スチュブレはカジュアルなノリでおせっせしてて欲しいんですが最初だけはほんのちょっと湿気あってもまぁいいかなとか思ったり……
今回はスチュワードくんがだいぶ左寄りですがこの二人なら別に左右どっちでもおk派です☺
某日深夜、通常航行中のロドスにて。
男子浴場のドアが開き、雪色の毛をしたヴァルポが現れるとひとつ伸びをした。
「ふぅ。……もうこんな時間か。」
既に数十分前には日付が変わり、居住区画の廊下を照らす明かりは点々と配置された常夜灯のみになっている。
今日は週末で訓練も業務も休みだ、たまには夜更かしして本を読んでもいいだろう。
日中はどう過ごそうか。……そうだ、グムの新作でも食べに行こうかな。
夜はアドナキエルが映画を流すと言っていたな。また小難しい一昔前のサスペンスじゃないといいが。
心軽くそんな事を考えながら自販機に向かっていると、目の前の角をそそくさと曲がってくる人影が見えた。
自分と同じくらいの背丈と頭に生えた角でその人影がバニラである事はすぐに分かった。Tシャツ一枚にショートパンツのラフな格好でミネラルウォーターを二本抱いている彼女は随分とくたびれた表情に見える。
「あっスチュワードさん、こんばんは……」
「こんばんはバニラさん。こんな時間に一人?」
「いえ、ジェシカ先輩と一緒だったんですけどその……先輩が急に部屋に引き返しちゃって。」
「あぁ、それで二人分の飲み物を。」
「はい……」
彼女が大事そうに抱えるペットボトルがかいた汗がシャツに染み、うっすらとナイトブラが透けていることには触れないでおく。
それにしても何故彼女はこんなにも結露が出るまで自販機コーナーに居たのだろうか?彼女には珍しい困憊の表情も気にかかる。
――話を聞くぐらいはしてやれるか。
「……何か、悩みごとでも?」
努めて優しい声色で訊ねると彼女はバツの悪そうな顔をした。
「えっと、なんと言いましょうか……その、スチュワードさんもこれから自動販売機に?」
「そうだけど……虫でもいた?」
「いえ、そうではないんですけど……」
普段は明瞭な彼女が珍しく言葉を濁している。
「……そこで何かあったの?」
「ご、ごめんなさい!私からはお気を付けてとしか……!!」
無意識に眉をひそめてしまっていたことに気付いたのは彼女が逃げるように立ち去った後だった。
「なんだったんだろう……」
そういえばジェシカは危機察知能力をドーベルマン教官に褒められていた記憶がある。
……嫌な予感がするな。
*
もやもやとした気持ちのまま角を曲がった瞬間、スチュワードは全てを理解した。
「っあ〜〜ぅまい!!!」
声の主は――黒色の長髪を結わえたフェリーン。
彼女が一息に仰ぎきった空き缶は宙を舞い、既に満杯になったゴミ箱に弾かれ軽い音を立てて転がった。
廊下の突き当たりに設けられた自販機スペースではソフトドリンクや菓子の他に、バーの営業時間帯に終業出来なかったオペレーターの為にアルコールの缶類も提供されている。
しかしながら普段アルコールの自販機が使われているのを自分は見たことがない。そして、こんな空き缶の量も見たことがない。自販機スペースの一角、人々の憩いの場であるはずのベンチにはエリートオペレーターが大股を開いて豪快に専有し飲んだくれている最悪な光景が広がっていた。
バニラが酒臭い黒猫に絡まれている姿は想像に難くない。
思わず眉間に皺を寄せながら大きなため息をついてしまう。
「そういう事か……今晩は水で我慢しよう。」
触らぬ神に祟りなしと踵を返した直後、左肩から細いながらもしっかりとした腕が首筋に回る。一瞬遅れて背中に柔らかな感触。当たり慣れたカーディのそれとは違い、いやがうえにもその存在を意識させられるボリュームがそこにはあった。
「スチュワードじゃあん!どこ行っちゃうのさ、ねぇねぇ??明日おたくんとこも休みでしょ!飲むしかないよね〜???」
「うわ、酒臭っ!?あんた一体どんだけ飲んでるんだよ、オリパシーより先に肝臓の心配した方がいいよ!!」
振りほどこうにも尋常ではない膂力で自分にはどうしようもない。男としてプライドが傷付く音がした。
「うるっさいな〜私は飲んだアルコールの分だけ血がよく燃えてアーツがいい感じになんの!!バニラに逃げられちゃってさ〜ぁ、寂しかったとこなんだよね〜?」
肩を組む体勢からバックハグの体勢に移行し、ゴロゴロと猫さながらに首筋に頭を擦りつけてくる。
「なんだよこの散らかった空き缶の山は!ケルシー先生に言いつけるぞ!!」
「なんでそんなこと言うのぉ〜!私の事嫌いなの??ひどいじゃん〜〜」
諦めて無理矢理に移動を始めるとブレイズはべそをかきながら無抵抗に引きずられていく。
「あたしだって頑張ってんだからさぁ?ちょっとぐらい相手してくれたってバチ当たんないじゃんかよ〜?若いうちに女理解しとけって〜!」
「こんなみすぼらしい女性は理解する必要ないから!どっか行ってくれ!!」
「なんでよぉ〜こちとらエリートオペレーターだぞぉ!理解する必要ないわけないだろぉ!!!」
「あ〜まったくさぁ、威厳とかないのかよあなたには!……ん、あれ?ブレイズさん?」
しばらく引きずっているといつの間にかやかましい喚き声が聞こえなくなっていることに気付く。
声の主は足元で散々に引きずられてスウェットパンツがずり落ち、ショーツが丸出しの状態で寝潰れていた。
「おい嘘でしょ、こんな所で寝るな!!」
……本当に彼女はロドスの精鋭なのだろうか。
仮にも大人の女性をこんなあられもない姿で廊下に放置して立ち去るのは流石に問題だ。
どうにかしておぶろうとするが力の抜けた人体は中々に扱いが難しかった。苦労してブレイズを背に載せると、またも柔らかな感触が背中に強く主張してきた。
自分と同じ背丈に反して想像以上に軽い体重からは彼女が女性である事を再認識させられる。大腿は引き締まっており、おぶっていて手が肉ごとズレることがほぼ無い。
「……色々と気を付けてくださいよ、ほんと。」
背中の温もりを少しばかり意識してしまい、柄にもなく彼女に対して敬語が漏れる。
心を無にしながら可能な限り揺らさないよう、ブレイズの部屋へと歩いていった。
*
部屋に着くとブレイズを背から下ろし、難儀しつつもなんとか肩を貸す形に体勢を変える。
彼女は相変わらず幸せそうにすうすうと寝息を立てていた。
「ほらブレイズさん!部屋に着いたから起きて!!」
「んにぁ〜〜」
平手で軽く頬を叩くが彼女が覚醒する様子は無かった。
「ほんっと手間のかかる人だな!普段の飲み会でのアーミヤさんの苦労が思いやられるよ……!!」
愚痴りながらもブレイズのスウェットパンツのポケットをまさぐり、有象無象の中からIDカードを発掘する。どうして紙幣をポケットに剥き身で入れてるんだ、この人は。
「ほら、部屋入るからね!ちゃんと歩いて!!」
こんなことなら最初から勝手にドアを開けて肩車のままベッドまで直行するべきだったと後悔する程に、ベッドまでの数メートルは遠く感じた。
「大変なのは分かるけど、お酒もほどほどにしときなよ!!じゃあ僕はこれで……うわっ!?」
やっとの思いで彼女をベッドに寝かせる事に成功し部屋を後にしようとすると、寝ていた筈の彼女がとろんと据わった瞳でこちらを見つめていた。
「い、いつの間に起きてたのさ……。」
「いまおきた。」
ぽやぽやとしたブレイズの視線が段々と自分の首筋に移っていく。
「へぇ、いい喉仏してんじゃん。」
「はぁ?急にどうしたのさ。……人並みだと思うけどね。ちょっと冷蔵庫漁るよ。」
舐めるような視線を感じつつも、適当にいなしてチェイサーになるものがないか冷蔵庫を物色する。
粗方予想はついていたが冷蔵室には酒とつまみしか入っていなかった。普段から部屋で自炊するようなタイプには見えないので普段は食堂か自販機で飲んでいるのだろう。
ドアポケットならどうだ――ビール瓶と角瓶にマヨネーズ、ケチャップ。調味料があるのは意外だった。そして一番蝶番側にて目当てのペットボトルを見つける。
「割り剤はちゃんとあるのな……。」
キンキンに冷えた炭酸水のペットボトルを掴み、仰向けでとろとろとこちらを見つめてくるブレイズの丸出しのへその上に雑に放り投げる。
「ひうっ!?」
耳と尻尾を突っ張って飛び上がる様は完全に猫だった。
「なにすんのさぁ!!」
「なにってチェイサーだよチェイサー。せっかくの休日が二日酔いで潰れたらつまんないでしょ?ちゃんと飲んどきなよ。」
「……はいはい。」
酔いが覚めつつあるのか、彼女は逆立てていた尻尾を下ろして割とすんなりと指示に従った。
「あ〜〜、すごい疲れた。」
ここまでの手間賃代わりにチルドルームからスモークチーズを数個くすねて、ベッドの端に腰掛ける。
「それで、今日はどうしたのさ?」
「……別にどうもしないわよ。」
「酒豪のあなたがあんな状態になってるのを『どうもしてない』って言えるなら、カーディの物持ちの悪さも『どうもしてない』で片付くよ……」
狐色の丸いチーズをしばらく眺めたあと、口に放り込んだ。豊かな香りが鼻に抜けていく。
「ん、これ美味いな。」
「……たまにね、ちょっと寂しくなるんだよ。」
背後から消え入るような声がした。
――聞き取れてしまったヴァルポの聴力を恨む。
きっと普段の彼女なら口にはしないことだ。
少なくとも、さして深い仲でもない自分が触れるべきではない。
「何か言った?よく聞き取れなかったけど。」
「うぅん、何も。ねぇ……ありがとうね。」
素直な言葉に、思わずブレイズの様子を一瞥した。
仰向けに寝たまま、ベッドライトの明かりから顔を遮るように手で顔を庇っていてその表情は伺えない。
「別に、これくらい気にしないでいいよ。どうしても気になるなら今食べたチーズでチャラって事にしといて。」
――これ以上長居するべきじゃないな。
今度こそ部屋を立ち去ろうとベットから立ち上がったその時だった。
シャツの背中の裾をちょんと摘ままれて引き止められる
「ねぇ、抱いてよ。」
「……は?」
今、この人は何と言ったのか。
「ヤらないかって言ってんの。」
配慮と思考にリソースを割いていた頭に突如として投げ入れられたその発言は、焦りという感情の着火剤としては十分だった。
「はぁ!?何言ってんだあんたは!そんな事するような間柄じゃないだろ僕達!!!」
「頭の硬い男だな〜。そんな事するような間柄になろうって言ってるんじゃん。」
ブレイズは身を起こすとベッドの上を四つん這いで近付いてくる。大きく開いたタンクトップの胸元からは乳房がゆさゆさと揺れる様が見て取れた。
「いや、ちょっと待てって!僕はそんなつもりじゃ……!!!」
逃げるようにベッドから立ち上がり後ずさりしたが、その先がドアと反対側の壁だった事が状況を決定的なものとしてしまった。
「私はもう、そんなつもりになっちゃったんだけど……?」
ベッドから素足で降り立ち、ひたひたとこちらへ歩み寄るブレイズの瞳がこちらの身体を舐めるように見つめている。
「せっかく男と女なんだからさ、お互いの身体借りて気持ちよくなっちゃえばいいじゃん?」
耳元で囁かれる誘惑と荒い吐息に理性が飛びそうになる。
首筋にすす、と細い指が這う。やがて指は下へと降りていく。
鎖骨、胸板、乳首、肋骨、腹筋、へそ。
「もういい加減観念しなよね。」
雌猫はペロリと舌なめずりし、ズボンと下着を一息に下ろしてきた。彼女の眼前に肉棒が露わになる。
「それじゃ失礼して。」
ブレイズは顔の横の髪を耳にかけると、まだ柔いそれをおもむろに口に頬張った。
温かくて柔らかな口腔の中で舌に弄ばれると肉棒はすぐに肥大化し、硬く反り立ってしまう。
「んっ。ほら、そんなつもりになったでしょ?」
――そんなに満足気に聞かれても困る。
こちらの返事の有無も意に介さず、ブレイズは肉棒に涎を垂らして手で扱き始めた。
強めの握力で素早くストロークする手付きからはこれでもかと、こちらを誘う意図を感じた。
空調の音すらしない静寂に、肉棒が扱かれる微かな音だけが響き続ける。
「強情だなぁ、何がそんなに受け入れられないのさ?ほらほら。」
しばらく耐えているとブレイズは空いた左手で楽しげに陰嚢や先端を責め始めた。
「おっビクビクしてきた!イッちゃうか??」
理性では彼女の思い通りになるまいとする一方で、どうしようもなく股間に射精感がこみ上げて来るのを感じる。
緩んでいた膝を伸ばして必死に逃れようとするが、その程度の動きでは振り切れずそのまま扱かれ続けてしまう。
「っ!!!」
ささやかな抵抗も虚しく精子はブレイズの手と顔面に吐き出された。
「あはっ!盛大にイったねー!!だいぶ濃いなぁ〜」
ブレイズは手についた精子を舐めとると、まだ脈打っている肉棒を咥えて舌で舐め始めた。
射精の直後で敏感なところを舐められると思わず腰が引けてしまう。快感と敗北感に板挟みにされながらも、必死に言葉を紡いだ。
「……何のつもりなの、こんなこと。」
「ん〜?」
ちゅぽんと小気味よい音を立てて肉棒から口を放したブレイズは紅潮はしつつも何気ない表情をしていた。
「別に、あんたの身体見てたらムラっと来たからヤりたいってだけだよ。あんたも男なら女の私以上にそういう事あるでしょ?」
最早ここまで潔く居られてしまうとこちらが馬鹿らしく思えてくる。
大きなため息をつくと、それを諦めと受け取ったのかブレイズはひとつ頷きベッドを指差した。
「まぁ乗り気じゃないってんなら寝っ転がってるだけでいいからさ、とりあえず私に犯されてよ。」
「犯すって……はぁ、ちゃんとゴムあるの?」
「もちろん!えーっと……ほら!!」
どうしてデスクの引き出しからコンドームが出てくるのだろうか。ああもう、一々気にしていたらキリがなさそうだ。
「ゴムの確認したってことはokだよね!ね!!」
「まぁ、ブレイズさんに限ってセックスしたくらいで惚れた腫れたは……ないか。」
「お前ぶち犯すぞ。」
*
仕方なくベッドに仰向けに横たわると自分のものとは違うシャンプーの香りを感じた。女性的な甘い香り。
そんな事を考えているとあっという間に自分の腰の上でブレイズがコンドームの袋を破いていた。いつの間にかスウェットパンツを脱いでタンクトップにショーツ姿になっている。
「さぁて!まだいけるよね、スチュワード〜?」
ゴムを片手に肉棒に話しかける彼女の姿はとてもドーラ達に見せられたものではない。
「くらげコキで勃つかな?」
肉棒の先端を指で包むように擦り上げられ、すぐに勃起してしまう。すかさず薄ピンク色のゴムが被せられた。
しなやかな指が肉棒にそえられ、ずらされたショーツがとろりと糸を引いた先――濡れそぼったブレイズの秘部にあてがわれた。
しかしてブレイズは挿入せずに亀頭で自分の秘部を擦り始める。にちにちと淫靡な音を立てながら腰を震わせる彼女の姿に思わず生唾を飲み込んだ。
「うわ、なんでもうそんな濡れてるの?」
「あんな切なそうな顔で耐えられたら……っ、濡れもするでしょ。……かわいい反応、んっ、してくれちゃってさ。」
「あー、聞いた僕が悪かったからもうやめて。ていうかいつまでそうして――うっ!?」
ブレイズがにやりとした直後、腰に一気に重みがのしかかり肉棒全体が熱いひだに擦り上げられた。
息つく間もなく激しいピストンが始まる。
完全に発情しきった雌猫は目を伏せて一心不乱に腰を振り続けている。時折嬌声が漏れ膣が強く締まるあたり、彼女はしっかりと自分の肉棒で感じているのだろう。
正直こちらもいつまでと相手を観察していられるほど余裕はない。
「すごっ、あんた、の、イイとこあたるっ!」
息を荒げたブレイズが嬉しそうに発した直後、膣が断続的に締め上げられて一気に射精感が昂ぶらされる。このままやすやすと絶頂させられまいと彼女の腰に手を伸ばそうとするが、両手を恋人繋ぎで組み伏せられてしまった。
「……言ったじゃん、犯すって。」
紅潮した顔に悪戯な笑みを浮かべてブレイズは腰の動きを一層早める。
肌と肌が空気を挟み潰す破裂音の間隔は段々と短くなっていき、同時に射精感も臨界点へ昇って行った。
「ちょっ、まっ……うっ!」
「あっすご、イッく!!!」
ゴムを押し広げて吐き出された精液分だけ増した体積がブレイズの秘部の最奥を刺激したのか、彼女も腰を止めて絶頂を迎えた。膣壁が小刻みに痙攣し、肉棒を締め上げてくる。
胸に倒れ込んできたブレイズは、上がった息のまま快楽を噛み締めている様子だった。
そんな様子を眺めていると伏せていた瞳がこちらを向いて目が合う。彼女はにたりと笑うと、時折身体を痙攣させながらも空いた手でこちらの乳首を愛撫してきた。
*
絶頂の余韻が収まった所でブレイズの身体を自分の身体の上から横に優しく移動させ、彼女の膣から肉棒を引き抜くとコンドームには大量の行き場を失った精液が閉じ込められていた。
「うっわ、こんな出たのか……」
口を結ばれたゴムに入った白濁色の粘液を一瞥してからゴミ箱に捨て、散らかったデスクから角のひしゃげたボックスティッシュを見つけて肉棒を拭く。
ベッドに横たわるブレイズは指を咥えて片手で自分の秘部を弄っていた。
「ほらブレイズさん。早いとこ拭かないとシーツが……って、こんなになってたのか。」
改めて見てみるとシーツの先程まで自分の尻があった辺りが暗いシミになっている。ブレイズがセックスしながら潮を吹いていたのだろう。
「これランドリーで洗濯しないとダメだね……とりあえずお股拭こうよ。」
横向きに足を揃えて寝転がるブレイズの片方の膝を掴んで反対側に開くと赤子のオムツ替えさながらの状態になってしまった。あまりの無抵抗さに流石に戸惑う。
「いや、無気力過ぎるでしょ……自分でやってよ。」
仕方なくティッシュを数枚取って彼女の秘部を拭こうとすると彼女の腹筋や尻が未だにヒクついている事に気付く。
ブレイズが肘をついてよろよろと上半身を起こすと、その顔にはひきつった笑みを浮かべていた。
「……ちゃった。」
「え?なんて?」
「腰抜けちゃった。」
「ウソでしょ!?」
いつも命がけの戦場で最前線に立つ恐れ知らずの彼女が、こうもあっさりと腰を抜かすとは。女性のオーガズムはそこまでのものか。
「そういえば犯すとか言っといて、ヤってる最中めちゃくちゃ感じてたもんね。」
「いや、私達めっちゃ相性いいよ。ヤバい。」
「……ったくしょうがないなぁ。」
しばらく容体が落ち着くのを待ってからブレイズの脚を再び左右に押し広げた。
本来の位置に戻りたっぷりと愛液を吸い取ったショーツを脇に除け、泡立った彼女の秘部を下から上にゆっくりとティッシュの束で撫で上げていく。陰唇を左右に押し分けていくと指に硬い感触が当たった。
「んっ……クリあんま擦んないで。」
「あーごめんごめん。――終わったよ。」
濡れたティッシュ達をゴミ箱に捨てて戻るとブレイズは依然として無防備に両脚を開いたままで居た。
先程までよりもしっかりと座っているあたり、抜けた腰も戻ったようだ。
眉をしかめて手で払うジェスチャーを送った。
「いつまでおっ広げてるのさ、はしたないよ。」
「今更でしょそんなの。……ねぇ、あんたからはしてくれないの?」
彼女は二枚目のコンドームを手に挑発するような表情でこちらを見つめてくる。
「はぁ……まだ足りないのか。悪いけど僕、こういう事は気持ちがないと出来ないんだよね。使わせてあげただけでも――」
「あっ……んんっ」
こちらの言葉を聞き終えるよりも早く、目の前のフェリーンは見せつけるように自分の中指でクリトリスを愛撫し始めていた。
「いやいやいや何してんの拭いたばっかでしょ。」
「気持ちがないとって言うけどさ……っ。普段一緒に仕事してる女が……目の前でこんな、事してたら流石にどう……?」
赤面しながらも自身への愛撫を続ける彼女は、やがて中指を膣に押し入れて膣内を刺激し始めた。
時折こちらを見ては目を逸らしつつ自慰に浸るその様はあまりにも淫猥だった。
気が付かないうちに二度の射精の後にも関わらず自分が勃起している事に気付く。もう陰茎は痛いくらいなはずなのに目の前の淫らな光景から目を放すことが出来ない。
「ねぇ、あんたが私をイカせてよ。自分の指でイッちゃうのは味気ないって……抱いてよ。」
普段、頼りになる彼女が今は切なげな表情で自分を求めてきている。
――そのギャップに性欲が暴力的なまでに刺激され、遂には彼女に絆されてしまった。
「あんた、エロすぎるでしょ。」
思わず上がってしまう口角を拳で隠しながら詰め寄り、ブレイズの両手首を掴んで強引に押し倒す。
満足気にこちらを見ようとした彼女の唇をすかさず奪った。
舌を押し入れてブレイズの舌に荒く絡ませる。
「〜〜っ!」
ブレイズは一瞬目を見開いたあと、蕩けた表情に堕ちた。
求めるように舌を負けじと絡ませてくる。
ひとしきりキスして唇を離すと彼女の呼吸は浅く、速くなっていた。これは激しく発情したフェリーンに見られる変化だ。
「あんた恋人以外とする時にもキスするんだ、意外」
「誰にでもする訳じゃないよ……たぶん」
「たぶんってなにさ。そういうのはちゃんと決めておけよ〜」
ブレイズは面白そうににやにやしている。
「セフレなんて作ったこと無いから他の事例が無いんだよ……」
「ていうか私は恋人じゃないのになんでokなのさ?今はカーディも居るのに??」
「カーディは––あの子は恋人とか、『そういうの』すらちゃんと分かってるのか怪しいし……ブレイズさんのことは仕事の同僚と言うよりかはその、大きな家族の一員みたいに感じてるから……」
その言葉にブレイズは嬉しそうに笑い、両手でこちらの顔を引き寄せてきた。再び舌が絡み合う。
「……セックスしてる相手を家族呼ばわりとか普通に考えたらヤバいこと言ってるけど、言いたいことはまぁ伝わったよ。嬉しい。」
なんだか小恥ずかしくなって顔を逸らしてしまった。
「あっそ。でもセフレはセフレだからね。」
「もっちろん!」
今度はこちらから唇を重ねる。舌を絡ませながら右手でタンクトップごと胸を揉みしだいた。ボリューム感のある乳房に指が沈み込む感触が心地良い。
唇を放して起き上がり、今度は服の内側に両手を潜り込ませて弄った。指に触れた硬い感触を捕まえて指で挟むとブレイズから声が漏れる。
「乳首硬すぎでしょ、エロ猫。」
タンクトップとスポーツブラをたくし上げ、露わになった勃起した乳首を口と指でそれぞれ愛撫していく。舌で転がされる硬い感触はどこか懐かしい感覚を覚えた。
既にブレイズは断続的に喘ぎ声が出始めている。
「まだまだこれからだけど?そんなんで大丈夫なの?」
「……うるっさいな……急に生意気になっちゃって。」
ブレイズの頭を手で持ち上げ、こちらも顔を寄せて耳元で低い声で囁く。
「さっきのお返し――犯すからね。」
きっと今自分は悪い顔をしているのだろう。
それは鏡ではなくブレイズの表情を見て分かった。ゾクゾクと音が聞こえてきそうな期待と緊張の色を浮かべている。
ブレイズの両の膝下を掴み、秘部が無防備になるようしっかりと抑えつけた。
顔を股間に引き寄せてショーツ越しにクリトリスを口で愛撫していく。舌が触れた途端に腰が持ち上がるが構わずに愛撫し続ける。ショーツに唾液と愛液で広々とした染みが広がってきたので手早くショーツを脱がせた。片方の脚に引っ掛けているのは完全に個人的な趣味だ。
包皮の中へ滑り込み、舌の表面で擦り上げ、舌先で転がし、吸う。緩急をつけて様々な手口で責める度に膣からは愛液が溢れ出した。
腰を浮かせたブレイズから上がる嬌声に征服感を覚えながら、彼女の顎に手を添えてこちらを向かせる。
「なに一人で気持ちよくなってるのさ。ほら、四つん這いになってよ。」
向こうも攻めと受けの流れにノッているとはいえ、自分の命令に従順に尻を突き出すブレイズの姿は数時間前の自分なら絶対に考えられなかった。
尻尾の付け根を指で小刻みに叩いて振動を加えるとびくりと尻尾が力む。
「利口な猫さんにはご褒美をあげないとね。」
枕元からゴムを取り勃起した肉棒に被せていく。
尻を突き出したままブレイズが待ち遠しそうにその様子を見ている。
「コンドームってさ、エロいよね。快楽の為だけにセックスするぞ~って感じがさ。」
「……あんた、男の僕よりも頭ん中ピンクだよ。だけど――」
コンドームを被せ終わった亀頭をびしょびしょの膣口にあてがい、一息に刺し貫いた。ブレイズの背中が震える。
「んっ!?!?」
「正直、僕もそう思ってた。」
腰を掴んで力が逃げないようにして、何度も一番深くまで突き上げる。
夜更けの静寂に軽い破裂音が一定のリズムで刻まれていく。
時折尻尾を扱いたり大きな獣耳を舐めて変化をつける。ブレイズの喘ぎ声は外に漏れていないか心配になるレベルにまでヒートアップしていた。
普段の彼女の声とは全く違う甘い声色に興奮して膣内で肉棒が硬さを増す。
回数を重ねていくと擦った時に膣が締まる場所が粗方割り出せた。肉棒を差し込む角度を変えて重点的に責める。
ブレイズも弱い所を責められている事に気付いたのか腰を倒して逃れようとするが、すかさず両手でしっかりと抑えつけた。
「今、腰ずらして逃げようとしたでしょ。」
「まっ、そこはダメだって……!ほんとに!!」
善がるブレイズの姿に嗜虐心をくすぐられ、両の手首を掴んだ。上体を反らして無防備に突き出した乳房を揺らして喘ぐその姿は射精感を呼び覚ますには十分過ぎた。
しばらくピストンを続けそろそろ限界が近い頃、このままでは味気無いと感じて彼女の上半身を抱き寄せ後ろからキスをした。
同時に膣内で肉棒が締め上げられる。
舌を絡ませながら胸を揉みしだき、後ろから肉棒で深く突き上げていると目の前のフェリーンを支配している様な錯覚に陥っていく。
「やば……も、イく……」
ブレイズが震える声で絶頂が近い事を知らせた。
「いいよ、ほらイッちゃえ。」
「あっ!?〜〜〜っ!!!!」
乳首を摘み上げて一際強く肉棒で貫くと膣からは一気に潮が噴き出した。身体は目に見えるほど痙攣し、膣内の肉棒が一際強く締め付けられる。ブレイズは最早ベッドに手をつく事も出来ずに崩れ落ちた。
膣が強く脈打つ感覚を直接感じながら、彼女をベッドに仰向けに倒す。
「まだ終わってないんだけど?」
正常位の姿勢で再び亀頭を膣口にあてがった。
股間に触れた硬い感触に我に返ったのか、ブレイズは息も絶え絶えに必死に制止してくる。
「まっ……いま、イッたばっかだから……むり……」
快楽の涙でぐしゃぐしゃになった顔に手を伸ばし、親指を口に差し入れて喋れなくする。
「自覚が足りないんじゃないの?今、あなたは僕に犯されてるんだよ。」
ブレイズに立場を今一度自覚させながら限界の近い肉棒を押し入れた。
両手を恋人繋ぎでベッドに押さえつけ、隠すことの出来なくなった彼女の蕩けた顔を見つめながら腰を振る。
「年下の男を勢いで襲った上に、二戦目まで誘っておいて……情けないね。こんなになって。」
言葉で責めると膣が締まった。
「あれ、詰られて興奮してるの?可愛いとこあるじゃん。」
ブレイズは顔を背けるが膣は正直に反応している。
先ほど特定した弱い部位を集中的に攻めてなんとか自分が果てる前にもう一度絶頂へ導こうと努めた。
「……そろそろ出るけど、いい?」
息を切らしながら訊ねるが最早ブレイズに会話する余裕はなかった。粗い呼吸を続けながら小さく首を縦に振っている。
「今のブレイズさん、結構可愛いよ。」
「〜〜っ!?」
一つ言い残して最後のキス。
舌を絡ませながら欲望のままに射精した。
痙攣する膣壁に尿道の精液を搾り上げられる。お互いの性器が快楽に震えているのを感じながら、熱が収まるまで優しくキスを続けた。
*
二人でベッドに仰向けに横たわり、ブレイズの黒髪を弄びながらくつろぐ。
「流石に3回戦は……ないよね?」
ちらりとブレイズを見遣ると乳首の勃起は収まっていた。顔の紅潮も無くなっている。
「無理無理、ちょっと調子乗りすぎたかも。あ〜、ヒリヒリするわ……」
「そりゃあれだけ激しくすればね……。最初絞られた時だいぶ飛ばしてたからブレイズさんなら大丈夫なのかって思ってたけど、後先考えてなかっただけなんだね。僕も思いっきりハメちゃったよ、ごめん。」
「お前覚えてろよ。……まぁ実際そうなんだけど。気にしないでよ、どうせほっときゃ治るって。」
無機質な天井では空調が動き始めていた。部屋に心地良い冷風が送り込まれていく。
横になって落ち着くと心から、身体から、疲れがみるみるうちに溢れ出してきた。
「はぁ……流石に満足してもらえたかな。」
「いや~すごい良かった!あんた意外とSっ気あるじゃん、私好きだよああいうのも!」
視界の端で黒いしっぽがご機嫌そうに揺れている。
指先でつまんだ彼女の髪艶の良さに感心しつつ、枝毛がないか探しながら言葉を返す。
「ブレイズさんは攻めるの好きだと思ってたけど、受けが好きなの?」
「ん~、気持ちよければどっちも好き。あれかな、攻守逆転した時のさっきまでとのギャップに興奮するのかも。」
「あー分かるよそれ。」
「……でも、可愛いとか言われるのはあんまり得意じゃないからよしといて。」
ブレイズはごろりとこちらに転がりじっとりと睨んできた。頬を染めながらも相手の顔を見て申し立ててくるのが実に彼女らしい。
「はーい。まぁ、そうだろうと思ったから言ったんだけどね。」
「うーわ最悪。」
ふと、一線を超えたはずなのにまるで今までと変わらない心持ちでブレイズと会話できている現状に気付く。
「……正直最初は怖かったんだと思う、ブレイズさんとの関係?距離感?が変わるのが。でも実際終わってみたらブレイズさんはブレイズさんだったよ。」
「なに当たり前の事言ってんのさ。これくらいコミュニケーションの一環でしょ。」
「そうですよね……」
お互いの体表面に露出した黒く冷たい源石を眺めた。
きっと、言うべきではないと頭では理解していても口は動いてしまった。
「感染者になってからさ、大丈夫だって頭では分かってても――」
続く言葉は顔にのしかかってきたブレイズの掌に阻まれる。
「分かってるよ、全部。でも別にそんな小難しい話じゃなくて、もっと気軽なノリで居ようよ……私達は。ヤリたいからヤる、そんだけ。オッケー?」
にかっと笑う笑顔は普段のブレイズのそれだった。
こんな状況だからこそ、気兼ねなく求められる関係も悪くないのかもしれない。少し、心が軽くなった気がした。
鼻で笑ってベッドから起き上がる。
「ん〜、人様に胸張って言えるような間柄じゃないことは確かだけど……まぁいいか。」
やんわりとした承諾にブレイズは瞳を輝かせると、あぐらのままで伸びをした。
「よっしゃ~!そうこなくっちゃ!ヤッたら喉乾いたし、飲みなおすか!!」
「さっきチェイサー飲んだ意味無くなるだろ!?もう炭酸水もないよ!!」
「度数低ければなんだってチェイサーだから!……あっそうだ、あんたの股間のサーバーから出せばいいじゃん。」
「うっわ最低だよ!品性の欠片もないなほんと……」
――お互い、人よりも駆け足で死に向かっている人生だけど。
一度この舟を発てば、また会えるかなんて分からない生活だけど。
まぁ、もう少しだけ、あなたに絆されたままで居てあげるよ。