しかし、二次性徴をむかえた獣人たちはある問題に直面する。万年発情期である人間に囲まれた彼らは、本能で発情してしまうようになったのだ。
それを解決するため、研究者の女性であるゲルダとアニは獣人の"発散"を手伝う事になる。押しが強く少年を弄ぶゲルダと、優しく接して甘やかすアニ。二人は今日も、獣人たちの欲望を受け止める。
床、壁、天井、その全てが白一色の無機質な空間。装飾どころか汚れ一つない長い廊下を、二人の男女が歩いていた。
「ふーっ……ふーっ……」
「よさんか。やたらと股をかぐんじゃない」
一人は、見た目20代後半ほど。黒のショートヘアにメガネをかけた、背の高い女性。真新しい白衣にタイトスカート、黒のハイヒールといった格好で、歩くたびにカツカツと音が鳴った。
もう一人は、14才そこそこといった見た目の少年。入院服のようなシャツと短パンを着て、癖のついたグレーの髪を伸ばしている。手足は細いが、鎖骨や首を見るとそれなりに引き締まった体である。
しかし、その少年の見た目は明らかに人間離れしていた。というのも、彼には目の横にあるはずの耳がなく、かわりに頭のてっぺんから犬のようなとがった耳が生えている。髪色と同じグレーで、内部には白くもっさりとした耳毛がのぞいている。
見た目のわりに鋭い目は金色に光り、口のすき間からはとがった犬歯が見え隠れしている。お尻の上から、灰色のふさふさした尻尾がぴょこんと飛び出していた。
まるで犬か狼のような特徴。さらには彼の首には重そうな首輪がつけられ、そこにつながった太い鎖を女性がにぎっている。
「もう少しの我慢だ。……こら、よせと言っている」
「うぅ……ぐるる」
その少年は行動までまるで犬のようで、かがんで女性の尻や股まわりに顔を近づけ、かぎ回していた。その表情は興奮が収まらないといった様子で、女性に鎖を引っ張られては反抗的なうなり声をあげる。
そんな二人が、真っ白な廊下をいくらか進んだところで。
「ゲルダ主任」
「おっと」
彼女らの前方から、白衣を着た男性が歩いてくる。ゲルダと呼ばれた女性が気づいて会釈するが、男性は隣で落ち着きなくしている少年を見つめた。
「……また、"アダム"の研究ですかな」
「ああ。今日はレクリエーションの予定だからな」
ゲルダは少年ことアダムの頭をなでてやりながら答える。アダムはいまだ気が立っているようだったが、他人を前にしてか気をつけの姿勢で口をつぐむ。それでも男性は渋い顔だった。
「主任……少年の姿とはいえ、コイツは人と犬の遺伝子実験の産物です。あまり……その、情を寄せるべきではないかと」
「心配ない。肌で触れねば分からん事もある。私だってわきまえているよ」
「しかし……」
男性は納得できないという風に眉をしかめた。そしてアダムの手の甲に印字された細かい文字を凝視する。
"2122年・05月18日生誕・獣人001号・『アダム』"
……ここは、2100年代になって欧州のある場所に建てられた、遺伝子工学の研究施設だった。禁忌だという非難をのりこえ、最先端の技術で異なる動物のかけ合わせをいくつも行い、精度を上げてきた。
その成果の一つが、目の前のアダムである。異形の存在とはいえ、情緒は犬と人の中間ていど。したがっていくらか親しみを持つのもおかしくはない。
しかし、と男性は沈んだ気持ちで、アダムの体のある一点を見た。
下半身の、股間あたり。そこは衣服ごしでも、少年に似合わないほど大きく張りつめていた。よく見れば体液までジワジワとにじんでいる。男性は向き直り、声をひそめた。
「……ならばせめて、去勢か隔離をすべきではないですか。メスの個体すらつくれていないのに、大事な成功例がこの調子では……」
「君は、人の姿にきわめて近いこの子らにそんな仕打ちをするのかね。ありのままを記録するのも研究だろう」
「うぅむ……」
すぐ近くにあからさまに勃起した少年がいるというのに、ゲルダは涼しい顔だった。男性が悩ましげに彼女を見つめていたが、ゲルダはその脇をすっと通り抜ける。
「悪いが、そろそろ行くぞ。人を待たせているからな。……いくぞ、アダム」
「がるるっ」
鎖で引っ張られなから、アダムもその後を追っていった。その背中を見ながら、男性は深いため息をついた。
――
「あ、主任ー! こっちこっち!」
ゲルダはしばらくして、ある部屋の前で一人の女性に会った。ゲルダと同じ白衣姿で、金髪を後ろに編み込んだ色白の女性。見た目はゲルダより若く、二十代前半くらいだろうか。
そして隣には、首輪でつないだ、アダムと同じような獣人の少年を連れている。
「アニ、ラルフも!」
ゲルダはほほえみ、金髪の女性……アニへと歩み寄る。そして隣の獣人へと目を移した。
少年の手の甲には、アダムと同じく生年月日などが記載されている。
"2124年・02月06日生誕・獣人002号・『ラルフ』"
アダムに次いで生まれた、二人目の獣人。背はアダムより低く、見た目は12歳ていど。手足の短いちんちくりんで、頬も丸く、まだほとんど子供である。髪は金色のクセっ毛で、上には長い耳がぺたんと垂れている。長い金色の尻尾も合わせて、その容姿はゴールデンレトリバーを思わせた。
「あだむーっ!」
「らるふ!」
大人しげにぽつんと立っていたラルフだったが、アダムを見ると鎖を気にもせずに笑顔で駆け寄った。アダムも興奮していた顔をほころばせ、尻尾を振りながら飛びついた。
「……ふふ、やはり仲間の方が気安いようだな」
ハグしてあちこちの匂いをかぎ合う二人を見て、ゲルダがやや寂しげにつぶやく。ただ、ラルフの股間も例によって、アダムよりは大きくないもののビクビクと盛り上がっていた。
それを見てゲルダが吹き出しそうになっていると、もう一人の女性……アニが口をとがらせて言った。
「もー、遅いですよ先輩。ラルフも待ちくたびれていましたよ?」
「いやーすまんすまん。途中で部下と話していてな」
「まったく……あの子たちはずっとお預け食らってる状態なんですから。あまりストレスかけさせないようにしないと」
アニはそう言って、アダムらの方を振り返る。先ほどまでじゃれていた二人はそろって顔を赤らめ、ゲルダたちを見つめている。その目はなにやら期待に満ち、舐めるような視線をゲルダやアニの全身に送っている。
「そうだアニ。避妊薬はちゃんと飲んだろうな」
「ええ、問題ありません」
「じゃ、たまには"発散"させてやらないとな……。さあ行くぞ、お待ちかねだ」
その瞬間、アダムとラルフがそろって振り向き、目を輝かせる。ゲルダが指紋認証で部屋の扉を開けると、その期待の色はいっそう濃くなった。
――……この研究施設の粋を集めてつくられた二人の獣人、アダムとラルフ。しかし彼らには、一つの欠点があった。
それが、発情についてである。犬のそれは誤解されがちだが、厳密に"発情期"が訪れるのはメスだけで、オスは大人になればそれに反応した途端に、いつでも繁殖におよぶのだという。いわば発情期のメスが交尾のスイッチになるのだ。
ならば、これが人の特徴をあわせ持つアダムたちならどうなるか。人間は万年発情期と言われるように、大人になればいつでも交配できるようになる。もしアダムたちが、その人間で大人の女性たちに反応するようになれば……。
……もうお分かりであろう。一定の成長をとげたアダムとラルフは、施設で働く女性を見るたびに性器をふくらませ、交尾したがるようになってしまったのだ。そばに寄れば本能的に女性をかぎ回し、交配が可能か確かめようとする。
というわけで、ゲルダとアニはそれぞれの獣人を管理し、定期的に"処理"する役目を負う事になったのだ。世間に知られれば人道に反するとバッシングの嵐だろう。
……もっとも、アダムたちは元より、ゲルダとアニも喜んで"処理"を毎回こなしているのだが。
部屋の中は、指紋という大層な鍵を使うわりには大したものはなかった。椅子や机、クローゼットなどが備えられ、ベッドも置かれている。強いて特色を言うなら、その大きなダブルベッドはラブホテルのそれを連想させた。
そのベッドを見たとたん、少年二人が火がついたように騒ぎだした。
「わんっ! がう、ぐるるぅっ!!」
「わうっ、わんっ! あおぉっ!」
「ふふ、あわてないで。まずは二人ともお洋服ぬごうねー」
大人しそうだったラルフまで暴れていたが、アニは動じずに笑って語りかける。そして二人は少年らの衣服に手をかけた。
まずはゲルダが、アダムの上衣のボタンを外し、左右に開く。すると幼いながらも主張する胸板と、うっすら割れた腹筋があらわれた。なだらかな段差と、それでいてほっそりとしたシルエットは、大人になりかけという様子のなんともいえない妙味を感じさせる。
「こら、動くな……。こっちも脱がすぞ」
肌がさらされると、アダムは恥ずかしそうに身をよじる。ゲルダはそれを制してズボンに手をかけ、素早く下ろした。
まだ毛のない、しなやかな脚があらわになる。その根本へのぼって下腹部のあたりには、まさに暴発寸前といった様子の局部があった。
人間の上半身から下っていくと、その陰部は際立って生々しく見えた。細長く赤黒い、犬からそのまま移植したかのような生殖器。アダムはそれをもどかしげに揺らしつつ、若々しい少年の瞳をゲルダに向けている。
「ふふっ、じゃあ可愛がってやるか」
「がうっ!」
18センチ以上もあるそれの先っぽをゲルダが一撫ですると、アダムは首輪があるにも関わらずゲルダを引っ張ってベッドに飛びついた。
……一方、アニもゆっくりとラルフの服を脱がしていた。胴体はまだ丸みがあり、胸や腹回りがぷにぷにと脂肪をまとっている。決して太ってはいないが、体だけなら女の子のようだった。
「まだお兄ちゃんみたいにはいかないね~」
「くぅん、うぅ……」
「ま、そこがいいんだけど」
平らなお腹をかがんで撫でながら、アニが頬笑む。そして眼前でテントをつくっている性器と、待ち遠しげにうなって見下ろすラルフを交互に見つめ、アニはそっとズボンと、それからパンツを下ろす。
「きゃんっ……」
パンツのウエスト部分が先っぽに引っかかり、ラルフが小さく叫ぶ。そして彼の臨戦態勢の性器がぴょこんとあらわになった。
こちらも犬さながらの、赤黒いイチモツ。長さは12、3センチちょっととアダムには劣るが、それでもいじらしく血をたぎらせ、震えている。鈴口からは辛抱たまらんといった様子で、カウパーがつうっとパンツに伝っている。
それを見たアニは頬をゆるませ立ち上がり、ラルフの肩を抱いて言う。
「じゃあ行こうか。いーっぱい甘えていいからね……」
「きゅーん……」
ラルフはアニに体をすり寄せ、ベッドの方へと向かった。
――
「……そのまま動くなよ。ほら、こっち向け」
「ぐるる、うぅ~っ」
「そうあわてるな……はむっ」
ゲルダはアダムをベッドに座らせ、それを後ろから抱くような形で座った。まずは物欲しそうにしているアダムへ口づけをプレゼントする。
「ちゅるっ……ん……ちゅ、んん」
「きゃぅ……ぁむ、はぁ、む、んん」
「ん……ちゅぱ、ちゅっ、んん……ぷはっ」
「……んっ、きゃう、くうぅん」
「はは、そんな顔をするな。キスばかりじゃ芸がない」
口づけをやめたゲルダを、アダムはもの足りなさそうに睨む。ゲルダは軽く笑いながら、相手の腕を後ろで組ませ、胴体を押しつけて押さえ込む。自分の手をアダムの胸へと伸ばし、肌を指先でつぅっと撫でた。
「ぁうぅんっ」
アダムの口からくすぐったげな声がもれる。ゲルダは構わず指を、そして手のひらをさわさわと胸にすべらせる。そして少しずつ、腹の方へと下っていった。
「がう、ぐぅう……」
もどかしそうに、低くうなるアダム。首だけ振り向いて抗議するような目をゲルダへ向けるが、ゲルダの方はむしろ楽しむようにそれを見つめ返す。
指が肌をすべり、ついに下半身の性器へと近づく。今にも触れようかという瞬間、アダムの体がピクンと跳ねた。
……が、しかし。
「……がうぅ?」
ゲルダの指は肝心のぺニスには触れず、またするすると胴体の方へと戻っていった。
拍子ぬけしたような表情のアダム。背後ではゲルダがくっくっ、と笑いを押し殺していた。
「……毎回同じ手に引っかかるな、お前は」
「があぁう! ぐぉ、があっ! ぐるるる」
からかわれているのに気づき、アダムが顔を真っ赤にして吠え立てる。しかしゲルダは臆するどころか目を細め、ベッドに垂れている鎖を引っ張った。
「きゃんっ……」
軽く引いただけだったが、怒っていたアダムに上下関係を示すには十分だった。彼は一瞬で声をひそめ、しゅんと眉尻を下げる。それを見て満足そうにうなずくと、ゲルダはこっそりと手の方を動かす。
「きゃぁんっ!」
「こっちの方はどうだ? んん?」
両の乳首をつままれた瞬間、アダムが切なげに鳴いた。ゲルダはひとしきり強めに左右の突起をつねると、今度はゆっくり焦らすように弄っていく。指先で弾いてやると、アダムの声が焦れたように低くなる。
「ぐ、ぐるる……っ」
「よーしよし。"待て"ができたら、ちゃんとご褒美をやるからな……」
ゲルダはアダムの背にもたれかかり、頭の獣耳にささやく。そして相変わらず乳首を弄りながら、獣耳をはむっとくわえ、ついでに鼓膜へ息を吹き込む。アダムがもだえながら叫び声をあげた。
「~~~っ、がぁっ、がるるっ!」
「ふふ、お前はついついイジメすぎてしまうな……んっ……」
恥ずかしげに鳴いたアダムへ、ゲルダはまた口づけをする。犬も人も信頼を示すキスという行為によって、アダムが単なる玩具ではなく、ちゃんとパートナーとして見ていると伝えるのだ。
……とはいえ、アダムの我慢も限界が近づいているようだった。まるで触れてもらえない男根はひっきりなしに脈打ち、涙のようにカウパーをこぼしている。ゲルダの腹に振り回された尻尾が当たり、口を離すとアダムの顔は火照り、真っ赤になっていた。
(……ぼちぼち、次の段階に進めるか)
そう思ったゲルダは、パッと体を離す。ポカンとして見つめるアダムを見て少し微笑むと、彼女はゆっくりと、自身の服に手をかけた。
――
……その頃。
「……キス、上手くなったね」
「わんっ! ……ちゅっ、ん、ちゅるっ……はぁ、はむ、んん……」
「ん……んちゅ、ちゅぱ、んむ……ぷぁ、ぁむ、んっ……」
アニとラルフも、ゲルダたちと同じように睦み始めていた。しかしこちらは一方が一方を焦らすゲルダたちとは違い、向き合って熱っぽい口づけを交わしている。アニが相手の頭に、ラルフが首にそれぞれ手を伸ばし、互いで引き寄せ合うようにして深く長いキスをする。
目を閉じて唇を重ね、互いの舌を突き合わせる。ラルフの犬特有の長い舌を、アニの舌が器用に奥へと導き、優しく吸う。生温かくくすぐったい感触に、ラルフは思わず背を震わせた。
しかしラルフも負けてはいない。相手の口内へ取り込まれた舌を懸命に動かし、アニの舌、歯の裏、上顎までなめ回す。アニもぞくぞくと体を震わせ、ぎゅっとラルフを抱きしめた。
……しばらくして二人が口を離すと、互いの舌に透明な橋がかかる。アニは優しく微笑むとラルフの頭を撫で、自身の服を脱ぎだした。
白衣を取り、ベストを取ってブラウスのボタンを外すと、やがてブラジャーに包まれた丸みのある乳房があらわれる。水色の下着をはぎ取ると、Dを越えようかという大きさのふくらみが飛び出した。行儀よくお座りしながらそれを見つめていたラルフだったが、アニが腕を広げて迎え入れるポーズを取ると、とんでもない速さで胸に飛び込んだ。
「きゃっ……ふふ、しょうのない子ねぇ」
「わふぅ……くぅん」
「いいよ……おっぱい好きだもんね……」
乳房に顔を埋めるラルフを、アニはゆったりと腕で包む。幼子を抱くように、アニの手が相手の背をなぜる。
本来、犬ならば乳房にはそれほど興奮しないはずだが、じっくりと教え込めば別だった。子供の頃から女性の胸が特別な部位だと吹き込めば、繁殖可能になる頃にはすっかりこの異性の柔らかいふくらみに魅了されてしまうのだ。
求愛して体を密着させるラルフを見てアニは少し笑い、上からイタズラっぽく呼びかける。
「じゃあこっちにもチューしてみよっか?」
「…………」
ぽーっと上気したラルフが顔を上げると、目の前に乳房がぐいと突き出される。彼の口元に、つんつんと触れるもの。
若々しく上向いた、桃色の乳首。誘うように固くふくらんだそれを、ラルフはうっとりと見つめ、やがて赤ん坊のように口に含んだ。
「あっ……あ、んん」
「……っ、ちゅっ……んむ」
音を立てて夢中に吸い付くと、アニの口から艶のある声が漏れる。ギュッと抱きついて熱っぽくねぶるラルフを、いとおしげにかき抱いた。
「……おっぱい美味しい? あ、はんっ、ぁ、うぅ」
「はっ……はっ、わふ、くぅん」
ラルフがそっと乳首を甘噛みすると、アニの背筋がびくんとわなないた。幼いなりにその反応が悦んでのものだと分かるのか、ラルフの視線にさらに強く欲望がにじんでいく。いったん口を離し、反対側の乳首に吸い付くと、跡の残る乳房をがっしりと掴んだ。
「ひゃんっ!」
アニが驚きのまじった嬌声をあげる。驚いてあわてて力をゆるめ、やわやわと乳房を揉むラルフを、微笑ましそうに見つめる。
ラルフの優しさからくる気づかい。しかし同時に、彼の獣欲が限界に近づいているのが、アニにも見てとれた。乳首を吸い、あるいは乳房を揉むその下では、ラルフの膨張したぺニスがアニの股間にぐりぐりと押しつけられている。
アニの下半身はスカートも下着も変わらず身につけていた。にも関わらずラルフは欲求に突き動かされるようにカウパーまみれのぺニスを擦りつける。かくかくと腰を動かし、充血した男根をくっつけられたスカートには、鈴口から漏れた体液がべっとりとついていた。
「はぁっ……はぁっ……」
乳首を吸うのをやめ、胸と言わず腹と言わずアニへと顔を擦りつけるラルフ。性技の精彩を欠き、上目遣いに見つめる彼を見返し、アニは愉しげに微笑んだ。
一つになるのを求めてやまない、夢中な少年の目つき。それを見て彼女は自身のスカートをそっと下ろしにかかる。
しかし同時に、むき出しになる下半身に反射的に挿入しようとするラルフの頭を、ぐいと押さえた。
「……まだダーメ。私の方も気持ちよくして」
「……くぅん」
ラルフは泣きそうな顔で声をあげたが、首輪の鎖を持たれるとシュンとした様子でうなずいた。
そしてアニはあらためてスカートと下着を脱ぎ、ベッドの縁に腰かける。その前にかしずくようにしてラルフが四つんばいになると、彼の目の前に、アニの一番大事な部分がさらされる。
両脚の間に存在する、なだらかな丘。陰毛はすっかり剃られ、白くなめらかな肌が光っている。そしてアニが足を広げたその中心部には、無垢を思わせる白い肌に続いて、異彩を放つ裂け目があった。縦向きの唇のような形で、わずかに開いた裂け目からは、赤く充血した肉感的な内部が見える。そこからは既に、透明にきらめく愛液がとめどなく分泌されていた。
「へっ、へっ……」
ラルフは頬を染め、浅い呼吸を繰り返しながらその女性器に顔を近づける。物欲しげに勃起したぺニスへ手を伸ばすが、すんでのところで思い留まった。
自らの快楽を抑制し、奉仕する姿勢。それを見下ろしながら、アニは満足感と庇護欲と、それから征服感も合わさった極上の妙味を噛み締めていた。
――
「ふぐうぅ、がるっ、ふぅん、うぅっ」
「ふふ……そうだ。しっかり舐めろ……んんっ」
一方、ゲルダとアダムは少々過激なプレイにいそしんでいた。アダムはベッドに背をあずけて寝そべり、その上にゲルダが乗っている。ゲルダは上半身が下着のみ、そして下半身が裸というかっこうで、あろう事かさらけ出された秘所をアダムの顔に押しつけていた。
「ちゃんと私を悦ばせなきゃ、やめてしまうぞ? このまま生殺しにされたいか?」
「きゃぁん、ふぶっ、ぁむ、ぐるるぅあ」
アダムの腹に手をつく形で、ゲルダは相手の顔も見ずに性器を押しつける。黒く濃い毛が整えられた秘所からは、むわりとしたメスの性臭と粘液があふれている。ゲルダの見つめる先でアダムが腰を浮かすたびに、ぺニスがぴょこぴょこと跳ねた。
「あんまりイジワルしたら可哀想じゃないですか?」
「お前もそう言いながら、なんだかんだ焦らしているじゃないか」
「えへへ、確かに」
話しかけてきたアニと笑いあうゲルダ。アニの方はといえばベッドに座ったまま全裸になり、ラルフに秘所をなめさせていた。ラルフは命令されてか両手を背中に回し、舌だけを動かして必死に主人の性器へ媚びる。
「やっ、あんん。そう、上手上手……」
ラルフがぴちゃぴちゃと舌を這わせると、アニは悩ましげに腰をよじり、甘い吐息を漏らした。潤んだ裂け目へ犬の長い舌がもぐりこんだ瞬間、ラルフの鼻先が、ピンと勃起したクリトリスに触れた。
「はぁんっ!」
アニが背筋をそらして嬌声をあげる。そして驚いたラルフの顔を、ぎゅぅと太ももで挟み込んだ。
「そこ、そこもっとシて。一番イイとこ、ペロペロってぇ」
「ふぐ、む……くぅん」
要求が少しストレートになり、アニは脚を使ってラルフを秘所へと引き寄せる。白くしなやかな脚で頭を押さえこみ、性臭と分泌液のあふれる場所からラルフを逃れられなくさせる。
「きゃぁうん……くぅん、はむ、んん……んっ!」
「あ、あっ! そう、そこっ、思いっきり舐めて。ずっと欲しかったの。ずっとガマンしてたのぉっ!!」
体をブルブルとわななかせ、アニは自らの性欲を告白する。その瞬間、ラルフの顔にぷしゃっと音を立ててしぶきが飛んだ。
頬を赤らめ、陶然として天井を向くアニ。それでも彼女はなおラルフを秘所に引き寄せ、手で頭を押さえてまで奉仕を要求する。
「……ほら見ろ。最初から素直になればいいんだ」
アニが乱れるさまを横目に見て、ゲルダは苦笑いする。そして彼女はふと上体を後ろへかたむけ、両手をベッドにつくと、たたんでいた両足をグッと前方に伸ばしはじめた。
体重のかかり方が変わり、女性器の下でアダムが目をしばたかせる。しかし、その目はすぐに驚きで染まった。
「ぎゃうんっ!!?」
アダムが鋭い悲鳴をあげる。ゲルダの足先が、彼のぺニスを挟み込んだのだ。左右十本の指で竿を上下になで回すと、アダムが面白いくらいに悶える。
「ぎゃうぅっ、きゃんっ、がう、があぁっ」
弱々しい声でわめき、体をさいなむ快楽から逃れようと必死に四肢をばたつかせる。しかしそれは虚しい抵抗でしかなく、ゲルダは鼻唄まじりにアダムの分身を足指で擦り、あるいは足裏で左右から締めつける。
カウパーでテラテラと光る竿を、ひねりを加えて振り回してやると、竿はぶるぶるとしなり、固く張りつめた。
「ふぅーーっ……ぐううぅ~~っ……」
女性器の下にいるアダムが、今までにないほど低いうなり声をあげる。成熟したメスの匂いは、犬にとって交尾のトリガーである。今のアダムとラルフは言うなれば、『今すぐエッチしよ♥ エッチしよ♥️️』みたいなセリフを耳元で延々とささやかれつつお預けを食らっているような状況なのだ。
「おお、金玉が縮んでいる。これはそろそろかな……?」
にも関わらず、ゲルダはカウパーを漏らす亀頭の部分を弄ったりなどして愉悦の笑みを浮かべている。その時ふと、隣でトスンとベッド上で物音がした。
「……ふふ、じゃあお待ちかね。こっち来ていいよ……」
ゲルダが見ると、全裸のアニが仰向けになり、両腕を広げているところだった。それに迎えられるように、ラルフが四つん這いになって覆い被さる。
ラルフの目は純真な少年の目から色欲に染まったそれに代わり、ある一点をジッと見つめている。今までの奉仕で濡れに濡れた、アニの秘所。脚を広げてさらけ出されたそれは愛液で泡立ち、パクパクと内部を蠢かせている。
「……へっ、はっ、はっ……」
ラルフはもはや目の焦点すら合っておらず、花に誘われる虫のように、勃起しきった自身のぺニスをアニの秘所にあてがう。
ぴと、と先端が触れると、彼は一瞬だけ躊躇する。しかしそんな彼へ、アニは後押しするようにささやいた。
「遠慮しなくていいんだよ……。今は、ラルフがご主人様なんだから」
「……っ!」
その言葉を聞いた瞬間、ラルフの目の色が変わる。そして小振りのぺニスを、アニの裂け目へぐいと突き込んだ。
「んんっ!」
アニが小さく悲鳴をあげ、体を震わせる。同時にラルフも背をそらし、目をきつくつぶる。彼のぺニスは、先っぽがちょうど潜ったところだった。
アニは息を整え、自身の秘所を割り開きながらこう促した。
「入ったぁ……ほら、そのまま奥まで……あ、はぁっ……」
言われるがままに、ラルフは腰を前に押し出す。ぺニスがずぶずぶと沈み込み、根本まで包まれた頃には、ラルフは腰砕けになっていた。
そしてほどなくして、彼は力なく上半身をアニへと倒した。
「……ちゃんと挿入できたね。偉い偉い」
「くぅん……」
弱々しく鳴いて抱きついてくるラルフの背中を、アニは優しく撫でてやる。二人は数秒ほどそうしていたが、乳房に顔を埋めているラルフへ、アニが誘惑するような声でささやいた。
「じゃあ……動いてみよっか。赤ちゃん、産ませて……?」
「……っ! ぐるるぅっ!!」
アニに言われた瞬間、ラルフが抱きついたまま膣の最奥までぺニスを突き入れた。そして人が変わったようにみるみる激しく腰を振りだす。
「やっ……あはっ、ああぁん!」
アニが高い嬌声をあげる。本能のためか、それともそう仕込まれたのか、ラルフは少しも躊躇せずに何度もピストンを繰り返した。子供の体にも関わらず、腰をぶつける度にばちゅんばちゅんと乱暴な音が鳴り、アニの体が突き上げられる。
「あぅ、そっ、そうそうっ。そうやって、思いっきり……やぁんっ!?」
額に汗をうかべて悦びに浸っていたアニだったが、不意にがくんと顔を後ろへそらし、切なげに眉根をよせる。
「ちゅっ……ん……」
ラルフが、目の前のアニの乳首に吸い付いたのだ。性交まで始まり、アニの感度は先ほどよりさらに上がっている。ラルフが夢中になって突起を吸い、ねぶる度に、アニは堪えきれないという風に身をよじる。
「ラル、フ……っちょっと待って、あ、あんああぁぅやあっ!!」
「がうっ! がうぅっ!」
アニはなだめようとするが、ラルフは止まらない。眼前にある乳房をためらいなく嗅ぎ回し、杭を打つように何度も強く腰を振った。相手を逃がすまいとしがみついたまま、下半身がまるで別の生き物のようにアニの体内を蹂躙する。
もはやラルフには、最初の大人しい面影がまるで無かった。本能に突き動かされ、無我夢中に目の前のメスに種を注ごうとするその姿は、一匹の獣。首輪はもはや意味をなさず、持つ者のいない鎖がジャラジャラと、彼の動きに合わせて宙を舞う。
「……おやおや、大した盛り上がりだ」
アニたちの様子を見ながら、ゲルダはくすくすと笑いをもらす。その時、彼女の下で誰かがモゾモゾ動く感触と、か細いうなり声があった。
「……ぅぅ~……ぐるっ……」
「……おや?」
それに気づいたゲルダは、下を見てその主に気づいた。アダムが股につぶされそうになりながら、泣きそうになっている。少々やりすぎたか、と彼女は腰を浮かせる。
「ぎゃああおぅっ!! ぎゃん、ぎゃあんっ!!」
解放されたとたん、アダムがけたたましく吠える。今までさんざん焦らされ、性感をあおられたせいで、全身が見て分かるほど火照っている。おまけに隣では、アニとラルフの情事がはじまっているのだ。
我慢がきかなくなったアダムのぺニスは真っ赤になって脈動し、赤らんだ顔には涙が浮かんで、ゲルダのこぼした愛液とまじり光っていた。
「いやーすまんすまん。楽しかったんでつい、な……」
「わんっ!! がるる、ぎゃおっ、ぎゃわんっ!!」
笑って形だけ謝るゲルダだったが、アダムは噛みつきそうな勢いで吠えたてた。『犯してやる』、彼の目にはそんな過激な意思さえ宿っていた。いや、彼にもう少し理性が欠けていれば、間違いなくゲルダに襲いかかっていただろう。
しかしそんなアダムを、ゲルダは今度は向かい合わせの姿勢になって押さえつける。アダムの腹に荒々しく尻を下ろし、上から上体を倒して間近に相手を見下ろす。
「わぎゃっ!?」
そして、牙をむいているアダムの口へ親指を突っ込み、頬を引っ張りながら言った。
「……つまらん反抗をするな。とっておきのご褒美をあげようというのに」
「あ、あぐ……」
「そうだ。どうせならこれを脱いでおこう」
もどかしそうなアダムを尻目に、ゲルダは上半身にそのままになっていたブラジャーを取る。するとその下から、Cカップに届くかどうかというくらいの乳房があらわれる。薄茶色で少し大きめの乳輪と乳首が、熟れかけの色気を放っている。
それを見たアダムは目を見開き、ゲルダの胸へと腕を伸ばす。しかしゲルダはそれを静止し、片手でアダムの両手首をつかんでベッドへ押しつけた。
「きゃぁん、ぐぅ……」
アダムがねだるように声をもらす。しかしゲルダは意地悪そうに目を細め、残った手で先ほど外したブラジャーをかかげた。
「…………?」
「大人しくしていろよ……そらっ」
「!? わん、わうっ!」
アダムが困惑しているすきに、ゲルダは相手の腕にブラジャーを絡みつかせる。そしてワイヤーでぐるぐる巻きにし、あっという間にアダムの両手を縛ってしまった。
「ふふん、これで抵抗できまい」
「わ、わおんっ! きゃんっ!」
驚いてアダムはじたばたと身をよじったが、腕はバンザイのまま固定され、胴体はゲルダにのしかかられている。そして天を向いたむき出しの弱点が、今まさにゲルダの秘所にあてがわれようとしていた。
「ほれ、どうした……? 約束通り交尾してやろうというんだ。もっと嬉しそうにしろ」
濃い陰毛でもって亀頭をくすぐりながら、ゲルダはアダムをジッと見つめる。しかしアダムは恥ずかしげな、どこか怒っているような目で見つめ返す。
仮にもオスでありながら終始いいようにされる屈辱感。それにいくらか興奮しつつも、彼は素直に服従できなかった。男根はあからさまに準備をしつつも、心のどこかで反抗心がくすぶる。言葉にできずとも、アダムの胸中にはそんな心理が渦巻いていた。
「そー……れっ!」
「っ!? きゃうぅんっ!!」
ところが、ゲルダはそんな心境など知りもせずに腰を下ろす。アダムの長いペニスが、少しずつゲルダの体内に呑み込まれていく。
「くっ……ん、はは。毎回キくなぁ、この瞬間は」
「はぁっ、はぁっ……」
アダムがぽかんと口を開け、細かく体をわななかせる。そうしているうちにペニスは膣内へ膣内へと吸い込まれ、あっという間に一つになってしまった。根本まで咥え込んだゲルダが、さらりと髪をかきあげて言う。
「さて、まだまだ昇天してくれるなよ。これからが本番なんだからな」
「きゃぅっ、きゃん、きゃぁん」
か細く鳴き、イヤイヤするように首を振るアダム。頬を染めて歯を食いしばるその姿は、見るだけで限界が近いと分かる。
しかし、ゲルダはそれでも腰を引き上げ、ばちんと下に打ちつける。そしてみるみる容赦ない腰振りをはじめた。
「そらっ! どうだ、ご主人様の中はっ!?」
「あっ、ああぅ、きゃわ、んんんっ」
もはや鳴き声とすら言えない声がアダムの口から漏れる。手慣れた腰使いでペニスをなぶられる度に、アダムの脚がパタパタと宙を掻く。快楽を逃がすすべを与えないまま、ゲルダは止まらぬどころかペースを増して根本から先までペニスをしゃぶりつくす。
「どうした? 下から突き上げるくらいしてみたらどうだ、ん?」
「……っ」
ゲルダの煽りに、アダムはもう返事すらできなかった。悔しげに歯をむき、かたく目をつぶるばかり。ペニスを呑み込んだ腰をゲルダがゆっくりと回すと、つながったアダムの腰まで回りだす始末だった。
「……ふん。普段は生意気でも、こうなると形無しだな……。ほら、こっち向け」
ゲルダは体を倒し、アダムに顔を近づけてささやく。アダムがにらむようにして振り向くと、頬をささえて唇を奪った。
「はぁむっ……くぅあんっ、きゃん」
「ちゅ……ん、んん……ぁむ」
ゲルダは相手の唇を吸うようにして、長く口づけする。アダムは最初こそじたばたと抵抗していたが、すぐに脱力してされるがままになった。一度口を離し、再度ゲルダがキスをすると、アダムも犬の長い舌をのばし、自分から絡めていく。目はとろりとまどろみ、オスとしての意地が消えかけているのが分かった。ゲルダを抱きしめたがっているのか、縛られた両腕を盛んによじっている。
しかし、ゲルダはそれに構いもせずに腰振りを激しくしだした。浅く、深くと緩急をつけたピストンに見舞われ、アダムの手足がビクンと震える。ゲルダは相手の乳首を軽く弄りつつ、意地悪そうにささやいた。
「悪いが主導権は渡さないぞ? どちらが主人か、忘れてもらっちゃ困るからな」
「あぐぁ、きゃん、くぅうんっ」
アダムはもう吠えたりせず、甘えて媚びた声をあげる。快楽を求め、少しでも早く搾りとられるべく、管理された飼い犬にふさわしい行動を取りはじめる。
その時、上機嫌で動いていたゲルダは体内にある感触をおぼえた。
膣道の入り口あたりで、何か固いものがふくらむ感触。スムーズにピストンしていた膣が、急に何かが詰まったようにペニスから離れなくなる。
「きゃう、きゃいぃんっ」
(……もう、ここまで来たか)
相変わらず鳴いているアダムを見ながら、ゲルダは自身の腹をなでた。今起きているのが
『亀頭球』、犬や狼に備わっているその特殊な器官は、ペニスの根本に見る事ができる。人間にはないコブのような膨らみで、交尾にともない射精する直前で大きくなり、メスの膣をふさいで栓をする役割がある。アダムたちもそれを持っており、毎回、射精の時にはゲルダもアニもすぐに分かるのだ。
「あああぁっ!! 膣内で、おっきく……っ! あっ、やんぁ、おっおんん!!」
その時、アニが今までにない叫び声をあげる。ゲルダが見ると、アニは猛然と腰を振るラルフにしがみつき、脚までからめていた。ラルフの尻尾がちぎれそうなほどに振られ、ペニスが突き込まれるたびにアニは『あっ』『おっ』『ひんっ』と面白いくらいに声をあげる。
向こうも、終わりが近いのだろう。そう思ったゲルダはまたアダムに顔を近づけ、こんな事を言う。
「……いいか、ラルフより耐えてみせろ。これは命令だ」
「くぅん……くん」
「お兄ちゃんなんだから出来るだろ……それっ!」
「っきゃん! ぎゃんっ!!」
そう言った瞬間、ゲルダはアダムに覆いかぶさって鋭く腰を動かした。自分の下の相手を押さえ込み、膣内を締め付けて限界直前のペニスを追い込む。こういう時は亀頭球でぬけなくなっているのが便利だった。
「……はふ、ひん、っ……」
アダムは今にも達しそうになりながら、涙目でアニとラルフの様子を見守る。彼らがフィニッシュを迎えれば自分も我慢せずに済むのだ。そう思っている彼の前で、ラルフの動きはいよいよ激しく強くなってくる。
「あ、イッ……いく、いっいっい、やあああ!」
しがみついて声をあげるアニは、とてつもない獣欲が体内で爆発しようとするのを感じていた。栓をしたペニスが、決して抜ける事なく敏感な膣壁をぐりぐりと圧迫する。そうしているうちに、陰茎がドクドクと脈動し、大きくなっていった。
「きゃっ!!」
アニがまた悲鳴をあげる。ラルフがまるで我を失ったかのように、アニの首筋に噛みついたのだ。力のない甘噛みではあったが、その痛みとくすぐったさとが、かえってアニの性感とマゾヒズムを刺激する。アニはラルフの頭をなでながら、すぐそばの獣耳へとささやく。
「……いっぱい出して……ご主人様」
「!……っ、すきっ、あにっすきぃ……」
アニの言葉に、ラルフは乏しい語彙でもって答える。直後、ついに彼の欲望が、アニの中ではじけた。
「あっ……ああああああぁぁッ!!!」
アニが体を弓なりにして悶える。勢いのいい精液が、栓をされた膣内にどぷどぷと止めどなく流し込まれていく。
犬の射精は長い。短くても三十分、下手をすれば一時間はかかる。それをアニはこれからつながったまま味わう事になる。
……一方、ラルフが昇天したのを見て、アダムがゲルダへと向き直る。その目はこちらも射精したいと懇願していた。
それを見たゲルダは微笑み、アダムの腕を拘束するブラジャーのホックを外してやった。手が自由になったアダムはがばりとゲルダを抱きしめ、腰を浮かせてめいっぱいペニスを奥へと侵入させる。少しでも性感を高めようとする動きは、しかし、まもなく終わってしまった。
「きゃあぁうんっ!!」
「くっ……んっ!」
甲高い鳴き声とともに、アダムもあえなく我慢が決壊する。びゅるっ、びゅるる、と濁った音を出しながら、ゲルダへ遺伝子を大量にポンプする。薬で妊娠しないのも知らずに必死になっているアダムを見ながら、ゲルダはくすくすと笑った。
「きゃはっ……あんっ!」
まもなく、ラルフがぐるりと体を半回転させ、正常位からアニへと尻を向ける姿勢になる。犬が尻を付き合わせる尾結合という行為を、本能で真似ているのだ。
そして、ゲルダも姿勢を変えてアダムへ尻を向ける。アダムはどうにか尾結合をしようとして、下敷きになったまま下半身でもがいていた。
ゲルダとアダム、アニとラルフ。互いに関係性は異なりつつも、四人はもれなく交尾の余韻にひたり、これから何十分かにおよぶ射精の時間を、呆けた顔で待っていた。
――
「……そういえば、先輩」
「んー?」
「結局、女の子の獣人って造るんですか?」
……一週間後、アニは研究所を並んで歩いていたゲルダへ、そんな質問をした。例のアダムとラルフに続いての、メスの個体を造るという話である。
ゲルダはアゴに手をそえ少し考える。オス二人がいるとなればメスの研究は妥当だろう。しかしそうなると、必然的に次世代についての研究もついてくる。
すなわち、雌雄がそろえば交尾もさせてみようとなるのが普通である。
しかし、そうなればゲルダとアニが"発散"させる必要もなくなるのではなかろうか。仮にメスの個体が犬にならった発情期を受け継いだなら、もう人間の女性に近づかない限り、万年発情期の生物にも、欲求不満にも悩まされずに済むのだ。
……ゲルダたちがアダムらと交尾する事も、なくなる。
ゲルダはアニへと向き直り、答えた。
「……もうしばらくは、いいだろう」
「ですよねっ!」
アニも笑って答える。そして二人は、アダムとラルフが管理されている部屋へと急いだ。
……また、例の"発散"をさせるために。