そう言いながら尻尾を軽く引くと、あかりはふるりとお尻を震わせ、一瞬緊張した表情を浮かべた。しかしこちらがじっと見つめているのに気付いて、こくりと小さく頷く。
「はい……おにいさんの、したいように……」
「ありがとな、あかり」
くしゃりと軽く頭を撫でて感謝を伝えると、手綱を握るみたいにアナル尻尾を掴む。そのままゆっくり腰を動かし始めると、すぐにあかりの背筋が戦慄き始めた。
「はっ、あっ……何だか、中で尻尾と……おにいさんの、おちんぽがっ……擦れて、変な感じっ、んぁっ♡」
「ああ、こっちもいつもと感覚違うな。お尻の方からいつもと違う部分が圧されて、新鮮だ……っ」
恐らく尻尾の球がある部分なのだろう、いつもは軽く擦れるだけの場所が窄まって陰茎へ噛みつき、容赦なく快感を生み出してくる。これだけでも自然と腰の動きが早くなってしまいそうな程気持ちいい。
(――けど、折角あかりがこっちも触っていいって言ってくれたんだし)
握った尻尾をぎゅっと引いた瞬間、大きくあかりの背中がのけ反り、膣肉が痙攣したように締め付ける。
「あッ、出ちゃ――っ!?」
「うぉっ!?」
引っかかっていたアナルパールがぷにゅりと押し出され、少し遅れて弛緩した膣穴からどぷりと愛液が溢れた。
「んぁっ……ダメ……抜かれながら、突かれるのぉ……」
最早振り向くだけの余裕も無く鏡越しに抗議するあかりだが、その「ダメ」が否定を意味しない事は顔を見ればすぐに分かる。
「さっきいいって言ったのにもう駄目なのか?」
「そ、そうじゃ……ないけど……」
「……気持ちよすぎて駄目になりそう、って事だろ。鏡に映った自分の顔見て見ろよ?」
「? ……~~っ、やぁ……っ」
ぼんやりとした焦点が定まった瞬間、それまで眉根を悩まし気に寄せながらも、ぼんやりと夢見心地な眼で舌先をだらしなく口からはみ出させていた蕩け顔が、羞恥の赤に染まる。
「そんな恥ずかしがらなくても、可愛い蕩け顔だったぞ?」
「嘘っ! あんなだらしない表情、見なくていいからぁっ……!!」
あかりは顔をなんとか背けようと身悶えするが、両手を地面についたまま離せない状態では、胸を煽情的に揺らす事しかできない。これでは余計恥ずかしいと思うのだが、そう思い至る余裕も無いらしかった。
「嘘じゃないって、まるで小型犬みたいに舌突き出してるのとか、すっごく可愛いかった。だから――もっと見てみたいなって」
「えっ――んやぁあぁああぁっ!?」
ぬぷぷぷっ――と尻尾をギリギリまで引き抜きながら肉槍で奥を突きこむと、淫靡なソプラノが浴室内に響き渡る。
「あぁッ、それダメっ――出てるのか入ってるのかわからなくなってぇ……ッ♡」
「でも、それがいいんだろ? さっきから駄目って言ってるくせに、どんどん声甘くなってきてるぞ」
「あぅうぅぅっ、意地悪っ! おにいさんのいじわるぅうぅっ!!」
反響する嬌声はもう、未知の感覚に対する違和感や羞恥など混じらない純粋な快感一色に染まっていて、意地悪という可愛らしい罵倒も舌先だけなのが容易に分かる。
「仕方ないだろ? あかりワンコがこんなに可愛いから、つい意地悪したくなっちゃうんだよ」
「そんな事、んっ……言われてもっ……どうしたらぁっ……♡ はぅっ……」
「どうしたらなんて難しい事考えずに、あかりはいっぱい気持ちよくなってくれればいいよ。その方が嬉しいからさ」
それに、あかりの媚肉は喘ぎに合わせて熱く淫蜜を滴らせ、おしりを捩ってしっぽを揺らすたびに肉茎を締め上げる。つまりあかりを気持ち良くすれば良くする分、自分気持ち良くなるのだ。これほどまでに遣り甲斐のある報酬はない。
「それに、あかりは今日ワンコなんだろ? だったらワンコらしく我慢なんかしちゃ駄目だぞ」
「そんな……言われたってぇ……」
「あ、そうか。あかりは今尻尾抜けかけてるから、ちゃんとワンコになれるよう入れなおしてあげないといけないのか」
言いながら引き抜きかけていた尻尾を今度は押し込むと、にゅぽっ、ぷぼっと下品な音を立てながらアナルパールが飲み込まれていく。
「んんんんんんぅうぅっ♡ ――ひぁッ1?」
そして、今度は最後の球が入るのと同時に亀頭で奥を叩いた。
「うぉっ……これ凄いな、おまんこがイってうねってるだけだけじゃなくて、お尻の方から尻尾で圧されて……」
「んやッ!? そんな、入れたまま出し入れしちゃぁ……っ♡」
あかりは出し入れされる尻尾を押しとどめようと力の入らないお尻を振るが、今度は肉槍を入れっぱなしのせいで、自ら子宮口をぐりぐりと刺激してしまう事になる訳で。
「あっ……やぁッ……奥、むずむずして……っ」
もどかしい刺激にますます動きがぎこちなくなって、更に刺激がもどかしくなる。そんな物足りなさのスパイラルに藻掻いていたあかりだったが、とうとう痺れを切らしたように涙目でこちらを見上げた。
「~~っ、おにいさん……動いてっ、下さぃ……私、切なくてぇ……っ」
縋る様な潤んだ瞳は、まさに拾って下さいと訴えかける仔犬のようで。
奥まで差し込んだ尻尾を掴んでいた手を離し、両手でしっかりとあかりの細腰を捕まえなおす。
「……分かった、意地悪してごめんな? 今からはちゃんといっぱい可愛がるから――な、っと」
「あ――わうぅうぅぅッ♡」
こちらも我慢の限界とばかりに腰を突きこむと、同時にあかりも待ちかねたというように歓喜の声を上げる。
下の口もそれは同じで、遠慮なく喜悦が愛液となって湧き上がり、腰がぶつかるたびにお漏らししたみたいに爆ぜ散った。
「すごいな、こんな溢れて……っ、それだけ我慢してたんだなっ?」
「うんっ……だからっ……おにいさんも遠慮なくっ……激しくして、いいからぁ……っ! んやぁっ……あぁぁっ♡」
「言われなくても――ッ!!」
こっちだって一方的に責めているようで、敏感に反応するあかりの媚肉に余裕はとうに削られており、なんとか皮一枚で押しとどめているだけの状態だ。
刻一刻と迫る限界へ昇り詰めるように激しく腰を打ち合わせる度、快感に視界がちらちら白む。
「ひゃ、んうっ……おにいさんの、おっきくてビクビクして……もう、射精そうなんですねっ……?」
「あかりが、滅茶苦茶きゅうきゅう締め付けるからな……!」
「ならっ……んっ、何時でもいいですからっ……射精すなら、中に出して……っ、私がおにいさんの物だって……マーキングしてくださいっ……♡」
絶えず与えられる刺激に息を切らせながらも、健気にあかりはこちらへ肩越しに視線を向けて、お尻と尻尾を振った。
「っ! あかり――ッ!!」
そんなことを言われて燃えない訳がない。
トドメとばかりに大きく引いた腰をぶつけると、既に煮立って沸騰寸前だった精液が腰の奥で破裂した。
「ッ!? 射精る――!!」
「んぅぅッ――ああぁぁあぁああぁぁあッ♡」
どくんッ! どびゅるるるぅッ!!
視界がぼやけて白一色に染まる。
そんな快感しか存在しない意識で尚、過去一番だと断言できるほどの白濁が迸るのが分かった。
――――
「その……あかり、本当にごめんッ!!」
それから暫くして、深く長い快感から意識を取り戻した時に湧いて来たのは快感と同じくらい深い賢者タイムと――後悔だった。
あれ、これいきなり大分ヤバい性癖をいきなり強要したんじゃね? と。
汗と愛液と精液と――人体から出るあらゆる分泌液で汚れた浴室の床をシャワーで流すや否や、頭をそこへ叩きつける。
が、あかりはいつも通りの優しい口調で。
「そんな土下座なんてしなくていいですから」
「いや、あかりがコスプレしてくれたからって、途中からあかりの意思も確認しないで嫌われてもおかしくないことをお願いしてしまって……ほら、お尻に尻尾入れたり、そのままセックスしちゃったり……」
「わ、わざわざ言わなくていいです!!」
羞恥で早口になりながらもあかりは続ける。
「今回のはそもそもお兄さんに喜んでもらおうとやった事ですから! だから……確かにすっごく恥ずかしかったですけど……でも、そういうプレイがあるっていうのも一応知ってましたし……だから大丈夫では無いけど大丈夫というか……。と、兎に角! おにいさんは嫌じゃ無かったですか?」
「いや全然ッ! むしろすっごく良かったというか、そのせいでタガが外れたというか……」
それだけは本心からだという事を伝えたくて、思わず顔を上げると、未だ犬耳をつけたままのあかりが柔らかく微笑んだ。
「良かった……ダメって言っても止めてくれませんでしたもんね?」
「うっ……済まない……それは、ちょっと舞い上がってしまったというか……本当にごめん……」
「あっ! 今のはそう言う意味じゃなくて……それくらい興奮してくれてたなら嬉しいって意味で……!」
「う、うぅ……ありがとう……あかりは本当に優しいなぁ……」
本気で怒ったり嫌われたりはして無さそうで、少し安心する。
「……それにしても、いきなりなんでこんな事を?」
「実は先日マキさんから初めてのお給料を貰ったので、今までお世話になった分お兄さんに何かお返ししたいと相談したんです。そうしたら、それなら『やっぱり好きな物をプレゼントするのが一番』って言われて」
「それで、コスプレエッチを?」
「……はい。まだお兄さんの事知らないことばっかりで、これ以外何が好きなのか確証が持てなくて」
正直あかりから貰えるならなんだって嬉しいとのだが……。いや、それ以前にあかりはこんな純粋な気持ちでコスプレしてくれたのに、それにかこつけて「駄目」って言ってるのに、無理矢理二穴プレイまで……。
心臓が罪悪感にきゅぅっと締め付けられる。
「でも、喜んでもらえたみたいで良かったです。いつもより激しくて、ちょっと強引で……」
「いや……本当にちょっとどころじゃなく強引ですまん……」
上げていた頭を再びぐりぐりと床に押し付ける。
「い、いえ! その……恥ずかしくはありましたけど、お兄さんがそういうのにも興味があるのは知ってましたから、覚悟は出来てたというか……」
「いや! 例えそうだとしても――って、え? 『知ってた?』」
不穏なワードに、嫌な予感が背筋を走る。恐々と顔を上げると、頬を染めたあかりは指先同士を突き合わせながらとんでもない事を言った。
「はい。この間掃除してたらコスプレエッチの本を見つけてしまって、それでお兄さんがどういうのに興味があるのか知りたくて読んで……わんわんプレイ、好きなんだなって」
「…………お、おぉう……」
視界がくらりと歪む。
性癖バレとか、今すぐ素粒子まで分解されていなくなってしまいたかった。けれど――
「――ちょっと恥ずかしかったですけど。でも、おにいさんがすっごく積極的になってくれたので、やってよかったなって」
恥ずかしさを誤魔化すようなあかりの笑みは、その言葉が本心からのものだということを現わしていて。
「…………うん、ありがとう。その……暴走しないよう気を付けるから、またつけてくれると嬉しい……です」
「……はいっ!」
長い逡巡の後、俺は今後の充実した性生活の為にプライドを売り渡したのだった。
現在、少しばかり現実方面のせいで精神が参っており、自分の書いたものを見直すのが難しい為、予定外ではありますが、暫く今話で更新を停止させて頂きます。
追っていただいている方には、お待たせして申し訳ありません。