---鳥居亜樹---
「亜樹、しっかりしろよ」
懐かしい声に起こされた。
「うん?あれ?神主?」
「相当懐かしい呼ばれ方だな」
薄ら向こう側が透けて見える神主がいた。
「亜樹のおかげで、天寿を全う出来た。今度は俺が、亜樹をサポートする番だよ。しっかし、既に顔の右半分が傷だらけだな?」
「男の勲章だよ」
「それは違う、女難の相の証だよ」
なんだよ、勲章でなくて証なのか…
「で、ここはどこ?」
「廃工場のようだな。お前をさらったヤツラは、お前を護る式神達が成敗してくれたよ。この女はペットにするか?」
「ペットって何でも出来るの?」
「あぁ、出来るよ。ペットで発散すれば、罪を犯さないで済むぞ」
「じゃ、そっちの方向で…」
「了解だ。で、これからどうする?」
「温泉に行きたい」
「わかった要望に沿おうか」
---佐藤美和子---
その後、大田区の病院で発見された。平和島温泉の黒湯の湯船でのぼせているのを発見され、病院に搬送されたが身元不明者として、指紋で本人確認ができたのだった。不思議なことに、出入り口に設置されている監視カメラ映像に亜樹君の姿が映っていなかった上、彼の身に付けていた物が脱衣所から発見されなかったのだった。
亜樹君を誘拐した者達の行方はわかっていないし。彼を温泉に放置した経路も不明であった。不思議な事件である。
「不思議と言えば、鳥居邸殺人事件も不明な点だらけだったよ」
と、目暮警部。
「犯人の出入りした経路が不明で、長女の遺体が未だに不明なんだよ」
「まさか、同一犯?亜樹君が何かを目撃している可能性があるとか?」
「あぁ、そのまさかだな。彼の完全記憶能力が、犯人の目的かもしれないな」
透視スキルで見た裸体を完全に記憶し、帰宅してからデッサンに起こしていく。少し迷惑なスキルだが、犯人にしたら脅威なのかもしれない。
---鳥居亜樹---
頭を強打したこと数回。そのせいか、たまに見えてはいけない物が見える。今日も、あり得ない物が見えるのだが…道ばたに身体の突起が露わな
全裸の女性がいる。そんなのが実際にいたら、男性の眼が釘付けになることを間違いない。なのに、誰もガン見していないどころか、見えていないようだ。胸の突起を摘まみグリグリしてみた。
「えっ?あなたには見えるの?止めて…感じちゃう…」
全裸で道ばたにいる痴女が何を言うんだ?でも実際、感じているようで、女性の股間に湿り気が増して行く。では、股間の突起をモミモミと…
「ダメ…力が…」
俺に倒れ込んで来た女性。どうしよう?その辺に捨てて行くか?いやいや、全裸の天使というお宝を担いで、家にお持ち帰りした。
家に持ち帰り、風呂場で意識の無い女性を洗い、水分を拭って、俺の部屋のベッドに横たえ、抱き枕にしてみた。
◇
ペシペシと左頬を叩かれ、起こされた。夏美がいる。
「ねぇ、おにいちゃん、この女はどうしたの?」
この女?俺の下にいる抱き枕か?俺のアレが、根元まで刺さっている。
「街で拾った」
「ダメだよ。身元がハッキリとしない女を拾っちゃ。性病に掛かるかもしれないよ」
あれ?
「夏美には見えるのか?」
「何を言っている?お兄ちゃん、頭、本当に大丈夫?」
女を拾った経緯を話した俺。
「う~ん、ラノベで読んだことがあるよ。それは思春期症候群の透明化だよ」
透明化?
「空気なような存在を演じていると、空気になっちゃうんだって」
なるほど、ダッチワイフ的な存在かな?あっ、また出ちゃった。夏美には内緒だな。
「どうすれば良いんだ?飼っていい?」
「いいけど、美和子さんに知られると軽蔑されるよ~」
「それはダメだな。では、解決方向で…」
俺の灰色掛かった桃色の脳細胞がうなりを上げて、問題解決方法を導き出していく。。