Skebでリクエストいただきました。ありがとうございました。
昼下がりの人里の、大通りがざわついている。風見幽香がいるからだ。道のど真ん中を堂々と歩けば、道行きを邪魔せぬよう、群衆はさっと分かれる。さながら海割りだった。危険度極高の強大な妖怪を恐れずにいられる者は少ない。姿を認めるなり、背を向けて逃げ出す輩までいる。
一方で、憧れの視線も浴びせられていた。なにせ彼女は、幻想郷でも有数の美女だ。ウェーブのかかった艶めく髪に、長い睫毛と切れ長の目。何もかも貫く深緋の瞳に、通った鼻筋、ぞくりとするほど艶めかしい唇。老若男女を問わず魅了する、人外ならではの美貌の持ち主だった。
様々な感情の込められた目を向けられまくっている。ひそひそと、囁き声も聞こえてくる。鬱陶しい限りだ。ほとんどの人間は脆弱で矮小で、煩わしい。行きつけの花屋で良い花を見つけられなかったことも、彼女の機嫌を悪くしていた。自宅から里まで、まあまあな時間をかけたのに、まったく無駄足だった。
ふいと横に逸れる。進行経路上の人々が、慌てて退く。建物の狭間、路地へと入る。無遠慮な目を厭ったのだ。なにより、太陽の畑方面に帰るなら、こちらから行くほうが近道だった。
路地は独特の埃っぽい匂いを漂わせている。左右には家屋が聳え立ち、結構な圧迫感がある。実際、ずいぶん狭かった。ふくよかな男同士なら、すれ違うのがやっとだろう。
常に日光が差さないらしく、凸凹した地面は湿っており、苔や雑草がちょろちょろと生えている。九月も半ばにさしかかっているのでまだ良いが、少し前のうだるような熱気の中なら、たいそう蒸し暑かったに違いない。
総じて、快適な空間とは言いがたい。とはいえ、羽虫のような人間共にじろじろ見られるよりはマシだった。
「おう、おう姉ちゃん。誰に許可とってここを通ろうってんだ、おいッ」
と思っていたのだが、あいにく、そうとも言い切れないらしい。角を曲がるなり、目の前に悪漢が立ちはだかる。
幽鬼じみた外見の、一目見て分かる浮浪者だった。痩せこけて骨張った、小悪党丸出しの狷介な顔つきをしている。瞳は異常にギラついており、血走った白目は黄ばんでいる。
伸び放題の口ひげと顎髭には汚れがこびりつき、ゴワつくを通り越して固まっていた。歯茎まで剥き出しにして、「い」の口でこちらを威嚇している。歯と歯の間は真っ黒だ。虫歯でない歯は、一本もなさそうだった。
矮躯なうえに猫背なせいで、上背は幽香の胸元あたりまでしかない。男としてはかなり小柄だ。身にまとうのは、服と呼ぶのも憚られるボロ切れだ。肌は荒れきって、黒ずんでいる。日焼けているのではなく、汚れているのだ。ろくに行水もしていないらしい。
「どうしても通りたいってんなら、通行料を払えや、金だ、カネッ」
唾の飛びそうな喋り方で、因縁をつけてくる。声色にも口調にも、知性を感じない。小悪党と呼ぶのもしょうもない、ド底辺の輩だった。
「おっほ! なんだ、よく見たらとんでもねぇ美人じゃねぇか、金の代わりに、カラダで払って……くれても、いいん、だぜ……」
こちらの返答を待たず、男はまくしたてる。が、次第に勢いが失われていった。もともと土気色だった顔から、さらに血の気が引いていく。
「ひ、ひぇッ」
相手が誰なのか気付いたのだろう。裏返った、情けない声を漏らす。無理もなかった。危険度・極高、人間友好度・最悪。喧嘩を売ってはいけない妖怪ランキング堂々一位の女に、ちょっかいを出したのだ。しかも、「消された」としても誰にも気付かれないだろう、奥まった路地裏で。
ギャラリーがいれば、死ぬわアイツと笑い者にしていただろう。恐ろしき大妖怪・風見幽香によって、虫けらのごとくプチッと潰されるに違いないと。
が、幽香は手を出さなかった。ただ、その場に突っ立っていた。目の前の男と同じくらい、顔から血の気を引かせながら。
「ひ……酷いことを、しないでちょうだい。いや、しないでください」
「お、お? おお?」
自らの身体をかき抱きながら、怯え竦む。とても強大とされる妖怪とは思えない様だ。かつてのトラウマを思い出したせいだ。
ずっと昔、そこらの野良妖怪とどっこいの実力しかなかったころ、人間の性奴隷にされていた。ありとあらゆる辱めを十年近く受け続け、雄への服従と隷属を徹底的に刷り込まれた。
当時の癖が、今でも抜けていない。男に強い態度で出られると、奴隷としての自分が表出する。今まで露見していなかったのは、凶悪な妖怪としての悪名が広がり、畏れられていたからにすぎない。
悪いことに、目の前の男は、在りし日の「ご主人様」にそっくりだった。見ているだけで、女としての尊厳を踏み躙られた日々がフラッシュバックする。目覚めてから気絶するまで、身体の隅々まで犯され尽くした日々を。
「あ、あ、あぁ……」
デコピン一発で頭をトマトのように潰せるにもかかわらず、とても敵わないと思ってしまう。妖怪は精神に依存する存在だ。相手がどれだけ貧弱な三下だろうと、気持ちで屈すれば、もうどうにもならない。
「な、何言ってんだ、アンタ」
「その、何でも、なんでもしますから、お許しください、どうか」
男は明らかに戸惑っていた。自分が殺されないことを、幽香の豹変を、訝っているのだ。
が、次第に状況を理解する。理由はともかく、超ド級の美女が下手に出ている。媚びに媚びた様子からするに、本人の発言どおり、「なんでも」しそうだ――。
こんな場末で、追い剥ぎなどしている輩だ。短慮かつ現金であり、目の前に美味そうなものがあればすぐ食いつく。目脂だらけの瞳に、獣欲が宿った。
「ホントに、何でもすんのかよ。なら……ぬ、っ、ぬッ、脱げよ」
命令を下す。とはいえ、恐る恐るだった。行けそうだと思っていても、怖いものは怖い。小汚い顔に浮かぶのは、動揺と恐怖と性的興奮のみっつだった。
「ッ、……はい、かしこまりました」
従う道理はない。拒否したところで、何の問題にもなりはしない。彼がどれだけ努力しようが、幽香に傷一つつけられないのだから。
それでも、拒めなかった。心が、性奴隷時代に舞い戻っているからだ。雄の命令には服従する。絶対のルールが目の前に立ちはだかっていた。
男の顔面めがけグーで振り抜かれるべき手が、自らのブラウスの、ボタンを外していく。スカートのホックを外し、払う。ふぁさりと、布の落ちる音がした。
風見幽香は超ド級の美女だ。そこに異論を唱える者はいない。怜悧なる美貌は、本人の孤高なイメージもあいまって、高嶺の花といった印象を与える。実際、彼女に釣り合うほどの男など、外の世界まで探しにいったとて見つかるまい。
体つきも負けてはいなかった。どこまでも柔らかく、豊満でありながら、引き締まるべきところは引き締まっている。まさしく女として理想の体型だ。
メリハリのきいた魅惑の曲線は、あらゆる男を魅了し、あらゆる女から嫉妬される。古今東西の美を司る女神すら退けうるほどであり、女体のイデアとすらいえた。
象る肌は白く、滑らかで、傷一つついていない。花の世話――言ってしまえば野良仕事――をこよなく愛するとは思えないほど肌理細かい。しかも、驚くほど白いのに、不健康さをまったく感じさせない。肉体かくあれかしと思わずにいられない、ゴージャスボディだった。
しなやかな首に、胸鎖乳突筋が浮かんでいる。艶めかしい鎖骨が左右に伸び、肩の稜線と行き会う。とてもこんな裏路地で晒されてよいものではなかった。
乳房は衣服の上からでも分かるほど豊かだ。今にもはちきれそうなIカップは、一目で分かるほど肉が詰まっており、確かな弾力を備えている。それでいて驚くほど柔らかであるのが、ピッチブラックのブラの食い込む様から見て取れる。乳肉がきゅっと寄せられ生じる谷間は深く、成人男性の腕ですら、ずぶずぶと呑み込んでしまいそうなほどだった。
腹部は過不足の一切ない、ソリッドなくびれをなしている。不自然にならないぎりぎりのところだ。どれだけ自分に自信のある女だろうと、これを見れば自尊心を粉々に打ち砕かれるだろう。確かに存在する腹直筋・腹斜筋の上から、女性らしく脂肪を纏った結果生じる、罪作りなウェストだった。
骨盤はしっかりと広がっている。安産型のムチムチとした下半身だ。こうしたアンダーボディは、油断するとすぐだらしない肉付きになりがちだが、幽香の場合はありえない。一流の彫刻師が悩み抜いて彫りだしたかのごとき、無駄のないラインを描いていた。
肌の白さと、レースショーツの黒がコントラストを為している。肌にわずかに食い込んでいる。その数ミリが、むせ返る大人の色香を漂わせていた。
「ぉおっ、おお、おお……ぉおお」
男は目・口をまん丸に開いて、奇妙な声を漏らしていた。なんら大げさな反応ではない。彼程度では、人生を一〇〇〇〇回繰り返したとて拝めないものを拝んでいるのだから。
「あぁッ、は、あっ、あぁ……」
対する幽香は、頬を赤らめ、熱い吐息を零す。羞恥や屈辱によってのみではない。一匹の牝奴隷として、注がれる視線に昂ぶっているのだ。
「おう、おうッ。ブラもパンティーも外すんだよ、分かるだろうッ、早く、早くしろッ」
男は息巻き、まくし立てる。腰へ巻き付けた襤褸布に、ビンビンとテントが張っている。相手が誰であるかなど、すっかり頭からすっ飛んでいた。
「かしこまりました……嗚呼……」
幽香も幽香で、ただ従順に頷き、法悦の溜息を漏らすばかりだ。逆らおうとは、欠片も考えていなかった。自らの肉体を晒すべく、下着に手をかける。
ホックが外された瞬間、戒めから解き放たれた乳肉がプルンッ! と溢れ出る。柔らかさと弾力を備えた肉が震える姿は、視覚的暴力とすらいえた。
ブラジャーとは本来、バストの形を維持するとともに、サイズアップして綺麗に見せることを目的としている。その点において、彼女のブラは失格といえた。放埒極まるIカップは、何も着けていないほうが美しく見えるほどだった。
重力に逆らい上向きながら、くっきりと前方に突き出す円錐形の完璧なラインは、むせ返るほどセクシーだ。呼吸にあわせて小さく震えるほどに柔らかだった。
乳輪はカップサイズ相応に広く、こんもりと盛り上がっている。先端はすでに充血しており、性的興奮を示していた。
「アッ……」
ショーツのサイドストリングに指をかける。秘部を守る黒のレースが、肌から離れていく。秘められるべき三角州が空気に触れ、ひんやりした感覚に襲われる。心細さと表裏一体の快感に、小さく声を漏らした。
露わになった下腹においては、ふさふさした陰毛が生え揃っている。きちんと整えてはいるが、そもそも体毛が濃い体質なのだ。髪色をやや濃くしたような、艶のある茂みは、あらゆる雄を誘惑するフェロモンを振りまいていた。
秘唇は、かつてさんざん使い込まれたときの記憶を思い出しつつあった。びらりと花開き、小さくヒクついている。奥から滴を滴らせ、性の匂いをむわむわと漂わせる様は、食虫花のようですらあった。
「ハーッ、ハーッ、ハーッ」
もともと女日照りだった男が、抗えるわけもない。荒い呼吸を繰り返しながら、ふらふらと吸い寄せられる。まるで行灯に誘われる蛾だ。
鼻息がかかるほど近くで、凝視してくる。黄ばみ濁った瞳には、剥き出しのヴァギナしか映っていなかった。網膜に焼き付いて、もはや二度と消えまい。
「う、後ろだぁ、ケツ見せろ、ケツッ」
「はい、どうぞご覧下さい……あっ、あぁ」
薄汚れた壁に手を突き、尻を彼めがけ捧げる。むちむちとした双臀は、いつものフレアスカートの上からでも分かるほど立派だ。たっぷりと脂を纏いながらも、まったく垂れず完璧な球形を描いている。さながら満月だ。
豊か極まるヒップを支えるのが、美しく艶めかしい脚だ。筋肉の存在を感じさせ、すらりと伸びやかでありながらも、むちむちとしていた。
「おっほ、おぉ~……」
男の喉から、気の抜けた声が漏れる。目の前に広がった桃源郷に、心奪われている。が、やがて我に返ったらしい。怯える幽香へとにじり寄る。ギラつく色欲は、もはや殺気のようにすら感じられた。
「こんのアマ公が、とんでもねぇエロボディしやがって。誘ってんのかよ、オイッ」
「あぁッ、申し訳ございませんッ……!」
ぴしゃりと、尻肉を打たれる。ぷるるんと弾む様に、男はまたも目を奪われかけた。
「へッ。申し訳ねぇと思ってんならよぉ、ベロチューさせてくれや……いや、させろ! ベロチューだッ、ベロチューッ」
己の口を指さしながら、白痴のごとく喚きたてる。口角泡を飛ばす勢いだ。本来ならば触れるどころか視界に入れることすら烏滸がましい絶世の美女に、好き放題できるチャンスなのだ。最底辺の浮浪者であっても、そんな機会を逃すほど愚かではなかった。
かつての自分に戻った幽香が、拒めるはずもない。命じられるまま、男に正対する。黒ずんだ唇を窄めて待ち受けている。やや腰を落としつつ、前屈みになる。彼のほうが頭一つぶん低いからだ。
ゆっくりと顔を近づけながら、髭だらけの頬を掌で包む。皮脂をはじめとした汚れでネトついている。行水すら、ろくにできない暮らしなのだろう。口内衛生がひどいことは、想像に難くない。
そんな相手に接吻するなど、正気の沙汰ではない。そして、今の彼女はまさしく、正気ではなかった。要求されたとおり、艶めくリップを彼に捧げる。
「んむっちゅ、んぅうう」
「ンホッ、んむぅううう……」
濃厚なリップノイズが鳴った。脅されて嫌々やっているとは思えない、熱烈きわまるベーゼだった。性奴隷だったころ、さんざん覚え込まされた作法だ。むしろ当時は、これでも足りぬと折檻されていたほどだった。
「むちゅぅぅッ、れろッ、んふぅ……――ッ、んちゅぅッ、ンッ」
「んほぉーッ、ぢゅるるッ、れろッ、むっちゅ、むぢゅぅッ、ンホッ」
もちろん、ただ唇を重ねて終わりではない。求められたのは「ベロチュー」、すなわちディープキスだ。桃色の鮮やかな舌が口唇より這い出て、穢らわしい口内空間へと忍び込む。雑菌にネバつく空間を、隅から隅までねぶり回していく。くちゅッ、ぐぷっと、唾液混じりの粘っこいキッスノイズが路地裏に響く。
かつて覚えさせられたテクニックを駆使する。魂の奥底に刻みつけられた技術だ。ブランクなどものともせず、在りし日に仕込まれたままを再現する。
幽香ほどの美女による、男を悦ばせるためだけのキッスだ。女日照りの浮浪者が受けるには、あまりにも過ぎた奉仕だった。男は身体を震わせながら、聞き苦しい声をあげる。
「んぅッ、んっグ、ぢゅるっ、れろぉッ、んぅうッ」
今日の寝床も確かでない暮らしのなかで、衛生状態など気にかけられるわけもない。彼の口腔は、最低最悪といってよかった。夏場に放置していた水槽を思わせる、独特の生臭さが味覚と嗅覚を刺す。こみ上げてくる生理的な嫌悪感に、吐き気を催す。頭がクラクラした。
一方で、太腿は恥じ入る生娘のごとく、もじもじと擦り合わされていた。秘唇に、熱い疼きを覚えているのだ。「臭い」「汚い」、そういった事物に悦びを見出すよう、かつて隅々まで躾けられた。ねじられた嗜好は、今に至るも真っ直ぐに戻っていない。植え付けられたマゾヒズムが、虐げられて悦んでいる。
「んふッ、ンッ、ぷはっ。んはぁ……ッ」
たっぷり一分ほども口交を続け、ようやく口を離す。誰もが顔を顰める醜男とのキッスを経て、彼女はすっかり出来上がっていた。息は上がり、頬も紅潮している。あらゆる男を引き寄せるほどの色香を溢れさせていた。
「へ、へ、へ。俺みたいな男に命令されて、ホントにキスして、しかも興奮してんのか? どうなってんだ、アンタ。信じられねぇ牝豚だな。なんとか言ってみたらどうだよ、オイ? 俺みてぇなカスとベロチューして、マンコ濡らしてんだろうが、あ?」
耳裏にへばりつく声色で、罵倒してくる。彼女を畏れるべき対象ではなく、獲物として捉えているのだ。
社会の底辺に位置する輩にとって、自分より下の者はきわめて珍しい。だからこそ、見つけたなら逃がさない。徹底的に踏み躙って、骨の髄までしゃぶりつくしてやると、黄ばんだ瞳が語っている。
「はい……ディープキスで、昂ぶってしまいました。申し訳ございません」
「へっ! 変態がよ。ペッ!」
プッと、唾を吐きかけてくる。物理法則に従って弧を描いて飛び、幽香の頬へ着弾する。生臭い汚汁の生暖かい感覚は、大蛞蝓にでも這われたかのようだ。ぞわぞわと鳥肌が立つ。にもかかわらず、漏れたのは恍惚の溜息だった。
「さぁ~て、それじゃあこの、とんでもねぇドスケベボディを、楽しませてもらうとすっかね……、へ、へへ」
無防備に曝け出された肉体へ、黒ずんだ指が伸びてくる。口調こそ調子に乗っているが、おそるおそるといった手つきだった。
幽香を恐れているのではない。本物の女体――しかも、彼では一〇〇〇〇回生まれ変わっても拝めない美体――を前に、気後れしているのだ。
「アハッ……」
こうした場合に、雄を誘惑してやる気を出させるのも、奴隷の責務だ。少なくとも彼女は、そう教え込まれていた。
軽く身体をくねらせる。それだけで、たわわ極まるIカップはふるんふるんと揺れる。枯れ枝のような老人ですら、すぐさまおっ勃つ光景だった。まして、女に飢えた浮浪者相手には、効果てきめんだった。
「おッ、おッ、おおッ!」
「アァッ!」
節くれ立った指が、乳肉を鷲づかみにする。ギュゥウッ、と、柔肉に食い込んでくる。いかにも衝動的といった動きだった。
「おッ、ぉお、ォおおおおお……!」
お以外言えなくなったかのように、男は感嘆の声を漏らしている。指先から伝わるのは、たっぷり肉の詰まった弾力と、どこまでも沈み込む柔らかさだ。至福の感触に、心奪われているのだ。
「へッ、へへッ、ヘヘヘェッ」
「アッ、あぁんッ、はぁッ、アッ、あん」
白痴じみた声を零しながら、両乳房を揉みしだいてくる。手つきに、技術もへったくれもない。目の前の素晴らしい肉に、もっと触れたいから触れる。ただそれだけの、動物的かつ稚拙な指使いだった。
にもかかわらず、幽香が漏らすのは甘ったるい、蕩けた嬌声だ。聞く者を惑わし、虜にする、魔性の声音だった。
なにも、サービスでそんな声を上げているわけではない。荒っぽい手つきで、雑に扱われる。かつて散々味わってきた愛撫に、身体が在りし日を思い出しているのだ。
「あっ、アッアッ、アァ! っは、あぁんッ、ひぃッ」
もっちもっちと、両肉を弄ばれる。乱暴に引っ張られ、クーパー靱帯がキリキリと痛む。そうして生じる恍惚に、膝をカクつかせていた。
「へへッ、こんなんで感じやがってよぉ、とんだマゾ女だな、えぇ!? 威厳ってモンが欠片もありゃしねぇ、オラッ、乳首ボッキさせてんじゃねぇぞ!」
「ヒィイイイイッ!」
男も、己の衝動に振り回されず、目の前の女体を嬲る余裕を得たらしい。ニタニタと笑いながら、美爆乳の先端へと狙いを定める。充血しピンと尖り、大豆くらいにまで膨らんでいた乳頭へ。
人差し指と親指で、ギュッと摘まみ上げてくる。優しく挟み込む、などというレベルではない。指先のピンチ力を駆使した、押し潰すくらいの力加減だった。さらには、乳房全体の形が歪むほど、ギリギリと引っ張ってくる。
乳首とは性感帯だ。性感帯とは、すなわち神経の集中した部位を指す。そんなところを、思い切り虐げられたのだ。走る電気信号は、並大抵ではない。
背筋を反らし、身体をガクンと跳ねさせる。引き絞られた白い喉から漏れるのは、裏返った情けない声だった。普段の幽香しか知らない者に聞かせても、別人じゃんと一笑に付すのは間違いなかった。
「ァッ、あぁッ、もっと、もっとお願いします、もっとひどくしてェッ」
ひどいことをしていただいたら、感謝しながら更なる被虐をねだること。仕込まれた作法の一つだ。逆らえば折檻が待っているのだから、忘れるはずもない。くねくねと身をよじりながら、クーパー靱帯を駄目にしてくれとねだっている。応えるかのごとく、キリキリとかけられる力は強まっていく。
「オイオイ、何だぁ、くっせぇなと思ったら、マンコからオツユが垂れてんじゃねぇか。淫乱女が、こ~んな風にされてヨガッてんのかよ、オイ!」
「はアァァッ!」
こ~んな、に合わせて、両乳房を握りつぶしてくる。はいその通りです、と応えるより百倍説得力のある嬌声を上げた。
淫乱。かつて、数え切れないほど向けられてきた罵倒だ。あまりに言われすぎたせいで、彼女の中である種のスイッチと化してすらいた。卑しい、いやらしい牝豚のスイッチが、ぱちんと入る。
「アッ、あぁっ、どうぞ、どうぞ触ってくださいませ、変態ヌレヌレホカホカオマンコを嬲って、気持ちよくしてくださいぃッ」
本来ならば指先一つで消し飛ばせる男相手に、へりくだりながら秘部を差し出す。腰を突き出し、両膝を割り開き、股間をおっ広げる。普段見せている、怜悧で近寄りがたい雰囲気など、欠片もありはしなかった。
「そんなふうに言われちゃしょうがねぇな、特別だぞ? オイ」
「あっは、ありがとうございまッ、アッ、アッアッ!」
「おーおー、ありがとうございますもロクに言えやしねぇのかよ、このマンコは」
爪も伸び放題の、土埃や得体の知れない汚れにまみれた指が、恥部へと無遠慮に伸びていく。雑菌まみれの不潔な指で触れられるなど、どんな女でも真っ平ごめんだと思うだろう。
幽香は例外だった。どうぞとばかりに、腰を突き出し、彼を受け入れる。陰唇に触れられ、情熱的な声でよがってみせた。がに股を晒し、へこへこと腰をくねらせる。
「あぉッ、ぉんっ、あっはぁッ、あひッ、んはぁああッ」
指先が裂け目を擦り上げるたび、にっちゃにっちゃと粘っこい音が鳴っている。身体の奥から、ネバつく牝臭い汁があふれ、太腿にまで伝っている。彼女の態度が演技でないことを示す、なにより分かりやすい証拠だった。
「へへ、あの風見幽香が、俺みてぇなカスにマンコ弄られてよがる豚オンナだったとはなぁ。誰も信じやしねぇぞ、こんなの。ほぉれ、もっと気持ちよくしてやるよ!」
「イッギィッ!?」
男の調子に乗ることときたら、際限を知らない。狙いを定めたのは、肉の裂け目の端でぷっくり膨れる小さな豆。女体有数の鳴きどころ、クリトリスだ。親指と中指で、ギュッと押し潰してきた。
目の裏がチラつく刺激に、まさしく豚じみた悲鳴をあげる。いくら彼女が妖怪で、圧倒的なフィジカルの持ち主であるといっても、急所をつねられれば普通に痛いのだ。
だからこそ、気持ちよくもあった。植え付けられたマゾヒズムが、たくさん嬲ってほしいと訴えている。逆らう彼女ではなかった。もっともっととばかりに、自ら両膝を広げ、だらしなく涎を垂らす股穴を男へと突き出す。
肉貝の濡れそぼつ様ときたら、栓の壊れた蛇口だ。白濁した本気汁を、トロトロと垂れ流している。地面に滴って、卑猥臭溢れるシミを作っているほどだった。
膣口はしきりにヒクついて、くぱっ、くぱっと収縮を繰り返している。さながら、餌を捕食せんとするイソギンチャクだ。妖しく蠢く肉穴の誘惑に、男が逆らえるわけもない。枯れ枝を思わせる指先が、クレヴァスに触れる。爪も伸び放題の、黒ずんだ指が、裂け目へと容赦なくねじ込まれた。
「あッはぁああああ……ッ!」
「おっほッ、ギュンギュン締め付けやがる。何食ったらこんなエロオマンコに育つんだっつうの」
当然の権利とばかりに、男は幽香の体内を蹂躙していく。肉の隘路をこね回し、襞の裏側まで暴きながら、快楽を叩きつけていく。グチュグチュグチュと、膣口から汁の音が鳴り響く。乱暴にほじくられる穴から、痛みと快感が同時に押し寄せてくる。
「イッ、あぁっ、ひぃッ! あぉッ、ぉおんッ! アッ、ヒィイィッ!」
指使いは激しく、独り善がりだ。テクニックのテの字もない。真っ当な女なら、悶えながら痛がるのは間違いない。
だからこそ、よかった。髪を振り乱しながら、恍惚にひぃひぃとよがる。涎すら垂らす始末だった。膝はカクカクと笑っており、立っているのがやっとといった風情だった。日頃の威厳など、すっかり消え失せている。完全に、ただの牝豚奴隷に成り下がっていた。
「おっほ、こんなところにウマそうなモンがあるじゃねぇか、へへへ」
身長差があるため、二人が並んで立てば、男の眼前に幽香の乳房がくる。身じろぎするたびにふるふる震える、美しきIカップが。よがり狂っている今は、ぷるんぷるんと暴れ回っている。目を惹きつけるにきまっていた。汚らしい口腔が、あんぐりと開かれる。次の瞬間には、魅惑のフルーツにぱくりとしゃぶりついていた。
「ムヂュゥッ、ヂュルルッ、レロレロレロッ、ンッフーッ」
「あっ、あはぁッ、あぁんッ、あっ、あぁあ……ッ!」
レロレロと、舌苔だらけの舌が乳肉を舐め回す。幻想郷の至宝とすら呼べる素晴らしい爆乳が、浮浪者の薄汚い唾液にまみれていく。授乳器官を愛撫され、母性本能が刺激される。下半身から伝わる下品快感と合わさって、彼女をさらに狂わせていく。
「ンヒヒヒ……ッ、アグゥッ」
「ッあぁああッ!」
艶めかしい悦びに浸っていたのもつかの間、刺すような痛みに悲鳴をあげる。男の前歯が、柔肉へ噛みついていた。ぎりぎりと、顎の力でもって食い込ませてくる。
「ひッ、ひぃいッ、あぁッ、お許し、お許しくださいッ、あぁあッ!」
鋭い痛みに、顔が引きつる。それでいて、口内では舌が躍り狂い、乳頭をレロレロと舐め回してくるのだ。苦痛と性感がない交ぜになって、おかしくなってしまいそうだった。
許して、許してと繰り返しながら、ただ情けなく身をよじる。簡単に引き剥がせるのに、そうしない。ご主人様の一挙手一投足すべてが、奴隷にとって絶対だからだ。惨めに慈悲を乞いこそすれ、拒むなどあろうはずもない。
「ンぶっはぁッ……」
結局、口が離れたのは、数十秒も経ってからだった。ねっとりした糸が引く。乳房全体に、ヘドロじみた唾が纏わり付いていた。
乳輪を中心として、柔肉にくっきりと歯形が残っている。赤くなっており、あとで痣になるのは間違いなかった。
「おう、てめぇみてぇな豚女にゃ、上等なオシャレじゃねぇかよ、あぁ? よかったなぁ、オイッ」
「あぁっ! はい、ありがとうございますッ、あっ、あぁっ」
パシィッと、鋭い音が鳴った。無残な姿を晒す爆乳に、平手を打ち込まれたのだ。容赦ない一撃に、ぶるんと淫肉が揺れる。
悲鳴の後に漏らすのは、感謝の言葉だ。折檻を恐れての、形ばかりの挨拶ではない。本心からの言葉だった。虐げられ苦しめられることこそ、奴隷の本分なのだ。そういう風に使っていただけたのだから、お礼を言うのは当然だった。
「ヒヒヒ……これ以上は、ここじゃなんだな。オラッ、ついてこい」
言いながら、男は幽香の腰を抱き、どこかへと歩き始める。行き先すら告げない強引さだ。やはり、彼女は拒まない。何をしていただけるのか、楽しみにすらしていた。
剥き出しの乳肉や股穴に悪戯しながら、男は路地を奥へと進む。表通りから遠ざかり、周囲の景色はみすぼらしくなっていく。崩壊寸前の廃墟が立ち並ぶ、貧民窟と呼ばれるあたりにまで差し掛かっていた。
「おら、ここが俺の素敵なねぐらだ。ここでテメェを調教してやるんだ。サイコーだろうが?」
文章で表すなら、「素敵」のところにダブルクォートがついたことだろう。つまり、実際は真逆だ。今にも崩れそうなボロ小屋だった。外壁は腐敗し、穴だらけとはいえ屋根を支えられているのが不思議なほどだ。
中もひどかった。兎小屋のほうがまだ広いくらいだ。空の空き瓶や得体の知れないガラクタが散乱している。床板は虫に食われてフカフカになっているし、踏めば沈む。中央には黄ばんだベニヤが敷かれている。寝床代わりなのだろう。ところどころ黒ずんでいるのは、寝汗でカビているからだ。
「嗚呼……」
こんな、どこかの野っ原のほうがマシな穴ぐらで、嬲られるのだ。かつてのように、己の尊厳を踏み躙られ、男を悦ばす肉に成り果てるのだ。
普通なら、許容しがたいシチュエーションだろう。幽香の喉から漏れたのは、恍惚の溜息だった。魂の奥底に刻み込まれたマゾヒズムが、なんて素敵なのかしらとむせび泣いていた。
「おらッ、ボケッと立ってんじゃねぇよ。使えねぇオンナだな、オイ」
「あぁッ」
肩を押され、床へ尻餅をつく。腐敗した木板の嫌な柔らかさが、臀部を通じて伝わってきた。
「さんざん気持ちよくしてやったんだ。『マンコ代』くらいは払ってもらわねぇとなぁ?」
与えられた割合でいえば痛みのほうが大きかった。陵辱としか言いようのない行為をはたらいて、代価を払えとは思い上がりも甚だしい。
が、もちろん、そんな無粋なことは口にしなかった。というか、言えなかった。眼前に開陳された、おぞましいモノを見たからだ。
ズボンとは口が裂けても呼べぬ、ただ腰に巻き付けただけの布切れを、男は解いていた。内側から現れたのは、今にも破裂せんばかりに勃起した一物だ。
どどめ色の亀頭は腫れ上がり、カリ首はくっきりと刻まれている。バナナのごとき強い弧を描く幹に、青黒い血管がぐねぐねと這い回っている。フォルムだけ見れば、かなり立派だ。
業物を台無しにするのは、竿全体にこびりつく、うっすら黄ばんだペーストだ。風呂どころか行水すらできない暮らしのなかで、溜まりに溜まった恥垢だ。反吐が出る、腐敗した蛋白質特有の汚臭を無遠慮なくらいにまき散らしていた。
「ッ……グ」
幽香の鼻孔が、くぱっと広がる。わずかに遅れて、身体が小さく揺れた。脳味噌を殴りつけるかのごとき、えげつない臭気をぶつけられて、嘔吐反応を起こしたのだ。収縮した胃袋から、酸っぱいものがこみ上げてきたのを、強引に抑え込んだ。
「あはぁあッ……」
その後、顔を蕩かせる。臭いもの、汚いものは、奴隷時代に舞い戻った彼女にとっては性愛の対象だ。つまり、目の前の一物だった。自らが奉仕するに相応しい、理想的な男根を前に、子宮がキュゥンキュゥンと疼いていた。
「あっはっ、あぁッ、あは、あへっ、あっは」
おっ広げられた股に、白い指が伸びていく。先ほど散々弄ばれ、今もヒクつく肉穴を、自らこね回していく。クチョッ、クチャッと、淫音が狭い室内にこだまする。雌汁が飛び散って、床板にシミをつくっていく。
「オイコラ、なに一人で楽しくなってんだっつうの。ホント、使えねぇ穴ポコだなテメェは!」
「あっはッ、あぁッ」
奴隷の勝手を見逃すほど、彼は寛容ではなかった。ぶるんッ、ぶるんッと、一物が左右に振られる。ベチベチと、幽香の柔らかな頬を亀頭で叩く。スメグマに塗れた、汚物そのものの竿でだ。自らの美貌に、陰茎臭が染みついていく。嬉しすぎて、小便を漏らしてしまいそうだった。
「あは……あはぁ。失礼致します……」
とはいえ、トリップしてばかりでいられないのも事実だった。彼の言うところの「マンコ代」を、きちんと支払わなくてはならない。といっても、金など、彼は欲しがらないだろう。いや欲しがるだろうが、もっと相応しい支払いかたがあった。つまり、快楽には快楽で、だ。
突き出された肉棒の先端に、ゆっくりと顔を近づける。一ミリ接近するごとに、悪臭が強まっていく。立ち上る臭気は目を刺すようで、涙が滲むのを感じていた。
「むちゅぅうッ……」
それでも怯まず、とうとう亀頭へ口づける。ただ唇を触れさせただけでない。先ほどと同じくらい熱烈なキッスだった。
「おほッ、ぉお~。脳味噌カラッポの豚女にしちゃ、ずいぶんとまぁ気が利いてるじゃねぇか」
唇を離す。リップの痕が残っていた。男は目を細めて、自らのペニスについた最低のキスマークを眺める。
「あはッ……えぁッ、んはぁ……あむぅうッ」
挨拶を終えたら、いよいよ本番だ。口蓋垂が見えるくらい口を大きく広げる。次の瞬間には、ぱくりと根元まで咥え込んだ。
「んふッ、んぅうううんッ……」
途端、広がるのは、先ほどとすら比較にならないほどの悪臭だ。鼻の裏から、目玉の裏側をザクザクと刺してくるかのようだった。しかも今回は、味覚までもが刺激される。強烈なえぐみと、悪くなった食物に典型的な酸っぱさが、同時に襲い掛かってくる。
生娘であれば、嘔吐していてもおかしくなかった。幽香はといえば、瞳を蕩かし目尻を垂れ下げ、恍惚に浸っている。漏れるのは、うっとりした鼻息だった。
かつて、こうしたモノを咥えながら、どれほど気持ちよくしていただいたことか。おかげで、汚らしい魔羅にしゃぶりつくことと性感が、頭の中で結びついていた。今の彼女は、最低最悪のパブロフの犬だ。
「オッホッ! おぉッ、ぉおお、こりゃすっげぇッ……!」
対する男は、しゃがれた声を裏返らせながら、腰をブルブルと震わせていた。絶世の美女の、唾液をたっぷり含みヌルつく口腔は、どれほど金を積んでも味わえるものではない。惚けきった顔は、まさしく天にも昇る心地だと語っていた。
「んふッ、ぢゅるぅッ、ぢゅぷっ、ぢゅぐッ、んぢゅぷッ、ぢゅぽッ、ぐぷッ、レロォッ」
もちろん、咥えて終わりではない。むしろここからがフェラチオの始まりだ。緩やかに、頭を前後させていく。竿の根元近くに、リップの痕が赤く残っていく。どこまで頬張ったか喫水線のごとく示す、風見幽香の欲張りメーターだ。
ペニスにちゅうちゅう吸いつきながら、艶めく唇を男根扱きの道具とする。頬を窄めた火男のごとき表情は、各方面から恐れられている大妖怪とは思えぬほど、惨めかつ淫らだ。口内では舌が踊り狂っている。先端から根元まで、食物を味わうための器官を、雄を悦ばせるために駆使していた。
舌先で亀頭やカリ首をレロレロとねぶり回し、べっとりとへばりついたスメグマをこそげとっていく。舌腹を裏筋あたりに密着させながら、前後に動かして、味蕾の凹凸でヌルヌルと刺激する。ひとつひとつの動作がどれほど情熱的かは、窄められた頬がもごもごと蠢く様を見れば分かるだろう。
「へッ、へへッ。ウマそうにチンポしゃぶりやがってよぉ、オォッ! ガッつきやがって、そんなにチンポが好きかァ、えぇ?」
男の罵倒が降り注ぐ。若干上ずっているのは、熱烈極まるフェラチオの性感を堪えているからに違いない。実際、幽香の口淫技術は、色街にも比類する者がないほどだった。
「そんなら、こういうのはどうだよッ、オラッ、喉チンポの刑だッ!」
「ぉッ、ごッ、ぐぅゥ!?」
彼は調子に乗りまくっており、それだけの奉仕を受けてなお、満足していなかった。幽香の頭を左右からがっしりと抱え、あろうことか、顔面に腰を叩きつける。肉槍は思いきり彼女を刺し貫き、喉奥にまで至る。
喉輪がギチギチと拡張される。久しぶりの感覚に、目を見開く。鼻先が下腹に押し潰され、醜い豚鼻になっていた。
「んごッ、ぐッ、んぐぅ、っごッ、おごッ、ぶぇッ」
そのまま、腰を振りたくってくる。ばすんばすんと、顔へ陰毛の茂みが打ち付けられる。白い喉が、うごうごと蠢いている。食道にまで至った亀頭が、体外からでもシルエットとして浮かび上がっているのだ。
「んふぅうッ、ぶぢゅッ、ンゥウン、ッゴッ、オゴッ、ぉグゥッ」
聞き苦しい声を上げながら、口虐を受け入れている。口端から、ぼぢゅぼぢゅと粘っこい音が響いている。虐待されながらも、奉仕の心を忘れず、むちゅむちゅと唇で吸い付いているのだ。
麗しき指は、下半身に伸びていた。蹲踞の姿勢で広げられた恥部を、こね回している。ぐちょぐちょと淫音が鳴るたび、雌汁が飛沫となって散っていた。
「へッ、なんだぁ、喉奥ホジられてマンズリか、心底どうしようもねぇ豚だなお前は。おらッ、大好きなチンポだぞ、もっと味わえよッ!」
「んっぶ、んぐっ、グゥウッ……!」
目の前で繰り広げられる痴態に当てられたか、男はいっそう腰使いを激しくする。鼻梁が潰れてもおかしくないくらいの勢いだった。
口腔から食道に至るまでの全てを、男根扱きの道具にされている。嬉しくてたまらない。奉仕は際限なく熱烈になる。踊る舌の動きときたら、ペニスを蕩かしふやかし尽くす勢いだ。指の動きも止まらない。肉貝の中身をほじくり出さんとしているかのようだった。
「ぉッ、おっほッ、ぉおッ~ッ。上ってきた、上ってきたァ、おら出すぞぉ牝豚ァ、一滴でも零したら、床舐めてでも掃除させるからなァッ」
口内を埋め尽くす肉棒が、膨れ上がっていく。熱さと硬さは、灼けた鉄の棒を思わせる。ピストンのたびぶらぶらと揺れる玉袋は、いまにもはち切れんばかりだった。何年、下手をすれば何十年と溜め込んできた欲望を、吐き出そうとしているのだ。睾丸は全力で稼動して、グツグツと種汁を煮えたぎらせていた。
「んぶッ、ぶぐぇッ、おごッ、ごッ、んぐぅうッ」
となれば、幽香が――奴隷がすべきことといったら一つだ。気持ちよくお射精いただけるよう、全身全霊で尽くすのだ。頬を窄めてバキュームをかける。鈴口からカリ首にかけて、ねだる舌遣いで舐め回す。甲斐あってか、男はアッという間に、限界へと至った。
「オッ、ぉおッ、出るゥッ、ぉッ、オッオッオッ、おぉおおオッ!」
顔面に下腹が叩きつけられる。ぴったりと密着させたまま、男は絶頂する。
張り詰めた男根から、勢いよく雄汁が解き放たれていく。何億もの子種をたっぷりと溜め込んだ、最低最悪のリキッドだ。腐敗した、チーズを思わせるスメグマの混ざったヘドロが、麗しい桃色の口内粘膜を埋め尽くしていく。どぼどぼと、おぞましい白色に染め上げていく。
「ンッ、ぶッ、――ッ」
酸欠で暗くなる意識のなかで、幽香は恍惚に浸る。舌が曲がるくらいの苦味とえぐみは、かつてガロン単位で飲まされてきたものだ。癖のある、ありすぎる味わいも、それだけ味わえば好きでたまらなくなってくる。いっそ懐かしくすらあった。己が性奴隷に戻ったのだと、百の罵倒よりも分かりやすく実感させてくれる。
「ぉッ、おぅッ、おぉッ、おッ、ぉッ、っほぉお~……ッ」
吐精の間、男はずっと惚けた声を上げていた。極上の美女の口腔を孕ませるのだ。魂すらぶちまけていたとしても、なんらおかしくはなかった。
腰が引かれていく。膝が笑っており、ふらふらと後ずさる。自然、一物も唇から抜ける。どうぞ離れないでほしいとばかりに舌先で追いかけ、頬で吸い付いた。ぢゅぽッ、とコルク栓を抜くような音が鳴った。
「あはぁ……ッ」
顔を上向け、大口を開ける。口蓋垂から扁桃、喉壁に至るまで、彼に見せつける。舌を突き出すおまけ付きだ。ピンクの粘膜に、恥垢混じりの汚精液がギットリと絡みついていた。
口を閉じる。ゆっくりと、精虫一匹にいたるまで丁寧に噛みつぶしていく。歯周ポケットにまで精臭が染みついて、呼気から陰茎臭がとれなくなりそうだった。
飲み下していく。量にすれば十ミリリットルもないのだが、容易ではなかった。事前に奥歯ですり潰してなお、濁液はえげつないほどに粘っこかった。生の餅を丸呑みしているようであり、うっかり詰まらせて窒息してもおかしくなかった。
「んはぁ」
ようやく嚥下し終え、口を開く。はぁ、と漏らした溜息は、たいそう精液臭かった。胃液に灼かれたスペルマの匂いが、上ってきている。鼻から目の裏に抜けていくようであり、たまらなかった。
「げぷっ」
胃から逆流したガスにより、蛋白臭を纏ったげっぷが飛び出す。あまりにも品のない姿だった。普段の幽香には全く似つかわしくないが、今の彼女にはお似合いだ。
「へ、へ、へ。好き放題にザーメン啜りやがってよぉ、もう許さねぇぞ、オラッ!」
「アッ! アァッ!」
惨めで淫らな様は、男の獣欲と嗜虐心を大いに刺激したらしい。滑らかな緑髪を鷲づかみにし、自らのほうへ引っ張る。柔らかな頬へ、何度も平手を繰り出す。鋭い打擲音が室内に響いた。
好き放題に啜るもなにも、やれと言ったのは彼だ。もちろん、そんなつまらないことは、両者おくびにも出さなかった。
「他人様のチンポベロベロ舐め回しまくりやがってよぉ、テメェの涎でベットベトだわ。悪いと思ってんのかよ、アァッ?」
「はいッ、はい、申し訳ございません、お許しください、あぁッ!」
「そうかァ? そんなに悪いと思ってんなら、マンコさせろ、マンコだッ、マンコッ!」
「はい、どうぞッ、どうぞ私の卑しいおマンコをお使いくださいませ、っひぃ!」
どうぞと言っているにもかかわらず、ビンタの嵐は止まるところを知らない。白い両頬が、赤く腫れていく。嬉しくてたまらなかった。性奴隷にとって、主人から差し向けられる理不尽は、いっそご褒美ですらあるからだ。
「そぉら、お前専用のベッドだ。ここで今から、マン穴がめくり返るまでほじくり返して、俺専用に造り替えてやるからな、覚悟しろや」
「嗚呼……ッ」
先ほど幽香から剥ぎ取った服を、寝床代わりのベニヤ板に敷く。寝転べ、とばかりに顎をしゃくってきた。
チェックのベストと揃いのフレアスカートは、彼女のお気に入りだ。それを今から、台無しにしていただく。なんて素晴らしいんだろう。考えるだけで、アクメしてしまいそうだった。
命じられるまま、自らの服の上で仰向けに寝転ぶ。布越しに、腐りかけの板の嫌な柔らかさが背中に伝わる。
両脚を開き、恥部を見せつける。無様ながに股だ。夏場に道端で潰れている蛙を連想させた。指先で、肉貝を左右に割り開く。ニチャァ……と、耳裏にへばりつく音が鳴った。オクラの汁よりも粘っこい蜜が、糸を引いている。
粘膜はしきりにヒクついて、駄目にされる瞬間を今か今かと待ち構えている。無数の襞がうごうごと蠕動する様は、そういう生き物であるかのようだ。最奥部に鎮座する子宮口が、キュッ、キュッと恥じ入るかのごとく窄まっていた。白濁した涎がでろでろと滴っていた。
齢百の老人が見ても勃起するに違いない、むせ返るほど淫らな光景だ。間違っても、こんな汚らしいボロ小屋で開陳されて良いものではなかった。
「私、風見幽香は、おチンポに尽くすために生まれてきた、淫乱変態マゾ牝穴奴隷です。ご覧の通り、私のおマンコは今すぐにでも逞しいおチンポでホジられたがっていて、ネバッネバのスケベ汁を垂らしながらヒクつきまくっています。腹の奥の、精液排泄専用性処理種付け袋が疼きまくって、気が狂ってしまいそうです。ですからどうか、こんな惨めったらしく卑しい色気違い女の、緩くて臭くて小便臭いグズグズ駄目穴でよろしければ、ちり紙感覚で使って、ハメ潰して、パンパンのおキンタマに詰まった濃厚凝縮おチンポ汁をコキ捨てていってくださいませ。ギンギンの硬くて臭いおチンポで、マン穴の中身がハミ出て戻らなくなるくらいまで抉りまくって、物笑いの種にしてくださいませ、お願い致します、アッハァア……ッ」
性奴隷時代、どれほど人前で自虐させられたことか。相当なブランクを経ても、それは損なわれていない。自らを貶める語彙に関して、幽香の右に出るモノはなかった。
道を歩けば誰もが振り返る美女が、自ら股を開いて、どうしようもない言葉と共に生性交を懇願してくる。男性なら一度は夢見る、都合の良すぎるシチュエーションだ。
男はしばし茫然としていた。目の前で繰り広げられた光景が、現実か否か、今さら信じられなくなったのだろう。が、夢でないと気付くなり、彼女に勢いよくのしかかった。
「アァッ!」
暴力的衝動をこらえかねたか、また平手を繰り出してくる。逃さぬとばかりに、両腕を押さえつける。指先一つ動かせば簡単に抵抗できるにもかかわらず、幽香はまるで逆らおうとしなかった。怯えた様子を見せ、さらなる被虐を誘いすらしていた。
「とんでもねぇパープリン女がよぉ、俺みてぇな野郎の汚ぇチンポが欲しいとか、マジでイかれてやがるぜ、っへへ、上等だよ、穴が閉じなくなるまでホジり倒してやるからなァ……!」
声は狂気すら孕んでいた。射精したばかりだったはずの一物は、幽香の痴態によって、すっかり雄々しさを取り戻している。いっそ、先ほどよりも逞しくなってすらいた。本来なら決して手の届かない、極上の美女に種をつける。千載、いや万載一遇のチャンスを前に、先走りをだらだら垂らしている。
「あっ、あぁあッ、はやく、はやくぅッ……」
おっ広げられた股穴に、肉竿が擦りつけられる。ぬちゅッ、むちゅっと、亀頭と膣口がキスを繰り返す。はしたないでは済まない、どうしようもない淫音が響いていた。
「おらッ、入れるぞッ、入れるぞ、ブチ込むぞ、便女にするぞッ、お、お、お。オラァッ!」
「あぉッ、ひッ、ぉおおおおおおおんッ!」
腰が突き出される。亀頭が肉穴を割り開き、奥へと侵入を果たす。肉襞がめくり返され、裏側に至るまで暴かれていく。メリメリと、体内が拡張されていく。快楽神経が刺激され、電気信号が脳味噌に叩きつけられる。
「おほぉッ、ぉおッ、おひッ、ひッ、あぉッ、アァアアッ」
女としての尊厳を踏み躙られ、性処理玩具として犯される。奴隷でなくなってから、久しく味わっていなかった感覚は、彼女をかつての日々に引きずり戻した。
目の裏でチカチカと火花が散っている。ガクガクと、腰を跳ねさせながら、聞き苦しい声を上げる。股穴をずっぷりと埋め尽くす一物の存在感に、今にも達してしまいそうだった。
「おッ、おッ、ギュンギュン締め付けまくりやがってよぉ、この牝豚が、おらッ、大好きなチンポだぞッ、便女マンコでたっぷり味わえやオラッ!」
「ひッ、あぉッ! ぉんっ、アッ、っひぃッ、ぉっひッ、あぁああッ!」
緩くて臭くて小便臭いグズグズ駄目穴と自虐はしたが、実際はその真逆だ。ヌルつく襞が絡みつき、奥へと誘いながら搾り上げる淫穴は、色街で一番の娼婦でも持ち得ない極上の性処理器官だ。
彼程度の男が、堪えられるわけもない。ゆっくり味わう余裕すらなく、獣の衝動に振り回され、ストロークを始める。バシッ、バシッと、下腹同士がぶつかり合って、小気味良い打擲音をあげる。ぢゅくッ、ぢゅぐっと、粘つく肉畑を耕す音が続く。
抽送は乱暴でがむしゃらだ。テクニックなど皆無で、相手を気持ちよくさせようという意思を感じない。ただ自らのペニスを気持ちよくするためだけの、独り善がりで自分勝手な腰使いだった。
「あはぁッ! あぁッ、いぃッ、いいのッ、チンポ、チンポいぃッ、もっとおチンポぉッ」
だからこそよかった。奴隷に気遣いなど無用だ。乱暴に扱われることこそ本望だった。
もちろん、ただよがっているだけではない。ペニスを悦ばせてこその性奴隷だ。突き込まれる動きに合わせて、自らも腰を振りはじめる。レイプされているというのに、むしろ積極的に陵辱を受け入れていく。
荒い息づかいと嬌声が、今にも崩れそうなボロ小屋に響く。ガタガタと、ベニヤ板が擦れて音を立てる。腰を打ち付けられるたび、歯形の残るIカップバストがゆっさゆっさと弾む。男の目を愉しませると同時に、さらなる獣欲を喚起させた。
「へッ、マゾ豚が、犯されて感じてんじゃねぇっつうの。オラッ、こういうのもいいんだろうが、アァッ!?」
「は、ッ、かッ、っは」
黒ずんだ指が、幽香の首へ伸びる。無防備に曝け出された喉に絡みつき、ぎゅうと締め上げる。気道が塞がれ、息が出来なくなる。
「かひッ、はッ、ひッ」
ぎりぎりと、力がかけられていく。いくら大妖怪だろうと、生物としての構造は保っている。呼吸の手段を奪われ、頸動脈を絞められれば苦しい。脳に酸素が回らず、視界が暗転しはじめる。
「ひっ、ぉッ、アッ」
そのなかにあって、男は腰を止めていなかった。むしろいっそう激しく、ピストンを繰り出す。グヂュッ、ヌヂュッと、汁を垂らしほうだいの結合部から飛沫が散っていた。
いよいよ酸素が足りなくなり、半ば白目を剥く。脳内麻薬が溢れ、恍惚が訪れる。気絶の一歩手前で味わえる、危険なエクスタシーだった。
もがく指先が空を切る。もちろん、大妖怪の膂力をもってすれば、彼を振り払うなど造作もない。とはいえ、できるのと、するのは別だ。性処理用の牝豚が、使ってくださる方の為すことに、逆らうわけがなかった。
「おっ、かひッ、グェエ」
「きったねぇ声だな、萎えるだろうが、ッペッ」
明らかに危険域にあると、素人でも聞いて分かる声が漏れる。が、男は一笑に付し、切って捨てた。散々びんたされ腫れた頬に唾を吐きかける。不気味で不快な生暖かさすら、気持ちよくてたまらなかった。
「お~ッ、おッ、おッ。首絞めたらマンコ締め付けやがって、どうしようもねぇマゾ女だな。おぉら、そろそろ出すぞォッ、おッ、おッ、おッ」
涎まで垂らして藻掻く幽香を嘲笑いながらも、男は悦びを高めつつあった。体内のモノは、緋緋色金もかくやとばかりの硬さになっていた。ピストンの勢いが、どんどん激しくなっている。膣穴が擦り切れようと知らんとばかりの勢いだ。最奥部をゴスゴスと小突き上げてくる。ポルチオがグズグズに崩れてしまいそうなほどだった。
射精が近いに違いなかった。であれば、奴隷がすべきことは一つだ。ペニスが少しでも射精へ至れるよう奉仕しながら、惨めったらしく中出しを乞うのだ。
その二つを同時に行う手段を、彼女は知っていた。都合の良いことに、首を絞められ言葉が発せない状態でも、行える方法だった。穴を締めるのだ。今もホジられ、中身がハミ出しそうになっている淫乱牝穴を、きゅうきゅうと締め付ける。襞を絡ませ、奥へと誘う。子宮口を小突かれるたび、ちゅうちゅうと吸い上げる。
「ぉッ、おッ、おゥッ。出る、出る、出るぅッ、ぉおおおおおッ!」
果たして、効果はてきめんだった。男は聞き苦しく喚くと、身体全体を弓なりにし、腰を思い切り前方に突き出す。下半身同士の密着することときたら、陰毛が絡み合ってほどけなくなりそうなほどだ。
突き出された亀頭がポルチオを突き、ロックする。一ミリたりとも逃げ出せないようにしたうえで、鈴口から容赦なく種汁がぶちまけられた。
何十年と蓄えられてきた、何百億もの精虫が、半ば腐敗したスメグマとともに子宮へと注がれていく。鞭毛をその名の通り鞭のごとく振るい、風見幽香を屈服させにかかる。子を成すための聖域を、蹂躙されて悦ぶ快楽狂いの孕み頭陀袋へ堕落させていく。
「ォッ――かっ、っひ――」
そうして生じる快感に、幽香が抗えるわけもなかった。白い乳房をぶるぶると震わせながら、アクメへと叩き込まれる。白目をむき、全身を痙攣させ、結合部から牝臭い汁を噴いた。
ヴァギナから脳味噌へ、快楽信号が押し寄せてくる。ただでさえ少ない酸素が、その処理のために浪費されていく。脳味噌の死んではいけないところが死んでいくのを感じていく。それすら、気持ちよくてたまらない。白痴のごとく涎を垂らし、紫がかりはじめた舌をだらりとぶら下げながら、ビクンッビクンッと跳ねていた。
「ぉッ、おッ、おぉッ、ぉお、おお~……。へ、へ。ションベンみてぇに出たわ。すっげ」
時間にして、十秒と少しの射精だった。当人らにしてみれば、丸一日にも感じられた。濃縮されまくった、濃い一瞬だった。
男は魂の抜けるような溜息を漏らす。全身に浮かぶ汗には、汗腺に詰まった老廃物が混じっており、酸っぱい匂いをまき散らしていた。
ゆっくり腰を引いていく。痙攣を起こしているヴァギナは、中々離れようとしない。内部構造がぎりぎりまで亀頭についていく。引き抜ける瞬間、ヂュポッ、と音を立てた。
首も解放される。白い喉に、指の痕がくっきりと、赤黒く残っていた。一週間は消えない、奴隷の首輪だ。
「お……っひッ、あ、かは」
幽香に意識はなかった。瞳は虚ろで、表情もだらしなく崩れきっている。わずかな呼吸のたび、ふるんふるんと震える乳房がなければ、生きていると判断するのも困難だったろう。
「へへ。こぉんなイイ女に中出しキメてやったぜ。……おい牝豚、テメェは今日から俺の性奴隷だ。一日一〇〇回はマンコしてやるからなぁ、覚悟しろよ?」
悪臭のする汗を拭いながら、男は一方的に告げる。ほとんど前後不覚に陥っている幽香は、しかしその言葉には、はっきりと頷いた。奴隷が主の玉言を聞き漏らすなど、あってはならない。
「よぉし、じゃあ誓いのキスの時間だ。ベロチューだぜ? ……今度はこっちになぁ!」
キスと聞いて、彼女の口はわずかに窄められた。が、男が差し出したのは、自らの唇ではない。食べ物を入れるほうではなく、食ったあとに処理したものを出すほう。すなわち、尻穴だった。
「ンブェッ」
仰向けのまま潰れていた彼女の顔面に、思い切りのしかかる。入浴どころか行水すらろくにしていない、不潔極まる下半身が、ぼやける視界で大写しになる。
最悪の景色だ。臀部は黒ずんで、垂れ下がって、あちこちに赤いできものが浮かんでいる。どうしようもない尻たぶの間では、焦げ茶色の窄まりがうごうごと蠢いている。穴の周囲には縮れ毛がちょろちょろと生えている。得体の知れないカスがこびりついて、目に刺さる汚臭をまき散らしていた。
見ているだけで吐き気を催す、最低最悪の光景だ。地獄の釜だって、これほどグロテスクではないだろう。口づけるなど、悪い冗談でしかない。
が、覚悟を決める時間すら与えられなかった。麗しき唇に、容赦なく押しつけられる。
「ッ、ぶッ、ごッ、っぐッ。むぢゅッ、れろッ、れろぉおッ」
鼻から悪臭が突き抜け、目の裏をザクザクと刺してくる。涙がぼろぼろと溢れて止まらない。
にもかかわらず、彼女は嫌がりもしなかった。むしろ舌を這わせ、汚物そのものな菊門を舐め回し始める。強烈な嘔吐感に、胃は何度もせり上がる。えずくたび、ビクンビクンと身体が跳ねる。
「れろッ、むっぢゅッ、んちゅぅッ、んぢゅッ、んぅううッ……」
「おッ、おッ、オッ! なんだぁ、そんなコトまですんのかよ、便器の妖怪かなんかかよテメェ、ギャハハハ!」
桃舌の先端が、焦げ茶色の菊穴の入口をつつく。ぐっと押しつけられ、そのまま、ヌルルッと侵入を果たす。
誰も手入れをしていない公衆便所を思わせる、饐えに饐えきった汚臭が押し寄せてくる。恍惚すら覚えながら、ヌルヌルと、隅々まで舐め回していく。纏わり付く汚れの一つ一つにいたるまで丁寧に舐め取って、菊門をふやかしていく。
これだけしていながらも、彼女はほとんど気絶したままだった。魂の奥底にまで刻まれた、奴隷としての本性が、無意識だからこそ発揮されているのだ。
左手は、自らの股穴をこねている。先ほど中出しされたばかりの、生々しくヒクつく肉穴を、ぐちょぐちょと音を立てて嬲っていた。
「オッ、おッおッ。へへ。まぁこんなもんで許してやるとするか」
ようやく、腰が上げられる。解放された幽香の顔面は、酷い有様になっていた。得体の知れない汁に塗れて、前髪は額に張り付いている。もうもうと、皮膚細胞から悪臭が立ち上るかのようだ。にもかかわらず、虚ろな瞳には、蕩けるほどの恍惚が浮かんでいた。
「おうこら、牝豚。寝てる場合か?」
「ンッグゥッ! かっは、申し訳ございませんッ……」
腹を踏みつけられる。痛みで、瞳に意識の光が戻る。開口一番述べたのは、謝罪の言葉だった。情けない牝豚奴隷としての、作法の一つだった。
「その格好のままついてこいよ。散歩の時間だぜ? このへんの浮浪者仲間に紹介してやる。けけ、ブン輪姦してやるから覚悟しろよ。穴が駄目になるまで、共用便器として飼ってやるからなぁ」
「あはぁッ……」
足蹴にされながら、悪意のある言葉を投げかけられる。またかつての、甘美なる日々が戻ってくるのだ。芋虫のごとく惨めに身体をくねらせながら、漏らすのは蕩けた溜息だった。