---宗方 亜樹---
高度一万メートル。日本に帰国する飛行機の中である。隣の座席には迷探偵のシエスタが大人しく座っている。コイツ、素面だと優秀な迷探偵であるが、アルコールが入ると、ダメダメな少女になる。困ったやつである。
出会いは俺の顔が有名な高校生探偵の工藤新一にソックリだったことで、逆ナンされたことである。卒業式の後のパーティーで絡まれた。ヨッパモードの彼女に…そのまま、お待ち帰りをされ、禁欲生活からの解放が重なり、彼女を調教してしまったのだった。人生の汚点になるだろう。酔えば酔うほどに淫乱になる名探偵ってなんだ?
魔術協会時計塔で魔法と魔術を叩き込まれ、そのまま、魔術師の道に進むはずだったのだが、コイツのおかげで、レイトン探偵社で探偵の修行をするはめになって、帰国の予定が伸びてしまった。隣では幸せな顔gで寝ているシエスタがいる。昨晩は粉が出るくらいに絞り取られたし…なんてこった。
暇なのでシエスタとかCAのデッサン画が書いていた。アルバイトで絵師をしているのだ。裸眼で、服の下や、皮膚の下が見えるので、裸婦画や血管画が得意であり、それは探偵の仕事でも役立っている。現場でレントゲン映像やCT画像が見られ、死因の特定ができたりね。
さっきも、ハイジャック犯を魔術で制圧したり、俺の進む道は探偵かな?
◇
成田空港に降り立つと、迎えの者と出会えた。
「お帰り」
妹の夏美が抱きついて来た。
「ハイジャック犯を確保って、大手柄じゃん」
兄の一弥が声を掛けてきた。
「この迷探偵様は、熟睡だよ」
「てへへへ」
俺がシエスタの頭を小突くと、照れ笑いしているし。
「国際探偵免許って、便利」
ロンドンで、素面のシエスタの助言で、免許を取得してある。搭乗手続きが楽だったり、旅費が安かったり、優遇措置があるのが良い、
「魔術師になりに行って、探偵なのか?」
親代わりの女医の?宮野エレーナ先生が苦笑いしている。偶然なのだが、彼女のシエスタの主治医だった。
「シエスタも元気そうね」
「先生のおかげで、元気の上、彼氏も出来ました。ゴールインすれば、先生の義理の息子の嫁ですね」
「偶然って怖いわね」
◇
荷物を兄達に預け、ハイジャック犯を警察に預けに空港内の分駐所へ向かい、事情聴取を受ける。魔法が一般的でないこの国では、マジックキャスターの説明が大変である。マジックキャスターの国際免許を見せても、その意味が分からないらしい。なので、俺と付き添いでシエスタは警視庁へ連行された。犯人扱いである。
外務省を通じ英国に問い合わせ、俺の身分を確認しているそうだ。
「この国はバカばかりなの?」
シエスタが不満を爆発しそうである。英国ではなくインターポールに問い合わせるべき事案である。
「こっそり入国する予定が…」
これでは敵対組織にバレバレである。シエスタが所属組織に連絡すると、国連の平和維持部から抗議の連絡が行ったらしい。
「すいません。このような事案になれてませんので…」
警察庁のエライ人らしい者が謝罪に来た。国際免許持ちの探偵がいないのだろうか、この国には…
「国連はそう言う体制に危機感を持っています」
シエスタは呆れるように言い放った。
「おっしゃる通りです。今後、我が国の公安警察と連携して欲しいです」
身分のチェック体制が出来ないのに、連携が取れるだろうか。
「それはこの国の警察と活動しろと?自由に捜査できるのが探偵の強みですよ」
シエスタは不満を表すが、
「捜査機関は一本化するべきです。なので我が国で活動するのであれば、警察機構に所属してもらいます」
「国連所属であっても?」
「できないのであれば、公安の監視対象になります」
シエスタは雇い主に連絡をとると、
「では、この国では活動しません」
「そうですか…では英国にお帰りください」
今回の仕事は国連の平和維持の為の日本の警察機構の体制の調査で帰国したのに、調査活動を認めず、国外退去するという警察のエライ人。政治的に揉めたようだった。俺は時計台へ連絡をすると、大英帝国からのクレームが入ったらしい。この国の法律でマジックキャスターの入国を禁止することを盛り込めと。それは、この国のマジックキャスターを国外退去させろってことである。国立の魔法師学校がある国では、それは国益に反する法律になる。
腱鞘炎悪化の為、投稿ペース落ちます(^^;