聖女となった者は数年で行方不明になる。
聖女をコレクトしている教皇に殺されるからです。

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聖女コレクション

 聖女。それは神に祝福を授けられ、絶大な力を手に入れた女性に与えられる称号である。選ばれるのは例外なく敬虔な信徒であり、歴代の聖女達は皆、人々の為に自らを犠牲にすることを厭わないような善人ばかりであった。

 

 国や地域によっては聖女のことを英雄や神の使徒、人類の切り札などと呼ぶ場合もある。聖女が手に入れる力は本人の願いにより様々だ。魔物の脅威から人々を守りたいと願えば千の敵を消滅させる滅びの炎を、傷付いた人を救いたいと願えば失った四肢さえ再生する癒しの光を与えられる。

 

 欲深い者が手に入れれば間違いなく私利私欲の為に使ってしまうであろう絶大な力を、聖女達は他者の為にのみ使用し、人類の繁栄に貢献してきたのだ。

 

 現在、世界で確認されている聖女の数は8人。全員が国の興亡を左右するような能力を持っているのだから、多いと言えるだろう。しかし、聖女は数年で行方をくらませる事が多く、1年後に何人が残っているかは誰にも分からなかった。同じくらいのペースで新たな聖女が生まれる為、過去の記録を見ても3人を下回ることは稀であるようだが。

 

 この聖女の失踪は100年以上前から続いており、役目を果たした聖女が神の元に招かれているのだと言われている。つい最近も、10年近く活動していた"禁戒の聖女"エリザベトが姿を消し、騒ぎになっていた。

 

 8歳の頃に聖女となり、二度の邪竜討伐を成し遂げた今代最高クラスの聖女。その見た目も神聖な雰囲気の美女であった為、女神の生まれ変わりなどと言われていた。そんな心の拠り所的存在が欠けたとあって、不安を抱く人々もいる。

 

 だが、人類の天敵たる魔王が討伐されて30年。その配下の邪竜も残すところあと2匹のみである。その程度であれば残る聖女達によって遠くない内に邪竜は狩り尽くされるだろう。人類の平穏の日は近い。

 

 

 

 ──しかし、人々は知らない。

 

 真に悪と呼べる者の存在を。

 時に神にさえ唾を吐く人間の欲深さを。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

「──喜びたまえ。私のコレクションを見せてやろう。本来なら教会の上層部や大国の王族くらいにしか見せないのだぞ」

 

 そう言って男は扉を開いた。

 彼の名は誰も知らない。皆「教皇」と役職で彼を呼ぶからだ。過去の聖女の奇跡によって老いることのない肉体を手に入れた彼は、既に100年は生きているにも関わらず若々しい見た目をしている。

 

 世界中で信仰される聖神教のトップ。神の寵愛を受ける聖女に対し、支持を出すことの出来る唯一の存在。それがこの男である。

 

 彼は大聖堂の最奥にある部屋に1人の少女を招き入れた。金髪の美しい少女だ。名前をリゼットと言った。

 

「────ッ」

 

 リゼットはその空間に踏み入った瞬間、教皇の悍ましさを理解し、表情を強張らせた。彼女の視線の先にあったのは、何十人という女性達の変わり果てた姿だった。──いや、この表現は正確ではないだろう。そこにいる女性達は皆、生前同様の綺麗な姿を保っているのだから。

 

 しかし、リゼットには彼女達が既に死んでいると分かった。肉体を傷付けずに人を殺し、その遺体を腐らせることなく保存する魔法に心当たりがあったからだ。富裕層の人間が珍しい魔物に対して展示・鑑賞目的で使う魔法だ。死んだ瞬間の姿を永遠に残すことが出来る悪趣味なものである。それを、目の前の教皇は人に対して行使しているのだ。

 

 その部屋は細長い通路のようになっていた。通路の両側に女性達の遺体は飾られており、足元には簡単な説明文の書かれた板が置かれている。完全に展示品扱いである。

 

 入口に近い所にいる女性達は皆、白い祭服を身に付けていた。それぞれ微妙に異なるデザインをしているが、リゼットはその祭服が聖女の物であると知っていた。デザインが違うのは時代が異なるからだろう。それを裏付けるように彼女達の足元の板にはこう書かれていた。

 

 No.23"雪原の聖女"ネージュ

 No.56"灯台の聖女"ルミエール

 No.93"夢想の聖女"レーヴ

 No.120"旋律の聖女"オルゴール

 

 No.は聖女になった順番だろう。少なくともリゼットの見える範囲にいる女性達は全員、説明文に聖女であると書かれていた。

 

 人類の守護者であり、神に力を与えられた究極の信徒。王族であろうと礼を尽くし、信者達からは神と同様に崇められる存在。そんな聖女が数十人、この空間に見せ物として置かれていた。彼女達は例外なく生前、人類の為に活動していた筈だ。いわば全人類が彼女達に恩があるのだ。それをこの扱いである。

 

 信徒でなくてもマトモな人間がこの光景を見れば、あまりの惨さに言葉を失うことだろう。敬虔な信徒であるリゼットは、先程から涙を流し、声にならない悲鳴をあげている。しかし、その顔は感情が抜けた様に無表情だった。

 

「──ああ、君は姉君に似て優しいんだね。良かったよ発声を禁じておいて。泣き叫ばれては堪らないからね」

 

 教皇はそれだけ言って、並んでいる聖女達を眺め始めた。

 

(なんて酷いことを……!)

 

 リゼットが涙したのは聖女の遺体がただ飾られているからではない。彼女達が取らされている格好が問題だった。

 

 入口に近い4人の聖女は、祭服の裾を捲り上げる仕草をしていた。白い脚が完全に露出し、その付け根にある下着まで見えてしまっている。彼女達が望んでこの様な格好をしている訳ではないということは、その表情を見れば理解出来た。──羞恥、悲しみ、怒り。まるで生きているかの様に、彼女達の感情が現れている。

 

 恐らく今のリゼットと同じように身体を操られていたのだろう。彼女達は品性に欠ける行為を強制され、そして殺されたのだ。

 

 リゼットは"旋律の聖女"オルゴールへと目を向ける。彼女は1年前に姿を消した比較的最近の聖女だ。リゼットも何度か言葉を交わした事があった。音楽で人々の心の傷を癒したいと願った彼女は、いつも明るく、周囲を笑顔にしてくれる魅力的な少女だった。

 

 しかし、今目の前にいるオルゴールの顔に笑みはない。彼女はこちらをキッと睨み付けていた。生前の彼女を知るリゼットには驚きが強かった。

 

「──"旋律の聖女"は正義感が強くてね。死ぬ瞬間まで私を強く糾弾してきたよ。だが、まだ16歳の少女だ。怖かったのだろうね。もう乾いてしまったが、この時の彼女は涙を流していたんだよ」

 

 リゼットがオルゴールを見ている事に気付いた教皇が、そんな説明をしてくる。知っている少女の最期の様子なんて聞きたいものではない。リゼットはより一層鬱々とした気持ちになった。

 

 教皇が歩き始める。するとリゼットの身体は意思に反して動き、その後に着いて行った。オルゴール達の後にもずっと哀れな姿の聖女達が並んでいる。奥に進むごとに彼女達の格好は悲惨なものになっていった。

 

 No.64"沈黙の聖女"カルム

 説明文によれば魔法の発声を封じる能力で魔王軍と戦った英雄タイプの聖女らしい。寡黙な人物だったとも書かれている彼女は、脱いだ祭服を胸に抱いており、黄緑色の下着姿を晒していた。

 

 No.103"豊穣の聖女"ルパ

 荒廃した土地を蘇らせて人々を飢えから救った聖女。祭服の胸の部分が破れ、大きな乳房が露出している。慈愛に満ちた表情は人が想像する聖女そのものだ。しかし、胸の先の突起が固く膨らんでおり、この瞬間の彼女が性的な快感を与えられていた事が察せられた。

 

 No.30"破壊の聖女"スピシュ

 邪竜を初めて倒した有名な聖女だ。学園で必ず習う偉人であり、リゼットもその逸話は知っている。魔王軍に恐れられた聖女もその死に様は哀れなものだった。ショーツを横にずらした彼女は、男性器を模した玩具を自分の秘所に挿入している。その表情は恍惚としたもので、貞淑さが求められる聖女としてはあり得ない姿だ。

 

「──"破壊の聖女"の表情は中々のものだろう? 身動きを取れない状態で数日間、媚薬漬けにしたのさ。そうして性玩具を渡してやったんだ。作品名は『自分の処女膜と聖女としての誇りを破壊する"破壊の聖女"』みたいな感じだろうね」

 

 教皇はまた聞きたくもない説明をする。彼にとってはここにいる聖女達は人に見せ、語りたいコレクションなのだろう。神に選ばれるだけあって聖女は整った容姿をしているし、死してなお神聖なオーラを纏っている。そこらの宝石や美術品よりも価値があるのは確かだ。

 

 更に奥へ進むと裸体を完全に晒した聖女ばかりとなった。

 

 抱き合って身体を絡ませ合う双子の聖女。

 壁に手をつき此方に尻を突き出す妙齢の聖女。

 自らの陰唇を広げる幼い聖女。

 

 そんな彼女達の横を通り過ぎると、またリゼットの知る聖女が現れる。

 

 No.100"神謀の聖女"サージュ

 知らぬ者のいない最も有名な聖女もここにいた。頭が良くなる祝福を願った彼女は、多くの聖女や兵士の犠牲を出しながらも魔王の討伐という大偉業を成し遂げた。しかし、人を駒の様に扱い、最も人を殺した聖女だとして嫌う者も多い。感情を抜きにして見れば死なせた数の数百倍の命を救っているのだが、未だに幾つかの国では"魔女"と呼ばれている。

 

 そんな最高にして最低。最強最弱の聖女でも、教皇の魔の手からは逃れられなかったようだ。魔女と称されるサージュは意外にも可愛らしい容姿をしている。知らない者が見れば妖精の様だと評するかもしれない。

 

 その為、彼女の有様は余計に惨く感じられた。背後で手を縛られた彼女は、床に膝を着き、地面から生えた2本の棒で下半身を犯されている。女の穴と、排泄の為の穴の二箇所に太い物を挿入されながらも、彼女は背筋を伸ばして正面を向いていた。その顔は涼しげで、目を閉じている。何事にも動じない聖女だったという話通りだ、とリゼットは思った。

 

 だが、よく見れば小さな胸の頂では桜色の蕾がツンと上を向いているのが分かる。教皇はその突起を指で摘むと、シコシコと擦り始めた。

 

「この魔女の顔、面白みがないだろう? 無様な顔を晒せばそれが永遠に見せ物にされるって分かってたんだろうね。身体を徹底的に犯し抜いて、マン汁垂れ流して乳首が24時間勃ちっぱなしになっても表情だけは絶対に変えなかったんだよ」

 

 そう話す教皇の顔は少し悔しそうだった。教会の信用を落とした"神謀の聖女"が上層部から嫌われているのは有名な話だ。恐らく彼女は教皇によって、他の聖女以上に酷い仕打ちを受けたに違いない。それでも最期まで敗北しなかった彼女に、リゼットは尊敬の念を覚える。

 

 その後も何人もの聖女達の前をリゼットは通り過ぎた。中には最古の聖女まで飾られており、教皇が100年以上前から聖女達を殺していた事が確定した。聖女は死ぬたびに補充されるとは言え、人類に対する明らかな裏切り行為である。それが、ただ美しい聖女達を永遠に手元に置いておきたいなどという身勝手な理由で為されているのだから温厚なリゼットですら殺意を抱くのは当然の事だった。

 

「──やっと着いた。彼女で最後だよ。紹介する必要はないだろうね。久しぶりの再会だろう? 何か声を掛けてあげたらどうだ?」

 

「────ッッ!!!!」

 

 長い通路の最奥。そこにいる聖女を見て、リゼットは絶望感を抱いた。随分前から「きっとここにいるのだろう」と覚悟はしていたのだ。途中で教皇が口にした台詞や、目の前の聖女が失踪する前に赴いた場所から考えれば予想は出来ていた。それでも実際に見てしまうとショックが大きかった。

 

 No.125"禁戒の聖女"エリザベト

 最近行方不明になった今代最高クラスの聖女。────リゼットの尊敬する姉は、いつもと同じ優しい笑みを此方に向けていた。リゼットが何か失敗する度に「仕方ないわね」と言いながら頭を撫でてくる時の表情のままだ。

 

 だが、理想の淑女であった筈の姉は、祭服どころか下着も身に付けていなかった。形の良い乳房も、股の間に生える金髪の陰毛も全て晒しており、更に、両手の指で自分の女性器を左右に広げていた。

 

 死んでいてもなお美しい姉の姿に、リゼットは涙を溢れさせる。例え、割り開いた陰唇の中で、陰核が淫らに屹立していても、彼女の清らかな雰囲気は微塵も損なわれていない。──死ぬ前に見る光景としては、これ以上に残酷で美しいものはないだろう。

 

「──"禁戒の聖女"は私のコレクションの中でも間違いなく一番の美貌の持ち主だ。私とした事が随分と楽しんでしまった。彼女の純潔を奪う時などまるで童貞の時のように興奮してねえ……。三日三晩犯してしまったよ。最後には彼女も上手に潮を噴けるようになっていたな。君の姉はベッドの上でも優秀だった。殺してしまうのが惜しいと思ったのは初めてだよ」

 

 教皇は愉しげにそう語ると、無表情で涙を流すリゼットに近付く。そして裸の彼女の秘所に手を伸ばすと、ゆっくりと弄り始めた。

 

 今代最高の聖女。

 邪竜を5匹討伐した最強の英雄。

 そんな聖女リゼットですら、教皇の使う隷属魔法に逆らう事は出来なかった。

 

 彼女の割れ目は時間を掛けてじっくりと解きほぐされ、姉の遺体の前で淫液を垂れ流す。陰核の包皮も剥き上げられ、小さな肉の真珠を露出させられた。性的な事と無縁だったリゼットは、無垢な蕾を無理やり花開かせられていく。

 

「──ッッ」

 

 そして、すぐに生まれて初めての絶頂を迎えてしまうのだった。

 

 

 

 ☆

 

 

 

 男達が教皇の聖女コレクションを眺めていた。大国の王や国を股にかける大商人、聖神教の枢機卿達だ。皆、聖女達の姿を見て愉しんでおり、人類の英雄に対する敬意など微塵もなかった。

 

 聖女の身体をじっくりと舐め回すように見た彼等は、最奥にいる二人の聖女の元に辿り着いた。

 

「おおおお! かの大聖女まで! 最近いないとは思っていましたが。なるほど」

「"禁戒"と"太陽"どちらも飛び抜けて美しいですな」

「くっくっく、生意気な小娘であったが、これはいいザマだ。生きている間に犯してやりたかったがな」

 

 男達が今日一番の盛り上がりを見せる。それも当然だろう。彼等の視線の先にいるのは史上最も美しいと称され、人類に貢献したとされる聖女達なのだから。

 

 No.125"禁戒の聖女"エリザベト

 No.126"太陽の聖女"リゼット

 

 邪竜さえも容易く屠ってしまう英雄が、自分達の前に無様な屍を晒している。その事実に男達は薄暗い優越感を抱く。

 

 リゼットは姉の隣で自分の割れ目を広げ、微笑んでいた。教皇によって勃起させられた陰核は固く尖って存在感を放っており、姉の陰核と仲良く上を向いている。それを男達は無遠慮に摘み上げ、せせら笑う。

 

 教皇はリゼットの処女を奪った時のことを思い出しながら口を開いた。

 

 

 

「"太陽の聖女"はとても濡れやすかったよ。そして────────」

 


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