――それで十分だった……筈、だったのだが。
「おにいさん……それ、どうしましょうか」
「それって……あっ」
あかりの視線をたどり、それが自分の股間に、ズボンを押し上げてテントを張っているのに気付く。しかもその先端はあかりのお腹に深々と突き刺さっていたのだ。
「これはその……さっきあかりに見せられたゆかりさんとの練習風景がだな……」
あかりが自分以外を選んだわけではない、という安堵感で気が緩んだところにあんなエロいものを見せられたのだ。多少は――いや、多々しょうがないと思う。
あかりが不満気に頬を膨らませる。
「それってもしかして、私が他の人にイかされてるのを見て興奮したんですか?」
「いや違――くはないかもしれないけど、そういうのじゃないから! 女の子同士はノーカンっていうか、いや女の子同士というか相手がゆかりさんだからノーカンっていうか……いや、あれはあくまで練習だし――」
「――ふふっ、冗談ですよ」
あらぬ疑いをかけられないよう必死に言いつくろっている俺の様子に、あかりはクスッと笑った。
「私がおにいさん以外の人を好きになってそういう事をしてるー、なんて失礼なことを考えた罰です」
「――っ、それは本当にごめん」
「もういいですよ。これでチャラってことにしますから。だから――」
あかりは膝立ちになって、スカートを捲り上げた。
「――練習の成果、見て貰えませんか?」
あかりのパンツにはしっとりと割れ目のシミができていた。
「もう濡れて……まさか帰った時からずっと……?」
「ち、違いますよ! それじゃあ私がお外で濡らしてるみたいじゃないですか! ……そうじゃなくてですね、おにいさんのでお腹を押されたせいでこんなことになってるんです」
「えっ、それだけで?」
思わず出た素の驚いた声に、あかりは頬を赤らめた。
「それだけで、です。実は今日ゆかりおねえちゃんにポルチオを開発されてて……多分そのせいだと思うんですけど」
そう言えば先ほど見た映像の断片にも、ディルドを入れながらお腹を押されている光景があった気がする。
「ということは、こうされただけでも気持ちいいって事?」
純粋な興味から、あかりの下腹へと手を伸ばしてぐっ、と押し込んでみる。体が小さく跳ねた。
「――っ、凄くって訳じゃないですけど、お腹の奥がポカポカしてくる感じで気持ちいいです」
現にパンツに出来た染みは先ほどよりも大きくなっていた。
続けてぐっ、ぐっ、ぐっ、とお腹を――その裏にある子宮をイメージして押し込む。
下着にできた染みはその度に段々とその領域を広げる。
「すごいな、これだけでこんなになるなんて……凄くエロい」
「その、おにいさんにされてるからっていうのもあると思うんですけど」
本心からそう言ってくれているのが分かって嬉しいし、興奮する。
「この様子だと、これだけで準備出来てしまいそうだな」
「そんなにしなくても、もう大丈夫だと思いますよ?」
あかりはそう言うと、ワンピースを脱いで下着だけになり、さらにパンツへ手をかける。
パンツが下ろされると、秘所との間につーっ、と糸が引いた。
「もう、こんな風になってるので」
そう言うと、あかりは秘裂を強調するように腰を突き出して、人差し指と中指で開いて見せる。
中から熱い湯気が立ち上りそうなほど秘所は充血し、膣口から溢れた愛液が全体に纏ってぬらぬらといやらしく光っていた。
言葉通り、すっかりあかりの蜜壺は出来上がっている。躊躇する必要など微塵も無かった。
それに、あかりは俺が好きなように動けるように練習してくれていたのだ。
ならば今俺がやるべきは、思い切り欲望をぶつける事だ。
彼女の滑やかな肩を掴む。
「あかり、それじゃあ今日は俺のやりたいように動いていいか?」
「はいっ、勿論です!」
あかりは心底嬉しそうに、顔をぱぁっと輝かせた。
準備に時間をかけるのも惜しくい。乱雑に布団を広げ、その上にあかりを寝かせる。
肉槍は既に臨戦態勢――どころか切っ先からだくだくと先走りを溢れさせ、今すぐ挿入れさせろと戦慄いていた。
「何だかおにいさんもすごく興奮してませんか?」
「……まあ、な」
先ほどはゆかりさんとの動画を見て興奮したと言ったが、それだけではない。
勘違いだったとはいえ、自分から離れたあかりが戻ってきたのだ。だからもう二度と離れないように、俺だけのものにするんだという独占欲が性欲を滾らせていた。
今すぐあかりを俺の精液でマーキングしたい――!
あかりを俺のもので感じさせて依存させたい――!
あかりを生涯俺だけのものにしたい――!
そんな暴力的ですらある衝動に任せて、あかりの腰を掴む。
「あっ……いつもより力、強い……っ」
「ごめん、正直あんまり加減できないかも。あかりを無茶苦茶にしたくて」
「ふふ、謝らなくていいんですよ? だって、私もそうされたいんですから」
あかりは手で両足を抱えて抱きかかえた。所謂M字開脚。女の子の弱点を男が簡単に狙えるよう強調する姿勢。
「おにいさん……あかりのこと、滅茶苦茶に犯してください」
言われるまでもない。そしてあかりも望んでいる。躊躇させるものは何もなかった。
最初から全身の力を籠めて、腰を衝き入れる。
――ごりゅっ!
「ああぁぁああぁぁ――ッ!」
子宮口を圧し潰した感覚と同時にあかりが絶叫し、同時に背中へ何かが突き刺さった痛みが走る。
その感覚には覚えがあった。爪を立てられた痛み――あの日、あかりに苦痛を与えてしまった時の痛みだ。
今までの自分だったら思わず「大丈夫か?」と中断してしまっていたかもしれない。
(けど――っ!!)
逆に肉槍を思い切り引き抜き、腰を掴む指へさらに力を入れ、そして二撃目を最奥へ叩き込む。
「ひッ――あぁあぁぁっ……!」
再びあかりが絶叫し、背中の痛みもぴりりと広がる。
それでも確信は揺るがない。
(大丈夫だ、あかりは気持ちよくなってる。気持ちよくさせれてる!)
その変化はゆかりさんとあかりの練習によるものだろう。けれど、それを信じることができるのは俺自身の成長によるものだ。
だからこれだけ感じているなら大丈夫、とあかりを信じて自分勝手に、俺自身が気持ちよくなる事だけに集中する。
既に軽くイっているのか、全体的にぴくぴくと散発的に痙攣するあかりの蜜壺を最大限味わう為、勢いよく腰を引く。
肉厚な膣襞が幾重にも亀頭に絡みつき、引き抜かれそうになるような快感が生じた。
今度は自分の欲望をぶつけるように、突くというよりも突き刺すような勢いで、腰を押し出す。
肉竿全体がきつく締まった膣道を押し広げ、やけどしそうな摩擦熱となって快感が肉幹を焼く。
それを高速で繰り返すと、両方の感覚が混じってペニスから腰裏へ甘い電流が迸る。
「あかり……っ、あかりの膣内、すっごく気持ちいいぞ……っ!」
「あっ、ひぁッ――本当、ですかぁ? すっごく嬉しくて、んんんんん――っ」
ぷし、とあかりはそれだけで軽く潮を噴いた。太腿へ適度に乗った肉が、ふるりと震える。
腰のあたりに広がる温かい感覚が、目の前の少女を感じさせているんだという自信に変わり、興奮を更に高める。
けれど、まだ足りない。もっとあかりを味わいたい。狙いは目の前で跳ねまわる、二つの巨大な肉毬へと定められた。
抽送は続けたまま、あかりの乳房へと噛みつく――噛みつくような勢いで胸の先端を口内に含んだ。
充血しきって赤みがかった乳首を甘噛みし、ぢゅろぢゅるっ、と唾液が零れるのも構わず乳輪を舐めまわし、白い乳皮を吸って、赤い痕をつける。
「っくぅ……っ! ぁは、おま×こだけじゃなくておっぱいも……っ、んんっ、そんな吸い付かれて、噛まれたら……痕がのこっちゃ……!」
「むしろ残れ! いっぱい痕をつけてやる……ッ! 俺のものだって――俺だけの物だって……ッ!」
「んはッ、分かったっ……! それなら、いっぱい、いっぱいつけて――ッ」
舌で胸肉の柔らかさを堪能しながら、下半身で膣肉のキツさを味わう。
贅沢なフルコースに全身が毛羽立つようだ。
そしてあかりも同じような感じなんだろう。足先が小さな絶頂に達するたびぴくぴくと震え、大きすぎる快感を逃す為か、捕まれた腰を捩ろうとする。
けれど、それを逃がしてやるつもりはない。
手を腰から太腿裏へと、太腿ごとあかりの腰を布団へと押し付ける。
必然膣口は上を向き、水平方向の抽送は上下方向の圧削へと変化した。
「ひああぁぁッ――んぐっ……! これ、すごいッ……奥まで、おま×この中、全部潰されちゃってるぅ……っ」
重力を使って腰同士を押し付け合体させる。あかりが言うように押しつぶしてる感も、こじ開けてる感も、削り取っている感もすごい。
今やあかりの蜜洞は、終わらない絶頂で初めての時みたいに狭く、きつく締まっていた。
それを肉槍が楔じみてこじ開き、隙間を埋めようとする肉襞を殴り広げて、その最奥へと全体重を押し付ける。
そして暴力的なまでの挿入は、その先鋒を務める亀頭への反動も凄まじい。
海綿体を押しつぶすように擦りつけられる肉襞に亀頭の表面も削られ、そこへ処女みたいな膣圧が快感で締め上げてくる。最奥に到達すると、こりっとした子宮口の感覚を鈴口に感じたかと思えば吸い付かれ、ぶぢゅっとディープキスへ変わり射精を促される。
更には恥骨同士がぶつかって、腰裏にびりびりと快感電流が生じた。
下半身が性器だけになったような感覚に、自分ではもうどうやって腰を振っているのかすらわからない。
「はぁッ、もっと奥まで――っ、もっと、深く――ッ」
物理的な限界があるのは知っている。それでもそれ以上に繋がりたい、気持ちよくなりたいという思いが無制限に腰の動きを早めていく。
それはあかりからすれば苛烈で執拗なポルチオ責めであった。
時間をかけてゆかりさんから開発されたことにより、あかりのポルチオはペニスで突かれただけで絶頂に達するスイッチのようになってしまっている。今の状況はそれを力一杯連打されているようなものであった。
「ひぐッ、んおッ、あく――ッ! ダメっ、降りてこられないっ、バカになっちゃう――ッ」
ぐりぃっ、と絶頂させられ意識が浮かんでいる間に、さらに絶頂させられ意識を上へと飛ばされる。
一回ごとに絶頂の最高地点を更新させられながら決して休ませては貰えない。
「いいぞっ、バカになって――! それで、俺のことしか考えられないようドロドロにしてやるッ――!」
「んうッ、もう……もう、なってるっ……おにいさんのことしか……っ、気持ちいいことしか考えられなあぁあぁぁああぁぁぁ――――っ!!!!」
あかりは純度百パーセントの快楽に浸された、吼えるような絶叫で細い喉を震わせる。
もしかしなくても隣の部屋に、ゆかりさんに聞かれてしまっているだろう。だけどそんなことどうでもいい、それで構わない。
俺もあかりも、気持ちいいことと目の前の相手だけが世界のすべてだった。
「あかり――ッ、そろそろ射精すぞ――!!」
結合部はもう愛液とも先走りとも知れない、泡だって白濁した粘液まみれで。膣と肉竿は体温と摩擦熱に焼き溶かされ、境界すら失ったかのような感覚がする。
ペニスは射精感に戦慄き、膣肉からの戦慄きに震わされ、感電したかのような快感となって脊髄を、脳をショートれさせる。
「出して――っ、一番奥にっ、全部っ、おぉッ、受け止めるから――ッ」
あかりからの許可がなくても射精してしまっていただろう。だけどやっぱりそう言ってくれると嬉しい。
快感と幸福感が混ざり、とうとう腰で爆発した。
「――――ッ! 射精るッ、射精すぞッ、孕め――ッ」
「うんッッ――孕むぅっ! イくイくイくうぅぅうぅぅ――――ッ!」
目の前が真っ白になって、全身が脈動する。まるで全身が性器になったみたいな、体内のすべてを吐き出しているような快感は、自分という存在がなくなってしまうのではと恐ろしくすらある。
けれど、倒れ込んだ先にはあかりがいて。
彼女の温かな体温が、自分をそこへと縫い留めてくれる。だからこそ全てを放り出して快楽に身を委ねれた。
「――――はッ!? はっ、はっ、はぁ……っ」
息苦しさに意識を取り戻す。もしかしたらあまりの快感に、呼吸をする事すら忘れてしまっていたのだろうか。心臓がばくばくと跳ね、泥のような疲労感が全身を満たす。
「――ぁ、おにいさん?」
あかりも丁度意識を取り戻したらしかった。
「大丈夫か、あかり?」
行為の最中は思わなかったが、今になって考えると相当負担をかけたんじゃないだろうか。
「はい。というかそんなこと気にしなくていいって言ったじゃないですか。本当におにいさんは心配性ですね……」
あかりが怒ったような、困ったような、けれどどこか嬉しそうな笑みを浮かべる。
「いや、だって俺の方も体に力が入らなくて――って悪い、このままじゃ重いよな」
そういえばあかりの上に倒れ込んでそのままだった。気だるい体に力を入れてどこうとして――
「――そのままでいいですよ。ううん、そのままでいてください」
あかりに腕を握り止められた。
「重くないのか?」
「重いですよ。けど、だからこそおにいさんを感じられて……今、すっごく幸せです」
目をうっとりと細めたあかりは表情を蕩けさせる。
その顔はとても綺麗で、煽情的で、思わず唇にキスを落としていた。
「んちゅ、ちゅく、んっ――えへへ、どうしたんですかいきなり」
「いや、ただしたくなっただけ」
バカップルそのもののやり取りである。けれど不思議と気恥ずかしくはない。
「そういえばおにいさん、さっきのって本気ですか?」
「さっきの?」
「射精するときに叫んでくれた『孕め』ってやつです」
指摘されて、漸く自分がとんでもないことを言っていたのだと気付く。
完全に勢いだった。
ボイスロイドに子供を作る機能などない、それは分かっている。なのに孕め、などと無理にもほどがある。なにより男というか雄の欲望剥き出しすぎて引かれるのではないか。
「あー、あのー……それはだな」
「言いましたよね、隠し事はしないって」
「う……本気だった。少なくともあの瞬間は」
引かれるかもという恐怖とは逆に、あかりは頬をほころばせた。
「そうなんですか……えへへ、ありがとうございます」
「いや、礼を言われる事ではないから……」
「そんなことないですよ。だってそう言ったって事は、少なくとも孕ませるつもりでえっちしてくれていたんですよね?」
改めてそう言われると恥ずかしいが、そのとおりだった。「まぁ」と頷く。
「えっちの最終目的って本来孕ませることじゃないですか。だからそれくらい本気で抱いてくれたんだなって」
そういうことなんだろうか? ……いや、あかりが嬉しそうなんだしそういうことにしておこう。
「なぁあかり、今までごめんな。色々気を遣わせてしまったみたいで」
「いいんですよ、おにいさんも気を遣ってたんですし。でも、これからはそういうのナシにしましょうね」
「ああ、そうだな」
それ以上に言葉は必要なかった。自然とお互いに抱き合う。
久しぶりに、本当の意味で繋がれるセックスが出来た気がした。