※この作品はR-18です。

そっくりなアイツ リターンズ   作:もっち~!

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漸く気づいた新一

 

---鳥居亜樹---

 

後ろに夏美を乗せ、バイクで移設先に向かった。神社は山の上にあった。天辺を削り平らにした感じである。周囲は神代家所有の森で、周辺の人達から鎮守の森として崇められているそうだ。

 

「静かで空気がさわやかだね、おにいちゃん」

 

「水も美味しい。問題は街から遠いなぁ」

 

こんな霊験新たかな場所だと、俺の煩悩というか妄想が浄化されてしまいそうだ。

 

『どうだい?』

 

「神主の神社ってこんなだっけ?」

 

『あそこがいいの?』

 

「麓に元温泉旅館があるといいなぁ」

 

『う~ん、あの時と時の流れが違うから、あやかし者はいないけど…』

 

「ダメ?」

 

『相談してみるよ』

 

◇

 

相談してくれた結果。佐田家の保有する元温泉旅館を1つ貰え、その裏手に離れを移設することにした。この旅館の裏山を越えると、あの神社があるらしい。門前街にあたるようだが、寂れた街に変わりは無い。

 

「おにいちゃん、食事はどうする?」

 

近くにコンビニが無い。ひなびた温泉地である。隣町に行けば、ガソリンスタンドもコンビニもあるが…

 

「バイクで小まめに買い出すか…」

 

離れを移設し、蔵も移設して、離れの裏に小さな神社を建立した。名も無き神社である。ご神体は神主に用意して貰い、毎朝、お詣りをする。温泉旅館の駐車場だったスペースにはガレージを移設して、車の整備を出来るようにした。

 

が…夏美と二人では生活が回らない。温泉の掃除と、元旅館としてたくさんの部屋の掃除…手が足らない。これ、アカンだろ?人生の選択を誤ったか?

 

そんな誤った人生に悶々としていると、蘭が越してきた。未だに、父親と元カレに認識されていないそうだ。

 

「私が見えない人達よりも、私をかわいがってくれる人の方がいいでしょ?」

 

かわいがる…その言葉からエロさを感じる俺は異常だろうか?まぁ、蘭に家事をしてもらえれ生活は回りそうだ。

 

 

 

---佐藤美和子---

 

行方不明だった容疑者の娘が死んでいた部屋には棺の様な箱があり、中には頸動脈を切られたと思われるミイラ化した遺体が見つかっていた。DNA検査の結果、あの事件の際に見つかった血痕と、ミイラ化した女性とDNAが一致した。

 

「そうなると、あのミイラ化遺体は、行方不明だったもう一人、アシスタントの女性だな」

 

事件は鳥居家の長女である晴美の犯行で、犯人死亡のまま送検をしようとした矢先に、妙なことが分かった。あの女優と晴美が親子関係なのはわかるが、アシスタントの女性とも親子関係があり、晴美とアシスタントのDNAを比較すると、一卵双生児であると分かった。

 

「どういうことだ?あの女優には娘が三人いたのか?」

 

事件当時のDNA検査では、長女と夏美ちゃんとは種違いの姉妹と認定されていた。戸籍には娘二人分しか載っていない。まさか、アシスタントの女性は、長女の影武者をやらせて、戸籍には載せてなかったというのか。

 

悩む目暮警部。犯人を特定出来ないようだ。戸籍に無い方が犯人の可能性もあるからだ。

 

「鳥居家の闇は深いな。迷宮入りしそうだ…」

 

生き残っている亜樹君、夏美ちゃんに訊いても、初動捜査時でも母屋の家族関係は分からなかったそうだ。完全に別家族扱いだったらしい。

 

 

 

---江戸川コナン---

 

服部が殺人未遂をやらかしたそうだ。何をしているんだ、アイツは…出所したアイツが言うには、俺が悪いと言う。俺がアイツに鳥居亜樹に痛い目に遭わせて欲しいと頼んだと言う。そんなことを俺が言うかよ。なんで、鳥居亜樹なんだ?アイツは俺にソックリなだけで、人畜無害のはずだが…俺の記憶の一部に靄がかかっている感じがする。何を俺は忘れてしまったのか?考えろ、俺…そう言えば、なんで俺は小五郎のおっちゃんの家に居候しているんだ?俺の家は別にあるのに…手がかりを探すか。

 

俺の部屋を調べるが、特に手がかりが無い。隣の部屋に忍び込み、調べてみると、女性の部屋のようだ。開けた引き出しには女性物の下着が…誰だ?たぶん、この女性を護る為に俺がここにいる気がするが、全く思い出せない。誰に訊けばいいんだ?

 

「おい、小僧!何、俺の娘の部屋で、下着鑑賞をしているんだ?このませガキがぁ!」

 

お約束である頭頂部に拳骨を貰い…

 

「そう言えば、最近、蘭の姿をみていないな。ませガキは、どうだ?」

 

小五郎のおっやんに訊かれた。そう言えば、蘭の姿をしばらく見ていない…そうだ!蘭だぁぁぁ~!なんで、思い出せなかったんだ?

 

◇

 

変声機を使い、工藤新一の声で、妃弁護士へ連絡をした。

 

『蘭がいない?今更気づいたの?とんだ迷探偵くんねぇ』

 

妃弁護士の声が呆れているようだ。

 

『で、今更、蘭に会いたいと?』

 

「なぁ、蘭に何があったんだ?」

 

『あんなになるまで蘭を放置しておきながら、どの口が心配そうに言って居るの?』

 

今度はお怒りになっているようだ。

 

「蘭の居場所は分かっているのか?」

 

『えぇ、心配しなくても大丈夫よ。蘭は元気だから。それよりも必要な時に役立たないんだから、もう娘には近づかないでね?』

 

通話が一方的に切られた。必要な時って、なんだ?スマホをチェックすると、

 

『もう空気になりたいよ…新一、どこにいるの?』

 

そう…蘭からの最後のメールに書かれていた。

 

 

 

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