純性癖ナイツ 作:ひかりねこ
たぶん前作を読んでなくても問題ない構成です、あと今回はけっこう短め。本番も特にありません。
書きたい内容が山のように増えてしまい、執筆速度がさっぱり追いつかない状況です。いつか語った予定とはだいぶズレてやりたいようにやっていますが、よろしくお願いいたします。
今日の天気は雨だった。
ザァザァと降りしきる大雨の中をロドス本艦は進んでいく。空は当然のように黒雲に覆われており、夜になっても星空など望めそうにない。
私とアステシアは窓から空を見上げながら、ちっとも改善されない空模様にため息をついた。
「中々降りやまないな。今夜いっぱいこの調子か」
「ドクターの言う通りね……今日は天体観測どころじゃなさそうね」
秘書を務めてくれている前衛オペレーター、アステシアは優秀な天文学者兼星占い師だ。星の観察を生業とする彼女だが、このような雨天ではどうにもならない。空を眺めながら気落ちした風なのも仕方ないだろう。
一方で私はといえば、残念そうな雰囲気を装いながらも内心ではだいぶ昂っていた。雨の日はアステシアの天体観測が中止となり、夜の間フリーになるわけで……必然的に、恋人関係である私たちが交われる時間も多くなる。
「たまには休憩ってことで良いじゃないか。君はいつもよく頑張っている、羽を伸ばすのも大事だろう」
アステシアが悲しんでいる姿は見たくない。しかしすっかり肉欲に溺れた今となっては、雨が降って喜んでいるのも事実であり。誤魔化すように私はそれっぽい慰めを口にした。
ただ、幾度となく身体を重ねた星占い師はすべてお見通しなようで、意地悪な笑みを浮かべて「あら?」と小首を傾げた。
「いつも雨の日は時間があるからと、遅くまで寝かせてくれない人はどこの誰かしら?」
「…………はい」
「素直でよろしい。取り繕わなくたっていいわ、ドクターが雨で喜んでるからといって、あなた自身が雨を降らせているわけじゃないのだから。私だってあなたと過ごす夜は好きなのよ?」
「すまないね、気を遣わせてしまって」
彼女はいつも私の意思を汲んでくれる。秘書としても、パートナーとしても、何度その性格に助けられたか分からない。こういう女性だから心惹かれたのだろうな、などと考えてしまう。私にはもったいないくらい素晴らしい女性だ。
「……ただ、今夜はちょっと都合が悪いわ」
「そうなのかい?」
一転して歯切れの悪い言葉を返されてつい聞き返してしまう。思わぬ言葉だったが、もちろんアステシアの意思が最優先であって私の性欲など二の次である。
彼女は少し躊躇い、頬を紅に染めながら、自身の下腹部へそっと手を添えた。ちょうど子宮の上に位置する部分を服越しに優しく撫でる。
「たぶん、今夜はその……産んでしまう日だから」
「あ……あー……なるほど、そういうことか」
──リーベリの女性には産卵期が存在する。
何故リーベリが卵を産んでしまうのか、明確なメカニズムは判明していない。時折、羽獣が産み落とすような白い卵を子宮内部に身ごもってしまい、生理の代わりに排出するのだ。本人たちはいつ出来るのか、あるいは卵が既に存在しているのかを感覚的に察せるようで、該当日は自室で休養しつつ産卵するのが常である。
そも、子宮に硬い異物が発生するだけでも結構な負担なのだ。私には想像もつかない産みの苦しみがあり、ロドスはこれに関して『休養を申請して構わない』と明確に定めてある。
「今日がその日ならば休んでいても良かったのに。無理をして秘書をさせていたら君に申し訳が立たない」
「無理はしてないわ、大丈夫よ。私はただ知っているだけ、産卵は今夜始まるってことをね」
「……星占いというのは便利なものだな」
「見えたのは偶然よ」
ふふっとアステシアは笑う。神秘的で吸い込まれてしまいそうな表情にドキリとさせられる。誰もいないことを理由にキスをしたくなるが……さすがに今は我慢しよう。
「分かった、それなら今夜は無しだね。必要なものがあれば呼んでくれたら助けになるから、しっかり療養してくれ」
「あら、気前がいいわね。必要なものであれば何でもいいの?」
「えっと、私に用意可能なものであれば」
ちょっとデリケートな話題なのもあって目を逸らした私へ、アステシアはこちらの顔を覗き込むように動いた。少し潤んだ、青色の瞳と視線が合う。
「なら、あなたが欲しいわドクター。今晩、私の部屋に来てちょうだい」
「……え?」
申し出は、思いもよらない内容だった。
◇
その日の夜、私は約束通りアステシアの自室を訪れた。
「いらっしゃい、ドクター……さ、上がって」
これまで何度かアステシアの部屋に入ったことはある。だから
「あ、ああ、お邪魔します」
邪な感情を抑えて入室する。室内は天文学者らしい小物で溢れていた。壁に貼り付けられた星図、机に置かれた天球儀と星座早見盤、埃避けの布を掛けられた天体望遠鏡まで様々だ。アステシアの星にかける情熱にはいつも圧倒されてしまう。
「ありがとうドクター、私の我が儘を聞いてくれて」
「とんでもない、君からの頼みなら当然だよ。だけどこう……私で本当に良かったのかい?」
産卵という女性からすればあまり関わってほしくない、随分とデリケートな問題に踏み込む事となる。今まで散々身体を重ねて愛し合ってきた私たちですら気を遣ってあまり話題に出さなかったほどなのだ。故にこの場に呼び出された事実への戸惑いが強い。
立ち尽くす私へアステシアは「座って頂戴」とベッドを指した。素直に腰かけると対面に彼女が立つ。普段ならここから燃えるような夜が始まるのだが。
「ドクターで良かったのかという質問だけど──もちろん良いに決まってるわ。あなただから頼めたの」
「それは光栄だけどね。具体的に、私は何をすればいいんだい?」
「言葉にすれば簡単よ……私が卵を産むのをね、手伝ってほしいの」
恥ずかしそうに、けれどハッキリとアステシアは口にした。
やはりと思いつつも唖然とする私の前でパサリとスカートが下ろされてしまう。スラリと伸びた白い両足も、大事な部分を守護する黒色の布切れも、すべて私の視線に晒された。
「ねぇ、知ってるかしら? リーベリの産卵はね、好きな人が隣にいると格段に楽になるらしいの」
「そう……なのかい?」
「都市伝説みたいな話よ。だけど実際、クルビアに居た頃からそういう話題には事欠かないわ。もちろん繊細な話だから恥ずかしがってパートナーに頼みづらい人も多いし、現に私もそうだったのだけど──」
手が伸ばされた。白く柔らかな両手が私の頬を触れ、愛おしそうに撫でる。
「何度も恥ずかしい姿を見せ合ってきた私とあなたなら、もう遠慮も必要ないかと考えたの。だからお願い、手を貸してもらえないかしら?」
なるほど、事情はよく理解した。ならば私の答えは決まっている。
そっとアステシアの手を取り、優しく握りしめた。
「私で良ければ喜んで、君の助けになろう」
「ありがとう……ドクターならそう言ってくれると信じてたわ」
◇
「えっと、重たくないかしら?」
「大丈夫だよ、全然軽い」
ベッドの上で胡坐をかいた私の膝へ、アステシアが背中を預けるように座り込んだ。
ちょうど子供を座らせて本を読むような姿勢だが、同時に何度も交わった経験から背面座位を意識してしまう。今日はそういう事をする訳じゃないと己へ言い聞かせ、膨らみかけた愚息を何とか抑えつける。
「ふー……こうしていると、ドクターに包まれているようで安心するわ」
「そうか」
ただ、こうして密着していると女体の柔らかさや香りをダイレクトに感じてしまう。まして今のアステシアは産卵のために下半身はショーツすら身に付けていない。おかげで白いぷっくりとした陰裂も、ふんわり生え揃った茂みもすべて見えてしまい、理性が猛烈に削られていく。
ほんの一瞬だけ欲望に負け、お腹へ手を寄せ触れてみた。普段より膨らんだそこは内部に卵を宿していることを如実に物語っている。人体の不思議というか、このような異物を生成するリーベリの謎を感じてしまう。
「あっ……」
「嫌だった?」
「ううん、むしろホッとしちゃって……不思議ね、いつも苦しいだけの時間なのに、今日はちっとも辛くないの」
それは良かったと頷いて、しばらくのんびりと身体を寄せ合った。エッチな触り方は一切しない。青色の髪を優しく撫でたり、そっと抱きしめたりして、アステシアがリラックスできるよう意識する。普段よりも仄かに体温は高く、上気した顔には軽く汗が浮いていた。
「……ん、そろそろ始まりそうだわ」
うめき声とも嬌声ともつかないような、苦楽の入り混じった声音がアステシアの口から洩れた。切羽詰まった余裕のない、熱を帯びた吐息が私を狂わせようと試みる。
伸ばされていた足が曲げられM字を描くように開かれる。子供に放尿を促すような姿勢だが、アステシアに羞恥を覚える暇はなさようだ。大胆に開帳された脚の間では既に、これでもかと濡れた秘裂が口を開いて産み落とす時を待っていた。
いよいよか──緊張のままゴクリと息を呑んでしまう。
呼吸を整えていたアステシアが私の右手を取り、そっと自身の秘部へと添えさせた。言われずとも意図を察した私は、ぷにぷにした陰裂を優しく広げた。くぱぁと広げられた裂け目からコポリと白い愛液が垂れ落ち、それが最後の一押しとなる。
「あ、あぁ、んっ……っ!」
ぐぐっ、むりゅ……むりゅ……♡
くびれの付いた白いお腹がビクリと跳ね、白い殻で覆われた卵が膣口から顔を覗かせた。大きめの卵は愛液でテラテラと光っており、膣口を拡張しながらズルズルと外へ這い出ようと試みる。アステシアは苦しそうに──いや、明らかに快感を堪えるようにギュッと口を引き結んで耐えていた。
卵が膣道を擦って出て行くのが気持ち良いのだろうか。目尻には涙を溜め、微かに漏れ出る吐息は快感に浸され淫靡なものとなっている。ピンと伸ばされた足は快楽によって震えていた。
「……ああっ♡」
ぷしゃりと、膣口の上部から水滴が迸った。ぱたたっと噴き出されシーツを黒く汚してしまう。
まだ産卵が始まった直後でありながら、もうアステシアは性的絶頂に昇りつめてしまったようだ。
「産卵して気持ちいいのかい?」
「ち、違うの……! いつもはもっと、苦しいはずなのに……♡ 今日は何故だか、卵を産むのがとっても心地よくて……んぐぅっ♡」
膣がキュッと締まったことで、ようやく白い塊がぐぽんと膣口から抜け落ちた。シーツの上を転がる卵は微細な凹凸に愛液をしみこませ、妖しい輝きを放っている。改めて見てもアステシアの
一つ産み落としただけで息も絶え絶えな様子だが、卵はまだまだ残っているようで。ごろりとアステシアの細いお腹が動き、白い手足が強張った。先達が開いた道へ次の卵が続こうとしているのだ。
「また、出ちゃう……っ。傍に居て、ドクター……♡」
「ああ、大丈夫だよ。私はちゃんとここに居るから」
片手で割れ目を広げつつ、もう片手で不安そうなアステシアの身体を抱きすくめた。まるで熱があるかのように熱い。いつの間にか半開きとなった口からは涎が垂れ落ち、普段の凛々しい姿とはかけ離れた痴態が披露される。空洞になった膣から再びコポリと蜜が溢れた。
抱きしめられて身体から余計な力が抜けたアステシアは「ふぅ……っ♡」といきみ、次の産卵が始まった。
「はぅ、あぁぁっ……♡ お腹の中で、こすれて……っ♡ ふぎっ♡」
楕円形の表面に刻まれた凹凸がゾリゾリと膣襞を擦り上げているのだろうか。中を白殻が数ミリ進むだけで気持ちよくなってしまうようで、幾度となく身体を跳ねさせている。産卵快楽という背徳的な法悦をすっかり覚え込まされた秘裂は真っ赤に染まった粘膜をさらけ出し、クパクパと呼吸するように膣口を動かしながら次の卵を外へ出そうと蠕動した。
そんなものを特等席で見せられる私からすれば堪ったものじゃない。まるで自分の中にローターを仕込み、それを出して遊んでいるようにも見えてしまって……生理的行動というより、もはや性的誘いに思えるほどだ。
「うぐぅっ……また、産まれるわ……っ♡ あぁっ♡」
ぐぽんっ、ごとんっ……♡
私の葛藤を他所に先と同じ大きさの卵が二つ、今度はまとめてアステシアの内部から出てきた。やはり出すたびに多大な快感を拾っているようで、電流に打たれたようにビクビクと身体を跳ねさせる。合計三つの卵は愛液に塗れながらシーツを転がり、ぷしゃりと噴き出された潮でコーティングされ乾く暇すら与えられない。
私が危惧していた産みの苦しみはいったいどこに、と疑問に感じてしまうほどの痴態だった。身体が発情期となって産卵の準備をしてもなお苦しいものと聞くが、性的快感に呆けたアステシアの表情に辛さの色は皆無だ。
「これで終わりかい?」
「いいえ……まだ一つ、今までよりも大きいのが子宮に残っているわ……」
震える足でアステシアが私の膝から置き上がった。卵の転がる場所を避けてコロンとシーツに仰向けとなり、足を抱え込むようにして広げてしまう。産卵快楽でヒクつく割れ目も、整えられた青色の花畑も、下部でひっそり息づく菊門すら丸見えな態勢だ。
思いがけない煽情的な姿勢に私の思考が固まってしまう。雄を誘惑する雌の体勢と、まだ卵が残っていることにどういう因果があるというのか。分からないが、けれど雌の匂いを振り撒く花弁に視線が釘付けとなってしまう。
「アステシア……?」
「あと一つの卵が、
「な、なるほど……」
羞恥心から顔を逸らすアステシアを見てようやく事情を察した。そういうことなら、私がここに呼ばれた意義を果たすべきだろう。
恐る恐る手を伸ばす。指で彼女の膣内を責めたことなど何度もあるのに、今回は妙に緊張してしまう。熱く濡れそぼった入口に人差し指を差し込み、内部を触診するよう慎重に進んでいく。ほとんど根本まで飲み込まれた辺りでコツンと硬いものに指先が触れた。柔らかな女体がピクリと震える。
「それが、最後の卵よ……んっ♡ ドクターの指が入ってて、これだけでも気持ちよくなっちゃう……♡」
「これは指だと難しい、か……?」
殻に沿って指を動かしてみるが、よくほぐれた膣襞がぴったり卵を包み込んで隙間の一つも見いだせない。下手に突き込んだ結果膣を傷つけてしまったら一大事だ。
さて、これはどうするか。何度もアステシアとは肌を合わせた仲であり、玩具の使用も経験しているがこんな状況は初めてだ。膣側から異物を引き抜けないなら──別の場所から引きずりだしてみるか。
「力を抜いて」
「えっ──」
ちゅぽんと水音を立てながら指を引き抜き、すっかり愛液でふやけた先端をアステシアのお尻へとあてがった。クニクニとマッサージするように触り、「これからここへ入れるよ」とアピールする。何度も交わった中で後孔も十分に開発済みだ。
「あっ、待って、そっちは……んくっ♡」
ぐぐぐ……っ♡
一瞬戸惑いの声が出たものの、抵抗なくアステシアの直腸へ指が潜り込んでいった。
熱くキツイ腸内を探索し膣の裏側を探り当てる。腸壁越し指先に感じた硬い感触は彼女を苦しめている卵で間違いないだろう。指で卵を引っ掻くように手前に引き寄せると、僅かに動いた感触があった。
「お尻苦しくない?」
「平気だけど……どちらにも入ってる感触があって、妙な感じね……それにその……」
「ちょっと気持ちいい?」
「言わないでちょうだい……♡ あふっ……♡」
カリカリ、グニグニ……
慎重に腸壁を擦り上げながら卵を掻き出していく。時折お尻の中の善いところに当たるのか、熱いため息が漏れ出ていた。絵面だけ見ればアナル責めなものの、私としては大真面目に診療を行っている気分である。
さらにアステシアのお腹に手を当て、卵が上に逃げてしまわないよう抑えつけた。前後から圧迫された異物はゆっくりとだが出口へ向かって進んでおり、じわじわとアステシアの性感を高めながら脱出を目指していた。
「んぐっ……ああ゛……っ♡ ふっ、ぐっ……♡」
意図せず両穴責めとなったことでアステシアはすっかり蕩けてしまった。瞳からは涙を溢れさせ、口元は腕で覆って濁声交じりの嬌声をあげないよう必死に耐える。それでも抑えきれずに溢れた喘ぎ声が愛液と共に零れ落ちる。
私の指に合わせて腰が動かされ、時間を掛けて丁寧に産卵作業を進めていく。気が付けば直腸側から押し出された卵は先端を膣口より覗かせ、最後の一押しまでやってきていた。ここまでくれば大丈夫だろうとお尻から指を引き抜こうとして──
「待って、ドクター……そのままにして、お願い……♡」
可愛らしく懇願されてしまえば、断る術など持たなかった。
お尻に埋めた指はそのまま、アステシアの膣口を大きく広げて顔を出した殻を見守る。アステシアの息が浅くなり、嬌声の代わりにいきむ声が増え始めた。くぱぁと開かれた姫割れの鮮やかな赤色に対し、白い卵のコントラストが妙に艶めかしい。
「んお゛っ♡ ダメ、卵を産むだけなのに……♡ うぅぅう……イぐ……っっ♡♡」
ぐぽんっ、ビクンッ……♡
最後の卵が勢いよく膣から飛び出し、ゴロンとシーツへ転がり落ちた。それと共にアステシアも絶頂したようで、お尻に入れていた指がギュッと締め付けられて咀嚼された。尿道口からはぷしゃりと潮をまき散らし、異物が抜けて空洞を晒す膣口からは濃い愛液がゴプゴプと流れてシーツの染みと化していく。
「あ゛ーーーー……っ♡ はぁ……んぐっ……♡」
耐えることを諦めたアステシアの嬌声が脳を揺さぶる。ハッキリいって凄まじくエッチな姿だった。産卵により絶頂する姿も、健気にお尻にまで異物を受け入れた姿も、しとどに濡れた割れ目を晒した姿も、どれもこれも股間に悪すぎる。もし私が外道な人間ならばすぐにでも柔らかい膣穴へと突き込み彼女を強姦していたことだろう。
「ドクター……♡」
「もう平気かい?」
「ええ、大丈夫よ……みっともない姿を、見せてしまったわね」
「そんなことはない、君はいつでも綺麗だよ」
とはいえ、産卵直後の余韻を残したまま笑顔を向けてくれるアステシアへ、酷いことなどできるはずもなく。
内心の獣性を理性でねじ伏せ、代わりに労いと証明のキスだけ落としたのだった。
◇
「……ドクター、言い訳をさせてちょうだい。本当に今まで、産卵であそこまで絶頂したことなんて無かったのよ」
産卵絶頂の後片付けを行い、とりあえず卵4つを適当な皿に除けてから、開口一番にアステシアは言った。ちなみに、この卵はさすがに食べられないようだ。
「いつもは子宮から卵が出るだけで苦しいし、気持ち良さなんて感じたこともなかったの。なのに今日だけはその……とっても気持ちよくなってしまって」
「私としては、苦しむアステシアよりも気持ちよくなっている姿の方が好きだから良いことだけど」
「良くないわよ……あんなに恥ずかしい姿を見せてしまうなんて、穴があったら入りたいくらいだわ……!」
有言実行、取替えたシーツの中に潜り込んでしまった。まだ何もつけていない下半身が思い切り見えているのだが、そこはいいのだろうか。
まあ確かに、普段彼女が出さないような嬌声まであげていたし、そもそも卵を産み落とすことで快感を貪るなんてアブノーマル気味ではあるが。別に私は一切気にしていない、どんなアステシアでも可愛いのは本当だ。
「しかし、それならリーベリの都市伝説も信憑性を増したわけだ。今日は私が居たから気持ちよく卵を産めたってことだろう?」
「そ、そうだけど……うぅ……」
「つまり君が、私のことを好きな相手と認めてくれている証左になる。私はね、そのことがとても嬉しいんだ」
付き合いも長くなってきた今、彼女の気持ちを疑うことは微塵もない。
けどやっぱり、信頼を向けられていることを確認できるとすごく心地よいのだ。デリケートな問題を解消するためのパートナーに選んでもらえて、しかも好きな相手だからこその反応をしてもらえて、喜ばない男などいないだろう。
本心からの想いを乗せて言葉を紡いだ。私の言葉を聞き届け、シーツの塊からひょっこりアステシアの顔が出てくる。真っ赤に染まった顔も可愛いなと呑気に考えてしまう。
「なら……もしまた、産卵が始まってしまったら。ドクターは手伝ってくれるかしら……?」
消え入りそうな声で問われた。きっと勇気のいる質問だったのは想像に難くない。
私の答えなどとうの昔に決まっている。だからもう一度、同じ言葉を送るだけだ。
「もちろん、私で良ければ喜んで君の助けになるよ」
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