---工藤優作---
日本が誇るイリュージョニストの宗方一弥氏から、「ネタを解明してみな」と来月行われるイリュージョンショウへの招待状である。
「父さん、この挑戦を受ようよ」
と、息子の新一。
「う~ん…彼らは本物のウィザードなんだ。タネも仕掛けもないマジックだぞ」
「ならウィザードとバラせばいいじゃん」
気楽に言う新一。
「この国ではウィザードの話は御法度なんだ。ヨーロッパなら問題は無いがね」
ウィザードを認めないUSNAの横やりなんだろう。この国は事実上、属国扱いだし、言われるままである。
「この国は科学で魔法を再現する研究をしていて、国策、国益にしている。そんな国に本物のウィザードが存在したら混乱するだろ?」
「科学的であれば、タネも仕掛けもあるよな。じゃ、あいつらは、国益に反した非国民になるか?」
「あぁ、なる。既に彼らは公安の監視対象だ」
この国の国益は、少し前まではUSNAの物であった。今現在は、奪われた地位を取り戻そうとしている者達がいる。内から見れば解放者であるが、外から見るとテロリストである。善悪は立ち位置によって、いくらでも変わるのだ。
---神崎火織---
バチカンからの重要任務。日本で極秘保管されている聖杯、聖櫃、賢者の石の確認とある。バチカンで保管されていると思ったのだが、イーストエンドに
あるらしい。存在を確認したならば、それらを守護する役目をしろと…日本に駐在しているイギリス清教のエージェントである土御門元春とそ役目をしろって、碌な目に遭わない気がする。
小淵沢から地下鉄に乗り、神代神社へと向かう。神主に会い、社務所へ連れ込まれた。
「本殿に向かうには世俗の垢を取り除かないといけない」
身を清める場へ…巫女達により、全裸にされ、塩で揉まれ、何故かサウナに閉じ込められた。
「そこで、世俗の欲を抜いてもらう」
この宗派のヤリ方なのか?
---宗方一弥---
バチカンからの守護者候補を塩漬けにして、浄化していく。そして儀式を行い、彼女の身体を聖杯化し、聖櫃に収め,賢者の石を埋め込んだ。
「おまえ、ねーちんになにしたんだ?」
連れの男が激怒している。まぁ、塩化した像となっった女体が目の前に置かれていた。
「彼女はガーディアンになることを望んだ。だら、希望を叶えただけだよ」
「どういうことだ?」
「バチカンでどう教わったか知らないけど、聖杯は女体の子宮のことで、聖櫃は聖杯を浄化した器で覆うことで、賢者の石は大賢者様の子種のことで、聖杯で授精させておくんだよ」
「まてまて…」
連れの男の顔から血の気がうせていく。何か、マズいことをしたかな?
「ねーちんは未来永劫、その姿のままか?」
「大賢者様こと御使い様のお子様を産むまでは、聖杯として大切に保存される。出産すれば御使い様となり、生まれ変われるよ」
---土御門元春---
訊いていた話と違う。最早、人間では無いねーちん。
「原典の教えと教典の教えは違うからね。教典は信者向けだけど、原典は血族を保護する為のものだし」
だから、十字教の三種の神器は見つからなかったのか。聖杯は杯、聖櫃は棺、賢者の石は石だと思っていたからだ。
「そもそも、十字教のシンボルは十字架だろ?そこから教えが違う。冷静に考えてみろよ。御使い様を罰した道具をシンボルにする訳がないだろ」
確かに…教典では御使い様の死を確認する為に用いた槍は聖遺物扱いだし。
「御使い様を死においやったのは、十字教の信者だよ。何をふざけtことを言って居るんだ?でも喜べよ。これで、聖人の彼女は聖女になったんだよ」
原典とは教えがまったく違うらしい。バチカンに知らせないと…