---宗方亜樹---
前回の周回で、防御結界である聖域を失ったこの地域を襲ったUSNA,大漢、ロシアはダンジョンがプレゼントされ、魔素が大量に漂う国土となった。魔素は人間の悪意と反応し、魔物に変えて行く。転生した折りには魔物として生まれ、地獄の炎で灰にされるまで、今後人間に転生することはない。たいていはゴブリンであるが、性欲が強い者はオークになる。人間が暮らすのには適さない土地である。
ダンジョンは資源を人類に与えるが、代償があるこを人類には知らていない。
既に、マンハッタンとクレムリンの地下は、魔物が蔓延る世界になっている。ダンジョンの産物である魔石で大金が動いているそうだ。魔石に新たなるエネルギーが含有されていると思われているが、あれは魔素である。大気に放出した魔素は、龍脈を通り、霊峰に集積され浄化される。そして、ここ聖域に送り込まれる。この国土を護る聖域バリヤーにもちいられるのだった。g
◇
兄の送り出した挑戦状を工藤新一が受けた。工藤優作は真実に近づいたのか、辞退したが。
マジックショウに向け、準備を進める。【人形師】夏美が神崎火織ソックリのホムンクルスを作り、【死霊使い】な俺が彼女の魂のコピーを作り出し、そこへ入魂した。これで、美人アシスタントの完成である。早速身体の塩梅をチェックする。
「私の目の前で、他の女とするって、3Pしたいのかな?」
シエスタがブータレっているが、気にしたら負けである。
---宗方一弥---
ショウには、招待していないが、魔術サイド、科学サイド、警察サイドの人々が多数くるだろう。TVで全国に配信するけど。
ショウでは、カード、コインをもちいたクローズアップマジックと人体消失などのイリュージョンをご覧に入れる予定である。準備するのは、タネも仕掛けも無いカード、コイン、カップ、カーテンなどだ。
亜樹の顔は工藤新一にソックリのため、変装しもらうか。それとも工藤新一の双子の弟を演じさせるかだな。
---工藤新一---
宗方兄弟との対決の日を迎えた。今回のショウを興業する園子を始めとする鈴木家のみんなと、俺、蘭、木崎先生、小五郎のおっちゃん会場へ向かい、アドバイザーとしてマジシャンである怪盗キッドこと黒羽快翔も呼び出した。どんなマジックを披露するのか?本当にアイツらはウィザードなのかを見極めたい。
会場には目暮警部をはじめとする捜一の面々、中森警部達、安室さん達公安まで来ており、物々しい雰囲気であった。
ジュディ先生たちFBIも来ているし。アイツらマジで監視対象のようだ。
「まず最初にクローズアップで肩慣らししますか」
舞台中央にテーブルが置かれ、俺と快翔が宗方一弥の正面に座った。このマジックはカメラで撮られ、舞台奥の巨大モニタに映されるそうだ。
「では、カードシャッフルしてください」
俺がカードを念入りにシャッフルする。テーブルの中央に置くと、開いてるカードを全て裏返すと、カードは初期状態のままに開かれていく。何回試してもだ。
次はコインの移動。3つのカップに1つのコイン。ヤツが手を触れることなく、移動していくコイン。マジか、本物のウィザードなのか?
その後、イリュージョンが始まった。
「どなたか、お手伝いしてくれる女性の方はいらっしゃいますか?」
アイツの声に誘われるように、佐藤刑事とジョディ先生が立候補して、前に出る。パンツルック姿のジョディ先生に浮遊マジックを、佐藤刑事には早着替えマジックを、壇上で掛けた。まるでトリックが分からない。特に早着替え…カーテンを上下し、佐藤刑事の姿を五秒ごとに隠すのだが、スカート姿からレオタードに、レオタードからドレスに、ドレスから水着に…あり得ない。アシスタント相手に出なく、客にそれをするって。俺も快翔も唖然である。
「で、ネタバラシの探偵諸君には、ネタは分かったかな?分からないのか~、では、実体験をしてもらいますか」
俺を壇上に上げ、早着替えって…タキシードからふんどしって…ふんどしから相撲廻しだと…相撲廻しからタキシード…体験しても着替えた実感がない。魔法なのか?
最後に、三人とも競泳水着に…そのまま退場した、競泳水着って、着るのに十分以上かかるのに、五秒って…
ショウの最後は消失マジックである。アイツが頭から自らカーテンを被って姿をくしたのだが、カーテンは十落下して床に落ちると、姿が消えていた。
「これで今回のショウは終わりです。種の分かった方は秘密にしてくださいね」
と、俺にソックリの男が現れ、そう締めくくった。
---佐藤美和子---
競泳水着って、ありえない。全国放送中に、こんな露出の多い姿にされるとは、放送事故案件である。脱ぐのが大変だし。こんな姿では帰れない。嫌がらせなのか?こんな物を短時間で着せるって、無理でしょう。はみ出した部分のケアもされているし。まるで、魔法を掛けられたようだ。
「佐藤君、どうだったかね」
更衣室で着替えに四苦八苦しているところに、目暮警部が現れた。まだ、まだ、胸まで下ろせていないのに。
「着替え中です。出て行ってください!」
拘束着を着ている感覚である。警部に八つ当たりしておく。
「私の裸を見たいんですか!!」
「すまない」
警部がすごすごと出ていかれた。