---鳥居亜樹---
ラノベ作品『神主と呪われし巫女』の企画が通った。最近、ラノベを書いていなかったから、担当編集の鈴木さんが喜んでいた。
「これで薄い本は卒業かしらね?」
「え?小遣い稼ぎに…」
「お小遣いは、伯父さんに集りなさい」
伯父さんとは、鈴木画廊のマスターのことである。
「どこかでノンビリしたいです」
「温泉?」
「そうそう」
「そうね。二度の入院明けだものね。旅費は取材費で落とすから、領収書は捨てるなよ」
経費ですね。はい…
家に帰り、夏美と温泉旅行計画を練る。
「そうだな。湯煙という薄いカーテンを通してのバラ進行もありかな?」
「おにいちゃん、売れそうも無いと思うの。そこはユリ進行でいて欲しいなぁ」
などと、妄想の世界へ入って行く。
---安室透---
佐藤刑事からの依頼を受けて、安芸桜という人物を追うが…意味が分からない。安芸桜の正体である鳥居亜樹と佐藤刑事は親しいようなのだ。自分で見せているんじゃないのかって、疑惑も湧くが、二人の様子からはそんなことも無い。
鳥居邸に侵入をしてみた。してみたのだが、入って直ぐに、意識が飛び、意識が覚醒すると、別の場所にいた。全裸にされ後ろ手に手錠を嵌められている。目の前には全裸の女性がいる。何をさせようと言うんんだ?四つん這いにされた女性の後ろに連れて行かれ…
「おい、起きろよ、イケメン!」
起こされると、目の前にジンとウォッカがいた。
「ここは?」
「どうやら、俺達を罠に嵌めたやつがいるようだな」
罠?
「おい!俺達が何者かと知っての狼藉か?」
キャンティ、ベルモットも後ろ手に手錠姿の全裸で転がされていた。ジンとウォッカは立ち上がっているが…
「こそこそ、嗅ぎ回っている、お前らがウザい!」
目の前に仮面を着けた人物が現れた。
「嗅ぎ回るだと?」
俺達が組織ぐるみで嗅ぎ回っているのは、工藤新一か?
「ウザいんだよ、消えて貰うよ」
俺達に向かって何かの薬品を吹きかけてきた。
◇
「起きなさい」
柔らかな刺激を感じ…溜まってた物が一気に放出された。
「あっ…ここは?」
目の前には耳を真っ赤な顔をしたベルモットがいて、俺と交わっていた。
「ここは?」
「分からない…私達以外は全滅かしら?」
手は相変わらず後ろ手に手錠のようだ。ホルマリンの臭いが鼻を突く。どこかのモルグのホルマリンプールのようだ。プールにはキャンティ、ジン、ウォッカなどが浮かんでいて、俺達だけプールサイドのベンチの上で交わっていた。
何日か後、病院の関係者の手で救い出された。あそこは大学の医学部の病院の解剖練習用の保存プールだったようだ。警察に移送され、事情聴取を受け、散々な目にあった。ベルモットとデート中に拉致監禁されたとウソの供述をしてしのいだが…ホルマリン臭が消えないとポアロのバイトに行けない。
---鳥居亜樹---
「ちょっと、待て!」
「さぁ、高木、脱げ!」
目の前で修羅場が展開している。俺の透視スキルを確かめたいと、由美さんと美和子さんが、同僚の高木刑事を連れて来て、デッサンをしてくれと言うのだ。由美さんと美和子さんの全裸デッサンが発見され、二人から事情聴取を受け、実際に高木刑事で実証してみることに。
「このデッサン通りか検証するよ」
観念した高木刑事が着ている物を脱いでいく。その間、俺は美和子さんと由美さんの色々な表情のデッサンを描いていく。そして、そこから妄想絵を少々。
「何、この薄い本らしき絵は…」
小遣い稼ぎの元が、由美さんに見つかってしまった。酒瓶を抱えた狸の置物、下の突起部分だけ高木刑事の物に…その物から流れ出る酒を飲む由美さんの図…『狸王子と酒呑天女』という薄い本。一部のマニアに大売れしたそうだ。裏サイトでは、夏美作の高木刑事のモノそっくりな酒瓶が売れているらしい。千畳敷と言われた玉袋のお陰で、自立でき、マニア女性の間で、晩酌のお供になっているらしい。
「高木!パンツも脱げ!検証するぞ」
「はぁ?亜樹君、何を描いたんだぁぁぁぁ~!」
なんか、火災現場に燃料を投入した気分…
◇
全裸で部屋の隅に体育館座りをしている高木刑事、酒瓶を片手に高木刑事のヌード画を鑑賞している由美さん、疲れた俺に膝枕をしてくれている美和子さん。
「出来た!高木のフィギュア。服も脱がせます」
って、夏美が静かだと思ったら、創作に熱中していたらしい。
「これ、リアルだな。捜一に飾っておこっ」
「止めて下さい。由美さん…俺の男としての尊厳が…」
「あぁ、元気いっぱいバージョンもあるよ」
しおれていた部位を外し、勃起している部位をはめていく夏美。
「もっと、ダメですよ~!」
なんか、こういう日も楽しいかな