだぁっ!?」

 

なんだか最近よく感じるこの痛みは――意識を眼前に戻すと、案の定ゆかりさんが頬を膨らませてジト目でこちらを睨んでいた。

 

「……駄目ですよ、そんな顔されたらこっちまで気分が下がってくるじゃないですか」

 

言われて、自分がくしゃくしゃにしょぼくれた表情をしているのに気付き、誤魔化すように愛想笑いを浮かべる。

 

「ごめんごめん、ちょっと考え事しちゃってさ」

「……まあ、今は私が相手だから別にいいですけど。出したら出しっぱなしで終わりの男性と違って、女性にとってはセックス後のピロートークも、余韻に浸る為の大事な時間なんですからね?」

 

男性の快感は高波、女性の快感は満潮……そういえばそんな事を聞いたことがある気もする。少し想像し辛いが、男で言うならイく時に相手が落ち込んだ表情をしているのと同じ……なのだろうか。兎も角いい気分がしないのだけは確かだろう。

 

「あー、そりゃ悪かった」

 

と謝ってはみたものの、かと言ってこういう時に何をすればいいのかなんて知らない訳で。ピロートークと急に言われたって、世界的暗殺者の漫画で乱れる女性を横に、主人公が無表情に横たわっているシーンしか出てこない。

 

「……後戯はゼロ点ですね、折角本番は悪くなかったのに、これじゃあ赤点です。まさか、あかりちゃんともそんな感じで出したらハイ終わり、なんて淡泊なんじゃないでしょうね?」

「いや違う! 急に言われても出てこないだけで――!」

 

身体を起こして抗議しようとしたところで、ふと気付く。

 

「本番は悪くなかったって……ゆかりさんも気持ちよくなれてたって事?」

 

さっきも余韻に浸る為と言っていたが、余韻に浸る為にはその前に本番が良くなければそもそも余韻だって無いわけで。

 

「……弟くんって、鋭いのか鈍いのか偶に分からなくなる時がありますね」

「いや、そんな鋭いとは思わないけど鈍くは……ない、よな?」

「自分の胸に手を置いてよく考えてください」

 

それ以上は何も言わず、ゆかりさんは仕方ないという風にふぅ、と息を吐く。

そんなに鈍かったのか……? 今まで漫画やアニメの主人公を笑って見ていたけど、その資格は無かったという事か……?

悲しい事実にショックを受けているこちらをさておいて、ゆかりさんはよいしょと身体をずらしてペニスを引き抜いた。

 

「へぇ……思ったより精液って量が多いものですね。それとも弟くんが多い体質なんでしょうか……?」

 

本体と連動して凹んでいる半身からゴムを外して、ゆかりさんはまじまじとその中身を観察しはじめる。ゴムなんて普段使わないから比較が出来ないが、確かに言われてみれば目分量でもいつもより多いような気がした。

 

「いや、いつもより多いと思う」

「成程、それなら多少すっきりしてもらうという目標は達成できたわけですか」

 

満足そうな笑みに、思わず心臓が跳ねる。精液を貰って喜ぶ女の子という状況は、予想以上に本能へとダイレクトな満足感を与えてくるらしい。

ゆかりさんはしばしゴムを弄んだあと、口をきゅっと縛ってゴミ箱へと放り投げ、新しいゴムの銀袋を手に取った。

……うん?

 

「では余裕も出来た所で、次はちゃんと練習してもらいますからね」

 

言われて、自分の下半身に視線を落とす。一回出した直後のそこは、当たり前ながら全然元気がない。

 

「……いやいや。ちょっと、ちょっと待って、そんなすぐに二回目は……」

「何ですか、私ではそこまで乗り気になれませんか? あかりちゃん相手には最高四連戦まで行ったと聞いてますけど」

 

プライバシーも何もあったものじゃなかった。

 

「あかりいぃぃぃ……く、おぅっ……?!」

 

恨み交じりの叫びを上げかけた所で、突如肉幹にぞわりと刺激が走る。

見れば、ゆかりさんはこちらの様子などお構いなしと言った感じで、ゴムを付けようと半ば事務的に肉幹をしごき上げていた。

 

「さぁさぁ、時間は有限です。さくっと勃てて、さくっと練習しましょうね?」

「いや、待って……男は一回出したらそんなすぐに――おぅっ!?」

「何言ってるんですか、これくらい。秘策も用意してるんですから、それもちゃーんと覚えて帰ってもらいますよ?」

「いや秘策って――お゛くぉっ……!!」 

 

――もしかしたらやはり先ほどの独りよがりなセックスは良くなかったのかもしれない。

その後、割と容赦なく敏感な肉槍へのスパルタ教育は続いた……。

 




と言う訳でようやく……よーやく、ゆかりさんとの初セックス。
ゆかりさんとのエッチシーンをお待ちの方、本当にお待たせしました。
初挿入まで10万字かけるとか、実質読み手への焦らしプレイでは……?
何はともあれここからエロエロ……にはなりませんが、よろしければお付き合いください。
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