「────おや、ご主人様。どうかされましたか?」
「んんっ……いや、なんでもないさ。ベルファスト、そろそろ遠征メンバーが戻ってくる頃だ。出迎えてあげてほしい」
「まぁ、もうそのような時間でしたか……。では行って参ります」
ぺこりと頭を下げ、しずしずと部屋を出るベルファストを男は軽く手を振って見送る。
そしてベルファストが部屋から出たのを確認し────
「ぐっ、出るぞ……シェフィ!」
股下に潜り込んでいたシェフィールドの頭を両手で股間へと押し付け、喉奥でペニスを加えさせる。
「んむっ、ぐっ、んぐっ、……ん、ぐぐ、けぷっ」
ごくん、と大量に吐き出されたザーメンを飲み下したことをアピールするように、シェフィールドは大きく口を開いて男に見せつける。
「……これで満足ですか、害虫」
「満足だとも、シェフィ。俺は契約を守り、そして君もまた契約を守る。理想的な関係だ」
これはシェフィールドの契約と従属の物語。
転機は、何人目かもわからない指揮官をロイヤル陣営が迎えたある日のことだった。
「本日からロイヤル陣営の指揮官として着任することとなった。どうか、よろしく頼むよ」
その男は元々、最近協力関係を結ぶこととなったレッドアクシズの陣営において指揮官を務めていた男だった。
優秀な指揮官を欲するロイヤル陣営に対し、レッドアクシズ側からある男を出向させようかという提案があったとのことだ。
優秀な人物であればこそレッドアクシズ陣営がわざわざ手放す必要もなく、警戒は必須だったのだが。
「背に腹は代えられない、というのでしたか。……指揮官不在というのはよろしくありません。この提案を受けるしかないでしょう」
というベルファストの判断によって、受け入れることとなった。
無論最大限の警戒をしながら、という前提だったのだが……。
「……なるほど、これが噂に名高いロイヤル陣営か。確かにこれでは並の人間では務まらないだろう」
その男はあまりにも優秀だった。
いや、優秀であるだけならばともかく、この男は元々は敵対していた陣営に所属していた人間とは思えないほど友好的であり、ロイヤルメイド隊も警戒を緩めてしまうほどの紳士だった。
故に着任から1ヶ月が過ぎた頃には、男はすっかりロイヤル陣営の指揮官として信頼を得ていた。
ただ1人、シェフィールドを除いて。
「────契約、ですか」
「ああそうだとも、契約だ。私が欲しいのは君だけだ。君さえ手に入れば、あとは理想の指揮官として振る舞うことを約束しよう」
「理想の指揮官を得る対価として、私を差し出せ、と。……ふざけた話です」
シェフィールドは仕込んでいたダガーを瞬時に取り出し男に突きつけるが、男は余裕の笑みを崩さない。
「それが通用するのは新米か余程腰抜けな指揮官だけだよ。今の私はロイヤル陣営の指揮官に正式に任命されている。君が私に危害を加えることは原則不可能だ」
「…………」
それは事実だった。
指揮官に対してKAN-SENは危害を与えることは出来ない。
そうでもなければ力の差がありすぎる両者の間に信頼関係など生まれないからだ。
例外となるのは陣営に故意に悪影響を及ぼそうとしている場合、またはKAN-SENに対し暴力を振るおうとすれば正当防衛の範囲で危害を与えることができる。
そしてこの場合、シェフィールドはどちらにも該当していなかった。
「もし断れば、どうしますか」
「さぁ? 腹いせにここ1ヶ月で得た信頼をひっくり返してめちゃくちゃにするのか、それとも仕方がないと諦めて引き下がるか……。どうなると思う?」
「……ああ、あなたはどうしようもないほどに、害虫ですね」
「私としては、ロイヤル陣営には再び終わりの見えない指揮官探しの日々に戻っていただいても構わないが」
それこそがシェフィールドの急所だった。
「なるほど、確かにロイヤル陣営は優秀だ。特にロイヤルメイド隊。あれは素晴らしいね。優秀な指揮官が率いれば無類の強さを発揮するだろう。優秀な指揮官がいれば、だが」
だが、と男は言葉を切る。
「君たちは優秀だ、いっそ嫌味なくらい優秀すぎる。並の指揮官では自尊心をボロボロにされてやっていられないだろうね?」
それこそが、ロイヤル陣営が指揮官不足に陥っている原因だった。
単純に保たないのだ、かつて着任した指揮官の誰もが優秀すぎるロイヤル陣営についていけずに心を壊した。
無論何の対策を打たなかったわけでもなく、ロイヤルメイド隊を中心に指揮官を支えようとしたことは数知れず。
しかしそのどれもが上手くいかず、果てには献身的なメイド達相手に何を勘違いしたのか性的な奉仕の要求にまでエスカレートすることすら多々あったのだ。
当然そうなってしまえば、指揮官として認めるわけにはいかない。
「KAN-SENは指揮官なしではまともに能力は発揮できない。不在期間が発生するのは避けたいが、さりとて置物では困る。そうだろう?」
シェフィールドに、選択の余地はなかった。
「……契約を、結びましょう。私はあなたに服従し、あなたはロイヤルの指揮官として務めを果たす。……求めるのは、私だけ。間違いありませんか」
「もちろんだとも、言っただろう? 私が求めるのは君だけだと」
「そうですか。……あなたにこのような裏の顔があると知れば、皆は悲しむでしょうね」
「裏の顔とは心外だね。私からすればどちらも表さ。もしこれが裏ならば、ベルファストあたりには簡単に見透かされていただろう」
ベルファストが気づかないはずがない、そう言われてしまえばシェフィールドも納得せざるを得なかった。
しかしそれを認めるということは、理想的な指揮官として振る舞うのと同じように醜悪にシェフィールドを求めているということでもあり。
「裏の顔であった方が、ずっとマシでしたね」
気持ち悪かった。
紳士的に振る舞い信頼を集めるのと同じ顔で、このようなことが出来るこの男が。
「ベルファストを筆頭に、美しく女性的な魅力に溢れる者は多いが……私がそそられたのは君だけなんだ。君以外にこんな顔はしないのだから、君以外にはバレるはずもないのさ」
「……本当に、最悪です」
諦めと共に、シェフィールドはパサリとメイド服を床に脱ぎ落とした。
「────くくっ、初めての夜は私に翻弄されるばかりだったのに、すっかり口での奉仕が様になったじゃないか」
躾けがよかったのかな? 眼の前の男はそう嘯く。
そう、シェフィールドに施されたのはまさしく躾けだった。
瞬く間に処女は散らされ、この男の手管で痛みを感じる間もなく快感に翻弄される日々。
ヴァギナを蹂躙するだけでは飽き足らず、アナルも器具やペニスで弄ばれ、口腔や喉奥での奉仕も強要された。
KAN-SENである彼女の肉体は、人間であれば痛みしか感じないであろう行為も容易に受け止めてしまえる。
だからこそ苛烈な調教は、彼女の身体を瞬く間に染め上げていった。
「……ん、くっ、うう」
「フフッ、アナルパールを咥えこんだまま腰を下ろしてのディープスロートはよく響いただろう? すっかり顔が蕩けているよ、よくベルファストにバレないように済ませたね」
男の手が頬を撫ぜる。
はたき落としたいほど嫌悪しているはずの男の手を、快感で頭の茹だったシェフィールドうっとりと受け止めてしまう。
女を辱めるのが趣味なのか、アナルはヴァギナと比べ何倍も徹底的に躾けられた。
アナルの感度は今ではすっかりヴァギナを上回り、一番の弱点とも言える性感帯に仕上げられている。
そんな状態でアナルパールを挿入されたまま腰を下ろしてしまえば、発情を避ける術はない。
喉奥で男のペニスを咥えこんでも窒息の心配のないこの身体は、ディープスロートという行為とアナルでの快感を結びつけてしまう。
今後は喉奥で奉仕するだけで、発情のスイッチが入ってしまうであろうことが容易に想像できた。
「それで、次はどうする?」
「……んっ、あ゛っ、お゛お゛っ!」
思い切りいきんで、ずりゅりゅっ、と音を立てアナルパールを勢い良く吐き出す。
無論そんなことをすれば肛門は何度もめくり上がり、パチパチとスパークするような性感が背筋を奔る。
だがシェフィールドは快感を堪え足を崩さず立ち続ける、正確には立ち続けられるように躾けられた。
息を荒げながら男に背を向け、スカートを捲りあげる。
かつては個人的な趣味で、今では男からの命令で、秘所を覆い隠す布は身につけていない。
「シェフィのケツマンコで、ご奉仕させて、ください……!」
そう宣言しろと、何度も何度も教え込まされたその言葉を不承不承口にしながら、肛門をパクパクと開閉させる。
すっかりアナルセックスを教え込まれた今、この屈辱的な宣言は身体に刻まれたマゾヒズムを呼び起こすキーワードと化していた。
「……っ! ぉっ、ほお゛お゛っ……」
背面座位でゆっくりと腰を下ろし、すっかり蕩けたアナルで男の肉棒を迎え入れる。
挿入時に固く結んでいたはずの唇は容易に開かれ、はしたなく舌を突き出し嬌声を漏らす。
「どうした? いつもはもっと奥まで飲み込んでいるだろう」
「…………ッ! ンンっ………!!!」
言外にもっと深くまで挿入しろと煽られ、意を決して腰を落とす。
その代償は大きく、あまりの快楽にチカチカと視界は眩み、腰はブルブルと痙攣する。
シェフィールドは体格の関係で膣での行為では肉棒を7割程しか飲み込めなかった。
無論KAN-SENの耐久力を頼みに強引に挿入すれば可能だっただろうが、男はそうはしなかったのだ。
反面、アナルセックスでは行き止まりがない故にその肉棒を根本まで飲み込んでしまえる。
そんな理由もあってかアナルでの行為の回数は日々増えるばかりだが、挿入されるのは膣で7割しか包み込めないサイズの肉棒だ。
当然その長大さから、高いカリで腸壁を奥まで擦り上げた挙げ句、結腸すらも抉る。
普段はあまり気にしてはいなかったが、この時ばかりは己の豊満とは言えない体格が恨めしかった。
刺激欲しがりの性感帯に躾けられたアナルの最奥まで蹂躙されてしまえば、もはやシェフィールドに抗う余地は残されていない。
「くくっ、たまりませんと言わんばかりだな?」
「駄目っ、今揺すられると……ふう゛っ!?」
肉棒を根本まで咥え込んだまま身動きが取れなくなっているシェフィールドを、男は抱きしめ体格差を活かしすっぽりと包み込む。
身体が伝えてくる圧迫感が急激に高まった状態で腰を揺すられると、お腹の奥からズーンとした重い快楽が背筋を奔る。
背面座位で覆いかぶさるように抱きしめられては身体を仰け反らせて快楽を逃がすことも出来ず、甘えるように男の胸に後頭部を擦りつけることしかできない。
身体は堕とされても精神まで堕とされたわけではなく、だからこそ快楽に耽溺しきれない苦しみがシェフィールドを苛んでいた。
「そろそろ俺も我慢がきかん、本気で行くぞ……!」
「ん゛あっ、お゛っ! お゛お゛っ……ほぉおおお゛っ!?」
男は両手でシェフィールドの腰を掴みを抱え上げると、肉棒を突き込むと同時にシェフィールドの腰を叩きつけるように落とす。
そのまま高速ピストンが始まり、粘着質な音が部屋に響き渡り始めた。
「どうしたっ、こういう時はどう言えばいいか教えたはずだろうっ!」
「はい゛っ! シェフィはっ、お゛っ! ケツマンコで、イッてますっ! ん゛あっ!!」
重点的に調教されたアナルはシェフィールドにとって最大の性感帯だ。
カリで肛門をめくり上げられるだけでゾクゾクと背筋を震わせ、腸壁を擦られればあまりの快楽に目が眩む。
結腸を抉られれば絶頂に身を震わせることしかできなくなり、肉棒が引き抜かれれば排泄行為の存在しないこの身体に擬似的な排便による生理的な快楽を刻み込まれる。
故にアナルセックスが始まってしまえば、シェフィールドの思考はケツハメの快楽で満たされてしまい普段の冷静さの一切が失われるのだ。
快楽に頭がぼやけてくると、男の誘導のままに普段ならば口にしない言葉が容易に出てしまう。
無論命令すれば挿入前のように宣言させることはできるが、あくまで言わされているだけという態度を隠さない。
しかしこうなってしまえば媚びるような色さえ感じさせるものになる。
「ぐうっ、出る、ぞ……!」
「んんん゛っ!! はあ゛っ……!」
男は肉棒を根本まで挿入したまま腸内に欲望をぶちまける。
身体は反抗できぬように縛られ、精神は快楽に飲まみこまれてしまったシェフィールドには物理的にも精神的にも抵抗の術は残されておらず、絶頂に身を震わせながらそれを受け止めた。
男はゆっくりと肉棒を引き抜くと、抱え込んだシェフィールドの身体を解放する。
すっかりと体重を預けきっていたシェフィールドはそのままべちゃりと床に倒れ伏せた。
もやのかかった思考の中で行為に一区切りがついたことを認識すると、そのまま余韻に浸ろうとする思いとは裏腹にふらりと身体は立ち上がり、男の眼前に跪く。
「……んっ、れろっ、ちゅむっ、ちゅるるっ」
肉棒の先端に軽くキスをすると、そのまま竿全体を清めるように舐め上げ、亀頭を頬張りすすり上げた。
何も知らないままに見れば愛情のこもった奉仕にしか見えないそれに男は満足したのか、シェフィールドの頭を撫でる。
喉奥に注がれた精液を飲み込み、いつまで自分は正気を保ち続けられるのだろうかと、シェフィールドはぼんやりとした意識の中で考えていた。
シェフィールドのエロ、もっと増えてほしい……。