初夜の翌日の朝、眩くも暖かい朝日が全裸で寝ていたセリナ達がゆっくりと目を覚ます。片手で目を擦りウトウトした状態で周りを見ると龍雅達は居なかった。
「あれ?・・・龍雅・・・何処に行ったの?」
セリナがそう言うとマナとフィナと共に起き上がり床に脱ぎ捨てあったブラとTバッグ、そしてネグリジェを着て、スリッパを履きダイニングルームへと向かう。
ダイニングルームに入ると龍雅、昴、佐祐が白いテーブルクロスを敷いた横長のテーブルに焼き物のお茶碗に入った白米と木製のお茶碗に入ったワカメと豆腐の味噌汁、空のお茶碗に入った卵、横長のお皿に載った焼き鮭、小皿の漬物を人数分並べていた。
その光景にセリナ達は不思議になりマナが昴に問う。
「昴、その料理ってもしかしてあなた達が作ったの?」
昴は箸を置くと笑顔で答える。
「ああ。朝早くに起きてキッチンで人数分を作っておいた」
フィナは佐祐に近づき、ある事を聞く。
「料理は執事やメイドに任せていいのに朝食を作ろうとしていたメイドに言われなかったの?」
佐祐は後ろ頭を軽く掻きながら少し照れ臭い表情で答える。
「ああ、メイドさんにもそう言われたけど、元の世界じゃ家族が共働きだったから自分で料理を作っていたから起きて作らないと落ち着かないんだ」
セリナ達は佐祐の答えに納得しながら椅子に座る。更にそこにルディアス夫妻が入り、龍雅達が料理を運ぶ姿に目を丸くする。
「え⁉もしかして龍雅君達が作ったのか?この料理」
ロイドの問いに佐祐は笑顔で答える。
「ええ、今日は張り切って俺達の祖国の家庭料理をこっちの食材を使って出来る限り再現してみました」
ファナは初めて見る日本の朝食に宝石を見る様に目を輝かせる。
「凄いわ。色々な料理を見て来たけど、ここまで美しい料理は初めて見たわ。この料理をどこの高級料理店で学んだの?」
昴はクスリと笑い右手を軽く左右に振る。
「いえいえ、種類は様々だけどプロのシェフじゃなくても誰も作れる料理ですよ」
昴の当たり前な答えはセリナ達とルディアス夫婦は声を合わせて驚愕する。
「「「「「えーーーーーーーーーーーーーーーっ‼この料理はシェフじゃない人でも作れる⁉」」」」」
■
皆は席に着き龍雅達はセリナ達とルディアス夫婦は日本食と箸の作法を学びロイドは米の入ったお茶碗を左手に持ち箸を右手に持つ。
「それでは龍雅君達が作った料理を頂こう」
すると龍雅達は両手を合わせて一緒に食事の挨拶を言う。
「「「いただきます」」」
日本では当たり前である食事を始める挨拶をセリナ達とルディアス夫婦は不思議そうな表情をする。
「その挨拶ってどういう意味があるの?」
ファナの問いに龍雅が笑顔で答える。
「この挨拶は感謝を重んじる日本独自の食事の挨拶でこの言葉には『人は他者の命を貰って生きている。貰った命に対しての感謝の意を示す言葉』と言う意味が込められています」
セリナ達とルディアス夫婦は納得と感激の表情をする。その後、皆も龍雅達と同じく両手に持っている箸とお茶碗を置き両手を合わせる。
「「「「「いただきます」」」」」
■
料理を全て食べ終えた後、龍雅達は空になったセリナ達とルディアス夫婦の食器を空に自分達の食器と共に片付ける。その後は昴が作ったブレンド紅茶の入った綺麗なデザインのティーカップとカップと同じデザインのお皿に載った龍雅と佐祐が作ったカヌレとワッフルでセリナ達とルディアス夫婦と共に食後のティータイムを楽しむ。
皆が会話を楽しんでいるとファナはテーブルに茶色の革手帳を開いて皆の会話を一言一句、逃さず記録していた。
佐祐はファナに聞く。
「ファナさん、何で俺達の会話を手帳に記録するんですか?」
ファナは羽ペンを置き佐祐に笑顔で答える。
「私、小説を執筆しているの。私の作品は帝国では有名でね。でも新作のアイデアが浮かばなくってだからこうやってアイデア探しの為に記録しているの」
二人の会話を聞いていた昴が何かを思い付いた表情をし、ある提案をする。
「だったら俺達、日本の娯楽作品を見てみませんか?もしかしたいいあいでアイデアでるかもしれませんよ」
ファナの左に座り話しを聞いていたセリナも同感し母、ファナに日本の作品を勧める。
「是非、見た方がいいですわお母さま。にっぽんの文化は素晴らしいですわ。我が国の文化を遥かに凌いでおりますわ。お母さまは今、どんな作品を執筆したいのですか?」
ファナは少し考える素振りと表情をする。
「ふんーーーーーーっそうね、異世界の作品って少し興味あるわ」
そして昴はファナにどんなジャンルの作品を聞く。
「それでどんな作品がいいですか?」
ファナは手帳を右から三ページ程、捲り望んでいるジャンルの作品を言う。
「そうね。今は戦争を題材とした恋愛作品を作っているから戦争物と戦う女性が登場するのがいいわ」
すると龍雅はある提案をする。
「もしよろしければ我々もファナさんの作品を是非、読んでみたいです。交換読書でもしましょ」
龍雅の提案にファナは笑顔で賛成する。
「いいわね、それ。分かったわ、あなたも一緒に読みましょう?龍雅君達の世界の書物を読んでみましょうよ」
ロイドはブレンド紅茶を一口飲み笑顔で同意する。
「そうだな。ではメイドを呼んでファナの書物を持ってこさせよう」
そう言うとロイドはカップを置き呼び鈴を鳴らしメイドを呼び、昴はゲッターリングを使い漫画をテーブルに出現させる。
■
そして龍雅達はロイドに呼ばれて来たメイドによって持ってこさせたファナの小説を静かに読む。
龍雅は『美しき氷の王女は幼馴染の皇帝に抱かれ愛に溶ける』、昴は『清楚な聖女は憧れの勇者の前では淫らな踊り子』、佐祐は『子持ち未亡人女騎士は気遣ってくれる後輩騎士とイチャラブ生活』を読む事となった。
龍雅達が読むファナの小説はどれもイチャラブを題材とした官能小説で龍雅は少し苦笑いをする。
「ハハハハッこれは・・・また凄い物を作ってらっしゃる。前半から後半まで濃厚なエッチシーンのオンパレードだ」
一方のセリナ達とルディアス夫婦は真剣に『ガ●ダム:サ●ダーボ●ト』と『攻殻●動隊』を読んでいた。
ファナはサ●ボルのフルアーマーガ●ダムと重装備高起動型サイコザ●の脳裏に焼き付く迫力の戦闘シーンに興奮する。
「おおおっ‼凄い!こんな作品がこの世にあるなんて⁉この地球●邦軍とジオ●軍のモビ●スーツが宇宙空間で激しい戦闘はまさに芸術、いや美術の域を超えている!」
ファナはしおりを挟み今度は『攻殻●動隊』を読み始る。義体化、電脳化、ロボット、ネットダイブと言った異世界では考えられないサイバーパンクの世界に更に興奮する。
「何なのこの世界は‼機械によって肉体と社会が進化した事によって魔法を超える可能性を実現させた未来世界!こんな世界観を作り出すなんてこの作者は神!いえ、神その者だわ!」
ファナは羊皮紙のノートに思い付いたアイデアを書き留めていると何かを思い出したかの様にハッとし、ロイドに聞く。
「そうだわ。あなた、明後日の趣味愛の会はうちだけど、用意とか大丈夫?ゲームとか軽食のお菓子とか」
明後日、行われる会の事にロイドは少し考え、ハッとする。
「あ‼いかん!娘達の結婚式ですっかり忘れていた!どうしよう、今からでは間に合わないしな、どうしたらいいか」
佐祐は口の中に入って物を早噛みで飲み込みフィナに会の事を聞く。
「なぁフィナ、明後日に開かれる趣味愛の会ってなんだ?」
フィナは紅茶を一口飲み笑顔で佐祐に会の事を説明する。
「趣味愛の会ってのは一泊二日に渡って各貴族がお互いの趣味を見せ合ったり遊んだりするの。最初はボードゲームで遊んだりしていたけど時代が進むにつれてゲーム以外に美術や乗馬、料理が取り入れられて行ったの。開催と宿泊する屋敷も交代制で今回は家なの」
フィナの説明に納得する佐祐。
「なるほどね・・・うん!そうだ。なぁ龍雅、昴、ちょっと」
佐祐は右手で手招きし、小声で自分のアイデアを話す。
「・・・で・・・そうすれば・・・しかも・・・俺達は経験あるし・・・いけるぞ」
龍雅と昴は笑顔で頷き、そして龍雅はある提案をロイドに話す。
「ロイドさん、明後日の趣味愛の会の準備、俺達に任せてもらいませんか?」
龍雅の提案にロイドは少し驚く。
「ええ⁉いいのかね?君達に任せて?」
昴は右の人差し指で頭をちょんちょんっとする。
「大丈夫ですよ。ちゃんとアイデアは考えてあります」
ロイドは腕を組み少し考える。
「うんーーーーっ分かった君達に全て任せる」
それを聞いた龍雅達は笑顔で立ち上がり佐祐は気合を入れる。
「よし!んじゃ‼さっそく取り掛かるぞ!」
そう言うと三人は物凄く勢いで走って行った。
その後、龍雅達は一般区から必要な物を大量に買い込み屋敷に戻るや中庭に青色の大きなビニールシートを引き右から昴、龍雅、佐祐の順に胡坐で座り錬金術で様々な物を作っていた。
左手にスマフォを持ち、検索した画像を見ながら制作している昴が両腕を上に向かって伸ばす。
「んーーーーーーーーっだぁーーーーーーーーーっやっぱり作業部屋や作業場が欲しいな。外でやるのもいいが、やっぱり狭い空間って不思議と落ち着くよな」
昴が言った事に龍雅も同感する。
「ああ、そうだな。こじんまりとした空間の方が落ち着くんだよな。ロイドさんに頼んで一室や作業用の工場が欲しいな」
佐祐は目と目の間を右手で摘まみ目の疲れを取る。
「んーーーーーーーーっ俺はやっぱり一室より大きな工場(こうば)がいいな。大きな場所だと伸び伸びと作業が出来るからな」
「へぇーーーーーーっあなた達が異世界から召喚された勇者?凄く地味ね」
龍雅達は声の聞こえる方に顔を向けるとそこには白いハンカチを持った金髪縦巻きロールの赤いドレスを着た美少女とその後ろに数人の貴族の若者達が居た。
「誰だ?お前」
昴の質問に美少女が右手を胸に当て自信満々かつまるで人を見下す様な態度で自己紹介をする。
「私は帝国で最も古い歴史を持つ高貴な貴族、アルピリア家の長女で正当な跡継ぎ、ミルネ・テレスノア・アルピリアと申しますわ。しかしあなた達も物好きね。田舎の底辺下級貴族であるルディアス家と結婚するなんて」
龍雅達は目を背け作業の続きを始める。
「はいはい、どうもよろしく」
龍雅の興味の無い態度と挨拶にミルネはムキになる。
「なっ⁉なんですか!その態度は‼私は帝国でもっと高貴な貴族ですわよ!なのに何ですか!その態度は失礼じゃないかしら!」
すると昴は一旦、作業の手を止め呆れた表情をする。
「はぁーーーーーっ俺達は君が何者なのか聞きたいだけでなのにどうして自分の自慢話をするんだ?そんな事、興味もないのに」
昴の態度と正論にミルネは更にムキになる。
「キィーーーーーーーーーーーッ!なんですか!なんですか!せっかく私が親切に自己紹介したのに!」
龍雅は彼女の態度にはなはな呆れた表情をする。
「逆ギレかよ。てゆうか、お前ってバカなのか?さっきから上から目線の自己紹介で相手がいい気持ちになれるわけないだろ」
ミルネは遂に怒りが頂点に達し持っていたハンカチを地面に投げ付ける。
「ムッキーーーーーーーーーーーーーッ!ここまで失礼だったなんて!いいですわ、あなた達の様な性格が捻じ曲がった人達だとどうせくだらない物を作るんでしょうね。明後日の会で大いに笑ってあげますから。行きますわよ」
ミルネはそう言うとハンカチを拾い上げ連れて来た貴族達と共に去って行った。
佐祐は不思議そうな表情で頭を軽くかく。
「何なんだ、あの古典的な高飛車の貴族は?ムカつくどころか呆れちまうよ」
すると後ろからスカートの丈が短いドレスを着たフィナがゆっくりと近づき龍雅達に話し掛ける。
「どうしたの皆?ちょっと不機嫌な表情なんかして?」
佐祐は後ろを振り向き理由を話し始める。
「いや、実はさっき金髪縦巻きロールの少女が来て名前を聞いたんだけど聞いて損した。何か勝手に自慢話と上から目線な態度で怒りを通り越して呆れたよ」
フィナは話を聞いて右手を額に当て呆れた表情で軽く二、三回、首を横に振る。
「あーーーーーっミルネが偵察しに来たのか。確かにあの高飛車娘の態度はバカバカしくて怒る気力も無くすわ」
フィナは龍雅と佐祐の間に座り込み、更に龍雅はある事をフィナに聞く。
「なぁフィナ、あのミルネが言っていたルディアス家が田舎の底辺下級貴族だと言っていたけど、ただの嫉妬から来る虚言だろ?」
するとフィナは軽く首を横に振る。
「いいえ、虚言じゃないわ事実よ。うちは元々、田舎の小貴族だったの。でも十一代目当主に就いたお父様がオルニア地方の開拓を大成功させて一家を大貴族へと押し上げたの」
フィナの話しを聞いていた昴は少し驚いた表情をする。
「へぇーーーーーーーっそうだったのか。んじゃ嫁いだ俺達がもっとルディアス家を盛り立てないとなぁ」
昴の意見に龍雅と佐祐は笑顔で頷く。
「ああ、でもただ盛り立てだけじゃない。帝国全土を巻き込んだ壮大な現象を起こそう」
「そうだな。でも現象どころか革命を起こそうぜ。帝国どころか全世界を変える大革命をな!」
龍雅と佐祐がそう言うと三人は止めていた作業を再開させ力を入れる。
■
翌々日の朝、各貴族の馬車が続々とルディアス家の屋敷に集まる。そして大広間に集まった貴族達の前でロイドが会の開始の言葉を述べる。
「お集りの皆なさま、我がルディアス家で行われる趣味愛の会は恐らく会が始まって以来の歴史的な物となるでしょう。では一週間、心行くまでお楽しみ下さい」
開始の言葉を言い終えると貴族達は皆、中庭へと出る。中庭にはいくつもの横長の白いシーツを敷いたテーブルには飲み物と龍雅達が作ったパフェやトッピングされたワッフルとホットケーキ、クレープ、バームクーフェン、様々な味のチュロスと言ったヨーロッパのお菓子だけでなく日本を代表とするたい焼きとどら焼き、最中の他に龍雅達が制作したカードゲームと漫画、ファナの新作小説が置かれており、初めて見る異世界の物に貴族達の目は宝石を見る様な輝きをしていた。
開始からしばらく経ち貴族夫人と子供達はすっかり龍雅達が作ったお菓子にハマってしまい佐祐とルディアス家のメイド達が居る野外用調理台の前に行列が出来ていた。
「私、苺クレープとバナナチョコクレープ下さい」
「僕、ココアミルクアイスパフェ下さい」
笑顔で頼む男の子と女の子に佐祐も笑顔で頷く。
「あいよ。出来るまでちょっと待っててね」
佐祐は素早くクレープとでパフェを作り、出来立てのクレープとパフェを左右の手に持って渡す。
「はい、お待たせ。気を付けてね」
受け取った男の子と女の子は喜びながら行く後ろ姿に向かって佐祐は笑顔で右手を左右に振る。
一方、円型のテーブルに座っている貴族夫人達が初めて食べるお菓子の味と見た目に驚きと感激していた。
「このパフェと言う異世界のお菓子、味だけでなく宝石の様な色鮮やかな見た目はまさに芸術品だわ!」
「クレープだって素晴らしいですわ!薄く焼いた生地に色んな甘い物が入っていて何個でも食べられるわ!」
「ホットケーキとワッフルなんてトッピングなしでもこの瓶に入った蜂蜜とシロップを掛けるだけで最高のデザートに変身するわ」
「片手で食べられるたい焼きとどら焼きなんて焼いたフワフワの甘さの控えた生地に初めて知る餡子とカスダードの甘さが凄くマッチして美味しいし、しかもこの形が可愛いわ」
「バームクーフェンとチュロスなんか甘さもシンプルながら余計な味付けや工夫をしない所が斬新でいいわ」
一方、貴族主人達は龍雅達が制作した漫画やラノベ、更にカードゲームに皆が子供の様に夢中になっていた。
「凄い‼この鉄●28号ってのわ!パンチやキックなどの単純な攻撃ながら敵の聖巨兵を一撃で粉砕するパワーを持つなんて!」
「この虚●推理は今まで読んだ推理作品より凄い!モンスターが登場させながら謎を解く為に納得する嘘を組み立てるなんて斬新なアイデアだ!」
他に昴から遊び方を教わりカードゲームで白熱していた。
「凄い!凄いぞ!この異世界のカードゲームは!今まで味わった事がない頭脳戦だ!」
絵に精通する主人は遊●王とデュ●マ、バト●ピの絵柄に興奮しながら熱心に隅々までスケッチする。
「うぉーーーーーーーっ!凄いぞ‼異世界のモンスターは威厳と美しさに満ち溢れている!いや、これはもはや神!このモンスター達を書いた絵師は神以上だ!」
昴は遊●王で主人達と対決し、既に十戦目に突入し相手の主人は勝った様な表情でモンスターカードを出すが、昴はニヤリと笑いフィールドにセットしてあったトラップカードを発動しモンスターを粉砕しBPを高くしたモンスター二体で主人のAPを0にして勝利する。
「だぁーーーーーーーーーっ!負けたーーーーーーーーーーーっ!いい所まで行ったのにやっぱり昴・・・いや昴殿には敵わないなぁ」
昴は笑顔で出したカードを山札に戻しながら相手主人の戦術を褒める。
「いえいえ、あなたもですよ。正直、こっちも切り札のトラップを使わなかったら逆にこっちがやられていましたよ」
そして昴は他の主人達に様々な組み合わせのデッキによる戦い方とカードの性能と効果を丁寧に教える。
大きな池の近くにある大きな木の下で龍雅はシートを敷いて貴族達の子供達にガ●プラの作り方を丁寧に教えていた。
「外のパーツはニッパーで切り取ると、この様に山が出来るから、このままだと指を怪我しちゃうから紙やすりで少し力を入れて擦れば削れるから。ただし力を入れ過ぎると色が剥げちゃうから気を付けてね」
子供達は龍雅から教わった事を笑顔で行いながら自分のガ●プラを楽しみながら作り上げる。
「うわぁーーーーーーーーーっ!木から作る木像は凄く手間暇が掛かるけど、これは作るのが簡単だからあっという間に出来て凄い!」
「少し組み立てるにはコツがいるけど、そんなに難しくないし像を作るのにスケッチを書く必要もないから楽ね」
「でも、この姿はカッコイイ。特にザ●やド●なんかオーガやサイクロプスみたいでシンプルながら印象深い姿をしているから凄く気に入っている」
「私はこのハイニューガン●ムだわ。この背中にある翼の様な物がまるで大天使の翼の様で美しくあり、強さを感じるわ」
それから三十分が経ち、子供達は自分のガン●ラを完成させる。その内、何人かは慣れない組み立てで少し不格好なっているが、龍雅は笑顔で褒める。
「おお!初めてにしてはよく出来ているじゃないか。少しパーツ同士の間が開いているけど上手いじゃないか皆」
龍雅に褒められた子供達は笑顔で喜ぶ。すると一人の男の子が龍雅にある質問をする。
「あのーーーっ龍雅さんは好きなガン●ムのロボットってありますか?」
龍雅は少し自慢げな笑顔で答える。
「ああ、あるよ。それとガン●ムではロボットの事をMSって言うんだ。そうだなぁ、ジ●ン軍のヅ●、試作サイコ型ザ●、ゲ●ググJ、リックド●、ザ●・デザー●タイプ、ド●ッジ、後は地球●邦軍のガン●ム試作2号機だな。今、見せるから」
そう言うと龍雅はゲッターリングを使って空間から作ったお気に入りのガン●ラを出現させる。
龍雅のガン●ラは墨入りとあちこちに傷と弾痕、また陸戦型は戦地に使用している雰囲気を出す為に土汚れを再現したカラーリングにしたリアルなクオリティーとなっている。
子供達は龍雅の作ったガ●プラに興味深々と眺め、中には細かく熱心にスケッチする。すると一人の女の子が龍雅に質問する。
「あの龍雅先生、こんな風に作るにはどうしたらいいんですか?教えてくれませんでしょうか?」
龍雅は笑顔でその子に向かってサムズアップをする。
「いいぜ。だが俺の様なガ●プラを作るには少し難しいぞ」
「ええ、かまいませんわ」
二人の会話を聞いていた他の子供達も連なる様に龍雅にお願いし、龍雅も子供達の願いを聞き入れ皆は再びシートに座り込む。
■
時は流れて夕暮れ、参加している貴族達は外での遊びを切り上げ屋敷の中へと入り、龍雅達もメイド達と共に片付けをして屋敷へと戻る。
夕食を楽しむ為に屋敷の大広間に集まった貴族達は大きな四角のテーブルの真ん中にある八つの窪みがある黒いゲッタークリスタルを使用した鉄板を不思議そうに見る。
「何でテーブルの真ん中に鉄板があるんだ?」
「もしかして鉄板を使った料理なのかしら?」
「分からん。鉄板を使った料理は肉料理しか思い付かんな」
すると様々な食材の入った木製のボールが乗ったトレイカートを押してメイド達が大広間に入り、その後からラーメン屋の様な頭に白いタオルを巻いた姿をした龍雅達が笑顔で堂々と入り龍雅が大声で貴族達に夕食会の始まりの挨拶を言う。
「皆さま!お待たせしました。それでは我が国、日本の定番料理を振る舞います!一生忘れらない夕食になる事、間違いないです!是非、お楽しみ下さい!」
挨拶を終えると龍雅、昴、佐祐、そしてメイド達はトレイカートを押し、それぞれの貴族のテーブルへと向かい鉄板に火を点ける。しばらくして鉄板が温まると油をひき調理を始める。
龍雅は初めに細かく切った豚肉と野菜をヘラで炒め、いい感じに焼き色が付くと素早く塩と胡椒を振りかけ再びヘラで混ぜる様に炒める。そして炒めた野菜と肉を周りに寄せて真ん中に再び油をひき、そこに麺を投入し水を掛け菜箸で麵を解し野菜と肉を混ぜる。次に龍雅は卵を三つ割り、白身が白くなるまで焼く。そして野菜の混ざった麵にソースをかけ、よく混ぜる。最後にトングで人数分のお皿に焼きそばを山の様に乗せた後はマヨネーズと青のりをかけ、焼いた目玉焼きに紅ショウガを乗っけてそれぞれの貴族の前に置く。
「お待たせしました。特製!目玉焼き焼きそばです!」
昴は龍雅と同じ様に切った野菜を炒め、その近くで六枚の豚カルビを焼く。また別に麺をカリッとなるまで焼く。ある程度、焼き目が付くと均等にヘラで分けた後は一方には液状の白い生地をかけ混ぜながら円を作る。もう一方では炒めた野菜を焼いた麺に乗っけサンドする様にもう一つ麵を野菜の上に乗っける。生地の方は下が良い感じに焼き目が付くと昴はトングで豚肉を乗っけてヘラを二つ持ちにして素早くひっくり返す。麺の方にも豚を乗っけてヘラで素早くひっくり返す。そして再び良い感じ焼き目が付くとヘラでひっくり返す。生地の方にはソースをたっぷり付け、その上にマヨネーズと青のり、鰹節を乗っける。麵の方はソースを控えめに付けマヨネーズと青のりをかける。そして最後にヘラで四等分に切り人数分のお皿に乗っけてそれぞれの貴族の前に置く。
「はい!出来ました。元祖!大阪お好み焼きと元祖!広島お好み焼きです!」
佐祐は先に貴族の前に人数分のお皿と小さなヘラを置いた後に中くらいのボールに入った切ったキャベツの上に乗っけてあるチーズ、たらこの代わりに使うトラ魚の卵を別のお皿に移し先にキャベツを鉄板に乗っけてダムを造り、真ん中に出汁を入れた後にその上にトラ魚の卵とチーズを乗っけて粘りが出るまでヘラでよく混ぜて広げる。
「お待ちどおさまです。東京のソールフード!明太子風もんじゃ焼きです!」
龍雅達に仕込まれたメイド達も素早く焼きそば、お好み焼き、もんじゃ焼きを作る。そして龍雅達とメイド達は油用の筆で八つの窪みに油をひき、そこに生地を流し込んだ後にタコと天かす、みじん切りにしたネギと紅ショウガを入れ余分な生地を串で切り素早く転がす。何回か転がし良い焼き目が付くと素早くお皿に乗っけソース、マヨネーズ、青のりをかけ貴族の前に置き、龍雅達は威勢のいい声を出す。
「「「お待ちどおさま!夏の定番!たこ焼きです!」」」
焼きそば、お好み焼き、もんじゃ焼き、たこ焼きを食べる貴族達は初めて食する日本食に驚きと感激を受けていた。
「これがニッポンの食べ物なのか!美味いぞ、この焼きそば!他の麵類料理とは違い美味すぎる!」
「このお好み焼き、このままでも美味しいけど、ワインとの相性は抜群だわ!お酒が進んで困っちゃうわ」
「このもんじゃ焼きはとても珍しい食べ物だ!まさか少し焦がして食べるなんて面白いなぁ。でも食べる手が止まらない!ワインを飲むのも止まらない!」
「あの不気味なタコがこんなにもワインが進む美味い料理に変身するなんて!ニッポンと言う国は美味い料理を生み出す天才だ」
作り終えた龍雅達はセリナ達が居るテーブルを見つけ向かうとそこには既に六人分のお皿には焼きそば、お好み焼き、たこ焼き、そして鉄板には弱火でもんじゃ焼きが出来ていた。
「よ!待たせてごめんな。さきに食べてよかったのに」
笑顔で龍雅がそう言うとセリナは笑顔で軽く首を横に振る。
「いいのよ。皆で食べて食事を楽しみたかったから
軽く笑い合っていると龍雅の右隣に居る昴が彼の肩を軽く叩く。
「お、おい!前見ろ!前!」
龍雅はキョトンとして前を見るとそこにミルネが両手を膝に置き目を閉じて椅子に座っていた事に龍雅だけでなく佐祐も驚く。
「な、なんで!お前が居るんだ!」
ミルネは目を開けまるで冷たい表情で言う。
「別に私が誰と食べようと私の自由ではありませんか」
彼女の言葉と態度に龍雅達は怯んだ後、椅子に座り龍雅達とセリナ達は手を合わせる。
「「「「「「いただきます」」」」」」
その光景に皿を持って食べ始めようとしたミルネは不思議そうな表情をする。
「何なんですか?その言葉は?」
ミルネの質問にセリナが笑顔で答える。
「この言葉はね龍雅達の祖国である日本の言葉で意味は『人は他者の命を貰って生きている。貰った命に対しての感謝の意を示す言葉』なの。だから食事をする前に命に感謝するのよ」
セリナがそう説明すると何故かミルネが涙を流して感動していた姿に皆は驚き、佐祐は尋ねる。
「ど、どうしたの?涙なんか流して⁉」
ミルネはハンカチで涙を拭き理由を話す。
「ごめんなさい。なんて素晴らしい文化なのかしら!私達が生きていられるのも他者の命があるからこそ、だからこそ食する命に対して感謝の言葉を伝えるなんて素晴らしすぎます‼」
涙を流した理由に龍雅達は自慢げな表情をした後にセリナ達とミルネが食べ始めると龍雅達は氷を入れた木製のワインクーラーには数本のラムネが入っていた。龍雅達はラムネを手に取り開ける。そして皆に手渡す。
マナは不思議そうにラムネの瓶を眺めて昴に聞く。
「ねぇ昴、何で瓶の中にガラスの玉が入っているの?」
昴は目を閉じて真剣な表情で言う。
「ああ、実はそれはな・・・」
昴の真剣な表情に皆は固唾をのみマナは生唾を飲む。そして昴は目を開けて答える。
「実は・・・・俺もよく知らないんだ」
緊張感が一気に吹っ飛ぶ昴の答えに皆は一斉に後ろにズッコケる。
瞬時に立て直した皆はようやく食べ始める。セリナ達はラムネをグラスに注ごうとするが、それを見ていた佐祐が慌てて止める。
「ああぁ!ダメダメ!ラムネをグラスに注いじゃ」
セリナ達は不思議そうな表情でフィナは佐祐に聞く。
「え?どうして?普通、瓶に入っている物はグラスに注ぐのが常識じゃないの?」
佐祐は右手を左右に振った後に新しいラムネを手に取り飲み方をセリナ達に教える。
「普通はな。いいか、ラムネってのはまず栓を開けたら瓶の窪みにビー玉を引っ掛ける様に一気に飲む!」
そう言うと佐祐だけでなく龍雅と昴も一気に瓶ごと飲む。その光景にセリナ達は少し驚くが、それと同時に彼らの飲みっぷりに見惚れた後、龍雅達と同じ様にセリナ達も瓶に口をつけ一気に飲む。
ラムネの甘さと炭酸のシュワシュワにセリナ達の体に電撃が走る。
「な、何なの⁉この飲み物は‼シュワシュワしているけど甘くてまた飲みたくなる様な味だわ‼」
「ヤバい!飲むのが止まらない!特にお好み焼きとの相性は抜群だわ!」
「これは魔法の飲み物よ!こんな物を生み出すなんて!やっぱり日本は凄い国だわ!」
ラムネを初めて飲むミルネは悔しそうな表情をする。
「きーーーーーーーーーっ!悔しいーーーーーーーーーーーーーーっ‼でも日本の食べ物と飲み物が凄く美味しいですわ!」
そして貴族達も龍雅達が用意した料理と飲み物を大いに楽しみ夕食会は大団円で一日目は終了した。
■
翌日の朝、再び大広間では龍雅達の作ったお茶碗に入った白米と味噌汁、真ん中に四角の皿に乗ったサバの味噌煮とだし巻き卵、小皿に入った明太子とたくわんの日本食を食しながら感銘を受けていた。
「美味い!昨夜の夕食も美味かったが、これはまた一味違う美味さがある」
「このニッポン食の盛り付け方、とても美しいわ!食べるのがもったいないわ」
「味噌汁っと言うスープなんて絶品だ!この丁度いいしょっぱさが食欲が進む」
「甘い!この卵料理、主食だけじゃなくてデザートとして食べても最高だわ!」
さらに異世界では普段、捨ててしまう鱈子(たらこ)やタフコンと呼ばれる大根の一種を使って作った龍雅達特製の明太子とたくわんを初めて食べる貴族達はその美味しさに感激を受けていた。
「美味い!捨ててしまう鱈子がこんなに美味い食べ物にするなんて!ニッポンの食文化は天才を超えて神の料理だ!」
「このたくわんなんか絶品よ!辛くて匂いがきついタフコンがこんなに美味しい料理に変身するなんて日本の食文化は素晴らしいわ!」
貴族達が喜びながら日本食を大絶賛する姿に龍雅達は笑顔で照れる。そして龍雅達も朝食を食べ始める。龍雅達のテーブルにはセリナ、マナ、ファナ、そしてロイドとファナが座っており皆、龍雅達と同じく箸を使って食べていた。
その光景に佐祐は感心した表情で言う。
「いやぁ皆、凄いな!たった三日間で箸の使い方をマスターするなんて」
佐祐の褒め言葉にフィナはドヤ顔をする。
「ふふんっ私達は大貴族よ。箸の扱い方くらい難無くマスター出来るわよ」
「でも始めの頃は箸の使い方どころか持ち方にタジタジだったじゃん」
佐祐の言った事にフィナはうっとなり、他の皆はクスクスと笑いながら龍雅達の作った朝食を楽しむ。
朝食後の趣味愛の会は主に室内が中心で朝食後の大広間に用意されたルーレット、ダイス、ブラックジャック、ポーカーと言ったギャンブルゲームを皆が楽しむ一方で龍雅達が徹夜で制作した二十五台のパチンコ台を他の貴族達は椅子に座りながら熱中していた。
「おーーーーーーーーーーーーっ‼ただ玉を飛ばしてルーレットを回す穴に入れるだけなのにやめられない!」
「だぁーーーーーーーーーーっ!ダメだわ!全然、ルーレットの穴に入らないし入ってもルーレットが回っても小当たりだけ!でも勝負心を揺さぶるわ!」
そんな貴族達が熱中する中でミルネは次々とカジノコインを入れてパチンコ玉を補充し打ち続け、大当たりを狙っていた。
「うんーーーーーーーーーっ!なかなか出ないわ大当たり!くそっ!もう十枚もコインを入れても手ごたえ無しですわ!」
すると佐祐が彼女の後ろに立ち笑顔で話し掛ける。
「そう簡単には大当たりは出ないさ。例え攻略知識でプレイしても大当たりは難しいのさ」
ミルネは振り返る少し不機嫌な表情で佐祐に言う。
「そこまで言うのでしたらあたなが大当たりを出して見せて下さいませんか?」
ミルネからの挑戦に佐祐は動じず逆に自慢げな表情で返事をする。
「いいぜ!見ておきな」
佐祐はミルネの左側にある台に座りコインを入れハンドルを回し打ち始める。始まって約三分が経ったが、一向にルーレットの穴に入る気配が無く後ろで見ているミルネは内心、ほくそ笑んでいた。
(ふふふふふっやっぱり。男は皆、口先だけって事ね)
するとスロットに続く釘の道に一発の玉が跳ねた時に佐祐はニヤリと笑い少し回すのを緩めと何発も玉がスロットの穴へと入り回り始める。そして左右のスロットが7に止まり真ん中のスロットが徐々に遅くなり7に止まると大当たりの鈴とベルが鳴る。
大当たりが起こった事に他の貴族達は注目し興奮する一方でミルネは口を開けポカンとする。
「よっしゃ!ジャックポット(大当たり)!」
どんどん出て来るパチン玉を次から次へと佐祐はパチンコ玉の箱に入れ重ねて行く。
その光景にミルネは悔しい表情をする。
「むきーーーーーーーーーっ‼何で!大当たりを出すのよーーーーーっ‼」
一方、龍雅はセリナや他の貴族夫人達と共にカジノテーブルに座りながらポーカーをやりながら龍雅達が作った菓子パンを食べながら楽しんでいた。
「うん!このメロンパン美味しいわ!ほど良い甘さでいくらでも食べられるわ!」
「このチョココロネ、見た目が面白いしチョコとパンの相性抜群ね!」
「クリームパンも絶品だわ!たい焼きに使っていたカスタードクリームとこんなに合うなんて!」
「たい焼きも美味しかったけど、このアンパンも凄く美味しいわ!それに牛乳がとても合うわ!」
貴族夫人達は龍雅達の菓子パンに素直な感想な述べながら賭ける分のカジノコインを出し、ポーカーの役を揃えて勝負に出る。
「私はクローバーのフラッシュよ」
「残念ね9と8のフルハウスよ」
「勝負ありね7と6のフォーカードよ」
しかし龍雅は三人の貴族夫人の役を見てニヤリと笑う。
「すみません皆様、俺はスペードのロイヤルストレートフラッシュだ」
ポーカーでもっとも強い役を出した龍雅の圧勝に貴族夫人達は驚き、龍雅は自分と夫人達が賭けた全てのコインを貰う。
昴、マナ、フィナは他の貴族主人達と子供達と共にすごろくやTRPG、更に野球盤とボーリング盤に熱中していた。
「よし!じゃルーレットを回すぞ!」
勢い良く回ったルーレットは3の所に止まり一人が駒を進める。
「一、二、三と離婚して慰謝料として緑のカジノコイン五枚を支払う・・・うわぁーーーーーーーっ‼最悪だ!」
「でも、この人生すごろくは面白いな!」
別のテーブルでは主人達と子供達は昴がゲームマスターを務めるTRPGを楽しんでいた。
「では発見した宝箱は鍵がかかっています。開けますか?」
昴の問いに一人の女の子が笑顔で頷く。
「はい!開けます」
「ではダイスを振って下さい」
昴からの指示に女の子は青いダイスを振り出た目に止まる。その目に昴は少し残念そうな表情をする。
「あぁーーーーーっ!残念‼失敗です。宝箱が開きませんでした」
ダイスを振った女の子は少しガッカリした表情をする。
「あーーーーーっ!ダメか!やっぱり確率数が低かったが原因か。でも自分が望む人物を作ってゲームするなんて凄く面白いわ!」
次に主人がダイスを右手に取り軽く肩を回す。
「よし!今度は私が金庫を開けるぞ!」
野球盤ではマナが打ち手で男の子が投げ手でお互いに勝負師の様な鋭い目つきで睨み合っていた。
「さぁ!来なさい!相手が子供であっても帝国親衛隊の一人、マナ・ルディアスは手加減しないわ!」
マナの言葉に男の子はニヤリと笑う。
「構いませんよ!僕だって手加減はしません!」
そして男の子はずっと引っ張っていた引き金を放してベアリングボールを飛ばす。マナは素早くバットを振る引き金を引きボールを打ち返す。
(よし!ド真ん中!これは勝ったわね!)
心でマナは勝利を確信するが、飛んで行ったボールはアウトゾーンへと入り、マナはショックのあまり口を開けたまま真っ白になる。
一方、フィナは片目をつぶってボーリング盤のピンを狙う。
「狙いよし!いっけーーーーーーーーーーーっ!」
フィナはボールを勢いよく飛ばし見事にストライクを決め、フィナはガッツポーズをしながら大喜びをする。
「やったーーーーーーっ!これで私のストレート勝ちね!」
スコワー表にストライクのマークと数字を書き込み相手に完全に圧勝する。
一部の所では龍雅が制作した様々な作品のヒロインコスチュームを貴族夫人達が着て主人達と共にルディアス夫婦も楽しんでいた。
試着室に入っていたファナはカーテンを開けFa●eのネ●のコスチュームを着てくるりと周りロイドに見せる。
「見て見て、あなた!この気品をイメージした赤いドレス!それが股の所が透けてセクシーよ!」
子供の様に無邪気にはしゃぐファナの姿にロイドは笑顔で頷く。
「うんうん、確かに。この服で夜を過ごしたら楽しいだろうなぁ」
そう言うとロイドはファナに密着し右手を彼女の股に入れ指先を動かし膣口をいじる。ファナは体をくねらせ少し恥ずかしい表情でクスクスと笑う。
「ちょっと、あなたったら。もうスケベなんだから」
そう言いながら二人はキスをする。他の貴族夫人達はそれぞれオー●ロードのアル●ドとシャ●ティアのコスチューム、この●ばのア●アとダ●ネス、メ●ミンのコスチューム、転●ラの朱●と紫●のコスチュームなどの様々な作品のヒロインのコスチュームを着こなし楽しんでいた。
お昼となり、いよいよ趣味愛の会はフィナーレに近づいていた。最後は龍雅達の特製三大ラーメンが出され皆は大いに喜びながら食べる。
一通り終えた龍雅達はすぐにセリナ達が居る席に向かうと昨日の夕食と同じくミルネが居たが、目を閉じながら少し真剣な表情をしながらフォークで麺をすする。そして龍雅達も席に座った瞬間、ミルネは目を開け龍雅達に話し掛ける。
「龍雅、昴、佐祐、あなた達に私から提案があるの。少しいいかしら」
食べ始めようとした龍雅、昴、佐祐は割り箸をテーブルに置き少し真剣な表情でミルネの話しを聞き始める。また座っているセリナ達も聞く事となった。
趣味愛の会から三日後、帝都には国内の商人達や貴族達が集まり一般区の北東部にあるテレスノア商易会の商(しょう)会館(かいかん)に詰め掛け賑わっていた。その理由はミルネが龍雅達から教わった日本のおもちゃやコスプレ服が売られており、それを買い求めて集まっていた。更に商会が運営する多数のレストンでは龍雅達特製のお好み焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、焼きそば、そしてラーメンが提供され、一年先まで席の予約待ちの超大人気メニューとなっていた。無論、一般のレストランでも同じ物が提供され、こちらも超大人気メニューとなっている。
龍雅達はジョン達とセリナ達を連れて、その賑わいをテラス席でみていた。
「しかし、ここまで大人気なるとわなぁ」
賑わいに驚く佐祐。そしていると醬油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメン、背油ラーメンが人数分、運ばれる。
初めて見るジョン、ミリナ、マルクは子供の様に目を輝かせる。
「これがラーメンか!香りだけでも凄(すげ)え美味そう!」
ジョンは塩ラーメンを手に取り、ミリナは醬油ラーメンを手に取りレンゲを使ってスープを啜り味わう。
「うん!このラーメン、凄く美味しいわ!この塩加減がいいわね!」
マルクは背油ラーメンを手に取り胡椒の入った瓶を取り振り入れ、食べ始める。
「美味(うま)!見た目はコッテリしていると思っていたが、味はサッパリしていて食べやすいぞ!」
龍雅達とセリナ達も自分の頼んだラーメンを食べ始める。するとそこに紫のドレスを着て上機嫌なミルネが歩いて現れる。
「ハーーイッ!龍雅、昴、佐祐、空いてる席に座っていいかしら?」
龍雅達が座っていた席は十人用だった為、龍雅は了承する。
「いいぜ。そこに座れよ」
ミルネは空いている席に座る。するとミルネは指を鳴らし付き人して連れていた白髪の執事が持っていた小さな木箱をテーブルに置く。
皆はキョトンとして佐祐が木箱に向かって指を指しミルネに問う。
「あのーーーーっこれは何だ?」
ミルネは自慢げな表情で答える。
「これはあなた達が教えてくれた物に対しての謝礼金よ。どうぞ受け取って」
そう言うとミルネは木箱を開け中に入って謝礼金を見せる。入っていた金貨は全て白金貨でジョン達とセリナ達は驚愕する。
「「「「「「えぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼白金貨ゕーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ⁉」」」」」」
ジョン達とセリナ達が驚く中でミルネが笑顔で話し始める。
「あなた達のお陰で商会始まって以来の売れ行きなの。しかも帝国国内ではニッポン文化が大流行して今では社会現象よ。 これは感謝の印だから受け取って」
龍雅、昴、佐祐は笑顔になり龍雅はコクリっと頷く。
「分かった。じゃ喜んで謝礼金を受け取るよ」
そう言うと龍雅は木箱を受け取る。
龍雅達がミルネに教えた日本文化は帝国全土に広がり、娯楽のみならず衣服や食などに大きな影響を与え、国内の常識を根底から変える、まさに帝国文化に大きな革命が起こったのである。