……いや、その訊き方はずるいだろ。
少し不安そうな感じに首を傾げる仕草は、演技だろうと分かっていても無下に否定できなくなる魔力が宿っていた。
「あーもう……本当にゆかりさんはいいんだな? ここ外だけど」
降参だと両手を上げて最後にもう一度念を押すと、ゆかりさんは口元を緩めて頷く。
「ええ。まあ、弟くんが本気で嫌って言うなら無理にとは――んっ!」
ゆかりさんが最後まで言い終わる前に胸へと手が伸びてしまう。
嫌なわけなどない、むしろ学生カップルの青姦で目を覚ましていた衝動を今まで抑えていたのだ。
「……ゆかりさんが煽ったんだからな? 今更無理とか言われてもこっちが無理だから」
汗でしっとりと吸い付くスポーツブラ越しにささやかな膨らみを揉む。
「んぅっ……ゆかりさんだって流石にそこまで意地悪な事はしませんよ、ぁっ……それに――」
「それに?」
「さっきは軽く流したみたいになってしまいましたけど、弟くんがこの短期間で私についてこれるようになったの、本当にすごいなと思ってるんですよ? ……だから今日は、そのご褒美って事で弟くんの好きにしていいですから」
ご褒美なんてらしからぬ言葉に面食らっていると、微笑していたゆかりさんの頬が膨らんでいく。
「もう、何ですかその反応は」
「いや、褒められてる……んだよな?」
「褒めるというか……まあ、評価はしてます。そして評価している以上、言葉だけじゃなく具体的なご褒美が必要だと思ってますから」
揶揄ったりせず、気恥ずかしそうにちらりと視線を逸らす辺り、冗談とかでなく本気でそう思ってくれていそうである。
ゆかりさんに認めて貰わないととは思ってたけど、まさかこんな形で達成してしまうとは。
何というか、自分の獣欲を制御する為という、褒められたものではない原動力でがむしゃらにやってたら突然に――という感じで拍子抜けというか釈然としないというか。
(しかも結局こうして性欲をコントロール出来てないわけだし……)
「またぼーっとして……やっぱり小さいのが好きって言うのはその場しのぎの嘘だったんですか?」
意識を眼前へと引き戻すと、ゆかりさんが不満そうにこちらを睨んでいる。
「いや、ちょっと考え事が過っただけだって。それに、こうやって触れてるだけでも柔らかくてドキドキしてるのが伝わって心地いいしな」
しっとりとした生地越しに感じる柔らかさを味わう為に二、三度揉むと、ふにふにした感触に合わせてじれったそうに甘い声が降り注ぐ。
「んっ……あっ……そんな遠慮がちじゃなくても、今日はご褒美なんですから、ふぁ、弟くんの好きなようにして、いいんですよ……?」
「それなら遠慮なく」
一度手を離してスポブラをぐっ、とたくし上げると、可愛らしい胸がふにゅんと柔らかく変形して現れた。
既に興奮しているからか、冷たい外気に晒されたからか、ピンクの先端は既に硬くしこっている。まさに食べごろといった感じだ。
「ゆかりさん、もうちょっと上体倒して上にずれてくれない?」
「こう、ですか? ――ひゃぅあっ?!」
完熟乳首が丁度口元へと差し出され、丁度待ち構えていた舌へざらりと擦れる。
「ちゅっ……ちゅびっ、ちゅぞずっ……やっぱ汗かいてるからしょっぱい味がするな」
「んくっ、ぁうっ……それはそうですよっ……んっ、ボイスロイドは人間を模してるんですから、汗に塩分が含まれてますし……っ」
「でもそれだけじゃなくてどこか甘い感じがするし、何よりゆかりさんの濃い匂いがして――わぷっ!?」
「そ、そんな細かく報告しなくていいですっ!」
黙らせようとしたのかゆかりさんが胸を押し付けてきたせいで、逆に匂いが濃密になる。それならいっそ、と彼女の背中に手を回して更に密着し、大きく息を吸い込む。
「わっ、わ、やっ、そんなあからさまに嗅がなくてもいいですから!」
「――そんな恥ずかしがらなくてもいい匂いだと思うんだが」
「そういう問題じゃなくて嗅がれること自体が恥ずかしいんです!!」
今度は一転距離を取り、クロスした両手で胸を隠すゆかりさん。だが今更恥ずかしがっても、好きにしていいと言われた以上ここで遠慮はしない。
「ちょ、ちょっと弟くん! 確かにゆかりさんもちょっと煽っちゃった所はありますけど、好きにしていいって言ったんですから別に無理して胸ばっかり触らなくていいんですよ!?」
「いやいや、別に無理なんてしてないよ? それに胸なんて今までも結構触ってきたと思うけど」
「それは……今までのは練習でしたし、だから仕方なく触ってたのかと思ってたから……」
「言ったろ? ゆかりさんがどう思ってようと、俺はゆかりさんの胸、好きだし触りたいんだけどな」
「~~っ! 口元がニヤついてますよね!? 絶対それだけじゃないですよね?!」
おっといかん、普段揶揄われている仕返しを、という内心が顔に出てしまっていたらしい。
といっても、ゆかりさんの胸が好きというのも嘘ではないんだけど。
「兎に角そんな隠されたら触れないじゃんか。今日はご褒美だから好きにしていいんだろ? ほら、手どけて」
「うぅ~、絶対もう二度と好きにさせるなんて言いませんからね……!!」
ゆかりさんは真っ赤な顔を顰めてこちらを睨みつけつつも、ゆるゆるとではあるが体に巻き付けた手を解いてくれた。
「ありがと、それじゃあ遠慮なく」
再び晒された乳首へと舌を這わせて吸い付くと、顰められていたゆかりさんの眉が甘くほどける。
「やっ……そんなに吸い付いて、何がそんなにいいんですか……あッ」
「何がって言われてもな……色々?」
小ぶりでもしっかり柔らかいのとか、乳首だけはそのくせにしっかり硬く尖って主張してるのとか、気持ちいいのを我慢しているゆかりさんの表情の変化とか。
ぱっと思いつくのもあったが、態々教える必要はないかと結論を下す。特に一番最後のなど言ってしまったが最後、全力で我慢されて見れなくなってしまいそうだし。
「んぅっ♡ そ、そんなにおっぱいへ吸い付いて……はぅ、弟くんったらまるで赤ちゃんみたいですね?」
「ちゅぱっ、そうかもな。でも、ゆかりさんがこんなにえっちなおっぱいなのも悪いんじゃないか? 小さいのにすっごい敏感でさ――ほら」
「んひゅぅッ――!?」
散々舐めしゃぶってふやけ始めた乳首を唇で甘噛みすると、ゆかりさんの背筋が大きく反り返った。
「おっと。あんまり大きな声出してると、人が少ないとはいえ今度はゆかりさんが見られちゃうかもしれないぞ?」
「――っ、そんな事言ってッ、はっ、はぁっ……そうなったら、弟くんだって見られちゃうんですよ? それとも、弟くんは見られたい変態さんなんですか?」
「いや、そこは絶対ゆかりさんの方が目立つから平気かなーって」
「うぅっ、弟くんの鬼畜っ……んゃっ!?」
罵倒(?)しながらこちらを睨みつけるゆかりさんだが、野外でというシチュエーションによる興奮か、その瞳はいつも以上に蕩けている。
これなら続けても大丈夫だろうと、ゆかりさんの背中を抱き寄せようとした所で、今までないがしろにされていた肉幹にぞわりとした快感が走った。
「もういいです。弟くんがおっぱいばっかり触るつもりみたいなので、こっちも勝手に弟くんのおちんぽ触っちゃいますから」
ジャージ越しにさわさわと愚息を撫でられ、腰奥で燻っていた熱がカッと燃え上がり、思わず手が止まってしまう。
「くっ……今日はこっちの好きにしていいんじゃないかよ?」
「確かにそうはいいましたけど、ゆかりさんもされるがままとは言ってませんから♪」
こちらの反応に調子を取り戻して来たのか、ニヤッと笑んだゆかりさんはジャージの中へと手を滑り込ませ、今度は直接肉槍へと触ってきた。
「うわ、凄く熱い……あ、冷たかったですか?」
「いや……むしろそれがいいかも……っ」
ひんやりとしたすべやかな指が絡んで、火照り切った肉茎に心地いい。
「それなら良かったです……というかゆかりさんに色々言っておきながら、弟くんも結構濡れてるじゃないですか。こんなべたつくのを汗とは言わせませんよ?」
「そりゃこれだけ胸触ってッ、そうじゃなくても密着してるんだから仕方ないだろ……はむっ」
肉茎をちゅくちゅくと弄られる快感に抗おうと、こちらもゆかりさんの胸へ再び攻勢を仕掛ける。
「んくっ……♡ ふふっ、弟くんっておっぱい吸いながら、んぁっ、触られるの、好きなんですよね? 吸うたびに跳ねてて可愛い、あっ……ですよ?」
「それ言ったらゆかりさんも、さっきより身体ビクビクしてないか? くぉっ……手の動き早くして、図星なんだ……ろっ」
幹肉を扱かれ、乳首を甘噛みし返し、乳房を鷲掴み、亀頭を撫で返される。そうやってお互い負けじと触りあっていると、あっという間に快感が高まっていく。
まだ遠くにぼんやりとではあるが射精感が登ってきているのを感じ、このまま射精してしまうのが惜しいような気持ちになってきた時だった。ゆかりさんが手の動きを止める。
「……弟くんも、そろそろ手だけじゃ満足できなくなってきたんじゃないですか?」
「っく……何で分かったんだよ」
「気付いてないみたいですけど、弟くんすっごく切なそうな顔してますよ? 苦しそうだけど気持ちよさそうな、可愛い顔してます」
「ッ――!?」
言われて自分の口が半開きだった事に初めて気付き、慌てて口を横一文字に結ぶ。
「別に無理して繕わなくてもいいじゃないですか。ゆかりさんはそんなちょっとだらしない弟くんの表情もいいと思いますよ?」
「ニヤニヤしながら言われても説得力ないからな! ……というか、そういうゆかりさんだってそろそろ胸だけじゃ満足出来ないんじゃないか?」
そう言いながら敢えて今までノータッチだった、丈の短いショートパンツを履いたゆかりさんの下半身に手を伸ばすと――
――ぬちゃっ、とズボンの裾から太腿へ熱を帯びた粘度の高い液体が溢れていた。
「ゃっ……これは……仕方ないじゃないですか、弟くんがいつまでもしつこくおっぱいばっかり触るからです」
「それって、逆に言えば胸しか触られてないのにこんなになっちゃったって事だよな?」
「うっ……まぁ、そうですけど……」
反撃に弱いゆかりさんは顔をふいっ、と逸らすが、それも無理はない。
途中から脚をもじもじと擦り合わせているので何となく察してはいたが、彼女の内腿はその予想以上の濡れ方だった。
念のためとショートパンツと腿の付け根の隙間から中へと指先を入れると、そこはもう蒸し風呂のような熱気と湿度で、準備は十二分といった感じである。
「ゆかりさんの方も大丈夫そうだし、挿入れていいか?」
そう口では訊きつつも、逸った体はすでにゆかりさんのお尻を掴んで愚息の上へとぐりぐり押し付け始めてしまっていた。
「ん、ぁあっ……や、ちょっと、このままは……ダメ、ですから……っ」
「このままではって……ああ、そういえばまだゴムしてなかったな」
とはいえ流石に走るときまでゴムを持っている筈もなく。
「財布も……持ってないしなぁ、ゆかりさんはゴム持ってる?」
「そんな、走る時に……持ってる訳無いじゃないですかぁ……」
そういう事なら仕方がない。……とは思うものの、期待していた分落胆も大きい。未練がましく腰をくっつけたままでいると、ゆかりさんがニッと悪戯っぽく笑んだ。
「ふふっ、弟くんったら財布の中にゴム入れてるようにしたんですか?」
「……くっ、余計な事言ったか」
「でもこの様子だと、本当はやっぱり何も付けない方がいいんですよねー♪」
「…………まぁ、否定はしないけど」
一瞬否定しようかと悩んだが、前回成り行きで生挿入した時に「いつもよりいい」と言ってしまった気がするし、何より愚息が勝手にびくびくしてしまっている以上、否定してもみっともないだけだ。
まあゆかりさんに揶揄われるのにももう慣れたものだし……と半ば諦めがちに逸らしてしまった視線を戻す。が、彼女が浮かべていたのは揶揄うような表情ではなかった。
躊躇うような、けれどどこか期待の混じったような。
「仕方ないですね……いい、ですよ?」
「いいですよ……って」
「だから……ゴムつけなくても、いいって事です」
ゴクリ、と思わず生唾が喉を滑り落ちる。
「っ、いや……いや、そんな無理しなくていいからさ」
「そんな事言って、弟くんのおちんぽは生えっちに大賛成みたいですけど?」
ゆかりさんの言う通り愚息は大興奮で、陸に上がった魚みたいに跳ねまくっている。
「そりゃそうかも知れないけど……でも、今までずっと付けてたんだしゆかりさんはいいのかよ。今日は多分途中で止めるとか出来そうにないからな」
「まあ、今日は練習じゃなくてご褒美ですし。弟くんだって中で射精した方が気持ちいいんですよね?」
「いや、そんな無理されても嬉しくないって言うか――「もうっ! 弟くんのヘタレ!」」
最後まで言い切る前にゆかりさんからピシッ、と強めに額をデコピンで弾かれる。もしかしなくても組手の時よりかなり痛い。
「い、いやヘタレでは……」
「ヘタレです。いいって何度も言ってるんですから、こんな苦しそうなのに変な遠慮しないでさっさとすればいいんです! それとも何ですか、もっと直接的な事を言わせたいんですか? 誰かに見られるかもしれないお外で、弟くんのおっきいおちんぽをゆかりさんのおまんこに突っ込んで膣内に出していいって言ってるんです!」
「いや、ちょっとゆかりさん落ち着こう!?」
今まで平静を装っていただけで、実は外という環境に意外と余裕がなくなっていたのだろうか。早口で隠語を捲し立てるゆかりさんの目は、ぐるぐる回っている気がする。
とはいえ、そこまで言われてはこちらも覚悟を決めるしかあるまい。
「分かった! 分かったから落ち着こう、ゆかりさん! ……じゃあ、本当に挿入れるからな?」
ゆかりさんと視線を合わせると、少し落ち着きを取り戻したゆかりさんが小さくこくん、と頷いた。
「はい……。ただ、このままの体勢でジャージを脱ぐ訳にはいかないと思いますから、体勢だけ変えちゃいますね」
そう言ってゆかりさんが差し伸ばした手を取ると、膝立ちに引っ張り起こされ、入れ替わりのようにゆかりさんが四つん這いになってお尻を向けてきた。所謂バックの体勢である。
「んっ、これならあんまり汚れない筈ですから……お待たせしました」
腰を立てて突き出されたお尻とショートパンツの隙間へ、ゆかりさんが指を差し込み横にずらす。
濡れたスポブラと同じ色のパンツの内側からひくつく媚肉が顔をのぞかせた。
「脱がずにって事か?」
「そっちの方が、万一見つかりそうになった時に誤魔化しやすいかと思ったんですけど……脱いだ方がいいですか?」
「ああ、なるほど。そのままでいいよ」
というより、ショートパンツの裾から秘裂が見えるという光景はかなりエロいし、むしろこのままの方がいいかもしれない。
逸る指を押さえつけて何とかジャージを下ろすと、そそり立った肉棒がぶるんと飛び出てゆかりさんの太腿を擦った。それだけで緩んだ淫裂の間から新たに蜜が浮く。
「あッ……♡」
振り向いたゆかりさんの目は焦らさないでと言っているようで、そんな視線に唆されるまま、性器同士をくっつけてゆっくりと腰を押し出した。