---江戸川コナン---
先生とはぐれ、街中を彷徨う。子供姿ではホテルに泊まれないし。どうするかな?
「あれ?コナン君じゃん。どうしたんだい、一人で。まさか迷子か?」
意外な人物世良に声を掛けられた。その隣には世良の母親が…えっ?元の姿に戻っているし。
「誰と来たのかな?蘭ちゃんと妃先生は昨日から来ているしなぁ」
蘭と来たことに出来ないようだ。
「ジョディ先生と…」
「なるほど、小さなナイト君か。迷子センターに連れて行ってあげるよ」
駅に併設された迷子センターに連れて行かれ、俺だけ置き去りにして、世良親子は去って行った。どうするかな、この後は…味方はあとは目暮警部だけか…目暮警部へ連絡をした。
『なんだって、スターリング捜査官が佐田リゾートで消えたって言うのか。う~ん、敵の手に落ちたのかもな。コナン君は、東京へ戻ってきなさい。長居すると君まで…』
マズい。通話が切れた。敵に見つかったようだ。駅のホームに紛れ込み、来ていた列車に飛び乗った。
---鳥居亜樹---
久しぶりに絵師の仕事を…まず女体の絵を描き、その上に特殊な黒い絵の具でコーティングする、乾燥しきったら、特殊な透明の液体で、書を書くと、筆の触れた部分だけ、黒い絵の具が消え、バックの女体だけが見える、カラクリ画である。これは鈴木画廊からの依頼であった。内蔵された女体は、鈴木園子であるって、どんだけ、あの相談役の爺さんは身内の裸体にが見たいんだ?まぁ、金になるなら、仕事と割り切って描くけど。
ほぼ全快したちづるの祖母、一ノ瀬 小百合。宮野先生の希望もあり、鳳小百合として女優に復帰し、佐田芸能に所属した。これでちづるとも共演が出来そうである。本を作らないと…何か不可思議な事件は起きないかな?
◇
考え事して、眠ったようだ。そして、夢を見た。
不思議な夢だった。俺は瞳の身体の中にいた。身体の中から神経を制御して、瞳を乱れさせていく。そして、瞳に泪を襲わせて…
そこで、俺の頭に衝撃が走った。
◇
「寝るなら、家に帰って寝なさいね」
瞳に頭を叩かれていた。
「あれ?裸エプロンじゃ無いんだ」
「寝ぼけるなら、家でしなさいね」
「あれ?今日は紐パン?」
「なによ!良いでしょ?涼しいんだから…」
ぱっと、顔を赤らめた瞳は、トレイでデルタ地帯を隠した。
◇
家に帰ると、蘭とちづるが家事をこなしてくれていた。麻衣はのどかとダンス練習をして、妃先生は…いない。温泉だろうか?何も事件は起きていない。平和である。あぁ~本のネタが無い。そうだ!取材に行こう。
バイクにディパックを背負い乗り込み、東京を目指して、爆走していく。しかし、東京を目指していたはずが、何故か藤沢に居て、遂には海にいた。
「海のバカヤロ~」
と、叫んだところで、事態は変わらない。ふと、岩場に視線を持っていくと、海にはそぐわない生き物を見つけた。俺は、麻衣を捕獲した時のように、意識を狩り、俺の背中とディパックにはさんで、それを家に持ち帰った。
「また、おにいちゃんが,得体の知れない者を拾ってきた」
嘆くような夏美の声。それはパンダであった。パンダの着ぐるみパジャマを着た少女が正式な名称かな?
着ぐるみを剥ぎ、全裸の少女は練習上がりで汗だくののどかと麻衣に渡し、一緒に温泉へ連れて行ってもらった。
「あのこの名前は梓川かえで。家にはもう一人の花楓という少女がいて、帰れないって言うのよ」
と、温泉で事情聴取を終えた桜島麻衣捜査官。
「もう一人?」
『彼女は解離性障害と思春期症候が同時発症したようだ。で、2つに増えた人格の負け組が、個体化して感じだね』
と、専門家口調の神主。
「本来あり得ない存在が、個体化したのか。現し世に残った未練の為した奇跡か?」
「それ、次の作品の構想ですよね?」
ワクワク気味の蘭。
「で、かえでちゃんは何をしたいんだ?」
「パンダさんを一杯見たい。美味しいケーキを一杯食べたいです」
と、温泉上がりなのに、パンダの着ぐるみパジャマ姿の梓川かえで。
「パンダか…まぁ、交渉はしてみるけど…ケーキは瞳のお店に丸投げだな」
我が家にはケース大好きな者が多いが、作れるのは蘭とちづると麻衣くらいか…本職を頼ろう。
翌月、佐田リゾートホテルにパンダ舎が併設され、子供パンダの番いが飼われることになった。かえでは大きくなったらパンダの飼育係を目指すそうだ。
◇
かえでに懐かれてしまい、日課のキャッツアイ詣でに連れて行っている。裏人格だったせいか、体力が無く、のどか達のダンス練習を一緒にして、体力アップをめざしているようだ。体力が無いので、キャッツアイの往復は俺が背負って連れて行く。ほんのりと成長している胸の感触が気持ち良い。
「今日はイチゴのショートケーキよ」
「うわぁ~い。美味しいよ~」
「瞳をケーキにして食したい」
バキ!
瞳にトレイで叩かれた。妄想のまま口にしたのがよく無かったらしい。
「そういうのは、麻衣ちゃんとか蘭ちゃんにしなさいね」
と、耳を赤くしてプンプンしている。
「麻衣には無茶出来ないんだよ。女優を引退するまで」
「じゃ、蘭ちゃんは?」
「まだ、元カレと切れていないらしい。元カレがしつこいらしいんだ」
「そうね、元カレって生き物はジャマよね」
って、瞳。あれ?元カレがいるのか?
「なんで別れたの?」
「それは、職業の不一致よ」
元盗賊と不一致な職業となると、警察官かぁ…確かに結ばれないなぁ。あっ!これ貰いだな。刑事と盗賊の恋愛ストーリーとか。
---佐藤美和子---
亜樹君の元へ向かっている。小淵沢で待ち合わせをした。関係者が一緒でないと、車での移動が容易ではないから。私は亜樹君の関係者ってことで、今日、正解ルートを教えて貰えるそうだ。
ドライブインで待っていると、ジャガーマーク2でやってきた亜樹君。助手席にはパンダの着ぐるみを着た少女が。あれが梓川かえでちゃんか。調査をすると確かに梓川花楓という少女は実在した。が、パンダはそんなに好きでは無いようだ。そうなると、亜樹君の言っていた裏人格が個体化したという、信じられない話に真実味を帯びてくる。
亜樹君はかえでちゃんを背負い、ケーキセットを注文して、私の席にやってきた。
「お待たせ」
「この子がかえでちゃん?」
「はぁ~い、梓川かえでです」
元気の良い女の子である。実在の花楓さんよりも幼く見える。
「佐藤美和子よ、よろしくね」
「今回は無茶しないでくださいね」
今回は?前回は…過激な自慰行為の末の大けがをしたことになっているようだ。
「まぁ、程ほどにします。由美は元気かな?」
「禁酒にされて、凹んでいますけど…」
あぁ、巫女さんが泥酔ではシャレにならないよな。太閤名人は対局が多いので、由美は独身寮にいるそうだ。まだ、名人の家族との同居は早いらしい。
ケーキを食べ終わり、会計を済ませ、それぞれの車に戻った。
「後を付いてきてください。入行証は帰路の時にお渡しします」
入行証がいるのか。関係舎以外立ち入り禁止ってことか。気を引き締めて、亜樹君のジャガーマーク2の後ろを付いて走る。倉庫の入り口で車を降りて、手続きをしている亜樹君。
「ここは四葉財閥の敷地にある倉庫で、四葉運輸のターミナルなんですよ」
と、説明をしてくれた。手続きを終え、とある倉庫に入っていく。私も後をついていくと、そこには地下へ降りるトンネルがあった。まさか、ここから地下通路で、佐田リゾートまで直通で行けるのか?
直感は正しかった。30分程度で佐田リゾートの倉庫に出た。これなら、迷わない。