---江戸川コナン---
「蘭ちゃんの行方はまるで手がかりがないので、鳥居亜樹の行方を調べてみたら、佐田リゾートの新しいホテルの裏に住んでいることがわかったよ」
探偵として世良を雇った。服部は監視付きで身動きが取れないようだ。服部が軽く殴ったら、亜樹がよろけて、柱にぶつかり、当たり所が悪かった為の事故として処理をされ、殺人未遂から傷害に罪が減刑された上、初犯なので、警察庁の牢屋生活で済んだらしい。府警のお偉いさんの息子は特別待遇のようだ。そもそも事件にしてしまうと、警察が叩かれる要因にもなるしねぇ。
そして、俺は世良のバイクの後ろに乗り、蘭の元へと向かった。
「おかしいな。地図がまるで役立たないなぁ」
地図には無い道がたくさんあり、道路から見える景色は木々ばかりで、ランドマークが無く、頼りは太陽の位置だけとは…
「今日中に辿り着くはずが…」
まるで潜入者を惑わすような道路である。
「どうしようか?キャンプが出来るスペースも無いよ」
流石の世良もお手上げ気味である。
◇
世良の叫び声で目を覚ました。おれ、いつもの間にが寝てしまったのか?
「止めて…お願いだよ。本当にしらないんだよ」
世良の痛々しい声が聞こえる。声の方を見ると、修験者姿の者達が取り囲んで、何かを見ていた。全裸の世良のようだ。
「どこの手の者だ?言え!いわぬなら、日の目は見られなくなるぞ」
「本当に知らないんだよ」
「おい、もう一度付けてやれ。体内にしっかりと揉み入れろよ」
樽の様な物に世良が入れられて、全身をマッサージされているようだ。
「知らない…知らないよ」
樽から引き上げられた世良の目は死んだ様な目だった。首には首輪を装着され、どこかへ連れて行かれた。ここはどこだ?
「あのガキはどうしますか?」
「警察に引き渡せ。坊主じゃ役に立たぬからな」
口に薬品を染みこませた布が…
◇
次に意識が目覚めると、高木刑事の車の中だった。
「何をしているんだよ、コナン君」
「え?蘭ねえちゃんを探しに…」
「蘭さんなら、佐藤刑事が一緒だから、安全だよ。兎に角、警視庁に戻ろうな。あそこはアンタッチャブルなエリアだからね」
アンタッチャブルなエリア?どことなく、高木刑事の顔が強ばっていた。
---世良真純----
「真純、大丈夫?」
「大丈夫…かな。毎日、オークとするのが辛かったけど…」
母さんの組織が交渉をして、私は助けられた。ある条件を呑むことで…
「私達親子は、この地でいきることになったわ」
佐田リゾートの上層階にあるスィートルームであるようだ。母さんの言葉によると、母さんの組織の所有者と私を捕らえてた組織のボスが手を結んだそうだ。私たちは、この地での守護活動をすることになった。
「まぁ、私にとっても悪い話では無いし。妹夫婦がこの地に宮野医院を開業するのよ。あなたの従姉妹達と一緒に暮らせるわ。」
「従姉妹?私は会ったことある?」
「無かったかしら」
「私は何と敵対したの?」
「世界の宗教を統べる一族…敵にしていは行けない一族よ。と、言っても彼らが護る者は信仰では無い。説明は難しいかもしれない。そうそう、真純、あなたは巫女の儀式を受けてから、彼以外の他の男性とは交われない」
「彼って誰?」
「いずれ、分かるわよ」
---鳥居亜樹---
うちの前に『宮野医院』と言う医院が開業した。俺の頭を心配した夏美が神代家に「医者が欲しい」と要望を出したそうだ。まったく心配症である。宮野エレーナという女医さんで、旦那さんの厚司さんが薬剤師で娘さんの明美さん、志保さんが看護師だという。
寂れた温泉街が復活して、普通の街になる日は近いかな。
来週の週末、佐田リゾートが開業するそうだ。それに伴い、来生、安芸桜記念美術館もオープンだと言う。佐田リゾート駅と、ここ寂れた温泉エリアは直接繋がっていなくて、リゾートホテルの渡り廊下または、美術館のバックヤードからで無いと、出入りが出来ない。この寂れた温泉エリアは私有地扱いであり、ホテル、美術館の関係者しか立ち入りが出来ない。但し、あの山頂神社行きのバスでなら、喫茶店前で下車すれば来られるそうだ。セキュリティー上の都合だと言う。
「ただいま」
懐かしい声が聞こえ、玄関に向かうと、麻衣が一人の少女を連れて、帰ってきた。
「お帰り」
麻衣と抱き合う。撮影で長く離れていた麻衣。久しぶりの感触である。
「ねぇ、この男がお姉ちゃんの?」
うん?お姉ちゃん?
「あぁ、紹介するわね。この子は私の義妹の豊浜のどかよ。一応、現役高校生アイドルなんだよ」
未だにTVが無い我が家では、アイドル情報は皆無である。
「よろしく、俺は鳥居亜樹だ」
崩れていない左側面を前にして言う。
「ほんとうだ。現役高校生探偵にそっくりなんですね」
って…その現役高校生探偵って、そんなに有名人なのか?