和泉と式守は仲良しのカップル。
そんなある日、和泉君が何者かに誘拐されてしまいます。
式守さん達は和泉君を救い出す事が出来るのでしょうか?
4人の絆が今こそ試されます。
原作の雰囲気を踏まえつつ、ハニージェットコースターの様な甘酸っぱい青春模様を貴方に送ります!

式守×和泉 式守(兄)←オリキャラ
ラブラブ注意。

⚠️多少の出血描写と性展開があります。

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純愛が好きです。


「可愛いだけじゃない式守さんと可愛い和泉と時々、オレ。」

 

 

【可愛いだけじゃない式守さんと和泉と時々、オレ。】

 

 

「なんだよこれ……。」

 

犬束、式守、猫崎、八満の4人は教室の前に展開されている鋼鉄製の壁に目を見張った。

 

「なんだこれ。邪魔だな。」

 

八満は不思議そうな表情(彼女曰く表情筋が死んでいるため側からはそうは見えない。)を浮かべている。

 

彼らの教室、2-A組の入り口をすっぽりと覆う様に鋼鉄製の壁があり、中に入る事が出来ない。猫崎が壁をこんこんと叩いた。固そうだ。

 

「来たかお前ら……。」

 

 不思議そうな表情の4人の頭上に、声が響く。見上げると、モニターが吊り下げられている。そこに映し出された映像には全裸の和泉が両腕を縛られ、その両翼を囲む様に屈強な体格の男子生徒が佇んでいた。

 

「い、和泉さんっ!?」

 

式守が驚愕の声を漏らす。彼女の恋人、和泉が裸で縛られているのだ。無理もない。モニターからは淡々と学校中に響き渡るかの様に声と映像が流れている。

 

「式守ぃ……。君の大ぁい好きな和泉君は我々が拘束している。君には僕達のショーを楽しんで欲しいのだよ。」

 

「くくく……式守、お前、和泉とは何処まで行ったんだ?キスもまだだよなぁ。くっそ……和泉……エロい身体しやがって……。体育祭の頃から誘ってたんだろ?」

 

「我々がたっぷりと可愛がってやるからな。」

 

 3人の男の声。その声色に犬束は聞き覚えがあった。確かモニターの声の主は放送部の音好、映像に映っている2人のうち1人は柔道部の山下。そしてもう1人は空手部の空手だ。2人とも有段者であり、空手に関しては幼い頃に式守と面識があった筈だ。

 

「何が目的なんだよっ!和泉を離しやがれっ!」

 

犬束が吠える。こちらの声が聞こえているのか、ダメだという返答があった。

 

「和泉君を離してくださいっ!」

 

 対する式守は壁を殴っている。しかし無駄だった。がつん、という音が虚しく響くだけだ。

 

「くくく。無駄だよ。この壁は厚さ2m。海上自衛隊が保有している、イージス艦に搭載されているSM-2ブロックミサイルでも破壊は不可能だ。」

 

「お前学校になんてもの作ってんだよ!?」

 

「君に説明する必要はない。そんな事より……山下、空手、はじめたまえ。」

 

「さっすが音好。分かってるな。」

「覚悟しろよ和泉ぃ……。」

 

「んー!んんんー!!」

 

和泉が身をよじらせながら悶えている。

 

「くねくねしてんじゃねえよっ!!おらっ!尻出せや!!」

 

 空手が和泉の体を引っ張り、尻を突き出させる。モニターには和泉の男とは思えないような美しい陶器の様な臀部が露わになっていた。ごくり……と犬束が生唾を飲み込む。女子3人は無言のままだが、その非日常的な光景は確かにエロティシズムを感じさせた。

 

 

「おいおい。強引だな……。」

「ふむ、いい尻だ……和泉……可愛いよ。」

 

「んーー!!んーー!!」

 

 

「やめろぉぉぉぉぉぉっ!私の和泉さんに触るなぁぁぁぁっっ!」

 

式守が吠えた。凄まじい声量に犬束達はびくりと身を震わせた。八満に関してはがたがたと震えている。小柄な彼女が、さらに一回り小さくなってしまったかの様だ。

 

「あーあ。ああいってるよ和泉。でも良かったな。式守に見せるはずだった和泉の痴態、たっぷりと見せつけてあげような。」

 

 空手が言い終わるや否や、山下に合図を出す。山下が丸太の様な太い腕を、和泉の首に回した。

 

「もしも抵抗したら、大好きな式守にはもう会えなくなるなぁ……それでもいいのか和泉?」

 

「んー!!」

 

 和泉の細く、白い柔肌をへし折るかの様に、山下は体重をかけた。和泉は呼吸ができず苦しいのか、尻穴がひくひくと痙攣している。

 

「それじゃ……和泉の”処女”いったっだっきまーす!」

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!」

 

「うるせぇっ!行くぞオラッッ!」

 

 式守の静止も虚しく、和泉の菊紋に野太い陰茎が捻り込まれる。グロテスクな光景だった。しかし同時に、何処か嗜虐的な光景だった。和泉の菊紋がひくひくと陰茎を締め付け、空手もその度に快感に悶える。あの和泉を犯してやったという征服感。あの式守から奪ってやったという背徳感。そして純潔を奪ったという優越感に酔いしれていた。恍惚な表情を浮かべながら、空手は腰を振り続ける。

 

「……はぁーーーーーーっ!たまんねぇ……!最高だぜ和泉!お前のケツ……この弾力、柔らかさ!気持ち良すぎだろ!絶対柔軟剤使ってるだろ!!」

 

「んー!んんーーー!っはぁ……。あっ。」

 

 空手が腰を振るたび、最初は痛みに悶えていた和泉の声色に艶が灯る。時折、切なさ気な嬌声を漏らしながら、和泉はじっと耐えていた。

 

「くっそー。空手のやつだけ卑怯だぞ。次は我の番だ……おら和泉少年っ!咥えろ!!式守女子とキスすらしてない綺麗な口で、我を愉しませてくれ!!」

 

 ずい、と黒光りするグロテスクな陰茎が目の前に放りだされた。しゃぶれ。山下はそう告げると、和泉の口に貼られていたガムテープを一気に剥がした。

 

「はっ……。はぁ……あっっ!!」

 

ジュップ……ジュップ……ヌプヌプゥ……

 

 息苦しさから解放された和泉が口を開いた瞬間。山下の欲棒が捻り込まれた。猛烈な青臭さと苦味、そして塩気に吐きそうになるが、抵抗したら山下はあっさりと和泉を殺すだろう。恐怖が和泉を襲い、山下の欲望のなすがままに陰茎を咥えた。

 

「おお、上手いな……。和泉……お前、本当に初めてなのか?」

 

 下卑た笑みを浮かべながら、山下が腰を振る。正に前門の虎、肛門の狼である。和泉が息苦しさと快感に身を捩らせながら、式守の方から顔を逸らした。恐らく、見られたくはなかったのだろう。その様子を見た式守は涙を浮かべる。

 

 

「ひゅきゅもりさぁん……みんな……見ない……でぇ。」

 

 和泉が山下の陰茎を咥えながら、カメラに向かって哀願する。式守は、自分の中の何かがキレる音が聞こえた。自分を好きだと言ってくれた優しい少年。沢山デートを重ね、両親にも顔を合わせ、卒業してもずっと一緒だと約束してくれた和泉。そんな彼が、涙を流しながら犯されている。式守は悔しさと悲しみに発狂しかけながらも、壁を殴り続けた。皮膚が剥がれ、肉が裂け、血が流れても殴るのを止めない。止めるわけにはいかないのだ。止めたら、諦めたら、全てが終わってしまうから。彼との思い出も、みんなとの思い出も、男達の欲望に屈してしまう。それを許す訳には行かなかった。だから式守は八満と猫崎が涙を流しながら止めようとも、拳を止めない。抵抗し続けた。この、拳で。17歳の少女が。そんな彼女の決意を踏み躙る高笑いが響き渡る。

 

「ふぅぅぅぅぅっっっっっはははははははぁぁぁーー!無駄だよ。無駄無駄。式守ぃぃぃぃ、どうして僕達がこんな真似をするんだと思う?嫉妬だよ。しっ、と。しっとしっとしっとしっと!しぃぃぃぃっっっっっっっっっとだ!!!君と和泉の仲を応援する?クラスのみんなが?優しい大好きなクラスメイト❤️……そんな訳———っっねぇぇだろうがーーー!!!」

 

「お前達の思い出も、積み重ねた絆もぉぉぉぉっ!俺達がぶっ壊してやる!特に式守ぃぃぃぃぃぅっっっっっっっお前はっ!お前だけはぁぁぁぁぁぁぁーーー!ぜぇぇぅっっっっっっっったいに許せねぇぇぇぇ!俺をっ!睨みやがったっ!てめえのっ!あの時のぉっ!!怒りに満ちた眼差し!全部!全部!ぜぇぇぇぇぇんぶぅぅぅぅぅぅぅっっ!!!!ぶっ壊してやるからなぁぁぁぁぉぁっ!!!!!」

 

 音好が口から泡を吐きながら叫ぶ……壊れていた。まるで壊れたカラクリ人形の様に、ぱくぱくと口を開く。八満はやべぇ……こええよあいつ……と何度も呟き、失禁している。彼女の蜂蜜の様な小水が、床を濡らしていく。式守の拳から垂れた血溜まりが床に垂れていく。その2つの液体が混ざり合う色は、まるで破瓜の色合いを彷彿とさせた。

 

(畜生……和泉……!)

 

 猫崎と犬束は己の無力を嘆いた。この鋼鉄の壁さえなければ、すぐに和泉を助けたいのに。だが、空手と山下と、そして凶器に駆られた音好が怖くもあった。出来ればこの場から逃げ出したかった。だが、式守が奮闘している姿を前に、逃げ出す訳にはいかなかったのだ。

 

「うおおおおっ!射精(だ)すぞ!孕め和泉ぃっ!」

 

「くっ!我も限界だ。しっかり飲み干せ!」

 

 

ドビュルルルルルッッッ!!ビュルルルルゥゥゥゥッッッ!!!

 

 

「ああああああっっ!ごぼっ!式守さん!ごめんっ!ごめんなざい!」

 

 悪魔の高笑いの様な無慈悲な射精音が響く。和泉も涙を流しながら叫んだ。だが世界は残酷である。2人の欲棒が欲望を吐き出し、世界が静止する感覚を和泉は覚えた。和泉も同時に達したのか、彼の可愛らしい陰茎からどぴゅりと白濁液を吐き出した。

 

「ひゃーはぁぁっっっはっはっはっぁぁ!いい眺めだなぁ和泉ぃぃ!!

見ろよ式守の顔をよぉぉぉぉっ!!ざまぁぁないぜぇぇぇっっ!!」

 

狂った声色で音好が叫ぶ。

 

「はぁはぁ……和泉……お前やっぱり最高だよ!」

 

空手が脱力した様子で和泉の肉体を褒め称えた。

 

「おい空手!代われ!次は我がそっちの穴を………………おっ?」

 

 一瞬、山下は何が起きたのか理解出来なかった。理解したと同時に、彼の陰茎が床に転がっている。陰茎からは鮮血と白濁液がどくどくと床に染みを作る。

 

「あ…………え……ぎゃああああああああああ

あっっっ!!!!????」

 

山下が痛みに転げ回る。噛みちぎられたのだ。あの和泉が、抵抗とは無縁の温厚な彼が、圧倒的な体格差を誇る山下の陰茎を噛みちぎったのだ。

 

「おい!?おい山下!離せ和泉……なっ?こいつ?ケツが俺のを咥え込んで……?う、うおおおおおおおおおおおおおっ!?すっ!吸われる!?俺の金玉袋の中身が吸い尽くされていく???」

 

 

それは、空手が初めて感じた恐怖だった。

 

 

 男を屈服させる事を生き甲斐としていた空手。自分は支配する側の人間だと疑いもしなかった空手。そんな彼の陰茎が、和泉の肛門に搾り取られていく。何という肛門括約筋の力だ。元来、大腸には水分を吸い取る作用がある。その力と、彼の肛門括約筋の活躍によって、空手の陰茎の水分と精液が根こそぎ搾り取られていく。

 

「馬鹿……な……この俺が……負け……?」

 

 最後は言葉にならなかった。絞り尽くされた陰茎だけが、ミイラの様に乾涸(ひから)びている。もはや生殖器としても排泄器官としても機能しないだろう。

 

「ふ……2人とも!!起きろ!立ち上がれ!勃ち上がるんだ!!くそっ!一体何が……?」

 

「はぁはぁ……君の負けだよ。音好君。」

 

和泉が精液を吐き出しながら、ぜいぜいと声を発した。

 

「僕は……身体は侵されても、心までは犯されはしない……不可侵条約ならぬ……不可”心”条約だよ……。式守さんと僕の絆は……誰にも……断ち切れやしない。」

 

「クソッタレがぁぁぁぁ!!」

 

 横たわる和泉の体に激情に駆られた音好がナイフを突きたてようと迫る。その刹那、音好の身体が宙を舞った。式守の見事な上段前蹴りが音好の股間を蹴りあげたのだ。ばちゅん、という玉袋が爆ぜる音が聞こえた。音好が崩れ落ち、ナイフが空手の方に転がっていったのを目で追いつつも、式守の動きは素早い。次に山下の噛みちぎられた陰茎を踏み潰す。腐った芋虫の様な嫌な音が響いた。

 

「式……守さ…………。」

 

 壁を打ち抜いたのか。雨垂れが石を穿つが若く。その、拳で。なんて無茶をと和泉は思った。だから式守の両腕は不自然に骨折しているのだろう。拳骨が陥没している。損傷が激しすぎる事がありありと分かった。そして、彼女にそんな怪我をさせた自分自身を和泉は恥じた。自分自身の不幸体質が、式守を巻き込んでしまった。

 

「大丈夫ですか!和泉さん!」

 

 式守が和泉に近付こうとしたその時だった。

 

「おいおいおい。俺さ……そういうベタベタしたの嫌いなんだよねぇ。」

 

「なっ……!?」

 

ミイラ状態から復活した空手が、和泉の前に立ち塞がる。彼は足元に落ちていたナイフを拾った。

 

「式守……取引しようぜ。お前の兄貴をここに連れてきてやったら、和泉は離してやる。俺もお前達には干渉しない。」

 

「どうして……貴方達は何が目的なんですか?兄さ……兄が関係あるんですか?」

 

 怒りの表情を隠しきれない式守が、臨戦態勢を取りつつ疑問の声を上げた。無理もない話だった。音好は分かるが、何故将来有望な空手と山下が音好に協力するのか、何故和泉を狙う必要があったのか。そして何故校内で犯行に及んだのか。そんな式守の疑問の色を感じ取ったのか、空手応える。

 

「俺はな式守……お前の兄貴に裏切られたんだよ。お前の兄貴と俺は、幼い頃から同じ道場で空手を学んでいた。お前の兄貴は優しくて、強くて……いい男(ひと)だった。俺はお前の兄貴とずっと一緒に生きていきたいと、幼いながらに願っていた。」

 

「………………。」

 

「式守、お前が道場に来た時のことも覚えているよ。兄貴と違ってお前は泣き虫だった。でもあいつはそんなお前も鍛えていただろう。

ミット打ちも、平安の型も、空手の基礎はあの人に教えもらったはずだ。」

 

 

「何が……言いたいんですか?」

 

 

「話が逸れたな。俺は……お前の兄貴が好きだった。年上の優しい男として。だが、お前の兄貴は異性愛者(ノンケ)だって知っていたから、俺は何も言わなかった。ずっと一緒に空手を続けていけたら、側にいれるだけで幸せだった……あの日まではな。」

 

「中学2年の頃、お前の兄貴は突然空手をやめた。当然疑問に思ったよ。後一歩で黒帯というところまで来て、あの人は辞めたんだ。あの人が考え抜いた末の判断ならまだ良かった。他にやりたい事が見つかったのなら、口を出すつもりもなかったしな。」

 

「……まさか。」

 

「そうだ!俺は、あの人が女と楽しそうに遊んでいる場面を見てしまった。俺といた時には見せなかったような表情、心底幸せそうな表情。それを見た瞬間、俺の中で何かが壊れたよ。」

 

空手がナイフを和泉の首に当てる。

 

「式守、お前は心の底から和泉が好きなんだろう?その気持ち分かるぜ。ははっ……だからこそ。」

 

「——————壊してやりたいんだ。」

 

 式守の判断は速かった。疾風怒濤の若く空手の股間を前蹴りで蹴り上げる。ぶちゅりという生々しい音が教室中に響く。

 

「遅えよ、式守!」

 

 空手がナイフを横に引いた。ぴっ……と横に線通った後、和泉の喉元から血が溢れ出す。

 

「ああ……あああああああっっ!!」

 

「……あばよっ式守!和泉っ!一生後悔しながら生き続ければいい!お前も、お前の兄貴も!全員地獄に堕ちやがれっ!!」

 

 空手が和泉を突き飛ばし、直後、自身の喉笛にナイフを突きたてた。がはっ……という苦悶の声を上げながら空手が力無く倒れる。

 

「……っ!!和泉さん!和泉さん!?和泉さぁんっっ!!」

 

 気が狂ったかのように式守が叫びながら、和泉の喉元から溢れ出る血を止めようと試みる。

 

「お、おい!大丈夫か式も……和泉ィィィィッッッ!!」

 

「みっ、みっちゃん。何があったの?」

 

「…………惨殺現場だな。」

 

 腰がすくんで動けなくなっていた他の3人が、教室に入ってくる。涙を浮かべながら、救急車を!と叫び続ける式守に促され、犬束は救急車を呼ぶ。だが、間に合う保証はない。

 

「式守……さ……。」

 

「和泉さん!!しっかり!喋らないて!」

 

 和泉が声を出そうとする度に、ごぼごぼと血液に泡が混じる。傷が動脈まで達しているかは判断出来ないが、危険な状態であることは一目で分かった。

 

「修学旅行……楽し……かっ……ね。」

 

「そんな事を言ってる場合じゃないですよ!」

 

「僕……最……まで……君……守られ……。」

 

和泉の両目から涙が溢れる。同時に、式守は自分も泣いている事が分かった。

 

いやだ。

……いやだ。

…………いやだ。

 

(和泉さんを死なせたくないっ……!!)

 

 両親とも会ったのだ。これから先も楽しい生活が待っているのだ。だからこそ、式守は和泉を死なせるわけにはいかない。圧迫止血で少しでも和泉の出血を抑える。

 

「式守!和泉!もう大丈夫だ!保健の先生と救急車、ついでに狼谷も呼んできた!だから……!」

 

「はい!!和泉さんは危険な状態です!絶対に動かさないでください!」

 

 犬束に連れてこられた保健の先生と、救急隊員が教室内に入る。一方狼谷はおろおろしていた。

 

「式守……お前も和泉と一緒に行け!」

 

「分かりました!」

 

 式守が付き添いのため、教室から出て行く。後に残された犬束、猫崎、八満、狼谷の4人は、ただ呆然と立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

♢ ♢ ♢

 

 

 その後、病院に搬送された和泉は、危険な状態であったものの一命を取り留めた。空手は死亡。一方、山下と音好は生殖機能は完全に失われたが、命だけは助かったという。

 

 次の日、狼谷は図書室で考えに耽っていた。

あの日、何が起こったのか。経緯は、原因は何か。和泉が何故全裸だったのか。だが何よりも、狼谷は和泉の危機に立ち向かえなかった自分自身に打ちのめされていた。自分と式守の違いをありありと思い知らされた。

 

(…………。)

 

 本を眺めながら、狼谷は考える。今回の事件は、本当に音好、空手、山下だけの問題だったのかと。教室にあんな壁を作ったのは誰なのか?モニターを設置したのは何者だ?そして何よりも、何故接点のないあの3人が共謀出来たのか?狼谷はこの事件の裏に、何者かの底知れぬ悪意を感じざるを得なかった。

 

 

 

完




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