突如幻想郷への侵略を開始した淫魔界。これに対し八雲紫や摩多羅隠岐奈ら妖怪の賢者たちは、数多ある勢力の中から紅魔館を選んで迎撃を要請した。幻想郷随一の兵力を誇り、淫技においては他の追随を許さぬ紅魔館。スペルカードルールを封じられた淫闘結界の中で、彼女達はいかに、精あふれるけだものたちを迎え撃つのだろうか。


ディスコード鯖の企画で書いた東方二次創作短編です。
シチュエーションごちゃ混ぜ闇鍋企画。という事で私が引いたのは【バトルファック】でした。定義は調べてみましたが、影響を防ぐ為にバトルファック系の作品はあえて履修しませんでした。なのでちゃんとバトルファックになっているかは不明です。(;´д`)

他の方々の魅力あふれる作品はこちらから。
https://r18novel-lovers.com/SituationShuffle

この作品はノクターンノベルズでも掲載しています。

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淫殺紅魔~スカーレットオルガズム~

 透き通った蒼玉を思わせる湖水の上を、妖気に満ちた白霧が滑る。

 

 霧の狭間で楽しそうに踊る影。どこか朧気でいて現実感を伴わぬ幻想は、それ故に確かな存在であると確信できた。

 

 その光景にひとたび目を奪われた者はもはや還らぬ。妖(あやかし)に連れ去られるか怪魚のエサとなるか、はたまた無邪気に騒ぐ妖精たちの玩具と成り果てるか。

 

──霧の湖。それは幻想郷の中でも特に危険な場所として数えられる名所の一つである。

 

 

「なんだー? じじい何やってんだ? 変な棒構えて頭おかしいのか?」

 

 そんな危険な湖の畔に、釣り糸を垂らす一人の翁がいた。どうみても自殺志願者としか思えぬその人物の傍に、宙を滑る様に一体の妖精が舞い込んできた。氷晶の翼を背に負う事から、彼女が氷の妖精である事が伺える。

 

 元来希薄な存在である妖精であるにも関わらず、群青のワンピースから飛び出す四肢は活力に満ち、若鮎のごとき瑞々しさに溢れている。妖精の中でも特に力ある存在であろう証左だ。

 

「ほっほっほっ。元気なお嬢ちゃんだ。これは釣りというのだよ。虫をエサに魚を捕るのさ」

「あたいはじょうちゃんじゃないぞ! チルノっていうんだ。ここはあたいの縄張りなんだぞ! 勝手にわけわかんない事しやがって、氷漬けにしてやる!」

 

 チルノと名乗った氷精を中心に、キラキラと白銀の輝きがゆらめき始めた。空気中に漂う分子が急速に冷やされて凝固する、ダイアモンドダストと呼ばれる現象だ。巻き込まれれば只人など即座に凍り付いて命無き氷像と化すだろう。

 

「それは恐ろしいのう……。そうだ。釣った魚はお主に渡そう。儂は単に釣りがしたいだけでな? 奪う気など毛頭ないのだ」

「うん? さかなくれるのか? なんだ。それならあたいは損しないな! おまえ良いじじいだな!」

「ほっほっほっ。どうやら命拾いしたようだの。では今までの釣果を渡そう。丸々と太った鱒が三匹に山女が一匹……中々食いでがあるぞい」

「おー! これはいいさかなだ! みんなに自慢して一緒に食べよう! じじいありがとな! またここでさかなを取ってもいいぞ! あれ? なんか前にもこんな事あったか?」

 

 能力で凍らせた魚を手に取って得意そうに喜び、そのあとすぐに不思議そうな表情を浮かべたチルノ。本人は忘れている様だがすでにこのやり取りの回数も十を超えていたのだ。

 

「まあいいか! じゃあまたなー! 良いじじい!」

「ああ、またなお嬢ちゃん。お友達の妖精や、闇と蟲と鳥の妖怪たちによろしくな」

「なんでじじいがあたいの友達知ってんだ?」

「おじょうちゃんは強くて有名だからさ。さぁ、もうお行き。魚は新鮮なうちが美味いぞ」

「そうだな! 待ってろよみんなー!」

 

 背の氷晶を輝かせて、白霧を切り裂きながら飛翔していくチルノ。そんな彼女を孫を見るかのような視線で送った翁が、魚籠や釣竿を片付け始め──

 

──ピシリ。

 

 その真横の空間が、音を立てて裂けた。

 

 霧の湖に満ちる妖気が子供騙しであったかの様な、名状し難く禍々しい気配が周囲を浸食し始める。

 

 裂けた空間の切れ目が徐々に広がり、冒涜的な内側が顕現していく。そこに見えるのは大小様々な無数の眼(まなこ)だ。何百何千という、深淵から覗き返す無数の眼がぎょろぎょろと周囲を眺め。釣り具を片付けていた翁に集中する。

 

 ああ、発狂は免れまい。むしろそれで済めば僥倖である。魂すら汚すおぞましい視線に犯され、魂魄ごと消滅してしまうだろう──それがただの人間であれば。

 

「チルノといったかしら。あの娘がお気に入りなの? 隠岐奈」

 

 裂け目から響いた声は驚くべき事に、美しい女の声であった。姿は見えずともわかる。絶世の美の体現とも言うべき主の姿が。 

 

「ほっほっほっ。中々に見どころのあるおじょうちゃんでな。確かに儂のお気に入りじゃよ、紫」

「いつまでお爺さんやってるのよ。ちょっと話し合いたい事があるの。マヨヒガにきてくれるかしら?」

「ほう。なんぞあったか。いや……──ああ、確認したわ。アレの事ね」

 

 そしてこちらも……。空間に開いたおぞましい裂け目と会話をする翁。すり切れた襤褸のような服を纏っていた筈の老爺が、北斗七星を象った狩り衣に身を包んだ美女に変化したではないか。渋みのある低音の声もまた、天の風琴が奏でるような可憐な美声へと切り替わっている。

 

 隠岐奈と呼ばれた女性の背後から、神仏が放つ後光の様な……否、様なでは無かった。神威の現れたる光輝が溢れだし、空中に扉が開く。すうとその中に吸い込まれるように彼女が消えてゆき……後にはただ、さざ波だつ湖面が残されていた。

 

 

 ※

 

 

 カリカリと、上質な紙の上を羽ペンが躍る心地よい音が響く。

 ただ書類をしたためるだけの行為が、それを行う者によってこれほどまでに変わってしまうのだろうか。もはやそれは、一つの芸術だった。

 

 カリカリ、カリカリ、一定のリズムに従い執務室に響く音は、まるで音そのものが生命を持ったかのようだ。薄桃色のドレスに身を包んだ一人の少女。その華のかんばせは、美を司る女神が余りの恥ずかしさに権能を投げ捨ててしまっても不思議ではない。余りにも美し過ぎたのだ。

 

 その証であろうか。部屋を照らし出すシャンデリアの輝きすらも、少女を避けて通るかのように揺らめいている。美しすぎる存在を照らす事に恥じらっているのだろう。

 

 少女の名はレミリア・スカーレット。真祖たる吸血鬼、永遠に紅き幼き月、紅い悪魔、様々な二つ名で呼ばれる彼女こそ、幻想郷のパワーバランスの一角を担う強大なる魔王であった。

 

「お嬢様。パチュリー様より伝言です」

 

 一目で上質とわかる黒檀の執務机に向かうレミリアの傍らに忽然と、メイド服に身を包んだ銀髪の少女が現れた。

 ドアは一ミリたりとも動いていない。そも少女は本当に忽然と現れたのだ。驚くべき事態である。だというのにレミリアには毛すじ程の動揺すら見られない。当然だ。銀髪のメイドは十六夜咲夜なのだから。

 

「珍しいわね。パチェが貴女に伝言を頼むなんて。それほど緊急なのかしら」

 

 カリカリ、カリカリ、羽ペンと紙が奏でる芸術は主従の受け答えの合間も続いている。その美しき調べが、メイド長の放ったただの一言で止まった。

 

「敵が来る──と、そう仰せでした」

 

 ニヤリと、レミリアの口角が片方だけ吊り上げられる。ペンを止め、ほんの刹那の間だけ瞑目した彼女は、その一瞬で運命をかいま視た。

 

「おもてなしの準備をして頂戴。まずは一人、妖狐のお客様が来るわ。その後に沢山のお客様がいらっしゃるわね。ふふ……今宵は楽しくなりそうね」

「かしこまりました。お嬢様」

 

 現れた時と同じ様に、十六夜咲夜は忽然と消失した。今ごろは応接室にて、もてなしの準備がととのっている事だろう。

 気品に満ちた仕草で革張りの椅子から優雅に席を立ち、応接室に向かうレミリア。その漆黒の夜を写し取ったかの様な黒翼が僅かに揺れていた。まるで、おもちゃを手にいれた子供の様に。

 

 

 ※

 

 

 紅魔館を訪れた八雲藍は、実のところ少しだけ憂鬱であった。

 忠誠を誓っている主の命令だ。その内容に僅かな疑心を抱くだけでも不遜である。わかってはいた。だが、彼女は淡々と命令をこなすだけの純粋な式神ではない。強大な力を持つ妖獣に式を憑依させた、八雲紫が造り出した最強の式神である。

 

 故に己が意思で考える事が出来る。主の無茶ぶりに幾度となく応えてきた彼女であったが、今回ばかりは気が重かった。幻想郷の侵略をたくらむ外部勢力、それも酷く悍ましい性質を持った相手だ。いくら最強の一角と畏れられる紅魔館とはいえ、単独勢力に全てを任せるというのは余りにも酷では無いか。

 

 だが、八雲藍の予想に反し、紅魔館側は幻想郷の管理者サイドからの要求を全面的に受け入れた。それも嫌々などでは無く嬉々としてだ。

 

 レミリア・スカーレットは吸血鬼だ。吸血鬼は元来好戦的な種族であり、武力闘争による事態の解決に関してはスペシャリストである。とはいえ今回の相手にはスペルカードルールも適用できず物理戦闘による抹殺も不可能ときた。相手の得意な土俵で戦うしかないのだ。

 

 だというのにあの吸血鬼は満面の笑みで快諾して見せたのだ。

 

 マヨヒガに戻った八雲藍は、スキマを通して世界中から集められた美酒を酌み交わす己が主とその友神に、疑問をぶつけてみる事にした。

 

「──というわけなのですが。紫様、摩多羅様、紅魔館のあの態度は一体全体どういう事なのでしょうか?」

「なんだ天下に響く大妖たる九尾のわりに偉く初心な心根じゃないか。紫よ、お主相当過保護に育てているのだな」

「五月蠅いわね……私の勝手でしょう」

 

 藍の言葉に呵々大笑して友をからかう隠岐奈。九尾の狐と言えば、三国に渡り妖異を為した伝説の大妖怪、金毛白面を輩出した、数多ある妖怪の中でもトップクラスに有名な種族である。

 一つ一つの尾が強大な妖に変化し、その一振りで山を砕くと云われる程の力と、酒色に慣れた王や皇帝たちも骨抜きにする閨の術を持つ、残忍にして淫蕩なる気性。だと云うのに、友の直属たる式神のなんたる可愛らしい事か。ついつまみ食いをしたくなってしまう。などと心の中で舌なめずりをする隠岐奈であった。

 

「駄目よ。藍は私のモノなの。手を出したら殺すわよ」

「おお怖い怖い。さてさて、過保護な友の愛し子たる君の疑問に答えてあげるとしよう。まずは確認からだ。八雲藍、今回の『敵』は一体何者かな?」

 

 顔見知りの秘神の言葉に、おとがいに指をあてて考えを纏めつつ答えていく藍。自覚が無いにも関わらず、その所作の一つ一つが艶めかしいのは、九尾たる所以であろう。

 

「この世界と隣り合わせに存在する幾つもの異世界。その中の一つである淫魔界に住まう淫獣たちです。他世界から女を攫い、辱め、凌辱し、精気を奪って苗床とする唾棄すべき者たちです」

「そうだ。そしてなにゆえ、たかが女を犯すしか脳の無い奴らが恐れられているかはわかるかい?」

「彼等を率いる存在である淫魔王の能力です。淫魔王が創り出す固有結界は内部にいる者に制約を課します。性的に絶頂する以外では互いにダメージを与えられなくなるという強大な制約です」

「ふむ、正解だ。ではそれを踏まえて……紅魔館を統べるのは誰だったかな?」

「なんですって? そんなものレミリア・スカーレットに決まっていますが──」

 

 わかりきった隠岐奈の問いに藍が不思議そうに答え……はたと思い悩む。あえてわかりきった事を聞いた事には意味がある筈なのだ。彼女は摩多羅隠岐奈。幻想郷の管理者の一人にして究極の絶対秘神。様々な事柄を司る真正の神なのだから。

 

「いえ、待ってください。レミリア・スカーレットといえば吸血鬼という印象が先行しますが、彼女は悪魔族でもあります。それも数多の悪魔たちを従える幼き悪魔王(デーモンロード)……。もしや彼女は淫魔としての性質も持ち合わせている?」

「はい正解。つまりは此度の闘いは彼女にとっては独擅場ともいえるものなんだ。それについ最近、あそこの当主の妹のお陰で良い物を手に入れてね。お礼も兼ねて悪魔姉妹に贄を捧げようかといった所さ」

「例の石油の件ですね。しかしなるほど……とはいえ敵もかなりの大勢力の様ですが、いかな運命と破壊を司る悪魔王とはいえ大丈夫なのですか?」

 

 主である八雲紫から共有されたデータによれば淫獣たちの群れは10万を超える規模との事だ。さらには淫魔将クラスの存在も複数体確認されている。その能力のままに殲滅するならともかく、淫らの業にて闘うのであれば多勢に無勢ではないのだろうか。藍は二人の幼い姉妹が淫獣の群れに囲まれ、奮闘虚しくそのいたいけな肢体を無数の触手に蹂躙されて呑み込まれていく様子を幻視してしまう。

 

 例え一騎当千に淫獣たちを相手取っても、肉体は一つきりなのだ。次々と襲い掛かるケダモノたちの群れに、いかな強力な悪魔とて肉の穴という穴をほじり尽くされて快楽に堕し、その気高き心までも汚泥に浸して屈服してしまうのではないだろうか。

 

「あそこに居るのは悪魔の姉妹だけではないよ。ふふ……むしろ、もっと怖ろしいモノが潜んでいるかもしれないね。はははっ! まぁ映像はここからでも見れるし、彼女達の奮闘を観戦しようじゃないか。醜いケダモノたちと淫らに闘い合う美少女たちのショウなんて、大金を積んでも見られるものではないよ」

「悪趣味ですね……──紫様?」

 

 ケタケタと嗤いながら空中に映像を投影し始めた隠岐奈。その様子に溜息を吐いて、まさか主も同じような事は言うまい……と視線を向けてみれば、そこには瞳をキラキラさせて食い入るように映像に見入る八雲紫が居た。

 

「えっ? 藍は見ないの? そろそろ貴女もこういう事を学んだ方が良い時期よ。幻想郷も綺麗ごとばかりではないのだから。ほら、全てを受け入れなさい」

「はぁ……確かに一理あります。では失礼して……」

 

 主とその友人が囲むこたつに、もぞもぞと入っていく藍。なんだかんだ興味のあるお年頃なのだ。とはいっても優に千歳は超えているのだが。

 

「つまみと酒を追加しましょう。藍も遠慮しないで頂きなさい」

「はい」

「おっ! どうやらそろそろ始まるぞ。きゃつらの異界穿孔術を我らの力で誘導したからな。全ての異次元回廊は紅魔館内部に限定されているはずだ」

 

 境界を操る紫と、後ろ戸を操る隠岐奈の力が合わされば大抵の事は出来てしまうのだ。全く以っておそろしい異次元殺法コンビである。

 

 やれやれと、藍は炬燵の卓に置かれた銘酒を升に注ぎ、わいわいと騒ぐ二人の超越者たちの様子を肴に、ちびちびと杯を干していくのだった。

 

 

 ※

 

 

「おもてなしの準備はととのったかしら?」

「万事つつがなく。四名の副メイド長麾下、四つの戦闘メイド大隊は館内に展開済みです。パチュリー様の管理する地下魔導図書館でも、司書長である小悪魔麾下の魔導メイド大隊がついています」

「美鈴は?」

「今回は館内への直接侵攻という事ですので、彼女は緊急時の備えとします。大きな仕事も任せていますしね」

「良い采配ね」

「感謝の極み」

 

 紅魔館最上部、玉座の間。

 天井一面に張られた、館の姉妹を模した荘厳なステンドグラスからは、血の様に紅い夕(・)陽(・)が差し込んでいる。

 

「そういえばフランはどうしてるかしら?」

「直属のメイド小隊を率いて、紅魔館深部地下迷宮にて手ぐすねをひいて待ち構えています。かなりハッスルしておられました」

「例の気狂い部隊か、私ですら手に負えないというのに……。まぁ地下に向かう奴らはかわいそうな事になるわね。図書館にしても迷宮にしても、地獄と変わらないもの」

「結末はどこも変わらないと思いますが」

「過程は大事よ? 甘やかな快感の中で息絶えるか、業苦と激痛の中で悶えながら息絶えるか、どちらがマシかは一目瞭然だもの」

 

 玉座に君臨する紅い悪魔、吸血鬼レミリア・スカーレット。いくら特殊な処理を施したステンドグラスとはいえ、吸血鬼にとって天敵ともいえる陽光を浴びているというのに彼女にはなんら変調がみられない。そも、真祖たる彼女にとって陽の光は天敵では無い。本当に苦手であれば外出時も日傘程度で防げるわけも無いのだ。

 

「私はここで勇者たちを迎え撃ちましょう。ふふ……貴女も愉しむと良いわ。久方ぶりの贄だもの、今宵は紅魔に連なる者全てにとっての宴となるでしょう」

「仰せのままに。お嬢様」

 

 

──そして宴の幕が上がる。

 

 

 妖怪の山の向こうに太陽が堕ち、真紅の月が昇る頃、霧の湖のほとりに建つ紅魔館が突如、名状し難い闇色のヴェールに包まれた。

 

 ほぼ同時に、館の内部各所にて異次元へのゲートが開き、淫魔界より数多の淫獣たちがなだれをうって侵攻を開始したのである。

 

 

──紅魔館地上階層。

 

 

 総勢五千余名を擁する紅魔館戦闘メイド師団の頂点に立つメイド長、十六夜咲夜。彼女の能力によって空間拡張の施された館内は広大である。各所に設置されている空間転移陣に頼らなければ、人の足では移動すらもままなるまい。

 

 館内のいたる所で開いたゲートから、醜悪な化け物達が群れを成して現出していく。

 

 汚らしい粘液に塗れた、人間をいびつに歪めた様な目も鼻も無いのっぺらぼう。

 中心部に巨大な目玉の付いた、数百の触手を生やした球体状の妖異。

 全身からおぞましい男根を無数に生やした、爛れた蛞蝓の様な化け物。

 

 その他にも様々な姿の淫獣たちが次々と現れては、近くにいるメイドたちに襲い掛かり始める。どの淫獣も名状し難い冒涜的な形状をしているが、全ての個体は共通して必ず女を犯す為の男根の様な器官を複数具えていた。もっとも、その形状は女を犯すというよりは壊すと表現した方が適切であったが。

 

 まるでサボテンの様な肉棍にびっしりとか(・)え(・)し(・)のついた硬い棘を生やす者や、女の胴回りと変わらぬ太さと一メートル近い長さの巨槍を屹立させている者。数本の肉槍が絡まり合って捩子くれ、まるでドリルの様に回転している者もいる。こんなもので犯されても、淫魔王の固有結界のせいで死ぬことも出来ずに絶頂と快楽に狂い続けるしかないのだ。それはもはや女にとって地獄の責め苦と変わらぬ拷問である。だが──。

 

 

「わぁ……逞しいおちんぽが沢山♡ 皆早い者勝ちだよー♡」

「あっ待ってよー。ちゃんと仲良く分けようよー」

「んほおおおおおッ!! トゲトゲしゅごいのおおお♡♡♡ わらひのおまんこ壊れてミンチになりゅううううう♡♡♡」

「あのバカでかいチンポはあたしのモンだあああ!! おらあああ!! どけや雑魚マンコども!」

「ドリルちんぽでぇッ♡♡♡ 子宮まで抉られてりゅのおおおおッ♡♡♡ ひぎいいいいいいいッ♡♡♡♡」

 

 襲われているのでは無い。むしろその逆であった。

 

 おぞましい淫獣たちがゲートから現れる度に、仲間である筈のメイドを押しのけて自ら股を開きに行く痴女たち。あまりの勢いにさしもの淫獣たちですらやや引き気味である。とはいえ、女日照りであった彼等はすぐに目の前の極上の雌たちに夢中になり、その肢体を貪り始めた。

 

「オンナ! オカス! ハラマス!」

「ギュブブブ……、なんとも素晴らしい美女の群れであるか。よがり狂わせて快楽に堕とし、我らが苗床としてやろう」

「ゲバババババババッ!!」

 

 淫獣たちは種族によって知能もまちまちのようだ。とはいえ元より女を犯す事に特化した者たちである。流暢に話している様に見える者でも、その汚らわしい脳髄の中にあるのは性欲のみであった。

 

 紅魔館地上部のそこかしこで、似たような光景が繰り広げられていた。雲霞の如くゲートより湧き出る淫獣たちと、それを淫らな肉体で迎え撃つ戦闘メイド部隊。

 

 十六夜咲夜てずから鍛え上げられたメイド部隊は妖精を主として構成されているが、全体の二割ほどは妖怪や悪魔で構成されている。だが妖精と侮るなかれ、真祖たる大悪魔の加護を受けた彼女らの実力は妖怪の山を住処とする天狗たちにも引けを取らない猛者ぞろいだ。

 

 広大な館内の様々な場所に散っているとはいえ、総勢10万体を超える淫獣たちを相手に寡兵であたるメイド部隊は如何にして抗するのか。単純な戦力比としてみればその差はおよそ20倍もあるのだ。

 如何なメイドたちとはいえ、1人につき20体もの化け物たちを相手取るとなればその結末は容易に想像できる。これが、単純な殺し合いであれば──だが。

 

「んほおおおッ!! おまんことケツまんこが壊れるうううッ♡♡♡ そんなぶっといの何本もぶちこまれたら穴がガバガバになっちゃうよぉ♡♡♡ んむお゛ッ──んぶうッ♡♡♡」

 

 しかしこれは淫らな性の闘いだ。女のカラダには男の欲望を受け止めるための部位がいくつもある。膣はもとより尻穴や口、果ては乳孔や尿道すらも蹂躙されているメイドたちは、自然と1人につき10を超える淫獣たちを相手にしていた。

 

 たとえば、今そこで激しい嬌声を上げている栗色の髪と薄緑の羽根を持った妖精メイド。

 彼女は下半身の三つの肉の穴で六体分の淫獣の男根や触手を受け入れ、艶めかしい唇を犯されつつも豊かな胸部と手を駆使して更に四体分の欲望を受け止めていた。

 

「おごッ!! おぼおおおッ!! げほっ……きひいィィィ♡♡ おまたの穴全部裂けて繋がっちゃうよぉ♡♡♡ おっぱいもしゅごいいい♡♡♡ 乳首穴拡がっちゃってぇ……乳腺抉られてるううう♡♡♡♡」

 

 触手によって全身を持ち上げられながら両脚を180度に開かれ、膣と肛門と尿道は明らかに限界を超えてメリメリと引き裂けそうな程に拡がりきっている。

 

 乳肉は巻き付いた触手によって痛々しいほどに引き絞られ、いくつもの触手で犯されている乳肉は内部で蠢く触手によってボコボコと波打つように歪んでいた。だというのにその両手は、自ら男根を求めて手淫にて奉仕を続けているのだ。まさに天性の淫女といえるだろうが、それが全員とも同じ様な状態とあれば舌を巻くほかない。

 

 やがて淫獣たちの全身がぶるぶると震えはじめ、粘性を帯びた灼熱の体液が一斉に女体を抉っている凶器から放たれる。

 

「んお゛ッ!! おぼおおおおおッ!!」

(凄いッ♡♡ 私のカラダのナカもソトも真っ白に染められてるッ♡♡ こんなの絶対孕んじゃうよぉ♡♡♡ んあああッだめええええッ♡♡♡ イくうッ♡♡ イッちゃうのおおお♡♡♡)

 

 全身を白濁に染めあげられ、胎内に放たれた夥しい量の精で腹部をパンパンに膨らませていく妖精メイド。その心が完全に屈服して紅き主への忠誠が消えた時、彼女は自らを犯した敵に絶対の服従を誓うだろう。

 

 精力の尽きる事無い淫獣たちの凌辱は続く。果たして彼女達はいつまで抗えるのであろうか。

 

 

──紅魔館最上層、玉座の間。

 

 

 空気は澄みきり、静謐であった。

 

 降り注ぐ月光は冷たく、そして重い。

 

 全ては玉座に座す人物のせいであった。

 

 白磁の肌はこの世の穢れを知らぬかの様に無垢なのに、切れ長の眦は帝王の如く覇気に満ち溢れている。

 

 その面差しは、とても人の世に存在してはならぬ程に美しい。事実、ここは忘れ去られた者のまつろう幻想郷だ。なるほど、と膝を打つのもむべなるかな。この様な魔性の美が世界に存在して良い訳が無い。ただ存在するだけで世界の法則を歪め、いずれは宇宙全体が狂い果ててしまうだろう。

 

 ああ……。レミリア・スカーレット。あらゆる魔性の頂点に君臨する美の体現者よ。汝はその玲瓏たる美貌の裏で何を想う。それを知る為であれば天上の地位を投げ捨てても惜しくなど無い。或いはそうして堕天したのがルシフェルなのだろうか。

 

 一辺が一キロはあるだろう大広間の最奥部。天蓋から差し込む紅き月光に照らされた魔王の黒翼がピクリと揺れ、その口の端が僅かに歪む。

 

「来たわね……。もし万が一にも、この私を斃せる者がいるのならば……うふふ、例えそれがどれほど悍ましい存在であったとしても……私の全てを捧げましょう」

 

 それは如何なる意図で零れた言葉か。地獄へと通ずる奈落の穴よりも深い、なんらかの深淵な意図が籠められているのだろうか。否である。

 

 レミリア・スカーレットは待っているのだ。永劫の時を生きる彼女にとって生はかりそめに過ぎぬ。己を屈服させる程の存在と出会えた事など無い彼女にとって、生まれながらに絶対強者たる彼女にとって、より強い者に膝を折る憧れは禁断の蜜であった。

 

 玉座の間に続く大扉が開かれ、一体の淫魔将に率いられた淫獣の群れが玉座の間に侵入を果たした。

 メイドたちは敗れたのであろうか。そうではない。この階層にもとより守護の部隊は存在していなかったのだ。

 

「貴様がこの館の主か。大層な気配だが、我らが構築したこの結界内では無意味だ。おっと、交渉は無駄だぞ。その上質な妖気を吸い尽くして我らに従順な肉のしもべとしてやろう」

 

 鬼の如き巨躯を誇る異形の巨人が、玉座へと続く段差を登りながら告げた。

 

 他の淫獣どもにくらべればま(・)し(・)な造形をしている。彫りの深い端正な顔立ちは工芸神の手による男神象を彷彿とさせるが、邪悪に嗤う表情がそれを台無しにしていた。

 

「出来るものなら喜んで……。さぁ、こんなに月の紅い素敵な夜だもの。貴方達の全霊で私を愉しませて頂戴」

 

 姿形など吸血鬼にして悪魔王たる彼女にとっては些細な問題だ。今回は敵に合わせ、より闘いやすい形態に変化済みである。普段の少女の姿ではなく、もっとも女としての色気が香りだつ妙齢の姿であった。

 

 美しく妖艶なエロスを撒き散らしながら、紅き悪魔王(デーモンロード)が玉座から立ち上がる。

 

 ふわりと、艶めかしく艶光る黒翼を広げ……ひどくゆっくりと宙を駆ける。そうして彼女は自ら、ケダモノたちの群れの中に飛び込んでゆくのであった。

 

 

──地下大図書館。

 

 

「来たわね──小悪魔、魔導図書館をプロテクトモードに」

「はぁい……。ああ……めんどくさい」

 

 水晶球や魔導書、古びた羊皮紙や魔道具が乱雑に散らばっている様に見える巨大な文机。一見して無秩序に見えるそれらの配置は、だが、魔導に深い造詣を持つ者であれば一目でそれが魔導的な回路になっていると理解できるだろう。

 

 神秘の極致ともいえる文机に向かって腰掛けているのは濃藤色の長髪に桃色のローブを纏った美少女であった。その正体は、魔導図書館の館長専用の机に向かっている時点で一目瞭然だ。

 パチュリー・ノーレッジ。魔導の深奥を極めた大魔導士。動かざる大図書館。全てを識る者(オールノーレッジ)。様々な二つ名で呼ばれる幻想郷最強クラスの魔女である。

 

 それほどに偉大な召喚主の命令に対し、文机の隣に設置された小机に上半身を気だるげに投げ出していた赤髪の悪魔が大儀そうに右手を上げ……パチリと指を鳴らす。

 

──ゴゴゴゴゴゴ……。

 

 怠惰極まりない不真面目な仕草に反し、その結果は劇的であった。

 規則正しく林立する、高さ100メートル、長さ1キロにも及ぶ万を超える数の書架が、轟音を立てて床に沈み込んでいく。貴重な魔導書や図鑑、数多の書物を侵入者から守る為の魔導図書館の防御機構であった。

 

「いつにもましてやる気がないわね。仮にも『こあくま』なんて呼ばれてるのだから、ここは張り切る場面じゃない? 持て余したオスが沢山いるわよ?」

「まぁパチュリー様。まるで私が淫魔女(サキュバス)かの様な物言い……。ヒドイですわ。わたくしは単にあの程度の雄とも呼べぬザコでは愉しめないと……そう言いたいのですわ」

「クソビッチ乙。さぁ、下らない事を話している間に敵の御到着よ。魔導メイド部隊の準備はできてるかしら?」

「よしなに。……はぁ……動きたくないわぁ……ああ面倒くさい面倒くさい」

 

 パチュリーの調子はすこぶる良い。持病の喘息も鳴りを潜めている今なら、七大属性魔法の連続行使も可能であろう。だが主従の契約で縛られた『こあくま』にはある制約があった。

 

 すなわち、主であるパチュリーの体調と連動して、相反する様にやる気を喪失してしまうのだ。パチュリーが発作を起こして寝込めば、やる気を出して介護を行う。その代償に主の調子が良い時は、七罪を司る怠惰の魔王もかくやとばかりに怠け始めるのだ。

 

 それでも最低限の仕事をするあたりは、さすが紅魔館魔導図書館が誇る司書長といった所なのだろう。

 

 周囲に響いていた轟音もおさまり、全ての書架が地下へと収納された。侵入者を迎え撃つ準備が完全に整ったのだ。

 

──バリィィィン!!

 

 魔導図書館の入り口に張られていた積層型五行障壁が甲高い破砕音を立てて破られる。

 入り口に守護の為の門などは元々無い。館内に住まう者であればいつでも知識を求められる様にと、館長であるパチュリーの配慮だ。

 

 こちらにも、館の各所と同じ様に淫魔将とその配下である、万を超える数の淫獣たちが攻め寄せてきた。

 

「ガッハッハッ! 女の匂いだ! それも極上の魔力に満ちた女の匂いだ! あの一番奥の女はオレ様が頂く! 貴様等は手を出すなよ!」

 

 つるりとした禿頭を晒した全裸の巨漢が、破れ鐘の様な大音声でパチュリーを指して吠えた。

 身の丈五メートル。股間からは三匹の肉色をした丸太の如き大蛇が鎌首をもたげてチロチロと赤い舌を覗かせている。比喩では無く文字通り大蛇が生えていたのだ。

 

 それぞれが意思を持った三匹の大蛇が淫魔将の男根であった。その邪悪な本能に従い肉穴を蹂躙する三つ首の大蛇に犯された女は、体内で別々に蠢く怪生物がもたらす異次元の快楽と苦しみに発狂し、やがてはそれなしで生きられぬ廃人と化すのだ。

 

「おうおう、オレ様の蛇どもが興奮しておるわ。早く犯したいとな。なになに? 魔女の魔力は子宮に宿るから皆マンコ穴を犯したいと? 良い良い、三匹で仲良く同時に犯してやれ。魔女の穴ならそうそう壊れはせぬだろう。ガハハッ!」

 

 それぞれが直径30センチを超える大蛇たちだ。普通の女であれば一匹でも膣が裂けて使い物にならなくなるだろう。だが、固有結界の中では性交による加虐で死ぬ事は無い。不可思議な事にどれほどの巨根であっても、受け入れる事が可能なのだ。とはいえ一度伸び切って壊れてしまった穴が治るわけではないのだが。

 

「なにアレ、普通に気持ち悪いわね。それに私は男に興味は無いの。ましてや三次元なんて論外よ。『こあくま』、魔力はいくら使ってもいいわ。よろしくね」

「はぁ……ホントめんどくさい。こんなザコどもを相手にしなくてはいけないのもめんどくさい。だる……はぁ──」

 

 だらりと両手を垂らしたやる気のない姿勢のまま、主の前に立ち塞がるかの様にのろのろと進み出た小悪魔。彼女が一際重いため息をつくと、その毒々しい程に紅い唇から薄桃色の吐息が吐き出される。

 

「あ? なんだこりゃ……あぐぅオッ!!」

 

 すると、驚くべき事態が生じた。

 

 ほんの一息で吐き出された薄桃色の吐息が瞬く間に膨張し、広大な広間全体を覆い尽くしたのである。

 

 もたらした結果は、激烈を極めた。

 

「ア゛ッ! オ゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」

 

 淫魔将を含む万を超える数の異形たちが、断末魔の如き叫びと共に、全身の男根から白濁した精を一斉に噴き上げたのだ。

 

 数多の書架を収容したというのに、大理石の床には継ぎ目の一つすら見当たらなかった。途方もなく巨大な岩から削り出したかの様な美しい床が、瞬く間に淫獣たちの汚液で溢れていく。

 

 止まらない。止まらない。壊れた蛇口と化した淫獣たちの男根からバシャバシャと白濁が迸るたびに、彼等の魁偉な姿が少しずつ細り、痩せていく。

 

 ただ、ため息を吐いただけにしか見えぬというのに、恐るべきは小悪魔の魔伎よ。少なくともこの光景を見て、彼女を単なる小悪魔であると侮る者などいないだろう。

 

 彼女は『こあくま』。億を超える数の蔵書を管理する、名無しの悪魔(ネームレス・デーモン)。その真名を知る者はこの世に只二人のみだ。すなわち、召喚主たる主と、かつて悪魔界において覇を競った好敵手のみである。

 

「殺さないでよ? 貴重な験体なのだから」

「はぁ……めんどくさい……。当然わかっていますわ。別に生きてさえいれば、魂が砕ける限界まで搾り取ろうとも問題ないでしょう? ああ……怠けたい……。しかし主の無茶な要望に応えてこそのシモベというもの……はぁ……わたくし頑張っていますわ」

 

 淫魔界の住人達は、存在力のほぼ全てを精力に頼っている。つまり、枯れ果てる事は滅びと同義であった。

 

 今や広大な図書館内は白濁した精液の海だ。存在力に満ちた淫獣の精は、ホムンクルスを作成する際の魔力触媒としては最高級と言われている。大魔女たるパチュリーにとって彼等は正に鴨がネギを背負ってきた様なものだ。

 

「魔導メイド隊は回収作業に入りなさい。精液は精製して高純度圧縮作業を経たのちミスリルの容器にて保管する事。淫獣たちは実験棟へ、淫魔将は館長室に運んでおいて頂戴」

 

 パチュリーの呟きが即座に魔力通信網を通して配下のメイドに伝えられると、待機していた魔導メイド部隊がそれぞれに回収用魔導具を手にして作業を始めた。

 当主ですらその正確な位置と内容を知らぬ禁忌の魔導実験棟。そこに囚われた者の末路は──。語る事すらけして許されぬ、非業の運命に堕ちた彼等にもはや救いは無い。

 

「館長室……。はぁ……かわいそう……。実験棟送りの方がマシですわね」

「貴女にも使わせてあげようか?」

「いえ……間に合っていますので」

「そりゃそうよね。魔王の愛人さん」

 

 机に戻り、先程と同じ様に気だるそうに上半身を投げ出したこあくま。答えるのも面倒だといわんばかりに、頭部から生えた一対の小さな黒翼がパタパタと揺れる。その通りだ。とでも言いたいのだろう。

 

 かつて悪魔界において覇を競う二柱の悪魔王がいた。

 血に飢えた紅き悪魔と淫らに狂う黒き悪魔。二柱の闘いの行方は今日(こんにち)において知られてはいない。ある時忽然と、二柱の悪魔王は悪魔界より姿を消してしまったからだ。

 

「今頃、あちらも愉しんでいそうね」

「……ですわね。わたくしにはあの方の性癖は理解できませんが。きっと嬉々として愉しんでおられるかと……」

 

 

──再び、紅魔館最上層、玉座の間。

 

 

「ひぎィィィィィ!! らめっ! らめえ!! イくっ♡♡ またイカされちゃうううう♡♡♡♡」

 

 紅魔館当主にして真祖の吸血鬼。幻想郷の最強格の一人として知られているレミリア・スカーレットは今──。

 

「許してぇ!! もう犯されるの嫌あああッ!! おまんこもう壊さないでぇ!! 裂けりゅッ!! ごんぶと淫獣ちんぽで吸血鬼まんこぶっ壊れりゅうう♡♡♡♡」

 

 淫獣の群れの中心で犯されながら許しを乞い、雌豚の様な無様な嬌声を上げて絶頂に達していた。

 

「なんだコイツ。あんだけ偉そうに出てきておいてとんだメスブタ肉便器じゃねぇか」

「ザコマンコ オカス キモチイイ スゴクシマルッ! ザーメンダスッ! ハラメッ! ハラメッ!」

「ケツ穴もウネウネ絡みついてくるし、パイオツもいくら揉んでも飽きねぇな。こりゃ俺たちに犯される為に存在している様なモンだぜ」

 

 群衆に囲まれてリンチを受ける罪人の様に、ただ一身にて淫獣たちの暴虐を受け止め続けるレミリア。その華のかんばせは苦痛と快楽に歪み、美しき瞳からは大粒の涙が幾つも零れて頬を濡らしていた。

 

 衣服はとうに溶かされて全裸となり、幾つもの触手にて四肢を拘束されて持ち上げられた状態で、全身の穴という穴を汚らしい男根にて犯され続けている。本来なら容赦なく犯されている筈の口だけが無事なのは、情けない悲鳴と喘ぎを叫ばせ続ける為だろう。

 

「あぎィッ!! また射精てるぅッ!! もうやめて……これ以上汚さないで……んああああ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡ もう休ませてぇ……」

 

 それまでレミリアを犯していた淫獣たちが、一斉に胎内に精を放って玉体を内側から汚す。するとすぐさま数多の不浄の肉棍が引き抜かれ、待機していた後列の淫獣たちが競い合う様に男根を空いた肉穴に突き込んでいく。

 

 くねくねとのたうつ触手状の男根が乳首に取りつき、乳孔をむりむりとくつろげて乳腺を犯す。

 ほっそりと華奢な腹部の中心にある臍。とうてい性交に使う部位では無いそこですらも何本もの触手が殺到し、腹腔内部を好き放題に這いまわる。

 尻穴や尿道などいわずもがなである。そして、もっとも性感の集中する要である女穴においては──。

 

 それは異形の淫獣であった。

 つるりとした人型の首から下には男根どころか毛の一本すら生えていない。ただ、頭部だけが異様に縦長で、不揃いの腫瘍の様な角が幾つも生えている。そして先端部には僅かな裂け目。

 

 その頭部を、まるで頭突きでもするかのようにレミリアの淫穴に宛がい、淫獣は逞しい両腕でムチムチとした太ももを思い切り引きよせたのだ。

 

「ひぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛!゛!゛」

 

 途端にレミリアの口から、魂消(たまぎ)るような絶叫が絞り出された。

 

 淫獣の男根は頭部そのものであったのだ。余りに太すぎる逸物の侵入に、秘裂が限界まで引き裂かれてブチブチメリメリと悲鳴をあげる。

 押し上げられた下腹部が子宮のカタチに浮き上がり、すぐさま頭部が引き抜かれて下腹部がベコリとへこんで……再び頭部を限界まで突き込まれて子宮が再度浮かび上がる。

 

「お゛ま゛ん゛こ゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡ 子゛宮゛ぶ゛っ゛潰゛れ゛る゛う゛う゛う゛ッ♡♡♡♡ ひぎィイ゛イ゛イ゛イ゛イ゛ッ♡゛♡゛♡゛」

 

 その姿に、数刻前までの覇気と威厳に満ち溢れた様子は欠片もなかった。

 ただ弄ばれ、ケダモノたちの玩具と化して許しを乞い続ける哀れなメス。そして、淫魔界の住人にその様な願いが届く訳もなく、むしろ彼等の嗜虐性を引き出すばかりであった。

 

「潰れやしねぇよ。淫魔王様の結界内にあるかぎりけして壊れる事はねぇ。てめぇは俺らの便器兼苗床として永遠に犯し続けてやるぜ」

「でもコイツ、こんな事言いながらイキまくってるぜ? もとから肉便器の素質があったんだろ。おらっパイオツの中身グチャグチャに掻き回してやる」

「ひぎイイイイイイイッ♡♡♡ そうですぅ♡♡ もっとぉ……もっと犯してぇ♡♡ 私のカラダもっと汚してぶっ壊してぇ♡♡♡ イクッ♡♡イクぅっ♡♡ オスちんぽでぐちゃぐちゃに犯されてイッちゃうううう♡♡♡ ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡♡」

 

 気高き夜の王。永遠に紅く幼い月とも称される程の彼女ですら、女の身ではケダモノたちに屈服せざるを得なかったのだろうか。それともその名はただ、虚飾に塗れたハッタリでしかなかったのか。

 

 白濁に塗れて快楽に溺れる主をその目で見た時、忠臣たる者たちは果たして……彼女に変わらぬ思いを抱き続ける事が出来るのだろうか?

 

 

──紅魔館地下、深部迷宮。

 

 

 紅魔館の地下には二つの施設がある。

 片方は大魔女パチュリー・ノーレッジの管理する魔導図書館。そしてもう片方は図書館区画よりも更に地下深くに存在した。

 

 距離的に深いという意味ではない。ありとあらゆる魔術的、魔法的、魔導学的アプローチに加え、メイド長たる十六夜咲夜の空間操作能力を解析応用してアビスと呼ばれる領域にまで達した概念深度だ。

 

 それはただ一人の存在のためだけに造られた。

 

 危険存在を閉じ込める為の封印などという安易なものではない。それは、深部に籠るだた一人の意思ゆえにであった。『おそときらい。私の部屋最強。一生引き籠りたい』という本人の希望を、ありとあらゆる手段を用いて姉が叶えてしまった結果である。

 

 そんな、究極の技術の無駄遣いともいえる地下迷宮は今──地獄と化していた。

 

「うふふふ」

「あははは」

「楽しいね!」

「もっと遊ぼう!」

 

 地下迷宮らしからぬ明るさは、迷宮の壁そのものが発光する性質を帯びている故だ。その明るさに照らされているのは一面の赤(あか)、紅(あか)、朱(あか)──血と臓物に塗れた石造りの迷宮には、死が満ちていた。

 

 ケタケタと嗤いながら肉体を破壊し、臓物を抉り出しては狂笑する蝶の如き羽を生やした無数の女たち。だが、彼女達が抉る相手は淫獣たちではない。同(・)じ(・)仲(・)間(・)で(・)あ(・)る(・)筈(・)の(・)妖(・)精(・)た(・)ち(・)だ。

 

「あはは! ほらほら! 心臓を握り潰すと凄く締まるでしょ? ねえねえ! 気持ち良い? 気持ち良いよね?!」

 

 傷一つ無い淫獣に犯されている仲間の妖精。その胸に片腕をズブリと突き入れて、熱く滾る心臓を握り潰した別の妖精が狂った笑みを浮かべながら淫獣に尋ねている。

 

「あ……ああっ……うん。とても締まるよ。凄く気持ちいい……」

 

 瞳と口から大量の血を流して絶命した妖精。最後の断末魔と共に自らを締め付けた相手の胎内に精を注ぎ込みながら……明らかに恐怖を感じているだろう表情で淫獣は答えた。

 

「えへへ! エイリルちゃんよく締まるって! 褒められてるよ! あれ? なんで返事しないの? あっ! エイリルちゃん死んじゃってるじゃん!! もう……エイリルちゃんはダメだなあ」

 

 淫魔王による固有結界内において、淫獣に対して性交を伴う行為以外ではダメージを与える事が出来ない。だが、淫獣以外の者同士においてはそのルールは適用されないのだ。つまり、仲(・)間(・)内(・)で(・)殺(・)し(・)合(・)う(・)事(・)は(・)可(・)能(・)なのだ。

 

 地下迷宮に攻め寄せた淫獣たちには傷付いたものは一人もいない。そこに溢れる血と臓物はすべて、妖精や妖怪たちのものであった。だが、理解出来ぬ光景と、犯される仲間を次々と物理的に破壊していく女達の姿に、淫獣たちは形容し難い恐怖を感じていた。

 

「ほらほら! 次はボクを犯してよ! そうだ! キミ達たくさんいるし、穴が多い方が良いよね! お腹にいくつか穴あけるね!」

 

 怖ろしい言葉を言い放つと、先ほど仲間の心臓を握り潰した妖精が自らの腹部に五指を食い込ませて穴を開け始める。一ヵ所、二か所、三か所。

 

「ぐぶぇ……おげぇ……ごぼッ……あァン……おなか抉るの気持ちいいよぉ……キミ達のおちんちんで中身ぐちゃぐちゃにしてねぇ……♡♡ ごぷッ……そうそう目玉も抉るから……これで更に穴がふたつ増えるよ……キヒィィィィ!! のうみそもぉ……たっぷりぃ……犯してぇ……♡♡♡」

 

 あまつさえ自らの両の目玉を抉り出した妖精は、その虚ろに空いた二つの眼窩を指差して凌辱を希(こいねが)う。

 

「あっ……あっ……」

「なんなんだよ……一体なんなんだよ……こいつら……」

「狂ってる……。こわい……こわいよ」

 

 常軌を逸した余りの恐ろしさに、淫獣たちでさえも泣き言を漏らしていた。しかし彼等は健気にも、なけなしの勇気を振り絞って逸物を勃起させ、自らを壊した妖精の女を犯し始める。

 

 地下迷宮には死が満ちていた。それは淫獣にとってもっとも遠い概念だ。

 

 彼等は女を決して殺す事が無い。新たな生命の揺り籠として、彼らなりの倫理をもって大切にする。そして妖魔の一種たる彼等に寿命は無い。つまり死とは、彼らにとって未知そのものだった。

 

 故に怖ろしいのだ。そして、明らかに死んだはずの女達がいつのまにか蘇り、狂笑と共に自らと交わってはまた、血と臓物をばら撒きながら死ぬ。終わらない死と再生のループ。一体、また一体と、耐えられなくなった淫獣たちが精神に異常をきたして発狂していく。

 

「重畳重畳。みんな愉しんでるようでなにより、だね!」

 

 そして、迷宮の最奥部より一人の少女が姿を現した。当然の様に全裸である。

 

 館の主と瓜二つの魔性の美貌。幼げな容姿を台無しにするかの様に娼婦じみた、艶めかしく濡れた瞳が印象的な少女だ。背中からは捩子くれた一対の枝のような物が飛び出し、様々な色にきらめくクリスタルを鈴なりに吊り下げている。もしかして翼であろうか。

 

「女同士で壊し合いながら愉しむのもいいんだけど、やっぱりおちんぽが欲しいもんね。此処はいい場所だけどちんぽが少ないのが玉に瑕だからなぁ……」

「おまえらは……一体……なんなんだ……」

 

 現れた少女。フランドール・スカーレットに対して、呆然と成り行きを眺めていた淫魔将が恐る恐る尋ねた。

 

「ん? それはどういう意味かな? 種族でいえば私は悪魔にして吸血鬼。この娘たちは私が眷属にした妖怪や妖精たちだけど?」

「バカな……吸血鬼が眷属化できるのは人間のみのはず。元より魔性に生きる妖怪や妖精たちが眷属となるなど聞いた事も……」

 

 淫魔将の疑問は当然だろう。あらゆる意味で中立に位置する人間であれば、魔に堕として眷属としたり神が恩寵を与えて聖人とする事も出来る。だが、元より魔や神に属する者を眷属と化すなど不可能だ。本来であれば。

 

「私の司る能力は破壊。全てを破壊する力。それは物理的存在のみならず概念も同じなの」

「なんだと……ではまさか──」

 

 淫魔将の脳裏にある怖ろしい考えが去来した。

 全てを破壊する。それはもしや、淫魔王の能力である固有結界すらも破壊可能なのではないか。

 

「もちろん壊せるよ? でも安心してほしいかな。そんなつまらない事はしないから。ほら、楽しんでるショウや演劇を壊すわけがないもの」

「──貴方様の配下に加えて頂きたい。なんでも……そう、なんでも致しまする。張り形代わりにでも小間使いでも、眷属としてでも結構です。どうかわたくしめをシモベの末席として……」

 

 淫魔将の判断は賢明と言える。それは彼が唯一助かる為のただ一つの道であったからだ。

 紅き悪魔の妹にして破壊の魔王(ロードオブデストラクション)たるフランドール・スカーレット。その常人には理解出来ぬ精神性も含めて、彼女と敵対する事は即ち、魂そのものの滅びを意味した。

 

「頭の良い男は好きよ? あとはそうね……私達を満足させられるか……かな? 試してあげる。ほら、おいでなさいな」

 

 滲む様に姿を歪めて、四人に増殖(フォーオブアカインド)したフランドールが輪唱するかのようにさえずる。

 己の滅びをかけた淫魔将の、絶望的な闘いが幕を開けた。

 

 

 ※

 

 

 深紅に輝く月が中天を過ぎ、魔に生きる化生たちが最も輝く時刻を迎えた。

 

 だが、結界に閉ざされた紅魔館の内部で行われている淫らな宴は、今や酣である。少女たちを贄としようとした淫魔たちの殆どが逆に贄と成り果て、事態はまもなく終局を迎えようとしていた。

 

「これは……一体どうした事だ。我らが精鋭を集めたはずの軍団が……」

 

 紅魔館の中庭にひと際大きなゲートが開かれ、そこから現れた逞しい肉体の男が驚愕の表情とともに呟く。

 

「淫魔王陛下、配下の淫獣たちの気配が大幅に減少しております。現状で活動しているのはおよそ二万弱、淫魔将も二名ほどかと……」

 

 追随してゲートから現れた、怜悧な風貌の男が答える。先に現れた偉丈夫が淫魔王であり、後に現れた男はその副官であった。ちなみに両者とも服装はブーメランパンツにマントのみである。

 

「バカな! 余の結界は正常に動作しておる。それとも絶倫を誇る淫獣たちが八万も搾り尽くされたとでもいうのか!?」

「ありえませぬ。何故かこの土地にしかゲートを開く事が出来ませんでしたが、結界内の女たちの反応は五千と少々……魔に属する者たちとはいえ、20倍の数の差を覆すなど……」

「あ、やっと来たの? お姉さん待ちくたびれちゃったよ」

「何奴?! 気配など欠片も感じ取れなかったぞ!」

 

 現状を考察しようと話し合う二人の会話に、一人の女が割り込んだ。

 精力に特化した存在とはいえ腐っても淫獣たちの王とその副官である。至近まで接近されて気付かぬ筈が無いのだ。

 

 現れた女は、燃える様な赤髪を腰まで伸ばした長身の美女であった。

 若草色の華人服にスリットの入った長いスカート。隙間からちらちらと覗く太ももは健康的な色香に溢れている。紅魔館が誇る館の顔。美しき弾幕を持つ近接格闘術の達人、紅美鈴その人であった。

 

「気配を消すのはお手の物ってね。気を扱わせたら私の右に出る者はいないさ。ところでさぁ……聞いてよ貴方達。皆ひどいのよ? 一番大物のくじを引いたんだからアンタは他には手を出したらダメよって……10万もいるんだから少しくらいは摘まんでも良いと思わない?」

 

 淫魔王と副官は無言のまま、警戒を露わにしている。

 どうやら会話は楽しめなさそうだと判断したのか、美鈴は肩をすくめて本来の業務に戻る。

 

「まぁいいわ。招いていないお客様でも丁寧にもてなすのが紅魔館の流儀。お先に来館された方々も当家の総力を挙げて歓待しております。そして貴方がたは……この私、門番たる紅美鈴がお相手させて頂きます」

 

 左手を後ろ手にし、右腕を仰々しく胸に当てて礼をした美鈴。

 その言葉が終わると共に、薄暗かった中庭が眩い明かりに照らされた。

 

「むぅ。なるほど……どうやら我々は龍の巣に飛び込んでしまったらしい」

「はっ……。まさか彼の地がこれほどまでに怖ろしい土地であったとは……女ばかりの郷など我らのエサでしかないと高をくくっておりくましたが……もはや手遅れですな」

 

 照らし出された中庭には、異様な光景が広がっていた。

 四方にロープを張られたリングと、それを囲う様にして置かれた夥しい数の簡易ベンチ。その周囲には、のぼりを立てた旨そうな匂いを漂わせる屋台が幾つも軒を連ねている。

 

 どうみても野外プロレスの特設会場であった。

 

「しかしお二人ですか。てっきり淫魔王さんだけかと思っていたので……どうせならタッグマッチにします?」

「一つお聞きしたいのだが」

「はい、なんでしょうか」

「我らが勝った場合。なにか得られる物があるのだろうか? 例えば、見逃して頂けると期待しても?」

 

 ルールにのっとった試合形式での闘いであれば淫魔王たちにも勝機はある。だが、例え勝ったとしてもその後、他の者たちに嬲り者にされるのであれば意味が無い。事前の確認は重大事であった。

 

「そうですね。その場合は皆さま無事に帰して差し上げても結構です。反応は薄くなっていますがまだ淫獣の方々は一応生きておられますしね。負けた場合は……まぁ言わぬが華でしょうか」

「そうか……。であれば受けるしかない様だな。タッグ形式で良いぞ。キーラ、構わんな?」

「はっ。仰せのままに」

 

 キーラと呼ばれた副官の男が、決意の籠った表情で淫魔王に応える。

 

「決まりましたね。咲夜さんいます? おーい、咲夜さーん!」

「はいはいここに居ますよ。私も裏方に徹してあまり愉しめていなかったから渡りに船ね」

 

 美鈴の傍らに忽然と現れた十六夜咲夜。見慣れた光景であるが、初めて目にする淫魔王とその副官キーラの驚きは筆舌に尽くし難かった。

 

「人間……だと? あり得ない。人間が何故無事なのだ。しかもいま忽然と現れたのは何故だ?」

 

 魔性の存在であればともかく、脆弱な人など淫獣一体でも即座に苗床廃人と化せる。ましてや淫魔王が無意識のうちに放つ淫気に触れて正気を保っていられる筈がないのだ。あらゆる穴から体液を迸らせて絶頂し続けていなければおかしいのである。

 

「咲夜さんは人間ですよ。脆弱なはずのヒトのままにヒトを超えた超越者……ではありますがね。ちなみにこの館の空間拡張は咲夜さんの能力でして、なんでも自分の時を凍らせる事によって不老だとか」

「そんな大げさなもんじゃないわよ。ちょっと時間を操れて空間操作が得意なだけの只の人間です」

「「いやいや、その理屈はおかしい」」

   

 余りの衝撃にツッコミまで被ってしまう淫魔王と副官。それも当然だろう。そこらの人間が皆、咲夜の様であれば人間は、神や魔を含めたすべての中で最強の種族になってしまう。

 

「ねー。まだー? 早く男と女のくんずほぐれつイカセ合い大絶頂セックスプロレスリングを見たいんだけど」

 

 新たに登場してまたもや淫魔王とキーラの度肝を抜いたのは、七色に光る水晶翼を持つ少女、フランドールであった。というか二人とも、すでに目のハイライトが消えていた。諦めの境地という所だろう。

 

「フランドール。レミィがまだでしょう? 妹なんだから少しは待ってあげなさい」

「アイツの事だから楽しみ過ぎてまだ遊んでるんでしょう? そういえば小悪魔は?」

「館長を差し置いて、VIP席に先に行ってソファーを占領して寝てるわ」

「こあくまも大概謎だよね。二人は教えてくれないし、実はヤバいヤツ?」

「まぁそのうち教えてくれるわよ。とりあえずレミィの様子を映し出してみるから」

 

 気付けば図書館チームも合流して来ている。先ほどから屋台を出したり、会場の準備をしているのは紅魔館地上部隊である。殆どの淫獣を搾り尽くして戻ってきていた様だ。

 図書館勤務の魔導メイドたちは早くも、たこ焼きや焼き鳥を肴に、キンキンに冷やされたビールで盛り上がり始めている。

 

──ヴゥン……。

 

 紅魔館最上層の様子が、空中に投影される。

 

 そこに映し出されたのは、夥しい数の淫獣たちによって蹂躙され尽くした、レミリア・スカーレットだったモノ。

 ただひたすらに白濁塗れの肢体を犯され続け、胎内に精を放たれる度にビクビクと痙攣するだけの壊れかけたヒトガタ。

 美しかった緋色の瞳は虚ろに染まって色を亡くし、ふてぶてしく悪態をついていた桃色の唇は微かな呻きを漏らすだけだ。

 

 死体となんら変わらない程に反応の無くなってしまったレミリアだが、万を超える数の淫獣たちはそんな事を歯牙にもかけずに欲望をぶつけ続けていく。

 要は穴があれば良いのだ。ぽっかりと拡がりきって締まりなど欠片も無いだろう肉の穴に、次々と逸物や触手を幾本も抉り込ませては抽挿を繰り返す。雪の様に白い下腹部がボコボコと内側からの圧力で膨らみ、歪む。

 

 忠誠を誓う主の悲惨な光景。それを突然見せられた配下達の心中はいかばかりであろうか。ましてやこの場には唯一の肉親たるフランドールもいるのだ。

 

 すぐさま救出に向かう……と思われた刹那、遠見の魔法を発動していたパチュリーが更なる魔法を発動して──告げた。

 

「ちょっとレミィ! こっちはもう締めの準備出来るのよ? 後は貴女だけなんだから愉しんでないではやく来なさい!」

 

 魔法を介して直接呼びかけた親友の言葉に、瀕死のマグロ状態に見えたレミリアの様子が一変する。

 

「ええ!? 早くない? んぅ……でもぉ……もうすぐイけそうだからぁ……♡♡ もうちょっとだけ待ってて頂戴♡♡ んあ……こんな弱々しいオスに群がれて蹂躙される私……だめぇ♡♡♡」

 

 どうやら敢えて無力な者たちに犯される事で被虐的な快感を得ていた様だ。隔絶した次元の強さを持つ者によくある性癖である。

 

「あ……んっ♡♡ いいわぁ……私の穴という穴がメチャクチャにされてるぅ♡♡ イきそう……もうちょっと……♡♡ あひ……あッ……イ……ク……イくっ♡♡♡ そうよ……いっぱい射精(だ)してぇ……私のナカにぃ……いく……イく……イクッ……♡♡♡ んあああああッ!! きちゃうよぉ!! 凄いのきちゃうう♡♡♡イくイクゥッ♡♡♡んああああああああッ──淫魔【スカーレットオルガズム】」

 

 絶頂の瞬間に力ある言葉をレミリアが発した途端、パチュリーの映し出した投影空間が眩い深紅の光に包み込まれる。

 

 うおっ! 眩しッ! と言ったかは定かではないが、その映像を見ていた者達が思わず瞳を閉じ、数瞬の後に開いた時。映像の中にはツヤツヤとより一層肌艶を良くしたレミリアが満面の笑顔で立っていた。

 淫獣たちは率いていた淫魔将も含めた全員が残らず精を搾り取られて、恍惚の表情で気絶している様だ。万を超える全員がである。

 

「久しぶりに満足したわ! 今行くわね」

 

 全身を霧に変化させて高速移動を行い、十秒と経たずに中庭に現れたレミリア。霧から肉体を再構成した時にはもう、いつもの薄桃色のドレスを纏った少女の姿に変化している。

 

「お待ちしておりました。お嬢様。ご満足いただけてなによりですわ」

 

 咲夜の言葉に満足気に首肯を返し、レミリアはリング近くに設えられたVIP席に向かった。座ったのは妖艶な肢体をぐでんと投げ出した小悪魔の隣である。

 

「あらあら、今日は怠惰モードなのね。その状態では余り愉しめなかったでしょう」

「だる……。はぁ……これも従魔のさだめですので……あぁ……めんどくさい」

 

 上等なソファーの上で気だるげに上半身を横倒しにしている小悪魔。その頭を優しく持ち上げ、自らの太ももに乗せたレミリア。

 

「まぁまぁの寝心地ね……はぁ……めんどくさかったけど……多少は頑張った甲斐がありますわね」

「今日はスッキリして気分も良いし、たまにはね」

 

 白魚の如きレミリアの指先が、小悪魔の紅髪を梳きながらパタパタと羽搏く小さな黒翼を撫でる。紅魔館以外の者からは意外に思われる事もあるのだが、この二人、実はデキている。それなりに付き合いも長いのだ。 

 

 女の園である幻想郷においては珍しい事ではない。紅魔館の中でも他に、紅美鈴と十六夜咲夜の二人と、メイド同士でデキている者も多数いるのだ。ちなみにパチュリーは恋の魔法使いに片思い中で、フランは配下のメイドたち全員と関係を結んでいたりする。

 

「あー……。なんだかさらりと残った余の配下達が全滅した気がするが……試合のルールなどはどうするのだ?」

 

 もはやどうにでもなれー。といった様子の淫魔王が、おずおずと美鈴に声を掛ける。がんばれ、超がんばれ。

 

「シンプルに三回絶頂制で良いでしょう。一人三回イったら離脱、タッグ形式で先に二人が離脱した方の負けです」

「良かろう。異存はない」

 

 ショウよりの形式であればレフェリーが付くのが普通であるが、今回は互いの進退をかけた真剣勝負だ。なにより双方、互いの肉体を見て我慢が出来ないといった有り様であった。淫魔王と副官のキーラは美鈴と咲夜の肢体に視線が釘付けであるし、お預けをくらっていた二人の美女もまた、ブーメランパンツの内側で存在を主張する二人の股間に釘付けである。女同士で付き合っているからとは言っても、性欲は別なのだ。

 

 

――紅魔館中庭、特設リング。

 

 

「お待たせしました」

 

 マントを脱ぎ捨て、ブーメランパンツ一丁でリング上に仁王立ちしていた淫魔王の前に、着替えを済ませてきた美鈴と咲夜が現れる。副官たるキーラは主より一歩引いた位置で静かに待機していた。

 

「なに、衣装は大事よ。特に女はな」

 

 二人の美女の肢体を包む衣装は、四角いリングに良く似合うレオタードの様なレスリングウェアだ。美鈴は若草色で咲夜は濃紺の、共にハイレグタイプである。

 

「しかし、その衣装だと汝らの素晴らしい身体つきがよくわかるな。その肉体を味わえるのであれば、例えここで滅びたとしても悔いはないやもしれぬ。であろう、キーラ」

「はっ! 今まで様々な女を犯してきましたが、その全てが塵芥に思える程です」

 

 淫魔王と副官の感想もむべなるかな。可憐な衣装を纏った二人の美女の姿は眼福という他ない美しさと色香を放っていた。

 

 暴力的とまで言える程に張りのあるバストとヒップを、これでもかと強調している美鈴。そのボディは正にドラゴン級だ。全身から放たれる陽の気は、その場にいるだけで周囲を笑顔に出来るだろう。

 対して紅魔館のメイド長たる十六夜咲夜。美鈴にくらべればやや控え目であるが、その肢体のバランスは完全な黄金比で構成されており、天界に座すと云われる技工神ですらも再現する事は不可能だと思わせる。

 

 準備は整った。リング上からキーラと咲夜が降りて、それぞれの側にあるリングロープのうちタッチロープと呼ばれる部分を握りこむ。この部分を片手で握ったままリング内の相方とタッチする事により交代となるのだ。

 

「双方準備は良いようね。ゴングは任せなさい」

 

 最前列のVIP用ソファーに腰掛けたまま、レミリアが片手を高々と掲げる。まっすぐに天を突いたその指先に、悍ましいほどに赫い魔力の輝きが灯った。

 

「派手に鳴らすわよ――神槍【スピア・ザ・グングニル】」

 

 収束した深紅の閃光が直上に放たれ、少しだけ間を開けて紅魔館の直上にて爆裂した。

 

――ドゴッ!

 

 主神の持つ槍を模した魔力塊が爆裂した瞬間。リング上で二つの肉体が激しくぶつかり合った。

 

「なんという体幹。まるで巨木に激突した様だ!」

「貴方もやりますね。流石は王といったところですか」

 

 がっぷりと四つに組み合った淫魔王と美鈴。

 見た目の体格は大人と子供ほども差があるが、妖である二人に人の常識は通用しない。そして、素早さでは美鈴に分があるようだ。

 

「むおっ!」

 

 組み合った状態から、肢体を翻して淫魔王の巨体の下に滑り込む美鈴。逞しいその両足首を素早く掴むと、自らの方に思いきり引き倒す。

 

「少々目が回りますよ。ダメージは無くとも感覚は別でしょう」

「ぐううっ……」

 

 そのままぐるりと回転し、両足首を掴んだ淫魔王の巨体を振り回し始めた美鈴。いわゆるジャイアントスイングである。

 龍の化身では無いかと一部で噂が立つほどの強者たる美鈴である。その超速度回転は即座に竜巻の如き暴風と化し、あまつさえ淫魔王を振り回したまま跳躍。空中で巧みに向きを変えると、硬いリングの上めがけて叩きつける様に淫魔王を投げ放った。

 

――ドガァッ!

 

「ぐはッ!」

 

 肉体的なダメージは無いとはいえ、遠心力を利用した超速度で堅いリングに叩きつけられれば、その衝撃で数秒間肉体の自由は効かなくなる。

 数秒あれば十分であった。

 

 大の字で倒れている淫魔王のブーメランパンツをズラし、ビキビキと硬くそそり勃つ男根を露出させた美鈴。そのまま流れるような動作で衣装の胸元下部に開けられたズリ穴に逸物を導き、凶悪なまでの乳圧を誇る双丘にて淫魔王の男根を刺激し始める。

 

「ふふ♡ 如何です? 私の大奶(デカパイ)まんこの味は……堪らない感触でしょう」

「これは……ぐうう……なんという淫肉のうねり……ただのパイズリとはとても思えぬッ! くうっ……」

 

 鍛えているだけあって、美鈴の乳房はその大きさにも関わらずパツパツに張った弾力のありそうな見た目だ。だというのに深い谷間に差し込まれた淫魔王の巨根全体を、まるでスライムの様に柔らかな感触で包み込む。かと思えば、今度は圧し潰されそうな程にギュムリと締め付けてくる。変幻自在に柔らかさを変化させる美鈴の双丘のナカで、今や淫魔王の男根はビクビクと幼子の様に震えるばかりであった。

 

「あらら? もしかしてもうイきそうなんです? 流石に速くありませんか? おまんこすら使っていないのですが」

「くぅ……凄まじい快楽である……ぐぅおおおおおッ!!」

 

――ドビュルッ!! ブバッ!! ブビュルルルルルルルルルルルッ!!

 

 美鈴の軽口に応える余裕もなく、淫魔の王たるはずの男は呆気なく、たかが一分にも満たぬ乳肉の奉仕によって貴重な精を放出してしまう。

 

 余りにも早すぎる絶頂であった。三回目を放った時点で淫魔王はリングから降りねばならない。貴重な残機のうちの一つを試合が始まってすぐに放ってしまうなど……とんだザコちんぽではないか。と、拍子抜けした様に呆れる美鈴や紅魔館メンバーの表情が物語っていた。

 

「あっ♡ おっぱい熱ぅい……♡ ふふっ……これは期待外れの様ですねぇ……。さて、どうしちゃいましょうか、このゴミクズちんぽ」

 

 灼熱の白濁を、密着したレオタードの中で双丘に浴びた美鈴の表情が変わる。艶めかしい口調とは裏腹に、この程度では愉しめないだろうという落胆が、そのまま憤怒に変わっているのだろう。普段の優し気な瞳は鳴りを潜め、瞳孔が縦に割れた龍眼にてゴミを見る様なつめたい視線で横たわる淫魔王を見おろしていた。

 

「なんと怖ろしい気配。まこと化け物しかおらぬようだな、この館は。だが……たとえどれほど強大であろうと汝は女よ……クククッ――そこだっ!」

「何を訳の分からない事……はひゃああああああン♡♡♡」

 

 寝ていた状態から腹筋を躍動させてガバリと上半身を起こした淫魔王が、美鈴の双丘のそれぞれの一点を狙って指先を閃かせた――途端に響く甘い絶叫。

 

「なんでぇ!? はひィン♡♡ なんで私の乳首がぁ……こんなにビンビンに……きひィイイイイイ♡♡♡ そんな強く摘まんだらダメええええええ♡♡♡ んあっ……あっあっ……んああああああッ♡♡♡」

 

 淫魔王の両手それぞれの親指と人差し指は、本人も知らぬ間にレオタード生地をぷっくりと盛り上げて存在を主張していた二つの先端部を正確に捉えていた。

 

「余の精は神をも堕とす淫魔の媚薬よ。密着した生地越しに乳房全体に付着すれば当然の事」

「はぁン……んあっ♡ まさかこんなに凄いなんてぇ……♡♡ んくっ……そんなに強く捩じらないでぇ……乳首壊れちゃいますよぉ♡♡♡」

「こんどはこちらの番だ。本物の淫魔の快楽というものを教えてやろう」

 

 

 ここに、攻守は逆転した。

 そのままシーソーの様に美鈴を押し倒した淫魔王は、片手で乳首への責めを激化させつつも、空いた片方の手を彼女の股間に移動させて指先を槍の穂先の様に揃える。

 

「ちょっと美鈴! ヤバいわよ! 逃げなさい!」

「はひぃン……♡ しゃくやさぁん♡♡ 乳首気持ち良すぎてぇ……ごめんなさい♡ ちょっと動けないれすぅ♡♡」

 

 タッチロープを掴んだまま焦りの声を上げる咲夜。体勢的に見る事の出来ぬ美鈴と違い、彼女には淫魔王の狙いが丸見えであった。

 

「少々キツイのを喰らわせてやるぞ。そりゃあッ!!」

 

――ズブゥッ!! ブチブチメリメリ……グジュウウウウウ……。

 

「かはッ――ヒギィいいいいいいいいいいッ♡♡♡♡」

 

 構えていた貫き手を、レオタードの生地越しに美鈴の女穴奥深くまで思い切り突き込んだ淫魔王。レオタード生地がブチブチと引き千切れる音と、美鈴の快楽に染まった淫叫がリング状に響き渡る。

 

「腕が千切れそうな程の締め付けであるな。子宮口は……ここか。こじあけてやろう」

「あぎィッ! 腕ぇッ?! いきなりこんな太いのぉッ♡♡ おまんこダメになりゅううう♡♡♡ 子宮口ムリヤリ拡げぇッ♡♡ 挿入ってくりゅうう♡♡♡」

「ふむ。子宮内部の感触も極上であるな……これは後が楽しみだ。では、余の紋を刻んでやろう……はあッ!!」

「あぎゃあああああああッ!! 子宮がッ! 子宮が燃えるううううッ♡♡♡ 逝くッ!! いくイクうううううううううう♡♡♡ だめでひゅううううう♡♡ わらひ門番なのにィィィ♡♡ 護らにゃいとなのにィィィ♡♡♡ イっクううううううううッ♡♡♡♡♡」

 

 子宮内部を拳で掻き回しながら五指を大きくくつろげ、美鈴の腹の内側に手を当てた淫魔王が、気合の声とともに淫魔力を解放する。

 すると、それまでビクビクとカラダを震わせていた美鈴が絶叫と共に大きく肉体を痙攣させて絶頂に達した。

 

 これで残り回数は互いに五分。淫魔王の最初の絶頂は、油断させた状態で己が切り札の一つである溜め込んで熟成された媚薬精を浴びせる為であったのだ。

 流石は淫魔の王である。純粋な戦闘力では敵わなくとも、こと淫闘においては王といえるだけの実力者であった。そして、その猛攻は未だ終わっては無いのだ。

 

「ちょっと美鈴! アンタデカい口叩いといてなんてざまよ! 早く交代しなさい。気合入れれば抜け出せるでしょ!」

「あひぃ……らめぇ……子宮が凄く熱くてぇ……私の女の部分がおかしいんですぅ……男が欲しくて欲しくて……女同士で十分満足してた筈なのにぃ……男なんてもう飽きる程食い散らかしたって思ってたのにぃ……♡♡」

「ちょっと美鈴?! ってそのお腹…………。まさか、淫紋?!」

 

 パートナーである咲夜に見せつける様に、立ち上がった淫魔王が美鈴を背中から抱え上げる様にして持ち上げる。その下腹部にはくっきりと、毒々しいピンク色に輝く子宮を模した紋章が刻み込まれていた。

 

「同時に複数人には付与できぬ紋であるが、人間如きには必要あるまい。まずは厄介そうなこの女を堕とさせて貰うぞ。まずはほぐれたてのマンコを味わうとしようか……フンッ!」

「んほおおおおッ!! おちんぽきたああああッ♡♡♡ ごんぶと巨大おちんぽで子宮突き上げられてりゅううう♡♡♡ おまんこしゅごいッ♡♡♡ おちんぽっ! おちんぽっ! もっとおちんぽで激しく犯してくらひゃいいいい♡♡♡ 何も護れないガバガバ門番のユルユル正門ぶっ壊してぇ♡♡♡♡」

「さて、どこまで本心なのやら。この程度で堕ちる筈があるまい。キーラ! 協力せよ。ツープラトンである」

「承知!」

 

 パートナーである副官の待機するロープサイドに歩み寄っていく淫魔王。だが、タッチ以外の手段でパートナーがリングに上がる事は許されていない。ピンチである方がカットの為に入るならばともかく、レフェリーのいない試合形式とはいえ、余りに違反が過ぎれば紅魔館首脳陣の怒りを買う事も考えられる。

 

 

「いいの? レミィ」

「くくく……なかなか良い見世物だな。いや問題ないぞパチェ。ほら、良く見るがいい」

 

 逆駅弁の体勢で背後から美鈴の秘所を突き上げている淫魔王。その正面にロープを挟んで立っているキーラの背中が割れると、その亀裂から様々な形状をした異形の触手たちがビュルリと溢れ出した。

 

「全ての穴を犯して差し上げましょう。淫魔王様よりも純度は下がりますが、この愛すべき触手たちは催淫効果を含んだ体液を注入する事も出来ます。そしてこれは私の生殖器ではないので……いくら出そうとも絶頂にはあたりません」

 

 うねうねと空中を淫靡に蠢く触手たちが一斉に、淫魔王に抱え上げられている美鈴に襲い掛かる。

 

「ひあああああッ!! んぶぅッ――……ん゛お゛ッ……お゛ごっ……もごぉっ……」

「美鈴! 確かにリングには入っていないけど……やりくちが汚いわね!」

「我らは悪役(ヒール)であろう。ならばこれくらいは期待されている筈だ。それにどのみち後が無いのだ。出し惜しみはせぬ……うおおおおっ!」

 

 キーラの触手がレオタードの内側に幾本も侵入して、美鈴の柔肌を蹂躙していく。胸元のズリ穴や口、肛門や尿道といった穴はいわずもがな、淫らな肢体の内外を問わずに触手がうねり、先端から放たれた媚薬体液が美鈴の性感を何千倍にも高めていく。

 

「ふんっ! ふんっ! 余も二発目を放つぞ。貴重な残機であるが……。汝を堕とせば後は、神の如き能力を持つとはいえ人間に過ぎぬ小娘のみよ! くぅおおおおおおッ!!」

「ン゛っー♡♡ んっ……ん゛う゛ッ♡♡」

 

 宙に抱え上げられたまま、肢体を痙攣させて快楽にうち震える美鈴。禍々しい肉の巨杭にて、その、しとどに愛液を零し続ける秘所を突き上げる速度を段々と早めていく淫魔王。

 その逸物の先端は、さきほど拡張された子宮口を容易く貫通し、子宮底部にまで叩きつけられている。膣内のいくつもの突起やヒダ、コリコリとした子宮口、そして柔らかな内膜の感触が淫魔王の逸物を刺激する。

 

(むう……なんという凄まじい胎内の感触よ。これは急がねばこちらが危ういな……)

 

 内心で焦りを感じた淫魔王が、勝負に出るべく腰の振りを早めていく。ただ早いだけではない。女体の反応を観察しつつ、持ちうる限りの淫魔としてのテクニックを注ぎ込んだ淫伎の極みたる抽挿であった。

 ボコボコと突き上げられる度に、刻まれた淫紋を大きく歪ませて下腹部がいびつに膨れ上がる。固有結界内部で無ければ、いくら妖(あやかし)とはいえ腹部を内側から突き破られてもおかしくはない程の激烈な責めだ。

 

「余の紋を刻まれし子宮にて受けとめ堕ちるのだ。射精(だ)すぞっ! 誇り高き龍の戦士よっ!」

 

――ブビュバッ!! ドビュルルルルルルルルルルルルッ……ブビュルッ……ドブッ……ドプドプ……ドプゥッ……

 

「んっ゛!! ん゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ!!!!」

(らめえええええ!! わらひ堕ちひゃううっ♡♡♡ 淫魔の子を孕む準備完了しちゃううう♡♡♡♡ んああああッ♡♡♡いくいくッ♡♡イクっ♡♡またイカされちゃううううあああああ♡♡♡♡イくうううううううううう♡♡♡♡♡――咲夜さん……ごめんなさい)

 

「美鈴ーーーーーッ!!」

 

 美鈴の子宮内部にて淫魔王の亀頭が大きく膨れ上がり、爆発したかのように精を噴き上げる。

 淫紋を刻まれた子宮はその感度を何千倍にも高められており、胎内に射精された瞬間、美鈴は先ほどとは比べ物にならない程の快楽の渦に意識を吹き飛ばされていた。

 

「ん゛う゛う゛う゛ッ……ンっ――」

 

 ガクリと頭部を傾けて人形の様に脱力した美鈴。あと一回の残機を残しているとはいえ、もはや女としては終わったも同然の状態に見える。

 

「くっくっくっ……。余もあと一度きりであるが、もはやこの女は堕ちた。あとはただ、気付けをして軽く嬲ってやれば即座に絶頂して終わりであろう」

「はっ。もはや敵ではありますまい。あの人間の女はわたしがいかようにも処理しておきますゆえ、この女をイカせ次第交代と致しましょう」

 

 逸物と触手を引き抜かれ、リングの上にゴミの様に放り出された美鈴。白濁に塗れたその姿に先ほどまでの凛々しかった面影は無く、もはやピクリとも動かない。

 

「あらあらだらしない。これは暫く食事抜きかしら?」

「はぁ……ひどい主ね。だる……咲夜が怒るわよ」

「すでにキレてるわよ。だーいすきな先輩にして最愛の恋人が目の前で嬲り者にされたんだもの。ふふっ……でも、それであんなに興奮してるんだから変態よね」

「はぁ……貴女が言う? それ……この主にしてあの従者ありね…………ああめんどくさい」

 

 レミリアと小悪魔は、肩を微かに震わせてリング上の光景にを凝視している咲夜に視線を向ける。怒りに震えている様にしかみえないが、人外である二人の超感覚は確かに捉えていた。

 

 造形美の極致ともいえる太ももの間を伝う、興奮に満ちた体液の香りを。

 

 

「【咲夜の世界(ザ・ワールド)】」

 

――全てが凍り付いた。

 

 

 リングで不敵に笑う淫魔王も、その従者も。

 凌辱の限りを尽くされて横たわる紅美鈴も。

 愉しげにその様子を見守る敬愛する主人も仲間達も、同僚も部下も、空を往く鳥や流れる風さえも――。

 

 はぁ……と一息溜息を吐いた咲夜。

 そのまま何事も無かったかのようにタッチロープから手を離し、リングに飛び乗った彼女は、汚された最愛の女性の傍らにしゃがみこむ。

 

「美鈴……ああっ……なんて姿……こんなに汚されて……おまんこもお尻の穴もぽっかり口を開けてガバガバじゃない……んっ♡ はぁ……♡♡」

 

 無惨な有様となった恋人の姿を、悲しむでも無く怒るでもなく、ただ興奮していた。これが十六夜咲夜の性癖であったのだ。愛する存在が自分ではない他者によって汚され犯される。そうして彼女は喪失と背徳に満ちた快感に背筋を震わせるのだ。

 

「ここは私の世界。汚され壊された貴女を楽しむ為だけの世界。ああ……なんて素敵な美鈴」

 

 白魚の様な繊手が、ぽっかりとグロテスクに口を開けて赤黒い肉を覗かせる美鈴の女穴に吸い込まれていく。淫魔王の逞しい腕と、その腕よりも遥かに太く長い巨根にてくつろげられた膣はたやすく咲夜の右手を受け入れた。

 

「ああ……美鈴の信じられないくらい締まる綺麗なおまんこが……こんなにグチャグチャのガバガバおまんこに……汚らしいザーメンも沢山……んはぁ……」

 

 咲夜は女だ。だがここは幻想郷である。館の図書館を管理する魔女に頼んで一時的に半陰陽(ふたなり)と化すなど造作もない。美鈴の性器の感触など知り尽くしている。

 内部をゴリゴリと削り取る様に指先で抉り、愛液と淫魔の精がたっぷりと交ざり合った体液にまみれた手を引き出してしゃぶり始めた咲夜。倒錯した興奮に歪んだ表情が、背徳に溢れる味に反応して陶酔にかわる。

 

――ちゅぱ……じゅるじゅる……ちゅぷ……ちゅるっ……

 

 掌にべっとりと纏わりついた淫蜜を一心不乱に舐めしゃぶっていく咲夜。まるで母乳を求める幼子の様だ。

 

――あむ……んっ……ちゅぷ……じゅるじゅる……はむ……

 

 やがて、付着した全てを綺麗に舐め終えた咲夜は、もう我慢できないとばかりに恋人の股を大きく開かせ、頭ごと女穴に突き込まんばかりの勢いで股間に顔を押し付けて淫らな体液を啜り始めた。

 

――じゅるじゅるっ! ずぞっ! じゅぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞッ!! ぐぢゅっ……じゅるるるるるるるるるるッ!!

 

 マナーの欠片も無い下品な所作に、普段の美々しいメイド長の面影は無い。そこにはただ、男達によって汚し壊された愛する者を、欲望のままに貪るだけの一匹のケモノが居るのみであった。

 

――じゅるっ! じゅるるッ! ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞッッッ!! じゅぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞッッッ!! ぶぢゅるぢゅるっ!! ぢゅぢゅぢゅぢゅうううううううううるるるるるるるるるるるッッッ!!!!

 

 咲夜の体感時間で半刻ほどの時間が経った時。白濁塗れであった美鈴は、グロテスクに拡張された肉の穴以外は全て、美しかった姿を取り戻していた。

 そんな愛しい人を自らのリングサイド、タッチロープの下まで運んだ咲夜。その眠り姫のごとき唇に愛情のこもった口づけをおとすと、タッチロープを再び手にとって能力を解除したのである。

 

 

――時が、動き出した。

 

 

「なっ!?」

「えっ?」

 

 それまで確かに視界に存在した筈の敵。犯し尽して陥落寸前にあった筈の女体が忽然と姿を消した。

 

 余りの驚きに驚愕したのも束の間、即座に視線をもう一人の敵に向けた淫魔王と副官は、全てを理解した。

 

「やってくれたな。人間」

「何の事かしら?」

「バレなければ何をしても良いと?」

 

 淫魔王と副官が、責める様な視線を向ける。だが当の咲夜はといえば、飄々たる態度でこれを迎撃した。

 

「貴方たちが淫紋や触手を使うのと何か違いがあるのかしら? ふふ、でも安心して頂戴。もう使わないから……。次の瞬間にいきなり貴方達が絶頂して試合が終わってしまってはお嬢様たちが愉しめないもの」

 

 停止した時間の中で彼等の五感のみを戻し、快感だけを与え続ける。解除された瞬間に白濁液を噴き上げるオブジェの完成というわけだ。幻想郷の時間停止お姉さんこと十六夜咲夜。その名は悪事を働く妖たちの間では恐怖と共に知れ渡っている。

 

「人間如きが……。キーラよ、目にもの見せてやるが良い。余もリングサイドから触手を放って助けとなろう」

「御意」

 

 

 かくて、第二ラウンドの幕が上がった。

 リング上で対峙する咲夜とキーラは共に残機3であり、リングサイドにて触手を展開した淫魔王と、反対側で未だ気を失っている美鈴が残り1である。

 

「アックスデストロイヤー!」

 

 叫び声と共に突進したキーラが、己が片腕を斧に見立てて強烈なラリアットを繰り出す。が、咲夜はこれをヒラリと蝶の様に躱して背後に回り込み、太く逞しい腹部に両腕を回して力任せに引き抜いた。

 

「ふぅんッ!!」

 

 十六夜式バックドロップである。

 人は妖気を持たぬ。しかし、強力な魔を討伐する為に人々は遥か過去より連綿と技術と力を継承してきたのだ。魂に宿る霊力を目覚めさせ、己が肉体を妖にも負けぬほどの超人と成す。咲夜の肉体はもはや、人の域を遥かに超越していたのである。

 

「ごはぁッ! なんたるパワー。貴様本当に人間か」

 

 後頭部を打ち付けたキーラが、大の字に倒れる。すぐさま立ち上がろうとするも、脳に衝撃を受けた為に即座の反応が出来ない。そこに、さらに咲夜が畳みかけていく。

 

「私の聖域に口を付ける栄誉をあげるわ……いくわよ」

 

 倒れたキーラの胴体に全面から腕を回して担ぎ上げ、むちりとした太ももで頭部を挟み込むようにして自らの秘所にキーラの顔面を押し付ける咲夜。そのまま目の前にある股間のパンツを野性味あふれる仕草で食い千切り、怒張した陰茎を露出させる。

 

「メイドの奉仕を味わいなさい! あむッ……んっ……♡♡」

 

 淫魔王ほどではないにしても、淫魔界ナンバー2の男根である。相応に巨大なソレを、可愛らしい小さな唇があっというまに呑み込んでいく様は恐ろしさを通り越してシュールですらある。物理的にはいる訳が無い。それが十六夜咲夜でなければ……。

 

「ふふっ……くっさ♡ なんて臭さかしらこの駄ちんぽ♡ 臭すぎて私のおまんこが大洪水よ♡♡ ほら、折角の私のおまんこなんだから貴方も貪りなさいな」

 

 直径30センチ、長さは80センチはあろう肉の竿を全て口に頬張り、あまつさえ明瞭な言葉を発する。三次元空間を自在に操れる十六夜咲夜であればこその魔性の淫伎であった。

 

「ぐムゥッ!! もごぉっ!! ンゴォッ!!」

「何? はっきり喋りなさいな。それに、これで終わりではないわよ……はあッ!!」

 

 飛翔した。

 

 太ももと股間でキーラの頭部を挟み込み、両腕を背中に回して巨根を口に収めて嬲りつつ、咲夜はリングの上空高くまで跳躍したのだ。ここで、展開の速さに仰天していた淫魔王があわてて触手を繰り出したが、時すでに時間切れである。

 

――ドゴォォォォッ!! ブビュルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!

 

 ディメンジョンフェランティック・ツームストンパイルドライバーである。相手は死ぬ。もしくは絶頂する。

 

 幸せロック状態で頭部からリングに突き刺さり、咲夜の肢体に絡め捕られた状態で、背から生やした触手の全てから体液を噴き出させてピクピクと震えているキーラ。どうみても絶頂したまま気絶している。

 

「一回」

 

 そう呟いた咲夜が気絶したキーラから身を離す。またもや大の字に倒れ込んだキーラを援護する為か、淫魔王の触手群が咲夜に襲い掛かった。が――。

 

「なぜだ。なぜ当たらぬ! 拘束する事すらできぬだと!?」

 

 最小限の見切りで全ての触手を移動しつつ躱す咲夜。回避に手一杯……といった様子ではない。倒れたキーラの頭を片手で掴み上げて顔面に何度も往復ビンタをしつつ、全ての触手を自然体で回避し続けている。

 

「――ぶべっ! ハッ! なんという事だ……この私が容易く――ぶべらっ!」

「あら起きたの。別に痛くはないでしょう。じゃあ二回目ね」

「なんだと……調子に乗るなよにんげ――アッー!!」

 

 起きたと見るや掴んでいた頭を離し、無造作にキーラの尻に蹴りを入れた咲夜。ただの蹴りではない。つま先の尖ったリングブーツの先端部は、正確にキーラの菊門を捕らえていたのだ。

 

「さっさとイキなさい。ザコちんぽ。ほらっほらっ」

 

――ガンッ! ガンッ!

 

「ア゛ッ―! ア゛ッ゛ッ゛! ン゛ア゛ッーーーッ!!!!」

 

――ブビュルウウウウウウウッブバッ!! ドビュルルルルルルルルルッ!!

 

 直腸内部の前立腺を正確につま先で抉り上げられ、キーラは呆気なく二回目の精をリング上に撒き散らした。完全な無駄撃ちである。

 

「二回目」

 

 もはや淫魔王と副官に後はなかった。

 ともに残機1。このまま怖ろしきドSメイドレスラーと化した十六夜咲夜に呆気なく斃されてしまうのであろうか。

 

「むうううう!! 余は負けるわけにはいかぬ! この双肩には配下10万余の魂が掛かっておるのだ! もはや手段は選ばぬ!」

 

 決意を叫んだ淫魔王が跳躍し、ズゥンと鈍い音を立ててキーラと咲夜の間に着地する。タッチのルールはどうしたというのだろうか。もはやルールなど知らぬという事であろうか。否、ルールは守られていたのだ。タッチロープとキーラの双方をしっかりと、淫魔王の触手が掴んでいたのだ。

 

「なるほど……確かに触(・)手(・)も手の一種。ルール違反ではありませんね」

「もはやなりふり構わぬ! キーラよ! 勃つのだ! 男ならば勃てぇい!!」

「――はっ……淫魔王様の檄、この魂に響きました。この女を文字通り、嬲り者にしてやりましょう」

「ザコちんぽが増えても所詮はザコちんぽ……かかってきなさい」

 

 言葉とは裏腹に、咲夜の表情は厳しかった。純粋な闘争であればいざしらず、男女の淫闘とあっては2対1という数的不利は想像以上に大きい。

 

(少々厳しいかしら……せめて美鈴が居ればどうとでもなるのだけど……)

 

 ちらりと後方に視線を向けてパートナーの状態を確認する咲夜。だが、美鈴が目を覚ます気配は未だ無い。

 

「ゆくぞ。稀なる強者たる人間よ。そのかんばせを快楽に狂わせてくれよう!」

 

 

 かくして、紅魔館の全員がまたぐらを濡らして見守る中、風雲急を告げる最終ラウンドが始まった。ちなみにまたぐらを濡らすどころか、観客の半数以上はすでに周囲の者達とおっぱじめていたりする。

 

 

 序盤は静かに……そして絶望の気配と共に始まった。

 片方を攻めようとすれば身体ごとぶつかってくるもう片方に邪魔をされる。触手であればともかく、男の体格を活かした突進を避け続ける事はいかな咲夜といえど困難である。

 攻めあぐねるうちに二人掛かりで攻め込まれ、なんとかこれらを回避するも状況を打破する手は無い。

 

 忍び寄る敗北の二文字が、見守る観客たちの脳裏を掠め始めていた。

 

「くぅっ!――しまった!」

 

 いつのまにかリングの端、コーナーポスト付近にまで追い込まれてしまった咲夜。跳躍して背後に回ろうと視線を上に向けるも、そこには天を塞ぐかの様に触手の群れが、網の目の形に配置されている。

 

「とったあああ!!」

 

 逃げ場を潰す様に突進してきたキーラをかろうじて躱した咲夜であったが、その先を塞ぐように位置取った淫魔王の逞しい腕によって、その華奢な手首をがっちりと捉えられてしまう。

 

「くぅっ!――んあッ♡♡」

 

 両の手首をがっちりとホールドされ、身動きの取れなくなった咲夜が甘い悲鳴を上げる。今までの仕返しとばかりにキーラがその股間を編み上げブーツで思い切り蹴り上げたのだ。

 ダメージは無くとも快感はある。正確に膣口を狙った蹴りはレオタードの生地ごと巻き込んで、咲夜の淫肉につま先を食い込ませていた。

 

「先ほどのお返しです。そらっ! そらっ! その綺麗なマンコをグロマンになるまでぶっ壊して差し上げましょう」

 

――ガヅッ! ズゴッ! ドゴッ!

 

「んあっ♡あッ♡はァン♡♡ だめぇ♡♡ おまんこ蹴り上げられて感じちゃう♡♡ んっ♡♡」

「くくく……。キーラよ、少々攻めが手ぬるいぞ……この者は紛れも無く強者よ。これくらいでなくば甘イキすらしまい」

 

 不穏なセリフを放った淫魔王が、キーラの蹴り上げファックにて喘ぐ咲夜の手首から手を離し、信じられぬ程に細く引き締まった腰を掴み直す。

 そのまま高々と咲夜の肢体を持ち上げ――目の前に隆々とそそりたつコーナーポスト目掛けて、先ほどまで痛めつけられていた女芯の部分を思い切り叩きつけた。

 

――ドゴボォッ!

 

「ひぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡♡♡ お゛ま゛ん゛こ゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡♡♡」

 

 コーナーポストの形をそのままボッコリと下腹部に浮かべた咲夜が、喉も裂けよとばかりの絶叫を迸らせる。

 

「なるほど! しからば私はこの様に!!」

 

 続けて主の意図を察したキーラが、肉体を大きく撓ませて天高く跳躍。

 両足を揃えてしっかりと、大地を踏みしめる様に着地したそこは、女芯をコーナーポストに串刺しにされて喘ぐ咲夜の両肩であった。

 

――グヂャズボォッ! …………ぷしゃああああああ……。

 

「お゛ッげ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ッ!! 子゛宮゛ぶっ゛潰゛れ゛ぇ゛――ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あッ♡♡ イ゛っく゛う゛う゛う゛う゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡゛♡゛♡゛♡゛♡゛」

 

 凄惨極まりない追い打ちにより子宮を完膚無きまでに叩き潰された咲夜は、堪らず尿道から夥しい潮を噴いて絶頂した。いくら人を超えた超越者とはいえ、今までずっと淫魔王の淫気を浴びていた影響は皆無ではなかったのだ。それは確実に少しずつ、咲夜の性感を刺激しつつ蓄積されていたのである。故に、強烈なまでの子宮への刺激が、即座に絶頂という結果に至ったのだ。

 

「まだまだ終わらぬぞ! 絶頂の刺激で暫くはまともに動けまい。パートナーもあの有様となれば交代も出来ぬ。キーラよ! 我らが本体たる肉の棒にてこの女にトドメを刺してくれよう」

「はっ!」

 

 串刺し状態でビクンビクンと肢体を震わせ、涙と鼻水に塗れたアヘ顔を晒している咲夜。そのカラダをズルリとコーナーポストから引き抜いた淫魔王とキーラは、逞しい二人の肉体で挟み込むようにして咲夜を立ったまま貫き始めた。

 

「ひぎィッ!! そんなっ! 二本ともおまんこなんてぇ……壊れちゃう……私のおまんこ使い物にならなくされちゃううう♡♡♡」

 

 淫魔王とキーラの二本の剛直、それぞれがコーナーポストと変わらぬ大きさの巨杭が、あろうことか同時に咲夜の秘所を抉り始める。

 正に悪夢そのものの光景だ。女性にしては背が高いものの、男達と比べればその体格差は大人と子供ほどもあるのだ。ウエスト50cm少々という咲夜の細い胴回りの内部に、直径30センチオーバーの巨杭が二本も納まる訳が無いのだ。本来であれば。

 

「はぎィイイイッ♡♡ 太すぎるっ♡♡ 私のおまんこっ! 壊れる♡ 裂けるッ♡ ブチブチって引き裂けておまんこ穴二度と使えなくなるうううう♡♡♡♡ あぎゃああああ!! 子宮も潰れるっ♡♡ 嫌ッ! それは本当に嫌あッ!! 子供産めなくなっちゃうっ! 助けて! 助けてええええ美ぇぇ鈴ィィィン!! 嫌゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」

「裂けはせぬし子も産める。まぁ我らの逸物以外ではマトモに愉しめぬ醜い肉穴に成り果てるであろうし、産むのは我らの子だがな」

 

 固有結界の中にいる限り淫魔との性交で肉体に損傷を負う事は無い。どれほどキツく小さな穴であろうと、限界を超えて大きく拡がり淫魔の巨杭を裂ける事無く受け止められるのだ。

 

「しかし素晴らしく極上の名器ですな。精を放たぬ様意識してコントロールしてなお、気を抜くと放ってしまいそうです。ここは決着を急ぐが吉かと」

「キーラよ。貴様の言う通りである。タイミングを合わせよ……バラバラでは無く同時に子宮を叩き潰して絶頂に導くのだ」

「はっ! 仰せのままに」

 

 咲夜を挟む二人の腰使いが更に荒々しく、それでいて息を合わせた様にピッタリになる。

 愛する人に助けを乞いつつ喘ぎ叫んでいた咲夜は、その激しすぎる攻めにもはや意味のある言葉を紡ぐ事すら出来ず、獣のように濁った淫叫を発し続けるのみであった。

 

――どぢゅんッ! ずぢゅんッ! ずどぼぉッ! ぼごぉッ! どごぢゅッ! ぼぐぢゅッ!

 

「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡♡♡♡ ひぎぃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ♡♡♡♡ い゛ぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ♡♡♡ イ゛ギぢ゛ぬ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛♡♡♡♡ お゛ま゛ん゛こ゛ォ゛ッ♡♡♡ し゛き゛ゅ゛う゛ゥッ♡♡♡ こ゛わ゛れ゛て゛イ゛く゛ゥ゛ッ゛ッ゛♡♡♡ イ゛くぅ゛う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ♡゛♡゛♡゛♡゛♡゛」

 

 そうして、紅魔のメイドの長たる十六夜咲夜は、無様に二度目の絶頂を向かえて果てた。

 

「あと一度だ。後ろの穴を同時に抉ってやろう……。安心せよ。きちんと前の穴にも全ての触手を捻じ込んで子宮のナカどころか卵巣まで凌辱しつくしてやる」

「それは良いですな。きっと良い声で啼きますぞ」

 

 大絶頂の余韻に浸り、脱力しきって虚ろに喘ぎをこぼすだけの淫らな肉塊と化した咲夜を持ち上げていく淫魔王。愛液に塗れてテラテラと塗れ光る二本の巨杭が、膣肉の内側をズルズルと巻き込むようにして現れていく。

 ズリュズリュ……ジュボッ……。生々しい音を立てて引き抜かれた咲夜の淫裂は、内側から弾ける様にして淫肉がはみ出す醜いグロマンと化していた。

 

「さっきまでの美しい割れ目が嘘のようだな。まぁこれから更に醜くなるだろうが」

「子宮ごと引き摺り出して完全なゴミクズマンコにしてしまいましょう。あの赤髪の女が起きた時が楽しみです。どうやらこの女と恋仲の様子……愛する女の生殖器が我ら以外マトモに仕えぬ廃棄物に成り下がった時、どんな表情を浮かべるのでしょうか」

「キーラよ。お主の方がよほど余より淫魔の王らしいぞ。くはははは」

「お戯れを……」

 

 邪悪な嗤いを浮かべながら、二人は咲夜の尻穴目掛けて巨杭の照準を合わせていく。

 

――グジュズボォッ!!

 

「んぎィッ♡♡♡」

 

 両の瞳を限界まで見開き、快楽に染まった喘ぎを漏らした咲夜。そのグロテスクに壊された秘所に数十本を超える触手が殺到していく。

 

――ジュブッ! ズブズブッ! ドズッ! ブヂュルルッ! グヂュボッ! ドヂュッ! ボジュッ! 

 

「ほぎょ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ♡♡♡」

 

 あり得ない程にくつろげられた女穴と尻穴は、それぞれが直径80センチほどまでに大きく拡張され、咲夜の腹部は平常時の三倍程にも大きく膨張させられていた。その胎内はもはや凄惨という言葉も生温い程の地獄絵図であろう。

 

(これはもうダメね……。美鈴……ごめんなさい)

 

 リングサイドに横たわる恋人を想う咲夜。その頬につぅとひとすじの涙が伝った。

 

 例え試合に負けたとしても紅魔館の勝利は揺るがない。彼等は二度とバカな侵攻などせぬと誓いを立てて淫魔界に戻るだろう。

 だが誇りと矜持を大切にするレミリアが、紅魔館に泥を塗った咲夜と美鈴を許す筈が無いのだ。命までは取られぬとしても、その方がマシであったと思えるほどに苛烈な罰が二人を待っているだろう。

 

(ホブゴブリン達の肉便器刑100年くらいかしら。それとも美鈴との接触禁止100年かしら。いや……お嬢様ならそのどちらもね。お互いに引き離されて別々の場所でホブゴブリンの苗床役かしら……ね)

 

 咲夜の性癖も熟知しているレミリアの事だ。お互いが同じ場所で嬲られるとなれば、それはご褒美になってしまう。

 能力を使えば逃げる事も可能だが、それは咲夜にとってはあり得ない事だ。女として愛している美鈴とは別に、レミリアの事は忠誠を誓う主人として敬愛しているのだ。それを裏切る様な真似など死んでも御免であった。

 

(まぁ仕方ないわね。相手をたかが淫魔と侮ったのは、私たちの自業自得だもの――あぁン♡ もうだめ……♡♡ 子宮のナカで大暴れしてる触手が気持ち良すぎて……私……もう――)

 

 

――その時、眩い力の奔流が、夜にも関わらず紅魔館を真昼の如く照らし出した。

 

「咲夜さん!!」

 

 力強く呼びかける声が、半ば夢うつつに絶頂しかけていた咲夜の意識を現実へと引き戻した。

 

「めぃ……りん?」

 

 朦朧とした意識の中に揺蕩っていた咲夜の、うっすらと揺らめく視界が焦点を結んでいく。そこにいたのは鬼気迫る表情で両手を腰だめに構える愛する人の姿。

 

「咲夜さんの助けを呼ぶ声が聞こえました。悠長に眠っていて申し訳ない。もう大丈夫です」

 

 先ほどの呼びかけは届いていたのだ。

 淫魔王が膨大な魔力を注ぎ込んで刻む淫紋。それがもたらす想像を絶する快楽に抗い、愛する女の呼ぶ声に応えるために立ち上がった美鈴。だが、数千倍に高められた快感は未だに彼女の魂を淫らに灼き溶かしている。満身創痍と言っても過言では無いだろう。

 

「動けるはずがない! 汝は完全に堕とした筈だ。なのに何故だ! 余の紋を刻まれて子宮に精を受け、それで何故動ける!」

 

 肉体は完全に堕ちている。それは事実だ。淫紋を刻まれて精を直接受けた美鈴の子宮は抗いがたい快楽を今もなお魂に送り込み続けている。だが、その魂はいまだ、頑強に抵抗を続けていたのだ。

 

「咲夜さんのピンチに私が動けないわきゃないでしょう……。私を堕とす? ハッ! そんな事は不可能だ! 何故なら私の魂はとっくに――完全で瀟洒な筈なのにどこか抜けてて、でもそんな所がとっても愛らしい人間の女の子に堕ちているからだッ!!」

「美……鈴……♡」

 

 咲夜の眼が完全にハートになっていた。元々ベタ惚れであったが改めて惚れ直した様だ。だって仕方ない。こんなイケメンな美鈴にそんな台詞を言われてキュンとしなければ嘘である。めーりんマジイケめーりん。

 

「いい加減にその汚い触手と駄チンポを離せ! 星気【星脈地転弾】!」

 

 腰だめに構えていた美鈴の両の掌が、龍の顎門の如き形となって前方に突き出される。それと同時に、七色に輝く膨大な波動が奔流となってリング上を灼き尽くした。

 

「ぐおおおおっ!!」

「ぐああああッ!!」

 

 繰り返すがダメージ自体は無い。だが、星気を集めて放たれた指向性のある波動はリングに立つ咲夜以外の存在をロープサイドまで軽々と吹き飛ばす。気を操る美鈴にとって、咲夜にのみ効果を及ぼさぬ様に調整する事など朝飯前の芸当だ。

 

 美鈴は続けて波動を操り、リングに倒れ込んだ咲夜を己が方向に引き寄せ、タッチロープと同時にその手に触れて素早くリングに上がる。

 

「お待たせしました咲夜さん」

「もう……待ちくたびれたわよ。でも……ありがとう。さっきのは凄くカッコよかったわよ」

「やはは……少々照れますが本心ですので。立てますか?」

「ここで立てなかったら私は自分を許さないわ」

 

 美鈴の手を借りつつであるが、ゆっくりと立ち上がった咲夜。

 股間の二穴はぽっかりと大きく開いたままで閉じる気配も無い。このまま続けるとしてもその穴では相手を絶頂させる事は難しそうである。

 

「咲夜さんの穴はどちらもダメそうですね。私のおまんこもガバガバですので使えません……尻穴はまだイケますが」

「口だけ使えれば十分よ。二人であの駄チンポから搾り尽くしてやりましょう」

「それもそうですね。では私は淫魔王を」

「私はもう片方ね。それと……あとでパチュリー様の魔法薬で治したら、たっぷり愛し合いましょう♡ 貴方が欲しくて堪らないの」

「私もです。今夜は寝かせませんよ」

 

 頭を振りつつ立ち上がった淫魔王とキーラが、二人を睨みつける様にして雄たけびを上げて向かってくる。

 

 だが、全ては無駄なのだ。

 もはや百合の花畑を幻視させる程に百合力を高めた咲夜と美鈴の前で、男達にできる事など何もなかった。いつの世も、百合の間に挟まろうとする男達の末路は変わらないのだから。

 

 彼等はただ、二人の美女の淫靡で美しい関係を盛り上げる為だけの添え物にしか過ぎぬ。

 その後、呆気なく二人に搾り取られた淫魔王とキーラは、心の底から幻想郷に侵攻した事を後悔するのであった。

 

 

 ※

 

 

「いやぁ、今回は助かったよ」

「出たわね胡散臭い神」

「あーっ! アンタこないだの!」

 

 全ての決着がついた後、後片付けに追われる紅魔館の中庭に現れたのは、究極の絶対秘神こと胡散臭い神代表、摩多羅隠岐奈であった。

 

「で、愉しめたかい?」

「まぁそれなりにね。こないだのフランの件も兼ねてのお礼でしょ?」

「流石はレミリア・スカーレットだね。それとも運命を読んだのかな?」

「どちらも同じ事よ」

「違いない!」

 

 社交辞令を兼ねた軽口をたたき合ったのち、隠岐奈は本題を切り出す。

 

「ところで淫魔界の彼等、どうするつもりかな? いくら紅魔館でもあの数は持て余すんじゃないかい?」

「そういう面倒くさい交渉は嫌いなの。私に交渉は不要なモノだわ。彼等は全員、貴女たちに任せるつもりだから大丈夫よ」

「君が相手だと、話が早すぎて助かるね!」

「それなりの便宜は図ってくれるのでしょう?」

「勿論そのつもりだよ」

 

 全ての裏側を知る黒幕たる幻想郷の賢者と、運命の魔王(ロードオブフェイト)たるレミリア・スカーレット。これで彼女たちの話し合いは終わりである。常人にはまるで理解出来まい。全てを知る者同士の交渉など確認にしか過ぎぬのだから。

 

 すべては八雲紫と摩多羅隠岐奈の計略であった。

 淫魔界の侵攻そのものは彼等の意思だ。だが、そのようなモノなど脅威たりえない。ただ、二人はこの幻想郷に新たな風を吹かせたかったのだ。スペルカードルールと同様に楽しめる、バトルファックという新たな遊びの風を。

 

 淫魔界の住人達はタイミングよく利用されただけ。とも言えるだろう。だが。彼等にメリットが無い訳ではない。紅魔館に攻め寄せた10万余の淫獣たちは程度の差こそあれ魂は無事であり、紫と隠岐奈の手によって淫魔界に帰された。そして、彼等の王たる淫魔王はというと――。

 

 

「つまりその、人材派遣会社というものをやれば良いのか? 幻想郷に淫獣たちを派遣して淫らな遊びを提供しろと?」

「ええ、その通りですわ。もちろん合意があれば苗床契約も自由。期間を区切れば体験してみたいという女たちは多いでしょう」

「さすがは妖の郷か。しかし報酬はなんとする? 我らは通貨など持たぬゆえ、金などという物で払われてもこまるぞ」

「この郷に住まう精気に満ちた女たちと交わえるのです。それで貴方がたには十分でしょう。あまり欲をかいては身を滅ぼしますわ」

 

 有無を言わさずに次元の裂け目に呑み込まれ、マヨヒガに強制的に招待をうけた淫魔王の額に冷や汗が浮かぶ。

 仮にも淫魔を統べる王として、軽く見られぬ様にと本心ではない疑問を口にした淫魔王であったが、八雲紫の発する名状し難い鬼気にあてられ、慌てて言葉を返す。

 

「いや、勿論そのとおりである! すまぬ! 欲をかく気は無かったのだ」

「うふふ……一つ良い事を教えて差し上げましょう。私たちの取引相手になったという事はつまり……他のどの様な存在であろうと貴方がたを害する存在を私は許さない。という事なのですよ」

「なんと……まことであるか。貴女様の様な超存在の後ろ盾が得られるとなれば確かに……何にも勝る報酬ですな」

 

 

 こうして淫魔界の住人たちは、幻想郷の新たな隣人として迎えられたのである。

 

 時に男に飢えた者たちの為にデリバリー淫獣として活躍する者。

 時に被虐願望や輪姦願望、苗床願望などをもつマゾな女達の為に頑張る者。

 時に試合形式でバトルファックショウを行い、里の大人達や幻想少女たちを楽しませる為の悪役(ヒール)として出演する者。

 

 淫魔王の固有結界技能も本人の協力の元に解析され、八意永琳やパチュリー・ノーレッジ、霧雨魔理沙ら幻想郷のブレインたちの手によって誰でも使える魔導具として完成した。

 今や合意のもとに行われるバトルファックルールは本人の資質にもよるが、人間が妖怪とも渡り合える第二の娯楽としても人々に親しまれている。

 

 幻想郷は今日も、おおむね平和であった。

 

 

 ※

 

 

「あっ! 待ってましたよ淫魔王さん」

「久方であるな紅美鈴殿」

「キーラさんも元気そうね」

「これは十六夜様。貴女がたも変わらずお美しい」

 

 紅魔館の中庭に造られたリングの前で、幻想郷で初めて試合形式でのバトルファックを行った四人が集まっていた。かつてと違うのは、それが特設ではなく常設になった事だろうか。

 

「今夜のショウは宜しくお願いしますね。観客たちも今度は幻想郷中から集まりますよ」

「こちらこそよろしく頼むのである。しかし幻想郷中であるか……なんとも豪儀であるな」

「今度は負けませぬ。我らキング&プリンスの実力を知らしめましょう」

「あらあら、良い心意気ね。まあ勝つのは今度も、私達スカーレットサーヴァンツだけど」

 

 どうやらリングネームまで付けている様だ。ノリノリである。

 

 彼等の二度目の試合の結果がどうなったか。それはまた、別の機会があれば語るとしよう。 




二万字くらいで抑える筈が二倍になった……。はい、いつも通りですね。
という訳で東方二次創作とバトルファック、どちらも初挑戦でした。

東方自体は紅魔郷あたりからリアタイプレイしているので古参ではあるのですが、二次を書くのは初めてです。私なりの紅魔館メンツとカップリング……という訳で独自解釈はご容赦ください。

愉しんで頂ければ幸いです。面白かったと思って頂けたら感想などお気軽にお寄せください。

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