---司波深雪---
冬休み…お兄様と小淵沢の叔母様の元へ行くと、彼の元へ行けと言われ、お兄様と向かっていた。小淵沢駅から佐田鉄道の特急に乗ると、一駅で終点の佐田リゾート駅に着いた。駅前のリゾートホテルは叔母様が予約してくれて、すんなり、部屋に案内された。お兄様とは別の部屋のシングルルームであるが、解放的で少し広めの部屋であった。
コンコン
部屋がノックされ、「司波深雪様、お迎えに参りました」と声がし、ドアを開けると、お見合いの席にいた凜々しい女性が立っていた。
「これからですか?」
「えぇ、お一人をお連れするように、上から指示が出ています」
上から?彼では無く、その上からの指示ですか…言われた通り、彼女の後を付いていった。ホテルの隣の美術館のバックヤードに車が止まっており、それに乗り込むと、車が坂を上っていく。巨大な温泉旅館風の建物の裏手に着き、離れと思われる建物に案内された。
「あれ?深雪さん…来るって言っていたっけ?」
驚いている彼。私の訪問は、前もって伝えれていなかったようだ。
「何もごちそうの用意していないけど…」
「いえ、普段通りでよいですよ」
これって、彼の日常を見せる為か?もし、結婚すれば、私はここで暮らすことになるのだから。
客間に通され、そこで少し休みと、家の中を案内してくれた。
「同居しているのは妹の夏美と、パンダさんの飼育員を目指しているかえでと、家事をてつだってくれている蘭だよ。仕事が休みになると、女優の桜島麻衣が帰ってくるけど…」
本当に桜島麻衣と暮らして居るようだ。
「まぁ、食い物に困ったら、隣の療養所に喫茶店があるから、問題は少ないと思うよ」
彼の仕事部屋…執筆活動の部屋だと言う。描画の部屋は別にあるらしい。そして、アトリエと呼ばれる描画の部屋に案内された。そこは旅館の大広間だった部屋だという。部屋中に、未発表の絵画が並んでいた。
「半分は、美術館が買い取って、残りが画廊へ流れるんだよ」
そこには、あり得ない構図の絵があった。黒地に白銀の蜘蛛の糸があり、その中心に全裸の私がいた。彼には見せた事が無いのに、その描写は正確であった。アレの形が一緒…あり得ない。見ながらでないと無理である。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
息づかいが荒くなっていく。胸が張り裂けそうで、苦しい。なんで?
後ろから彼が抱きつき、彼の手が、服の中に入り、私の胸を揉んでいた。段々苦しさが消えていく。はっとした瞬間、私は全裸になり彼に抱かれていた。いつの間に…彼の身体が躍動し、私にリズムを刻み込んでいく。それに伴い。息づかいは落ち着きを取り戻し、一緒にリズムを奏でていた。
「もっと、奥まで…ください」
「かわいいのに、強欲なのかな?」
「もっと、壊して下さい…」
満足感と共に幸せな気持ちになっていた。全身はドロドロだけど…御姫様だっこで、お風呂場に…優しく洗い上げて貰った。私しか触ったことが無い場所も…
---鳥居亜樹---
昨晩あんなに激しい運動をしたのに深雪が起きて来て、一緒に神社へ向かった。神社でのルーティンを終え家に戻り、今度は一緒に家のルーティンをした。夏美は仕事があるらしく、神社に残っている。そして、今日は4人で喫茶店へ…
瞳たちには神社の繁忙期のアルバイトと紹介した。お見合い相手ではあるが、婚約した訳でも無いし。
そして家に戻り、深雪を抱き枕にしてお昼寝…
「ここにある本は読んでも良いですか?」
「いいよ。今までに書いた作品だよ」
薄い本は別枠で保存してある。あれは俺の変態度合いのバロメーターと呼ばれているし。
---江戸川コナン---
亜樹のやつが東京で、アイドルとデートしたようで、写真誌に掲載されていた。『雲隠れ中の高校生探偵、高校生アイドルと密会か?』だと…。知らない人が見れば、アレは工藤新一に見えるだろうが、右半分が少し歪んでいる。
「お前のソックリさん、遊び歩いているようじゃないか」
服部が冬休みを利用して東京に出てきた。彼女連れで、服部家の同年代の親戚のヤツが、佐田リゾートに行くと聞き、俺を誘ったのだ。
「服部、気を付けろよ。FBIのエージェントが消されているんだからな」
「あぁ、ドジは踏まねぇよ」
目暮警部の指示で動いていた佐藤刑事も、一身上の都合で内勤に異動した。何か、されたらしい。問題はジョディ先生が生きているかどうかだ。まだ、死体となって発見はされていない。目暮警部と連絡を取ったのだが、あそこは治外法権に近いらしい。どんな闇が待ち受けているか分からないと言われた。
一般人から見れば、温泉リゾートで、美術館があり、そして子供専用の移植手術が出来る病院まである、言わば身も心も癒やさせる空間なのだろうが、一部の粋がったヤツラ、自称冒険家達は狩られていた。出来たての死体から内臓を摘出して、それを移植していたとしたら、犯罪行為に近い。警視庁としては管轄外であるがグレーのアンタッチャブルエリアとなる。
一緒に行くメンバーは服部の親戚、その先輩で七草真由美さん、渡辺摩利さんだそうだ。今回の予約は、七草真由美さんの手配だそうだ。
「現地には既に司波君がいて、スィートルームを取ってくれたって」
嬉しそうに話す真由美さん。彼女は公安警察のえらいさんの娘だそうだ。
「まさか、服部くんの親戚に大阪府警の本部庁の息子さんがいて、その彼が摩利の知り合いって、意外よね」
服部と渡辺摩利の接点は千葉道場であるそうだ。所謂同じ釜の飯を食ったことがあるって感じであるが。俺はトレードマークになっている眼鏡を外して参加した。眼鏡は重要なアイテムであるが、それで身元バレは痛いし。
---七草真由美---
「えっ?!深雪さんが連れて行かれた?」
別室に達也君と二人きりである。頼みがあると言われて…
「ですから、七草家の力で、鳥居邸に行けないかと…」
深雪さんが鳥居亜樹とお見合いをし、今は鳥居邸にいるそうだ。
「お見合いは断らなかったの?」
「断れる状況ではなくて…」
司波家の上位家系に命令されたのだろうか?鳥居家かぁ…父親に相談をしてみた。
『鳥居亜樹に面会か?難しいぞ』
と、即答の父。
「どうにかなりませんか?後輩が連れて行かれたそうなんです」
「あそこは関係者以外は入れない。その後輩は関係者なんだろう」
それはお見合いが成立してと見なされたのかな。
『分かった。許可証を発行する。ただ、彼の敷地内で、妙な真似はするなよ』
と、スマホに父から許可証代わりのQRコードが送られて来た。有効時間は12時間とある。鳥居邸へのアクセス方法はメールで送られて来た。バスで行けるのか。直ぐに行動しないと。
達也君と出発準備をしていると、みんなも行く気満々だった。
「観光はみんなでや」
服部君の親戚の男子がいい笑顔でそんなことを言う。大丈夫だろうか?