櫻田葵
1
皇ライが壁に掛かった時計に目をやったとき、玄関でガチャリと鍵の外れる音がした。待ち人来たる。ライはリビングから廊下に顔を出す。
「遅かったね」
玄関には少女が立っていた。年のころは二十歳前後で顔の半分を覆う大きなマスクが目につく。背中まで伸びた長い髪、華奢だが程よく肉のついた抱き心地のよい肉体。その肉体に触れることを想像して早くもライの下半身に熱が灯る。
「ちょっと頼まれ事しちゃって」
少女はマスクを外しながら言った。
「護衛の人は」
「外にいるよ」
「今日も立ちんぼか。ここに来る日はいいって言ってるのに」
「お父さんが心配するから。一般的にはライのほうがおかしいのよ。王族なのに護衛のひとりもつけないなんて」
「櫻田王国は治安がいいから大丈夫じゃないかな。これも葵のお父さんがいい王様だからだろうね」
「ヨイショしても何も出ません」
ふふっと少女――櫻田葵が口元に手を当てて笑った。
「何が面白いの」
「今日こんなに人と話したの初めて。ずっとマスク着けて黙ってたから」
「この家では好きなだけ声を出していいよ。僕に絶対遵守は掛からないから」
「友だちには風邪だって嘘ついて心配させちゃったな」
「いつか分かってくれるさ」
気休めと思いながらも葵の憂い顔に声を掛けた。
櫻田葵は櫻田王国の第一王女である。穏やかな物腰、容姿端麗、周囲を思いやる慈しみの心は理想の姫様と多くの支持を集め、次期王様を決める占拠では常に一位を独走してきた。しかし彼女には大きな秘密があった。己の能力が他人の精神に作用するものであることを隠していたのだ。
この世界の王族は不思議な能力を持って生まれてくる。櫻田家とて例外ではない。兄弟それぞれ特殊能力を持っている。葵は
他人を意のままに操れるような人間が王様になるわけにいかない。人知れず葛藤しながらも王家に生まれた者の義務として、次期王を決めるための選挙戦を戦っている。
選挙戦も終盤まできた。国民へのアピールはほぼ終わり、最後は兄弟全員がひとりずつ国民に呼びかける最終演説が待っている。情勢は依然として葵が優位。無難に乗り切れば後継に選ばれる。そのタイミングで葵の身にアクシデントが降りかかった。
定期検査で
能力暴走が始まってしまうと葵の言葉は全てが他者への命令となってしまう。些細な一言が他人の意思や人生を歪めてしまう。収まるまで声を出すことはできない。
葵には能力暴走が始まると必ず向かう場所がある。今回もそこへ足を運んだ。櫻田家のほど近く、中流家庭の平均的な一軒家といった風情の家。そこにライは住んでいる。
皇ライという少年は櫻田家の関係者として特異な位置にある。出身はヨーロッパの小国で、父親はそこの王様、母親は櫻田王国出身の王妃。紛う方もない王子様。異国の王子様がなぜ他国で庶民のような暮らしをしているか。それは彼もまた絶対遵守の能力を持っていたからである。
ライの能力は幼いころから公表されてきた。如何なる能力であろうと偽りなく公表するのが、かの国の決まりだったからである。
絶対遵守は強力だ。ライは同じ相手に二度掛けられない制約を持つ代わりに、如何なる命令でも相手に聞かせられる強制力がある。たとえ命に関わる命令でも相手は従わざるを得ない。
どこの国でも子供は癇癪持ちと相場が決まっている。情緒が不安定な幼子は軽い気持ちで相手を害するようなことを言う。ただの子供なら黙って聞き流せばいい。しかし、もしライの機嫌を損ねたら? 命の何たるかさえ知らない子供の無邪気な「死ね」が死刑宣告になる。
周囲はライから距離を取った。彼を害さず、彼に害されないために。彼を取り巻く人間たちにとって幸いだったのは、ライが大人しく利発な子供だったことだ。物心ついた年のころには、既に自分が周りの人間とは違うこと、彼らは自分を恐れていることを理解していた。
監視だらけの窮屈な生活から抜け出すためには、危険な人間ではないと証明し続けなければならない。ライは虫も殺さない穏やかな王子様を演じた。
やっと周囲が警戒を解いたのは十代も半ばを過ぎたころ。血気盛んな年ごろになっても変貌する様子は見られないし大丈夫だろうと判断されたのか、常に護衛の名目でまとわりついていた監視の人数が減らされた。
その変化を感じ取ったライは、見聞を広めるため他国に留学したいと父でもある王に願い出た。
行き先は櫻田王国。母の故国を訪ねてみたいのだと言う息子に母は感激し、父も強くは反対できなかった。いつまでも手元に置いて箱入り息子にしておく訳にもいかない。かくしてライは息が詰まる国を抜け出した。
櫻田王国とは親しく付き合ってきたようで、滞在中は彼らが暮らす家から然程離れていない場所に家を用意された。驚いたのは櫻田家の生活だ。庶民と何ら変わることのない日々を過ごしている。やたら街中に監視カメラがあって子どもたちに危険がないか見守られていたり、櫻田家の人間は末娘の栞に至るまで、国民のほぼ一〇〇パーセントに顔と名前を覚えられていたりと破格な部分もあるが、本人たちの暮らし向きは至って質素だった。
この国に来て初日に櫻田家の子供たちを紹介された。その中に長女の葵もいた。
「ライくんと同じ高校に通っているから、何かあったら頼ってくれ」
国王である櫻田総一郎の言葉が耳に入らないほど彼女に見蕩れた。
2
ふたりはリビングで唇を合わせた。
「んっ♡」
触れ合わせた場所から声が漏れる。
初めは軽く触れ合わせるだけのキス。だが若い恋人がそれだけで満足できるはずもなく、次第にエスカレートしてお互いの舌をしゃぶり始めた。ふたりの口の間をぬるつく舌が出入りする。ピチャピチャと水音を立てて粘膜を擦り合わせる。やがて我慢できなくなったライの両腕が葵の背中と腰に回され、彼女の身体をがっちりホールドして口内を貪る。
王子様然とした美少年に隠された雄の部分を感じて葵の雌が反応する。
「やだ。こんなキスされたら」
「もっとシタくなる?」
直接的な物言いに葵は顔を赤くして俯いてしまう。彼女の顔が見えなくなるのは残念だが、何度身体を重ねても初々しい反応が可愛くてからかってしまう。ライは彼女の色づいた耳を口に含む。
「あっ♡ あっ♡ やっ♡」
耳の形に舌を這わせる。口の中でたっぷり唾液を塗してから穴の周囲を舐めた。ぐじゅぐじゅと淫猥な水音を耳元で感じていることだろう。外周に従って軽く甘噛みする。上から耳たぶを目指す。耳たぶだけ少し強く囓ってやる。
「んんっ♡ そんなっ♡ だめっ♡」
こうされると葵が可愛い声で啼いてくれると知っているから。
「もう我慢できそうにない」
「お風呂行きましょう。シャワーだけでも浴びさせて」
「一緒に入ってくれるなら」
「ほんとにエッチなんだから。んっ♡ むちゅっ、ちゅっ♡ んふぅ♡ キス気持ちいい」
「ずっとシテたい」
「ダメよ。続きはシャワーのあとで」
「離れたくない」
そう言ってライはキスしたまま葵の服に手を掛ける。「繋がったまま脱いで風呂場まで」
「こんな行儀悪い姿は弟や妹に見せられないわね」
「まず兄弟にセックスなんか見せられないよ」
「それもそうか」
「それよりキスしたい」
「うん。しよっ♡」
絶対遵守の能力は同じ絶対遵守の持ち主には効かない。理由は未だ解明されていないが、打ち消しあって無効化されるのではないかというのが有力な仮説だ。
意図せず他人を操ってしまうかもしれない恐怖、能力暴走中は言葉を取り上げられ誰とも話せないストレス、それらを理解し合える同士との出会い。ふたりがお互いを唯一の相手と認めるまで時間は掛からなかった。
シャワーを掛けると白い肌が水滴をよく弾いた。お湯を止めてボディーソープを泡立てネットに落とす。作った泡を両手に広げて目の前の背中に触れた。
若い女の珠のような肌を手で擦る。こんなので汚れが落ちるのかなと初めて一緒に入ったときは訝しんだが、女の肌は男よりもデリケートだからタオルでゴシゴシ擦ると傷付くのだと言われてしまえば、葵以外の女を知らない身では言うとおりにするしかない。
「うん、気持ちいい」
三助役も板についてきたようだ。ライの手が背中全体を滑るように洗うと葵の口から色っぽい息が漏れる。そんなつもり彼女にはないのだろうが、呼吸音ひとつ一つが男を誘っている風に聞こえてしまう。
前方の鏡に目をやる。椅子に座って背中を洗ってもらっている葵と、彼女の背中を洗っている自分の姿が映っていた。形のよい乳房はツンと上を向いて重力に逆らっている。頂上の突起は摘みごろのベリーを思わせる色合い。
「心ここにあらずで何を考えているのやら」
背中を洗いながらも前が気になってしまうライに葵が声を掛ける。おっぱいに釘付けだったことを見咎められたライの男性器が脈打って跳ね返る。ヘソまで反り返った肉茎が下腹部を叩いた。彼女の身体に興奮して収まりがつかなくなっている。
「そろそろ前を洗うよ」
腋から手を通して胸に触れる。乳房を下から掬い上げるように持ち上げ肋骨との間も洗う。肋骨に沿って胸の前から横に掛けて手を滑らせると葵が「んっ♡ はぁ♡」と声を漏らす。
「んもう♡ 触り方がエッチなんだから」
「葵が敏感すぎるだけじゃないかな」
乳房に手を回すと葵は身をよじって隠そうとする。本気で逃れたいのではない。恥じらいこそ男を昂ぶらせると知っているのだ。彼女の誘いに応じてライの指が中心で色づいた突起に触れる。泡のついた人差し指でクリクリと回すと、葵の身体から力が抜けて身を預けてきた。
「んっ♡ ぁ……ん♡」
葵の右手がモゾモゾと動く自分の下半身に伸びる。ライに乳首を攻められながら自分で秘密の花弁を弄るつもりなのだ。
「男におっぱい揉まれながらオナニーするなんて、いけない王女様だ」
「やだっ……そんなこと♡ 耳元で囁かないで♡ はぁんっ♡ 気持ちよくなっちゃう」
ライが乳首を摘まむと葵の手の動きが速くなる。彼女は恥も外聞もなくイクことだけしか考えられなくなっているようだ。
「もうイキそう?」
「うん♡ イッていい?」
「このあといっぱい付き合ってくれるならいいよ」
ライが右手を葵の秘部に持って行く。男の手で乳房と陰部への刺激を繰り返されながら葵は高みへ追い詰められていった。
「ここはまだ洗ってないのにヌルヌル。石鹸じゃないよね。掻き出しても掻き出しても出てくる」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ やぁっ♡ あっ♡ あんっ♡ そこっ♡ も、ダメ……イクっ……イクっ♡」
葵は全身を強ばらせる。股間から生まれた強烈な快楽。その爆心地を封じ込めようと両脚をギュッと閉じるが、内ももに挟まれながらもライの手は動きを止めない。絶頂に痙攣する葵のナカを擦り続ける。
「はぅ……♡ はぁ……♡ あぁ……♡ あっ♡ やっ♡ あぁっ♡ やっ♡ やっ♡ あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あぁぁぁぁぁ~~♡」
イッても終わらない手マン地獄で連続三度の絶頂を迎えた葵は、やっと解放されるとライに肩を抱えられながら寝室まで連れて行かれた。
「ちょっと休ませて」と懇願する声を無視して彼は葵をベッドに横たえる。そして彼女の指を飲み込んで開かれた陰唇に口づけた。
「おっ♡ おっ♡ おっ♡ あっ♡ あっ♡ ダメッ♡ イッちゃうぅぅぅぅ!!! あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ ダメっ♡ イッばかりで敏感なのにっ♡ んひっ♡ そんなに舐められたらっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」
「僕のもシテよ」
ライが仰向けになると葵は彼の顔を跨ぐ。背面での顔面騎乗。目の前で王女様のヴァギナとアヌスがヒクついてライを誘う。愛蜜が垂れる花弁に下を伸ばす。高貴な姫様は男に秘部を舐められて足腰から力が抜ける。
「あっ……やだっ♡ ごめんなさいぃぃ♡ ああぁっ♡ でも……んんっ♡ ちからがぬけて……たてないぃ♡」
ライの顔に腰を下ろしてヴァギナを擦りつけながら葵は無礼を詫びた。だが当のライは最愛の王女との密着を喜んでいた。その証拠に股間の肉槍は隆々と勃起している。彼女のアンダーリップに塞がれた口の代わりに、腰を左右に揺すって口奉仕を促した。
「こんなことさせるなんて本当にエッチなんだから」
口では嫌がりつつも葵はライのモノを咥える。シックスナインでお互いの性器を頬張る。たちまち肉槍から鮮烈な快感がもたらされて、ライは「くうぅっ」と呻き声を上げた。
既に何度も身体を重ねた葵はライの弱点を知り尽くしている。能力を完全学習と偽っても周囲に怪しまれなかった高い学習能力が、いまはセックスで彼を気持ちよくするための努力に向けられていた。高貴な王女様の口が自分のチンポを咥えていることに気分が高揚する。
こちらも負けるわけにいかないとライは舌の動きを速める。顔に垂れてくる愛液を舐め取りながら膣洞を舌先でほじった。
「あぁぁっ! ぁん♡ 舌が入ってくる♡ おくまでぇなめられてっ♡」
一定のペースで繰り出されていた葵の優等生的ストロークが乱される。肉棒を吐き出すと快感に酔いしれてフェラを再開できないでいた。もっと気持ちよくしてやりたい。この女を啼かせたいとライは攻め方を変える。
小陰唇の上にぷっくりと膨らんだ快感の肉芽。そこに舌を這わせる。
「ひゃぁんっ♡ そこっ♡ 舐めないでっ♡」
「何をどうして欲しいか、ちゃんと言葉にしないと。どこを舐めたらいけないの」
「意地悪しないで♡」
「それに葵がエッチのとき言う『やめて』は全部『シテ』っていう意味だよね」
「ん、う……♡ ダ、ダメッ……♡ いま、そんなことされたら……♡」
ライが包皮を剥いたクリトリスに吸い付く。鞘の上から触れられただけで全身の力が抜ける敏感な肉豆を直接刺激され、葵はものの五秒ほどで達してしまう。
「ああっ♡ だめっ♡ だめっ♡ やッ♡」
「国民の憧れでもあるお淑やかな王女様が、クリトリスおしゃぶりされると簡単にイクなんてね」
とんだ国家機密だ。
「もう前戯はいいから。早くおちんちんちょうだい」
王女様のおねだりに応えるべく、イキ疲れでぐったりする葵と上下を入れ替える。
「早く。ちょうだい」
葵が蕩けそうな甘い声で求めてくる。
その言葉に誘われるまま、ライは己の分身を彼女の割れ目に突き立てた。
「あんっ、や、すご! こんな、一気に……!」
一思いに突き刺した肉槍を、葵は感嘆の声をあげながら受け入れる。
「葵のナカ、ぐにぐに動いて絡みついてくる!」
相変わらずの名器っぷりを声に出して称賛する。褒められたことが嬉しかったのかナカで締め付けが強くなった。
「んっ♡ あっ、あっ……んあっ♡ いきなり激しいよ♡ こんなのまたすぐイッちゃう♡」
たちまち葵が男に媚びる声で啼いた。
根本まで埋め込んだ男根を引き抜き、また根本まで突き入れる。長いストロークで膣全体を解し、準備運動が終わった頃合いを見計らって回転数を上げる。
「おくっ♡ 奥突くのもいいけど、や、優しくしてっ♡ んんっ♡」
最奥を穿つようなピストンに葵のほうから待ったが掛かる。
「久しぶりだから……いっぱいくっついてよ……今日はずっと一緒に、ね♡」
快感に上ずった切れ切れの言葉で葵が伝えてくる。その声色やお願いの内容にライの獣性が刺激される。彼女の求めとは真逆にピストンの速度が上がる。
「ふぁ、あ、ん、んあ、ぁ、あっ、ん、んん♡ そ、れ、あっ、あっ♡ ぁ、ん♡ ん、ん♡ ん♡♡ ん♡ んーーっ♡」
「優しくしてあげたいけど一度射精しないと無理。僕も久しぶりで冷静じゃないかも」
「あっ♡ あっ♡ 仕方ないよね……私ばかりイッてるものね……いいよ、出して♡ だけど終わったら次は……ゆっくり楽しみましょ♡」
ライは上から覆い被さって葵の胸に吸い付く。上下を同時に攻められた王女は抽送に合わせてリズミカルに喘ぐ。声のトーンも跳ね上がり、しっかり感じている様子だ。
射精欲に突き動かされたライは、葵の胸に顔を埋めて小刻みなピストンで射精の準備をする。
本能一〇〇パーセントの腰振りに熱中して我を忘れる。彼女のナカで果てることしか考えられない。一方の葵も最愛の男に激しく求められる幸せを感じながら、彼の腰に両脚を巻きつけ受け止める準備をする。
「あぁっ、あぁっ、あぁーーっ! はぁぁぁっ! は、激しぃっ、あっ♡ あっ♡ あっ♡」
葵の絶叫めいた喘ぎ声を耳元で聞きながらピストンしていると、次第に腰の中心に熱いものが込み上げてくる。
「そろそろイクよ」
「ぁーーっ! ああああぁーーっ! わたしぃもぉーーっ! イクっイクっイクっ! イクぅぅーーっ!!」
お互いに絶頂を宣言しながら腰を擦りつけ合う。
最後のひと押し。もう射精する寸前でライは最奥を突き刺すようにえぐった。
「ひゃうんっ! イク、イク、イクッ! んはぁあああああーーーーっ! あっ、ぁっ、あっ?」
葵が身体を反らしながら今日一番の声を張り上げる。同時に膣内が激しく収縮し、吐精を促す動きがライにトドメを刺した。
「あぁっ、出る!」
葵と数秒遅れでライも彼女の膣内に幸せな射精を果たした。
櫻田奏
1
突然だが皆さんは『セックスしないと出られない部屋』をご存じだろうか? その名のとおり性行為しなければ絶対に出られない部屋のことである。絶対にだ!
この部屋に入ったが最後、いくら諍いを起こしていた間柄でも神の見えざる手によりセックスへと導かれ、最終的にはめちゃくちゃセックスしてしまう恐ろしい空間である。そんな『セックスしないと出られない部屋』を現実に生成してしまった人物がひとり。櫻田王家の次女にして
櫻田奏の物質生成は現実から空想、元素から生物まであらゆるものを生成でき、現時点で実現していない未来の物質まで呼び寄せることが可能だ。代償に生成したものと同価値の金額が自動的に彼女の口座から引かれていく。『セックスしないと出られない部屋』の建設費も支払い済みだ。
安くない金額を支払って完成した男女が誰にも邪魔されず、部屋から出るための大義名分の下にまぐわうための空間。究極のヤリ部屋に奏は男とふたりでいた。
「
バスタオル一枚でベッドに腰掛けた奏が立ち尽くす男に声を掛ける。彼の立っている位置から胸の谷間が見えるよう角度を調節し、上目遣いで男を挑発した。
奏の誘惑を受けているのは皇ライ。櫻田家の長女・葵の恋人で他国の王子様でもある。くすんだ銀髪に碧い瞳の美少年だが、母親が櫻田王国出身者だったため、顔つきにはどことなくこの国の人間に近い雰囲気もある。
櫻田家は男も女も美形揃いだ。奏も例外ではない。顎のあたりで切り揃えられたショートヘアが彼女のシャープな印象に合っている。大きく突き出た胸に代表される女性らしいボディは触り心地がよさそうだ。
その美貌が讃えられ周囲から王子様扱いを受ける――実際に王子様なのだが――ライとて、年ごろの男の子である。人並みに性欲や女体への興味を持っている。魅力的な女性にバスタオル一枚の姿で誘惑されるのは堪えた。理性がグラつく。しかも、ここは『セックスしないと出られない部屋』だ。部屋を出るためには仕方ないという逃げ道が最初から用意されていた。
「こんなのよくないよ」
生唾を飲み込みながら、抑えられない興奮丸出しのみっともない調子で、それでもなけなしの理性を動員してライは言う。
「こんなの絶対に後悔する。自棄で初めてを済ませるなんて」
奏は面白くなさそうにライの顔を見る。次いで彼の股間に視線を落とし、そこが衣類の上からでも見て取れるくらい、はっきり反応しているのを確認した。
「いや、これは違うんだ、そういうんじゃなくて」
こんなにしておいて馬鹿な強がりをとでも言わんばかりに鼻で笑われる。
股間を手で隠した間抜けな姿では何を言うこともできない。
「別に誰だっていいわけじゃないのよ。ライなら適任かなって思ったから頼んでるの」
「僕は
「分かってるわよ」奏は言った。「ライは姉さんの恋人だものね」
櫻田家の長男・修と奏は双子の兄妹だ。奏は家族からブラコンを指摘されるほど修に懐いていた。幼いころ彼に大怪我を負わせた負い目もあり、自分が修を支えるんだという意識で依存傾向にあった。だが修は同級生の佐藤花と付き合い始めた。奏は祝福しながらも物寂しい顔をするようになっていた。
「男のことは他の男を作ることで手っ取り早く忘れる。そんな短絡的嗜好は奏に似合わない。もっと自分を大事にするんだ」
「うるさいわね。おちんちん大きくしながら説教しても説得力ないのよ」
むんずと奏の手がズボンの上から半勃ちのペニスを掴んだ。
「姉さんとはしてるのよね。言わなくてもいいわ。私この前、見たんだから」
「見たって何を」
「あなたと姉さんが、その……姉さんの部屋でセックスしてるところよ」
見られていたのか。ライは思わず天を仰いだ。葵の護衛には自分たちが何をしても気にしないよう絶対遵守で命令していたが、櫻田家の兄弟たちには掛けていなかった。彼らを家族と思っているライは、能力で従わせるような真似をしたくなかったのだ。
「あの姉さんが、あんな凄い声を出すなんて……そんなに気持ちいいものなの? セックスって」
「個人差や相性があると思う」
バカ真面目に答えてしまってからライは頭を抱えた。己の分身を撫でる奏の手が気持ちよくて思考がそっちへ持っていかれる。
「姉さんとライは相性ばっちりってことなんだ。それなら私とも合うんじゃない。姉妹だし」
奏の手が股間のファスナーを下ろす。「やめて欲しいなら止めてみなさいよ。力じゃ敵いっこないんだし。それに絶対遵守の能力なら簡単でしょ。でも……そっか、ライの絶対遵守は、ひとりの相手に一度しか使えないから、こんなことで無駄撃ちしてる場合じゃないわね。もっと凄いことだって私に命令できるんだもん」
もっと凄いこと。奏の粘り気を含んだ口調にライの鼓動が早鐘を打つ。
「な~に想像して硬くしてんのよ。いやらしい」
「あうっ!」
奏の指先がライの亀頭をデコピンで弾く。
「こんなので気持ちよくしちゃうんだ」
「家族を絶対遵守で縛りたくない。乱暴なこともだ。お願いだから鍵を開けてくれ」
「無理よ。この部屋を生み出したのは私だけど、仕組み自体はどうしようもないの。私は作った人じゃなくて買った人。どういう原理でセックスしないと出られないかなんて知らないわ」
話しながら奏の手はライのベルトに掛けられる。カチャカチャ音を立てながら解かれた。ズボンをパンツごと引きずり下ろされる。カチカチに勃起したペニスが嘘か冗談のような勢いで飛び出した。
「きゃっ!」
油断していた奏の頬を亀頭が打つ。
初めて見る男の質量、形、熱、そして雄臭いににおいに奏は目を丸くする。だが驚きながらも彼女は目を離さず、むしろ至近距離で凝視した。彼女の妹に性器をまじまじ見つめられている異常な状態に羞恥と興奮を覚え、ライの下腹部は見る間に膨張を繰り返す。
「どこまで大きくするつもりよ。こんな大きいの入るの?」
「よく濡らせば」
「いやらしい」
聞かれたから答えたのに理不尽な。
「濡らすってどうするの」
「触ったりとか」
「触りたい?」
奏が両サイドから胸を中央に寄せる。ただでさえ姉妹一の巨乳を誇る彼女の寄せ乳は男を強烈に煽る。底なしに見える深い谷間から目が離せない。
「姉さんには秘密にしておいてあげる」
奏は身体に巻いていたバスタオルを緩めた。白い乳房が半分以上こぼれ出て鮮やかな乳輪がお目見えする。
「出すもの出さなきゃ部屋からも出られないのよ。緊急事態なんだから仕方ないじゃない」 はらりと取り払われたバスタオルの下から白い裸身が現れる。
「触って」
誘われて彼女の胸に手を伸ばしていた。手に余る胸乳を捏ねると奏の吐息が次第に荒くなる。葵よりも大きな乳房に魅せられてライは夢中で揉んだ。葵の胸は形が品よく整っていて張りがあった。奏の胸は柔らかく指を飲み込んでいく。姉妹で異なる感触を楽しみながら、立ち上がってきた桜色の突起を指で弄ぶ。
「んっ、あ……んぅ……姉さんにしてるのと同じようにして……もっと舐めたりしてたわよね」
命ぜられるままライは彼女の乳房を口に含む。シャワーを浴びたばかりの彼女の肌からは、甘いボディソープのにおいがした。きめ細かい肌を丁寧に舌で味わいながら彼女の反応を窺う。うっとりとした表情で目を閉じ、薄く開いた口から湿っぽい快感の吐息が漏れる。
「あっ♡ はっ……んんっ♡ ぁあ……ライ……」
陶然と自分の名を呼ばれて奏を気持ちよくさせてることに自信が湧く。さらなる快感を与えようと乳首も口に含んだ。
「はぁっ、はぁっ、はあぁっ、っ、んく、はぁ……」
奏は胸だけで出来上がりつつあるが、下を解さなければ初めてはつらいものになるだろう。それにライも彼女の秘所に興味が出てきた。チュパチュパ唾液音を立てながら乳首に吸い付いていると、そちらも触って欲しそうに奏の下半身が揺れ始める。
「ふ、はっ、あっ!」
片手で秘叢を掻き分けられた奏が目を丸くする。
「よく濡らさないと入らないよ」
クリトリスを撫でながら言うと奏が今日一番の激しい反応を見せた。
「いやっ、やだぁっ、それ、あっ、あんっ」
「まだ皮の上から触ってるだけなのに反応いいね。姉妹揃ってクリイキしやすい体質なのかな」
「やだっ♡ 知らないっ♡ んもうっ! 調子に乗って」
奏の反応に気をよくしたライが小陰唇に触れる。敏感な部分を揉みほぐし、つまみながら刺激に馴らしていく。人生で初めて他人にそこを触られた奏は快楽の中に困惑が溶け込んだ表情を浮かべた。当然そこに触れ合わなければセックスなどできるはずもないのだが、どこかでまだ他人に触られることへの覚悟が決まりきっていないようだ。
「くはぁ……うぅ…っ♡ はぁ……うっ♡ うぅんっ♡」
「甘い声を出すのはまだ早いよ。指、挿れるからね」
くぷりとライの指が奏の膣に侵入する。彼女自身の潤みで指は奥へ滑り込む。肉襞が蠕動運動を繰り返してライを深いところへ招く。
「や……ぁあっ! やめなさいっ……うぅ……ん……っ」
「口ほど奏のおまんこは僕のこと嫌がってないみたいだよ。吸い付きながらもっとシテ欲しいっておねだりしてる。聞こえる? もう奏のここ、グジュグジュ言ってる」
指を出し入れすると湧き出た愛液と空気の混ざった淫らな音が部屋に響いた。自分の股ぐらが発する淫猥な水音に奏の顔が紅潮する。
「や……ぁあっ……! 指っ……やぁあっ!」
「指二本に増やしてあげるね」
指一本でもキツかった膣は、二本目を飲み込んでますます隙間がなくなる。密着する媚肉の熱は指を溶かさんばかりに熱い。
隘路をくつろげながら奏の内部構造を探る。指を根本まで差し込むと奥にも締め付けてくる窄まりがある。入口の締め付けを突破して油断していると二段構えで搾り取ってくる貪欲おまんこだ。奥の門に一通り挨拶してから指を鍵状に曲げて入口付近の天井を触る。
「あっ♡ あっ♡ こんな……どこさわられても……キモチイッ♡」
他人から与えられるすべての攻めに感じてしまって奏は戸惑っている。こんなにも自分の身体は淫らで、あっさり流されてしまうのかと驚きもある。年ごろの娘として自分の肉体が敏感なことに恥ずかしさもあるだろう。これじゃまるで私はエッチ大好きな淫乱みたいではないか、と。葵がそうだった。乱れすぎるのは恥ずかしいこと、よくないことと自分を抑制する彼女を説得し、感じたままを口にしてもらえるまでセックスで気持ちよくなるのは悪いことじゃないと教えた。
「んああっ、そこっ、そこ、だめえ、だめっ♡」
「ここは?」
「そこもだめぇ♡ だめなのっ! ああっ、ああっ、あっ、あっ、ああっ、ああああっ!」
ビクンと奏の身体が震える。達してしまったようだ。
「イッちゃったね。お疲れ様」
気遣う台詞を口にしながらもライの手は止まらない。発見したばかりのGスポットを刺激する。このままなにがなんだか分からなくなるまで連続絶頂させるつもりだ。
「――んごぉっ! おぉおっ、んんっ、んうぅうっ――!!! ぁ、あっ♡ う、うぅっ……!!」
「初めてで身体に力が入ってると挿れにくいし痛いから、全身脱力するまでイカせ続けるね」
「あっ、んぉおっ♡♡ イ、イク♡♡ また、イッちゃうっ♡ あっあっ、あっ♡♡ あああああ~~~ッ♡♡」
彼女の首筋や胸元に舌を這わせる。快感の逃げ場を求めて跳ね回る奏の身体を押さえつけて何度も絶頂を刻み込んだ。
部屋中に女の婬臭が充満するころ、やっとライは奏を解放した。最終的に指三本飲み込めるまで拡張された膣はぽっかり開き、指を引き抜くと枯れることなく湧き出る愛液の泉が見えた。
「あんたねえ」奏が肩を大きく上下させ、息急き切りながら言った。「乗り気じゃないみたいなこと言っておいて、始まったら好き放題やってくれるわね」
「手加減したほうがよかった?」
こう聞けば彼女の性格からして強がるしかない。
「こんなもの大したことないわよ!」
ほらね。
「大したことないけど初めてのことで疲れたから、あとはライに任せるわ。最後まで責任取りなさいよね」
「大丈夫。うちの国は一夫多妻制だから。帰るときは葵だけじゃなく奏も一緒にね」
イキすぎて朦朧とした頭に言葉の意味が浸透する。
「ちょっと、なに言って!」
抗議しようとした奏の機先を制してライが彼女の股ぐらに自らのペニスをあてがう。その重みと熱さに意識を奪われ奏は言葉に詰まった。愛蜜を塗しながら何度も割れ目を往復する。クリトリスの位置を確かめながら何度も擦って焦らした。
「やめ、やっ! も、もう、やめなさ……ひっ、あっ!」
「好きにしろと言ったり、やめろと言ったり」
我が儘な子供に呆れるような口調でライは言う。「見える? ここまで入るんだよ」
ライが己自身をぴったり根本まで押しつけて奏に見せつける。彼の切っ先は彼女のヘソ直下まで届いていた。
「嘘。入らない……そんなの入りっこない……やだ、裂けちゃう」
改めて突きつけられたサイズ感に奏は怯えの表情を浮かべ、首を横に振り、身を震わせ出した。やめてとシーツの上を後ろ手で這おうとする。ライは逃げる奏の腰を掴んで自らの分身を彼女の入り口に添えた。
「じっくり解したから大丈夫だと思うよ」
不安を感じさせない軽い口調で言ってみるも奏の怯えは緩和しない。
こう覚えられては口で説明して納得してもらうのは難しい。仕方ないが実力行使だと亀頭で膣口にキスした。
「やだ、やだ、怖い……ねえ、やっぱり」
彼女の懇願を無視してライは腰を突き出す。小径を掻き分けて進む異物に奏が悲鳴をあげる。その声に胸が痛んだ。だが挿れてしまったからには進むしかない。
「んっあ、ああ、ああああああ――――ッ!」
「もう少しだから頑張って」
他人事だと思ってと怒られながらもライは止まらない。ぶつりと処女膜を引きちぎり、ペニスを噛みちぎらんとする勢いでまとわりついてくる媚肉をこじ開け、ぐぷりぐぷりと奏の最奥を目指す。
「ふぁああああぁあああッ!やぁあああッ!やらぁあああああああああああああッ!らめぇぇぇぇッ!」
やがてふたりの恥骨が打ち合わさり、これ以上はない部分まで達した。
ライが身体を倒して奏を抱きしめる。彼女も痛みをやり過ごそうとしがみついてきた。どちらも動かないまま女の鞘が男の刀に合わせて馴染むのを待つ。奏の中がぐにぐに動いて自分の形を覚えようとする感触にライは腰を震わせる。
「ちょっ……んんっ、まだ動かないで……よっ♡」
「ごめん。奏のナカがよすぎて震える」
「そんなところ褒められても」
「ちょっと感動してる」
「姉さんとどっちがいい?」奏はすぐ自分の失言を謝った。「ごめん忘れて。いまのはなし」
ひしっと抱き合ったままふたりは奏の準備が済むのを待っている。動きたい衝動に駆られたが彼女に無理もさせたくなかった。
「いいよ」奏が言った。男の痩せ我慢を察した女の許しの声だった。「動きたいんでしょ。その代わり少しずつだからね」
頷いてライは根本まで埋めた肉槍をゆっくり引き抜く。出ていくペニスを名残惜しそうに奏の肉襞が引き止める。カリ首が引っかかって奏も声が漏れる。ライの首に回した手にも力が入った。
「っ あっ は、はぁあ あ、ああっ」
彼女の負担にならないよう抑えたペースで出し入れする。ゆっくり擦ると彼女のナカの造りが分かる。入るときは拒絶するように締まって押し出そうとすらしてくるのに、一度懐に入ってしまえば今度は出て行かないでと甘えて絡みついてくる。取っ付きにくそうに見えて人一倍家族を大事にする彼女らしい膣だった。
「ふ、くっ ぅん、んん! あっ♡ もっと、はやくしてもいいわよ♡」
「身体は大丈夫? 無理してない」
「だいじょうぶ、だから……あっ……あっ、そこっ……もっとしてくれないと……あっ♡あっ♡ イイ……もどかしくて♡」
本人の自己申告を信じてライは抽送を速める。挿れるときよりも引き抜くときを意識しながら、奏の未使用おまんこを耕した。
「ぁ、あ! あっ、あ! もっと強くして」
「本当に大丈夫なの」
「いいから! 足りないの。こんなんじゃ」
奏が両脚を絡めてくる。円を描くように腰を擦り付ける。もっと乱暴にしてと囁く彼女にライはMっ気を見た。クールな王女様の秘められた顔に感化され、ライは膣を突き破らんばかりの勢いで突き上げた。
「あぁあんっ! やっ、はげし……やぁああっ!」
「激しいのが好きなんだね」
「そう! 乱暴にされるほうがキモチイイの! さっきより、いぃぃいい♡」
「姉妹揃ってエッチ大好きな変態王女様だ」
「もっと、もっと、はげしくぅうん♡ あんっ……あぁあん♡」
ライは角度を変えて上から突き刺すようにピストンする。身体を二つ折りにされる息苦しい体位にも奏は文句ひとつ言わない。彼女の口は官能の悦びを伝えることだけに費やされる。
「あっ! あっ! あっっ! はぁああぁん♡ あぅんんっ! はっはぁあんんっ!」
嬌声を間近で浴びせられると聴覚から得た興奮が下腹部に集まる。ドロドロに煮詰められた射精欲が精巣を飛び出て尿道で暴れだす。早く出せ、早く出せと急き立てられると男は切なくなって、矢も盾もたまらず射精することしか考えられなくなってしまう。
射精する瞬間に男の知能指数は著しく下がるとか、間抜けな顔になるとか言われても、この感覚だけはチンポを持たない人類の半分には理解してもらえないだろう。
「はぁっ、はぁっ! はっ、はっ! あっ、くっっ! イキそうっ! イクっ!」
射精するためにスピードアップしたピストン。亀頭で子宮口を押し潰されながら奏が絶頂の近さを口にした。
ライとて余裕はない。がむしゃらに射精を目指して叩きつける。
「あっ、あぁっ! いいっ! きてっ! このままっ、はぁんっ! 膣内にっ!!」
「あぁぁぁ! 出るッ!」
「ああっ♡ ああああっ♡ んくぅぅぅぅぅっ♡」
2
「シちゃったわね」
「シちゃったね」
行為が終わったあと、事後の心地よい疲労感に包まれながらふたりはベッドの上で微睡んでいた。終盤は熱が入りすぎて、ベッドのスプリングを利用したジャンピングピストンまで繰り出してしまった。全体重を預けた突き入れにも奏の肉体は、苦痛を訴えるどころか快感に打ち震えてライのモノを握りしめてきた。
「責任、取ってくれるのよね」
ぼんやり天井を見ながら奏が言う。「私が側妃でいいからね。姉さんを大事にしてあげて。こんなことになってから言う言葉じゃないけど」
「分かった」
ライは重苦しい気持ちで返事をする。
責任を取ると言った気持ちに嘘偽りはない。軽い気持ちで言ったわけでもない。ただ冷静になって考えると、葵に奏ともシテしまったから三人で結婚しないかと告げるのは気が重い。きっと彼女のことだから物事が丸く収まることを優先して、自分の気持ちは二の次に考えてしまうだろう。
「冗談よ」と奏は微笑んだ。「私からせがんだんだし一回くらい忘れるわ」
「いや、でも、ナカで出しちゃったし」
葵とは最初から結婚するつもりでデキたときのことも考えていたが、奏とは勢いでシテしまった部分が否めない。
「未来にはいい避妊薬があると思うわよ。私が口を滑らせるのが怖ければ絶対遵守で記憶を消してもいいし」
奏は自分の考えた解決法にご満悦で「そうしましょう」と明るく言ったが、それをしてしまうとさすがに男のクズに成り下がってしまう。
「家族になろうよ。みんなで」
「……そっ」
奏の返事は素っ気ないものだったが口元は緩んでいる。内心では彼女の不安だったのだろう。華奢な身体に腕を回して抱き寄せようとする。その時だ。
ーーガチャン。
ドアのほうから金属音がした。その音には聞き覚えがある。奏のナカで吐精した瞬間にも同じ金属音がした。
まさかと思いながらドアに近づく。ノブを回して開けようとするが動かない。
「どうしたの」
「鍵が閉まったようだ」
嘘でしょと言いながら奏もやって来る。ふたりでドアノブをガチャガチャやったが開く気配はない。
「セックスして一定時間が経ったから再ロックされた?」
ピロートークを楽しんでいる間に制限時間が来てしまったようだ。
「もう一回シタら開くかしら」奏がドアに手をついて尻を突き出す。「試してみる?」
ライは彼女の秘裂に指を這わせて上下に擦る。そうしているだけで奏は期待に濡らし始めた。
「来て」
招きに応じてライは再び彼女のナカに侵入した。