「ゾンビ」時子、再び (「ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない」二次創作) 作:ぐっすり
原作:ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない
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原作の55話からのパラレル時間軸から始まる時子メインのエロパロSSです。
※ノクターンノベルズで公開していた作品をpixiv、ハーメルンでも公開する事にしました。
※原作のネタバレがあります。
※ゾンビ姦が含まれています。
※原作設定とは、設定が異なる場合があります。
雄介は深月と別れた後、捨て鉢になりかけていた気持ちをなんとか押し留めると、市庁舎を出て、バイクでの移動を開始した。
夜になる前に、せめて今日寝られる安全な場所を確保しなければいけない。あまり時間の猶予はない。
バイクを走らせるうちに近くに、無人の車を発見した。
キーも差さったままで、ガソリンほぼ満タンで余裕があった。
めぼしいものはないかとりあえず物色したが、大したものは無い。ゾンビに襲われた形跡は無さそうだった。
誰のものだか分からないが、いただくとしようと、シートに腰かける。
(どうすっかな)
バイクで当て所なく移動するより、車内なら気を落ち着けて身を守ることもできる。
住んでいたマンションに向かおうとしたが、どうせ意味のないことだ。
とりあえず、市役所と元住所の中間辺りのその辺の路肩に停めた。
今は、なにもかも考えるのも煩わしかった。
その日は、疲れて、そのまま車中で眠ってしまった。
トントンと窓を叩く音で、目を覚ました。とっくに日は昇っていた。よほど疲れていたらしい。
(しまった……!?)
振り向くと、迷彩柄のレインコートを着た女の姿がそこにはあった。
どこかで見た姿。フードは外れていて、特徴的な長い三つ編みが肩にかかっていた。
「…えっ?」
声にならない衝撃を受ける。叫び声を出すところだった。
思い出した。すっかり、忘れていた。
それは、間違いなく、自由にしたはずの黒瀬だった。
黒瀬時子。二十三歳。雄介の三軒隣に住んでいた新人OL。
この崩壊した世の中で、最初に出会った女ゾンビだが、外見は生前と殆ど変わらない。
文学少女がそのまま大きくなったような大人しい美少女だ。
生前は見かけても挨拶をするぐらいで、殆ど話したこともなかった。
その体で散々、楽しませてもらった後、解放したのだ。
それが、何故。
何故、こいつがここにいる。
彼女の姿を最後に見たのは、地下鉄の階段だった。戻ってきたというのか。
どうやって、雄介を探し出したのだ。疑問が沸きだすと共に、こんな目立つ場所に停めてしまったことを猛省した。
「何をやっているんだ、俺は」
寝ているうちに知性体に狙われていたら、アウトだった。やはり、昨日から頭が回っていない。
すぐに、気持ちを切り替えて、窓の傍にいる時子に考えを巡らす。
最後に別れた時と同じ格好をしている。服に汚れは殆どなく、目立った外傷も見えない。
ゾンビや生存者に襲われたりはしていないようだ。
彼女の変化はいったい何なのか。
時子は、ゾンビになってから、雄介が出したものしか摂取していない。
彼女を自由にする前に、これが最後だと思って、さんざん彼女の身体を弄びつくした。
本人の意志などお構いなく、咥内に、膣内に、己の精液を幾度も放出した。
始めは、殆ど動かなかったのに、精液を胎内に吸収するほど、動くようになっている。
他のゾンビとは扱いが違う。彼女はいわばレアケース。
彼女は、ゾンビになってから、雄介の精液しか摂取していない。
雄介をある意味、「特別な存在」として、認識していてもおかしくない。
一瞬、知性体になったのかと思ったが、それはないようだ。
彼女を解放する時も、雄介の後をひょこひょこと付いて来られて、振り払うのに苦労した。
雄介の後を追う性質は、そのまま強化されて、この辺りを彷徨っていて、
近くに戻ってきた雄介を見つけて来たのだろうか。
一旦、ペット化した動物を野性に戻すのは困難とは言うが。いくら放しても戻って来てしまう忠犬のようだ。
「どうして、だ?」
目が合うと、時子は、首をかしげる仕草をした。
相変わらず、敵対するような様子はなく、雄介に懐いている感じだ。
そして、少しだけ動作が機敏になっている気がする。
観察しながら、冷静に損得を計算する。
一人では厳しいと思っていたところだ。この偶然を利用する手はないか。時子の利用方法があるとしたら。
知性を帯びつつあるという仮説が確かならば、見張りや武器を手にして戦わせるのは無理にしても、
簡単な荷役程度なら、やらせることは出来るかもしれない。どうなっても、最悪、肉壁としての価値はあるだろう。
今は、時子を確保しておくメリットの方が大きいと判断すると、行動は素早かった。
「乗れよ、時子ちゃん」
助手席のドアを開いて、ジェスチャーをする。
時子は、こくんと頷いたような仕草を見せた。
そして、車の反対側に回った。声が出せるなら、ここで、「お邪魔します」とでも言ったのだろうか。
そんな動きだった。礼儀正しく、育てられてきたのかもしれない。
そして、助手席にひょいと乗り込み、ちょこんと座った。
”人間らしい”動きを身に付けているようだ。
「バカな女だ」
ヤリ捨てにされて、またその男の元に戻ってくるとは。
死んでも男運が無い女だと、その皮肉に、自嘲的な笑みすら浮かべた。
いかつい迷彩柄のレインコートを脱がす。これは他者への威嚇の意味しかなかったので、
とりあえず保護すると決めた以上、被せておく必要がない。
大きく二つの山が膨らんだニットセーターが顔を出す。
「あいかわらず、でけーな」
元から「高級オナホ」としてしか彼女を利用してこなかった。
「また、楽しませてもらうよ、時子ちゃん」
挨拶代わりに、大きく膨らんだ胸をセーター越しに、ひと揉みする。柔らかい感触が服越しに伝わってくる。
時子は、相変わらず無反応だった。
「なんだか、懐かしい気がするな」
エンジンをかけて、車を出す。
隣の時子は、雄介に腕を回して、しがみついてきた。
「時子ちゃん?」
うっとおしくて振りほどきたくなるが、肘から伝わる胸の感触が、男としてそうさせなかった。
まぁ、気持ちいいんだし、いいか。
車を走らせていく。
生きているものの誰もいない朝の街の風景。
信号機も停まっている。通勤時間だというの人通りの一人もいない。
誰にも回収されないゴミ袋から飛び散ったゴミ。まばらにゾンビだけが徘徊している。
すっかり、この光景にも馴れてしまった。
時子を回収したことだし、別の女ゾンビも拾ってやろうかとも考えた。
しかしなかなか、時子ほどの美人となると、いなかった。
ある程度、言うことを聞いて、大人しく動かせるゾンビとなれば、いるはずもなかった。
それに、どのゾンビも、人間との抗争とかでボロボロになっていた。
時子は、早めに自室に保護しておいたのが功を奏したケースなのだろう。
そこらにいるゾンビは、誰も雄介には興味を示さない。何故か、ゾンビには襲われない性質なのだ。
そのはずだったが、ゾンビのうち、こちらに目を向けるものがいる。
知性体かと思ったが、それ以上の行動は起こさない。普通のゾンビのようだ。
時子が傍にいるからだろうか。
彼らに感情があるのか分からないが、人間とゾンビが一緒にいて、興味を持たれているのかもしれない。
「誰かに見られたら、どうしようか?」
時子の方を向いてつぶやく。返事を期待したわけではない。
時子は、生者と変わらない外見だから、生存者の恋人同士か、夫婦とかに見られるかもしれない。
実際は、ゾンビなわけで、人間に調べられたらまずい。
雄介が明かしたことがどれだけ広まっているか分からないが、時子を同行させる以上、ゾンビと同類と認識されると考えていい。
生存者のグループとはますます協力は出来なくなるだろう。いよいよ、人間達ともお別れだな。
「深月が見たらどう思うだろ」
助手席に乗せた若い女と、腕まで組んでいるのだ。なにか勘違いされるかもしれない
そんな想像をしてしまったこと自体に、苦笑しつつ、運転を続ける。
あそこまで言って、別れたのだ。もう二度と会う事もないだろう。
訣別の証として、女ゾンビを連れ歩くというのはどうだ。
自由への逃避行だ。
「さて、どこに行こうか」
目的地も定まらない逃避行を続けるのだ。展望など無かった。
「とりあえず、食糧だな」
時子に食糧は必要ない。一人分確保するので十分だ。身軽になった恩恵だった。
◇
深月が立て籠っていたスーパーに来た。駐車場付きの三階建てのスーパーだ。
ここは、いろいろあって乱雑に散らかっていたが、何日も使った場所だから勝手も分かっている。
一階の食料品コーナーに踏み込んでいく。時子は、雄介の袖を掴んで、トコトコと後ろにくっ付いてくる。
そんな時子を引き離さないペースで歩くと、カゴを手にして、時子の前に差し出した。
「持て」
言語を理解したとは思えないが、時子は、カゴを手に持った。そして、残された数少ない食料品を、カゴに入れていく。
時子は、後ろをついて歩いてカゴを開いて、雄介にポイポイと渡されるそれを中に収めていく。
もうあまり、めぼしいものは無かったが、とりあえずは十分な量を確保した。
けっこうな重さがあるのだろう。時子は、カゴに地面に付けてしまった。
やはり、重いか。
「いけるか、時子ちゃん?」
あまり、力仕事もしたことは無さそうだったが、時子は、両手でカゴをむんずと掴むと、踏ん張った姿勢で、持ち上げてみせた。
「よしよし、えらいぞ。時子ちゃん」
頭を撫でてやった。ペットでも、何か良い事をしてやったら、褒めてやるのがいい。
次第に、何をすれば褒められるか学習していき、言う事を聞くようになっていく。
これなら、持ち運び作業程度は、任せることができるだろう。簡単な指示も、こなせるかもしれない。
だが、さすがに何かを調べてノートにまとめたりなどは無理だろう。知性と忍耐力がいる。
「深月…」
その言葉を頭から振りほどくように、二階の日用品コーナーへと向かった。
食糧は、雄介一人の分で、時子には関係ない。この階では、時子のものを見繕っておくことにしよう。ゾンビ相手に、貸し借りというのも変な話だったが、そうしておきたかった。
婦人服のテナントに足を運んだ。いくらゾンビだからといって、一着しかないのは損傷などした時、心もとない。幾つか替えを確保しておきたかった。
この辺で、深月は、学生服を手に入れていたが、さて時子のサイズに合ったものはあるだろうか。
「OLで学生服のコスプレっていうのもキツイっしょ?」
時子に、似合うものを物色していく。この文学少女らしい外見に合ったものは何だろうか。
時子の部屋で、パジャマに着替えさせる程度のことはしている。
男の雄介に、女性らしいファッションセンスがあるわけでもなかったが、選択肢の増えたファッションショーみたいなノリは、わくわくする。
「時子ちゃんは、ニットのセーターってイメージがあるんだよなぁ。それで十分、エロいし」
勝手なことを言う。誰の目も憚る事の無いエロ目線の見解だ。
下は、別れた時に履かせたままのロングのフレアスカートに、レギンスを履いている。それらを脱がしていく。
白いレースの下着が露わになる。
「下は、履かせないっていうのもアリかもな」
どうせ、時子は、性玩具用として使っていくのだ。ただ、雄介の目で見て、欲情するような服装であればいい。
それが実用的だとさえ言える。屋内では、そうさせておくのもいいかもしれない。
だが、いつも見えるというのも下品だ。もう少し慎みというものがあってもいい。
悩んだ末、上は縦じまのニットのセーターを、下はミニのブラックニットのフレアスカートを着させた。
上半身は、清楚なイメージだったが、下半身は違っていた。
限界まで短いミニスカートからは、細くて長い太ももが突き出ている。
少し歩いたり、屈んだりしただけで、パンチラしてしまう。そういうふうなのを選んで着させたからだが。
セクハラに悩む生前の彼女だったら、承服しないことだろう。
「普段、大人しい彼女が、彼氏の気を引くために無理して、大胆にしてみましたって感じかな」
その他に、OL風のシャツに、スーツ一式、ミニのタイトスカート。新人OLを犯すAVはよく見たことがある。これは、コスプレに使えそうだ。
ナース服や際どいビキニの水着などもカゴに入れて確保しておく。時子のサイズに合うか分からないが。
「後で、楽しも―ね。時子ちゃん♪」
近くに化粧品コーナーがあった。女の子を着飾らせるのも男の役目か。
手を引いて、時子を席に座らせる。いろいろと口紅の種類があったが、どれを選んだらいいのか分からない。
「時子ちゃんの部屋にあったものを持ってくれば良かったんだがな」
時子には派手なのは、似合わない気がした。適当に淡いピンクの選ぶと回して、半分まで取り出す。時子を後ろから抱き抱えられる位置についた。
顎を掴み、抑えつけ、唇の端から塗っていく。
見栄えが良くなるに、越したことはないだろう。
女の唇に口紅を塗ってやるなんてのは、初めてだ。今まで、それをすることを考えたこともなかった。
「意外と難しいな…」
慣れていない。どれだけ力を込めたらいいか分からない。手が震える。
自分でも何故、そんなに熱を入れてやっているのか分からない。
「まぁいいか、これで。下手で、悪いね」
顔を上げさせて、鏡面台の方に、向けさせる。
「見てみろよ」
時子の虚ろな、どこを見ているのか分からなかった瞳は、今は彼女自身を見ていた。
よく整った清楚な顔立ちに、淡いピンクの唇は、彼女の可憐さを、際立たせる。
「綺麗だ…」
思わず、つぶやいてしまった。
前から美人だと思っていたが、少し、化粧をするだけでこうも輝くとは。
普段は、度の強い眼鏡をかけていた地味な女だった。時子は、間違いなく処女だった。今まで、男の影が無かったのが信じられない。
身持ちの固い真面目な女だったのだろう。
あの殺風景な時子の部屋を思い出す。休日に会う友達もいなかったようだ。
日記にも感情的な表現は一切、残していない。淡々とセクハラされている事実が述べられていた。
相談できる友人もいなかったようだ。そんな寂しい日々を送っていたのだとしたら。
今日、雄介は、二人でドライブ、お買い物、彼女の服を買ってあげ…口紅まで、塗ってあげた…。
初デートみたいなものだったかもしれない。
こんなことは、時子にとって、もしや初めてだったんじゃないか。
いずれにしろ、彼女の言葉は、永遠に封じられている。
もう聞くこともできない。
時子は、無表情だったが、キョトンとした様子で、鏡に映った自分の顔と、雄介を見比べている。そして、顎を引くと、鏡に写った雄介に、コクリとお辞儀をした。感謝の意を示したのだろうか。
その仕草は、あまりに可愛らしかった。
――ふにゃりっ
と、思わず、時子のセーターを後ろから鷲掴みにする。
素早くセーターの隙間に手を伸ばすと、フロントホックの取り外し、ブラジャーを取り払ってしまう。
下着には興味がない。普段はノーブラにさせておこう。
朝に、時子を再び拾ってから、夜のお楽しみに取っておこうと思っていたが、時子に着せ替えなどしているうちに、我慢できなくなった。
このまま、衝動のままに突き入れたくなったが、広い空間でするのも落ち着かない。
「来い。一発、抜かせろ」
時子は、大人しく付いてきた。
シャーと、試着室のカーテンを閉める。締める意味もないが、気分的な問題だ。
ようやく、落ち着ける空間になった。
「それにしても、エロいな」
顔立ちは、清楚だが、胸はニットのセーターを強く押し上げている。超ミニスカの下半身は、殆どパンツが見えそうなほど太ももが見えている。
平時でもこんな格好してたら、セクハラで済まない。暴漢に襲われるんじゃないか。
だが、その心配はいらない。今、この身体は、雄介たった一人を楽しませ、堪能するためにある。
しゃがんで、下の様子を見てみる。リボンのついたレースの下着の隙間に指を這わした。
「なんだよ。濡れているじゃないか」
どういう生態なんだよ、お前らはと突っ込みたくなる。
仮説を考えるなら、知性がついてきて、より人間らしくなったから?
時子自身が、雄介の精液を胎内に吸収するうちに、より精液を放出させるよう身体を順応させてきたとか。いったいどういう原理なんだ。
時子は、下着に入れられている指を、その伸びたセーターに包まれた手を前にして防いで、それを押しとどめようとした。
「?…」
力は無かったが、不可思議な動きだった。いやがっているのか。
「……」
雄介が見つめると、顔をそらそうとする。まるで、人間が恥じらっているかのように。
ゾンビの欠点は、膣内が乾いていることだが、濡れているなら、それに越したことはない。前戯無しなら、話は早い。
(まぁいいや、こいつをどう扱おうと、俺の所有物だ)
時子を試着室の鏡に手をつかせた。
形の良い尻を撫でると、白い下着を股の辺りまで、ずり降ろした。
ほっそりとした体つきの割りには、大きく突き出た尻が露わになる。
「時子ちゃん、ちょっと入れるよ」
そのまま突き入れた。
亀頭が柔らかく温かいもので、覆われていく。湿っていた。
あの惨事の日以来、幾度も、時子の膣内に突き入れていたが、こんな感触は初めてだった。ほとんど、生きている普通の女のそこと変わりはなかった。乾いていたそこは、湿っていて、雄介自身を受け入れるように、優しく包み込んでいく。
「これは……やばいな」
セーターの中に手を入れて、生乳を捏ね回す。
「彼氏じゃなくて、ごめんね」
時子の美貌と、この魅力ならば。もっと早くイメチェンして、積極性を出していれば。しっかりとした彼氏も出来ていただろう。早々に、結婚し、幸せを掴んで、両親を喜ばすこともできていたかもしれない。
だが、現実はどうだ。
ゾンビ化した後は、自室にろくに口も聞いたことのない男におしいられて、部屋を物色され、衝動的に、大事にとっていたはずの処女を奪われて、中出しまでされる。その後は、男の気分の赴くままに、好きな時に犯されてきたのだ。一人の女性として、悲惨な末路の何もの以外にないだろう。
いくら常識が崩壊した異常事態はいえ…。
今まで、何人もの人間を見殺しにし、切り捨ててきたが、雄介の最初で最大の被害者といっていい。
……それが、どうした。今さらなんだと言うのだ。
「生でやるのは最高だ」
そういえば、深月と最後にしたのは、生だった。勢いで中出しまでしてしまった。
深月は避妊だけはさせてきた。それを中出しまで自らせがんできた。それほどの覚悟だったのだろう。
「深月…」
そんな深月を振りほどいてきた。
意識したかしないでか、深月と同じようにこの試着室で、時子を犯している。
深月にも、こんなふうな丸い白い尻にバックで突きながらしてきた。
いや、余計なことを考えるのは、止そう。
体位を変え、時子を試着室の床に下ろした。
まくりあがったセーターの中から、丸い膨らみが零れ落ちそうになる。
その胸をひしゃげるほど、鷲掴みにし、再び、己自身の熱く尖ったものを、時子の中に滑り込ませる。
「時子ちゃん、俺を恨んでいるだろ」
物言わぬ彼女に語りかける。時子は、ただ大きく目を開いて、見つめ返してきた。
散々な扱いを受けてきた彼女になら、殺されても文句も言えない。少なくとも、彼女はそれをする資格があるだろう。
他の人間達の分まで含めて、それだけのことをしてきた。
なんだ、殺されてもいいのかと思うと、楽な気分になれた。
時子は、口をすぼませ、ピンクのリップを塗った唇をツンと突き出した。
彼氏なんていたことのないはずなのに、どこでそんなことを覚えたのか。
瞬間、ふわっと脳内が甘い空気に犯されそうになる。
「キスなんて、しねーよ」
そういうことは、好きな人としろよと聞こえてるなら、言いたくなる。
もう、彼女は、恋をすることなどありえないのだ。誰とも。
その乳房は、雄介に弄ばれるために、その膣内は、ただ雄介を受け入れ、悦ばすためだけに存在するのだ。
時子の膣内は、雄介のモノしか受け入れたことがなく、雄介の形を覚えていっているようだった。中の潤いは絶えず、柔らかく肉壁は、彼自身を歓迎するように纏わりついてくる。腰を動かし、その柔肉の感触、摩擦をその芯の奥まで、味わう。
時子を犯せば犯すほど、自分好みに変えていく感覚があった。
限界が近付いてきた。
「中に出すよ、時子ちゃん」
言う必要の無いことを告げた。中出しを嫌がろうが、どうせ彼女には何の抵抗もできない。
乳房にしゃぶりついた。
後はもう何も考えず、快楽の頂点まで、上りつめる。
腰を幾度も突き入れ、雄介だけが聞く淫らな音を立てる。
時子は、パクパクと口を開け、何かを言おうとする動きを見せた。
お構い無しに、肉棒を根元まで突き入れ、その細身の体をがっしりと掴み、逃げられないようにする。
腰から快楽を解き放つ。
「……!」
びゅるっと、びゅるっと、時子の一番奥に、射精する。
乳首を甘く舐め回しながら、無遠慮に、愛する男に満たされたかったであろう子宮を己の汚液で満たしていく。
ばたっと、時子の胸の上に倒れ込んだ。
時子は、目を見開いて、倒れ込んだ雄介の頭を抱きかかえた。
射精後のけだるい倦怠感が襲ってきた。
◇
女の膣内に、思う存分、性欲を吐き出し、膣内を満たすのは、本能的な昂奮と、満足感ある。
それに、こう…女の胸に抱き抱えられているのは、男として、それだけで満たされるようにな安心感もある。
時子の胸に抱き抱えられながら、いつまでも、浸っていたい。だが、そういうわけにもいかなかった。
忘れていたが、ここは停電中だったのだ。日が落ちきるまでに、ここを出なければいけない。
時子の中から、ようやく引き抜いて、起きあがった。
時子の膣内は、雄介の出した精液を吸収していた。
中出し後に、溢れ出して逆流する己の精液を見られないのは、なんだか、もったいなく思えるが。
逆に、時子の中に出すだけ、彼女を内から浸食していくようで、征服欲が満たされるとも言える。
時子も、しばらく放心状態だったようだが、上半身を起こした。
ずり上げられセーターを戻し、脱ぎ捨てられたミニスカートを探している。
おや…
今まで、服を半脱ぎにさせて犯し、放置したことはあったが、自分で着直したことは無かった。
ミニスカートを返してもらえないので、おろおろと頭を振って、セーターの袖をのばしてパンツを隠そうとした。
小動物的な仕草が可愛く、そそられるものがある。
雄介は股間を、その顔を近付けた。
精液まみれでべとついている肉棒で、彼女の頬をぺしりと叩く。
「…………」
時子は、ボケっとそれを見つめると、無表情に、イヤな顔をせず、
頬に寄せられたそれの匂いを嗅ぐかのように鼻を動かした。
タマ袋を甘く口に含み、皺の一つ一つまで舌を入れて丁寧に舐めていく。
そして、その先っぽが白く汚れているのに気付いたのか、時子は、亀頭に唇を被せた。
尿道口に舌を付けられ、じゅるりと、啜りあげられる。
最後の一滴まで、時子の口の中に精液が絞りつくされていく。
「ふぅ…」
時子は、萎みつつあり、あったそれに口を付けると、ぱくりと咥え込んだ。
その小さな口の中で、舌をチロチロと動かし、精液が舐め取られていく。
いったばかりの敏感な部分を刺激され、
時子の口の中で、肉棒がゆっくりとまた大きくなっていく……。
亀頭の先から、肉棒の鞘まで、上下に舌を動かしていく。
「これは…」
時子は、男を知らない処女だった。何をすれば男を悦ばせるのか、知るはずもない。
雄介の精液は、時子の唯一のエネルギー源だ。
人間のように奉仕すれば、ご褒美のように射精してもらえると…雄介の反応から学習しているのだろうか。
あくまで、ゾンビの捕食活動で雄介に快感を与えた時は違い、時子の奉仕は成長していた。ねっとりと亀頭の裏のくびれた笠の周りを舐め回されている。ぞくぞくする快感が込み上げてきた。
「ああ、いい…」
思わず、声を漏らす。
雄介のもらした声、些細な反応、肉棒の膨張具合から、どういうやり方が男を昂奮させるのか、覚えていっているのかもしれない。
ツボをついた刺激が与えられる度に、髪を撫でてやる。
時子はそこからも雄介の反応を学んでいるのか、虚ろな目で雄介を見上げると、
精液の発射口である尿道口の先や、亀頭の裏を重点的に責めていく。
思わず、いきそうになった。
時子の口から、引き抜いた。時子は、名残惜しそうに、それを見つめた。
塗ってやった薄いピンクの唇は、口での奉仕のさなかに落ちていた。
「美人の顔が台無しだな」
後で、塗りなおしてやろう。
時子を再び、床の下に寝かせる。
腰の上に馬乗りになった。時子は、何をされるのかキョトンとしている。
上にはだけられたセーターで露わになっている白い乳房に、己の硬いものを突き付ける。
「どうせなら、胸も使ってやれ」
二つの膨らみを両手で掴むと、その間に肉棒を挟んだ。
AVでは胸の大きな女によくさせているあれだ。女が気持ちいいとは思えないが、
ゾンビ相手にはそれも関係ない。男が気持ち良くなりさえすればいいのだ。
時子ぐらい大きな胸ならばと試してみたくなったのだ。
雄介も女にさせるのは、これが初めてだったが…。
時子の乳房は、その大きさで、雄介自身を包み込み、見えなくなるほどだった。
腰を動かして、肉棒を擦っていく。
ローションは使わず、潤滑油は雄介が舐めた時の唾液しかなかったが、
もちもちとした肉の感触の柔らかさは、肉棒に快感を与えていた。
「やばいな…こんなに気持ち良かったとは…」
並みの女の乳ならそうもいかないだろう。
「ほら、自分で挟め」
言葉を理解しているのか分からないが、時子は、肘を立てて両脇から押さえつけた。
乳房の間がぎゅっと引き締まり、その間に挿入するように腰を動かしていく。
時子の胸を犯していく。
腰を突き入れるたびに、時子の前に赤黒い肉棒が、顔を出す。
時子は、口から舌をペロッと突き出して、その先っぽを舐めた。
「おおっ…」
また、射精寸前まで高まっていた。
「もう、いいよ、時子ちゃん」
時子から身体を離すと試着室にあった丸イスに腰掛けた。
すると時子はノソノソと動くと膝立ちになって、もたれ掛かってきた。
両手で自分の胸を持ち上げている。
「何……?」
時子が半身を傾けると、そのひんやりとした両胸に挟まれていった。
「くっ…これは…」
口でするのは直接、口腔から養分となる精液を啜ろうとする延長と考えれば、まだ分かる。だが、今さっきさせたとはいえ、自ら胸まで使ってするとは。「挟め」と言われたことを忠実に実行しているのだろうか。
己の半身は、時子の豊かな双丘に包み込まれている。時子は、両腕を折り曲げると、左右から圧迫し始めた。
「おおっ…」
もともと、仕込めば、エロい事を覚える素質のある女だったのか。
処女だったペニスを触ったこともなかっただろう美人OLにこんなことをやらせている興奮もある。ゾンビになってから、男を悦ばす方法を従順に覚えていっている。皮肉なものだ。時子は、雄介専用の理想的な性玩具に育ちつつあった。
「時子ちゃんが、パイズリまで覚えるとはな…女にやらせるのは、初めてだけど、これ、いいな」
物言わぬゾンビに語りかける。時子は押さえつけた腕を左右に動かし始めた。
時子の白くまろび出た乳房が、自分のペニスを挟んで揺れている。
最初はひんやりとした感覚しかなかったが、摩擦熱によるものなのか、次第に時子の乳房も熱を帯び、温かく柔らかい感触を与え始めた。
「さすが、時子ちゃん…高校生の深月よりデカいんじゃねーの」
時子に奉仕される快感を誤魔化すように言うと、時子は、別の女の名前を出されて、不服なのだろうか…よりいっそう、大きさと張りのある二十代の胸で擦る動きを激しくし始めた。
時子の下乳と、太ももがぺちぺちと当たって音を響かせている。
「おっ、くっ」
のけぞり試着室の壁に背をつくと、時子は追うように覆いかぶさってきた。
今までほしいままにしてきた時子に、逆に追い詰められていた。
より乳奥に誘われたペニスに乳房が密着し、翻弄される。
時子は口を開け、ペニスの先を突ついた。
ずり…ずり…れろ…れろ
時子の柔らかくマシュマロのような乳房に包まれながら、亀頭の先を表面の皮を撫でるように擦られているのだから堪らない。
時子の質素な自室を思い出す。男っ気もなくおとなしく地味で目立たない、セクハラされても何も言えない気の弱いOLだった時子が。
豊満な乳房を活かして、自分のペニスを愛撫して、精液を搾り取ろうとしていた。
「あっ、もう」
さっきから男の自分だけ声を漏らしている。
ゾンビの時子は疲れることもなく一定のペースで胸を動かし扱いている。次第にそのペースも速めていった。柔らかい乳房はひしゃげてペニスの形に歪んでいる。
時子は、深い谷間を描く乳房を左右から肘でぐりぐりと押し込んだ。中のペニスもぐいぐいと押し込まれる。
そしてペニスを挟み込んだまま尿道口の先を突ついた。
「でるっ」
堰を切ったように、時子の胸の中で射精した。溢れた白濁液は、時子の美しい顔、頬、乳房を汚している。
放出中も時子は胸を動かし、扱き続けた。尿道口の先に口を付け、出すところから飲み込んでいく。
じゅる、じゅる…
「はぁ…」
飛び散った精液を啜り、なおもものほしそうにしている時子の顎を掴んでこじ開けると、その小さな口に肉棒を咥え込んだ。
「…!」
時子の頭を掴むと、その喉奥に突き込んでいく。気道も押し潰しているはずだ。
今まで、女をこんなに乱暴に扱ったことはない。深月だったら、怒るか泣きだすかしていただろう。
くちゅくちゅっと、腰を動かしていく。時子の喉を欲望のままに肉棒を扱く道具にしていく。それでも、時子の様子は変わることなく、虚ろな目で彼を見つめてきた。
むしろ雄介の性欲を受け止めるように両手を回して、雄介の腰にしがみついてきた。
「そんなに飲みたいなら、出してやる」
時子の鼻がひしゃげるほど、腹を押し付け、びくんと腰を振るわせた。
再び射精の欲求が高まってきた。
「ほら出すぞ…」
びゅるるっと射精が時子の喉奥に叩きつけられる。
時子は、喉を脈動させ、雄介の出す精液を飲み込んでいく。
根元から、優しく喉を締め上げ、舌を絡めて、吸い上げていく。
最後の一滴まで、吐き出してやった。
最後まで、出し終わって、荒い息を吐いた。時子は、相変わらず息一つ上げない。無表情なものだ。
激しい情事も雄介が疲れるだけか。そこだけはゾンビが羨ましくなる。
「それが、お前の朝飯だ」
時子は、膝まづくとぺこりとお辞儀をした。
用事は済ませたし、突発的に沸いた欲求を満たした雄介はその場を後にすることにした。
荷物を手早く纏めると、一階に降りた。
車に戻ろうとすると、駐車場に3、4人のゾンビがうろついているのが見えた。幸い知性体はいないようだった。
雄介ひとりなら、ただのゾンビなど何の障害にもならないが、時子がいる場合はどうだろうか。
スーパーの扉から駐車場の車まで10メートル程度の距離だったが、
雄介は念のため、時子に持たせていた荷物を全部持つと、近くのゾンビを蹴散らしながら、
車に近付きドアを開けて、荷物を中に放り込んだ。
残すは、時子一人になった。
「来い」と、こっちに来るようジェスチャーをする。
時子は、うなずくと、走ってはこないが、のろのろと歩き出した。仕方ないこととはいえ、やきもきさせられる。
走ればすぐの距離を4,5倍の時間はかかって、時子は車の側にきた。
やれやれと思った時だった。
不意に、ゾンビの一人が時子の足を掴んできた。
「クソが!」
そいつをすぐに蹴り上げた。追い払ったと思ったが、車の下に隠れていたらしい。迂闊だった。
時子の手を引くと、助手席に押し込んだ。雄介もすぐに運転席に乗り込む。
時子の掴まれた足を確認する。幸い、損傷はなかった。ゾンビが怪我でもしたら治しようがない。
安堵の溜め息が漏れる。
時子のシートベルトを掛けてやる。もうこんなところに用は無い。すぐに車を発進させる。
「ぼさっとしてんじゃねーぞ」
何故、同じゾンビなのに、時子を襲おうとしたのだ。時子の変化と何か関係があるのか。
それぐらいしか想像が付かない。
だとするならば、今後、時子を同行させるのは、有益か無害どころか、リスクを増やすことになりかねない。
厄介なお荷物を背負い込んだことになるのかもしれない。
当の時子はというと、雄介をじっと見つめていた。
そして、来た時のように、また雄介の腕を組んで、そっと肩を寄せてきた。
なかなかその腕は固く、振りほどくことが出来なかった……。
◇
雄介達にとって当面の脅威は知性体の襲撃だった。ただのゾンビならともかく、力は未知数だ。地下に籠ろうが、バリケードを作ろうが、破られるかもしれない。どこが安全なのか確信が持てない。ガソリンはあまり消費するべきではない。
時子に、地図を持たせた。カーナビをやらせてみようとしたのだ。
深月はどうするのだろうか。拠点を作り、彼女の安全を確保するにはどうするべきか。自分にすら、できないことをどうやるつもりだろう。
市役所の近く。公園。警察署。他のスーパー、商店街の店。ぐるりと回っても、目的地は定まらなかった。
半日、市内を回った末に、日が落ちる頃になると市中を見渡せる山道の高台に車を停めた。
今日は、ここまでにしよう。
人気のないところならば、ゾンビや知性体に襲われにくいだろうというあまり裏付けの無い理由だった。
山頂には設備の整った野外活動センターがあったが、そこはまだ探索が十分ではなく、誰かいる危険性もある。
市外に出る手もあったが、今はそれをしたくなかった。
乗り物に乗っていれば、即座に動きやすい。移動時間も考慮すると、ぎりぎりの妥協点だった。
一日、無駄にしてしまったかもしれないが、最近、張り詰めていた。偶には、こんな休日もいいだろう。
「時子ちゃん、俺ひと休みするけど、見張りってできる?」
時子は、首をかしげた。
「まぁ、分かるわけないよな」
時子の部屋の枕元のぬいぐるみぐらいは持ってきてやっても、良かったかもしれない。
さっさと飯にする。携帯用ポッドを取り出し、カップメンを簡単に啜って、食べる。
喉が乾いたなと思うと、時子は、紙袋の中から、そっとお茶のペットボトルを差し出した。
「サンキュ」
頭を撫でてやる。
生前の記憶から、こうした場合はこうすると思い出しているのかもしれない。気の効く女だったのだろう。
今日の寝どころを確保し、食欲を満たすと、安堵の空気が流れる。
そして、むくむくともたげていくのは―――
隣の時子の太ももをぺしぺと撫でた。時子は、顔を俯かせた。
時子のスカートは脱がされたままで、セーターに下着だけの状態だ。時子は、その格好が恥ずかしいのか、セーターをずり下げようとするが、無駄な抵抗だった。
朝にスーパーを出てから、隣の時子の太ももを撫でたり、胸を触ったり、ずっとこの調子だった。ゾンビ相手に会話も出来ないから、手持無沙汰ではあるのだ。
しかし、半日の間、時子にずっと愛撫を加えて、焦らしていたようなものだ。
眼下に拡がる街並みは、あの惨事以前とまるで変わらないように、見える。
雄介は、時子のシートベルトを外した。
シートから解かれた時子は、そっと雄介にその身を傾けてきた。
雄介もごく自然に肩を抱き寄せる。
「……」
美人と一緒に、静かに密かに滅びゆく街を見下ろす…か。こんな映画あったかなぁ。
抱き寄せた時子の胸をふにふにと揉む。
時子は、怒るでもなく、こちらを見上げてくる。そして、真っ赤な口紅を突き出した。
「だから、安売りするんじゃねーって」
席から離れた時子は、雄介の席に馬乗りになってくる。
「時子ちゃんとこの体位でしたことあったっけな。風呂の中でか」
その行動は、時子という女ゾンビ特有のものだった。催促するように胸を押し付けられる。
股間のジッパーを開いてやる。そして、パンティを少しずらす。
時子が腰を下ろすと、ぬるりと殆ど抵抗なく入った。
「動けるか」
少し、腰を下から突き出してやると、促されるように腰を動かした。
生前の彼女が知っていたとは思えない卑猥な動きだった。
窓の外を見た。
夕日をバックに、安全圏から滅びゆく生者の街を眺めつつ、屍人を抱く。
背徳の極みに思えた。
一杯やりたくなるほどだ。
胸をわにわにと掴み、上下に動く時子の尻を摘まんで、撫で回す。
時子は何も言わず、ただ、内ひだで雄介のものをしっかり掴みこみ快感を与え続けてくれる。
そのまま、今日一日の疲れや悩みから、解放されるかのように精を放った。
◇
うとうとして起きると、日は完全に落ち、夜になっていた。
(盛り過ぎたな)
時子に、懐中電灯を渡す。
時子は、どうしていいか分からず、ライトが指す方を上に持った。
白い顔が光に照らされて、浮かび上がる。
「おい、お前がそれやったら、しゃれにならないだろ」
雄介は一人で爆笑した。
リクライニングシートを倒して、サンルーフを開ける。
四角い窓枠から溢れるばかりの星空が見えた。市内が停電中で、澄みきっているからだろう。
(こんなところで、女連れで夜空なんて、ロマンティックなんじゃねーの)
「あれが、冬の大三角だっけ。分かる、時子ちゃん?」
隣の時子を見ると、じっと空を見上げていた。
物音ひとつない静かな夜に、思考が巡っていく。
(どうして、時子はそこにいた?)
黒瀬に関する一つの疑問に、なぜあの状況で、発見できたんだろうというのがある。
パンデミックが起こり、彼女は一度、外に出た時にゾンビに噛まれた。
あわてて、自宅に帰った時に、ゾンビになったのだろう。
だが、周りの家は殆ど避難していたのに、何故、彼女は一度、自宅に帰ったのだろうか。
ただのドジかもしれないが、何か他にやりたいことがあったのだろうか。
誰かに、救助を求めていた?
時子には、友達はおろか、ろくに相談する相手もいなかった。雄介とも挨拶する程度の仲だ。
いや、待てよ、他の住人と時子が挨拶をかわしている所を一度だって見ただろうか。
生前、時子にとって、一番、親しかった男が、雄介だったりしないだろうか。
もしかして、救助を求めることの逆をしようとしていたのだとしたら?
自宅に戻って、近くの誰かを助けようとしていたのなら?
誰を?
「!」
(俺を助けようとして戻ったなんて、あるわけないだろう…)
憶測に憶測を重ねた推理を心の中で否定する。
隣の家の女に、そこまでされるほど何かした覚えはない。
そんな推理が当たっているとしても、助けようとして自分がゾンビになっているんだから、この女はとんでもない間抜けということになる。
時子は自分の心の奥底で何を考えていたかをどこにも残していない。
何を考えていたか、何を考えている分からない女だ。
だが、ゾンビになってからは……?
以前から疑問だった。「知能が上がる」ということは、「雄介に懐く」こととイコールではない。
自由にさせたのに、雄介の元に戻ってきた。
彼女の心に秘めていたものが、少しずつ解放されているのだとしたら?
最初から、ずいぶんと大人しく従順だった。他の男だったらどうだったのだろうか。
今も、孤独な雄介に黙ってついてきてくれる。
「時子ちゃん?」
時子は、腕を伸ばして、星を掬い取るかのように、手のひらを動かした。
そして、掴んだ手のひらを雄介に差し出した。
星の欠片を雄介に向かって、雄介に向かって、捧げるかのように。
生前の彼女がきっとそういう人であったと思わせる。詩情豊かな動きだった。
「……」
胸の高鳴りを感じた。感じてしまった。そんな自分になにより驚いた。
痛切に、時子の声を聞きたいと思った。
その生の声を。
勝手な妄想を否定してほしかった。「そこ」に気持ちがあって欲しくなかった。
おぞましいほど嫌われていたほうがマシだ。
「……何か言えよ」
一目惚れされるほどの容姿だと自惚れてもいない。
実は惚れられてましたなどとムシのいい話を信じるわけじゃない。
時子は、するすると体を移動し、また雄介の上に乗りかかってきた。
かちゃりと器用な手の動きで、ジッパーが外される。
股間がぬるりとしたもので覆われた。時子の口で硬く尖らされていく。
「もういいって」
時子がまた馬乗りになってきた。
姿形は大人しいが発情した雌のようだ。
陰茎が湿ったものに包まれ、太ももを掴んだ。
「ひんやりしてるよな」
彼女を人間らしく思うほど、その肌の冷たさが悲しかった。
生者と死者の間には、越え難い一線がある。
彼女と言葉を交わすことはない。
彼女と恋人になることも永遠にない。
その機会は永久にこない。
時子は、セーターを脱いだ。
月の光に照らされて、青白い女の肢体が一際、綺麗に浮かび上がる。
「言ってくれよ。何でもいい」
時子は、唇を突き出す。何度もしてきた同じ仕草。唯一、できることは。
「分かった。してやるよ」
唇が重なった。その唇は当然のように冷たかった。
「ほら、無駄だろ」
時子は、口をぱくぱくと動かした。その唇の動きは、ある二文字に見えた。
「バカ。いっそ、絞め殺せよ」
このまま時子に、そうされたいと思った。
時子はふるふると、首を横に振った。
「時子ちゃん…」
雄介は、よく分からない激情に駆られて、時子を抱き締め、冷たい唇を啜った。
「は、あ、ぁあ」
雄介は、その体温を分け与えるように、時子の乳房を揉み、首筋を舐める。
髪を撫で、細い背筋をぎゅっと抱き締める。時子は、それに応えるかのように腰を振る。
「んんっ」
身体だけなら、幾度もこの死者と交わしている。
それでも届かない彼女を求めるかのように時子と口づけ、咥内で舌を伸ばす。
「んっ…はあ」
時子は咥内の舌を舌で啜り、舐めあげていく。まるで人間の女と変わらぬような動き。時子の唇を貪り、ディープキスをする。これほど女を求めたことがあっただろうか。時子の丸い尻を掴んで限界まで引き寄せる。
「……っ」
どうやら、時子の一番奥に当たったようだった。
時子を思いきり抱き締める。その荒々しさを受け止めるように柔らかい胸を押し付け、時子は抱き締め返してきた。瞬間、彼女の「体温」を感じたような気がした。
「くっ」
時子の中に欲望を吐き出していった。
放出が終わった後も、長い間、時子を抱き締めていた。
「時子ちゃん。俺…戻ろうと思うんだ」
「……」
「深月の所に」
今日一日、どこにも目的地が定まらなかった。
時子と再会しなければ、どこにも行くことができなかっただろう。
「中出しまでしちゃった子には、責任とらないとな」
だからこそ、戻るのだ。
「中出しは、時子ちゃんにもだな」
「…………」
「時子ちゃんも、ついてきてくれるか?」
時子はただ無表情に、長い髪が絡みそうになるくらいに雄介を抱き締めていた。
翌朝。
冬の外気は外で立っていられないほど冷えていたが、構うことなく、時子をボンネットに手を突かせてバックで突き入れていた。
缶コーヒー啜りながら、眼下を眺める。
(助けに行っても、手遅れかもな)
その公算は高かった。
あの襲撃を受けて、女一人が生き残れる可能性はあまりに少ない。
よくて彼女の無惨な姿を見るだけだろう。ゾンビ化していれば、儲けものなくらいだ。
深月のことを思い出す。
その柔らかさ、肌触りを。中の感触を。
(深月……)
そして、彼女のことを思い浮かべながら、時子の中へ白いものを出した。
時子にマフラーをかけてやる。スカートも履かせ、衣服を整えてやった。
高台から街を見下ろした。
(今度こそ、死ぬかもな)
激しい戦いは避けられないだろう。
死出の旅を死人と共にか。
隣のこの女なら、雄介の最期まで、見ていてくれる気がする。それどころか、死んだ後でさえ。そう思うと、こんな終わり方、いや、死に方も悪くないように思える。
「時子ちゃん、行こうか」
深月が、時子と出会ったらどんな顔をするだろうか。
ただ時子は黙って、腕を組み、せがむように唇を突き出してくる。
ああ、分かったよとその押し付けられた唇を味わう。
その時、時子の頬が血色ばんで見えた。
「なんだ?」
朝の光が、頬に射しただけだけろうか。
「気のせいか」
雄介は気持ちを切り替えると、時子と共に街の方へと車を走り出し始めた。