※この作品はR-18です。

新ゲッターロボG   作:izuminnー3305

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登場人物(その4)

『セルネア・ロード・ライナス』
身長:185kg 体重:82kg 年齢:71歳 髪:白髪 一人称:私 好物:ビーフシチュー 誕生日:3月25日
ライナス王国を治める第29代国王でかつて世界の全てを破壊尽くそうとした大魔邪竜、イフリートを一週間の激戦の後に倒した八英雄の一人で「剛腕の聖騎士」と言う異名で呼ばれている。冒険者を引退した後は王国の国力と軍事力の増強を行い他国と互角に渡り合える国へと成長させた。今でも冒険者としての勘は鈍っておらず、常に空いている時間を利用して修行をしている。
王としての威厳と気高さを示しているが、その一方で一人娘であるロイナを甘やかす程に可愛がる親バカな性格をしている。
聖巨兵の操縦は一流でまた剣術の腕は右に出る者は居らず王家に伝わる宝剣「ラグナホルン」を愛用している。
モデルは「転生したらスライムだった件」に登場する武装国家ドワルゴンの国王「ガゼル・ドワルゴ」から。

『ログリー・アルフィン・ライナス』
身長:177cm 体重:70kg 年齢:17歳 髪:黄銅髪 一人称:俺または私 好物:ルコロチーズのパスタ 誕生日:4月15日
セルネアの息子でライナス王国第一王子。実はセルネアの本当の息子ではなく、かつてイフリートとの戦いの最中に死んだ民間人の子供で戦いの後に赤ん坊であった時にセルネアに保護され我が子の様に育てられた。そして10歳になった頃にセルネア本人から自分の出生を聞かされた。だがそれでも自分を育てくれたセルネアを義父ではなく本当の父親として誇りにしている。
普段は余り表情を表に出さずまた目立つ様な行動は控えているが、実際は正義感が強くまた家族の心の底から大切にする性格をしている。
身軽な動きと護身術で学んだ暗殺術だけでなく、政治に関しての知識が高く時々、セルネアの政治活動を手伝っている。

『ロイナ・トゥルカ・ライナス』
身長:166cm 体重:64kg 年齢:15歳 バスト:Cカップ 髪:白金髪 一人称:私 好物:キュラカリンゴのケーキ 誕生日:6月3日
セルネアの娘でログリーの義妹。ライナス王国第一王女で幼い頃から箱入りの生活で一度も城外に出た事がない。しかし、ある日を境にメイドの目を盗んで城を抜け出し城下町へと繰り出し知らずに酒場へと入り、そこでゴロツキに絡まれていた所を龍雅達に助けられた。その後は王都襲撃の際に新ゲッターGを操縦して戦う龍雅達の姿に感銘を受けて、戦いの後に彼らの支援を約束する。
気品に溢れまた明るい性格をしているが、実はかなりの腹黒で自身に敵対する家臣や貴族への権勢の為に龍雅達を利用する。
魔法を持たない無属性だが、高い戦略能力と情報収集を持ち、また巧みな話術で相手の心理を動かす天才である。

『ペリナ・ハーバレン』
身長:184cm 体重:82kg 年齢:21歳 髪:金髪 一人称:僕 好物:ラツカサメのキャビア 誕生日:2月19日
王国で歴史のある大貴族、ハーバレン家の長男で王立親衛隊の隊長を務めており、また数多くの武勲を持ち、その功績で国民や多くの兵士達から絶対的な人気を誇っている。王国を訪れていた龍雅達を見下し、また劣等のジョン達を汚物の様に酷い仕打ちをしていた。しかし、王都を奇襲して来た魔獣に敵わず蹂躙され挙句には見下していた龍雅達、新ゲッターロボGの力の前に言葉を失った。
普段は紳士的な態度をしているが、実際はかなりのナルシストで、また相手の功績を横取りする卑怯な性格をしている。
魔法スキルは5つ持ち、また親からの英才教育で武術にも長けている。しかし、実戦経験が無く、また肝っ玉が小さいのが難点である。



〈7.愛する者との出会い〉

 

祝祭と魔獣との戦いから三日後、王都の門外では龍雅、昴、佐祐はバイクの後ろに荷物を載せていた。一方、周りに荷物を置いてるジョン達は龍雅達のバイクを羨ましいそうな目で見ていた。

「いいな。そのバイクって奴は馬と違ってめちゃくちゃカッコイイし、欲しいなぁ」

 そう言うジョンの言葉に昴がニヤリと笑いジョンの方へと振り向く。

「そう言うと思ってな。一昨日から徹夜で作っておいた物があるんだ」

 龍雅と佐祐もニヤリと笑い昴と共にゲッターリングを翳し魔法陣を出現させ、そこからヤマハの赤色のFZ400、青色のMT-01、黄色のXJP1300が現す。そして昴は三つのキーと新たなゲッターリングをジョン達に向かって投げジョン達は受け取る。

「キーはバイクのエンジンを掛ける為の物だ。その指輪は俺達の使っている物と同じだ」

 昴の説明にジョン、ミリナ、マルクは目を輝かせながらジョンはFZ400、ミリナはMT-01、マルクはXJP1300に乗りエンジンを掛ける。

 ジョンはエンジンをふかし龍雅達は乗っているバイクとは違うスピードを感じる音にジョンは興奮する。

「すげぇ!なぁ本当にこのバイク、俺達が好きに使っていいのか?」

 昴は笑顔で軽く頷く。

「ああ、もちろん。それとそのゲッターリングは俺達の魔法空間と直結しているからいつでもネオゲッターを呼び出せるし荷物などを出入りさせる事も可能だ」

 ジョン達はそれを聞いて更に興奮し、すぐさま龍雅達と同じ様に自分達の荷物をバイクに乗せ始める。

 皆が荷物を載せ終わらせると布マントを着け、ゴーグルをかけてバイクに乗りエンジンを掛ける。そして龍雅は振り返り王都に向けて敬礼を送る。

「じゃな王都、色々と世話になった。マスターも元気でな」

 そう言うと龍雅はエンジン全開で走り出し、彼を先頭に昴、佐祐、ジョン、ミリナ、マルクが後に続く様にバイクを走り出し南のグランディア帝国へと向かう。

 それから三日間は龍雅達とジョン達は集落や村の宿に一泊し、四日目の昼には王国と帝国の国境近くでテントを張り野営していた。

 焚き火を起こし、その周りでは昼食を終えた龍雅達とジョン達がキャンプ用の椅子に座って談笑していた。そして龍雅はジョンにある事を話す。

「しかし、あの姫様すげぇな。俺達の戦いに感銘して資金や物資を全面的にバックアップするとは」

 ジョンはアルミ製のコップに入った牛乳を一口飲み、それを話す。

「ああ、おまけに授与式で貰った礼金以上の白金貨一千枚とは噂では姫様が自分に対立する派閥を黙らせる為に俺達を使って黙らせて予算を取り繕ったとか」

「まぁ事実だとしても俺達には関係ないし、今は魔王討伐に集中すっぞ」

「だな。さてと夕食までゲットマシーンとバイクのメンテナスでもすっか?」

 ジョンの昼間にやる事に龍雅はニヤリと笑う。

「ああ、そうしよう。皆、聞いたな?ゲットマシーンとバイクのメンテナスやるぞ。それと焚き火はこのままでいいから時々、見て火が弱くなったら枯れ木を追加していいから」

 皆は頷き返事をする。

「おう」

 そして皆はゲッターリングを使いゲットGマシーンとネオゲットマシーンを出現させ龍雅達はゲットマシーンをジョン達はバイクのメンテを始める。

 ネオジャガーのメンテをしていた昴はある事が気になって目の前の開いたコックピットガラスから身を乗り出す様に後ろでバイクのメンテをするバイクのメンテをするマルクに問い掛ける。

「なぁマルク、本当にいいのか?俺達を含めたバイクのメンテをお前達に任せて?」

 マルクは作業を一時止め片手にレンチを持ったまま笑顔で答える。

「ああ、構わないさ。正直ゲットマシーンよりバイクをいじってみたかったんだ」

 ミリナも作業を一時止め右腕で汗をぬぐい笑顔でマルクと同じ様な意見を言う。

「そうよ。そっちよりバイクをメンテしたかったから気にしなくていいわよ。その代わりちゃんとネオゲットマシーンのメンテをしっかりしてね」

「おう!任せろ!」

 昴はガッツポーズしコックピット内に戻りネオジャガー号のメンテを再開する。

 

■

 

 それから二日後、龍雅達とジョン達は国境を越え森林のトンネルを走っていた。佐祐は乗っているバイクの好調さに喜ぶ。

「やっほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!いい感じだ!ジョン達のお陰でバイクが絶好調だぜ!」

 佐祐がそう言っていると先頭を走っている龍雅は振り向き後ろを走っている皆に向かって大声で言う。

「おーーーーーーーーい!皆ーーーーーーーーーーーーーーーっ!間もなく帝都に着くぞーーーーーーっ!」

 龍雅がそう言うとトンネルを抜け開けた丘に出る。そして目の前には外側だけでなく内側に二つの防壁があり、内側に向かって一般区、貴族区、伯爵区となっているグランディア帝国の帝都レーティスが現れる。

 龍雅達とジョン達は帝都へ入ろうと城門前に出来ている行列の最後尾に着くとバイクのエンジンを切り、そして降りて手押しする。無論、帝都へ入ろうとする人々は龍雅達とジョン達のバイクをチラチラと物珍しく見ていた。

 しばらくして城門内へと入り王都と同じく金と黒の鎧を着た帝国警備兵から検問とバイクの検査が行われる。

 椅子に座って記録本を開いている帝国警備兵隊長は龍雅に質問していた。

「じゃ龍雅君達は聖王国によって異世界から召喚された勇者でそのバイクも異世界の物、それとジョン達はライナス出身で間違いないな?」

 龍雅は軽く頷き返事をする。

「はい。間違いありません」

 そして龍雅達とジョン達の後ろでバイクの検査を終えた帝国警備兵が駆け足で隊長の元に向かい検査結果を報告する。

「隊長、バイクと荷物には以上はありませんでした」

 隊長は記録本に検問と検査の結果を書き、記録本を百八十度回しペンを龍雅に渡す。

「じゃ龍雅君、通っていいから最後にここに君の名前を書いてくれ」

「分かりました」

 龍雅は記録本の右端に自分の名前を書き、そして皆はバイクを手押しして帝都へと入る。

 十七世紀のフランスを思わせる街並みと大通りには王都よりも多くの人や亜人達が行き来しながら賑わっていた。

 龍雅達とジョン達は行き来する人々から一般区で質の良い宿屋を聞き、宿屋オリッツの寝床の前に着き入口近くの空いている所に龍雅達とジョン達はバイクを川の字に止め中へと入る。

中には多くの男女の冒険者や一般人で賑わっており、入って来た物珍しい服を着ている龍雅達に多くの者達がチラチラと見ていた。そして少し奥にある受付へと向かうと名簿を開いて整理をしている少し顎髭を生やした男性主人がチラッと前を見て愛想の無い歓迎の言葉を言う。

「いらっしゃい。六名様ですね?すみませんが今は個室は満室でベッド三つの大部屋が二つあるありますが」

 佐祐は笑顔で承諾する。

「いいすよ、むしろ助かります。これで何日泊まれますか?」

 佐祐は左手に持っていた礼金袋の口を開け白金貨一枚を取り出し受付の上にそっと置く。

「ん?・・・んん⁉」

 佐祐が置いた白金貨に驚きペンを開いた名簿のページに落とし慌てながら驚く。

「こ、こ、こ、これは!・・・白金貨じゃないか!」

 主人の大声を聞いた利用者達が一斉にざわつく。

「何!白金貨だって!」

「嘘!いったあの人達何者なのよ!」

「白金貨なんて皇族や伯爵の位しか持っていねぇぞ!」

 主人はハッとなって笑顔に両手を擦り合わせさっきまでとは打って変わって誠実な態度で接客する。

「お、お客様!大変失礼いたしました。先ほど紹介した大部屋は安部屋なのでもっと高級な部屋が空いていますよ?」

 佐祐は主人の態度の変わりよう少し戸惑いながら丁寧に断る。

「い、いえ大丈夫です。安い部屋で構いませんよ」

「で、でしたらお部屋に三食のお食事をお運びいたしましょうか?」

 佐祐の左後ろから二人のやり取りに昴は心の中で悟る。

(ああ、なるほど。分かりやすく胡麻をすっちゃって)

 佐祐は何とか主人を説得する事が出来た。

「分かりました。ではこれが鍵で後はこの名簿に名前を記入して下さい」

 佐祐は主人から渡されたペンを使って右のページの別な名前の下に書く。そして主人は白金貨を手に取り喜び佐祐は二つの鍵の一方をジョン達に渡し部屋へと向かう。その道中で多くの人々が龍雅達とジョン達を物珍しく見ていた。

 

■

 

 翌日の昼時、龍雅達とジョン達は宿から少し離れ賑わっている食堂で大きな円型のテーブルに座り朝食をとっていた。木製のおわん型のお皿にライ麦パンと豚肉のクリームシチューにサラダと牛ひき肉と豆のトマト料理を食べ終わり、お腹を休めながら今後を話し合っていた。

「しかし、どうすっか?活動資金はかなりあるし帝都では旅の物資調達と各々で見物でもするか?」

龍雅の提案にジョンは一口サイズになったライ麦パンを手に持ったまま笑顔で賛成する。

「ああ、いいね。俺も帝都の本屋で書物を漁りたくて」

 ミリナもガラスの瓶に入った牛乳を木製のコップに注ぎ一口飲み龍雅の提案に笑顔で賛成する。

「私もそれでいいわ。帝都にはダリオンにはない洋服があるから買いたいわ」

 マルクもテーブルの真ん中にあるおやつ変わりにお皿に乗っている一口サイズにサイコロ型に切ってある白パンを食べながら笑顔で賛成する。

「俺もそれでいいぜ。ダリオン以上にいい武器があるから見ておきたい」

 三人の意見を聞いた龍雅は木製のコップに入った牛乳を飲み干し今度は昴と佐祐に意見を聞いてみる。

「昴と佐祐はどうする?俺は帝都をぶらぶらするけど?」

 昴は白パンに小瓶に入った蜂蜜を付けて食べながら賛成する。

「ああ、俺も帝都の大図書館で調べたい事があるから」

 佐祐も木製のコップに牛乳を注ぎ白パンを付けて食べながら賛成する。

「俺も同じだ。帝都を名所でも見物すっか」

「分かった。じゃこの後は皆の各々で」

 龍雅がそう言うとマルクは店員を呼び白金貨一枚を渡し皆は立ち上がり店の外でそれぞれ、十枚の白金貨を受け取り別れる。

 ジョンは帝都の一般区で一番の品揃えを誇る本屋で様々な肉や魚、薬草の料理本を漁っていた。

(何でだろう。龍雅や昴や佐祐、それにマルクが料理している姿は何故かかっこよかった。俺も頑張って料理を学ぼっと)

 ジョンはそう心で語ると何冊か手に取り抱えながら会計場所へと向かう。

 ミリナは一般区で一番の洋服店で様々な色鮮やかで美しいデザインの女性服を両手に取り鏡の前でウキウキしながら自分の前に重ねて見る。

「ふん♪ふふん♪これもいいわね。でもこっちもいいわね。よし二着共、買っちゃっおうと」

 そう言いながらミリナは二着を左腕に掛けながら次の服探しをする。

 マルクは一般区で一番評価の高い武器屋で剣や槍、短剣、弓などを手に取ってじっくりと眺めていた。

(うんーーーーーーー♪やっぱり王都にあった武器屋と違って質がいいな。俺とジョンとミリナはショートソード、バトルクロスボー、アックスとして龍雅、昴、佐祐には話を聞いた限りだと日本は皇鬼大国に似ているから刀にしよ)

 マルクはそう心で言うと武器が沢山入っている樽からショートソード、バトルクロスボー、アックス、三本の柄が黒く鞘がそれぞれ深緑、紅色、白色の打刀を手に取り両腕で抱えて会計に向かう。

 龍雅はコロッサスに似た闘技場で開催されている武闘大会を観戦していた。観戦席は多くの人々で埋め尽くされ熱気と歓声で沸いていた。

 闘技場の中心では上半身裸の屈強な男とゴブリンが両手に包帯を巻き、汗を流しながら一歩も引かい殴り合いをしていた。

「そこだ!いいぞ!あー違う!アッパーだ!アッパー!ボディーにフックを叩き込んで顎を目掛けてアッパーでフィニッシュだーーーっ!」

 龍雅は興奮しながら大声で応援する。そして男がゴブリンの顔に右のストレートを叩き込みKO勝ちし観戦客も龍雅も大いに盛り上がる。

 次の試合の準備が始まり龍雅は子供の様に期待を胸に膨らませる。

「くうーーーーーーーーーっ!次の試合が楽しみだ!さてどんな試合になっかな!・・・ん?」

 龍雅は向かいに黒いローブで顔を隠した三人の男性がそそくさと闘技者の居る区画へと向かう所を目撃し、胡散臭さを覚える。

(何だあいつら?観客にしては試合を見に来たって感じじゃないなぁ。後付けるか)

 龍雅は立ち上がり男達の後を静かに気配を殺して付ける。

 

■

 

 男達の後を付け少し薄暗い闘技者区画に着いた龍雅は周りを見渡し、男達を探す。

「おかしいな?確かにこっちに行ったの思ったんだが」

「ちょっと!何なのあんた達!」

 奥から女性の声が聞こえ、龍雅は何かあっと察し険しい表情で駆け足で奥へと向かう。そこではさっきの男達がナポレオン時代の軍服に似た親衛服を着た白銀髪のロングヘアと

ルビー色の瞳の美少女を囲んでいた。

 男達は怪しげな笑顔で両手を腰に回しナイフを取り出し構える。そして少女の目の前に居る男は死の宣告を言う。

「悪く思うなよお嬢ちゃん。あんたには恨みはないが、雇い主の頼みでね。ここで死ね」

 少女は左腰に提げているレイピアを鞘から抜き構えるが、突然、少女の目の前に居る男の右から龍雅が強烈な飛び膝蹴りを喰らわし吹っ飛ばす。

 少女の左右に居る男二人は突然起こった事に驚きとっさに少女ではなく龍雅を狙う。

「ふん!構えがいいが、隙だらけだぜ!」

 龍雅はそう言うと素早い動きで正拳突きと上段蹴りを繰り出し暗殺者二人を一撃で倒す。そして龍雅は少女に近寄り、優しく問う。

「君、大丈夫か?どこか怪我はしていないか?」

 なぜか少女は少しうっとりした表情で顔を赤くしていたが、ハッとしてレイピアを鞘に納め安心した表情で答える。

「ええ、大丈夫よ。それよりも助けてくれてありがとう」

 龍雅は倒された男達を見て少女に彼らが何者なのかを問う。

「こいつら何者か分かるか?」

 少女は軽く左右に首を振って心当たりがない事を示す。

「いいえ。でも憶測だけど多分、こいつらは私達一族と対立している貴族か大商人あたりかも」

「貴族は分かるが、なぜ商人がなんだ?」

「私の一族は土地開拓と革新的な農業で財を成したから嫉妬や恨みで狙われてもおかしくないわ。こいつらは憲兵に引き渡すとして、あなたの名前は?」

 闘技者区画にまで聞こえて来る程の大きな歓声に龍雅はハッとし名を言わず急いで観客席へと向かう。

「悪い!次の試合が見たいから俺はこれで!じゃ!」

 龍雅は走ってその場を去る。彼の後ろ姿が見えなくなるまで見ていた少女は胸元で両手をギュッと握り、再びうっとりしながら小声で言う。

「私、好きになっちゃった」

 一方の龍雅は客席に戻ったが、始まった試合を観ず俯いた状態で顔を赤くしながら少し体を震わせる。

(やっべーーーーーーっ!あの子、可愛い過ぎるだろ!マジ好きになっちまった!)

 昴はとある伝書本を左手に持ちながら一般区のスラム街の大通りを歩いていた。

「たっく!帝都大図書館を探してもなくて、ようやくスラムの図書館で見付けた。やれやれ、この本ってそんなにマイナーなのか」

 などと言っていると薄暗い路地から女性の荒げた様な声が聞こえて来た。

「お前達!私が誰か分かっての暗殺か?」

 昴は気になり路地に入るとそこには黒いローブで顔を隠した五人の男がナポレオン時代の軍服に似た親衛服を着た白銀髪のショートヘアにルビー色の瞳の美少女を追い詰めていた。

 男達はナイフや剣を鞘から出し構え、顔に傷のあるリーダー格が怪しげな笑顔で死の宣告をする。

「へへへへっああ分かっているさ。恨むなよお嬢ちゃん、依頼主がお前を殺せってな」

 少女は左腰に提げているレイピアを鞘から抜き構える。すると暗殺リーダーの左肩を軽く叩く。

「ああ?」

 リーダーが後ろを振り返るとパンチがリーダーの頬に命中し前に吹っ飛んで行く。

 他の男達も驚き振り向くと本を持った昴が居り、男達は昴を暗殺を邪魔した敵と認識し構えるが、昴は右の掌を前に出す。

「ちょっと待った。本を置かせてくれ。この本は図書館の借り物でな」

 そう言うと昴は持っていた本を下に置き、素早く体をリズミカルに体を小さく上下しながらボクシングのファイティングスタイルをする。

「さぁ、掛かって来い!」

 昴は笑顔で右手をクイックイッとして軽く挑発すると暗殺者達はカッとなり彼に向かって走り出すが、昴は暗殺者達を超えるスピードで前に出る。

「遅い!遅すぎるぜ!まるで止まっているようだぜ!」

 昴はそう言うと強烈な左フック、右アッパーを打ち二人を倒し最後に残った暗殺者の顔面にコークスクリューを打ち込み倒す。そして昴は少女に近寄り、優しく問う。

「大丈夫か?怪我はしてないか?」

 なぜか少女は少しうっとりした表情で顔を赤くしていたが、ハッとしてレイピアを鞘に納め安心した表情で答える。

「え・・・ええ、ありがとう。助かったわ」

 昴は倒された暗殺者達を見て安心した笑顔をする。

「よかった。じゃ俺は行くから気を付けてな」

 昴はそう言うと本を拾い、その場を駆け足で去る。一方、少女は名を聞こうと引き止めようしたが、昴は気付かずに去ってしまう。

 少女は去って行く昴の背中を見えなくなるまで見続け、そして顔を赤くしうっとりしながら両肘を両手でギュッとし、小声で言う。

「どうしよう!あの人を好きになっちゃた」

 一方の昴は歩きながら空を眺めながらなぜかニマニマしながら少し顔を赤くしながら宿へと向かっていた。

(むふふふふふふふふふっあの子、可愛かったなぁ。ヤベェ一目惚れしちまった)

 佐祐は一般区の市場街の大通りを歩きながら左右に出ている数多く屋台から買った食べ物を食べていた。

「んまっ!この蒸したジャガイモに塩を振っただけなのにすげぇうまい!」

 ジャガイモを食べ終わると左に持っている買い物用の紙袋から串に刺した焼いた牛肉を取り出し食べるが、白を基調にした大教会に五人の黒いローブを着た人達が入って行き、その怪しさから静かに後を付けた。

 片目が覗ける程にドアを開け、中を見てみると黒いローブの人達は巨大な十字架の前にナポレオン時代の軍服に似た親衛服を着た白銀髪のロープ編みお団子にルビー色の瞳の美少女を追い詰めていた。

 少女は険しい表情で自分を囲んでいる者達に問う。

「あんた達!暗殺者ね?一体誰が私の暗殺を指示したの?」

 リーダー格の女暗殺者は怪しげな笑顔で両手を腰に回しダガーナイフを取り出し、続く様に剣やナイフを出す。そしてリーダーの女性は死の宣告をする。

「ごめんね、お嬢ちゃん。依頼主は教えられないの。大丈夫よ苦しまずに殺してあげるから」

 少女は左腰に提げているレイピアを鞘から抜き構える。次の瞬間、後ろから佐祐が物凄い勢いで走る佐祐はリーダーの女性の背中を掴み持ち上げる。

「思い知れ!大雪山おろしーーーーーーーーーーっ!」

 武蔵の必殺技を叫びながら佐祐はリーダーを思いっ切り回転させながら空中へ放り投げる。投げられたリーダーは十字架の後ろにある円形型のステンドグラスを破り外に放り出される。

 他の男達は突然の事に驚いたが、瞬時に冷静になり佐祐に向かって一斉に襲い掛かる。

 佐祐は余裕の笑みで合気道の構えをする。

「ふん。大勢相手は合気道の得意分野だ、掛かって来いやぁ!」

 佐祐は素早い動きで一人ずつに強烈な投げ技や抑え技を繰り出し全員を難無く倒し少女に安心させる為に笑顔で振り向きガッツポーズをする。

「もう大丈夫だ。全員、俺の技で倒したから」

 なぜか少女は少しうっとりした表情で顔を赤くしていたが、ハッとしてレイピアを鞘に納め安心した表情で答える。

「あ・・・ありがとう。あなたのお陰で助かったわ」

 それを聞いた佐祐は少しホッとした表情をして扉の方へ向かい右の席に置いた買い物袋を手に取って少女に笑顔で別れをする。

「じゃ俺は行くぜ。バイバイ」

 少女は去って行く佐祐の背中を見て顔を赤くしうっとりしながら俯き両手で頬を触りながら照れる。

「どうしよう!助けてくれた人、物凄くかっこよかった!私、好きになっちゃった!」

 一方の佐祐は歩きながら串に刺した肉を食べながら見上げながらデレっと緩んだ表情をしていた。

(にししししししししっあの子、めちゃくちゃ好みだったわ。ヤベェ好きになっちまった)

 時間は経って夕方、別々になっていた龍雅、昴、佐祐は宿の前で合流し中へ入る。龍雅が先に帰宅の言葉を言いながら部屋へと入る。

「ただいま・・・うん⁉」

 部屋の中央にある円型のテーブルでジョン、ミリナ、マルクが椅子に座ってテーブルの中心に置いてある開いた魔法本を見ながら錬金術で何かを作っていた。

 龍雅は気になり近づきジョンに聞く。

「ジョン、お前達は何を作っているんだ?機械の様に見えるが」

 ジョンは手を止めて笑顔で作っている物の一部を龍雅に見せながら答える。

「これはな龍雅、この前、お前が話してくれた無線機ってのを人数分を作っているんだ。流石に一人じゃ大変だから二人に手伝ってもらっているんだ」

 龍雅は驚きと関心の表情をしながらジョンが見せていた無線機の部品を手に取り後ろに居る昴と佐祐に見せる。

「これは凄いぞ二人共!話した程度の知識からこんな精密機械を作るんだから!」

 昴と佐祐も見せられた部品に関心を寄せる。

「本当だ!こいつはすげぇ!なぁ佐祐、これは俺達もジョン達に負けられないな」

 昴の言葉とジョン達の急成長に同じ様な思いをする。

「ああ、マジですげぇ!確かにこれは負けられないな!ところでジョン、無線機の動力源はゲッタークリスタルか?」

 佐祐の質問にジョンは笑顔で頷き答える。

「ああ。元は魔力かマソが動力源だったが、持続率を考えてゲッタークリスタルを加工しした物にしたんだ」

 龍雅は無線機の部品をテーブルに置き腕を組んである事を思い付き後ろを振り向き昴と佐祐に小声で相談し、二人はサムズアップをする。そして龍雅達は部屋を出て龍雅は振り向きジョン達に言う。

「ジョン、ミリナ、マルク、すまないが俺達はやる事が出来たから待たずに夕食と寝て大丈夫だから」

「わ、分かった。でも一体何をするんだ?」

 ジョンの質問に龍雅は笑顔で左の人差し指を左右に振って答えをはぐらかす。

「それは秘密だ」

 そして部屋を出た龍雅達は帝都を出て少し離れた平原で龍雅、昴、佐祐はゲッターリングで魔法陣を出現させ、そこから様々なアームを召喚する。そして龍雅達は操作パネルを操作しアームが動き出す。

 佐祐はウキウキしながら龍雅に話し掛ける。

「なぁ龍雅、楽しみだな。ネオゲッターの次はやっぱりこれだよな」

 昴は黄色のアームに取り付けてある操作パネルに製造過程を入力しながら龍雅にある質問をする。

「なぁ龍雅、こいつが出来てもパイロットはどうする?パイロットを探すにしても冒険者ギルドの冒険者じゃ非力すぎるぞ」

 昴の質問に龍雅は笑顔で右手を振りながら答える。

「大丈夫さ。そいつは新ゲッターGかネオゲッターが大破し修復中の時に使う予備機だからな」

 昴は納得しアームから操作パネルを外しパットの様にする。そして佐祐が覗き込む様にパネルの画面を見る。

「さてさて、こいつはサーガの様な万物を超越した存在となるのか?ちょっとだけ楽しみだな」

 操作パネルにはロボットの設計とその上には英語で『SINGETTERROBOT』と書いてあった。

 

■

 

 翌朝、龍雅達とジョン達はカーテンの隙間から差し込む朝日で皆は目を覚まし服を着替えて部屋を出て宿の中庭にある井戸から水をくみ上げ顔を洗う。

 顔を洗い終え中に戻った龍雅達とジョン達の前に主人が笑顔で現れる。

「おはようございます。龍雅様、昴様、佐祐様にお客様です」

 龍雅は自分に人差し指を指して主人に問う。

「俺達に?一体誰なんだ?」

「お会いに来たのは貴族様の執事で、しかも名の知られている大貴族様でして応接室にいらっしゃいます」

 龍雅は右隣に居るジョンに話し掛ける。

「あのさぁ、ジョン。もしかしたら長引くかもしれないから俺達の事は気にせず・・・」

 最後まで言い終える前にジョンは龍雅にサムズアップをする。

「大丈夫さ。こっちはこっちで気ままに過ごしているから」

 ジョンの今後に龍雅は安心して頭を軽く下げる。

「ありがとう、ジョン。じゃ俺達に会いたい執事の所に案内してくれ」

 主人は軽く一礼をして龍雅達を応接室へと案内する。応接室の中に入るとそこには白髪の老男性が向かい合うソファーの右に座っていた。そして執事は立ち上がり龍雅に一礼する。

「はじめまして龍雅様、昴様、佐祐様。わたくしロディスと申します。大貴族であらせられますルディアス家に仕える執事長です」

 龍雅達も一礼をし、龍雅が代表で自分を含めて二人の自己紹介をする。

「はじめまして俺、いや私は譲司 龍雅と申します。右に居ますのが谷ケ野 昴、左に居ますのが志木神 佐祐と申します。私達は魔王を倒す為にこの世界に召喚された勇者です」

 龍雅の紹介にロディスは少し驚く。

「なんと!皆様が魔王を討伐する為に異世界より召喚された勇者様でしたか!これは失礼いたしました」

 ロディスは深々と頭を下げ、その姿に龍雅は慌ててしまう。

「そんな、頭を上げて下さい。別に私達を特別な存在ではないので」

 ロディスは頭を上げ龍雅の寛大な心に感謝の言葉を述べた。

「ありがとうございます。それで手短に説明いたします。当主様が皆様を先日のお礼をしたく屋敷にお連れするようにと」

 説明を聞いた佐祐はある質問をロディスにする。

「一体、どうやって俺達を見付けたんだ?」

「はい、実は当主様のお嬢様方から帝国では見慣れない服を着ていたのでギルドで聞いて皆様を見付けました」

「なるほど。まぁ確かにこんな服はこの異世界じゃ見慣れないよな」

 続けて昴がある質問をロディスにする。

「続けて聞いて申し訳ありませんが、その私達はルディアス家のお嬢様とは面識がないんですが?」

「はい、それに関しましては屋敷で当主様が皆様に直接、会って説明したいとの事なので外に馬車を待っていますので」

 ロディスはそう答えると龍雅達を宿の入り口前まで案内し豪華な金色の装飾の黒い馬車のドアを開けて一礼をする。

「どうぞ皆様、お乗り下さい」

 龍雅達は馬車に乗りロディスはドアを閉め馬車を走らせる。

 

■

 

 それから馬車を走らせて数分、大通りを通り貴族区に入る為の城門でロディスは確認書を警備兵に見せ、貴族区に入る。

 貴族区は一般区と違い隣同士の屋敷は密着しておらず一軒、一軒が柵で囲まれ豪華な作りに広い庭に池や小さな森林、噴水がある。その中で特に大きな屋敷へと門を潜って入る。

 馬車の窓から佐祐はルディアス家の凄さ感服する。

「こりゃすげぇ!ハリウッドの豪邸以上の広さはあるぞ!一体何してこんな屋敷を立てるくらい稼いでいるんだ?」

 昴も窓から外を見ながら笑顔で冗談を言う。

「こいつは相当な悪徳商業で稼いだんだ。恐らく麻薬やコカインを作って荒稼ぎをしているんだ。中南米の麻薬組織の様にな」

「ハハハハハハッそいつは怖いなぁ。殺されない様に気を付けないとな」

 などと昴と佐祐がブラックジョークで談笑していると馬車は屋敷の入り口前に止まり龍雅は二人に言う。

「二人共、冗談話しはそこまでにして着いたぞ。ここから冗談無しで礼儀正しくな。でないと本当に無礼千万で処刑されるぞ」

 昴と佐祐は龍雅のユーモアな注意に少し笑う。

「ああ、ありがとよ龍雅」

「んじゃ礼儀正しく行きますか」

 ドアが開き龍雅、昴、佐祐は降りて少し緊張気味で屋敷の中へと入る。

 

■

 

 中に入りロディスの案内で二枚扉の前まで着くとロディスは扉に向かって言う。

「旦那様、奥様、龍雅様と昴様と佐祐様をお連れしました」

 すると扉が内側へと開き中には大きな三枚の窓と天井には宝石が填め込まれたシャンデリア、白を基調とした金が入った家具、床は赤いカーペットが全体に敷かれていた。そして部屋の中央には向かい合った大型ソファーにテーブルがあり、窓側の反対のソファーに五十代の薄茶髪で男前な男性とその左隣には美色なロングヘアでハーフアップの白銀髪の女性が座っていた。

 龍雅達は上座に案内されロディスは軽く男女と龍雅達に一礼して部屋を後にする。そして男女は立ち上がり男性が龍雅達に挨拶をする。

「はじめまして龍雅君、昴君、佐祐君。私がルディア家第十一代当主のロイド・ルディアスだ。隣は私の妻、ファナ・ルディアスだ」

 ファナも立ち上がり上品な挨拶をする。

「はじめましてファナと申します」

 そして龍雅も代表で挨拶をする。

「はじめまして、ルディアス様。俺、じゃなく私が龍雅、譲司 龍雅と申します。上が家名で下が名です。右に居ますのが谷ケ野 昴、左が志木神 佐祐と申します」

 龍雅達も軽く一礼をして座る。そして龍雅はロイドに自分達がここに呼ばれた理由をロイドに聞く。

「あのロイド様、なぜ我々を呼んだんでしょか?」

 ロイドとファナも座り、そしてロイドは笑顔で答える。

「ああ、そのことだが・・・」

 すると再びロディスが扉を開け現れる。

「旦那様。お嬢様方が着替えを終えてお見えになりました」

「ああ、入れなさい。私達の自慢の三人娘でな」

 龍雅達は少し緊張気味になり小さく深呼吸をする。そして部屋に入って来た三人の娘が止まり龍雅達は左を向き龍雅が先に挨拶をする。

「は、はじめまして。私は・・・⁉」

 美しく華やかな色とデザインのドレスを着た三人娘の姿に龍雅達は驚く。なぜならロイドとファナの娘が昨日、黒いローブを着た集団から助けた美少女であった。

 三人の娘はカーテシーをし、右に居るロングヘアの美少女が挨拶をする。

「昨日は暗殺者から私達を助けていただき、ありがとうございます。私が長女のセリナ・ルディアスと申します。左のお二人が私の妹達です」

 次に白銀髪のショートヘアの美少女が名を名乗る。

「私が次女のマナ・ルディアスと申します」

 最後に白銀髪のロープ編みお団子の美少女が名を名乗る。

「私が三女のフィナ・ルディアスと申します」

 頭が一瞬だけ混乱した龍雅達は二、三秒程、固まった後にハッとする。

「「「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼」」」

 龍雅達の上げた驚きの声は帝都を超え世界に響き渡る程であった。

 

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