▼普通のタクシーのランプが赤く点滅してたら非常事態なんで通報してねってことらしいです
pixivより転載
その土地に、歓楽街があった。キャバクラやピンクサロンなどの風俗店もあるが、今あの男女が出て来た辺りは居酒屋が軒を連ねている。私が車を停まらせていると、ある店から数人の人間が出て来た。ふらふらとしている。余程酒を飲んだのだろうか。彼らはバラバラに別れたが、その中で、2人。男女が並んでふらふらと歩いていた。女の方がこちらに気付く。彼女の目が運転席にいる私に止まり――にやり、と笑った。
私の所属している会社のタクシーは、夜になるとピンクのランプを点滅させる。そして地元民は、その意味をしっかりと了解していた――ある意味で地域密着型の会社だった。窓を開けていたので、風に乗って会話が聞こえてくる。
「部長、タクシーありますよ」
「え? 本当だ。ちょっと変わったランプをしているね」
「部長単身赴任ですもんね~。こっちには不慣れなんでしょ。ちょっと変わったタクシーなんだけど……一緒に乗っていきましょ、家近いって今日わかりましたし」
「そうだねぇ、乗っていくかな。――すいません、2人いいですか」
近寄って来た男の方は40代の中年というところか。腹がせり出して頭はつるっと光っている。しかしその左手の薬指には銀色のリングが鈍く光っていた。単身赴任、という言葉からして妻子を置いてこちらに来ているのだろう。
対して女の方は若い。いってても20代後半というところだろう。タイトな黒のミニスカートに黒ストッキング、白いシャツの胸元からは胸がはちきれんばかりだった。
――こちらを「お相手」したいところだが、私の仕事は違う。私はにやりと笑って帽子のつばを下げた。
「いいですよ。『お2人』ですね」
扉を開いた。
車内に酒気が満たされる。酔っ払い2人がいるのだから仕方ないだろう。それに自分が酔わないことだけを祈りながら車を走らせる。ゆったりと、遠回りしながら。
「楽しかったねぇ」
部長と呼ばれた男はにこにこと笑っている。無邪気そうだ。それに女も笑った――バックミラーで見る限り、それに情欲が滲んでいたが。
「……市谷(いちがや)くん?」
辛抱堪らなくなったのか、市谷と呼ばれた女がすす、と彼の太腿に手を伸ばした。戸惑う彼に、市谷は情感たっぷりに「ぶちょぉ♡」と甘く彼を呼んだ。
それに慌てた様子で、窓を見る。
「あ、そう言えばなんだか見ない景色だね。運転手さん、遠回りになっちゃってない?」
「大丈夫ですよ、ぶちょぉ♡」
市谷はその彼の手を取った。そして、自身のたわわな乳房に押し付ける。男が唾を飲んだ。
「このタクシーは『このための』タクシーなんですから……ね」
市谷は男の手を下ろすと、シャツのボタンをひとつひとつ外していった。黒いブラジャーにあふれんばかりの乳房――彼女はずい、と彼に寄った。彼の左手を取る。
「折角の単身赴任なんですから、奥さんのことは忘れて……ね?」
そして薬指から、リングを取り去り、その指を舌で絡めた。
このとき、私はミラー越しに男の理性が焼き切れた音を耳にした。
「あっ、ぶちょぉ♡」
鼻息荒く、男が市谷の胸に飛び込む。素直に椅子に倒れた彼女のブラジャーを引き下げると、たわわな乳房が、乳首が顔を出した。それに男はむしゃぶりつく。市谷はそれを愛おしいものを見る目で男の頭を撫でた。
「よしよし、私のおっぱい美味しいですか?」
「最高だよ……もっと吸わせて欲しい」
「いいですよ、っんぅ♡私、乳首で感じちゃうから、もっといっぱい吸って欲しいな……♡」
そう言われて黙っていられる男はいないだろう。音を立てて乳首を吸う音が聞こえて、「ひゃう♡」という高い嬌声が車内に響く。
「あっ♡乳首カリカリしないでぇ♡気持ちいい♡♡」
「気持ちいいならいいだろ……? えっちな体だな」
「うん♡もっとえっちにして♡♡具体的には……下の方も触って欲しいな……♡♡」
そう言って、彼の背中に彼女の脚が回される。黒いストッキングに包まれた、肉感のある脚が。男は体を持ち上げると、市谷のスカートのチャックを下ろした。そしてスカートが脱がすと、ストッキングは脱がすことなく、男は彼女のショーツ越しに、布越しでもわかる勃起したクリトリスを引っ掻いた。
「ひゃんっ♡」
「クリトリス、大きいんだね……かわいい」
「あっ♡ストッキングとパンツ越しじゃやだぁ♡直で触って♡♡」
「いやらしい子だな……いいよ、脱がしてあげる」
言いながら男は、市谷のストッキングをショーツごとゆっくりと脱がす。薄暗い車内でもわかる白い脚――黒い陰毛に覆われたそこは既にびしょ濡れのようだった。男が薄く笑う。
「乳首しか弄ってなかったのに、ここまで濡れるもんなんだな」
「んっ……奥さんとのセックスはどうだったの……?」
「あいつ不感症でな……子どもができるまで苦労した。単身赴任する直前でもうレスだったな。でも君はすごく感じてくれて嬉しいよ。セックスって愉しいんだな。――ほら、ここかな」
「ひゃうっ……♡♡♡」
ぐち、と水音。それが何度も。きっと座席のカバーに染みがついているに違いない。それほど、わざとらしいほどに――実際わざと――音を立てている。市谷の秘部から滴り落ちる愛液は、男の指に絡みついていた。
しばしそうしていたかと思うと、市谷の方が焦れる。
「も、早く入れてください……♡」
「あ、でも今ゴムは――」
「ナマでいいですから♡♡」
言いながら市谷は蠱惑的に囁く。
「不感症でセックスレスな妻とより、敏感でいっぱいセックスできそうな私と子どもを作った方がお得ですよ♡」
――このとき、確かに男は理性が焼き切れていたのだろう。そう言われるが否や、自らの前を寛げると、男性器を取り出した。M字開脚をさせられた市谷。彼女に男は笑う。
「言質を取ったぞ」
そう言って、男は男性器を、愛液の滴った市谷の秘部に突き込んだ。
「ひぅ……!」
「やっぱり若い子はいいな、締め付けがいい」
「あう、あっ♡」
「いっぱい俺のチンポ咥えこんで……子宮口にノックできそうだな。ほら、ピストン」
「あっ♡あっ♡」
ずん、ずん、と彼女の体が揺れる。ピストンに合わせて。ガクガクと体を揺らす市谷は、彼女の脚を抱えながら彼女のナカに突き入れる男に手を伸ばした。
「もっと深く抉ってぇ……♡」
「――こうか?」
「あっあっあっ♡♡♡」
びくびくと体を跳ねさせる市谷。そんな彼女に気を良くした男はピストンで抉り続ける。
市谷がびくびくと震えた。
「も、だめぇ……!」
「――俺もだ……! イくぞ……!」
「あっ、あっ、あーっ♡♡♡!!」
どうやら同時に達したらしい。男の腰と彼女の体が、同様にびくんびくんと跳ねていた。
「有難うございました」
遠回りでぐるぐると目的地まで運転していた俺がそこに着いたのは数分後のこと。とりあえず身なりを整えた彼らに、「連れ込み代」含めた料金を払ってもらったあとで囁いたセリフが耳に残っている。
『私の家で続きしましょ♡』
そう言われた男が、彼女に胸を押し付けられた腕を振り払わないのが答えだろうな、と思いながら自分は「満車」の提示をしながら「それ」を再生する。スマートフォンで撮影した、先ほどまでの客の情事の様子だ。それをイヤホンを耳にはめながら、自分の前を寛げて男性器を取り出した。
忙しいタクシー業務。偶の息抜きにこれぐらいいいだろう。そう思いながら、耳から彼女の嬌声を聞きながらペニスを扱き始めた。
夜が、更ける。
End.