それがエスカレートもする話
ラストはやや肩透かしかも
昔某所で晒したのほぼまんま
「はい、これでいい?」
彼女は、自分のセーラー服をたくし上げて、可愛らしくも気の強さを感じさせる声でそう言った。
「……下着じゃあ、ちょっとなあ?」
口にして、図々しいかと俺は思ったが、けれど彼女の要求はもっと図々しいものだから別にいいかと思い直して、言葉を続けた。
「ブラも外してくれないと、おいらのセンズリは見せられませんぜ、お嬢さん」
「……何キャラなの?」
ていうか見たいのはセンズリじゃなくてオナニーだし。
ぼやく彼女に、二つの言葉は相互に言い換えたものだと教えた。
「う〜ん、じゃあ、まあ……しょうがないか……君が特別を見せてくれるんだから、わたしも特別を見せなきゃだもんね……」
色気の無い、けれど似合っている白のブラの下から現れたものは、桜の花弁で飾った丸餅だった。
「………」
「目、こわ……」
そうは言うが、仕方がないピンク乳首の美乳がそこに在って、呼吸に連動して動いているのだ。
ガン見しないわけがない。
「ていうか、そんな風にして痛くないの?」
そして、そこにたくし上げというエロ仕草が加わってみろ。シコらないわけがない。
「大丈夫」
彼女の視線が心配そうだったから、俺は短く伝えた。
極上のオカズを前にシコっている人間にそれ以上を求めるな。酷ってもんだぜ。
「わっ」
極上のおっぱいを前にした俺のような目でオナニーを見ていた彼女だったが、素っ頓狂な声を上げて、俺の息子を指差した。
「透明な汁出てきてるよ? これ射精?」
違うと口に出すのが億劫だラストスパートだから。代わりに首を横に振った。
「違うの?」
じゃあ、と彼女が言いかけたところで、俺はティッシュを乱暴にひっつかみ、そこに向かって射精した。
「……ふう」
「ティッシュに出したやつ、見せてっ」
綺麗な瞳を輝かせた彼女に、「いいぞ」と答えようとして、言い終わる前にひったくられた。
彼女は、丸まったティッシュを大切なもののように、そっと開いた。
ふんわりと独特な臭いが拡がると同時に、彼女の目の輝きがより眩いものになる。
「わあ……こんな……。なんか、ゼリーっぽい……」
汚いから、触るなよ……? そう言い含めて、俺は俺の子どもたちを熱心に観察する彼女を見守った。
自分の精液に熱心な美少女。大変な眼福であることは言うまでもないだろう。
しばらくそうしていると、彼女のスカートに隠れた膝頭がもじもじと動き出した。
中身がこぼれないようにティッシュを畳んだ彼女の顔は、少し赤い。半べそをかいているようにも見えた。
一体どうしたというのか、ついさっき目にしたグロテスクな光景がトラウマになってしまい、気分を害してしまったのか。
そう思っていると、彼女は言い出した。
「あのさ、なんか、その、なんか知んないけど、わたし、漏らしちゃったっぽい……」
粗相をしてしまったのでないかという不安の見える瞳、そのしおらしさは、癖もないのにサディズムを抱かせてくる。
「どう? おしっこじゃなさそう?」
恥ずかしそうにする彼女のスカートの中身を覗いたところ、そこにはおしっこよりも恥ずかしい液体によるものであろうシミがついていた。
いや、あろうじゃない。ちびったにしてもションベンはもっと大量に出るんだから、これは……これは愛液だ、間違い無い……!
良いものを見たのだから、それで満足してあとはお漏らしをしていないと真実を伝えればいい。
なのに俺の脳裏で、悪魔がアイデアを囁いてきたのだ。
「え、え、え? ぱ、パンツ脱いで見せるの? そうじゃないとお漏らしかどうか分かんない……?」
俺の脳裏で悪魔が囁いたアイデア……それは、虚偽報告をして、いけるところまで行ってしまおう、というものだった。
我ながら、最低最悪のアイデアだと思う。
けれど、俺は罪悪感が邪魔してズリネタにはしにくいけれど、セックスは想像してしまう相手の生乳とシミパンを目にしてしまったのだ。
つまり、そのアイデアに柏手を打つほど理性が吹っ飛んでいたのだ。
しょうがないなあ……と青だぬきのようにぼやいた彼女は、恥じらい故か、ゆっくりとパンツを脱いだ。
クロッチと、ぴっちり閉じたスジとの間に透明な糸が伸びる。お茶の間では絶対に放送禁止だ。
「いっつもお願い聞いてくれるもんね……で、でも! あんまりジロジロ見ちゃ、ダメだからね……」
ジロジロ見るなと言われても、自分のオナニーが原因で照りを持ったスジなんてエロ美しいなものをジロジロ見ないなんて不可能だ。
メントスを入れたコーラが吹き出すことを防げないように、見ないようにすることはできない。
「ど、どう? なにか分かった?」
「ないんだな、毛」
口を開くならジロジロ見ていたことを責められるだろうと覚悟した俺は、彼女の言葉がまるでトゲが無いものだから、却って驚いてしまった。
反射でさっきから抱いていた疑問を口にしてしまった。
「毛が無いのは、その、蒸れるから……」
彼女は、顔を隠すほど恥ずかしがりながら、しっかりと答えてくれた。
律儀だなと、素朴に思う反面、状況に混乱しているのだと俺は分析していた。同時に、これはイケるとも。
「なあ、やっぱよく分かんないからさ、開いてくれないか?」
へ、と間の抜けた声を彼女が漏らすと同時に、時計以外の時が凍った。
溶けるまでは、秒針の音からして一〇秒はかかったと思う。
その間も俺は、閉じられた綺麗なツボミを見て愛でていた。
「ひ、開けって、ええ……」
困惑を隠せない様子で、彼女は枕に話しかけていた。
「なんでダメなんだ?」
ダメに決まってんだろ。心の中で俺は自分にツッコんだ。
「おしっこのとこが見えちゃうよおぉ……」
「ここまで見せてるんだから、同じだろ」
これからの人生でこれほどめちゃくちゃでバカらしいと自覚して吐く理屈はないだろう。
そう予感しながらも、俺は口にせずにはいられなかった。だって、彼女の一番の秘密を見たいから。
うー……、と唸っていた彼女だが、やがて、しなくてもいい観念をした。
指が、花弁にかかる。
「………はい」
今度は、俺が凍ってしまった。
だって、彼女の湿ったそこが、余りにも綺麗で、完璧で、そそってくるから。
「う、これでも分かんないの?」
硬直する俺の顔を覗き込む彼女に、俺は最低な嘘をつく。
「ごめん、セックスしないとわかんねーわ」
三度目のストップ。或いはTHEWORLD。もしくはタンマウォッチ。
ああ、ドラえもんもジョジョもFFも好きだったよな、こいつ。
なにがしかの効果が溶けたのか、彼女は動き出した。
「な、なななななな、なに言ってんのさ!」
湯気が出るんじゃないというほど赤いから、本当に凍っていたのかもしれない。
うろたえる彼女を見守りながらバカなことを考えていると、ガシと肩を掴まれた。
「せ、セックスしないと分かんないって……!」
剣幕に、殴られるかな、と歯を食いしばっていると、うつむいてなにやらブツブツ言っているばかりで、手は出てこなかった。
「知ってるんだな、セックス」
そう言えば、てっきりなにも知らないと思っていた。
彼女はがばっと俺へと向き直る。
「そ、それくらいは知ってるよ!」
「じゃあ、どういうことだか答えられるのか?」
「なんか、こう……キスよりもエッチなことなんでしょ……! どうするかは……分かんないけど……で、でも! エッチなことは恋人同士じゃないとしちゃダメなんだから!」
だから、ダメ! とバッテンを作る彼女に俺は少し驚いたが、よく考えれば、隣近所の幼馴染なのにキスをした記憶がないことに気が付く。遊びでするとか、ありそうなのに。
胸も股も散々晒してはいたが、なるほど、キスと同列の行為となるとそのへんのガードは硬いのだろう。
だがしかし、その守りには致命的な綻びがあるぞ、ワトソンくん。
「好きでもダメか?」
「へ? い、いま、す、好きって……え、本当?」
それはつまり――
「俺と恋人になってくれ」
――こういうことだ!
……いや、待て、ヤダって言ったら瓦解するじゃないか、この攻め手は。なにを言ってるんだ俺は。
吐いた唾を飲める機械を出してくれ、王ドラ。
「こ、恋人になって欲しいって、う〜〜……!」
だが彼女は、俺の苦悩をよそに、恋する乙女の如く悩みだした。これは……イケるか……?
い、いや、待て、イケるってことは、俺たち両想いだったんじゃ……?
なのに、こんな騙し討ちみたいなやり方で……?
い、いいのか? いや、よくない。よくないぞ、俺の気分が!
「え、エッチなことしてみたいだけでしょ! だ、騙されないぞぉ……」
「その通りだ……」
「う、合ってるんだ……」
たぶんカッコいい恋人を紹介される日が来るんだろうけど、せめて処女はと思っていたが、こうなったら、素直に言ってしまえ……!
「でも、好きで、付き合いたいって思ってたことも本当だ」
性欲を伝えられて残念がっていた彼女に、俺はハッキリと気持ちをぶつけた。
「え!?」
彼女の反応は、劇的だった。
「好きも、好きも本当なの?」
わなわなと、手も声も震わせながら、彼女は俺にしなだれかかってきた。
「本当だって言ってるだろ、バカ」
自嘲に近いニュアンスで俺は、俺が彼女を好きであるということと同じくらい厳然たる事実を口にした。
性に興味が湧いたからって幼馴染にオナニーを見せてくれと頼む人間はバカだから酷い言い草ではないと思う。
「……ば、バカじゃないもん! 言ってることを疑わせるようなときに言う君が悪いもん!」
「それは悪いけど……そっか、俺の好きって気持ちは嘘だったのか……」
俺はわざとらしくしょんぼりしてみせた。
彼女は見事に引っかかって、言葉を詰まらせる。
ほら、やっぱりバカだ。そしてかわいい。
「う、じゃ、じゃあ、じゃあ……」
信じたい、どうすれば信じられるのか。方法は。
考えた末なのか、彼女は目をぎゅっとつぶって、言った。
「本当に本当なら…………ちゅ……、ちゅーして?」
その後、俺がどうしたか、彼女がなにをされたかは想像に任せようと思う。
ただ一つ言えることは、俺は幸せで、彼女もきっと幸せだ。