時が過ぎ、妻を迎えた猛き炎は、産まれてくる赤子を楽しみに待っていた。
ーー歪んだ欲望を抱えた男に気付かぬまま

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〖注意〗
 *この作品は成人指定です。十八歳未満の方の閲覧はお控え下さい
 *作者の頭の中で生み出された二次創作であり、現実の団体、人、行事とは一切の関係がありません、ご了承ください
 *性的嗜好が全開です。一緒に沼に堕ちましょうね


待ち望んだもの

「もうすぐ俺も父親ですよ、教官」

 臨月を迎えた妻の側にいてやりたい、と診療所に通いつめる青年に、教官と呼ばれた男はにっこりと笑いかけた。

「キミがお父さんかぁ……感慨深いよ……」

 育児書を熱心に読み込んでいる青年、猛き炎を見てもう一度、しみじみと呟く

「本当に感慨深い」

 あと少しでこの子の血を継いだ赤子が産まれる。

 きっと、凄く可愛いんだろうなぁ……

 

 あぁ――――待っていた甲斐があった。

 

 ウツシはうっとりと微笑んで、青年を見つめている。

 教官として、兄代わりとしての義理は果たした。あとは……

(目の前の可愛い可愛い存在を、貰い受けるだけ)

 早速、今夜にでも教えてあげようか……この場所で眠るであろう、猛き炎の身体に

(しっかりと理解してもらわないと)

 頭のてっぺんから足の先まで俺で満たして、自分が誰のものなのかを本能に刻んであげよう

「楽しみだね」

「教官……! はい、とても」

 幸せそうに笑う青年は、師である男の歪んだ欲望に、終ぞ気付く事はなかった。

 

 ○○○

 

 生温い感覚、湿った水音が聞こえる。

「んんっ……っ♡ひぁ……♡っ……?」

 腹の奥を何かが押し上げてきて、声が抑えられない

 ずっしりとした何かに奥をとんとんと叩かれ、甘い痺れが全身を包み込む

 なんなんだこれは

 ぼんやりとした視界の中で、見た事のある人影が見える。

 浅黒い肌、焦げた色の髪、溶けたべっこう飴の瞳。

「あっ……ぁ♡きもち……ぃ……♡ん、ぁ……っ♡」

 硬くて熱い塊が、中の浅い場所をよしよしとあやすように動く

 その動きが甘く痺れる程に気持ち良くて、もっとして欲しいと腰をくねらせて強請ってしまう

「……はァ……ッ、可愛いね……もっとしてあげるよ……ン」

 身体を激しく揺さぶられて、霞んだ意識が目を覚ました。

(え……は……? 教官……?)

 目の前の男が掴んでいるのは、俺の足か……?

 なんでこの人は、うっとりと気持ち良さそうな顔をしてるんだ……?

 お腹の奥がいっぱいで、ぞわぞわと不思議な気分だ。

「……ここ好きでしょ? この奥、気持ちいいね……」

 え?

 下腹部を撫でられてびくりと身体が跳ねる。

 つられて下を見れば、信じられない光景が広がっていた。

 甘く勃ち上がった自分の性器が、ウツシの動きに合わせて揺れている。

(……え?)

 腰を引かれると熱い圧迫感がなくなり、腹の奥が切なく疼き

 グッと突き入れられれば、それを離すまいと肉の壁が熱に絡み付く

 ……この行為を、自分は知っている。

 それに思い至った青年はひゅっ、と息を呑む。

「〜〜っは? なん……っ!! っんん〜〜ッ!?」

「静かに……隣の部屋に奥さんが居るんでしょ?」

 大声をあげそうになった口を素早く塞がれて、今置かれている状況を理解させられる。

 嘘だ、嘘だ。

「〜〜〜〜ッ♡……は……?」

 あまりの衝撃に呆然としている青年は、男の陰茎にねっとりと腹の中を抉られて、あっという間に絶頂した。

 小刻みに震え、うねる肉壁が亀頭に吸い付いているのが分かる。

「そんなにこれが好き? ……嬉しそうに吸い付いて」

「〜〜ちが、ちがう……っ、そんな……ぁっ♡っ♡」

 内壁の奥にある曲がりくねった狭い場所が、雄の形に拡がっていく

 脳髄を貫く程の快感に、喉が震えて声が出ない

 くちゃくちゃと粘液をかき混ぜる音が部屋に響いて、耳がおかしくなりそうだ。

「ン……ふふ、いやらしい音がするね? ……隣に聞こえちゃうかな?」

 やけに楽しそうな声が耳朶を食み、ぴちゃりと耳の穴に舌を這わせて、生温い息を吹き込む

 となり、隣の部屋には、臨月の妻が眠っている。

 もうすぐ赤子が産まれて、それで……なんだっけ?

「〜〜〜〜っ♡ひ♡ぃ……っ??」

 意識が逸れて力が抜けた最奥の狭い輪に、熱い塊ががぽんと嵌る。

 そのまま中をゆっくりとねぶられて、自分の性器からぷしゃりと何かが漏れだした。

 尿ではない、精液でもない、透明な無臭の液が尿道から溢れ、ぷしゃ、ぷしゃ、と腹部を濡らす。

「は……ンっ、はは……潮噴いてる、可愛いよ……」

「な、ぁ……? しお……? 〜〜〜〜っゃ♡」

 ウツシの手で足を限界まで持ち上げられ、尻を天井に向けられてしまう

 なんて無茶苦茶な体勢だ。

 ぬかるんだ孔を外に晒されて、とても恥ずかしい

 ここから抜け出そうにも、身体には上手く力が入らなくて、弱々しく抵抗をする事しかできない

 身動きがとれないまま、垂直に腰を落とされて緩んだ最奥をどすどすと耕やされる。

「ぃ♡ぎ……っ♡ぅ゛♡あ゛っ、んぅ゛〜〜っ♡」

「ン……んっ……」

 開いた口から男の舌がぬるりと入り込み、声すら封じられてしまう

 息すら飲み込む口付けは、ただ苦しいだけ……ではなかった。

「んん〜〜っ♡ん゛♡ぅ゛♡う゛〜〜っ♡」

 酸欠で意識がぼやける度に、今まで感じたことのない深い絶頂が身体を襲い、頭が混乱する。

 性器からは絶えず潮を噴き上げ、上半身をじっとりと濡らして

 分からない、分からない

 気持ちいい、それしか考えられない

 腰を落とすリズムに合わせて、厚みのある舌が喉奥を突いて、苦しいはずの刺激が快楽に置き換わっていく

「なんで……っ♡こんな、こんなの……っ♡おかしいのに……っ〜〜〜〜ッ♡」

 そうだ、だって、俺は男に抱かれた事なんてない、ないのに

 この身体は、無理矢理押し入ってきた雄を受け入れて、悦んでいる。

 まるで、ずっと経験してきたような……

「それはそうだよ……は、ァ……ッ」

 奥を抉る亀頭が膨らみ、ぶるぶると震え始めた。

 ……もしかして、中に白濁を注ぎ込むつもりなのか

「ひ……っやだ、いやだっ♡ださないで……やだっ♡」

 そう言いながら、肉壁がきゅうきゅうと男根を締め付けているのが分かり、驚愕する。

 精液を乞うような動きをする自分の身体が信じられない

「嫌……? はは、そんな反応じゃないよ? 欲しい、頂戴って絡み付いて……ッン」

 違う、違う

 激しくなる抽挿に翻弄されながら、必死に首を横に振って否定する。

「あぁ……可愛いなぁ、愛弟子……」

 こちらを見下ろして甘く囁く男は誰だ、俺の知っている教官はどこに行った?

 こんな、こんな

 愛しい番を、孕ませるための雌を見るような、目で

「〜〜〜〜ッ♡もうイく♡イくから……ぁ♡やめっ♡」

「うんうん……じゃあ、ンっ……いつものように一緒にイこうね……ッ」

 え?

 今なんと言った?

 師の放った言葉の意味を理解できない、したくない

 呆然と力が抜けた青年の隙を突いて、再びぐぽんと狭い肉の輪に亀頭が嵌る。

「〜〜〜〜ぁ゛ぅ♡」

 そのまま腹の奥を

 丹念に

 丁寧に

 念入りに

 押し潰されて

 ねぶられて

 ごちゅごちゅだか、どちゅどちゅだかの音が止まらない

「はッ、はッ……愛弟子さぁ……初めて男に抱かれて、お腹の奥……結腸まで俺の性器が届くわけないのは、気付いてるよね?」

 聞きたくない、耳を塞ぐ

「〜〜っあ♡あぁっ♡……ひ♡ぃ♡」

 そうすると、自分の聞くに耐えない声が頭に響いてきて、結局手を離してしまう

「……キミの身体はずぅっと昔から、俺だけのものなんだよ……そう"教育"してきた」

 ウツシはそう囁くと、低く呻いて達したようだった。

「〜〜〜〜ッッッ♡〜〜ぁ♡」

 ほとんど同じタイミングで青年も深く絶頂する。

 とぷんとぷんと最奥に満ちていく欲の欠片が、どうしてこんなに気持ちいいのか、分からない

「……これからは、起きている間も教えてあげるよ」

 師は優しく目を細めて、脱力した青年の頬を撫でる。

「キミの奥さんの隣で」

 慈愛すら感じる程の微笑みで言い放った言葉は、何もかもを溶かす毒だ。

 これから始まるであろう"教育"に、猛き炎は身を震わせる事しか出来なかった。

 

 ○○○

 

「そうそう……その調子だよ」

「〜〜っ♡ィ♡く♡……んん〜〜っ♡」

 妻に付き添って仕事を休んでいた猛き炎は、鈍った体を鍛え直す為だと呼ばれた修練場の片隅で、どうしてか乳首を愛撫されている。

 ウツシに後ろからきゅっ、きゅっ、と赤く腫れた先端を扱かれて、甘イきが止まらない

「また……ぁっ♡またイく♡イ……ッ♡〜〜ッ♡」

 これで何度目だろう、腹の奥がゾクゾクと疼いてどうにかなってしまいそうだ。

「あと三回、胸だけでイこうね」

 耳元で囁かれてまた達した。

 がくがくと腰が震えて、今にも倒れそうだ。

「あと二回」

 ぐりぐりと先端を押し潰されて絶頂する。

 男の興奮した息が首にかかって生ぬるい

「最後だよ」

 指で摘んだ頂きをぎゅぅっと伸ばされて、仰け反ってイく

 尻の辺りに熱くて硬いものがずっと押し付けられていて、理性がどろどろと甘く溶けていく

「はい、おしまい……よく頑張ったね」

「〜〜ぁ♡ぁ……っ♡」

 やっと終わった。

 絶頂を繰り返した身体が、支えを失ってがくんと崩れ落ちる。

「おっと……大丈夫かい?」

 が、地面へ倒れ込む前に、浅黒い腕が青年を軽々と抱き上げて、そのまま里への道を歩いていく

 修練場の出口、船着き場まで抱えられて、共に舟に乗り込む

「これから奥さんのお見舞いでしょ? 初めてのお産だし……夫であるキミが、しっかり励ましてあげるんだよ!」

 先程までの"教育"なんてなかったかのように、朗らかに明るい口調で話す師を見て、どんよりと黒い気持ちが溢れ出す。

(……どの口がいうんだ)

 妻の隣で抱かれたあの日から、こんな事ばかりを繰り返されている。

 ある時はクエスト終わりのテントの中。またある時は活動拠点の水車小屋。

 果ては人気の無い集会所や、妻の病室の隣の部屋。

 いたる場所で青年への"教育"が行われている。

 猛き炎、カムラの里を救った英雄。

 それだけの強さを持つのなら、抗う事だって出来た筈だ。

 なのに

 どうしたってこの身体は、師の声にも、触れてくる手のひらにも逆らえない

 自分に伸ばされた手を払い除けようとすると、下腹部が甘く痺れて力が抜けるのだ。

 そうして動けなくなった身体に、"教育"を施されていく

 口にするのもおぞましい師の行動は、日に日に酷く、そして大胆になっている。

 今だってそうだ。

 ふらついた足で診療所までやってきた青年の後ろで、俺も一緒に行くよ! などと言い放って、当たり前の様に妻の病室へと入ってくる。

 彼女の容態を聞いて、今日あった事を面白可笑しく話して笑い合って

 平和で、穏やかな光景に見えるだろう

(〜〜〜〜ッ♡……イ、く……ッ♡)

 人知れず妻の前で甘く達している青年を除けば、だが

 服の中に無遠慮に入り込んできた男の指が、彼の緩んだ孔を弄んでいる。

 入り口の縁を円を書くようになぞられ、ちゅうちゅうと吸い付くそこに中指が埋められていく

(ひ……ぁ……ッ〜〜ッ♡)

 中途半端な絶頂を繰り返している身体には、この程度の刺激でも、目の前が真っ白になる程気持ちいい

 内壁を擦りながら、ゆるゆると抜き差しをされて、背中に鳥肌が立つ

 指を締め付けて奉仕する肉壁に気を良くしたのか、中の圧迫感が増えてしまう。

(また♡〜〜〜〜ッ♡)

 何でもない様な顔で話をしながら、二本の指で前立腺を押し潰されて、インナーの中にとろとろと精を垂れ流す。

 今日は隣の部屋に泊まるから、何かあれば呼んで欲しい

 その言葉に喜ぶ妻の前で、水音が聞こえる程に激しい抽挿が始まった。

 じゅぽじゅぽと粘ついた音が聞こえてきて、バレてしまうんじゃないか、と奥歯を噛んで耐える。

 壁を背にして行われる淫らな行為に、気付く者は居らず

 いらやしく感じている顔を周囲に隠して笑うのも、随分と上手くなってしまった。

 妻に気付かれないようにゆっくりと手の平を握り締めて、尿道からせり上がってくる精子を吐き出す。

 身じろげば、くちゃりと卑猥な音を立てているのが分かる。

「それじゃ、俺はそろそろお暇するよ」

「〜〜ぁ♡」

 前立腺を小刻みに引っ掻きながら指を引き抜かれて、小さく嬌声を上げてしまった。

 どうしたの、と不安げにこちらを見つめる妻の目に、大丈夫だと微笑みかけ、退出する師を見送る。

「……また夜にね」

(〜〜〜〜ッ♡え? ……ぁ……?)

 耳元で優しく囁かれて、自分が達してしまったと気付く

 この身体は随分と"教育"されてしまったようだ。

 熱の塊を欲して疼く下腹部と、甘く痺れる思考を何とか追い出して、妻の隣に座る。

 見合いを通して、遠くの村からこの身一つで嫁に来てくれた彼女。

 人懐っこい性格で、あっという間に里の皆とも仲良くなってくれた。

 懸念も不安もあるだろうに、それでも大丈夫! と明るく笑いかけてくれる。

 自分には勿体ない程出来た人だ。

 そんな妻を、俺はずっと裏切り続けている。

 インナーの中に染み込んだ生ぬるい感覚が、胸の中にある罪悪感を大きく募らせていく

 何時になったら、あの人は自分に飽きてくれるんだろうか

 ……訪れるのだろうか、そんな時が

 あの眼差しを思い出して、ぞわりと背筋に悪寒が走る。

 このまま、夜が来なければいい

 思った以上に顔色が悪かったのか、心配そうに問いかける妻に平気だと笑いかけた。

 大丈夫、大丈夫だ。だって俺は父親になるんだから

 

 ○○○

 

「〜〜ぁ……っ♡」

 両方の胸の頂きを手と口を使って責められ、青年は声にならない声を上げている。

 あの後、日が落ちると共に隣の部屋へ戻れば、既に男が待っていて

 戸惑う猛き炎を前に、音も無く距離を詰め、さっそく始めようかと服を脱がされ押し倒され、中途半端に発情した身体を弄ばれ続けている。

「やめ……♡やッ♡〜〜〜〜ッ♡」

 胸の突起を甘く噛まれて、下腹部がじんじんと疼く

 何が大丈夫だっていうんだ。こんなの耐えられる訳がない

 腰を震わせてとろとろと射精する青年を、ウツシは熱の篭った目で見つめている。

「ここの所、ずっと中途半端に気持ち良くて辛かっただろう? ……今夜はしっかりと気持ち良くしてあげるからね」

 巫山戯た言葉と共に、青年の腹の上に押し付けられた熱の塊。

 血管が浮き出てどくりどくりと脈動し、火傷でもしそうな程の温度を持ったそれ

 硬く張り詰めて、今にも爆発しそうな欲望の塊から、目を離す事が出来ない

 これ、これが、俺の……中を……?

 それを想像するだけで、腹の奥がきゅうきゅうと締まる。

「……そんなに見られると流石に照れちゃうな」

 照れ隠しなのか、頬を撫でてくる手がひどく熱い

 すり、すり、と腹の上を滑る剛直に頭が甘く揺さぶられる。

「ぁ……♡ぁ♡……っ♡」

 頬から首筋へ、鎖骨をなぞって脇腹を擽られ、足まで下りた男の手が、興奮で収縮するぬかるんだ孔に添えられた。

 青年のあさましい窄まりは、ゆっくりと焦らす様に触れてくる指を飲み込む為にちゅうちゅうと吸い付いている。

「あぁ……良い子だね……」

 淫液を絡ませた指が何の抵抗もなく中へ侵入し、肉の壁を拡げるように動き出す。

 何度も雄を受け入れた孔は、あっという間に三本の指を咥え込こんで、もっともっとと嬉しそうに舐めしゃぶっている。

「……っ♡〜〜〜〜ッ♡」

 快楽を求めてうねる内壁をあやす様に撫でられると、"教育"された身体はすぐにイってしまう

 そんな青年の様子に気を良くした男は指を引き抜き、己の昂りをとろとろに解れた後孔に押し当てる。

 どくりどくりと脈動する灼熱の塊が孔の縁に触れると、腹の奥が痛い程疼いて、腰が自然と動いてしまう

「……欲しい?」

「! それ、は……」

 決定的な言葉だ。ウツシは弟子である猛き炎に、不貞を働くのかどうかを聞いている。

 あの日、意識がある状態で抱かれた日から、この身体は中途半端な快楽しか与えられなかった。

 正直に言えば、この孔に押し当てられている熱の塊が欲しい

 中を満たして、奥を抉って……その気持ち良さを青年は知っているのだから当然だ。

「気持ち良くなりたくない……?」

 男のでっぷりとした亀頭が孔に触れる度に、ちゅ、ちゅ、と吸い付く音が聞こえてきて、恥ずかしさで頭がくらくらする。

 だが、頷く訳にはいかない

 自分を信じてくれている、想ってくれている妻を、これ以上裏切る事は許されない

 僅かに残る理性を掻き集め、力の入らない腕でウツシの胸を押しやる。

「……本当にキミは良い子だね……それでこそだ」

「……え?」

 よく知る声色だ。上手く武器を使えた時、調合が上手くいった時に、よく出来たねと褒めてくれる時の穏やかな声

 もしかして、元のウツシ教官に……? そう思い、顔を上げると

「ぇ……? ぁ……? 〜〜〜〜ッッ♡♡」

 ごちゅん、と腹の奥で音がした。

 何を考える事も出来ず、抵抗する暇もなく、青年は身体の全てで強く激しい絶頂を迎えている。

「ぁ゛ぁ、っ〜〜〜〜ッ♡」

 ぷしゃりぷしゃりと潮を噴き上げて悦ぶ顔を、愛おしそうに見つめる男と目が合った。

 見つめられたまま最奥を深く深く抉られて、あまりの刺激にウツシの背中に腕を回して爪を立てる。

「〜〜ッぐ」

 男の低い唸り声と共に、ほのかに立ち上ってきた鉄の匂いが淫らな空気と混ざりあって、青年の中にある理性も倫理も、何もかもを塗り替えていく

「〜〜♡ぁ♡ぁ♡ん……っ、〜〜〜〜ッ♡」

 気持ちいい

 気持ちいい

 気持ちいい

 中を満たす熱が、雄が、こんなにも心地いい

「コレ、好きでしょ?」

 腹の奥、狭い肉の輪に亀頭がかぽりと嵌る。

 深い絶頂に仰け反った身体を抱き締められて、良い子良い子と頭を撫でられると腹の奥が疼いて、甘えた声が止まらない

「〜〜ぁ♡ひ、ぅ……♡んぁ……♡」

 ウツシの肩に顔を埋めて、はくはくと息を吐く

 もっと声を抑えないと

 ……抑える?

 どうして声を出したらいけないのか、頭がぼんやりとして思い出せない

 そんな疑問が顔に出ていたのか、男がくすくすと笑いながら耳元で囁く

「ふふ……ちゃんと気持ち良い声を抑えられて偉いよ……隣に聞こえたら困っちゃうもんね?」

(――――っ!)

 隣で眠っているであろう妻の顔を思い出して、ひゅっと息を飲む

 そうだ、俺は……!

 男を押し退けるために腕に力を込めるが

「ぁ、ぁ……っ♡〜〜〜〜ッ♡」

 我に返った青年の行動を見越したように、最奥をねぶる動きが激しくなる。

 小刻みに中を突き上げられ、与えられる快楽の事しか考えられない

 汗ばんだ肌がぶつかり合う湿った音が部屋に響く

「は……ァ、ンん……ッ俺もさ、流石にもう限界なんだよね……ッ」

 敏感な粘膜の壁を擦り上げていた塊が、いつも以上に大きく膨らみ、ぶるぶると震えている。

 駄目だ、こんな……こんな状態で中に出されたら……俺は……

「〜〜〜〜っひ♡ぁ……ッ♡ぁ♡」

 やめてくれ、そう言いたいのに声が出ない

 青年の口から零れるのは、甘く蕩けた嬌声だけだ。

「〜〜ッ、はは……可愛いおねだりだね……っン」

 獣の様な唸り声の後、最奥に押し付けられた亀頭から熱が放たれる。

「〜〜〜〜ッッッ♡」

 これ以上ない程の深い深い絶頂と共に、とぷとぷと暖かいものを腹に注がれて、自分が塗り替えられ変わっていく

 止まらない抽挿に合わせて腰を振って、与えられる快楽を全て飲み干して

 そしてようやく理解する。

(俺は……この人のものだったんだ……)

 性器からぷしゃりと潮を噴く青年は、男の背に腕を回して甘く囁く

「……もっと……っ♡もっとする……♡おなかいっぱいに……♡ぁ♡」

 未だ萎える事のない昂りに再度突き上げられ、あっけなく達してしまった。

 溢れた淫液が、腹を伝って布団の上に落ちる。

「……奥さんの事はもういいの?」

 それを問われて、青年の脳裏には妻の笑顔が浮かぶ、自分を気遣う優しい言葉も

 でももう、何だっていいんだ。

 今、隣で眠っている妻を思うと、甘く蕩ける快感が湧き出てきて、中を満たす雄をきゅうきゅう締め付ける。

「だって……っ♡こんな……きもちい……♡〜〜っすき♡すき♡」

 早く頂戴と、ウツシに擦り寄って愛を囁く自分は、誰にも見せられない雌の顔をしている事だろう

 それを見せるのは、たった一人だけでいい

「うん……うん、俺もキミが好きだよ……ははは」

 歪んだ欲望を抱えたまま、男はとても幸せそうに笑った。

 

 ○○○

 

 カラカラと、水車小屋の戸が開く音がする。

「おかえり、愛弟子……ちゃんと言った通りに出来たかな?」

 そこに立っていたのは、彼の師だ。

 青年はうっとりと頷くと、ウツシの元へふらふらと歩いていき、肩口に擦り寄り甘い吐息を吐く

「ん……ぁ♡ちゃんと……いいこに、しまし……た……ぁ♡」

 男が服を脱がせると、じっとりと濡れたインナーに勃ち上がった性器が張り付いていて、とても卑猥だ。

「何回イったの?」

「……っ♡わかんな……ぃ♡たくさ……♡イく♡イ……く……ぅ♡」

 かくかくと震える腰にねっとりと手を這わせると、蕩けた声を上げて達したようだった。

 濡れたインナー越しに、とぷりと淫液が溢れたのが見える。

 青年は足に力が入っておらず、もう立っているのも限界なんだろう

 予め敷いておいた布団の上に寝かせると、濡れたインナーを剥ぎ取って丸裸にする。

 汗でしっとりと吸い付く肌を撫でて、足を持ち上げると

「コレ……気持ち良かった?」

 そう言って後孔から、猛き炎を快楽の渦に閉じ込めていた玩具を取り出した。

 滑らかな素材で出来たそれは、腹に力を入れるだけで前立腺を刺激する、ある界隈で有名な淫具だ。

 青年はこの玩具に身体を弄ばれながら、今日を過ごしていたのである。

 数え切れないほどの絶頂を繰り返して、いやらしく感じる顔を必死に隠して

 ようやく待ち望んだ夜がやって来たのだ。

「いいこ、したから……ぁ♡ごほうび……っ♡ほしい……♡」

 いつ産気づいてもおかしくない妻を放って、他の男との睦言に熱を上げて

 雄を欲して収縮する孔を、自らの指で拡げて男を誘う

 ……こんなにいやらしい顔をする夫がいるものか!

「はやく……っ♡はやく……ぅ♡」

 甘やかな声でウツシを求める姿に、自然と口角が上がっていく

 この子は俺のもの、俺だけのもの……誰にだってくれてやる気は無い

 赤子を産んだ後のアレを、どうやって"失踪"させようか

 そんな事をつらつら考えながら、青年に請われるまま、己の昂りを突き入れた。


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