そんなミサトとともに暮らしていたシンジはミサトへの愛を告白する。
そして、夜を過ごし男女の仲になるが…。
ミサトにはシンジに隠していたあることがあった。
それは彼女が彼の父ゲンドウを殺したことであった。
※今までのシリーズとは全く別のミサシンです。
ベースはエヴァ旧劇新劇ではなく、PSPで出された「新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ」のミサトシナリオになり、本作はその続編になります。
pixivにもあげております。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15841217
・加持は生存
・ゲンドウはミサトの手で殺されている
・綾波とカヲルは宇宙に消えていったのですでにいない
碇シンジは17歳になっていた。
高校の卒業を迎え、とうとう来年の4月には大学デビューを始めようとしていた。
彼が中学生の頃に、世界は使徒という巨大な敵を相手に戦いを始めていた。
その時、彼は中心にたっていた。
そして、出会った。
葛城ミサトに。
最初はだらしない品のない女と思っていた…。
だが、シンジはネルフに強襲した戦略自衛隊によって殺されそうになったが、ミサトによって救われた。
第三新東京市にできた大きな空洞は、幸運にもミサトの家から離れていた。
ペンペンも家財道具も無事であった。
だが、シンジの父であった碇ゲンドウは姿を消した。
数週間後、加持の手で日本国外のマスコミから特務機関ネルフの真の目的と日本政府の癒着、そしてその背後にいる巨大な秘密組織の陰謀について明かされた。
今でも彼はその秘密組織『ゼーレ』の謎を追いかけるために世界中を駆け巡っている。
ネルフは解散となり、ミサトは現在民間軍事企業のアナリストになっている。
アスカはドイツに帰り、綾波レイも行方不明になっていた。
中学の友人ともほとんどは音信不通だ。
ネルフの人間ともミサト以外はほとんど関係がない。
今では友人と言えるのはミサトしかいない。
シンジは難しい顔をしながら、橋の上からボーっと眺めていた。
「どったの、シンちゃん。」
「いいえ、何でも…。」
シンジは橋の上からふと船をみていた。
「父さんのことを思い出すんです。どこにいったんだろうって。セカンドインパクトを起こしたのが父さんだったら…僕はあの人を本当に許せないかもしれないって…。」
ミサトは黙った。
あの日、ネルフがズタズタになったとき。
ミサトは綾波レイを使いリリスと同化しようとした碇ゲンドウを殺してしまった。
父さんを利用したあの男が許せなかった。
そして、その時同じく思った。
シンジ君を守ると。
彼から父を奪った。
その事は永遠に許されるものではない。
そして、憎悪にかられた彼に殺されてもよいとすらも…。
「シンジくん、もう過去のことよ。忘れましょう。」
「…ミサトさん。あなたにとって僕ってなんですか。」
「私の弟。」
「弟なんですか?」
「血のつながらない弟。」
シンジは少し照れ笑いをした。
その笑顔には14歳の頃の彼が少し残っているのが彼女にわかった。
「そうだったのか。」
その笑顔には少し寂しそうなものがあった。
やはり、ずっと加持さんが好きなんだ。
「やっぱ、加持さんのこと今でも好きなの?」
「…ええ、でもあいつとはもう何年もあっていないわ。」
加持くん、生きているかどうかすらもわからない。
もしかしたら殺されているかも。
彼のSNSはもう何年もログイン状態になっていない。
連絡もない。
電話をかけても返信がこない。
数年前に公開された情報のみだ。
ミサトの目は少し寂しそうだった。
シンジは少し目をやった。
「だったら…僕があなたを好きになってもいいですか。」
ミサトの胸がドキリと動いた。
そして高鳴った。
「な、なにを言ってるの!?」
「ずっとあなたが好きでした。あなたのそばにずっといます。・・・だからどこにもいきませんでした。」
ミサトは恥ずかしそうに眼をそらした。
「アンタ、ぶわっかぁ!?」
まるでアスカみたいだ。
シンジは残念そうに肩を落とした。
ミサトはそれに気が付くと、頬に優しくふれた。
「ミサトさ?」
そして、キスをした。
それは長い長いキスだった。
「ミサトさん…。」
「すごくうれしい。」
ミサトはシンジの腕をつかむと、そのまま車に乗った。
車の中でお互いにキスを重ね合わせると、二台はすぐさま自宅へと向かっていった。
シンジよりまだ少し背が高かったミサトは簡単にシンジを抱きかかえると、そのままベッドに倒れた。
二人はそのまま荒い息をするとベッドの上に倒れた。
その様子をペンペンがみつめていた。
そして、お互いに服を脱ぐと…彼女はシンジの上に乗っていた。
「ん、あッ…。」
シンジは寝ながらミサトにまたがられると何度も何度も息を漏らした。
その苦しそうな声を聴くとミサトは少しサディスティックな笑顔を浮かべていた。
「も、もう…。」
シンジが懇願にも似た声をあげると、ミサトは覆いかぶさりそのまま何度も何度もキスをした。
「かわいい、シンちゃん。」
ミサトは何度もシンジの声をあげ彼を迎え入れた。
そして、二人はお互いに重なり合い一つになった。
数時間が過ぎた。
ミサトのベッドの脇にはシンジがいた。
寝ている。
とうとう、彼を汚してしまった。
加持がいるのに、黙って彼を抱いてしまった。
罪悪感が彼女を包み込んだ。
ケガシタ…。
この子から父を奪った。
青春も奪った。
そして、彼の貞操を奪ってしまった。
「ごめんなさい、シンジ君。ごめんなさい、加持くん。」
こんなけがれたヒトゴロシは彼に相応しくない。
ミサトは決意した。
そして、メモを書き残した。
翌朝、シンジは目を覚ました。
そこにはある書置きがあった。
『ずっと黙っていてごめんなさい。あなたの父さんを殺したのは私なの。セカンドインパクトを起こしたあなたの父を許すことはできなかった。あなたからすべてを奪ってしまった、そんな私はあなたに相応しくないの。どうか許してね。幸せになって。あなたに私の貯金と財産をすべてあげます。あなたなら有効的に使えると信じています。私もあなたを愛してます。』
シンジは舌打ちをした。
どこまでも自分勝手な人だ。
なんでだよ。
なんでなんだよ。
自分に相応しくない!?
それはあんたの勘違いだ。
シンジはふと、手元にあるGPS追跡装置を押した。
これは加持の贈り物だった。
ミサトがいなくなったときのためのもの。
昨日いった港だ。
シンジは急いで向かっていった。
加持が日本を発つ数日前。
シンジは加持に呼び出された。
そこで全てを教えてくれた。
ゲンドウがもくろんでいた事、人類補完計画について、そして…ゼーレについて。
加持さんもゼーレにすべてを奪われた。
その復讐を完全に行うのが彼の目的だ。
『シンジ君、葛城を幸せにしてやってくれ。それは君にしかできないことだ。』
それは加持なりのシンジのハッパのかけ方だったのだろう。
だが、それでもおかしい。
身勝手だ。
加持さんも身勝手なら、ミサトさんも身勝手だ。
シンジはタクシーをつたいながら、ようやく昨日の橋の近くに来た。
ミサトは橋の上にたっていた。
靴は脱いでいた。
運転手の男はそれに気が付くと110番をかけた。
恐らく、自殺する気だったのだろう。
「ミサトさん!!!」
ミサトは振り向かなかった。
「シンジ君…ごめんなさい。」
シンジは荒い息をした。
「なんで?」
「あなたの父さんを殺したこと?」
「違う、なんで自殺なんかしようとするんだってききたいんだ。」
「ごめんね、シンジ君。私は…あなたの全てを奪ったサイテーな女なの。だから…死ぬしかないのよ。」
シンジは叫んだ。
「ふざけるなよ!!!」
ミサトは思わず振り返った。
「だったら僕も死んでやるぞ!!」
「え?!」
「あなたがいない世界なんて生きてる意味がないだろ!」
「でも、あなたが死んだらペンペンはどうなるの?」
「…それは。」
「あなたは生きて。」
シンジは再び叫んだ。
「だったら、あなたも生きてくださいよ!生きて僕に償ってください!死ぬことが償いじゃないんだよ!生きる事の方がもっと大事なんだよ!!」
ミサトは震えた。
「シンジ君・・・?」
シンジの目には涙が浮かんでいる。
ミサトは振り返ると、彼の方に近づいた。
そして、頬に優しくキスをした。
「わかったわ。生きる。生きてあなたのそばにいつづける。だから許して…。」
「うん。」
二人は抱き合った。
気が付けばパトカー数台がきていた。
それとは無関係にシンジはミサトと抱き合っていた。
その様子を遠くからみつめる車が一台あった。
「よかったな、葛城。幸せになれよ。」
その車の持ち主はそう告げた。