この話(https://syosetu.org/novel/257731/)の前日譚かも知れないし、この話(https://syosetu.org/novel/269647/)の閑話かも知れない。
そんな二人のいちゃこらエッチをどうぞ。
街はクリスマス・キャロルと電飾で溢れていた。
東京に出てきてもう何年も経つというのに、この時期になるとその規模感には毎年感心させられる。少なくともわざわざイルミネーションを観る為に出かけようとは思わないぐらい、そこかしこに光が満ちていた。
「あなた」
そんな東京の街をリビングの窓から見下ろしていると、不意にそんな声が届く。振り返るとさっきまで料理をしていたはずの雪乃は、いつの間にかエプロンを外してこちらを見ている。
「ご飯、できたわよ」
おう、と応えて食卓に向かう。いつの間に買ったのかクリスマスカラーのランチョンマットの上には、色とりどりの料理たちが並んでいた。そのどれもが美味しそうで、垂涎ものとはまさにこのことを言うのだろう。
「あなたが前に貰ってきたワイン、開けてもいい?」
「ああ。今日の料理に合いそうだしな」
雪乃が出してきたワインを受け取ると、ソムリエナイフでそれを開ける。普段あまり使わないワイングラスたちに赤い血を注ぐと、二人揃ってダイニングの椅子に座った。
「そんじゃ、えー⋯⋯。メリークリスマス」
「メリークリスマス」
グラスを上げるだけの乾杯をすると、俺たちは互いの動きを真似するみたいに、同じタイミングでワインを口に含んだ。雪乃と過ごすクリスマスは初めてという訳でもないのに、この言葉はいつも喉に引っかかって口にしにくい。
雪乃はワインを嚥下すると、クリスマスソングみたいに優しくて幸福そうな笑みを俺に向けた。その表情だって慣れ親しんだもののはずなのに、うっかり惚れ直してしまいそうになる。
こんな気持ちになるのは、浮ついたクリスマスの雰囲気に当てられたからだろうか。らしくないな、なんて思いながら、それでもいいかとも考える。その答えを探すように雪乃を見つめ返すと、彼女はワインを俺のグラスに注ぎ足しながら言った。
「あなたと結婚してから、初めてのクリスマスね」
何気なく呟かれた言葉の意味が胸にすっと入ってきて、だからかと納得する。
今日は雪ノ下雪乃が比企谷雪乃になってから、初めてのクリスマス。
雪乃とは結婚する前から同棲していたから、さも当然のように今日を受け入れていたけど、本来は特別な日なのだ。婚姻届を出すまでだって色々あったのだから、もっと神様に感謝の祈りを捧げたっていいぐらいだと思う。
「サンタさんへのプレゼントのお願いはもう済ませたか?」
「いいえ。私はサンタさんを信頼しているから、お願いはしないことにしたの」
俺の軽口に重めの答えを返してきた雪乃は、そう言って悪戯っぽく微笑んだ。
本当、敵わねぇな、こういうところは。雰囲気を出す為か今日はテーブルランプなんてものが雪乃の顔を照らしている所為で、よりその顔の美麗さが際立っている。
「あなたは何をお願いしたの?」
こくん、と雪乃はサラダを嚥下すると、微笑みを絶やさないまま俺にそう聞いてくる。
その顔を見ていると、それだけで満たされてしまって、だからこんな返答しか出来ないのだ。
「⋯⋯何も。これ以上欲しいものなんて無いしな」
「そう。でも良い子にしていたら、サンタさんはプレゼントをくれるそうよ」
雪乃はそう言って笑みの深度を増すと、上機嫌そうにワイングラスに口をつける。
俺は少しだけ赤くなり始めたその頬を見ながら、真似をするようにグラスを傾けた。
カチャカチャと僅かな音を立てて、洗い終えたばかりの皿を水切り箱へと片付けていく。レバーハンドルを上げると、シンクに張り付いた洗剤の泡を流す。
食事が終わった後、片付けをするのは俺の役目だ。キッチンのワークトップとダイニングテーブルを綺麗に拭き終えると、俺は戸棚に隠していたクリスマスプレゼントを持ってリビングへ向かう。
「雪乃」
先に雪乃が座っていたソファに腰掛けると、彼女は読んでいた雑誌からこちらへ視線を移した。ふわりと小さく笑むと、雪乃はローテーブルに置かれていた箱を膝に持ってくる。
こうしてプレゼントを贈り合うのは何度目だろう。俺も雪乃も慣れたもので、夕食後にプレゼント交換タイムが始まるのは、もはや不文律のようになっていた。
「ねえ、今年は私から渡していい?」
「え、ああ⋯⋯。いいけど」
俺が答えると、雪乃は膝の上の箱を両手で差し出した。メリークリスマス、と声が添えられ、俺も両手を差し出してそれを受け取る。
「開けていいか?」
「ええ」
雪乃が頷くのを見届けると、俺は静かに包装紙を剥がしていく。現れたハードケースを開けると、そこに収まっていたのは――。
「ベルトか」
取り出してまじまじと見る俺に向けて、雪乃はこくりとまた頷いた。雪乃から貰う物は実用的な身の回りの品が多かったから、身に付ける物を贈られるのは珍しいことだった。
本革らしい本体とバックルにあしらわれたロゴは誰もが知る海外ブランドのもので、ひと目見ただけでその上質さが分かる。
「細身の人用だから、ベルトが止まらないなんてことにならないでね」
「なるほど⋯⋯」
これはまた発破をかけられたもんだ。雪乃の手料理は何を食べても美味しいというのに、これではお腹いっぱい食べられないではないか。
「じゃあ、俺からだけど⋯⋯」
おずおず、と言った調子で雪乃の物よりも少し大きめの箱を差し出す。雪乃もまたしずしずと言った調子で、それを受け取った。
開けていい? と聞いてくる雪乃に頷きを返すと、包装を剥がし取っていく。雪乃にプレゼントを贈る度に迎えるこの時間は、いつだって落ち着かない。
「これは⋯⋯ティーセットね」
「ああ」
雪乃は開けたばかりの箱からカップを取り出すと、それを目の高さまで上げて見る。
俺が贈ったのは、ペアのティーセットだった。勿論我が家には雪乃が元から持っていたティーセットがあるし、良いものだということも分かっていた。彼女なりのこだわりだってあるだろう。
それでも俺は、彼女が大好きなものを受け止める器を贈りたかった。だからかなり、俺のわがままであるところが強い。
「意外だったわ。あなたから貰う物は、アクセサリーが多かったから」
「まぁな。そればっかってのも、あれだし⋯⋯」
雪乃の言う通り、いつも身に着ける物を贈っては「あなたは私を束縛したい願望があるのね」なんて
「それで、サンタさんはいい子の信頼に応えられたと思うか?」
俺が問いかけると、雪乃は口元に手をやり黙り込んでしまう。
えぇ⋯⋯。何その反応。やっぱりティーセットにはこだわりとか思い入れがあって、プレゼントとしてはハズレだったとか?
「⋯⋯足りない」
「え?」
やきもきしながら答えを待っていると、雪乃はそんなことをぽしょりと呟いた。
なんだ、足りないって。グレード的に不十分ってことだろうか。これ、結構なお値段したんですが⋯⋯。
「あー、やっぱもうちょっといいのを⋯⋯」
「そうじゃなくて⋯⋯。数の、話⋯⋯」
またぞろ小さな声で、雪乃はそんな聞き捨てならないことを言い出した。いやちょっと待てよ、着けるものは着けていたはずだが、それって――。
「雪乃⋯⋯。ひょっとして妊娠したのか?」
「そうではなくて⋯⋯。その⋯⋯」
言わんとしていることが段々と分かって来て、こっちまでもじもじしてしまう。
マジか。
マジなのか。
もちろんそんな未来も考えたことは勿論あるが結婚したばかりだしまだ二人でもいいかなとも思うわけだが将来的にもっと早くに欲しかったとか思う可能性もあるわけだがしかし雪乃がそれを望むというなら俺はそれに答えるのが夫としての──。
「あなたとの子どもが欲しい⋯⋯と思っていて」
その言葉を聞き届けた瞬間、ぷつんと何かが切れた気がした。いや、スイッチが切り替わったのだろうか。
雪乃は俺の視線に少しだけ頬を赤らめ始めると、もう堪らなくなってくる。そんな風に言われて、誰が断れるものだろうか。
「んっ⋯⋯」
気付いたら俺は雪乃を抱き締めて、その唇を奪っていた。優しく、慰撫するように唇を動かし、ゆっくりと柔らかい部分で熱を交わす。雪乃が抱き締め返してくるのを感じながら、何度も顔の角度を変えながら唇をはむ。
「⋯⋯いいんだな、今日で」
唇を離すと、俺の問いに雪乃はこくりと頷きを返す。その仕草の一つ一つを見る度に、彼女への愛しさが増してくる。
雪乃が俺を好いてくれることは──愛してくれていることは、痛いほど分かっているつもりだった。けれど子どもが欲しいという言葉はとても特別で決定的で、名状しがたい感動に震えてしまう。
「あなたは、いいの?」
「当たり前だろ」
即答すると、何バカなことを言ってるんだともう一度口づけする。目を瞑るのが間に合わず半開きになった目が、妙に艶めかしかった。
「⋯⋯前にも言っただろ。もろもろ全部やるって。雪乃が求めるもので俺があげられるもんなら、全部やる」
「それは嬉しいけど⋯⋯。あなたもそれを望んでいるの? という話で⋯⋯」
本当に、こいつは⋯⋯。どうして普段は自信満々なのに、こと俺のことになるとこんなに心配性になるんだか。
全くもって、バカげている。そりゃ初めてのことに対しての不安がないかと言われれば、全くない訳じゃない。それを踏まえてもやはり、俺は雪乃との子どもが欲しいと、そう思う。
「⋯⋯前からもし子どもができたら、女の子がいいなって思ってた。お前に似た、とびっきり可愛い子がいいなって」
「⋯⋯今から親馬鹿になる気満々ね」
安心したようにくすっと笑った雪乃の唇に、軽く唇を押し付けた。そのまま体重をかけてソファに押し倒すと、雪乃はそっと俺の身体を押し返してくる。
「待って。まだお風呂に入ってないから⋯⋯」
「あー、だな⋯⋯」
なんて殊勝に答えながらも、別に盛り上がった時はそのまま致してしまうこともあったのになと考えてしまう。
しかし今夜は、雪乃の意思を尊重すべきだと思う。世間一般的にも、俺たちにとっても、特別な夜になるだろうから。
「じゃあ⋯⋯久し振りに一緒に入るか?」
そう言ってソファに横たわっていた雪乃の身体を抱き起こす。
雪乃は少しの間の後にこくんと小さく頷いて、また堪らずに俺はその細い身体を抱き締めた。
* * *
サァァ、と優しいシャワーの音が、バスルームを満たしていた。
雪乃には脱衣所で一緒に服を脱いだところで先に入っていてと言われ、俺は一人で先にシャワーを浴びている。同じようなシチュエーションは今までだって何度もあったというのに、今日この先のことを考えると正直いても立ってもいられなくなっていた。それに一緒にシャワーを浴びるなんて、随分久し振りだ。
「お待たせ」
扉が開く軽い音に続いて、そんな声が聞こえてくる。
俺が振り返ろうとすると、それを制するように細い腕が俺の身体を抱き締めた。チュッ、と音を立てて、雪乃は後ろから俺の頬をついばんでくる。
「雪乃」
その愛情表現に平静でいられるはずもなく、俺は雪乃の腕の中で身を反転させると、彼女の唇を塞いだ。
「んっ⋯⋯ふ⋯⋯っ」
温かい雨が、俺たちの身体に降り注いでいる。
そんな優しいキスで満足できるはずもなく、気付けば俺たちは舌を絡ませ合い、唾液を交換し合う。
「⋯⋯っはぁ⋯⋯。雪乃⋯⋯」
絡ませあっていた舌を解くと、蕩けたような表情をしている雪乃と目が合った。切ないような、物欲しそうなようにも思える、しどけない表情だ。
「八幡⋯⋯。もっとキスして」
普段の凛とした声からは想像も出来ないぐらい、甘ったるい声が俺を求めている。また彼女の唇を塞ぐと、シャワーの音とは全く違う質の水音がバスルームに響いた。
「ん、ふっ⋯⋯。ん⋯⋯ぁ」
お互いを貪り合うような激しいキスは、否応なく俺と彼女を高めていく。風呂に浸かっている訳でもないのに妙に身体は熱くて、まるで酸欠になったかのように頭がぼんやりしてくる。
「は、あぁ⋯⋯」
深く長いキスの後に唇を離すと、ぬらりと俺たちの間に銀糸がかかった。バスルームの淡い光の中で見る雪乃の姿は、一糸まとわぬ姿なのに淑やかで、しかし男を狂わすには充分過ぎるほどの色香を放っている。
「⋯⋯お腹に、当たっているのだけど」
「そりゃまあ⋯⋯。そうなるだろ」
雪乃に言われて見るまでもなく、俺の分身は激しく勃起していた。しないわけがないし、しなかったこともない。
一般的に見ても雪乃はコケティッシュと言うには端然とし過ぎているし、サイズ的なことを言うなら物足りない部分もあるのだと思う。しかし、これほどまでにその身体に惹かれてしまうのは、何故なのか。
それはきっと、俺が彼女のことを愛しすぎているからだと思う。心を空け渡した相手にこんな姿を見せられて、興奮しない訳がない。愛情の深さに比例して興奮も深くなるのだと、そう思う。
「⋯⋯身体を、洗わないと」
それ以上俺の身体の反応に対して言及する気はないのか、雪乃はそう言ってボディタオルを手に取った。ボディソープをそれにつけると、あっという間にメレンゲみたいなきめ細かい泡を作り上げる。
泡まみれになった雪乃の手が、背中を這う。途端にゾクゾクと背中を電流が走った気がして、ぶるっと震えてしまった。彼女とこうしてシャワーを浴びるのが久しぶり過ぎて、全てが初めてのようにさえ思えてくる。
「後ろを向いて」
背中を洗い終えると、雪乃は俺の耳元でそう言った。立ったままこうしているのもなんだかなと思いながら、俺は言われた通りに身体を反転させる。
雪乃はぴったりと俺の身体に自分の身体を重ねると、今度は前の方に手を這わせていく。ボディタオルを使わずにそうされる方が、色々とくるものがあった。
「⋯⋯ここも」
「うぁぁ⋯⋯っ」
そんな軽い宣告の後に、雪乃の手が俺の陰部に伸びた。泡まみれの手がガチガチに硬くなった肉竿を、撫でるように洗い上げていく。たったそれだけの刺激でも、まるで本気の愛撫をされているみたいに肉棒は脈動していた。
「いつもより反応がいいみたいね」
また耳元で囁かれたかと思うと、雪乃はチュッと音を立てて頬をついばんでくる。わざと心を乱すような言葉を発する雪乃がいやらしすぎて、段々我慢が効かなくなってくる。
「は、あぁぁ⋯⋯。雪乃の方も、洗うな」
俺は雪乃に向き直ると、ボディタオルで泡を作り直す。もこもこの泡を大量を作ると、手も腕も泡まみれにして彼女の身体を抱き締めた。
「ん⋯⋯っ」
まずは背中に手を這わせて、肩甲骨の形を確かめる。両手を脇に沿わせると、ゆっくりとくびれの方へと手を落としていく――。
「は、⋯⋯ぅ⋯⋯」
新しい場所を慰撫するたびに、艶めかしい声がバスルームに響く。なだらかな曲線を描くくびれが捩れて、雪乃の胸が不均一に俺の胸板に押し付けられた。
まったく、そんな反応をしておいて、よく人のことが言えたものだ。まだ性的な部分には触れていないというのに、今日は感度が良すぎる。
「ん、ぁ⋯⋯。あなたの手つき、凄く、その⋯⋯」
「いやらしい、か?」
「あぁ⋯⋯っ!」
その言葉とともに双臀を揉みしだくと、それだけで雪乃はビクンと身体を跳ねさせた。やはりいつもと違って、雪乃の方も相当に高まっているらしい。
「まあ、今からいやらしいことするから、当たり前なんだけど⋯⋯」
俺はそう言うと雪乃の顔を見詰めた後に、ゆっくりと顔を近づけていく。目を瞑った彼女に自らの唇を押し当てると、その唇をはみながら口内へと舌を伸ばした。
「んっ、ふ、ぅう⋯⋯んっ」
舌で雪乃の口内を味わいながら、両手を乳房へと滑らせていく。その頂点を人差し指と親指でつまみながら揉み始めると、雪乃の肢体は面白いぐらいにびくんびくんと跳ねた。
「は、う⋯⋯おぉ⋯⋯」
すると雪乃はお返しと言わんばかりに、まだ泡まみれだった手で俺のペニスを擦ってくる。お互いに性的な部分を愛撫し合う格好になると、欲望も肉棒も膨らむばかりだった。
ぶっちゃけ、もう我慢もできそうにない。もう一度キスをすると、胸への愛撫をやめてその細い身体を抱きしめる。
「雪乃。俺、もう――」
「待って」
雪乃は俺への愛撫をやめると、そっとその身体を押し返してくる。俺と雪乃との間にできた僅かな隙間で、完全に勃起したペニスがぶるんと跳ねた。
「流石にお風呂場で子どもを作るというのは、その⋯⋯」
「まあ、そうだな⋯⋯」
正直今すぐにでも雪乃の中に入りたかったが、そう言われてしまっては仕方ない。
雪乃はシャワーを手に取ると、俺と自分の身体についた泡を洗い流していく。
「続きはベッドで⋯⋯ね」
誘うような囁き声に、俺の愚息はまたびくんと反応するのだった。
* * *
「んんっ⋯⋯、は⋯⋯んっ。はち、まん⋯⋯っ」
二人でベッドルームに入って、すぐだった。
ベッドサイドでまた舌を絡ませ合うと、そのままベッドにダイブしてまたキスの続きをする。バスタオルの上から乳房を揉みしだき、指先でその頭頂をまさぐった。
「あぁぅ⋯⋯っ♡ ん、はぁぁ⋯⋯っ」
まるで待ちわびていたかのように、雪乃の声は最初から甘く高い。その喘ぎを聞くたびに、頭の中が彼女でいっぱいになっていく。
「待っ、て⋯⋯っ。あっ♡ ん、ふ⋯⋯ぅ⋯⋯っ」
雪乃は俺の手首を握ってくると、ふるふると
俺だけがベッドに仰向けになる形になると、雪乃は膝立ちになったまま自らバスタオルを取る。
「⋯⋯雪乃」
今日が特別な夜だからだろうか。
サイドボードに置かれたテーブルランプ。その柔らかな光に照らされた雪乃の裸身は、あまりにも端正であだやかだった。絵画じみた美しさの中に、生身の女体でしか伝わらない艶めかしさが共存している。何度も見たはずだというのに、その佳麗さに思わず息を呑んだ。
こうして見ると、雪乃は十代の頃からまるで変わっていないように思える。胸は僅かに膨らんだ気がしないでもないが、肌は未だに瑞々しく、大人っぽさを増した顔にはしかし少女のような表情が残っていた。
「あなたばっかり、ずるいわ。今度は私が⋯⋯」
そう言って雪乃は、俺の腰に巻かれたバスタオルを剥がし取ってくる。途端にぶるんっと現れたペニスに臆することもなく、雪乃はその根本を握った。びくんと脈打つ肉棒を手で感じて、雪乃はひそやかな笑いを浮かべる。
「ん⋯⋯っ、んぅ⋯⋯、んっ」
そしていつものように俺のペニスをその可憐な唇の間に誘い込むと、猫のようにざらつく舌が亀頭に絡みついてくる。カリ首を、裏筋をその舌で舐めあげていく――。
「は、あぁ⋯⋯っ!」
その行為はいつもと同じのはずなのに、思わず腰が跳ねていた。さっきまで手で愛撫されていたのもあるが、もうフェラチオの必要もないぐらいに俺のペニスは勃起している。
それでも口で愛撫をしてくれるのは、きっとルーチンだからという訳ではないと思う。慈しむようなオーラルセックスは、愛情表現の一つのようにも感じられた。
「んぅ、ん⋯⋯っ、は、⋯⋯んっ」
射精させる為の激しいものではなく、優しく丁寧な舌使いとストロークなのに、思わず精液がこみ上げてくる。
その優しさに優しさで返すように雪乃の髪を撫でると、笑みに目が細められた。肉棒を咥えながら浮かべられた喜びの表情にバカみたいに興奮してしまって、どんどん射精が近付いてくる。
「うぁ、あぁ⋯⋯。雪乃⋯⋯っ、俺、もう⋯⋯」
「んぅっ⋯⋯んっ、はぁ⋯⋯。駄目よ、出しちゃ」
雪乃は俺のペニスから唇を離すと、ぬらりと唾液を糸引かせた。普段の凛とした姿とその卑猥さのギャップで、また心臓が高鳴る。
「あなたが出すのは、ここでしょう?」
雪乃はそう言って、下腹部のあたりを擦った。たったそれだけのことなのに、脳の血管がはち切れそうになる。
「ああ⋯⋯じゃあ」
そう言うと雪乃はこくりと頷いて、俺と体勢を入れ替わった。閉じられている脚をそっと開くと、雪乃は僅かに顔を逸らせる。
ももに手を滑らせて、その入口を中指だけで確かめる。陰唇を撫でるとちゅぷっと音がして、既に男を受け入れる準備が出来ていることが分かった。
さっきから俺は胸や身体を撫でるような前戯しかしていないから、そこに触れるのは今日初めてだ。それにも関わらずここまで濡れているのは、雪乃も常になく高まっているということなのだろう。
「このまま、入れる⋯⋯な」
「ええ⋯⋯」
雪乃はこちらに顔を向けると、熱に浮かされたような瞳で俺を捉える。
この濡れ方なら、おろらく手を使うことすらなく、雪乃の中に入れるだろう。ガッチガチに勃起したペニスの先を雪乃の入り口に滑らせると、彼女は少しだけ頬を赤くしながら言った。
「あなたのを、下さい⋯⋯」
ゾクゾクっとまた背中を興奮が走り、その言葉だけでペニスの硬度が増した気がした。
――こんなのもう、我慢できる訳がない。
俺は衝動のままに、ずいと腰を突き出した。
「あ♡ あぁぁ♡♡」
「は、うぁぁ⋯⋯」
腰を前に進めただけで、雪乃の膣内はすんなりと俺の剛直を受け入れる。ぬぬぬっと突き進んで最奥までペニスを届けると、甘い喘ぎが耳を満たした。
避妊をせずに雪乃の中に入るのは、これが初めてだった。だからというのもあるだろうが、生で俺を受け入れてくれた雪乃の膣内は、今までとは全くと言っていいほど違っていた。
「あ⋯⋯♡ あなたの、凄く動いてる⋯⋯」
雪乃の言う通り、俺のペニス彼女の中でびくびくと別の生き物になったみたいに脈打っていた。たった零コンマ零数ミリの壁がないだけで、雪乃の膣襞が驚くほどよく分かる。無数の襞が、蕩けるような温かさとともに俺の分身を包み込んでいるのだ。
「うぁ、あぁ⋯⋯。すげ⋯⋯」
初めての感覚に、俺はまるで雪乃と初めて交わった時のような感動を覚えていた。
雪乃に覆いかぶさったまま、一ミリも動けない。興奮し過ぎなのか、さっきまで愛撫を受けていたからなのか。雪乃とセックスした回数は数え切れないぐらいなのに、少しでも動いたら射精してしまいそうだった。
「⋯⋯どうしたの?」
挿入してから動けずにいる俺に違和感を感じたのだろう。雪乃はまだ酔いから覚めやらないような、上気した頬のまま問いかけてくる。
「いや、生ヤバいな⋯⋯。ちょっとでも動いたら出しちまいそうだ」
「ふふっ⋯⋯。まるであなたと初めてした時みたいね」
そう言うと雪乃は、俺を迎えるように両手を広げた。その仕草に面映いものを感じながら雪乃の頭を抱くと、彼女もまた俺を抱き返してくる。
「ん⋯⋯っ」
唇を重ねるのとほとんど同時に、互いに舌を伸ばして絡ませ合う。一体今日だけで、何度キスしているのだろう。気持ちが溢れた分だけ、そのキスは長く濃厚になっている気がした。
「は、あぁ⋯⋯。⋯⋯動くな」
「ええ⋯⋯。あ⋯⋯っ、ん♡ あ⋯⋯♡ あぁぁ⋯⋯っ♡」
雪乃と抱き合ったまま下半身だけを動かして、ずんっ、ずんっとその奥を突く。ゆっくり繰り返しているだけでまた尿道を精液が駆け上がってくるような感覚が広がって、思わず腰の動きを止める。
「ん、あぁ⋯⋯っ♡ ⋯⋯ねえ、キスして」
色欲に濡れた目で見詰められながらそう言われて、俺は考える間もなくその唇を塞いだ。レロレロと唾液を交換しあうと、舌を解いて見つめ合う。
「⋯⋯好き。愛してる」
「俺も、愛してる」
昔に比べたらずっと、すんなり出てくるようになった愛の言葉。甘く囁き合うと、チュッと音を立てて唇をついばむ。雪乃は俺と目が合わせると、ふふっと笑いを溢した。
「また射精してしまいそうになっているのね?」
「ああ⋯⋯。すまん、全然動けそうにないっつーか⋯⋯これじゃお前を気持ちよくしてやれないよな」
「何を言っているのかしら。こうしているだけで気持ちいいし、凄く幸せよ。⋯⋯あっ♡」
あまりにも可愛らしくていやらしい発言にまたペニスを脈打たせると、雪乃はそれだけで短い喘ぎを漏らした。その反応の一つ一つが俺の興奮を誘って、動いていなくても高まっていってしまう。
生のままで感じる雪乃の膣内は、まるで精液を吸い取ろうとしているかのように蠕動していた。俺がペニスを脈動させるたびにきゅんっと膣内は狭くなって、俺の竿全体を締め付けてくる。
「なんか今日⋯⋯いつもより締まっている気がするんですが」
「んっ、あぁ⋯⋯っ♡ あなたのが、いつもより大きいだけよ。あっ♡ あぁっ♡」
ビクビクと射精を我慢しながらペニスを動かすだけで、雪乃の目の潤みが増してくるように見えた。彼女もまた気持ちよくなってくれている証左で、それが分かるからこそ興奮が限界を突破してしまいそうだった。
「は、ぁ⋯⋯。じっとしてても出しちまいそうだし、動くな」
雪乃は快楽に顔を逸しながら、口元に手をやりこくっと頷く。喘ぎを我慢するような仕草に、妙な背徳感を覚えた。
「あぁっ♡ んっ♡ あ⋯⋯っ♡ あぁぁっ⋯⋯♡」
「うぁ、あぁ⋯⋯。雪乃、もう⋯⋯っ!」
腰の動きを段々と速くし始めると、雪乃は喘ぎを漏らしながら俺を見てくる。玲瓏な瞳に吸い込まれそうになりながら、ひたすらに射精を堪えながらその奥を突く。
「ん、あ♡ あ♡ あぁっ♡ ええ、いいわ♡ あ♡ あぁぁっ♡」
雪乃は俺の背中に手をまわすと、まるで女神のように微笑んだ。
「このまま私の中に出して。⋯⋯あなたとの赤ちゃんが、欲しいの」
瞬間、興奮のあまりに身体がぶるぶると震えた。俺はは射精を我慢することを諦め、パンパンと音がするほど激しく腰を打ち付ける。感じたことがないほどの快感と昂りに突き動かされるまま、激しく雪乃を求める──。
「は、あぁぁ⋯⋯っ! 雪乃っ、雪乃⋯⋯っ!」
「ん、あ♡ あ♡ あぁ♡ あぁぁあぁぁぁっ♡♡ きてっ、あ♡ 八幡っ♡ あ♡ あぁぁっ♡ はち、まんっ♡ 私の中に、出し、て⋯⋯っ♡♡」
ドピュッ、びゅっ、ビュルルルっ! びゅっ、ピュッ、どぴゅっ、ビュルルっ、ドピュぅっ!!
パァンッ! と
脳が性器にでもなってしまったかのような、直接的で強烈な快感。肉棒が脈打つたびに雪乃の膣内も蠢き、もっと出せと言わんばかりに絡みついてくる。精の奔流が尿道を駆け上がっては、温かな雪乃の中に熱いものが放出されていく。
「うぁ、あ⋯⋯。ふっ、うぅ⋯⋯っ」
「あぁ⋯⋯♡ ん♡ まだ、出るの⋯⋯? あ♡ あぁぁっ♡♡」
ビュルるるっ! びゅっ、どぷっ、ビュッ、ブぴゅぅ、びゅるるっ! びゅっ、ドピュッ、どぷっ、びゅるるるっ!!
一瞬俺と目を合わした雪乃は、しかしまたその膣内で生殖液を受け止めると快楽に目を瞑る。俺は荒い息のまま細い身体を抱き締め、何度も睾丸からポンプアップされる精液を雪乃の膣奥に注ぎ込んだ。
避妊具を着けない、生での中出し。雪乃との、初めての子作り。
正直、予想を遥かに超えていた。快感は直接的過ぎるし、今日に限ってやたらと雪乃の中は狭い。こんな搾り取るようにされては、ずっと入れままにしたくなってしまう。
「はぁ、ぅあぁ⋯⋯。初めて、中に出しちまったな⋯⋯」
「ええ⋯⋯。すごく、素敵だった」
雪乃は俺と視線を交わすとそう微笑んだ後、誘うように目を瞑る。俺はその唇に吸い寄せられて、ただ求められるがままにキスを落とした。
「これで妊娠したかしら?」
唇を離すと、雪乃はそんな直截な言葉で俺に問いかけた。しかしそれには、やはり条件というものがある。
「雪乃。ちなみに今日は⋯⋯?」
「⋯⋯排卵日よ。いわゆる危険日と言う時期ね」
嬉しそうにそう言う雪乃がいやらしすぎて、俺のペニスはまたビクンと彼女の中で脈打つ。そんなことを言われてしまえば肉棒が萎えるはずもなく、雪乃の中でガチガチに勃起したままだった。
「⋯⋯まだ大きいままなのね」
「そりゃなぁ⋯⋯」
あっという間に出してしまったが、今日はあけすけに言えばめちゃくちゃ溜まっている。だから一発ぐらいで終わる訳がないし、終わらせたくない。
「このままもう一回、して欲しいのだけど⋯⋯」
「⋯⋯俺ももう一回、したい」
意外なことに雪乃の方から二回戦をねだられて、思わず肉棒が跳ねた。
雪乃は俺の腰に絡めていた脚を解くと、身を起こして跨ってくる。体位が騎乗位に変わると、雪乃は結合部を見てからくすりと笑う。
「もう一度、私の中に出してね」
その言葉を合図にして、雪乃は自ら腰を振り始める。テーブルランプで照らされた肢体が、艶かしく動く。昔に比べて少しだけ大きくなった乳房が、跳ねる。
「あぁぁ♡ ぁんっ♡ あ♡ あぁ⋯⋯♡ は、あ♡ はぁ、ぁんっ♡」
快楽に身悶えながらも腰を振り続ける雪乃の姿は、あっという間に俺を興奮の最高潮まで連れていく。俺と目が合うと、雪乃は腰を上下に動かしながら言う。
「んっ、あっ♡ はぁぁ⋯⋯。あなたの、さっきよりも硬くなったいみたい」
淫靡な笑いが、俺の心臓に高過ぎる負荷をかけてくる。下腹部の辺りに添えられた手がくすぐったくて、肉棒から伝わってくる快感は苛烈だった。
「う、おぉ⋯⋯」
「あぁ⋯⋯っ♡ んっ、はぁ⋯⋯♡ あっ♡ あぁっ♡」
雪乃は俺の上でリズミカルに腰を振りながら、妊娠するための行為に喘ぎを上げ続ける。結合部を見ると肉竿の根本に白く泡立つものが見えて、大量に中出ししてしまったことが分かった。
雪乃の膣内はトロトロでぬるぬるなのに、さっきよりも締め付けが増している所為で、精液はまたも出口を求めて迫り上がってくる。一発出した後なのに早過ぎるし、ついでに言えば雪乃がいやらし過ぎるのだ。
「あぁ、ん⋯⋯っ♡ 八幡⋯⋯手を、つないで」
「⋯⋯ああ」
差し出された雪乃の手を取ると、指を互い違いにして握り合う。身体が密着できない代わりに手でお互いの存在を確認し合うと、雪乃は腰の動きを大きくさせていく。
「あ♡ あぁぁ⋯⋯っ♡ 奥っ、クるっ♡ ん、ぁぁああ♡ あなたの、また大きくっ♡ あぁぁあぁ♡♡」
「うぉ⋯⋯ちょ⋯⋯っ。雪乃、なか、締めすぎ⋯⋯っ」
さっきから俺の肉棒はフル勃起状態だから、雪乃が大きいと感じているのは彼女の膣内が締まったというだけに過ぎない。つまりは彼女も絶頂に近づきつつあるということで、そんな風に締めつけられたら、当然こっちも持たない。
「は、あぁ⋯⋯っ♡ あなたも、イキそう⋯⋯?」
「ああ⋯⋯。本当凄いな、今日⋯⋯」
「あ、ん⋯⋯っ♡ それはあなたもよ。あ⋯⋯♡」
返事をするように肉竿を跳ねさせると、雪乃の白い肢体もびくんと跳ねる。まるで全身が性感帯になったみたいに、俺たちはお互いを感じ合う。
雪乃は俺と目を合わせると、くすりと微笑んだ。途端に俺の睾丸はきゅんと上がって、いよいよ射精を我慢できなくなってくる。
「うぁ、ぁあぁ⋯⋯っ。雪乃、もう、出していいか⋯⋯?」
「あぁぁ♡ あんっ♡ ⋯⋯いいわ。あっ♡ 一緒に、あ♡ イッ、て⋯⋯っ♡」
清廉なはずの雪乃の身体が、淫らに揺れる。普段やる気に満ちているとは言えない俺の身体が、全力で雪乃を求めて、昂ぶっている。
俺と雪乃の性器の間にあるのは愛液と白濁液だけになって、彼女の膣内は精液を飲みたがっているかのように吸いついてきていた。
「あぁ、んっ♡ は、あぁぁっ♡ はち、まんっ♡ 出して⋯⋯」
快楽に蕩けた目が、俺を見詰め続けている。握りあった手にきゅっと力が込められて、トクンと心臓が強く脈打った。
雪乃の腰の動きが加速し、たんっ、たんっと腰のぶつかり合う音がする。尿道に、熱いものが充填されていく──。
「はぁ、あぁぁ⋯⋯っ。雪乃っ、出すぞ⋯⋯っ。また、中に⋯⋯っ!」
「んっ♡ あ♡ あ♡ あぁぁっ♡ 出してっ♡ 中に、いっぱいっ。あ♡ 妊娠、させてっ♡♡」
ビュルルルッ、びゅっ、どピュッ! びゅっ、ビュクンッ、びゅっ、ビューッ! びゅっ、ドプッ、びゅ、びゅくぅっ!!
俺は雪乃が深く腰を落とすと同時に、その膣奥に向かって射精した。重力に逆らって生殖液が打ち上げられ、雪乃の子宮めがけて吐精し続ける。
雪乃は腰の動きを止めているのに、代わりに膣襞を蠕動させて俺の射精を促していた。まるで別の生き物になったみたいに雪乃の中は俺を求めて動き、放精が止まらない。
「うぁ、あぁぁ⋯⋯っ!」
「は、んっ♡ あぁ⋯⋯っ♡ あなたの、まだ出てる⋯⋯♡ あぁ⋯⋯っ♡ いいわ、もっとたくさん、私の中に出して⋯⋯」
ドピュッ、ビュッ、びゅぅぅっ! びゅっ、ドプッ、ビュルルッ、ドピュ、びゅ、びゅくっ、ドピュゥゥゥッ!!
雪乃に求められるがまま、その膣内に熱い精液を注ぎ込む。あまりの快感に目を瞑ると、膣内に放出された俺の精子が雪乃の卵子を目指して泳いでいくイメージが浮かんでくる。
今日は危険日だと言っていたから、これで本当に受精してしまったかも知れない。そう考えるとまたビュッと精液が吹き出して、雪乃の膣内がザーメンで満たされていく。
「はぁ⋯⋯♡ ん⋯⋯っ♡ いっぱい、出したわね⋯⋯」
「ああ⋯⋯。たぶん、すげぇ出たと思う」
雪乃がそう言って笑うと、俺も思わず笑ってしまう。本当に、馬鹿みたいに思いっきり中出ししてしまった。勿論それでいいわけだが、言いようもない幸福感がむず痒い。
雪乃は握り合っていた手を解くと、俺に覆いかぶさってキスを落としてくる。唇をはみ合うだけの、お互いを労うようなキスだった。
「私、今すごく幸せよ。子どもを作るのって、こんなに幸せなことなのね」
雪乃のその一言に、ぐっと胸が詰まる。
その気持ちは、俺も同じだった。多幸感、というのだろうか。オーガスムからくるそれとは違う、天にも上るような気持ちがずっと続いている。
「⋯⋯抜くわね」
「ああ⋯⋯」
しばらくそうした後に、雪乃はそう言ってゆっくり腰を上げていく。ぬるんと肉棒が抜け出た次の瞬間、コプッと音がして精液が溢れた。未だ興奮覚めやらない肉棒に、トロリと糸を引きながら垂れていく。
「あっ、だめ⋯⋯っ」
「うぉ、おぉ⋯⋯っ?」
雪乃はそう言うと、肉棒を握ってまた腰を落とした。まるで肉棒で栓をするみたいに、また膣口に俺のモノを咥え込む。
「⋯⋯何してんの」
「せっかく中に出してもらったのに、勿体ないわ」
大真面目に言っている雪乃が可愛らしいわいやらしいわで、どうにかなってしまいそうだった。
天然⋯⋯だよな、これ。素でそう言うことするの、本当に勘弁して欲しい。
「んなこと言ってたら、いつまでも抜けないだろ」
「そうね⋯⋯。なら入れたままで寝るのはどう?」
本気で言っていたかと思ったら、今度は冗談っぽく言って笑うのだから堪らない。
こんなことをしていたらいつまでも眠れないし、終わらない。今日はそれがいいまであるが⋯⋯まだ眠るつもりがないのは、俺の分身も同じようだった。
「⋯⋯寝ちまう前に、もう一回いいか」
「ええ。あなたはまだ元気なようだしね?」
雪乃はそう言って蠱惑的に笑うと、俺のペニスはびくんと脈打つ。本当に今日は、呆れるぐらい性欲が尽きない。
「そのまま、身体の向きを変えられるか?」
「ん⋯⋯。こう?」
そう言うと雪乃は、俺の肉棒が抜けないように気をつけながら身体を回した。雪乃の胸や顔が見えなくなった代わりに、すらりとした背中と形のいい尻が見える体勢になる。
「動く、わね」
「ああ⋯⋯」
雪乃は宣告すると、俺の脚に手を添えて腰を振り始める。健康的と言うにはやや細過ぎる背中が、不健全なぐらい艶かしく仰け反った。
「は、ぁぁ⋯⋯っ」
「んっ、あ♡ あぁっ♡ あん⋯⋯っ♡」
ベッドルームにはまた、雪乃の喘ぎ声と肉のぶつかり合う音が響いていた。二回出した後だというのに感度は鈍るどころか、高まっているようにさえ感じられる。
「うぁ、あぁ⋯⋯っ、雪乃⋯⋯っ」
「あぁっ♡ 八幡⋯⋯♡ あ♡ あぁっ♡」
顔は見えないまま、お互いの名前を呼び合う。雪乃の尻肉を掴むと、俺は下から彼女のリズムに合わせて腰を突き上げる。
「ひぁぁっ♡ ん♡ あぁ♡ 八幡の、大きい⋯⋯っ♡ あぁ♡ 奥っ、クるっ♡ んんっ♡♡」
途端に嬌声は大きくなり、またキュンと膣内が締まった。まるで絶頂に達しているかのような強烈な締め付けに、肉棒は膣内に出し入れされながらビクビクと脈打つ。
「は、あぁぁ⋯⋯。雪乃の中、また締まったぞ⋯⋯」
「ん、ぁぁ⋯⋯っ♡ だって、今までにないぐらい気持ちいいんだもの⋯⋯」
雪乃はそう言って、半身で振り返る。あまりにも性的な見返り美人のような格好に、思わずビクンと肉竿を脈打たせた。
「⋯⋯そりゃ、俺もだ」
「あぁっ♡ ん⋯⋯♡ あっ♡ ⋯⋯避妊をしていないだけで、こんなに違うものなのね」
生でする性交の感想を伝え合うのは、幸福で淫靡な時間だった。
テーブルランプの灯りだけで照らされた雪乃の背中を見ていると、もっと快感が欲しいとまた本能的な衝動が湧いてくる。彼女の全部が欲しいと、そう思う。
「は、あぁ⋯⋯っ、雪乃⋯⋯っ!」
「あ♡ あぁぁっ♡」
中途半端に腰を浮かした雪乃を引き寄せるようにして、その奥に肉棒を突き立てる。それを合図に、雪乃もまた腰を振り始めた。
たぷっ、たぷっと、雪乃の一番奥まで入るたびに、性行為の音がベッドルームを満たす。さっき溢れた分の精液が俺の股間と雪乃の尻肉の間で、糸を引いていた。
「あぁ、あんっ♡ 八幡⋯⋯っ♡ あ♡ もっと、して⋯⋯♡ もっと私の中に、ちょうだい⋯⋯っ♡ あ♡ あぁぁっ♡♡」
たったそれだけの、その一言だけのことだった。
気付けば俺はしっかりと雪乃のくびれを掴むと、最高速で腰を突き上げていた。
「は、あぁぁっ! 雪乃っ、は、あぁ⋯⋯っ! また、出る⋯⋯っ!」
「あぁぁぁ♡ んっ、あぁぁっ♡ 急に、あ♡ 激し、いっ♡ あっ♡ あぁぁ──♡♡」
ドプッ、びゅっ、ドピュぅっ! びゅっ、ビュクンッ、びゅっ、ドピュ、びゅるっ、ドピュぅっ!!
俺は雪乃を求める衝動のままに、彼女の膣内で射精していた。二回も出した後なのに一番早い射精で、勢いよく精液を注ぎ込んでいるのが分かる。
「うぁ、あ⋯⋯っ、はぁ⋯⋯っ!」
「んん⋯⋯っ、あ⋯⋯♡ また、出て⋯⋯あぁっ♡♡」
びゅっ、ドプッ、ビュルルっ、びゅくぅっ。びゅっ、ビュクンッ、どピュッ⋯⋯。
呆気ない射精だったのに、俺は雪乃の膣内で大量の精液を発射していた。まるで蛇口が壊れてしまったみたいに、性欲も射精も止まらない。
──だから。
もっと欲しいと思ってしまう。最果てのその向こうまで知りたくて、俺はまた求めてしまう。彼女を、その中にあるものを。
「雪乃⋯⋯。もう一回⋯⋯」
「あぁぁ⋯⋯っ♡ まだ、出来るの⋯⋯?」
俺は身を起こすと、後背位になって雪乃のまた尻を掴む。白く、形のいいそれの向こうで、肉棒はガチガチになったままズップリと雪乃の膣内に入っていた。
こんな姿を見て──雪乃を孕ませる為の行為をして、我慢なんて出来るはずがない。頭に血が上ってくるのと同時に、下半身にも血が集まってきて、かつてないほど俺のペニスは勃起していた。
「また、中に出したい⋯⋯。いいよな?」
「⋯⋯ええ。私が妊娠するまで、何度でも出していいわ」
雪乃はベッドに手をついたまま振り返ると、俺を求めている表情に迎えられる。だから俺はもう何の遠慮もなく、腰を動かし始める。
「あ♡ あぁぁっ♡ ん、ふぅ⋯⋯っ♡ あ♡ あぁぁっ♡」
「は、あぁぁ⋯⋯っ! 雪乃っ、う、ぁぁ⋯⋯っ!」
最初からパンパンと音が鳴るほど激しく、雪乃の最奥を突く。俺の腰と雪乃の尻肉がぶつかり合うたびに、肉竿全体が快感で包まれる。
「あぁぁ♡ 待っ、てっ♡ あぁ♡んんっ♡ はち、まんっ♡ あぁっ♡ 最初から、激しっ♡ いぃんっ♡」
「はぁっ、はぁっ⋯⋯。待てねぇよ⋯⋯全然」
下半身からくる衝動に突き動かされて、雪乃の奥を突きまくる。甘い喘ぎが鼓膜に絡みついて、脳が蕩ける。
俺の三発分の射精を受け止めた雪乃の膣内は、まだ足りないとでも言うように強烈に締め付けてきていた。精液を欲している雪乃の膣内は、どこまでもいやらしく蠕動する。
「あぁ、んっ♡ あ♡ あっ♡ これ、だ、めぇっ♡ はち、まんっ♡ あ♡ 八幡っ♡ 私、イッちゃう、からぁっ♡♡」
「はぁ、う、はぁっ⋯⋯。いいぞ、先にイッても」
俺は激しく雪乃を突きながら、そう答えた。雪乃は快感の強さから身体を支えられなくなったのか、くたんと腕を折りたたむ。自然と寝バックの体位になっても、俺の腰が止まることはない。
「ん、あぁぁっ♡ すごい、の⋯⋯っ♡ あぁぁっ♡ 私、おかしくなっちゃう⋯⋯♡ あぁぁっ♡」
身悶える雪乃の背中にキスを落とす。続けて舌で背筋を舐めあげると、キュンとまた雪乃の膣内が狭くなった。
「はっ、はっ⋯⋯。もうだいぶ、おかしくなってる気がするけど、な⋯⋯っ!」
「ひぁぁぅうぅぅっ♡♡」
ズブンッ! と肉竿を突き入れると、雪乃の背中が弓なりに仰け反る。その過剰なまでの反応一つ一つが、どんどんと俺を昂ぶらせていく。
「はち、まん⋯⋯っ♡ わたし、イク⋯⋯っ♡ あぁ⋯⋯っ♡ またイッちゃうのぉ⋯⋯っ♡」
「はぁっ、うぁ、は、あぁ⋯⋯っ。いいぞ。雪乃がイッたら、俺もイクから」
雪乃を押しつぶすように腰を叩きつけながら、俺は耳元で囁く。
「またたっぷり、雪乃の奥に出すからな」
「ん、あ⋯⋯っ♡ あぁぁぁぅぅ♡♡」
雪乃の身体がまたしなったかと思うと、キュゥキュゥと強烈に肉棒を締め上げてくる。どうやら絶頂に達したらしいが、本当の絶頂はまだこれからだ。
「あ♡ イク♡ あ♡ ああ~~──♡♡」
雪乃の細い肢体が、オルガスムで跳ね回る。その白い身体に向けて、俺はなおも腰を叩きつけ続ける。
「はぁっ、はぁっ、雪乃っ⋯⋯! イクぞ⋯⋯っ。本気で妊娠させるからな⋯⋯っ!」
「あぁぁっ♡ あぁ──♡ 出し、てぇっ♡ んんぅっ♡ 妊娠、させてっ♡ あなたの精子で、受精、させてぇっ♡♡」
「は、あぁぁっ⋯⋯! 出るっ、イク! イッ、くっ!!」
「ちょう、だいっ♡ 中に、いっぱい、出してぇっ♡♡ あぁあ~~──♡♡」
ブピュゥッ、びゅっ、ドピュッ、ドプゥッ! びゅっ、ビュルルルッ! びゅっ、ドプッ、びゅるるっ、どドピュぅっ!!
俺は雪乃にのしかかりながら、その膣奥で射精した。びくんびくんと跳ねる雪乃の膣内を、また出したての熱い精液で満たしていく。
「は、あぁぁ⋯⋯。まだ、出るぞ⋯⋯っ!」
「ん、あぁぁぁっ♡ 出し、て⋯⋯っ♡ 八幡の、ぜんぶ私の中に⋯⋯あぁぁ♡♡」
ビュクンっ、びゅっ、ドプッ、どピュゥゥっ! びゅっ、びゅーっ、ドプッ、びゅ、どぴゅぅぅっ!!
強烈な締めつけと快感に任せて、ドプドプと雪乃の子宮に向けて精液を発射し続ける。きっとこれだけ出せば、雪乃の子宮にも精子が届いているだろう。そんなことを考えるとまた興奮してしまって、ビュッと勢いよく精液が射出される。
「はぁ、はぁ⋯⋯。はー、あぁ⋯⋯」
荒い息のまま雪乃の膣内からペニスを抜くと、ごろんとベッドに横たわった。栓を失くした雪乃の膣口から、ブリュッと音を立てて四発分の精液が溢れてくる。
「やっ⋯⋯だめ⋯⋯っ」
雪乃はそう言いながら脚をよじって精液が零れるのを止めようとしたが、量が多すぎて逆流は止まらない。雪乃の尻肉と太ももを伝って、精液がシーツに広がっていく。本当に大量に膣内に射精していたらしく、しとどに白濁液が溢れていた。
「もう、いいだろ。⋯⋯溢れた分は、また出してやるから」
「ん⋯⋯っ♡ あ⋯⋯♡ そうね⋯⋯」
雪乃は絶頂に達しきったままの表情で、くすっと笑う。その視線の先にあるのは、未だびくびくと脈打ち続けている肉棒だった。
「あなたもまだ、満足していないのね?」
その言葉にまた、萎えることを忘れたペニスがびくんと反応する。興奮のリミットを超えた陰茎は、際限なく射精を求めていた。
雪乃の身体を横から抱き締めると、ぐるんと身体をまわしてそのまま覆い被さる。チュッと軽く唇をついばんだ後、俺は雪乃の目を覗き込みながら問いかけた。
「⋯⋯もう一回、いいよな?」
「──ええ」
期待に濡れた瞳が、俺を見上げる。
だから俺は──。
「あ⋯⋯♡ 入って⋯⋯あぁぁっ♡ 待ってっ♡ あ♡あ♡ん♡ 最初から、激し、いっ♡」
「あぁぁぁっ♡ イッ、クぅっ♡ また♡ ああぁぁあ♡♡ またイッちゃうのっ♡ ん、あぁぁあぁっ♡♡」
「出してっ♡ 八幡の、全部中に出してぇ⋯⋯っ♡ 奥に、たくさん⋯⋯っ♡♡」
「あぁぁぁ♡♡ はち、まん⋯⋯っ♡ もっと⋯⋯♡ もう一回、奥に⋯⋯っ♡ ああ〜〜──♡♡ イくっ、んん──♡♡」
「だし、てぇっ♡ もっと、いっぱい♡ あぁぁぁっ♡ 受精、あ♡ するまで、たくさんだしてぇっ♡♡」
「はぁぁ♡ ふぅぅ──♡♡ いっぱい、でて、あぁぁ♡ なかっ♡ あぅぅっ♡ 妊娠、させてっ♡ はちまん♡ あ♡ あぁ──~~♡ 赤ちゃん、ちょうだい⋯⋯っ♡ にん、しん⋯⋯あ♡ あぁぁあ♡ 妊娠、したいのっ♡♡」
そうやって何度も、何度でも
俺は彼女の期待に応え続け、膣内へと射精を続けたのだった──。
* * *
全ての行為が、終わった後。
未だ一糸纏わぬ姿の雪乃は俺にピッタリとくっついて、頬にキスをしてきていた。
「ねえ、八幡」
「ん⋯⋯?」
「もっとキスしていい?」
「ああ⋯⋯」
雪乃はそう言うとまた頬にキスをしてきた後に、唇を重ねてくる。上機嫌そうに俺の顔を覗き込んでくるその顔は、この上なく幸福そうだった。
「好き」
春の陽気に花が綻ぶように、雪乃の表情は見たこともないぐらいに緩んでいる。びっくりするぐらい綺麗なのに、信じられないぐらい可愛い。見ているだけで幸福感が増してくるような、蕩けるような笑顔だった。
「好き。八幡、大好き」
言ってまた雪乃は頬に口付けると、次は鼻に、瞼にとキスの雨を降らせてくる。仔猫が戯れついてくるような甘え方に、こそばゆくても止める気にはなれない。
「⋯⋯今日はめっちゃ甘えてくるな」
「今日こうしなくて、いつ甘えたらいいの?」
雪乃は「ふふっ」と笑ってそう応えると、またチュッチュとキスしまくってくる。気恥ずかしいやら興奮するやらでこちらも大変なのだが、流石に全弾を撃ち尽くした砲台が立ち上がってくることはない。
しかし本当こいつ⋯⋯火がつくとキス魔だな。可愛いからいいんだけど。
「ねえ」
雪乃は軽く三桁はいきそうなぐらいの回数キスした後に、俺の瞳を覗き込んでくる。
「今日で妊娠したと思う?」
雪乃は下腹部のあたりをさすりながら、嬉しそうに聞いてくる。きっと今頃中に出した精子たちが雪乃の奥を目指して必死に泳いでいるところだろうが⋯⋯俺の精子が故に、そのポテンシャルは未知数だ。
「⋯⋯まあ、こういうのは運もあるからな。できてなくてもガッカリするなよ」
「もう⋯⋯。相変わらず気の利いたことは言えないのね」
苦笑よりもずっと柔らかな笑みを浮かべると、また雪乃は頬をついばんでくる。仔猫になったり、小鳥になったり、今日の雪乃は忙しい。
「でも、そんなあなたが好き」
まるで恋する乙女を絵に描いたような表情を浮かべて、雪乃は俺を見続けている。
大人になって、綺麗になって、それでも可愛さまで増してくるなんて、本当にこいつは反則技ばかり使ってくる。
「分かっていると思うけれど、子どもができるまで避妊しては駄目よ」
「⋯⋯仰せの通りに」
そう答えると雪乃は満足そうに微笑んで、俺の身体に腕を回してくる。彼女が眠りに落ちる前に、よく取る姿勢だった。
「眠いか?」
「⋯⋯ええ。今日は久し振りにお酒も飲んだし」
雪乃は行為を名残惜しむように俺の胸板にチュッとキスを落とすと、俺の腕を枕にして目を瞑る。
「おやすみ、雪乃。愛してる」
「⋯⋯私も、愛してる」
俺が額にキスをすると、雪乃は眠そうな目を開いた。至福の微笑みを浮かべた雪乃は、「八幡」と小さく呟いて目を閉じる。
「おやすみなさい」
そう言った雪乃の髪を撫で始めて寝息が聞こえてくるまで、一分もかからなかった。だからこの幸福な時間も、可愛らしい寝顔も、一人占めだ。
ふと時計を見ると、とっくの前に日付は変わっている。クリスマス・イブが終わり、クリスマス本番の日がやってきた。
昨日がそうだったように、きっと今日も幸せで温かな一日になるのだろう。
願わくばそんな奇跡的な毎日が、ずっと続いていきますように。
「⋯⋯メリークリスマス」
隣で眠る幸せに向けてそう呟くと、彼女はかすかに微笑んだ気がした。
Fin.